JP2989230B2 - 非水系電池 - Google Patents

非水系電池

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俊之 能間
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、リチウム、リチウム合金或いはリチウム−
炭素材を負極とする非水系電池に係り、特に正極の改良
に関するものである。
(ロ) 従来の技術 この種、電池の正極活物質としては、(CF)n、Mo
O3、V2O5、MnO2、LixMnOy(x>0、y>0、3<2y−
x<4)、NbSe2、MoS2、LiCoO2などが提案されてお
り、一部実用化されているものもある。この中で、Mo
S2、NbSe3、MoO3、MnO2、LixMnOyは、放電容量は大きい
が、放電時の電圧が比較的低いという欠点がある。また
LiCoO2、LixMn2O4(0<x<1)は、リチウム負極に対
して4V程度の高い電位を示すが、放電容量が比較的に小
さいという欠点がある。
一般に、非水系二次電池は電圧が高く、容量も大きい
ことが要求されるが、従来の正極活性物単独、もしくは
物理的な混合では、十分な特性は得られない。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであって、
この種非水系電池の作動電圧を高めるとともに、容量を
増大させようとするものである。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明の非水系電池は、負極が、リチウム、リチウム
合金或いはリチウム−炭素材からなり、正極が、放電反
応時にリチウムイオンのインターカレーション反応を伴
う第1の活物質及び第2の活物質とからなり、前記第1
の活物質表面を該第1の活物質よりも貴な電位を示す前
記第2の活物質被覆したものであって、前記第1の活物
質が、LixMnOy(x>0、y>0、3<2y−x<4)で
あることを特徴とする。
ここで、前記第2の活物質としては、LiCoO2、LixMn2
O4(0<x<1)、V2O5からなる群より選択された少な
くとも1種を用いることができる。
(ホ) 作用 非水系電池の正極活物質の中で、MoS2、NbSe3、Mo
O3、MnO2、LixMnOy(x>0、y>0、3<2y−x<
4)は、放電容量は、大きいが、放電時の電圧が比較的
低い。また、LiCoO2、LixMn2O4(0<x<1)等は、リ
チウム負極に対して4V程度の高い電位を示すが、MnO2
どに比べて放電容量が小さい。V2O5は両者の中間的な特
性を有している。
ここで、特に放電容量の大きいLixMnOy(x>0、y
>0、3<2y−x<4)を、LiCoO2、LixMn2O4(0<x
<1)などの高電圧が得られる物質で被覆することによ
り、電位的には正極活物質表面に存在するLiCoO2、LixM
n2O4(0<x<1)の高な電位が得られ、放電容量的に
は内部に存在する、放電容量の大きいLixMnOy(x>
0、y>0、3<2y−x<4)の貴容量が得られること
が判明した。上記物質は、また充放電反応時にリチウム
イオンのインターカレーション、デインターカレーショ
ン反応を伴うものであり、放電時には表面を被覆したLi
CoO2やLixMn2O4(0<x<1)を介してリチウムイオン
が内部に拡散し、充電時には内部から電解液側に拡散す
ることが可能である。
(ヘ) 実施例 以下、本発明の実施例について詳述する。
[実施例1] LiOHとMnO2を混合熱処理して得られたLixMnOy(x=
0.42、y=2.11)を、基板材料に、CoCO3をターゲット
に使用し、ガス圧1×10-2Torr、炭酸ガス分圧5%でLi
xMnOy表面に、CoCO3をスパッタリングにより析出させ
た。
次にLixMnOy表面にCoCO3を析出させたものを用い、Li
OHと、Co:Li=1:1モル比となるように混合し、900℃で
空気中、2時間熱処理する。この処理によって、LixMnO
y(第1の活物質)の表面にLiCoO2(第2の活物質)が
生成する。
このLixMnOyの表面をLiCoO2で被覆した正極活物質90
重量%と、導電剤としてのアセチレンブラック6重量%
及びフッ素樹脂粉末4重量%を混合して、正極合剤と
し、この合剤を成型圧5トン/cm2で直径20.0mmに加圧成
型した後、更に200〜300℃の温度で真空熱処理をして正
極する。負極は所定厚みのリチウム板を直後20mmに打ち
抜き、集電体を介し、負極缶に圧着した。セパレータは
ポリプロレン製微多孔性薄膜を用い、電解液には1M LiC
lO4−PC+DME(1:1)を使用した。電池寸法は、直径24m
m、高さ3.0mmであった。この電池を本発明電池Aとす
る。
[比較例1] LiOHとMnO2を混合熱処理して得られたLixMnOy(x=
0.42、y=2.11)のみを正極活物質を用いることを除い
て他は、前記実施例1と同様の比較電池B1を作製した。
[比較例2] LiOHとCoCO3を混合し、900℃で熱処理することによっ
て作製したLiCoO2のみを正極活物質を用いることを除い
て他は、前記実施例1と同様の比較電池B2を作製した。
[比較例3] 個々に作製したLixMnOyとLiCoO2を1:1(モル比)で単
に物理的に混合したものを正極活物質を用いることを除
いて他は、前記実施例1と同様の比較電池B3を作製し
た。
ここで第1図は、実施例1および比較例1、2、3で
試作した扁平型非水電解液電池の半断面図を示してい
る。第1図中、1、2はステンレス製の正負極缶であっ
て、これらはポリプロピレン製の絶縁パッキング3によ
り隔離されている。4は本発明の要旨とする正極であっ
て、正極缶1の内底面に固着せる正極集電体5に圧接さ
れている。6は負極であって、負極缶2の内底面に固着
せる、負極集電体7に圧着されている。8はポリプロピ
レン製微孔性薄膜よりなるセパレータである。
(実験1) これら電池A及びB1〜B3を用い、電池の放電特性を比
較した。この時の放電条件は、各電池を3mAの定電流で
放電させるというものである。
この結果を、第2図に示す。第2図より、本発明電池
Aは、LixMnOy単独を用いた比較電池B1よりも放電電圧
が高く、LiCoO2単独を用いた比較電池B2や、LixMnOyとL
iCoO2を物理的に単に混合した比較電池B3よりも、放電
容量が大きいことがわかる。
(実験2) 次に、これら電池A及びB1〜B3を用い、電池のサイク
ル特性を比較した。この時の充放電条件は、電流3mAで2
Vまで放電し、充電終止電圧を4.3Vとするものである。
この結果を、第3図に示す。これより本発明電池A
は、比較電池B1、B2、B3に比べ、サイクル特性に優れ、
エネルギー密度を高いままに維持することが可能である
ことが理解される。
尚、本発明の実施例として、第1の活物質としてLixM
nOy(X>0、y>0、3<2y−x<4)、第2の活物
質としてLiCoO2を用いた例を示したが、第1の活物質と
してMnO2、V2O5、MoO3、MoS2、NbSe3等、放電容量が大
きく比較的放電電圧が低い物質を用い、第2の活物質と
して、LiCoO2、LixMn2O4(0<x<1)、V2O5等放電電
圧が高く放電容量の比較的低い物質を用いて組合わせて
も、前記実施例と同様の効果が期待できる。
また、第2の活物質を形成する方法に関しても、スパ
ッタリングを例にとり説明したが、他の気相から析出さ
せる方法や、液相から析出させる方法によっても、本発
明に係る正極をを合成することができる。
(ト) 発明の効果 以上詳述した如く、本発明によれば、非水系電池の作
動電圧を高めると共に容量を増大させることができ、二
次電池とした場合にはサイクル特性を向上させるもので
あり、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明電池の半断面図、第2図は電池の放電特
性図、第3図は電池の充放電サイクル特性図である。 1……正極缶、2……負極缶、3……絶縁パッキング、
4……正極、5……正極集電体、6……負極、7……負
極集電体、8……セパレータ、 A……本発明電池、B1、B2、B3……比較電池。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−274359(JP,A) 特開 平1−307163(JP,A) 特開 昭61−110962(JP,A) 特開 平1−144573(JP,A) 特開 平4−33249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/06 H01M 4/02 H01M 4/48 H01M 6/16 H01M 10/40 H01M 4/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負極が、リチウム、リチウム合金或いはリ
    チウム−炭素材からなり、 正極が、放電反応時にリチウムイオンのインターカレー
    ション反応を伴う第1の活物質及び第2の活物質からな
    り、前記第1の活物質表面を該第1の活物質よりも貴な
    電位を示す第2の活物質で被覆したものであって、 前記第1の活物質が、LixMnOy(x>0、y>0、3<2
    y−x<4)であることを特徴とする非水系電池。
  2. 【請求項2】前記第2の活物質が、LiCoO2、LixMn2O
    4(0<X<1)、V2O5からなる群より選択された少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項記載の非水
    系電池。
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