JP2942813B2 - 新規なヒアルロン酸合成酵素のポリペプチド及びそれをコードするdna - Google Patents

新規なヒアルロン酸合成酵素のポリペプチド及びそれをコードするdna

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JP2942813B2
JP2942813B2 JP8038336A JP3833696A JP2942813B2 JP 2942813 B2 JP2942813 B2 JP 2942813B2 JP 8038336 A JP8038336 A JP 8038336A JP 3833696 A JP3833696 A JP 3833696A JP 2942813 B2 JP2942813 B2 JP 2942813B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なヒアルロン
酸合成酵素のポリペプチド、及びこれをコードするDN
Aに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒアルロン酸は、高分子量のグリコサミ
ノグリカンであり、グルクロン酸がN−アセチルグルコ
サミンにβ−1,3結合した二糖単位(GlcUAβ1-3GlcN
Ac:GlcUAはグルクロン酸を、GlcNAcはN−アセチルグ
ルコサミンをそれぞれ表す)のβ−1,4結合による繰
り返しから構成される。ヒアルロン酸は動物の形態形成
初期における細胞外マトリクスの特徴的な構成成分であ
り、その合成は、空間的にも時間的にも調節されている
(Toole, B.P. (1981) Cell Biology of the Extracell
ular Matrix (Hey, E.D., ed.) pp.259-294, Plenum, N
ew York)。細胞表面におけるヒアルロン酸の集合は、
細胞の挙動、特に細胞の移動、接着、創傷治癒、腫瘍の
浸潤の調節等に関与している(Turley, E. A.(1989) Th
e Biologyof Hyaluronan, Ciba Foundation Symposium
143, pp.121-137; Wiley, Chichester, England; Knuds
on, W., Biswas, C., Li, X.-Q., Nemec, R.E., and To
ol,B. P.(1989) The Biology of Hyaluronan, Ciba Fou
ndation Symposium 143, pp.150-169, Wiley, Chichest
er, England; Laurent, T.C., and Fraser, J.R.E.(199
2) FASEB J. 6, 2397-2404; Kimata, K., Honma, Y., O
kayama, M., Oguri,K., Hozumi, M., and Suzuki, S.(1
983) Cancer Res. 43, 1347-1354)。
【0003】ヒアルロン酸の生合成に関しては、原核生
物であるストレプトコッカス科(Streptococci)を用いた
研究が広く行われてきており、近年、原核生物であるSt
reptococcus pyogenes由来のヒアルロン酸合成酵素の構
造遺伝子の分離が報告されている(DeAngelis, P.L., P
apaconstantinou, J., and Weigel. P.H.(1993) J. Bio
l. Chem. 268, 19181-19184)。しかし、真核生物のヒ
アルロン酸の生合成機構についてはほとんど知られてい
ない。真核生物のヒアルロン酸合成酵素の精製も試みら
れてきたが、得られた酵素の酵素活性は失われていた旨
の報告がある(Mian, N.(1986) Biochem. J. 237, 343-
357; Ng, K.F., and Schwartz, N.B.(1989) J. Biol. C
hem. 264, 11776-11783; Klewes, L., Turley, E.A., a
nd Prehm, P.(1993) Biochem. J. 290, 791-795)。ま
た、真核生物のヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドを
コードするDNAについても知られていない。
【0004】尚、本発明により取得されたマウス由来の
ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドのアミノ酸配列に
ついてデータベース検索を行ったところ、類似したアミ
ノ酸配列を有するタンパク質として、アフリカツメガエ
ル(Xenpus laevis)由来のタンパク質(Rosa, F., Sar
gent, T.D., Rebbert, M.L., Michaels, G.S., Jamric
h, M., Grunz, H., Jonas, E., Winkles, J.A. and Daw
id, I.B.(1988) Dev.Biol. 129, 114-123)が見つかっ
た。しかし、このタンパク質の活性や機能についてはよ
く知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】真核生物、特にマウス
等の哺乳類由来のヒアルロン酸合成酵素のポリペプチド
やそれをコードするDNAが得られれば、ヒアルロン酸
発現低下に起因する哺乳類の疾患に対する、遺伝子治療
を含む治療への利用が期待される。またアンチセンスD
NA、RNA等を用いた癌転移抑制のための遺伝子治療
や、ヒアルロン酸合成酵素特異的阻害剤の開発への利用
も期待される。
【0006】すなわち本発明が解決すべき課題は、真核
生物由来の新規なヒアルロン酸合成酵素、特にマウス由
来の新規なヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドを提供
し、さらに該ポリペプチドをコードするDNAを提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、マウスに由来する
細胞から、ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドをコー
ドするcDNAのクローニングに成功し、該cDNAに
よりヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドが発現するこ
とを確認し、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、配列番号2に示すアミ
ノ酸配列を有するヒアルロン酸合成酵素のポリペプチド
をコードするDNAを提供する。このようなDNAとし
て、具体的には、配列番号1に示す塩基配列における4
9位〜1797位の塩基配列を有するDNA、及び配列
番号1に示す塩基配列における1位〜2102位の塩基
配列を有するDNAが挙げられる。尚、本発明の提供す
るDNA(以下、「本発明DNA」ともいう)には、配
列番号2に示すアミノ酸配列の少なくとも一部を有する
ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドをコードするDN
Aも包含される。さらに本発明には、本発明DNAに相
補的なDNAまたはRNAが包含される。
【0009】また本発明は、配列番号2に示すアミノ酸
配列を有するヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドを提
供する。尚、本発明の提供するポリペプチド(以下、
「本発明ポリペプチド」ともいう)には、配列番号2に
示すアミノ酸配列の少なくとも一部を有するヒアルロン
酸合成酵素のポリペプチドも包含される。
【0010】配列番号1に示す塩基配列のうち、35番
目のアミノ酸に対応するコドンまでに3つのメチオニン
コドン(ATG)が含まれている。これらのメチオニンコド
ンのうち、最初のメチオニンコドンが開始コドンである
可能性が強いが、他のメチオニンコドンのうちの一方が
開始コドンである可能性も残っている。従って、本発明
DNAには、配列番号2に示すアミノ酸配列においてア
ミノ酸番号5〜583およびアミノ酸番号35〜583
で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する
ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドをコードするDN
Aも包含される。このようなDNAとして具体的には、
配列番号1に示す塩基配列における61位〜1797位
の塩基配列を有するDNA、及び配列番号1に示す塩基
配列における151位〜1797位の塩基配列を有する
DNAが挙げられる。また、本発明ポリペプチドには、
配列番号2に示すアミノ酸配列においてアミノ酸番号5
〜583及びアミノ酸番号35〜583で表されるアミ
ノ酸配列を有するヒアルロン酸合成酵素のポリペプチド
も包含される。さらに、配列番号2に示すアミノ酸配列
には、見かけ上NH2-ターミナルシグナルペプチド配列は
含まれていないが、NH2-ターミナルシグナルペプチド配
列の存在が完全に排除されるものではない。いずれのメ
チオニンコドンが開始コドンであるにしても、また、NH
2-ターミナルシグナルペプチド配列の存在の有無に拘わ
らず、配列番号2に示すアミノ酸配列は、ヒアルロン酸
合成酵素のポリペプチドを含んでいる。本願明細書にお
いて、配列番号2に示すアミノ酸配列の少なくとも一部
とは、これらの観点から、ヒアルロン酸合成活性を有す
る必要かつ最小のポリペプチドを意味するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。 <1>本発明DNA 本発明DNAは、新規なヒアルロン酸合成酵素のポリペ
プチドをコードするDNAであり、特には、配列番号2
に示すアミノ酸配列を有するヒアルロン酸合成酵素をコ
ードするDNAである。尚、配列番号2に示すアミノ酸
配列と実質的に同一なアミノ酸配列を有し、ヒアルロン
酸を合成する活性を実質的に害さない限りにおいて、本
発明DNAによりコードされるポリペプチドは、アミノ
酸残基の置換、欠失、挿入を有していてもよい。つまり
本発明DNAは、上記のようなアミノ酸残基の置換、欠
失、挿入を有するヒアルロン酸合成酵素のポリペプチド
をコードするDNAをも包含する。
【0012】本発明DNAとして具体的には、配列番号
1に示す塩基配列において49位〜1797位の塩基配
列を有するDNAや、配列番号1に示す塩基配列におい
て1位〜2102位の塩基配列を有するDNA等が挙げ
られるが、遺伝暗号の縮重による異なった塩基配列のD
NAも本発明DNAに包含されることは、当業者であれ
ば容易に理解されるところである。
【0013】また本発明DNAは、ヒアルロン酸合成酵
素のポリペプチドをコードするコード鎖のみの一本鎖で
あってもよいし、この一本鎖及びこれと相補的な配列を
有するDNA鎖とからなる二本鎖であってもよい。
【0014】本発明DNAは、それがコードするアミノ
酸配列が本発明により明らかにされたので、その配列に
基づいて合成し、あるいはその配列に基づいて作製した
オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCR法(ポリ
メラーゼ・チェイン・リアクション)によってマウス染
色体DNAあるいはmRNAから本発明DNAを増幅するこ
とによって、取得すること等も可能であるが、本発明に
おいては、後記実施例に示すように、以下に示す各工程
からなるcDNAクローニングによって初めて得られた
ものである。
【0015】:ヒアルロン酸産生能の高い細胞の選
択、及びヒアルロン酸合成能を欠く変異細胞の作製、 :ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドに対応するmR
NAを含むpoly(A)+RNAの単離、 :cDNAライブラリーの作製、 :で作製されたcDNAライブラリーので調製し
たヒアルロン酸合成能を欠く変異細胞への導入(トラン
スフェクション)、 :で形質転換された細胞からのヒアルロン酸合成能
を有する細胞の選択、 :で選択された細胞からのプラスミドDNAの回
収、該プラスミドDNAによる大腸菌の形質転換、及び
該プラスミドDNAの大腸菌からの回収、 回収されたプラスミドDNAを用いて〜のステッ
プをさらに3回繰り返し、ヒアルロン酸合成酵素のポリ
ペプチドをコードするcDNAの単離。
【0016】しかし本発明DNAの製造方法はこれに限
定されるものではなく、上記のPCR法や、他の公知の
cDNAクローニングの手法によっても本発明DNAを
製造することができる。
【0017】以下に、本発明DNAの製造方法の一例に
ついて具体的に説明する。 (1)ヒアルロン酸産生能の高い株細胞の選択、及びヒ
アルロン酸合成能を欠く変異細胞の作製 (1-1)ヒアルロン酸産生能の高い細胞の選択 ヒアルロン酸合成酵素活性を有する細胞を用いて、ヒア
ルロン酸産生能の高い細胞(以下、単に「ヒアルロン酸
高産生細胞」ともいう)を選択する。ヒアルロン酸合成
酵素活性を有する細胞は特に限定されるものではない
が、真核生物細胞が好ましく、哺乳類細胞がより好まし
く、マウスの細胞が特に好ましい。さらに入手や取扱い
の容易さ、及び増殖可能な点から株化された培養細胞
(以下、単に「株細胞」ともいう)が好ましく、その中
でもマウス由来の株細胞がより好ましい。またマウス由
来の株細胞の中でもマウス乳癌株細胞であるFM3A
(ヒューマンサイエンス研究資源バンク;細胞番号:J
CRB0701、または理化学研究所細胞開発銀行;細
胞番号:RCB0086)が特に好ましい。またFM3
Aの中でも、肺への高転移性を指標として選択された株
細胞であるFM3A P15Aが、ヒアルロン酸合成活性が高い
ことから極めて好ましい。
【0018】上記培養細胞の培養に用いる培地は、細胞
の生育が可能な限りにおいて特に限定されず、細胞培養
分野において公知の培地を用いることができる。例えば
イーグル必要最少培地等は通常の培養で良く用いられ、
入手も容易であり、なおかつ上記培養細胞が生育可能で
あることから好ましい。培地のpHは中性域、特にpH7.0
に調整することが好ましい。なお培地には、10%程度の
熱不活化ウシ血清を添加することが好ましい。さらに培
地には、通常の2倍濃度程度のアミノ酸とビタミンを存
在させることが好ましい。また微生物の生育を防ぐため
に、ペニシリンやストレプトマイシン等の物質を添加す
ることもできる。このような培地を用い、ディシュやロ
ーラーボトル等を利用して通常の培養方法で上記培養細
胞を維持、増殖させることができる。培養は、炭酸ガス
インキュベーター中で行うことが好ましく、インキュベ
ーター中の炭酸ガス濃度が5〜7%、空気が97〜93%と
なるように調整することが好ましい。また、温度は37〜
38℃程度に調整することが好ましい。
【0019】ヒアルロン酸高産生細胞の選択方法は、細
胞のヒアルロン酸産生能を評価できる方法である限りに
おいて、特に限定されるものではないが、例えば固定化
赤血球排除法(Knudson, W., and Knudson, C.B. (1991)
J. Cell Sci. 99, 227-235)を用いる方法が挙げられ
る。固定化赤血球排除法は、細胞外のヒアルロン酸マト
リクスの形成の程度を、固定化赤血球が近接できない距
離を指標として観察できる方法である。すなわち固定化
赤血球が近接できない距離が長いほど、ヒアルロン酸マ
トリクスは厚く形成されていることになる。固定化赤血
球排除法を用いて細胞外のヒアルロン酸マトリクスの形
成の程度を観察することにより、細胞のヒアルロン酸産
生能を評価することができる。固定化赤血球排除法の具
体的な手法については後述する実施例中で詳しく述べ
る。
【0020】上記の方法で選択されたヒアルロン酸高産
生細胞は、poly(A)+RNAの調製に用いる。
【0021】(1-2)ヒアルロン酸合成能を欠く変異細胞
の作製 ヒアルロン酸合成能を欠く変異細胞(以下、単に「ヒア
ルロン酸無合成細胞」ともいう)は、上記(1-1)で選択
したヒアルロン酸高産生細胞に、細胞が死滅しない程度
の物理的刺激や化学的刺激を加えて突然変異を誘発させ
ることにより得ることができる。物理的刺激としては、
例えばX線、γ線等をはじめとする放射線による処理が
挙げられる。また化学的刺激としては変異原、例えばア
ルキル化剤による処理等が挙げられる。好ましいアルキ
ル化剤としては、ニトロソグアニジン及びその誘導体、
例えばN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン等が挙げられる。変異原としてN−メチル−N’−
ニトロ−N−ニトロソグアニジンを用いる場合、その濃
度は0.5μg/ml程度が好ましい。以上の方法で突然変異
を誘発させた細胞からヒアルロン酸無合成細胞を、ヒア
ルロン酸の産生能を評価できる方法、例えば固定化赤血
球排除法(詳細は実施例中で述べる)によって選択し、
回収する。
【0022】(1-3)組換えDNA導入の宿主に用いるヒ
アルロン酸無合成細胞の作製 上記(1-2)で調製したヒアルロン酸無合成細胞を、後述
する(4)において組換えDNA導入の宿主として用いる
場合、あらかじめヒアルロン酸無合成細胞をポリオーマ
ラージT抗原を発現するように形質転換しておくことが
好ましい。このためには、ポリオーマT抗原遺伝子を含
有するプラスミドで形質転換することが好ましい。この
ようなポリオーマT抗原遺伝子を含有するプラスミドと
しては、pdl3027プラスミド(Nagata, Y., Yamashiro,
S., Yodoi, J., Lloyd, K. O, Shiku, H., and Furukaw
a, K.,(1992) J. Biol. Chem. 267, 12082-12089)が挙
げられる。このようにして得られたポリオーマラージT
抗原を発現しているヒアルロン酸無合成細胞(以下、単
にT抗原発現ヒアルロン酸無合成細胞ともいう)は、後
述する(4)で、組換えDNA導入の宿主として用いるこ
とができる。
【0023】(2)前記(1-1)で調製されたヒアルロン
酸高産生細胞からのヒアルロン酸合成酵素のポリペプチ
ドに対応するmRNAを含むpoly(A)+RNAの単離 (2-1)全RNAの調製 全RNAは、公知の方法(Kingston, R. E., (1991) Curren
t Protocols in Molecular Biology, Suppl. 14, Unit
4.2, Greene Publishing Associates and Wiley Inters
cience, New York 等)で得ることができる。全RNA
は、前記(1-1)で調製されたヒアルロン酸高産生細胞か
ら、通常用いられる全RNAの調製方法により得ること
ができるが、好ましい方法としてはグアニジンチオシア
ネート/CsCl法(Kingston, R. E., (1991) Current Pro
tocols in Molecular Biology, Suppl. 14, Unit 4.2,
Greene Publishing Associates and Wiley Interscienc
e, New York)が挙げられる。
【0024】(2-2)poly(A)+RNAの調製 poly(A)+RNAは、上記(2-1)で得られた全RNAから、オリ
ゴ(dT)(oligo-(dT))セルロースカラムクロマトグラフ
ィーなどによって精製することができる。
【0025】(3)cDNAライブラリーの作製 (3-1)cDNAの合成 cDNAは、上記(2)で調製されたpoly(A)+RNAを鋳型とした
逆転写酵素反応により合成することができる。具体的に
は、遺伝子工学分野において通常行われている手法を用
いれば良いが、市販のcDNA合成用キットを用いても良
い。なお、逆転写酵素反応のプライマーとしては、通常
プライマーとして用いられているoligo(dT)を用いても
よいが、ランダムオリゴヌクレオチドプライマーを用い
ることが好ましい。
【0026】(3-2)cDNAライブラリーの作製 cDNAライブラリーは、上記(3-1)で得られるcDNAを
クローニングベクターに連結させることによって得るこ
とができる。
【0027】cDNAを結合させるクローニングベクターは
特に限定されるものではないが、哺乳類細胞用発現ベク
ターを用いることが好ましい。また、その後の操作をし
やすくするために、大腸菌(エシェリキア・コリ:Esch
erichia coli(E. coli))等の細胞で機能する複製開始
点を有するシャトルベクターを用いることが好ましい。
好適なベクターとしては、pcDNAI(Invitrogen Co.製)
が挙げられる。上記(3-1)で得られたcDNAを、遺伝
子工学分野で通常行われている手法によって上記のクロ
ーニングベクターに連結させ、組換えDNA(cDNA
ライブラリー)を得ることができる。
【0028】(4)上記(3)で作製された組換えDNA
のヒアルロン酸無合成細胞への導入 cDNAをクローニングベクターに結合させることによ
って得られた組換えDNA(cDNAライブラリー)
は、宿主細胞中に導入する。用いる宿主細胞は、用いる
クローニングベクターにより選択する必要がある。例え
ば哺乳類細胞用発現ベクターをクローニングベクターと
して用いた場合、宿主細胞は哺乳類細胞を用いる必要が
ある。また、宿主細胞を先に選択し、その宿主細胞に適
したクローニングベクターを選択してcDNAライブラ
リーを調製してもよい。
【0029】ヒアルロン酸合成能の有無によってクロー
ニングを進めていく場合には、上記(1)で作製したヒア
ルロン酸無合成細胞を宿主細胞として用いることが好ま
しく、上記(1-3)で作製したT抗原発現ヒアルロン酸無
合成細胞を宿主細胞として用いることが特に好ましい。
【0030】宿主細胞へのDNAの導入は、遺伝子工学
分野で通常用いられる手法により行うことができるが、
形質転換用の市販の試薬を用いることもできる。そのよ
うな試薬としては、例えば、リポフェクトアミン試薬
(LipofectoamineTM reagent;Life Technologies, In
c)が好適なものとして挙げられる。形質転換されたT
抗原発現ヒアルロン酸無合成細胞は、前記(1-1)で述べ
た培地及び培養方法によって培養する。培養時間は特に
限定されないが、64時間程度が好ましい。
【0031】(5)上記(4)で形質転換された細胞から
のヒアルロン酸合成能を有する細胞の選択 (5-1)ヒアルロン酸検出に用いる標識化ヒアルロン酸結
合性蛋白質の調製 cDNAライブラリーが導入された宿主細胞のうち、ヒ
アルロン酸合成酵素のポリペプチドのcDNAを含む組
換えDNAが導入されたT抗原発現ヒアルロン酸無合成
細胞は、上記(4)に示した方法で培養することによりヒ
アルロン酸合成酵素のポリペプチドが発現され、ヒアル
ロン酸が合成され、ヒアルロン酸が細胞外に蓄積され
る。ヒアルロン酸が細胞外に蓄積された細胞を検出する
ことにより、ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドのc
DNAを含む組換えDNAが導入されたT抗原発現ヒア
ルロン酸無合成細胞を選択することができる。細胞外に
蓄積されたヒアルロン酸の検出方法は特に限定されるも
のではないが、ヒアルロン酸に結合性を有する蛋白質
(本明細書中では、「ヒアルロン酸結合性蛋白質」とも
いう)を標識化した物質(本明細書中では、「標識化ヒ
アルロン酸結合性蛋白質」ともいう)を用いて検出する
ことが好ましい。ヒアルロン酸結合性蛋白質も特に限定
されるものではないが、例えば、アグリカン(aggreca
n)、ニューロカン(neurocan)、バーシカン(versica
n)、リンク蛋白質、ヒアルロネクチン、ヒト関節液由
来ヒアルロナン結合性蛋白質、脳ヒアルロナン結合性蛋
白質(brainhyaruronan-binding protein)、CD44等を
挙げることができる。これらの中でもアグリカンを用い
ることが好ましく、アグリカン中のヒアルロン酸結合領
域(本明細書中では、HABRと略記することがある)
を用いることが特に好ましい。
【0032】また、ヒアルロン酸結合性蛋白質の標識と
して用いる物質も特に限定されず、例えば、ビオチン、
アビジン(ストレプトアビジンを含む)、蛍光物質、酵
素、放射性同位体等を挙げることができるが、ビオチン
を用いることが好ましい。また、前記標識を用いたヒア
ルロン酸結合性蛋白質の標識方法も特に限定されず、公
知の標識手法を用いることができる。
【0033】ヒアルロン酸結合性蛋白質の標識としてビ
オチンを用いる場合、そのビオチンを検出するために、
例えば蛍光物質等で標識化されたアビジンをさらに用い
る。標識化されたアビジンは市販されているものを用い
ることもできる。なお標識化ヒアルロン酸結合性蛋白質
の一例であるビオチン化HABRについて、その具体的
な調製方法を後述する実施例中で述べる。
【0034】(5-2)ヒアルロン酸合成能を有する細胞の
選択 前記(4)で形質転換されたT抗原発現ヒアルロン酸無合
成細胞を、上記(5-1)で得られる標識化ヒアルロン酸結
合性蛋白質に接触させてインキュベートし、細胞外にヒ
アルロン酸が蓄積されている細胞を検出してそれを選択
することにより、ヒアルロン酸合成能を有する細胞を選
択することができる。なおヒアルロン酸結合性蛋白質の
標識としてビオチンを用いた場合には、細胞とビオチン
標識化ヒアルロン酸結合性蛋白質とのインキュベーショ
ン後、さらに標識化アビジンと接触させてインキュベー
トする必要がある。なお、インキュベーションが終了す
る度に細胞を洗浄することが好ましい。インキュベーシ
ョン条件は、ヒアルロン酸とヒアルロン酸結合性蛋白質
との結合が阻害されない限り特に限定されないが、中性
pH条件下で行うことが好ましく、また氷中(0℃)で
行うことが好ましい。インキュベートする時間も特に限
定されないが、1時間程度が好ましい。
【0035】インキュベート終了後、用いた標識の種類
に応じて該標識の公知の検出方法を適宜選択し、細胞外
(細胞表面)に標識が存在する細胞(すなわち陽性に染
色された細胞)を検出することによってヒアルロン酸合
成能を有する細胞を選択することができる。なお標識と
して蛍光物質を用いた場合は、フローサイトメトリーを
用いることにより標識の検出及び細胞の選別を同時に行
うことができる。
【0036】(6)上記(5)で選択された細胞からのプ
ラスミドDNAの回収、回収されたプラスミドDNAに
よる大腸菌の形質転換及び該大腸菌からのプラスミドD
NAの回収 上記(5)で選択されたヒアルロン酸合成能を有する細胞
からプラスミドDNA(組換えDNA)を回収し、得ら
れた組換えDNAで大腸菌(E. coli)を形質転換する。
プラスミドDNAの回収方法は、遺伝子工学分野で通常
用いられる手法により行うことができ、特に限定されな
いが、Hirtの手法(Hirt, B.(1967) J.Mol. Biol. 26,
365-369)を用いることが好ましい。
【0037】回収したDNAで大腸菌を形質転換し、通
常の大腸菌の培養手法によって培養し、大腸菌からプラ
スミドDNA(組換えDNA)を回収する。
【0038】(7)上記のようにしてヒアルロン酸合成
酵素のポリペプチドをコードするcDNAを単離するこ
とができるが、得られたcDNAがヒアルロン酸合成酵
素のポリペプチドをコードすることを確認するために、
前記(4)〜(6)のステップをさらに3回程度繰り返すこと
が好ましい。
【0039】得られたcDNAは、そのまま、あるいは
適当なプラスミドにサブクローニングして、塩基配列を
決定する。上記のようにして決定されたマウス由来のヒ
アルロン酸合成酵素のポリペプチドに対応するcDNA
の塩基配列及びこの塩基配列から予想されるアミノ酸配
列を配列番号1に、アミノ酸配列のみを配列番号2に示
す。
【0040】実施例で得られたヒアルロン酸合成酵素の
ポリペプチドに対応するcDNAは2102bpからなり、17
49bpの単一のオープンリーディングフレームを含んでい
る。このオープンリーディングフレーム中の35番目の
コドンまでに3つのメチオニンコドン(ATG)が含まれて
いる。哺乳動物の翻訳開始位置として知られている、Ko
zakの翻訳開始のコンセンサス配列(GCC(A/G)CCATGG)
(Kozak, M. (1991) J.Cell Biol., 115, 887-903)に
基づくと、Kozakのコンセンサス配列の10塩基のうち、
最初のメチオニンコドン付近の塩基配列の7塩基が一致
している(配列番号1に示す塩基配列において44位、
46位〜51位)ことから考えて、最初のメチオニンコ
ドンが開始コドンである可能性が強い。
【0041】ところで、β−1,4−ガラクトシルトラ
ンスフェラーゼは、フレーム内に2つのATGコドンを含
むことが知られている(Nakazawa, K. et al. (1988)
J. Biochem, 104, 165-168; Shaper, N. et al. (1988)
J. Biol. Chem., 263, 10420-10428)。また、Shaper
らは、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ
は、2箇所からの翻訳開始の結果、長いものと短いもの
との両方の形態が合成されることを示している。さら
に、Lopezらは、長い形態のものは原形質膜を優先的に
標的とし、短い形態のものは主としてゴルジ体内に存在
することを示唆する証拠を示している(Lopez, L. et a
l. (1991) J. Biol. Chem., 266, 15984-15991)。同様
に、ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドについても、
3つのATGコドンはいずれも開始コドンとして機能する
可能性はあるが、定かではない。
【0042】最初のメチオニンコドンから始まる単一の
リーディングフレームは583残基のアミノ酸からなるポ
リペプチドをコードしており、ポリペプチドの分子量は
65.5kDaと推定される。またVon Heijneの(-3,-1)規則
(Von Heijne, G., (1984) J.Mol. Biol. 173, 243-25
1)に基づくと、このリーディングフレームには見かけ
上NH2-ターミナルシグナルペプチド配列は含まれていな
い。また、配列番号2に示すこのアミノ酸配列及びそれ
から作成したヒドロパシープロット(図1)より、N−
末端から22〜35番目、52〜67番目、411〜428番目、436
〜457番目、464〜486番目、501〜519番目、546〜566番
目のそれぞれのアミノ酸残基にわたる顕著な疎水性部分
が認められた。このことから配列番号2に示すアミノ酸
配列を有するポリペプチドは、数個のトランスメンブレ
ン(膜貫通)ドメインを介して細胞膜に結合しているこ
とが予想される。
【0043】上記のようにして得られるDNAは、この
DNAによってコードされるヒアルロン酸合成酵素のポ
リペプチドの、ヒアルロン酸を合成する活性が実質的に
害されない限り、1つ又は2以上のアミノ酸残基の置
換、欠失、挿入又はこれらの組み合わせを起こすような
ヌクレオチドの置換、欠失、挿入又はこれらの組み合わ
せを有していてもよい。DNA配列へのヌクレオチドの
置換、欠失、挿入又はこれらの組み合わせは、両末端に
制限酵素切断末端を持ち、変異点の両側を含む配列を合
成し、未変異DNA配列の相当する部分と入れ換える事
により、導入することができる。また、部位特異的変異
法(Kramer,W. and Frits,H.J.,Meth. inEnzymol.,154,
350 (1987); Kunkel,T.A. et al.,Meth. in Enzymol.,1
54,367(1987))などの方法によっても、DNA配列に置
換、欠失、挿入又はこれらの組み合わせを導入すること
ができる。
【0044】また、ヒアルロン酸合成活性の測定法は当
業者に知られており、ヒアルロン酸を合成する活性を実
質的に害さないアミノ酸残基の置換、欠失、挿入又はこ
れらの組み合わせを特定することは当業者にとって容易
なことである。
【0045】<2>本発明ポリペプチド 本発明ポリペプチドは、特には、配列番号2に示すアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドである。
【0046】本発明ポリペプチドは、アミノ酸配列が本
発明により明らかにされたので、その配列に基づいて合
成することも可能であるが、本発明DNAを用いて発現
させて得ることが可能であり、かつ好ましい。
【0047】例えば、本発明DNAを保持する細胞を、
好適な培地で培養し、ヒアルロン酸合成酵素のポリペプ
チドを培養物(細胞内および/または培地)中に生成蓄
積させ、その培養物からヒアルロン酸合成酵素のポリペ
プチドを採取することによって、ヒアルロン酸合成酵素
のポリペプチドを製造することができる。この場合、通
常の酵素の抽出、精製方法を用いることができる。
【0048】抽出方法として具体的には、例えば超音波
処理、ホモジナイズ、浸透ショック法、凍結融解法等の
細胞破砕による抽出、界面活性剤抽出等や、これらの組
合わせ等の処理操作が挙げられるが、超音波処理するこ
とが好ましい。また、精製方法として具体的には、例え
ば硫酸アンモニウム(硫安)や硫酸ナトリウム等による
塩析、遠心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラ
フィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマ
トグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過法、
ゲル浸透クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、電気泳動法等や、これらの組合わせ等の処
理操作が挙げられる。
【0049】なお本発明ポリペプチドは、細胞中では細
胞膜を貫通して存在している可能性が高いことから、細
胞膜画分を出発物質として精製を進めることが好まし
い。本発明DNAの発現は、通常タンパク質の製造に用
いられる宿主−ベクター系を使用することができるが、
そのような系としては、動物細胞の系が好ましく、特に
哺乳類細胞の系が好ましい。発現は、本発明のDNAを
直接発現させてもよいし、他のタンパク質との融合タン
パク質として発現させてもよい。本発明DNAの全長を
発現させることにより、本発明ポリペプチドを製造する
ことができる。なお、本発明DNAの一部を部分ペプチ
ドとして発現させることもできる。
【0050】上記のようにして製造されるヒアルロン酸
合成酵素のポリペプチドもしくはその部分ペプチドまた
はこれらと他のタンパク質との融合タンパク質を用い
て、ヒアルロン酸合成酵素に結合する抗体を調製するこ
ともできる。抗体の調製は、通常の抗体の調製と同様に
して行えばよい。また、常法によってヒアルロン酸合成
酵素に結合するモノクローナル抗体を調製することもで
きる。
【0051】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。なお、実施例中で共通して用いる方法に関
して説明する。
【0052】1.固定化赤血球排除法 細胞を35mm組織培養皿に播種し、37℃で、3日間培養し
た。培養液を750μlの固定化ヒツジ赤血球(インターセ
ルテクノロジー社(Inter-Cell Technologies,Inc.)製)
の懸濁液(108細胞/ml)に交換し、10分間静置後、細
胞外のヒアルロン酸マトリクスを、赤血球の近接できな
い領域として観察した。なお観察は、位相差顕微鏡(OL
YMPUS IMT-2;オリンパス光学製)を用いて200倍の倍率
で行った。
【0053】2.ビオチン化ヒアルロン酸結合領域(b
−HABR)の調製 アグリカンを、牛鼻軟骨からグアニジン溶液により抽出
後、会合及び解離条件下で塩化セシウム密度勾配遠心に
より精製した。ビオチン化は、精製アグリカン(2mg)の
ヒアルロン酸結合領域をヒアルロン酸により保護した
後、0.57mg NHS-LC-ビオチン(ピアス(Pierce)製)と室
温で2時間反応することにより行った。b−HABR
は、ビオチン化アグリカンのトリプシンによる部分消化
の後、セファクリル S-300 HRカラム(ファルマシア
製)によるゲルろ過、そしてヒアルロン酸アフィニティ
ークロマトグラフィー(Tengblad, A. (1979) Biochem.
Biophys. Acta 578, 281-289)により精製した。
【0054】<1>本発明DNA及びポリペプチドの製
造 (1)ヒアルロン酸高産生細胞の選択、及びヒアルロン
酸無合成細胞の作製 (1-1)ヒアルロン酸高産生細胞の選択 マウス由来の株細胞の中でもマウス乳癌株細胞であるF
M3A(ヒューマンサイエンス研究資源バンク;細胞番
号:JCRB0701)から、肺に高い転移能を有する
細胞として選択し、株細胞として確立したFM3A P-15A
を、10%熱不活化ウシ血清、2倍濃度のアミノ酸とビタ
ミン、及びペニシリンとストレプトマイシンを含むイー
グル必要最少培地(日水製薬製)中で、100mmのペトリ
ディッシュ(ファルコン社製;No.1005)を用いて培養
した。培養は37℃、5% CO2条件下で行った。
【0055】培養したFM3A P-15Aを固定化赤血球排除法
によって細胞外のヒアルロン酸マトリクスの形成の程度
を調べ、細胞外のヒアルロン酸マトリクスの形成量が周
囲の細胞に比較して多いと認められる細胞を回収し、プ
ールした。ここで得られた細胞(ヒアルロン酸高産生細
胞)はFM3A HA1と命名した。
【0056】(1-2)ヒアルロン酸無合成細胞の作製 ヒアルロン酸無合成細胞は、上記(1-1)で選択したヒア
ルロン酸高産生細胞を、0.5μg/ml N−メチル−N’
−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(ナカライテスク社
販売)で処理し、固定化赤血球排除法によりヒアルロン
酸マトリクスの形成の程度を調べ、細胞外のヒアルロン
酸マトリックスの形成が見られない細胞を回収し、プー
ルした。ここで得られたヒアルロン酸無合成細胞はHA
-細胞と命名した。
【0057】(1-3)ポリオーマラージT抗原が発現した
HAS-細胞の作製 上記のように調製したHAS-細胞に、ポリオーマT抗
原遺伝子を含有するpdl3027プラスミド(Dr. K. Furuka
wa(長崎大学)とDr. C. Basilico(ニューヨーク大
学)より恵与)とpSV2neoプラスミド(クローンテック
社製)を導入し、500μg/ml G−418(ギブコ社
製)で細胞を処理することにより選別して、ポリオーマ
ラージT抗原が恒常的に発現したHAS-細胞(本明細
書中では「HAS−P細胞」ともいう)を調製した。
【0058】(2)FM3A HA1からのpoly(A)+RNAの単離 (2-1)全RNAの調製 全RNAは、FM3A HA1からグアニジンチオシアネート/
CsCl法(Kingston, R.E., (1991) Current Protocols in
Molecular Biology, Suppl. 14, Unit 4.2,Greene Pub
lishing Associates and Wiley Interscience, New Yor
k)により調製した。
【0059】(2-2)poly(A)+RNAの調製 poly(A)+RNAは、上記(2-1)で得られた全RNAから、オ
リゴ(dT)(oligo-(dT))セルロースカラムクロマトグラ
フィーを用いて精製した。
【0060】(3)cDNAライブラリーの作製 (3-1)cDNAの合成 上記(2-2)で合成したpoly(A)+RNAを鋳型とし、プライマ
ーとしてランダムオリゴヌクレオチドプライマーを用い
た逆転写酵素反応によりcDNAを合成した。
【0061】(3-2)cDNAライブラリーの作製 上記(3-1)で得られたcDNAを、哺乳類細胞用発現ベクタ
ーであるpcDNAI(インビトロジェン社(Invitrogen Co.)
製)に連結させることによってcDNAライブラリーを
作製した。
【0062】(4)cDNAライブラリーの形質導入 前記(1-3)で調製したHAS−P細胞に、上記(3-2)で調
製したcDNAライブラリーをリポフェクトアミン試薬
(LipofectoamineTM reagent;ライフテクノロジーズ社
(Life Technologies, Inc)製)を用いて導入した。形質
転換されたHAS−P細胞は、前記(1-1)に記載した培
地及び培養条件で64時間培養した。
【0063】(5)形質転換された細胞からのヒアルロ
ン酸合成能を有する細胞の選択 上記(4)における64時間の培養の後、トランスフェクタ
ントを冷却した培地(Cosmedium001(コスモバイオ
製))で洗浄し、50μg/mlb−HABRを含む同培地
で懸濁した。1時間後、細胞を冷却したCosmedium001で
洗浄し、フルオレセイン標識アビジン(fluorescein av
idin DCS、ベクターラボラトリーズ社(VectorLaborator
ies, Inc.)製)を含む同培地で懸濁した。1時間後、細
胞を冷却した5%ウシ胎児血清を含むリン酸緩衝生理食
塩水(phosphate-buffered saline;PBS)で洗浄し
た後、同溶液で懸濁した。陽性に染色された細胞は、フ
ローサイトメーター(EPICS Elite Flow Cytometer、コ
ールター・エレクトロニクス社(Coulter Electronics,
Inc.)製)を用いて選別した。
【0064】(6)上記(5)で選択された細胞からのプ
ラスミドDNAの回収、回収されたプラスミドDNAの
大腸菌への導入及び大腸菌形質転換体からのプラスミド
DNAの回収 上記(5)で選別された細胞からHirtの手法(Hirt, B.(19
67) J. Mol. Biol. 26, 365-369)によりプラスミドD
NAを回収した。具体的には次の通り行った。上記(5)
で選別された細胞を100μlの0.6%ドデシル硫酸ナトリ
ウム(SDS)/10mM エチレンジアミン四酢酸(E
DTA)溶液で溶解し、室温で20分間放置後、25μl
の5M NaClを添加して氷上で一晩放置した。フェノー
ル・クロロホルム処理後、エタノール沈澱によりプラス
ミドDNAを回収した。回収したプラスミドDNAを用
いて、エレクトロポレーション法によりE. coli MC1061
/P3(インビトロジェン(Invitrogen Co.)製)を形質転
換した。得られた形質転換体を培養した後、細胞からプ
ラスミドDNAを回収した。
【0065】(7)ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチ
ドをコードするcDNAの単離 上記(6)で形質転換されたE. coli MC1061/P3から回収さ
れたプラスミドDNAを用いて上記(4)〜(6)のステップ
(形質転換と選別のステップ)をさらに3回繰り返し、
ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドをコードするcD
NAを単離した。ここで単離されたヒアルロン酸合成酵
素のポリペプチドをコードするcDNAを含むプラスミ
ドDNAは、pcDNAI-HASと命名した。
【0066】(8)ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチ
ドをコードするDNAの塩基配列決定及び分析 (8-1)DNAの塩基配列及びコードされるポリペプチド
のアミノ酸配列の決定 上記(7)で単離したcDNAクローンをpcDNA3プラスミ
ドベクター(インビトロジェン(Invitrogen Co.)製)に
サブクローニングした。ここで得られた組換えプラスミ
ドをpcDNA3-HASと命名した。pcDNA3-HASをアルカリ変性
後、[35S]dCTPとdeazaGTPキット(U.S.バイオケミカル
社(U.S. Biochemical Co.)製)とDNAポリメラーゼ
(Sequenase Ver 2.0、U.S. Biochemical Co.製)を用
いてセンス・アンチセンス両方向のヌクレオチド配列を
解析し決定した。
【0067】配列決定のためのDNA合成は、pcDNA3中
のT7、SP6そして約250bp間隔に存在する塩基配列を基に
合成したプライマーを用いて行った。得られたDNA塩
基配列はGENETYX−MACコンピュータープログ
ラム(ソフトウエア開発社製)により解析した。塩基配
列と予想されるアミノ酸配列は核酸と蛋白質解析用のデ
ータベース(EMBL-GDB, Release44とNBRF-PDB, Release4
5)を用いて解析した。決定された塩基配列と、この塩基
配列から推定されるアミノ酸配列を配列番号1に示す。
また、アミノ酸配列のみを配列番号2に示す。
【0068】(8-2)ヒドロパシープロット トランスメンブレン(膜貫通)ドメインを有するか否
か、あるとすればその位置を決定するために、予想アミ
ノ酸配列からヒドロパシープロットを作成した。ヒドロ
パシープロットは、Kyteらの方法(Kyte, J. and Dooli
ttle, R. F., (1982) J. Mol. Biol. 157, 105-132)に
より作成した。結果を図1に示す。
【0069】ヒドロパシープロットの解析から、N−末
端から22〜35番目、52〜67番目、411〜428番目、436〜4
57番目、464〜486番目、501〜519番目、546〜566番目の
それぞれの部位において顕著な疎水性部分が認められ、
トランスメンブレンドメインであると推定された。
【0070】(9)本発明DNAの導入による細胞外ヒ
アルロン酸マトリクスの形成能の獲得本発明DNAの導
入によりHAS−P細胞(細胞外ヒアルロン酸マトリク
スを有さない)のヒアルロン酸マトリクス形成能が獲得
されるか否か検討するため、下記(A)〜(D)の細胞を用い
て固定化赤血球排除法により細胞外マトリクス形成を観
察した。結果を表1に示す。なお表1において、+は細
胞外マトリクス形成が観察されたこと、−は細胞外マト
リクス形成が観察されなかったことを示す。
【0071】(A)FM3A HA1 (B)pcDNAI-HASを導入したHAS-P細胞 (C)pcDNAIのみを導入したHAS-P細胞 (D)pcDNAI-HASを導入したHAS-P細胞を、1TRU/mlのヒア
ルロニダーゼ(放線菌由来;生化学工業株式会社製)を
用いて37℃、1時間処理した細胞
【0072】
【表1】表1 ───────────────────── 用いた細胞 細胞外マトリクス形成 ───────────────────── (A) + (B) + (C) − (D) − ─────────────────────
【0073】表1より、pcDNAI-HASの形質導入により、
HAS-P細胞の細胞外マトリクス形成能が獲得されること
が示された。またこの細胞外マトリクスはヒアルロニダ
ーゼ処理により消失することが上記(D)で示されたこと
から、ヒアルロン酸マトリクスであることが確認され
た。
【0074】(10)ヒアルロン酸合成量及びヒアルロ
ン酸合成酵素活性の測定 pcDNA3-HASを導入した細胞におけるヒアルロン酸合成量
及びヒアルロン酸合成酵素活性を定量的に測定した。な
おヒアルロン酸合成量は、細胞培養液中のヒアルロン酸
量を酵素免疫アッセイにより測定した、具体的には次の
方法で行った。
【0075】ヒアルロン酸の定量はTengbladの方法(Te
ngblad, A.(1980) Biochem. J. 185, 101-105)を一部
改変した方法で行った。アミノプレート(住友ベークラ
イト社製)と10μg/mlのヒアルロン酸(1,000kDa)
を、0.15mM 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3
−エチルカルボジイミドメチオシド(pH4.5)存在下、
室温で20時間反応させてヒアルロン酸固相化プレートを
作製した。5×104個の細胞を組織培養皿に播種し、3
日間培養した後、培養液を回収し、ヒアルロン酸測定の
標品として用いた。標品に30ngのb−HABRを混合
し、4℃で、12時間静置した。1%ウシ血清アルブミン
(BSA)でブロッキングしたヒアルロン酸固相化プレ
ートに、標品とb−HABRとの混合液を添加し、室温
で6時間静置した。PBSで3回洗浄した後、アルカリ
性フォスファターゼ結合ストレプトアビジン溶液を添加
し、室温で1時間静置した。PBSで3回洗浄後、p−
ニトロフェニルリン酸基質溶液を添加し、37℃、1時間
発色させた。マイクロプレートリーダーで405nmの
吸光度を測定し、標準曲線から標品中のヒアルロン酸量
を求め、さらに104細胞あたりのヒアルロン酸量として
算出した。
【0076】また、ヒアルロン酸合成酵素活性の測定
は、具体的には以下に示す方法で行った。粗細胞膜画分
を調製するため、1×107個の細胞をPBSで洗浄後、
0.25Mショ糖と0.5mMジチオスレイトールを含む10mM Hep
es-NaOH緩衝液(pH7.1)で2回洗浄し、同じ溶液1ml
に懸濁した。細胞懸濁液を超音波破砕機(ultrasonic d
isruptor UD-200(トミー精工製))で5秒間3回処理
して細胞を破砕した。次に600×g、4℃で、10分間
遠心し上清を回収した。上清を更に105,000×g、4℃
で、1時間遠心し、粗細胞膜画分を沈澱物として回収し
た。沈澱物を0.2mlの反応溶液(25mM Hepes-NaOH, pH7.
1/5mM ジチオスレイトール/15mM MgCl2/1mM UDP-Glc
NAc(シグマ社製)/0.05mM UDP-GlcUA(ナカライテス
ク製)/2.5μCi UDP-[14C]GlcUA(285.2mCi/mmol;デ
ュポン−ニュー・イングランド・ニュークリアー(Du Po
nt-New England Nuclear)製)に懸濁した。懸濁液を37
℃で1時間反応させた後、1TRUのヒアルロニダーゼ
(放線菌由来;生化学工業株式会社製)の存在下または
非存在下、37℃で、1時間反応させた。反応は1%SD
S存在下で煮沸して停止させた。[14C]標識されたヒア
ルロン酸は、スーパーデックスHR 10/30(1.0×30cm;
ファルマシア社製)カラムを用いて、0.2M酢酸アンモ
ニウム溶液で溶出し、分離した。溶出液は1ml画分に分
画し、放射活性を測定した。ヒアルロン酸に取り込まれ
た放射活性を、ヒアルロニダーゼ感受性高分子の放射活
性として検出した。ヒアルロン酸合成酵素活性は、UDP-
[14C]-GlcUA(UDP-[14C]-グルクロン酸)から1時間、
1mg蛋白質当たりの転移したグルクロン酸量をpmolで算
出した。
【0077】実験はそれぞれの細胞について3回行い、
平均値及び標準偏差(S.D.)を求めた。ヒアルロン酸合成
量及びヒアルロン酸合成酵素活性の測定結果を表2に示
す。なお表中の数値は平均値±標準偏差で示した。
【0078】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 用いた細胞 ヒアルロン酸合成 ヒアルロン酸合成酵素活性 (ng) (pmol/時間/mg蛋白) ──────────────────────────────────── FM3A HA1 140±8 84.6±3.2 pcDNA3のみを導入したHAS-細胞 2±1 0.3±0.1 pcDNA3-HASを導入したHAS-細胞 46±5 8.8±0.5 ────────────────────────────────────
【0079】表2の結果から、本発明DNAを含むpcDN
A3-HASを導入したHAS-細胞には、pcDNA3のみを導入した
HAS-細胞に比べて有意に高いヒアルロン酸の合成が見ら
れた。また、pcDNA3-HASを導入したHAS-細胞から得られ
る細胞膜画分のヒアルロン酸合成酵素活性は、pcDNA3の
みを導入したHAS-細胞から得られる細胞膜画分に比べて
有意に高いものであった。
【0080】以上の実施例の結果から、本発明DNAが
ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドをコードしている
ことが確認された。ヒアルロン酸合成能(ヒアルロン酸
合成酵素活性)を欠く細胞に、本発明DNAを導入する
ことによりヒアルロン酸合成能(ヒアルロン酸合成酵素
活性)が発現すること、さらに本発明DNAがコードし
ているポリペプチドを含む画分を用いることによって、
in vitroでのヒアルロン酸合成が可能であることが本実
施例で示されたことから、本発明DNAを用いた遺伝子
治療や、本発明ポリペプチドを用いた工業的規模でのヒ
アルロン酸のinvitro合成の有用性が示唆された。ま
た、本発明DNAのアンチセンスDNA、アンチセンス
RNAを用いることによる癌転移抑制のための遺伝子治
療の可能性が示唆された。
【0081】
【発明の効果】本発明は新規なヒアルロン酸合成酵素の
ポリペプチド及びそれをコードするDNAを提供する。
本発明ポリペプチドは、現在医薬品や化粧品の成分とし
て用いられているヒアルロン酸の工業的規模での大量生
産への利用、ヒアルロン酸発現低下に起因する疾患に対
する医薬品としての利用が期待される。さらには本発明
ポリペプチドを用いてヒアルロン酸合成酵素特異的阻害
剤の開発も期待される。また、本発明ポリペプチドを抗
原としたヒアルロン酸合成酵素に特異的な抗体の製造も
期待される。本発明DNAは、本発明のヒアルロン酸合
成酵素のポリペプチドの工業的規模での大量生産、ヒア
ルロン酸発現低下に起因する疾患に対する遺伝子治療、
さらには本発明DNAのアンチセンスDNAやアンチセ
ンスRNAを用いての癌転移抑制のための遺伝子治療等
への利用が期待される。
【0082】また本発明ポリペプチド及び本発明DNA
は、いずれも研究用試薬としての利用も期待される。
【0083】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:2102 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:マウス 株名:FM3A 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:49..1797 特徴を決定した方法:P 配列 CTAAAGAGAA CAAGACGGAG AAGAGAGAAT CCAGGAGGAC CCACAGCC ATG AGA CAG 57 Met Arg Gln 1 GAC ATG CCA AAG CCC TCA GAG GCA GCG CGT TGC TGC TCT GGC CTG GCC 105 Asp Met Pro Lys Pro Ser Glu Ala Ala Arg Cys Cys Ser Gly Leu Ala 5 10 15 AGG CGA GCA CTC ACG ATC ATC TTT GCC CTG CTC ATC CTG GGC CTC ATG 153 Arg Arg Ala Leu Thr Ile Ile Phe Ala Leu Leu Ile Leu Gly Leu Met 20 25 30 35 ACC TGG GCC TAC GCC GCA GGC GTT CCT CTG GCT TCA GAT CGC TAT GGA 201 Thr Trp Ala Tyr Ala Ala Gly Val Pro Leu Ala Ser Asp Arg Tyr Gly 40 45 50 CTC CTG GCC TTT GGC CTC TAT GGG GCA TTC CTC AGC GCA CAC CTA GTG 249 Leu Leu Ala Phe Gly Leu Tyr Gly Ala Phe Leu Ser Ala His Leu Val 55 60 65 GCA CAG AGC CTC TTC GCT TAC CTG GAG CAC CGA AGG GTG GCA GCG GCT 297 Ala Gln Ser Leu Phe Ala Tyr Leu Glu His Arg Arg Val Ala Ala Ala 70 75 80 GCG CGG CGC TCC TTG GCG AAG GGG CCC CTG GAT GCG GCC ACT GCA CGC 345 Ala Arg Arg Ser Leu Ala Lys Gly Pro Leu Asp Ala Ala Thr Ala Arg 85 90 95 AGC GTG GCA CTC ACC ATC TCA GCC TAC CAA GAG GAT CCC GCT TAC CTG 393 Ser Val Ala Leu Thr Ile Ser Ala Tyr Gln Glu Asp Pro Ala Tyr Leu 100 105 110 115 CGC CAG TGC TTG ACC TCC GCG CGC GCC TTG CTG TAC CCG CAC ACG AGG 441 Arg Gln Cys Leu Thr Ser Ala Arg Ala Leu Leu Tyr Pro His Thr Arg 120 125 130 TTA CGC GTG CTC ATG GTG GTG GAC GGC AAC CGC GCT GAG GAT CTG TAC 489 Leu Arg Val Leu Met Val Val Asp Gly Asn Arg Ala Glu Asp Leu Tyr 135 140 145 ATG GTG GAC ATG TTC CGA GAA GTC TTC GCC GAT GAG GAC CCC GCC ACT 537 Met Val Asp Met Phe Arg Glu Val Phe Ala Asp Glu Asp Pro Ala Thr 150 155 160 TAT GTG TGG GAT GGC AAC TAC CAT CAG CCC TGG GAA CCA GCG GAG GCT 585 Tyr Val Trp Asp Gly Asn Tyr His Gln Pro Trp Glu Pro Ala Glu Ala 165 170 175 ACG GGC GCT GTC GGT GAA GGT GCC TAC CGG GAG GTG GAG GCG GAG GAC 633 Thr Gly Ala Val Gly Glu Gly Ala Tyr Arg Glu Val Glu Ala Glu Asp 180 185 190 195 CCC GGG CGG TTG GCG GTG GAG GCG CTG GTG AGA ACA CGC AGG TGC GTG 681 Pro Gly Arg Leu Ala Val Glu Ala Leu Val Arg Thr Arg Arg Cys Val 200 205 210 TGC GTG GCT CAG CGT TGG GGC GGC AAA CGT GAG GTC ATG TAC ACA GCT 729 Cys Val Ala Gln Arg Trp Gly Gly Lys Arg Glu Val Met Tyr Thr Ala 215 220 225 TTC AAG GCA CTG GGC GAC TCC GTG GAC TAC GTG CAG GTC TGT GAC TCA 777 Phe Lys Ala Leu Gly Asp Ser Val Asp Tyr Val Gln Val Cys Asp Ser 230 235 240 GAC ACA AGA CTA GAC CCC ATG GCA CTG CTG GAG CTT GTG CGA GTG TTG 825 Asp Thr Arg Leu Asp Pro Met Ala Leu Leu Glu Leu Val Arg Val Leu 245 250 255 GAT GAA GAC CCC CGG GTA GGG GCT GTT GGA GGG GAT GTG AGG ATC CTT 873 Asp Glu Asp Pro Arg Val Gly Ala Val Gly Gly Asp Val Arg Ile Leu 260 265 270 275 AAC CCT CTG GAC TCC TGG GTC AGC TTC TTG AGC AGT CTT CGA TAC TGG 921 Asn Pro Leu Asp Ser Trp Val Ser Phe Leu Ser Ser Leu Arg Tyr Trp 280 285 290 GTA GCC TTC AAT GTG GAA CGA GCT TGT CAG AGC TAC TTC CAC TGT GTG 969 Val Ala Phe Asn Val Glu Arg Ala Cys Gln Ser Tyr Phe His Cys Val 295 300 305 TCC TGC ATC AGT GGT CCT CTG GGT CTA TAC AGA AAC AAT CTC CTG CAG 1017 Ser Cys Ile Ser Gly Pro Leu Gly Leu Tyr Arg Asn Asn Leu Leu Gln 310 315 320 CAG TTC TTG GAG GCC TGG TAC AAC CAA AAG TTC CTG GGC ACC CAC TGC 1065 Gln Phe Leu Glu Ala Trp Tyr Asn Gln Lys Phe Leu Gly Thr His Cys 325 330 335 ACA TTT GGG GAT GAC AGG CAC CTC ACC AAC CGA ATG CTT AGC ATG GGC 1113 Thr Phe Gly Asp Asp Arg His Leu Thr Asn Arg Met Leu Ser Met Gly 340 345 350 355 TAT GCT ACC AAG TAT ACC TCG CGC TCC AGA TGC TAC TCG GAG ACG CCC 1161 Tyr Ala Thr Lys Tyr Thr Ser Arg Ser Arg Cys Tyr Ser Glu Thr Pro 360 365 370 TCC TCC TTC CTT CGT TGG TTG AGC CAA CAG ACC CGC TGG TCC AAA TCT 1209 Ser Ser Phe Leu Arg Trp Leu Ser Gln Gln Thr Arg Trp Ser Lys Ser 375 380 385 TAC TTC CGA GAG TGG CTA TAC AAT GCT CTG TGG TGG CAT CGC CAC CAC 1257 Tyr Phe Arg Glu Trp Leu Tyr Asn Ala Leu Trp Trp His Arg His His 390 395 400 GCA TGG ATG ACC TAT GAA GCG GTG GTC TCG GGC CTC TTC CCT TTC TTC 1305 Ala Trp Met Thr Tyr Glu Ala Val Val Ser Gly Leu Phe Pro Phe Phe 405 410 415 GTG GCT GCC ACG GTG TTG AGG CTC TTC TAT GCA GGG CGC CCG TGG GCT 1353 Val Ala Ala Thr Val Leu Arg Leu Phe Tyr Ala Gly Arg Pro Trp Ala 420 425 430 435 CTG CTC TGG GTG CTG CTC TGT GTG CAG GGC GTA GCA CTG GCA AAG GCA 1401 Leu Leu Trp Val Leu Leu Cys Val Gln Gly Val Ala Leu Ala Lys Ala 440 445 450 GCC TTT GCA GCC TGG CTG CGT GGC TGC GTG CGC ATG GTG CTG CTG TCA 1449 Ala Phe Ala Ala Trp Leu Arg Gly Cys Val Arg Met Val Leu Leu Ser 455 460 465 CTC TAT GCA CCA CTC TAC ATG TGC GGC CTC CTG CCT GCC AAA TTC CTA 1497 Leu Tyr Ala Pro Leu Tyr Met Cys Gly Leu Leu Pro Ala Lys Phe Leu 470 475 480 GCG TTG GTT ACC ATG AAT CAA AGT GGT TGG GGT ACC TCG GGC CGG AAG 1545 Ala Leu Val Thr Met Asn Gln Ser Gly Trp Gly Thr Ser Gly Arg Lys 485 490 495 AAA CTG GCT GCT AAC TAT GTC CCC GTG TTG CCC CTG GCA CTC TGG GCT 1593 Lys Leu Ala Ala Asn Tyr Val Pro Val Leu Pro Leu Ala Leu Trp Ala 500 505 510 515 CTA CTG CTG CTT GGA GGC CTG GCC CGC AGT GTG GCC CAG GAG GCC AGA 1641 Leu Leu Leu Leu Gly Gly Leu Ala Arg Ser Val Ala Gln Glu Ala Arg 520 525 530 GCT GAC TGG AGT GGC CCA TCC CGA GCA GCT GAA GCC TAC CAC CTT GCT 1689 Ala Asp Trp Ser Gly Pro Ser Arg Ala Ala Glu Ala Tyr His Leu Ala 535 540 545 GCT GGG GCT GGT GCC TAT GTG GCC TAC TGG GTG GTA ATG TTA ACT ATC 1737 Ala Gly Ala Gly Ala Tyr Val Ala Tyr Trp Val Val Met Leu Thr Ile 550 555 560 TAC TGG GTA GGT GTG AGG AGG CTG TGC AGA CGT CGG AGC GGT GGT TAC 1785 Tyr Trp Val Gly Val Arg Arg Leu Cys Arg Arg Arg Ser Gly Gly Tyr 565 570 575 CGT GTC CAA GTA T GAGTCCGGGC ATGAAGATGC AGCTGAGGGC TCTTAAAGGA 1838 Arg Val Gln Val 580 GGAGTCCTTG TGAGGCACCC CCTGGAGTCA TGGCTTTCTG GGGACTCAGT TTACCTTCTC 1898 TTTGAAATGA GGGAGTTATT TAAGATTCTT CAATATGGAC TGTATTGGAA CTCAGATCTA 1958 GGTCTCTGGG GAGGGGTAAT TTATTGATCA GGGAGTGGGA TTGTAGGACC AGGGCCAGAA 2018 CGTCTCCATT TTCTCCCTGT TGCTATTTAA TGTTTGTACT GTAAGATTAT ATAATAAATT 2078 TTTTATTTAT TTTCTTCTTT AGAG 2102
【0084】配列番号:2 配列の長さ:583 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Arg Gln Asp Met Pro Lys Pro Ser Glu Ala Ala Arg Cys Cys Ser 1 5 10 15 Gly Leu Ala Arg Arg Ala Leu Thr Ile Ile Phe Ala Leu Leu Ile Leu 20 25 30 Gly Leu Met Thr Trp Ala Tyr Ala Ala Gly Val Pro Leu Ala Ser Asp 35 40 45 Arg Tyr Gly Leu Leu Ala Phe Gly Leu Tyr Gly Ala Phe Leu Ser Ala 50 55 60 His Leu Val Ala Gln Ser Leu Phe Ala Tyr Leu Glu His Arg Arg Val 65 70 75 80 Ala Ala Ala Ala Arg Arg Ser Leu Ala Lys Gly Pro Leu Asp Ala Ala 85 90 95 Thr Ala Arg Ser Val Ala Leu Thr Ile Ser Ala Tyr Gln Glu Asp Pro 100 105 110 Ala Tyr Leu Arg Gln Cys Leu Thr Ser Ala Arg Ala Leu Leu Tyr Pro 115 120 125 His Thr Arg Leu Arg Val Leu Met Val Val Asp Gly Asn Arg Ala Glu 130 135 140 Asp Leu Tyr Met Val Asp Met Phe Arg Glu Val Phe Ala Asp Glu Asp 145 150 155 160 Pro Ala Thr Tyr Val Trp Asp Gly Asn Tyr His Gln Pro Trp Glu Pro 165 170 175 Ala Glu Ala Thr Gly Ala Val Gly Glu Gly Ala Tyr Arg Glu Val Glu 180 185 190 Ala Glu Asp Pro Gly Arg Leu Ala Val Glu Ala Leu Val Arg Thr Arg 195 200 205 Arg Cys Val Cys Val Ala Gln Arg Trp Gly Gly Lys Arg Glu Val Met 210 215 220 Tyr Thr Ala Phe Lys Ala Leu Gly Asp Ser Val Asp Tyr Val Gln Val 225 230 235 240 Cys Asp Ser Asp Thr Arg Leu Asp Pro Met Ala Leu Leu Glu Leu Val 245 250 255 Arg Val Leu Asp Glu Asp Pro Arg Val Gly Ala Val Gly Gly Asp Val 260 265 270 Arg Ile Leu Asn Pro Leu Asp Ser Trp Val Ser Phe Leu Ser Ser Leu 275 280 285 Arg Tyr Trp Val Ala Phe Asn Val Glu Arg Ala Cys Gln Ser Tyr Phe 290 295 300 His Cys Val Ser Cys Ile Ser Gly Pro Leu Gly Leu Tyr Arg Asn Asn 305 310 315 320 Leu Leu Gln Gln Phe Leu Glu Ala Trp Tyr Asn Gln Lys Phe Leu Gly 325 330 335 Thr His Cys Thr Phe Gly Asp Asp Arg His Leu Thr Asn Arg Met Leu 340 345 350 Ser Met Gly Tyr Ala Thr Lys Tyr Thr Ser Arg Ser Arg Cys Tyr Ser 355 360 365 Glu Thr Pro Ser Ser Phe Leu Arg Trp Leu Ser Gln Gln Thr Arg Trp 370 375 380 Ser Lys Ser Tyr Phe Arg Glu Trp Leu Tyr Asn Ala Leu Trp Trp His 385 390 395 400 Arg His His Ala Trp Met Thr Tyr Glu Ala Val Val Ser Gly Leu Phe 405 410 415 Pro Phe Phe Val Ala Ala Thr Val Leu Arg Leu Phe Tyr Ala Gly Arg 420 425 430 Pro Trp Ala Leu Leu Trp Val Leu Leu Cys Val Gln Gly Val Ala Leu 435 440 445 Ala Lys Ala Ala Phe Ala Ala Trp Leu Arg Gly Cys Val Arg Met Val 450 455 460 Leu Leu Ser Leu Tyr Ala Pro Leu Tyr Met Cys Gly Leu Leu Pro Ala 465 470 475 480 Lys Phe Leu Ala Leu Val Thr Met Asn Gln Ser Gly Trp Gly Thr Ser 485 490 495 Gly Arg Lys Lys Leu Ala Ala Asn Tyr Val Pro Val Leu Pro Leu Ala 500 505 510 Leu Trp Ala Leu Leu Leu Leu Gly Gly Leu Ala Arg Ser Val Ala Gln 515 520 525 Glu Ala Arg Ala Asp Trp Ser Gly Pro Ser Arg Ala Ala Glu Ala Tyr 530 535 540 His Leu Ala Ala Gly Ala Gly Ala Tyr Val Ala Tyr Trp Val Val Met 545 550 555 560 Leu Thr Ile Tyr Trp Val Gly Val Arg Arg Leu Cys Arg Arg Arg Ser 565 570 575 Gly Gly Tyr Arg Val Gln Val 580
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ポリペプチドのヒドロパシープロット
を示す図面。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GENBANK GENESEQ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2に示すアミノ酸配列を有する
    ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチドをコードするDN
    A。
  2. 【請求項2】 配列番号1に示す塩基配列において49
    位〜1797位の塩基配列を有する請求項1記載のDN
    A。
  3. 【請求項3】 配列番号1に示す塩基配列において1位
    〜2102位の塩基配列を有する請求項1記載のDN
    A。
  4. 【請求項4】 配列番号2に示すアミノ酸配列を有する
    ヒアルロン酸合成酵素のポリペプチド。
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