JP2992072B2 - 新規dna及びそれを含む組換えベクター - Google Patents
新規dna及びそれを含む組換えベクターInfo
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- JP2992072B2 JP2992072B2 JP2309918A JP30991890A JP2992072B2 JP 2992072 B2 JP2992072 B2 JP 2992072B2 JP 2309918 A JP2309918 A JP 2309918A JP 30991890 A JP30991890 A JP 30991890A JP 2992072 B2 JP2992072 B2 JP 2992072B2
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- Japan
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- dna
- cancer
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、ヒト癌関連ガラクトース転移酵素の少なく
とも一部をコードする新規なDNA及びそれを含む組換え
ベクターに関する。
とも一部をコードする新規なDNA及びそれを含む組換え
ベクターに関する。
[従来の技術] 真核生物の作るタンパク質、脂質の殆どは糖タンパク
質、糖脂質として存在するが、その糖鎖の構造はある程
度の基本構造は存在するものの極めて複雑、多岐にわた
るものである。さらに、糖鎖構造は癌化により変化を生
じたり胚の発生段階に特異的な糖鎖構造が出現したりす
ること等が分かっており、糖鎖の構造と機能の関連が注
目されている。
質、糖脂質として存在するが、その糖鎖の構造はある程
度の基本構造は存在するものの極めて複雑、多岐にわた
るものである。さらに、糖鎖構造は癌化により変化を生
じたり胚の発生段階に特異的な糖鎖構造が出現したりす
ること等が分かっており、糖鎖の構造と機能の関連が注
目されている。
糖転移酵素は糖鎖非還元末端(受容体)に、糖供給体
からの単糖を転移するもので糖鎖構造を形成する上で重
要な働きを持つものである。糖転移酵素の1つであるガ
ラクトース転移酵素(ガラクトシルトランスフェラーゼ
(以下、GTと言うことがある))は、ウリジンジホスホ
ガラクトース(UDP−ガラクトース)から種々の受容体
へのガラクトース転移を触媒する酵素であり、殆ど全て
の組織に存在している。このGTの異常な活性が種々の悪
性腫瘍で認められ、腫瘍マーカーとしてのGTの研究が行
なわれ、その結果、GTアイソザイムであるGT−IIの血清
中の量が癌の存在と密接な関係にあることが発見され
た。このGT−IIとは、Biochem.Biophys.Res.Common、65
(2)、545−551、1075に記載されている通り、Native
−PAGEにおいて正常人に主として存在するGT−Iに比較
し移動度の小さいGT酵素活性を有するバンドを定義した
ものである。
からの単糖を転移するもので糖鎖構造を形成する上で重
要な働きを持つものである。糖転移酵素の1つであるガ
ラクトース転移酵素(ガラクトシルトランスフェラーゼ
(以下、GTと言うことがある))は、ウリジンジホスホ
ガラクトース(UDP−ガラクトース)から種々の受容体
へのガラクトース転移を触媒する酵素であり、殆ど全て
の組織に存在している。このGTの異常な活性が種々の悪
性腫瘍で認められ、腫瘍マーカーとしてのGTの研究が行
なわれ、その結果、GTアイソザイムであるGT−IIの血清
中の量が癌の存在と密接な関係にあることが発見され
た。このGT−IIとは、Biochem.Biophys.Res.Common、65
(2)、545−551、1075に記載されている通り、Native
−PAGEにおいて正常人に主として存在するGT−Iに比較
し移動度の小さいGT酵素活性を有するバンドを定義した
ものである。
本発明者らはGT−IIについてさらに究明した結果、癌
に特異的なGTが存在し、GT−IIとしてNative−PAGEに認
められるバンドはその一現象に過ぎず、GT−Iのバンド
及び原点にも一部この癌特異性を有するGTが混在してい
ることを発見した(特願平1−4476)。この癌に特異的
なGTは、これまで言及されてきたGT−IIとしての性質を
一部包含すると共に下記に限定されるようなその本質と
なる物性を有するものである。すなわち、該GTは、癌患
者腹水よりα−ラクトアルブミンアガロースアフィニテ
ィクロマトグラフィーにより精製され、SDS−PAGE還元
条件下電気泳動で約5万の分子量を示し、ネイティブの
状態でMAb4880(後述)と反応性があり、一部会合して
おり、還元処理によりMAb4880との反応性が増大すると
共に自己会合が亢進してゲル濾過クロマトグラフィーで
分子量20万以上の分画に検出される癌関連ヒト由来ガラ
クトース転移酵素である。
に特異的なGTが存在し、GT−IIとしてNative−PAGEに認
められるバンドはその一現象に過ぎず、GT−Iのバンド
及び原点にも一部この癌特異性を有するGTが混在してい
ることを発見した(特願平1−4476)。この癌に特異的
なGTは、これまで言及されてきたGT−IIとしての性質を
一部包含すると共に下記に限定されるようなその本質と
なる物性を有するものである。すなわち、該GTは、癌患
者腹水よりα−ラクトアルブミンアガロースアフィニテ
ィクロマトグラフィーにより精製され、SDS−PAGE還元
条件下電気泳動で約5万の分子量を示し、ネイティブの
状態でMAb4880(後述)と反応性があり、一部会合して
おり、還元処理によりMAb4880との反応性が増大すると
共に自己会合が亢進してゲル濾過クロマトグラフィーで
分子量20万以上の分画に検出される癌関連ヒト由来ガラ
クトース転移酵素である。
しかしながら、癌関連ヒト由来ガラクトース転移酵素
と正常ヒトガラクトース転移酵素との遺伝子レベルでの
違いについては今までのところ知られていない。
と正常ヒトガラクトース転移酵素との遺伝子レベルでの
違いについては今までのところ知られていない。
また、GTは酵素として不安定で量的にも少ないうえに
複数のアイソザイムが存在するためにその精製が極めて
困難である。
複数のアイソザイムが存在するためにその精製が極めて
困難である。
[発明が解決しようとする問題点] 従って、本発明の目的は、癌関連ヒトガラクトース転
移酵素の特徴的構造を明らかにし、該GTに特異的なアミ
ノ酸の配列及びそれをコードするDNAの配列を決定し、
そのようなDNAを分離することである。また、該DNAを含
み、該DNAがコードするアミノ酸配列を発現することが
できる組換えベクターを提供することである。
移酵素の特徴的構造を明らかにし、該GTに特異的なアミ
ノ酸の配列及びそれをコードするDNAの配列を決定し、
そのようなDNAを分離することである。また、該DNAを含
み、該DNAがコードするアミノ酸配列を発現することが
できる組換えベクターを提供することである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意研究の結果、ヒト胎盤より抽出し
たmRNAから癌関連GTに特徴的な部分をコードするDNAを
クローニングすることに成功し、本発明を完成した。
たmRNAから癌関連GTに特徴的な部分をコードするDNAを
クローニングすることに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ヒトの癌関連ガラクトース転移
酵素の少なくとも特異的抗原部位を含むポリペプチドで
あって、2つ以上の抗ヒト癌関連ガラクトース転移酵素
モノクローナル抗体と特異的に反応するものをコードす
る、ヒト卵巣癌細胞由来のcDNAであって、FERMP−11776
の受託番号で生命工学工業技術研究所に寄託されている
大腸菌XL1−BNe/UG−8601に含まれる組換えプラスミド
に挿入されているDNAを提供する。
酵素の少なくとも特異的抗原部位を含むポリペプチドで
あって、2つ以上の抗ヒト癌関連ガラクトース転移酵素
モノクローナル抗体と特異的に反応するものをコードす
る、ヒト卵巣癌細胞由来のcDNAであって、FERMP−11776
の受託番号で生命工学工業技術研究所に寄託されている
大腸菌XL1−BNe/UG−8601に含まれる組換えプラスミド
に挿入されているDNAを提供する。
また、本発明は、上記本発明のDNAを含み、該DNAがコ
ードするアミノ酸配列を含むポリペプチドを発現するこ
とができる組換えベクターを提供する。
ードするアミノ酸配列を含むポリペプチドを発現するこ
とができる組換えベクターを提供する。
[発明の効果] 本発明により癌関連GTの少なくとも特異的抗原部位を
コードするDNAが得られた。本発明のDNAがコードするポ
リペプチドを、本発明の組換えベクターを用いた遺伝子
工学的手法又は合成法を用いて作製し抗原として用いれ
ば、癌関連GT特異的抗体を得ることが可能である。それ
により癌の診断、例えば癌のスクリーニング、確定診
断、癌の進行度判定、治療のモニタリング、標識癌関連
GT抗体による癌の局在診断が可能となり、加えてミサイ
ル療法等の治療にも利用することが期待される。
コードするDNAが得られた。本発明のDNAがコードするポ
リペプチドを、本発明の組換えベクターを用いた遺伝子
工学的手法又は合成法を用いて作製し抗原として用いれ
ば、癌関連GT特異的抗体を得ることが可能である。それ
により癌の診断、例えば癌のスクリーニング、確定診
断、癌の進行度判定、治療のモニタリング、標識癌関連
GT抗体による癌の局在診断が可能となり、加えてミサイ
ル療法等の治療にも利用することが期待される。
[発明の具体的説明] 上述のように、本発明のDNAは、ヒトの癌関連ガラク
トース転移酵素の少なくとも特異的抗原部位を含むアミ
ノ酸配列をコードするものである。ここでヒト癌関連GT
の特異的抗原部位とは、正常ヒトGTには存在せずにヒト
癌関連GTにのみ存在し、かつ、ヒト癌関連GTにのみ特異
的に反応する抗体により特異的に認識される部位を意味
する。ヒト癌関連GTにのみ特異的に反応する抗体の例と
しては、特願平2−54567号に記載したモノクローナル
抗体Mab7907(微工研菌寄第11220号)、Mab8513(微工
研菌寄第11219号)及びMab8677(微工研菌寄第11222
号)を挙げることができる。
トース転移酵素の少なくとも特異的抗原部位を含むアミ
ノ酸配列をコードするものである。ここでヒト癌関連GT
の特異的抗原部位とは、正常ヒトGTには存在せずにヒト
癌関連GTにのみ存在し、かつ、ヒト癌関連GTにのみ特異
的に反応する抗体により特異的に認識される部位を意味
する。ヒト癌関連GTにのみ特異的に反応する抗体の例と
しては、特願平2−54567号に記載したモノクローナル
抗体Mab7907(微工研菌寄第11220号)、Mab8513(微工
研菌寄第11219号)及びMab8677(微工研菌寄第11222
号)を挙げることができる。
本発明のDNAがコードするポリペプチドはエピトープ
を異にする2以上の抗ヒト癌関連GTモノクローナル抗体
と特異的に反応する。下記実施例においては、エピトー
プが異なることが明らかになっている(特願平2−5456
7号)抗ヒト癌関連GTモノクローナル抗体であるMab8513
(上述)とMab8628(微工研菌寄第11221号)と特異的に
反応するペプチド配列をコードするDNAが得られ、該DNA
が挿入されたベクターを含むクローンはUG−8601と命名
された。
を異にする2以上の抗ヒト癌関連GTモノクローナル抗体
と特異的に反応する。下記実施例においては、エピトー
プが異なることが明らかになっている(特願平2−5456
7号)抗ヒト癌関連GTモノクローナル抗体であるMab8513
(上述)とMab8628(微工研菌寄第11221号)と特異的に
反応するペプチド配列をコードするDNAが得られ、該DNA
が挿入されたベクターを含むクローンはUG−8601と命名
された。
なお、本発明のDNAは、少なくとも上記特異的抗原部
位をコードするものであり、従って、上記特異的抗原部
位をコードする領域を含むならば、この部位以外の部位
をコードする領域を含んでいてもよい。
位をコードするものであり、従って、上記特異的抗原部
位をコードする領域を含むならば、この部位以外の部位
をコードする領域を含んでいてもよい。
本発明のDNAのクローニングは以下のようにして行な
うことができる。すなわち、下記実施例に詳細に記載す
るように、卵巣癌細胞やヒト胎盤より抽出したmRNAを用
いてcDNAライブラリーを調製し、このcDNAライブラリー
から目的とするクローンのスクリーニングを癌関連GT抗
体を検出試薬として用いて行なうことにより行なうこと
ができる。cDNAライブラリーの調製は、公知の方法で行
なうことができ、例えばλgt11ファージベクターを用い
たYoungらの方法(Young.R.A.et.al,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,80,1194,1983)によって行なうことができる。そ
の概要を図に示す。このようにして調製されたcDNAライ
ブラリーの発現する蛋白質と癌関連GT特異抗体との反応
の有無を調べることにより目的とするクローンのスクリ
ーニングを行なうことができる。このスクリーニング
は、例えば常法に基づき、抗体をペルオキシダーゼのよ
うな酵素で標識し、酵素免疫分析を行なうことにより行
なうことができる。
うことができる。すなわち、下記実施例に詳細に記載す
るように、卵巣癌細胞やヒト胎盤より抽出したmRNAを用
いてcDNAライブラリーを調製し、このcDNAライブラリー
から目的とするクローンのスクリーニングを癌関連GT抗
体を検出試薬として用いて行なうことにより行なうこと
ができる。cDNAライブラリーの調製は、公知の方法で行
なうことができ、例えばλgt11ファージベクターを用い
たYoungらの方法(Young.R.A.et.al,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,80,1194,1983)によって行なうことができる。そ
の概要を図に示す。このようにして調製されたcDNAライ
ブラリーの発現する蛋白質と癌関連GT特異抗体との反応
の有無を調べることにより目的とするクローンのスクリ
ーニングを行なうことができる。このスクリーニング
は、例えば常法に基づき、抗体をペルオキシダーゼのよ
うな酵素で標識し、酵素免疫分析を行なうことにより行
なうことができる。
次に、上記のようにしてスクリーニングされた陽性ク
ローン(大腸菌)からファージDNAを常法により分離
し、制限酵素解析により目的とするcDNAが該ファージDN
A中に挿入されていることを確認することができる。
ローン(大腸菌)からファージDNAを常法により分離
し、制限酵素解析により目的とするcDNAが該ファージDN
A中に挿入されていることを確認することができる。
挿入cDNAは、このようにして得られた陽性クローン由
来のファージDNAから制限酵素により容易に切り出すこ
とができ、これを常法に基づき適当なファージベクター
又はプラスミドベクターに組み込むことにより、本発明
のDNAを含み、かつ、本発明のDNAがコードするアミノ酸
配列を発現することができる本発明の組換えベクターを
得ることができる。本発明の組換えベクターは、従来の
発現ベクターと同様、宿主内で自律的に複製するための
複製開始点、挿入DNAの上流に位置するプロモーター配
列、挿入DNAの下流に位置するターミネーター配列、原
核生物を宿主とするプラスミドの場合にはSD配列等を含
み、さらに、プラスミドベクターの場合には薬剤耐性遺
伝子等の適当なマーカーを含むことが好ましい。なお、
先のクローニング操作中に得られる、陽性クローンのλ
ファージも本発明の組換えベクターに包含される。
来のファージDNAから制限酵素により容易に切り出すこ
とができ、これを常法に基づき適当なファージベクター
又はプラスミドベクターに組み込むことにより、本発明
のDNAを含み、かつ、本発明のDNAがコードするアミノ酸
配列を発現することができる本発明の組換えベクターを
得ることができる。本発明の組換えベクターは、従来の
発現ベクターと同様、宿主内で自律的に複製するための
複製開始点、挿入DNAの上流に位置するプロモーター配
列、挿入DNAの下流に位置するターミネーター配列、原
核生物を宿主とするプラスミドの場合にはSD配列等を含
み、さらに、プラスミドベクターの場合には薬剤耐性遺
伝子等の適当なマーカーを含むことが好ましい。なお、
先のクローニング操作中に得られる、陽性クローンのλ
ファージも本発明の組換えベクターに包含される。
本発明の組換えベクターで宿主を形質転換することに
より、該宿主に本発明のDNAがコードするポリペプチド
を生産させることができる。形質転換の操作自体は、用
いるベクターに応じてこの分野において周知の方法によ
り行なうことができる。
より、該宿主に本発明のDNAがコードするポリペプチド
を生産させることができる。形質転換の操作自体は、用
いるベクターに応じてこの分野において周知の方法によ
り行なうことができる。
上述のように、本発明の組換えベクターを用いて本発
明のDNAがコードするポリペプチドを生産することがで
き、このポリペプチドを抗原として用いれば、常法に基
づき、癌関連GT特異的抗体を得ることが可能である。そ
れにより癌の診断、例えば癌のスクリーニング、確定診
断、癌の進行度判定、治療のモニタリング、標識癌関連
GT抗体による癌の局在診断が可能となり、加えてミサイ
ル療法等の治療にも利用することが期待される。
明のDNAがコードするポリペプチドを生産することがで
き、このポリペプチドを抗原として用いれば、常法に基
づき、癌関連GT特異的抗体を得ることが可能である。そ
れにより癌の診断、例えば癌のスクリーニング、確定診
断、癌の進行度判定、治療のモニタリング、標識癌関連
GT抗体による癌の局在診断が可能となり、加えてミサイ
ル療法等の治療にも利用することが期待される。
[実施例] 以下、本発明を実施例をもってさらに詳しく説明する
が、本発明の実施例はこれらに制限されるものではな
い。
が、本発明の実施例はこれらに制限されるものではな
い。
実施例1 (1)cDNAライブラリーの調製 ヒト卵巣癌由来の培養細胞RMG−1(S.Nozawaら、Hu
m.Cell,1,426−434,1988、から、塩化リチウムによる塩
析法により8.1mgのRNAを抽出した。次いで、常法に基ず
き、オリゴdTセルロース、アフィニティー・カラムを用
いてpoly(A)+RNAを精製することにより150μgのmRN
Aを得た。次いで公知の方法(Gubler,G及びHoffman,B.
J.,Gene,1984 31,p79−)に基づき、オリゴdTをプライ
マーとしたcDNAを合成し、λZAPベクター(ストラトジ
ーン社)に組み込み、cDNAライブラリーを作製した。な
お、ライブラリー作製の際、制限酵素部位は、EcoR I部
位を採用した。
m.Cell,1,426−434,1988、から、塩化リチウムによる塩
析法により8.1mgのRNAを抽出した。次いで、常法に基ず
き、オリゴdTセルロース、アフィニティー・カラムを用
いてpoly(A)+RNAを精製することにより150μgのmRN
Aを得た。次いで公知の方法(Gubler,G及びHoffman,B.
J.,Gene,1984 31,p79−)に基づき、オリゴdTをプライ
マーとしたcDNAを合成し、λZAPベクター(ストラトジ
ーン社)に組み込み、cDNAライブラリーを作製した。な
お、ライブラリー作製の際、制限酵素部位は、EcoR I部
位を採用した。
(2)抗体をプローブに用いたcDNAクローニング 前記(1)で得られた約85万クローンのファージを用
いて、プレート1枚当り5万個のプラークを形成させ、
その上に10mM IPTGを浸み込ませ風乾したニトロセルロ
ースフィルターを載せ、挿入されたcDNAからの遺伝子産
物(β−ガラクトシターゼとの融合タンパク質)を誘導
した。約4.5時間後にフィルターをプレートから剥が
し、TBS溶液(20mMトリス塩酸、pH8.0、50mM NaCl)中
で洗浄を行なった。次に、フィルターをブロッキング溶
液(1%BSAを含むTBS溶液)中で約60分間室温で振盪し
た。TBS溶液による洗浄後、フィルターを抗体溶液に浸
し、室温にて2時間振盪した。なお抗体溶液としては、
3種類の抗ヒト由来癌関連ガラクトース転移酵素モノク
ローナル抗体(MAb7907、MAb8813及びMAb8677)(上
述)及び6種の抗ガラクトース転移酵素モノクローナル
抗体(MAb4880(Cancer Research,48巻、5325頁、198
8、微工研条寄第1758号)、MAb8507(特願平2−54567
号)、MAb8628(上述)、MAb8677(上述)、MAb8513
(上述)、Mab7907(上述)に直接ペルオキシターゼ標
識したものを混合し、1%BSAを含むTBS溶液中で使用し
た。フィルターの洗浄後、発色させ、陽性クローンの検
出を行なった。この陽性クローンを再度プレートにま
き、同様の操作によりスクリーニングを繰返し、6つの
クローン、UG−8601、UG−7902、UG−7903、UG−7904、
UG7905,UG−4806を得た。クローン化したλファージよ
り常法に基づきin vivo excisingにより各cDNAをプラス
ミド(Bluescript)に挿入された形で回収した。
いて、プレート1枚当り5万個のプラークを形成させ、
その上に10mM IPTGを浸み込ませ風乾したニトロセルロ
ースフィルターを載せ、挿入されたcDNAからの遺伝子産
物(β−ガラクトシターゼとの融合タンパク質)を誘導
した。約4.5時間後にフィルターをプレートから剥が
し、TBS溶液(20mMトリス塩酸、pH8.0、50mM NaCl)中
で洗浄を行なった。次に、フィルターをブロッキング溶
液(1%BSAを含むTBS溶液)中で約60分間室温で振盪し
た。TBS溶液による洗浄後、フィルターを抗体溶液に浸
し、室温にて2時間振盪した。なお抗体溶液としては、
3種類の抗ヒト由来癌関連ガラクトース転移酵素モノク
ローナル抗体(MAb7907、MAb8813及びMAb8677)(上
述)及び6種の抗ガラクトース転移酵素モノクローナル
抗体(MAb4880(Cancer Research,48巻、5325頁、198
8、微工研条寄第1758号)、MAb8507(特願平2−54567
号)、MAb8628(上述)、MAb8677(上述)、MAb8513
(上述)、Mab7907(上述)に直接ペルオキシターゼ標
識したものを混合し、1%BSAを含むTBS溶液中で使用し
た。フィルターの洗浄後、発色させ、陽性クローンの検
出を行なった。この陽性クローンを再度プレートにま
き、同様の操作によりスクリーニングを繰返し、6つの
クローン、UG−8601、UG−7902、UG−7903、UG−7904、
UG7905,UG−4806を得た。クローン化したλファージよ
り常法に基づきin vivo excisingにより各cDNAをプラス
ミド(Bluescript)に挿入された形で回収した。
(3)各cDNAの発現と抗体との反応性 回収したcDNAはlacZプロモーターをもったプラスミド
(Bluescript)に挿入されているため、このプラスミド
によって形質転換された大腸菌を用いてIPTGによってcD
NAの産物を誘導することが可能である。そこで、発現し
たタンパク質とクローニングに用いた各モノクローナル
抗体との反応性を、ELISAプレートを用いたサンドイッ
チ法によって調べた。固層抗体として抗ヒト由来癌関連
ガラクトース転移酵素モノクローナル抗体を用い、96穴
ELISAプレートに20μg/mlの濃度で固定化後、1%BSA/P
BS溶液によりブロックした。サンプルは形質転換された
大腸菌に1mMの最終濃度となるようにIPTGを加え、37℃
にて3時間培養した後、回収した大腸菌のライセートを
希釈して用いた。サンプルを1時間インキュベートさせ
た後、洗浄し、2次抗体として抗ガラクトース転移酵素
モノクローナル抗体に直接ペルオキシダーゼ標識したも
のを使用した。洗浄後のフェニレンジアミンを基質とし
て発色させ各cDNA産物と抗体との反応性を調べた。結果
を表1に示す。
(Bluescript)に挿入されているため、このプラスミド
によって形質転換された大腸菌を用いてIPTGによってcD
NAの産物を誘導することが可能である。そこで、発現し
たタンパク質とクローニングに用いた各モノクローナル
抗体との反応性を、ELISAプレートを用いたサンドイッ
チ法によって調べた。固層抗体として抗ヒト由来癌関連
ガラクトース転移酵素モノクローナル抗体を用い、96穴
ELISAプレートに20μg/mlの濃度で固定化後、1%BSA/P
BS溶液によりブロックした。サンプルは形質転換された
大腸菌に1mMの最終濃度となるようにIPTGを加え、37℃
にて3時間培養した後、回収した大腸菌のライセートを
希釈して用いた。サンプルを1時間インキュベートさせ
た後、洗浄し、2次抗体として抗ガラクトース転移酵素
モノクローナル抗体に直接ペルオキシダーゼ標識したも
のを使用した。洗浄後のフェニレンジアミンを基質とし
て発色させ各cDNA産物と抗体との反応性を調べた。結果
を表1に示す。
この結果、UG−8601だけが2つ以上のモノクローナル
抗体でのサンドイッチが可能である。すなわち2つ以上
の抗体エピトープを持つことがわかった。
抗体でのサンドイッチが可能である。すなわち2つ以上
の抗体エピトープを持つことがわかった。
なお、EG−8601が挿入された組替えプラスミドで大腸
菌XL1−BNeを形質転換して特に形質転換株XL1−BNe/UG
−8601は微工研に寄託されており、その受託番号は微工
研菌寄第11776号である。
菌XL1−BNeを形質転換して特に形質転換株XL1−BNe/UG
−8601は微工研に寄託されており、その受託番号は微工
研菌寄第11776号である。
図は、本発明のDNAをクローニングする方法の工程を説
明するための図である。
明するための図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GeneSeq
Claims (3)
- 【請求項1】ヒトの癌関連ガラクトース転移酵素の少な
くとも特異的抗原部位を含むポリペプチドであって、2
つ以上の抗ヒト癌関連ガラクトース転移酵素モノクロー
ナル抗体と特異的に反応するものをコードする、ヒト卵
巣癌細胞由来のcDNAであって、FERMP−11776の受託番号
で生命工学工業技術研究所に寄託されている大腸菌XL1
−BNe/UG−8601に含まれる組換えプラスミドに挿入され
ているDNA。 - 【請求項2】請求項1記載のDNAを含み、該DNAがコード
するアミノ酸配列を含むポリペプチドを発現することが
できる組換えベクター。 - 【請求項3】請求項1記載のDNAによりコードされるポ
リペプチド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2309918A JP2992072B2 (ja) | 1989-11-14 | 1990-11-14 | 新規dna及びそれを含む組換えベクター |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29542689 | 1989-11-14 | ||
JP1-295426 | 1989-11-14 | ||
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