JP3497504B2 - 細胞増殖阻害剤 - Google Patents

細胞増殖阻害剤

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はβ−ガラクトシド結合蛋白として知られる蛋
白ならびに細胞増殖を抑止し調節しあるいはそれ以外の
方法で影響を与えるためのその利用に関するものであ
る。
細胞表面上の特異的な糖に結合する能力のある蛋白は
多年にわたり知られている。従来知られている糖結合蛋
白は一般名「レクチン」という名で通常称されている。
レクチンは特定の糖残基に対し特異性のある炭水化物結
合蛋白として定義され、結合に関して2価あるいは多価
であり、少なくとも単量体の場合には2価である(バロ
ンデス、エイチ(Barondes,H),サイエンス(Scienc
e)223,1259−1264(1984))。多価性のためにレクチ
ンが赤血球の凝集を引き起こすと、すなわちそれらが赤
血球凝集素であり、細胞表面の糖に対する親和性のため
に他の細胞の凝集を引き起こしうることがレクチンをさ
らに性格づける特徴となっている。また2価性あるいは
多価性に関連する架橋をするという性質によりレクチン
は細胞増殖を阻害しうる。しかしながらそれらの効果は
無差別的で生理学的に不可逆であり、それらは高い毒性
を有している。
レクチンのとくによく知られた例は植物蛋白コンカナ
バリンAおよびフィトヘマグルチニンである。さらに最
近になって、脊椎動物および粘菌を含む他の生物におい
て糖結合蛋白が同定されている。この分類における脊椎
動物の蛋白が例えば以下の文献に記載され特徴づけられ
ている。
−バロンデス,エイチ(Barondes,H.)サイエンス(Sci
ence)223,1259−1264(1984) −オオヤマ,ワイ(Ohyama,Y.),ヒラバヤシ,ジェイ
(Hirabayashi,J.),オダ,ワイ(Oda,Y.),オーノ,
エス(Ohno,S.),カワサキ,エイチ(Kawasaki,H.),
スズキ,ケイ(Suzuki,K.)およびカサイ,ケイ(Kasa
i,K.)バイオケム・バイオフィズ・レス・コム(Bioce
m.Biophys.Res.Comm.)134,51−56(1986) −サザン,シー(Southan,C.),エイトケン,エイ(Ai
tken,A.),チルズ,アールズ・エイ(Chills,R.A.),
アボット,ダブリュウ・エム(Abbot,W.M.)およびフェ
イジ,ティー(Feizi,T.)フェブズ・レターズ(FEBS L
etters)214,301−304(1987) −ヒラバヤシ,ジェイ(Hirabayashi,J.),カサイ,ケ
イ(Kasai,K.)ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(東京)(Journal of Biochemistry(Tokyo))104,1
−4(1988) −クラーク,エル・ビー(Clerch,L.B.),ホイットニ
ー,ピー(Whitney,P),ハース、エム(Hass,M.),ブ
リュー,ケイ(Brew,K.),ミラー,ティー(Miller,
T.),ウェルナー,アール(werner,R.)およびマサ
ロ,ディー(Massaro,D)バイオケミストリー(Biochem
istry)27,692−669(1988) −クーラウンド,ピー・オー(Couraund,P.O.),カサ
ンチーニ−ボロス,ディー(Casantini−Borocz,D),
ブリンガム,ティー・エス(Bringham,T.S.),グリフ
ィス,ジェイ(Griffith,J.),マクグローガン,エ
ム,(MacGrogan,M)およびネドウイン,ジー・イー(N
edwin,J.E.)ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー(Journal of Biological Chemistry)264,131
0−1316(1989) −アボット,ダブリュウ・エム(Abbot,W.M.)およびフ
ェイジ,ティー(Feizi,T.)バイオケム・ジャーナル
(Biochem.J.)259,291−294(1989) β−ガラクトシドが糖であるため、β−ガラクトシド
結合蛋白がレクチンであることの判断基準を満たすこと
は上記のレクチンの定義から明らかであろう。そしてす
べてのβ−ガラクトシド結合蛋白が実際にはレクチンで
あったということが従来理解されていた。このことが実
際にはそうではないということが、本発明者らにより本
明細書中に記載されている。
植物レクチンはリンパ球の活性化を引き起こすことが
知られている。EP−A−0337299もまた、例えば重症筋
無力症およびリウマチ様関節炎のような免疫系の欠損を
含む疾病の治療において種々の脊椎動物起源のレクチン
の利用について記載している。糖尿病および多発性硬化
症についての有益な効果もまた示唆されている。
EP−A−0260497においてサルコファーガ・ペレグリ
ナ(Sarcophaga peregrina)(肉蝿)の細胞系から単離
された「レクチン様」蛋白が記載されており、それは血
球凝集素として作用し、ネズミの腫瘍の成長を抑制する
効果を有する。
しかしながら前記出願書類のクレームは用いられた蛋
白のレクチンとしての性質に基づくものである。本発明
者らは、細胞増殖抑制性のある新しくて改良された試薬
を検索するうちに、正常および癌細胞の増殖を阻害ある
いは抑止する能力のある新しい細胞増殖抑制性のある蛋
白を単離し精製し性質を調べたが、本蛋白はマウス胚繊
維芽細胞により生産されレクチンの性質の判断基準を満
たない。本蛋白のアミノ酸配列を決定し、文献およびデ
ータベースを用いて単離蛋白の配列を他の公知蛋白の配
列と比較することにより、その阻害剤がβ−ガラクトシ
ド結合蛋白(GBP)であることが確認された。このこと
はcDNAクローニングおよび組換え型の本蛋白の発現によ
り確認された。
本発明者らは、さらに、単量体でかつ糖結合部位に関
して1価であるかまたはグリカン複合体で覆われている
ため利用可能な糖結合部位を有していないという理由
で、本蛋白は分類上の定義に従えはレクチンとは言えな
いことを見い出した。従って本蛋白は血球あるいは他の
細胞を凝集させる能力がない。そのうえ本蛋白はレクチ
ンに関して報告されているよう2量体として存在するの
ではなく、むしろ本来的に1価の単量体として存在す
る。言い換えると本蛋白は4つのβ−ガラクトシド結合
部位が内部にある4量体を形成でき、それゆえ、グルカ
ン複合体が当該分子と会合しない場合でさえ、細胞凝集
を引き起こすことができなくなる。そのうえ細胞増殖抑
制効果は糖結合部位を通じて作用するのではなく、特異
的細胞表面受容体に高い特異的親和性をもって結合する
ドメインを通じて作用する。
本明細書に記載の本発明は上述の発見に基づくもので
あり、またマウス胚繊維芽細胞からの細胞増殖抑制性で
あり非凝集性であるGBPがヒトの癌細胞の増殖に対して
抑制効果を有するというさらなる発見に基づくものでも
ある。それゆえ本発明はこれらの発見の具体化、すなわ
ち、天然の動物由来であれ組換えDNA工学により生産さ
れるものであれ、それらを細胞増殖の阻害剤および調節
剤ならびに治療薬として用いる前記特性を有する非凝集
性のGBPに指向される。この新しい細胞増殖阻害蛋白は
マウスの組織から単離されたが、同じ性質を有する等価
の蛋白が他の種から単離され得ることが期待される。
かくして、本発明により、細胞由来の汚染がなくおよ
び/または組換えDNA工学により生産される動物由来の
非凝集性β−ガラクトシド結合蛋白(GBP)が提供され
る。本蛋白は脊椎動物細胞の増殖阻害剤としての使用に
適している。
本明細書中、β−ガラクトシド結合蛋白なる語は天然
型の蛋白のアミノ酸配列かあるいは目的細胞の特異的な
細胞表面受容体に結合する能力のあるドメインまたはド
メイン類を有するようにいくらか修飾されたアミノ酸配
列を有する物質を意味することが理解されるべきであ
る。かかる修飾蛋白は付加されまたは除去されたアミノ
酸を有するかあるいはその増殖阻害効果に影響しないア
ミノ酸の置換を有する蛋白を包含する。
そのうえ、本明細書に用いられる語として、非凝集性
なる語は、本来の形態では糖と結合するため親和性を有
するが、その糖結合親和性の直接の結果としての細胞凝
集を引き起こすことのできない蛋白を表す。従っていく
つかの他の生化学的メカニズムにより凝集を引き起こす
GBPの能力が除外されることはない。
好ましくは、本発明で使用するGBPは脊椎動物由来の
ものとするが、他種由来のGBPを除くものではない。
好ましくは細胞は形質転換細胞とし、より好ましくは
ヒト由来の形質転換細胞とする。「形質転換細胞」なる
語はその定義において癌細胞や悪性細胞のすべての形態
と、癌性のみならず前癌性、形質転換前、過形成および
不規則な細胞のすべての形態ならびに細胞分化の望まな
い形態の細胞を包含する。特にヒトあるいは動物由来の
組換え型GBPはヒトの悪性疾病の治療における治療薬と
して利用されうる。好ましくはかかる用途のGBPは、ヒ
トかマウスのいずれかの起源のGBPのアミノ酸配列を有
するか含むとするが、他の種由来のアミノ酸配列を除外
するものではない。天然型のマウスおよびヒトのGBPは
共に134個のアミノ酸からなり、89%の相同性を有す
る。交差種効果を存在すること、すなわちマウスのGBP
がヒトの癌細胞の増殖を阻害することが本出願人によっ
て明確に示された。したがってヒトかマウスのいずれか
のみならず他種由来のGBPもヒトあるいは他の動物種に
おける治療薬として使用できる。高度なアミノ酸配列の
相同性がヒトの非凝集性β−ガラクトシド結合蛋白と他
種のGBPとの間で示されたので、他種由来のGBPもまたヒ
ト細胞の増殖を阻害する効果を有することが期待されう
る。したがって、かかる他のGBPは本発明の範囲内のも
のである。
これらの蛋白がG0期の細胞を維持し、細胞周期のG2期
を通過することを阻止あるいはその機会を減少させ、こ
のため有糸分裂に入ることを妨げるという効果を有する
ということが、本明細書中で組換え型のマウスGBPに関
してさらに開示されている。本蛋白のかかる特殊な性質
は、再び増殖することを妨げられているG0期の悪性細胞
に対する治療の観点から特に有利となり得る。
そのうえ、蛋白が治療的に投与された場合、体液中あ
るいは組織中細胞の凝集はもちろん望ましくないという
理由で、これらのGBPの非凝集性の性質はそれらを治療
薬として適したものにしている。
本発明で用いるGBPはβ−ガラクトシド結合部位に関
して単量体かつ1価であってよいが、好ましくは覆われ
修飾されあるいは全て除去された単一の糖の結合手に対
して単量体である。それらは多量体であってもよく、好
ましくは4量体であるが、露出した糖の結合手があって
はならない。4量体がなお非凝集性(本明細書で定義し
たような)であり、それゆえ、本発明の範囲内のもので
あるということは本明細書に開示された情報から理解さ
れるであろう。単量体および4量体の双方が糖あるいは
好ましくは例えばグリカン複合体のような多糖複合体と
会合しうるが、非糖複合体を除外するものではない。
最も好ましい糖複合体は、マクロファージや肝細胞上
の炭水化物特異的受容体によるあるいは他の解除系によ
る循環からの解除から複合体化した会合GBPを保護する
シアル酸を含むものである。
糖複合体は実施例により本明細書に示された場合のよ
うにして得ることができる。あるいは天然型であれ遺伝
子操作型であれ分子中の糖転移部位から生成しうる。サ
イトダイレクト変異の手法により糖結合部位を覆うよう
に糖転移部位が作成され、あるいは糖結合部位を覆うよ
うに糖複合体以外の複合体が用いられあるいは遺伝子操
作により作成されることが予想される。糖結合部位が覆
われているかかる蛋白はすでに述べた理由およびその安
定性と高い増殖阻害活性により治療上の利点を有する。
複合体によりβ−ガラクトシド結合部位が覆われたGBP
は以後、蛋白の「複合体化した」形態と記載する。この
語は本明細書記載の場合のようにして複合体が得られる
場合であってもまたそれが分子中で例えば糖転移部位か
ら生成する場合であっても用いられる。
本発明によりβ−ガラクトシド結合蛋白は覆われてい
るというよりはむしろ糖結合部位が全て除去されるとい
うように修飾できることがさらに当然のこととして予想
される。かかる蛋白はやはり本発明の範囲内のものであ
る。
本発明の別の態様において担体あるいは希釈剤をと共
に動物由来の非凝集性β−ガラクトシド結合蛋白の有効
量からなる医薬組成物が提供される。好ましくは該組成
物は非経口的投与あるいは別経路の投与用に処方し、何
等かの希釈剤、アジュバント、保存剤あるいは慣用的に
かかる組成物中に含まれまた当業者によく知られている
他の成分を含有させてもよい。該組成物を単位投与形に
処方する場合、患者にはそれぞれの治療用法および目的
細胞の感受性に従って用量あたり10ngないし1000mgを投
与するのが好ましい。
GBPは別の蛋白あるいは分子キャリヤーに付加あるい
は付着させて用いることができる。
本発明の第3の態様において、本明細書で定義される
ような非凝集性のβ−ガラクトシド結合蛋白の製法が提
供され、該方法は少なくとも、 (a)該蛋白を発現する単細胞あるいは多細胞いずれか
の生物を提供し、 (b)該蛋白を発現させ、 (c)純粋でない形態の該蛋白を該生物から分離し同定
し、 (d)該蛋白を精製工程に付して発現生物に由来する汚
染が実質的にない生成物を得る工程からなる。
GBPを生産する生物は本蛋白を構成的に発現する動物
細胞よりなるものであってもよく、商業的規模で本蛋白
を生産するように培養できる。広い範囲の動物細胞系を
この方法でGBPを生産するのに用いることができ、昆
虫、魚類、ヒトおよび他の哺乳動物由来の細胞も含む。
構成的に発現された蛋白は当業者に知られた標準的な手
法により細胞系を増殖させる組織培養培地から容易に回
収し、同定し、精製できる。商業的なGBPの生産には連
続した細胞系、特に浮遊培養で増殖する細胞系が特に好
ましい。
本明細書に記載する実施例において、発明者らは2代
目のマウス胚繊維芽細胞からGBPを容易に回収し精製し
た。
別法として、GBPを生産する生物は組換えDNA工学によ
り当該蛋白を生産するように設計されたものでもよい。
かかる生物としては改善された収率を与えるように設計
された上述のすべての構成的に生産を行う細胞系および
本蛋白を通常発現しないのではなくてその中に誘導され
るGBPをコードしているDNAを持った単細胞および多細胞
の広範囲の生物を含む。この点で特に好ましいのは細
菌、酵母およびカビのごとき微生物あるいは植物および
動物組織培養細胞であるが植物および動物のような高等
生物の使用もまた予想できる。外来遺伝子を微生物に導
入し、その発現を得るのに必要な遺伝子組換えの手段は
当業者によく知られている。
本明細書中に記載の実施例において、発明者らはCDM8
プラスミドを発現ベクターとして用いており、マウスの
組換え型蛋白をCOS−1細胞で発現させた。
GBPが直接動物組織から単離されうることもまた予想
できる。したがって本発明の第4の態様において、本明
細書に定義されるような非凝集性のGBPを生産する方法
が提供され、本方法は少なくとも、 (a)動物由来の組織を処理し、それから蛋白抽出物を
得て、 (b)該抽出物から非凝集性のβ−ガラクトシド結合蛋
白を分離し同定し、次いで (c)精製工程に該蛋白を付して、組織由来の汚染が実
質的にない生成物を得る工程からなる。
該蛋白は多くのよく知られた手法のうちのいくつかに
よって抽出し、分離し、精製できる。特に、組織から分
泌される他の蛋白から該蛋白を分離するためにGBPの糖
結合能力を利用することが可能であり実際好ましい。前
記方法は容易に利用できるため、問題としている組織が
ヒトの組織であり、この点に関してヒトの胎盤組織が特
に適する場合、前記方法は好ましいものである。そのう
え、供給が豊富でもあるという理由で例えばウシ、ブタ
などの大型の哺乳動物の胎盤組織がGBPの源として利用
できる。
別法として、GBPあるいはそのいかなる部分も合成的
に調製されうる。
組換え型のGBPの生産に関してナショナル・コレクシ
ョン・オブ・タイプ・カルチャーズ(National Collect
ion of Type Cultures),61 コリンデイル・アベニュ
ー(Colindale Avenue),ロンドン NW9 5ATに1989年
4月26日に以下のものを寄託した。
a)マウスのGBP配列をコードしている全cDNAを含むCDM
8プラスミドの宿主である大腸菌 MC 1061/P3株。受託
番号12237。
b)ヒトのGBP配列をコードしている全cDNAを含むバク
テリオファージλgt 11。受託番号12236。
c)b)の宿主としての大腸菌 Y 1090。受託番号12
235。
前記のものの利用は当業者にとってはcDNA挿入部分の
単純な置換によって、他起源の動物GBPの発現のために
構築し、あるいは他のベクターを用いてマウスあるいは
ヒトのGBPを発現するための日常的な作業を意味する。
前記のプラスミドおよびファージは他のベクターの構築
および所望により覆われ改変されあるいは除去された糖
結合部位を持つように付加的に設計されうる他のGBP発
現のためのモデルを提供する。
本発明のGBPは広い範囲の方法で上述のようにして生
産されうるが、本発明で用いる天然型あるいは組換え型
のマウスGBPの調製および単離が、まず2代目のマウス
胚繊維芽細胞(MEF)を培養しその培養物を回収するこ
とにより発明者らによって行われた。天然型の蛋白はそ
こからセファデックスゲル濾過について逆相HPLCにより
精製し、マウス胚繊維芽細胞の同調培養物を細胞増殖阻
害活性を検出するためにテスト細胞として用い、細胞の
直接計数および細胞蛍光分析を用いた細胞周期分析によ
り阻害の程度を評価した。
最初に標準的手法により3個のペプチドのアミノ酸配
列を得、次いで文献および蛋白データベースを通じて配
列決定された蛋白と相同性を持つ領域を含む蛋白を検索
することにより蛋白を特徴付けた。かくして、新たに単
離された蛋白はβ−ガラクトシド結合蛋白であることが
立証された。このことはcDNAクローニングおよびさらな
る特徴付けの研究のための組換え型蛋白の利用によって
確認された。
ファージλgt10のcDNAライブラリーは核酸源としてマ
ウス胚繊維芽細胞のmRNAを用いて構築された。ペプチド
のアミノ酸配列についての知見によりライブラリーを検
索するために合成されるべきオリゴヌクレオチドのプロ
ーブの提供が可能となった。この工程により、サイズ分
画cDNAが構築したCDM8プラスミドライブラリー用のさら
なるプローブとして供される110bpのcDNAが得られた。
この経路により、14,735ダルトンの翻訳された分子量を
有するアミノ末端メチオニンおよび134個のアミノ酸か
らなる蛋白をコードしているcDNA挿入部分を有している
クローンが同定された。マウスGBPcDNAを有するCDM8プ
ラスミドをCOS−1細胞をトランフェクトするために用
い、該細胞にて組換え型のマウスGBP(rGBP)の発現が
達成された。多くの標準的な精製手法のうちいずれもが
使用できるが、該組換え蛋白は発明者らが作成した抗−
マウスGBP抗体を用いて精製した。マウスGBPは通常のマ
ウス細胞、マウスの形質転換細胞および癌細胞ならびに
ヒト癌細胞に対して有効な増殖阻害活性を有することが
示された。さらに、マウスGBPはウイルス複製に対して
も阻害効果を有することが示され、免疫系の細胞に対し
て調節効果を有することが予期された。
以後記載する詳細な手法は本発明で用いる天然型およ
び組換え型双方の動物のGBPに対する実験経路について
の実施例によるものである。添付図面の説明は以下を参
照のこと。
図1Aは逆相HPLCでの追跡を示し、、そこには細胞増殖阻
害活性のある2つのピークが蛋白の複合体化した(分子
量18,000)および複合体化していない(分子量15,000)
形態に対応して同定されており、 図1BはSDS勾配ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAG
E)およびバイオラッド銀染色(Biorad silver stainin
g)により示されたピークに対応するフラクションから
の蛋白バンドを示し、 図1Cは図1Bに示された先のポリアクリルアミドゲルから
溶出されたフラクションからの12%SDSゲル上での蛋白
の再単離を示し、 図1DaはCOS−1細胞で発現された組換え蛋白の還元的お
よび非還元的条件下でのSDS勾配ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動で得られた蛋白バンドを示している。
図1Dbは本発明の分子量18,000および15,000のGBPの染色
を糖付加された蛋白であるトランスフェリンおよび糖付
加されていないトランスフェリンのN−末端側断片の糖
染色と比較して糖染色することにより得られた蛋白のブ
ロットを示す。
図1Eは競争的な糖、ノイラミニダーゼおよび酸素原子を
介した糖/蛋白結合を切断する酵素にて分子量18,000の
GBPを処理した後SDS勾配ポリアクリルアミドゲル電気泳
動により得られた蛋白バンドを示す。
図2Aは3個のペプチドのアミノ酸配列および脊椎動物由
来のβ−ガラクトシド結合蛋白のアミノ酸配列とのこれ
らのペプチドとの相同性を示し、相同性のない部分が箱
の中に示されており、 図2Baは下線を付した糖結合部位および推定される2次
構造とともにマウスのGBPのアミノ酸配列を示し、 図2Bbは該蛋白のハイドロパシック・プロファイルを示
しており、糖結合部位は黒印で示されており、 図3AはマウスGBPに関するヌクレオチド配列および推定
できるアミノ酸配列を示し、 図3BはヒトGBPに関するヌクレオチド配列および推定で
きるアミノ酸配列を示し、 図4Aは単量体の天然型および組換え型のマウスGBPのマ
ウス胚繊維芽細胞(MEF)の増殖に対する影響ならびに
同等投与量における植物レクチンであるコンカナバリン
AおよびサクシニルコンカナバリンAの効果の欠如を示
し、 図4Bは接種から40時間増殖後のマウス胚繊維芽細胞を示
し、 図4Cは接種から40時間増殖後の400ngml-1の単量体のGBP
で処理されたマウス胚繊維芽細胞を示し、 図4Dは複製中のMEFに対する単量体のGBPおよび4量体の
GBPの5日間にわたる経過後における効果を示し、 図4Eは血清中で刺激された後GBPで処理されたMEFの細胞
周期の異なった段階における細胞増殖の指標としてのDN
A分配を示し、 図5AはMEF細胞周期のG0期の間の構成的な内在性のGBPに
対する中和抗体の細胞増殖に対する添加効果を示し、 図5Bは細胞周期のG2期に先立って抗体を添加した場合の
細胞増殖に対する効果を示し、 図6Aはネズミの形質転換された細胞系18−8,PV−TT−8,
Weil 3BおよびL−57の増殖に対する種々の濃度におけ
るネズミrGBPの効果を示し、図6Bはヒト癌細胞K562,Nal
m6およびKG1の増殖に対する種々の濃度におけるネズミr
GBPの効果を示し、 図7は37℃での6、12および24時間のインキュベーショ
ン後における複合体化していないGBPの単量体から4量
体への変換(左図)および複体化したGBPの単量体から
4量体への変換(右図)を示し、 図8Aは100mMの競争的なラクトース不存在下でのマウス
胚繊維芽細胞に対するGBPの受容体親和性結合を示し、 図8Bは100mMの競争的なラクトース存在下でのマウス胚
繊維芽細胞に対するGBPの受容体親和性結合を示し、 図8CはMEF上の細胞受容体に対する4つの形態のGBP(単
量体および4量体)の親和性を比較しており、 図9はマウス胚繊維芽細胞におけるネズミのGBPのEMCウ
イルスの複製に対する影響を示す。
実施例1. 天然に存在するマウスのGBPの単離 a)マウス胚繊維芽細胞(MEF)の培養物はC57 B1株の
マウスから調製した。
初代細胞を10%トリプトースりん酸ブロスおよび10%
ウシ胎児血清(増殖培地)を含有するイーグル(Eagl
e)のBHK培地中で、5%二酸化炭素を含む空気中で接種
した。
分化能力のある全ての細胞が1回の分化周期を経た時
に集密的細胞単層が得られるような細胞密度で細胞を接
種した。接種後約30時間で細胞分化が起こり、培養物を
さらに24時間放置した。次いで、これらの細胞をコロニ
ー形成率につき評価し、2代目繊維芽細胞に対して集密
状態において予想される半分量に等しい量を接種するこ
とにより継代培養した。細胞分化が起こった後(30時
間)、増殖培地を2%ウシ胎児血清を含有するBHK培地
に変更し、培養物をさらにこの条件で72時間維持した。
b)天然型のGBPを生産するために、2代目のMEFを使用
した。72時間2%血清中で静止状態となっている2代目
繊維芽細胞の集密化した培養物をりん酸で緩衝化された
生理食塩水で3回洗浄し、次いで、無血清のイーグルの
BHK培地(SFM)で1回洗浄し、SFM(107個の細胞につき
10ml)中で37℃で20時間インキュベートした。培養物を
回収し、4℃で1時間、10,000gで遠心分離し冷却下PM1
0アミコン(Amicon)限外濾過膜で体積比100倍に濃縮し
た。γグロブリンを標準としてバイオラッド・プロテイ
ン・アッセイ(Biorad Protein Assay)を用い、ならし
培地の全蛋白濃度を測定した。
c)工程b)で調製したならし培地を蛋白濃度1mg/mlと
なるように調節し、PBSで平衡化したセファデックスG75
カラムに4℃で適用した。PBSによる溶出は冷却化で行
った。フラクションは10mlずつ集め、透析袋に移し、フ
ィコール(Ficoll)400を用いて水分と塩を除去して1ml
まで濃縮した。各フラクションの一部を蛋白濃度につい
て分析し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析
し、増殖阻害活性を試験した。活性のあるフラクション
を1つにプールし、活性のある蛋白を、以下に記載の方
法により、発明者らが作成し精製したポリクローナルお
よびモノクローナルな抗−GBP抗体を用いた免疫アフィ
ニティークロマトグラフィーにより精製した。
d)増殖阻害活性評価用の細胞は2代目のマウス胚繊維
芽細胞であった。細胞は5%ウシ胎児血清を含有するBH
K培地中に105個cm-2の濃度で接種した。培養物は空気中
5%CO2と共に空気中で平衡化し、37℃のウォーターバ
ス中でインキュベートした。選ばれた時間に増殖阻害活
性を試験されるべき標品を添加した。これらの各標品は
無血清培地(SFM)に対して既に透析しその後5%ウシ
胎児血清を添加したものである。対照にはSFMと5%血
清を与えた。増殖阻害は0.1%トリプシンおよび0.2%ト
リパンブルーを含有する0.5ml 0.02%エチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA)を用いて細胞をガラス器壁から除去す
ることにより測定した。次いでトリプシンを0.5mlの血
清で中和した。トリパンブルー染色された細胞および染
色されなかった細胞をフックス−ローゼンタール(Fuch
s−Rosenthal)のヘマトメーターで計数した。すべての
実験において染色された細胞の数すなわち生存していな
い細胞は2%未満であった。
実施例2. 逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に
よる精製およびマウスのGBPの特徴付け a)蛋白の逆相HPLCは、実施例1に記載のように、G0期
のC57/B1株のマウスの2代目MEFから得られた無血清培
地での培養物のG75セファデックスによる分画で得られ
たプールについて行った。250μgの蛋白を0.08%トリ
フルオロ酢酸で平衡化されたC18逆相HPLCカラムに適用
し、20%から60%までのアセトニトリルの濃度勾配を伴
い、毎分1.5mlで45分間溶出された。0.75mlずつのフラ
クションを集めた。得られたHPLCのトレース図を図1Aに
示す。阻害活性のある2つのピークが確認された(矢印
で示す)。阻害活性のピークを含むプールされたフラク
ションをSDS勾配ポリアクリルアミドゲルに流した時、
1番目のピークを含むフラクションは見掛けの分子量約
18,000ダルトンのバンドを示した。2番目のピークを含
むフラクションは見掛けの分子量約15,000ダルトンを示
しながら泳動する1個の成分を示した。これらのバンド
は明確に図1Bのゲル上に示されている。阻害活性のある
2つのピークから単離された蛋白が実際には同一物であ
りその分子量の相違は初めピークの蛋白上の糖の決定要
素の存在、特にβ−ガラクトシド結合部位に結合し効果
的にそれを覆う糖複合体に起因していることが配列分析
およびモノクローナル抗体の使用により確認された。
b)逆相HPLCカラムからの2番目のピーク中に溶出され
た200μlのプールされた活性のあるフラクションを凍
結乾燥し、50μlの試料緩衝液中に添加し、0.1%SDSを
含む12%ポリアクリルアミドスラブゲルの単一のレーン
に流した。レーンを2mmずつスライスし、各スライスを3
00μlのイーグルのBHK培地中で溶出させ、4℃で一晩
ロータリーシェーカーで振とうした。各200μlの回収
された上澄を4℃で15分間10,000gで遠心分離した。50
μlをSDSポリアクリルアミドスラブゲルに流し、バイ
オラッド銀染色で染色した。ゲルは図1Cに示す。次いで
回収された上澄の残り150μlに5%ウシ胎児血清およ
び1%の脂肪酸を含まないウシ血清アルブミンを含有さ
せ、マルチウェルプレート中の4代目マウス胚繊維芽細
胞の二連培養物に添加した。細胞増殖阻害活性の評価の
ために、接種から40時間後に細胞をメタノール中で固定
し、染色した。ランダムな5つの場所の細胞数を接眼レ
ンズのグラティキュールを用いて計数した。図1Cは増殖
阻害活性の鋭いピークと一致した予想分子量で移動する
バンドを明確に示している。
c)工程a)およびb)による精製に続いて、構造レベ
ルでの該蛋白の特徴づけのためにアミノ酸配列分析を用
いた。図1Aに示したプールされた活性フラクションを還
元し、アルキル化し、10mMの炭酸水素アンモニウムに対
して透析し、凍結乾燥し、10mMの炭酸水素アンモニウム
に再懸濁した。TPCKで処理したトリプシンを添加した
(蛋白:トリプシンが重量比で100:1)。この混合物を3
7℃で12時間インキュベートし、さらに同じトリプシン
溶液を添加し、さらに12時間インキュベートを続けた。
次いでペプチドを0.08%トリフルオロ酢酸で平衡化した
C18逆相HPLCカラムに直接適用した。0から60%のアセ
トニトリルの濃度勾配を1mlmin-1で75分間行い、0.5ml
ずつのフラクションを集めた。かくして生成された3個
のペプチドの配列決定をアプライド・バイオシステムズ
470A(Applied Biosystems 470A)気相配列決定装置
および120A分析装置を用いたオンラインで作動するPTH
アミノ酸分析を用いて行った。定量的なPTHアミノ酸の
回収率をシマズ(Shimadzu)CR3A記録積分装置を用いて
測定した。得られた3個のペプチドの配列を図2Aに示
す。
上述のこれらの3個のペプチドの配列と相同性を示す
他の蛋白を同定するために蛋白データベースおよび文献
の検索を行った。その検索は、ラット肺β−ガラクトシ
ド結合蛋白の配列と絶対的に同一であり、いくつかのヒ
ト組織由来のβ−ガラクトシド結合蛋白の配列と1個の
アミノ酸を除いて絶対的に同一であり、他のヒト組織な
らびにマウス、ウシおよびニワトリの組織の入手可能な
配列と相同性を有することを明らかにした。このことは
図2Aに示されており、箱の中の配列は相同性がないこと
を示している。かくして、ペプチド配列分析およびそれ
に続く検索はMEF阻害効果のある蛋白がβ−ガラクトシ
ド結合蛋白であることを明確に示した。後記するごとく
全長GBPcDNAをクローニングし実施例3に記載されるよ
うな他種由来のGBPとマウスGBPのアミノ酸配列を比較す
ることにより、かかる事態を確認した。
d)GBPの全アミノ酸配列が得られたならば、コンピュ
ーター分析を使用していずれのβ−ガラクトシド結合部
位の位置も確認した。図2Baは示された推定二次構造お
よび下線を付した単一の糖結合部位に関するアミノ酸配
列を示す。
図2Bbは該蛋白のハイドロパシック・プロファイルを
示し、この中で当結合部位のアミノ酸を黒印で示す。天
然型および組換え型双方の該蛋白は単量体で示す(実施
例6を参照)。上述の分析は該単量体蛋白が単一のβ−
ガラクトシド結合部位のみを有することを明確に示す。
この特徴は該蛋白をレクチンと区別するものであり、該
蛋白が細胞凝集を引き起こすことを妨げるものである。
実施例3. マウス胚繊維芽細胞のcDNAライブラリーから
のマウスGBPcDNAの調製および単離 a)当業者に知られた標準的な方法により4個のプロー
ブを合成するためのヌクレオチド配列を推定するため
に、図2Aに示したペプチドのうちの1つの一部分のアミ
ノ酸配列(下線を付した配列)を使用した。
b)ポリA+RNAを3代目のマウス胚繊維芽細胞から単離
した。二重鎖のcDNAをこのmRNAから合成し、ファージλ
gt10DNAに連結し、組換え型のファージを生体外でパッ
ケージした。次いで、上述のペプチド配列に基づく4個
のオリゴヌクレオチドのプローブの組み合わせを用いた
標準的な方法でλgt10cDNAライブラリーを検索した。次
いで、オリゴヌクレオチドのプローブを調製するために
用いられるペプチドのアミノ酸配列に関するコード領域
を含む110bpのcDNAを単離し、マウス繊維芽細胞のポリA
+RNAから調製したサイズ分画cDNA(400ないし1200bp)
により調製されるCDM8プラスミドのライブラリーを検索
するために使用した。Xho IによるcDNA挿入断片が単離
され、サンガー(Sanger)のジデオキシヌクレオチドタ
ーミネーション法による配列決定のためにサイズにより
選択した。クローンMW2は好適な開始位置にATG開始コド
ンを伴う405bpのオープンリーディングフレームを含む4
95個のヌクレオチドからなることが見いだされている。
クローンMW2のcDNAはアミノ末端のメチオニンおよび翻
訳分子量が14,735ダルトンである134個のアミノ酸から
なる蛋白をコードしている。そのコード領域の横に19bp
の5′末端側の非翻訳配列および406番目の位置に停止
コドンを含む71bpの3′末端側の非翻訳配列ならびにさ
らに23bp下流のコンセンサスアデニル化シグナルおよび
19個のアデノシンからなる尾部が存在する。MEFGBPに関
するヌクレオチド配列を図3Aに示す。ラット、ヒトおよ
びニワトリのβ−ガラクトシド結合蛋白の既知の配列と
比較すると、本明細書記載のそれぞれ134個のアミノ酸
からなるGBPがマウス/ラット96%、マウス/ヒト89
%、マウス/ニワトリ50%の相同性をもつことがわか
る。それゆえ、特に哺乳動物のGBPの場合には分子類似
性が極めて高い。このことは交差種活性すなわち実施例
5に引例されたマウスGBPのヒト癌細胞に対する効果を
説明する。
実施例4. COS−1細胞におけるGBPの発現および組換え
蛋白の精製 a)DEAE−デキストランおよびDMSOにより容易にされた
DNAの取り込みに基づいた標準的な方法を用いて、106
の細胞当たり10μgのDNAというプラスミドと細胞の比
率で、上述のクローンMW2を含むCDM8プラスミドにより
該蛋白を本来発現しないCOS−1細胞をトラフェクトし
た。かくして発現された組換え型のGBPを免疫アフィニ
ティークロマトグラフィーにより精製した。当業者に知
られたいかなる精製法もこの段階で用いることができる
が、この特別な実施例においては、天然型のMEF GBPに
対して作成されたモノクローナル抗体(クローンB2)の
IgGフラクションをアフィニティー試薬として用いた。C
OS−1細胞が15,000ダルトンの蛋白およびグリカンが複
合した18,000ダルトンの蛋白(この蛋白は自然な条件下
でも発現される−図1Aおよび1Bを参照)を発現するの
で、抗体により精製されたrGBPはアシアロフェツインセ
ファロースクロマトグラフィーに供した。複合体化した
蛋白は素通りのフラクション中に回収されたが、複合体
化していない蛋白は競争的な糖によりカラムから溶出す
ることにより回収された。
b)天然型のGBPに対するモノクローナル抗体の調製の
ため、8ないし10週齢のBALB−Cマウスをポリアクリル
アミドゲルから電気溶出により精製されたGBPで腹腔内
から免疫感作させた。4週間間隔で50μg蛋白をフロイ
ント(Freund)の完全アジュバント中にて注射し、つず
いてフロイントの不完全アジュバント中にて50μg蛋白
を2回腹腔内注射した。免疫されたマウスを、次いで、
50μgのGBPを腹腔内注射して追加免疫し、3日後に脾
臓を摘出した。融合を誘導するために脾臓細胞をポリエ
チレングリコールを用いてNS−1骨髄幹細胞と融合さ
せ、次いで支持細胞層を形成させるために20%のウシ胎
児血清を含む選択HAT培地に脾臓細胞とともに分配し
た。クローンが適当な大きさに成長すると、その上澄を
ELISA分析を用いて試験した。陽性のクローンを限界希
釈法により2回植え継ぎ、選択しクローンを液体窒素中
で凍結した。クローンB2をMEF GBPの免疫アフィニティ
ー精製に使用するために選択した。
実施例5. 天然型および組換え型GBPの増殖阻害活性 a)(上述のようにして調製した)同調培養されたマウ
ス胚繊維芽細胞に対するGBPの増殖阻害効果を実施例2
記載の方法で評価した。単量体GBPの濃度を増加させて
試験を行った。比較のため、コンカナバリンAの濃度も
平行して増加させて試験を行った。図4Aは天然型(●−
●)あるいはrGBP(■−■)の濃度増加(0から400ngm
l-1)に伴う100%までの増殖阻害の等しい増加を示して
いる。一方、GBPおよびその効果が細胞段階に特異的で
あるインターフェロンのような他の生理学的成長因子と
は異なり、さらに多くの投与量を必要とし非特異的な阻
害を引き起こす、同一濃度のコンカナバリンA(□−
□)あるいはサクシニルコンカナバリンA(△−△)に
よる増殖に対する効果は全く示されなかった。図4Bは対
照のマウス胚繊維芽細胞(MEF)の単層状態を示し、図4
Cは接種時から4ないし40時間の間の400ngml-1の単量体
マウスGBPで処理したMEFの単層状態を示す。複製が妨げ
られた場所では細胞は肥大した細胞質と核領域あるいは
いくらかの場合2個の核を持つ傾向があることがこれら
の細胞観察により示された。
b)単量体および4量体GBPの増殖阻害効果を比較し
た。糖と複合体化しているものと複合体化していないも
のの双方の蛋白の4量体の存在は、まず実施例6に記載
したように125Iで蛋白を標識することにより示された。
複合体化したおよび複合体化していない形態は24時間に
わたり37℃でインキュベートし、次いでセファデックス
G100クロマトグラフィーに供し、フラクション中の放射
活性を測定した。その結果を図7に示し(左図が複合体
化していない蛋白で右図が複合体化した蛋白である)、
24時間以上経過すると単量体が4量体を形成し得ること
を示している。しかしながら、図から明らかなごとく複
合体は4量体への変化に耐性がある(図7d,右図)。4
量体の場合、還元剤の存在が4量体の形成を妨げるとい
う理由でこれらの分子はジスルフィド結合の形成により
生成することが示されうる。
単量体と4量体双方の増殖阻害活性は200mgml-1の濃
度にて、複製中の(上述のごとく調製した)マウス胚繊
維芽細胞に関して評価した。結果を図4Dに示し、4量体
の阻害効果(○−○;−□−□−)は分子量15,000の単
量体 および実際最も高い増殖阻害活性を有する分子量18,000
の単量体▽−▽の阻害効果より弱いことが示されてい
る。対照は○−○で表す。なぜ4量体の阻害活性が弱い
のかという理由についての可能な説明は1個の4量体は
1個の細胞受容体に結合できるにすぎないということで
ある。そのうえ、おそらく4量体への変化に対して抵抗
性があるという理由で複合体化した単量体(分子量18,0
00)は本発明中最も高い能力を有している。
d)種々のネズミおよびヒトの癌細胞系に対するMEF GB
Pの影響を調べ、結果を図6Aおよび図6Bに示す。GBPとと
もにインキュベートした細胞系の増殖を3日間続け、無
処理の対照に対して増殖速度を比較した。18.8細胞(プ
レB細胞系)、PV−TT−8細胞(ポリオーマウイルス誘
導性の肉腫細胞)、Weil3B細胞(骨髄単球性白血病細胞
系)およびL−57(自発的に形質転換したマウス繊維芽
細胞)に適用した場合、100(△−△)および400(□−
□)ngml-1のGBPにおいて増殖阻害効果が明確に示され
る。図6Bはヒト癌細胞系562(慢性骨髄性白血病)、Nal
m6(急性リンパ球白血病)およびKG1(赤白血病)の細
胞に適用した場合の同様の阻害効果を示す。図6Aおよび
図6Bにおいて対照は記号(×−×)で示す。上記に加
え、以下のヒト細胞系である骨髄芽球増血細胞系HL−6
0、リンパB細胞系−raji,リンパT細胞系−MOLT、およ
びリンパT細胞系−JMについて100ないし250ngml-1の投
与量でGBPを試験し、SおよびG2期の細胞数の減少なら
びに40ないし60%の増殖減少を引き起こすことが示され
た。したがって、天然型および組換え型双方のマウスGB
Pがヒト由来の腫瘍細胞に対して強力な阻害効果を有す
る。
実施例6. マウスGBPの特徴づけおよびその作用様式の
解明 a)天然型のGBPが実際に単量体で存在することを証明
するために、アシアロフェツインセファロースクロマト
グラフィーにより分離した複合体化したおよび複合体化
していない形態を還元的条件下および非還元的条件下の
両方でSDS勾配ゲル電気泳動に供した。得られた結果を
図1Daに示すが、a',b'およびc'のレーンは還元状態下で
泳動させ、a,b及びcのレーンは非還元状態で泳動させ
たものである。還元剤が多量体の蛋白をゲル上で検知で
きる単量体に分離させるので、もしマウスGBPが単量体
以外のものであるとすれば還元剤が存在しているところ
ではバンドの位置が変化したはずである。明らかなごと
くこのようなことは複合体化した蛋白(レーンaおよび
a')または複合体化していない蛋白(レーンc及びc')
のいずれにも起こらなかった。レーンbおよびレーンb'
はこれら2個の混合物を示している。かくして、マウス
GBPは単量体であることが明らかに証明される。
b)各単量体がただ1つのβ−ガラクトシド結合部位を
有することは既に実施例2(d)ならびに特に図2Baお
よび図2Bbで示した。このことは複合体化していない単
量体のアシアロフェツインセファロースカラムへの結合
を可能にする。結合に使用しうる糖結合部位がないとい
う理由で該蛋白の複合体および4量体はかかるカラムに
結合しないことがさらに示されている。
単量体あるいは4量体いずれかの複合体蛋白の場合、
糖結合部位は糖複合体によって覆われている。複合体化
していない形態からの4量体の場合、各構成単量体上の
糖結合部位が内部にあり、それゆえ結合に利用できな
い。
分子量18,000および分子量15,000のGBP、糖付加蛋白
であるトランスフェリンならびにトランスフェリンの非
糖鎖付加N−末端断片を対照としてニトロセルロース膜
にブロッティングし、エライザ・グリカン・ディテクシ
ョン・キット(Elisa Glycan Detection Kit)(ベーリ
ンガーマンハイムバイオケミカ(Boeringer Mannheim B
iochemica)社)を糖複合体を含む蛋白を検出するため
に用いることによって、分子量18,000の蛋白が糖複合体
と会合していることがはじめて示された。その結果をず
つ1Dbに示すが、レーン(a)は分子量18,000のGBP、レ
ーン(b)は分子量15,000のGBP、レーン(C)はトラ
ンスフェリン、レーン(d)はトランスフェリンのN−
末端断片である。蛋白濃度は左から右へそれぞれ120n
g、60ngおよび30ngである。
レーンaおよびcの高度な染色は糖複合体の存在を示
している。したがって分子量18,000の蛋白は分子量15,0
00の蛋白には明らかに存在しないかかる複合体を示して
いる。
該蛋白のO−糖鎖付加が存在するのか否か、あるいは
グリカン複合体がある他の方法でで該蛋白に結合してい
るのか否かを調べるために、糖複合体の結合の性質をさ
らに研究した。
組換え型の複合体蛋白をアシアロフェツインセファロ
ースクロマトグラフィーを用いて非複合体蛋白から分離
し、前述のようにそこに非複合体蛋白を保持させた。次
いで、ラクトースおよび/またはノイラミニダーゼの存
在下および非存在下、O−脱糖鎖酵素で蛋白を処理した
後、該複合体蛋白をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動に供した。その結果を図1Eに示すが、処理は以下の通
りである。
a 対照の分子量18,000のGBP b 分子量18,000のGBP+ラクトース c 分子量18,000のGBP+O−脱糖鎖酵素 d 分子量18,000のGBP+O−脱糖鎖酵素+ラクトース e 分子量18,000のGBP+O−脱糖鎖酵素+ノイラミニ
ダーゼ+ラクトース f 分子量18,000のGBP+O−脱糖素酵素+ノイラミニ
ダーゼ g 分子量18,000のGBP+ノイラミニダーゼ+ラクトー
ス h 分子量18,000のGBP+ノイラミニダーゼ i 対照の分子量15,000のGBP 図1Eの実験は、糖複合体が脱糖鎖酵素によって除去さ
れないからといってシアル酸残基を含む糖複合体はその
分子のO−糖鎖付加部位から生成するのではなく、その
糖複合体のシアル酸残基がノイラミニダーゼによる消化
により除去されたらそれがラクトースとの競争により除
去されうるということを示している。
c)複合体化したGBPにおいてはβ−ガラクトシド結合
部位が糖複合体により覆われていることが上述(b)記
載の実験により示されている。該蛋白の4量体型はアシ
アロフェツインセファロースカラムに結合できないた
め、使用可能な糖結合部位を有していないことも示され
ている。それにもかかわらず、GBPのこれらの形態は増
殖阻害効果が該蛋白の糖結合能力に関連していないこと
を示す論証可能な増殖阻害活性を有している。
糖結合部位が覆われていない場合でさえ糖結合部位が
増殖阻害効果に関係していないことを示すために、マウ
ス胚繊維芽細胞の特異的な表面受容体へのGBPの結合ア
フィニティーを競争的な糖の存在下あるいは非存在下で
分析した(図8Aおよび図8B)。結合の分析はまた、マウ
ス胚繊維芽細胞の受容体に対する4つの形態のGBP(複
合体および非複合体の単量体ならびに複合体および非複
合体の4量体)のそれぞれに関するアフィニティーを比
較するためにも行った(図8C)。
結合分析は125Iで標識したGBPを用いて行った。該蛋
白は、その1μgを100μlの100mMNaPi中、pH7で、あ
らかじめ導入されるヨウ素ビーズのヨウ素化試薬を用い
て500μCiのキャリアーを持たないNa125Iと混合するこ
とにより放射ヨウ素化された。反応停止後0.1%BSAを含
む300μlの100mMNaPiを添加し、ヨウ素化蛋白を100mMN
aPi中に0.1%BSAを含む溶液で平衡化したバイオラッド
(Biorad)DG10カラム上で分離した。比活性は4×105
ないし8×105cpmng-1の範囲であった。試料はポリアク
リルアミドゲル電気泳動で調べ、結合の分析が行う前に
生物学的活性を試験した。競争的な結合の分析はファル
コン(Falcon)社の24ウェルマルチウェルプレート上の
3系並列したマウス胚繊維芽細胞について4℃で行っ
た。前もって凍結され、冷結合用緩衝液(Ca++およびMg
++を含むPBSに0.1%BSAを添加したもの)で3回洗浄し
た細胞(ウェル当たり2×105個)に順次濃度を増加さ
せた濃度の非標識GBPとあらかじめ混合した0.625ngの
125I標識GBPを受容させた。平衡結合は3時間で達成さ
れ、4時間後に細胞を冷結合用緩衝液で3回洗浄し、0.
1mMNaOH、2%Na2CO3および1%SDSを含む溶液に可溶化
させた。分析はまず、競争的な糖として100mMラクトー
スの存在下および非存在下で行った。競争的なラクトー
スを添加したときは、これお、GBP溶液とともに室温に
て20分間プレインキュベートした。この実験結果を図8A
および8Bに示すが、図8Aはラクトース非存在下でのマウ
ス胚繊維芽細胞へのGBPの親和的結合を示し、図8Bはラ
クトース存在下での結合を示す。挿入図はどちらの条件
下でも蛋白が高い親和性を持って概算5ないし10×104
個の特異的受容体と結合し、そのため結合は糖に結合す
るドメイン以外のドメインで起こるに違いないというこ
とを示すスキャッチャード・プロットである。ラクトー
スが細胞への結合を全く妨げておらず、そのためすでに
複合体および4量体に関して明らかとなっているように
糖結合部位がその分子の増殖阻害活性に関係し得ないこ
とがこれらの結合分析の結果から明らかである。結合分
析に関して言えば、糖だけでは何の効果も示さないので
あるが、GBPで処理された細胞は競争的な糖が存在して
もしなくても増殖状態に入ることはない。
次いで4つの異なる形態のGBPを用いてさらなる受容
体結合分析を行った。結果を図8Cに示し、(a)は分子
量15,000のGBP、(b)は分子量18,000のGBP、(c)は
分子量15,000のGBP4量体であって、(d)は分子量18,0
00のGBP4量体である。125Iで標識された蛋白の結合がす
べての場合同様の過剰の標識された蛋白によって同様な
様式でもって阻害され、細胞当たりの概算の結合部位の
数および相対的なKd値が同様の値となること(挿入され
たスキャッチャード・プロット)が結果から明らかにな
っている。したがって、細胞受容体結合の効率は該蛋白
の4つのすべての形態に関して同じである。
実施例7. 細胞周期に対するMEF GBPの作用様式の研究 a)細胞増殖阻害様式を調べるために、静止状態および
血清で刺激され400ngml-1の単量体GBPで処理されたマウ
ス胚繊維芽細胞のDNA含量を細胞蛍光分析により定量す
ることにより細胞周期を分析した。分析結果を図4に示
し、(a)は静止状態のG0期の細胞を示し、(b)は10
%ウシ胎児血清を添加することにより刺激された細胞を
示し、(c)は血清刺激の4時間前からG0期の間に前処
理した後血清刺激された細胞を示し、(d)はG1期の開
始から処理された細胞を示し(血清刺激後3時間)、
(e)はG2期の4時間前から処理された細胞を示す。
処理されていない対照の細胞(4Eb)がG2期を経過し
ている時、G0期にGBPで処理された細胞はG0期のままで
あることが判明した(4Ec)。G0期に処理された細胞は
対照細胞がその周期を1周する時間までには分裂しな
い。さらなる実験(記載されていない)は、50ngml-1
満の濃度のGBPでも同様の効果が得られることを示し
た。したがってGBPはG0期の細胞をブロックすることに
よって細胞分化を阻害しうる。
GBPをG1期の間に添加した場合(図4Ed)、細胞周期の
S期への移行は抑制されなかったが、その代わり、S後
期からの移行は影響された。S後期からG2期を経過する
移行は細胞がG2期に入る前にGBPが添加された場合にも
影響される(図4Ee)。細胞は、対照の細胞が複製する
までには分裂しなかった。さらなる実験(記載せず)に
より、10ngml-1程度の少量投与により細胞増殖が数時間
遅れることをが再度示された。異なった実験系において
より少量の投与量であっても効果的であろうことが予想
される。
コンカナバリンAおよびサクシニルコンカナバリンA
も同じ投与量でこれらの細胞周期実験で試験し、効果が
ないことが示された。
b)構成的で内在性のGBPの調節作用を、内在性蛋白に
与えるマウスGBPに対する中和モノクローナル抗体の効
果を試験することにより調べた。モノクローナル抗体を
GBPに対して生成させ、これをHPLCで精製し、スライス
したゲルから溶出させた。Balb/C−NS−1骨髄幹ハイブ
リッドからのエライサ陽性のクローンを2回サブクロー
ンし、クローンB2由来のIgG画分をウサギ・抗−マウスI
gGを用いて精製した。
まず、中和抗体をG0期のマウス胚繊維芽細胞に添加し
た。図5Aにおいて(a)は静止状態細胞(G0)を示し、
(b)は血清刺激された対照細胞を示し、(c)は血清
刺激6時間前から処理された細胞を示す。2番目の実験
における結果を図5Bに示し、中和抗体はG2期に入る前に
添加された。この場合、細胞は(a)静止状態(G0期)
の細胞、(b)血清刺激された対照細胞、および(c)
G2期の6時間前から処理された細胞であった。両実験に
おいて、添加された中和抗体の量は0.5μgml-1であっ
た。
図5Aに示した結果から、血清刺激の前に処理された細
胞は対照(b)よりも約2時間早くSおよびG2期を通過
することがわかる。このことはマウス細胞中で構成的な
GBPには定常期における細胞を維持する役割があること
を示すものである。図5Bの結果はG2期に入る前に抗体に
さらされた細胞においては、SおよびG2期を経る進行が
無処理の細胞(b)よりも早い(c)ことを示してお
り、細胞周期のこの時期における役割を示している。
実施例7の実験はG0期およびG1期において作用するイ
ンターフェロンの場合のようにGBPは細胞段階特異性を
もって細胞分裂を阻害し、それゆえその効果がサイトカ
インの効果であるがレクチンの効果ではないことを示し
ている。
実施例8. GBPの効果あるいはウイルスの複製に関する
研究 ネズミのrGBPをRNAウイルスである脳心筋炎ウイルス
(EMC)に対する抗ウイルス活性について試験した。マ
ウス胚繊維芽細胞を細胞当たり10プラーク形成単位でEM
Cウイルス感染させられ、ウイルス吸着後GBPを添加し
た。宿主細胞のRNA生成を停止するためにアクチノマイ
シンDでMEFを処理した後、3H−ウリジンのウイルスRNA
への取り込みによってウイルス複製の程度を測定した。
感染された細胞は200、20および2ngml-1のGBPで処理
し、ウイルス複製のレベルを対照と比較した。結果を図
9に示し、2ngml-1程度の低濃度のGBPでさえウイルス複
製の有意な低下を引き起こすことが明確に示されてい
る。
よって、本明細書で定義されたGBPは抗ウイルス剤と
しても有効な用途がある。
実施例9. ヒトGBPに関するcDNA 糖結合に関して1価であるヒト非凝集性β−ガラクト
シド結合蛋白(human GBP)に関するcDNAもまた本発明
者によりバクテリオファージλgt11中でクローン化され
た。そのヌクレオチド配列および推定されるアミノ酸配
列(134個のアミノ酸、分子量14,744)を図3Bに示すさ
れている。マウスGBPのヒト悪性細胞に対する明確な増
殖阻害効果が示されており、それは先の知見から予想で
きないものであるため、相当するヒトの蛋白がヒト悪性
細胞に対して一層強力な増殖阻害効果を有すると推定す
ることは合理的である。
動物β−ガラクトシド結合蛋白のこの新たに発見され
たかかる阻害活性は、それらの蛋白が悪性疾病の治療薬
として多大な可能性を有していることを意味する。さら
に調節効果が免疫系の細胞に関して期待でき、よって自
己免疫疾病における治療上の有用性もまた予想できる。
そのうえ、本発明者らにより、この種の蛋白はまたウ
イルス複製に対しても阻害効果を有し、それゆえ別の可
能性のある治療上の有用性を提供することもさらに示さ
れた。
天然に存在する非凝集性のマウスGBPの単離および精
製、組換えDNA工学によるその生産ならびにマウスおよ
びヒトの形質転換された細胞の増殖とウイルス複製に対
する阻害効果が、一般的にはこれらの非凝集性の動物GB
Pの可能性のある利用およびヒト由来GBPの可能性のある
利用を示した実施例によって提供されている。これらの
動物のGBPが強力な増殖阻害効果を持ちうるという知見
が提供されているため、この経路により治療上の有用性
のある他のGBPを生産することは当業者の通常の能力の
範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07K 14/47 C12N 15/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (72)発明者 マルチ, リビオ イギリス、ロンドン・エヌダブリュ4・ 4アールイー、サンニングフィールズ・ ロード124番 (72)発明者 ウェルズ,バレリー Tイギリス、ロンドン・エヌダブリュ 3・2エヌイー、コンスタンチン・ロー ド46番 (56)参考文献 T.J.Greer.WILSON et al,THE SEQUENCE OF THE MOUSE 14kDa B−GALACTOSIDE−BIN DING LECTIN AND EV IDENCE FOR ITS SYN THESIS ON FREE , B IOCHEM.J.,Vol.261,p ages 847−852,1989 Jun HIRABAYASHI e t al,COMPLETE AMIN O ACID SEQENCE OF A B−GALACTOSIDE−BI NDING LECTIN FROM HUMAN PLACENTA,J.B IOCHEM.,Vol.104,No. 1,pages1−4,1988 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 A61K 38/00 A61P 31/12 A61P 35/00 A61P 37/00 C07K 14/47 C12P 21/02 GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞増殖の阻害剤または調節剤あるいは抗
    ウイルス剤として使用される非凝集性β−ガラクトシド
    結合蛋白であって、 a)図3A: のアミノ酸配列; b)図3B: のアミノ酸配列; c)図3Aまたは3Bに示されるアミノ酸2〜135よりなる
    アミノ酸配列;および d)β−ガラクトシド結合ドメインにおける1以上のア
    ミノ酸が異なるアミノ酸によって置換されたことによっ
    て(a)、(b)または(c)のアミノ酸配列と異なる
    アミノ酸配列 より選択されるアミノ酸配列を含む蛋白であって、単量
    体または4量体である蛋白。
  2. 【請求項2】悪性疾病、自己免疫疾病またはウイルス感
    染の治療に使用される非凝集性β−ガラクトシド結合蛋
    白であって、 a)図3A: のアミノ酸配列; b)図3B: のアミノ酸配列; c)図3Aまたは3Bに示されるアミノ酸2〜135よりなる
    アミノ酸配列;および d)β−ガラクトシド結合ドメインにおける1以上のア
    ミノ酸が異なるアミノ酸によって置換されたことによっ
    て(a)、(b)または(c)のアミノ酸配列と異なる
    アミノ酸配列 より選択されるアミノ酸配列を含む蛋白であって、単量
    体または4量体である蛋白。
  3. 【請求項3】ヒト由来またはネズミ由来である請求項1
    または2記載の蛋白。
  4. 【請求項4】β−ガラクトシド結合部位が覆われ た請
    求項1ないし3のいずれか1項記載の蛋白。
  5. 【請求項5】β−ガラクトシド結合部位が糖複合体によ
    り覆われた請求項4記載の蛋白。
  6. 【請求項6】別の蛋白または分子キャリアーに付着また
    は付加された請求項1ないし5のいずれか1項記載の蛋
    白。
  7. 【請求項7】イン・ビトロにおける脊椎動物細胞増殖阻
    害剤としての請求項1ないし6のいずれか1項記載のβ
    −ガラクトシド結合蛋白の使用方法。
  8. 【請求項8】イン・ビトロにおける細胞増殖の規制剤ま
    たは調節剤としての請求項1ないし6のいずれか1項記
    載のβ−ガラクトシド結合蛋白の使用方法。
  9. 【請求項9】受託番号12237を持つ図3A: に示される細胞増殖阻害効果を有するネズミの非凝集性
    β−ガラクトシド結合蛋白についての全cDNA暗号配列を
    含むNCTCに寄託されたプラスミド。
  10. 【請求項10】受託番号12236を持つ図3B: に示される細胞増殖阻害効果を有するヒトの非凝集性β
    −ガラクトシド結合蛋白についての全cDNA暗号配列を含
    むNCTCに寄託されたバクテリオファージλgt 11。
  11. 【請求項11】担体または希釈剤と共に請求項1ないし
    6のいずれか1項記載の蛋白の有効量を含有してなる、
    細胞増殖の阻害剤または調節剤あるいは抗ウイルス剤と
    して使用される医薬組成物。
  12. 【請求項12】単位投与形態において各単位用量が10ng
    ないし1000mgの該蛋白を含有してなる請求項11記載の医
    薬組成物。
  13. 【請求項13】少なくとも、 (a)蛋白を発現する単細胞あるいは多細胞いずれかの
    ヒト以外の生物を提供し、 (b)該蛋白の発現を行わせ、 (c)該生物から純粋でない形態の該蛋白を分離し、同
    定し、 (d)該蛋白を精製に付して発現生物由来の汚染が実質
    的にない生成物を得る工程からなる請求項1ないし6の
    いずれか1項記載の非凝集性β−ガラクトシド結合蛋白
    の製法。
  14. 【請求項14】該生物が動物組織由来の細胞系である請
    求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】該生物が組換えDNA工学により該蛋白を
    生産するように遺伝子操作された請求項13または14記載
    の方法。
  16. 【請求項16】該生物が組換えDNA工学により該蛋白を
    生産するように遺伝子操作された細菌、酵母、または真
    菌から選択された微生物である請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】該蛋白を発現する該生物が受託番号1223
    7を持つNCTCに寄託されたプラスミドに由来するネズミ
    非凝集性β−ガラクトシド結合蛋白のcDNAを含有するよ
    うに操作された請求項13、14、15または16のいずれか1
    項記載の方法。
  18. 【請求項18】該蛋白を発現する該生物が受託番号1223
    6を持つNCTCに寄託されたファージに由来するヒト非凝
    集性β−ガラクトシド結合蛋白のcDNAを含有するように
    操作された請求項13、14、15または16のいずれか1項記
    載の方法。
  19. 【請求項19】分離工程(c)をカラムクロマトグラフ
    ィーにより行い、精製工程(d)を非凝集性β−ガラク
    トシド結合蛋白に対するポリクローナルあるいはモノク
    ローナル抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィ
    ーにより行う請求項13ないし18のいずれか1項記載の方
    法。
  20. 【請求項20】少なくとも、 (a)動物由来の組織を処理して蛋白抽出物を得、 (b)該抽出物より非凝集性β−ガラクトシド結合蛋白
    を分離し、同定し、次いで (c)該蛋白を精製に付して組織由来の汚染が実質的に
    ない生成物を得る工程からなる請求項1に記載の非凝集
    性β−ガラクトシド結合蛋白の製法。
  21. 【請求項21】該組織が胎盤組織である請求項20記載の
    方法。
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