JP2989096B2 - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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JP2989096B2
JP2989096B2 JP6047927A JP4792794A JP2989096B2 JP 2989096 B2 JP2989096 B2 JP 2989096B2 JP 6047927 A JP6047927 A JP 6047927A JP 4792794 A JP4792794 A JP 4792794A JP 2989096 B2 JP2989096 B2 JP 2989096B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作動部材を第一作動位
置と第二作動位置との間を往復動させる駆動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上述の駆動装置として、テープレコーダ
における作動部材であるヘッドパネルを進退すなわち往
復動させる駆動装置が知られている。この駆動装置は、
最初にトリガーが欠歯歯車を回転させて、欠歯歯車の歯
部の歯と駆動歯車とを噛み合わせる。すると、この駆動
歯車が欠歯歯車を回転させ、その後欠歯歯車の欠歯部が
駆動歯車に対向する回転位置で欠歯歯車は回転を停止す
る。
【0003】この回転する欠歯歯車の作動用カムにヘッ
ドパネルを係合させて、ヘッドパネルを駆動している。
この駆動により、ヘッドパネルは、ヘッドパネルに設け
られているヘッドが磁気テープに当接するプレイ位置す
なわち第一作動位置と、ヘッドが磁気テープから退避す
るストップ位置すなわち第二作動位置との間を往復動す
る。そして、このヘッドパネルは作動用カムに係合した
状態で第一作動位置または第二作動位置に位置保持され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このヘッドパネルに
は、戻しバネおよびピンチローラバネなどのバネ力が加
わっている。したがって、これらバネに抗して欠歯歯車
を回転させるには、トリガーは大きな駆動力で欠歯歯車
を回転させる必要がある。また、トリガーの駆動力を小
さくするために、上記戻しバネやピンチローラバネのバ
ネ力を利用して欠歯歯車に初期回転力を付与している場
合がある。この場合には、この初期回転力に抗して欠歯
歯車を停止状態に維持するために、欠歯歯車の起動用カ
ムに係合しているトリガーが常時大きな力で欠歯歯車の
回転を係止する必要が生じる。
【0005】そこで、本出願人は、欠歯歯車の初期の回
転を軽くした駆動装置を実開平4−63849号におい
て提唱した。この駆動装置を図4を用いて説明する。図
4は駆動装置の従来例を説明するための図で、その平面
図である。
【0006】図4の(A)において、ソレノイド01に
通電して、常時は永久磁石より吸引されている操作棒0
2をこの永久磁石に抗して突出させる。すると、トリガ
ー04が、コイルバネ05の付勢力により、軸06を中
心として時計方向に回転する。この回転により、トリガ
ー04の先端部下面に形成されている係合ピン07が、
第一欠歯歯車011の起動用カム溝012を図4におい
て左側に押圧して移動させる。この移動により、第一欠
歯歯車011が時計方向に回転し、その歯部013の歯
が駆動歯車Pに係合する。
【0007】ところで、この第一欠歯歯車011には連
結長孔014が形成されている。また、第一欠歯歯車0
11の下方には、図4の(B)に図示されている第二欠
歯歯車021が同軸に配置されている。この第二欠歯歯
車021の上面には連結ピン022が形成され、図4の
(A)において、連結ピン022は第一欠歯歯車011
の連結長孔014に遊嵌している。したがって、トリガ
ー04による第一欠歯歯車011の角度θの時計方向へ
の回動の際には、第一欠歯歯車011の連結長孔014
の端面は第二欠歯歯車021の連結ピン022に当接し
ないので、第一欠歯歯車011は第二欠歯歯車021に
は影響を与えないで回動する。
【0008】その後、駆動歯車Pが第一欠歯歯車011
の歯部013の歯に係合して、第一欠歯歯車011を時
計方向に回転させるが、その際には、第一欠歯歯車01
1の連結長孔014の端面が第二欠歯歯車021の連結
ピン022に当接し、図4において上側に押圧する。す
ると、図4の(B)において、第二欠歯歯車021が時
計方向に回転し、駆動歯車Pに第二欠歯歯車021の歯
部023の歯が噛み合う。そして、この噛み合いによ
り、駆動歯車Pが第二欠歯歯車021を回転させる。こ
の第二欠歯歯車021の下面には作動用カム024が形
成され、図示しないヘッドパネルの係合ピン031と係
合している。したがって、第二欠歯歯車021が回転す
ると、第二欠歯歯車021に形成された作動用カム02
4が移動し、作動用カム024に係合する係合ピン03
1をガイド孔032に沿って変位させる。そして、この
係合ピン031の変位により、図示しないヘッドパネル
を移動させている。
【0009】この図4に図示する駆動装置では、ヘッド
パネルを変位させる第二欠歯歯車021は、その初期の
回転時においても第一欠歯歯車011、連結長孔014
および連結ピン022を介して駆動歯車Pにより駆動さ
れているので、トリガー04は第二欠歯歯車021を駆
動することはない。したがって、トリガー04は第一欠
歯歯車011のみを回転させており、トリガー04の駆
動力を小さくすることができる。
【0010】しかしながら、下記の欠点があった。 (1)第一欠歯歯車011および第二欠歯歯車021の
2枚の欠歯歯車を用いており、構造が複雑になる。
【0011】(2)ヘッドパネルの位置制御は、ヘッド
パネルの係合ピン031と第二欠歯歯車021の作動用
カム024との当接により行われている。したがって、
この制御を行うためには、作動用カム024の形状を的
確に決定する必要があり、作動用カム024の設計が困
難である。 (3)作動用カム024のカム面が磨耗すると、ヘッド
パネルの作動位置が所定の位置から外れてしまう。
【0012】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、トリガーを軽い力で駆動することができ、
かつ部品点数が少なく、組み立てが簡単な駆動装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の駆動装置は欠歯歯車(31)、駆動歯車
(P)、保持部(43,71)、トリガー(11)、作
動用カム(45)、作動部材(50)および反転付勢手
段(61)とを具備している。欠歯歯車(31)は2個
の欠歯部(34,35)を対向する位置に有している。
駆動歯車(P)はこの欠歯歯車の歯部(32)に噛合す
る。
【0014】そして、保持部(43,71)は、前記欠
歯歯車を、前記欠歯部が駆動歯車と対向する位置に保持
する。トリガー(11)はこの保持部による前記欠歯歯
車の上記位置での保持を解除して、前記欠歯歯車の歯部
を前記駆動歯車に噛合させる。
【0015】また、作動用カム(45)は前記欠歯歯車
に設けられている。作動部材(50)はストッパ(53
a,53b)により規制された第一作動位置と第二作動
位置との範囲で移動自在に設けられ、前記欠歯歯車の回
転時に上記作動用カムと係合して反対側に移動される。
そして、反転付勢手段(61)は、この作動部材の移動
によって弾性変形され、その反発力により該作動部材を
前記第一作動位置または第二作動位置に択一的に位置さ
、作動部材は作動用カムに対し無負荷となる
【0016】さらに、前記保持部は前記欠歯歯車に設け
られて、トリガーと係合する係合部であり、また、前記
トリガーは上記係合部から離れたとき、前記欠歯歯車に
設けられた起動用カム(41)を押圧して前記欠歯歯車
を所定角度回転させるものである場合がある。
【0017】
【作 用】トリガーが操作されると、トリガーは保持
部による欠歯歯車の位置保持を解除する。そして、欠歯
部が駆動歯車と対向する位置に保持されていた欠歯歯車
の歯部を駆動歯車に噛合させる。駆動歯車は欠歯歯車を
駆動して、欠歯歯車に設けられた作動用カムを回動さ
せ、作動用カムに係合している作動部材をたとえば第一
作動位置から第二作動位置側へ移動させる。そして、こ
の第一作動位置から第二作動位置への移動途中におい
て、反転付勢手段の付勢方向が反転される。すなわち、
それまでは作動部材を第一作動位置側に付勢していた
が、付勢方向の反転後は第二作動位置側に付勢する。
【0018】この反転付勢手段の付勢により、作動部材
は第二作動位置側に移動する。そして、欠歯歯車の欠歯
部が駆動歯車と対向する位置まで欠歯歯車が回転する
と、保持部が欠歯歯車をその位置に保持する。
【0019】さらに、前記保持部は前記欠歯歯車に設け
られてトリガーと係合する係合部であり、また、前記ト
リガーは上記係合部から離れたとき、前記欠歯歯車に設
けられた起動用カム(41)を押圧して前記欠歯歯車を
所定角度回転させるものである場合がある。この場合に
は、トリガーは欠歯歯車に設けられた係合部と係合し
て、欠歯歯車の回転位置を保持する。そして、その保持
を解除した際には、起動用カム(41)を押圧して前記
欠歯歯車を所定角度回転させる。
【0020】
【実 施 例】次に、本発明における駆動装置の実施例
について説明する。 (実施例1)図1は本発明の駆動装置の実施例1の平面
図で、作動レバーが第一作動位置にある時の状態を示す
図である。図2は同駆動装置の平面図で、作動レバーが
第二作動位置にある時の状態を示す図である。
【0021】図1において、駆動手段であるソレノイド
1は、図示しない永久磁石を内蔵しており、常時は円柱
状の操作棒2を吸引している。この操作棒2の先端には
円板状の操作部3が一体に形成されている。
【0022】このソレノイド1の操作部3には、トリガ
ー11の一端に形成された二股係合部12が嵌められて
いる。トリガー11は揺動軸13を軸として揺動可能で
あり、また、トリガー11の下面にはバネ係合部14が
一体に形成されている。さらに、トリガー11の他端部
の下面にはピン16が突出して一体に形成されている。
そして、トリガー11の揺動軸13には付勢手段である
バネ21が嵌め込まれている。そして、バネ21はその
一端がトリガー11のバネ係合部14に、またその他端
がシャーシSに設けられたバネ係合部22に係止されて
いる。そして、このバネ21によりトリガー11は揺動
軸13を軸として常時時計方向に付勢されている。
【0023】トリガー11の下方に配置されている欠歯
歯車31は、その外周部に歯部32が形成されている。
この欠歯歯車31の歯部32の歯は常時回転しているキ
ャプスタン歯車などの駆動歯車Pと噛み合う。そして、
この歯部32には第一欠歯部34および第二欠歯部35
が欠歯歯車31の回転軸37を中心として点対称に形成
されている。また、欠歯歯車31の上面には起動用カム
である起動用カム溝41が形成されている。この起動用
カム溝41は2個のくびれ部42を具備する円を描いて
おり、かつ欠歯歯車31の回転軸37を中心として点対
称の形状である。そして、欠歯歯車31は時計方向に回
転するが、欠歯歯車31に形成されたくびれ部42の回
転方向の先端には、欠歯歯車31の位置を保持する保持
部である係合部43が形成されている。
【0024】また、欠歯歯車31の下面には、作動用カ
ムである作動用偏心カム溝45が形成され、作動用偏心
カム溝45は略円を描いており、その中心は欠歯歯車3
1の回転軸37から離れた位置にある。
【0025】欠歯歯車31の下方にはヘッドパネルなど
を作動させる作動部材である作動レバー50が回動軸5
1を中心として回動自在に配置されている。作動レバー
50の上面すなわち欠歯歯車31に対向する面には、係
合ピン52が突出して設けられている。この係合ピン5
2は欠歯歯車31の作動用偏心カム溝45に遊嵌してお
り、その移動範囲は欠歯歯車31と作動レバー50との
間に配設されたシャーシSに穿たれた係止孔53の両端
部53a,53b(ストッパ)により規制されている。
【0026】この係止孔53の一端部53aは、欠歯歯
車31の回転軸37からは離れた側にあり、図1に図示
する作動レバー50が第一作動位置にある状態の時に
は、欠歯歯車31の作動用偏心カム溝45の外側カム部
である外側壁45aよりも欠歯歯車31の回転軸37に
近い位置に設けられている。また、図2において、この
係止孔53の他端部53bは、欠歯歯車31の回転軸3
7に近い側にあり、図2に図示する作動レバー50が第
二作動位置にある状態の時には、欠歯歯車31の作動用
偏心カム溝45の内側カム部である内側壁45bよりも
欠歯歯車31の回転軸37から遠い位置に設けられてい
る。
【0027】また、作動レバー50の端部の上面には反
転付勢手段取付け部であるバネ取付けピン54が突出し
て形成されている。このバネ取付けピン54には反転付
勢手段である反転バネ61の一端部が取り付けられてい
る。この反転バネ61の他端部はバネ係合部63に取り
付けられている。このバネ係合部63はシャーシSの下
面に固定されている。そして、図1に図示するように作
動レバー50が欠歯歯車31の回転軸37から離れた位
置である第一作動位置にある状態にある時には、反転バ
ネ61は作動レバー50を反時計方向に付勢し、作動レ
バー50の係合ピン52は係止孔53の一端部53aに
当接係止され、作動レバー50はその位置すなわち第一
作動位置に安定して位置決めされる。
【0028】また、図2に図示するように作動レバー5
0が欠歯歯車31の回転軸37に近づいた位置である第
二作動位置にある状態にある時には、反転バネ61は作
動レバー50を時計方向に付勢し、作動レバー50の係
合ピン52は係止孔53の他端部53bに当接係止さ
れ、作動レバー50はその位置すなわち第二作動位置に
安定して位置決めされる。
【0029】(実施例1の作用について)つぎに、この
ように構成された駆動装置の作用について説明する。最
初に、作動レバー50が図1に図示する第一作動位置か
ら、図2に図示する第二作動位置に移動する場合につい
て説明する。
【0030】図1において、ソレノイド1に内蔵されて
いる永久磁石(図示しない)により常時は吸引されてい
る操作棒2を、ソレノイド1に通電して永久磁石に抗し
て突出させる。すると、トリガー11が、バネ21の付
勢力により、揺動軸13を中心として時計方向に回動す
る。この回動により、トリガー11の先端部に設けられ
ているピン16が、起動用カム溝41の係合部43を係
止している図1に図示する状態から移動して、欠歯歯車
31に設けられた起動用カム溝41のくびれ部42を図
において下側に押圧し移動させる。この移動により、欠
歯歯車31が時計方向に回転し、それまで駆動歯車Pに
対向していた第一欠歯部34が移動して、歯部32の歯
が駆動歯車Pに対向する。
【0031】そして、この歯部32の歯が駆動歯車Pの
歯に噛み合い、駆動歯車Pが欠歯歯車31を時計方向に
回転させる。この欠歯歯車31の回転は、駆動歯車Pに
欠歯歯車31の第二欠歯部35が対向する図2に図示す
る状態になるまで行われる。図2に図示する回動終了時
には、ソレノイド1により位置規制されたトリガー11
のピン16は起動用カム溝41の係合部43に嵌まり込
み、係合部43を係止する。したがって、欠歯歯車31
に外部振動などの外力が加わっても、欠歯歯車31は時
計方向および反時計方向のいずれの方向にも回転するこ
とはない。
【0032】ところで、図1において、欠歯歯車31の
下面に一体に設けられた作動用偏心カム溝45も欠歯歯
車31とともに回転する。この作動用偏心カム溝45に
は前述のように作動レバー50に設けられた係合ピン5
2が係合している。この係合ピン52は、作動レバー5
0を介して反転バネ61の付勢力により図において下側
に付勢されている。この付勢により、係合ピン52はシ
ャーシSに設けられた係止孔53の一端部53aに当接
している。
【0033】なお、作動用偏心カム溝45の外側壁45
aは係止孔53の一端部53aより図において下側すな
わち欠歯歯車31の回転軸37から離れた位置にあり、
係合ピン52に当接していない。したがって、欠歯歯車
31の回転初期においては、作動用偏心カム溝45の外
側壁45aは作動レバー50の係合ピン52に何ら作用
を及ぼすことがなく、作動レバー50は駆動されない。
すなわち、欠歯歯車31は他部材を駆動することがな
く、それ自体が回転するだけであるので、小さな駆動力
で欠歯歯車31を回転させることができる。その結果、
トリガー11を介して欠歯歯車31を回転させるソレノ
イド1の容量を小さくすることが可能となる。
【0034】さらに、欠歯歯車31が回転すると、作動
用偏心カム溝45は欠歯歯車31の回転軸37に対して
偏心して設けられており、作動用偏心カム溝45の外側
壁45aがだんだんと作動レバー50の係合ピン52に
近づく。この頃に、前述のように欠歯歯車31の回転に
より、欠歯歯車31の歯部32の歯が駆動歯車Pに対向
し噛み合う。そして、今度は駆動歯車Pが欠歯歯車31
を時計方向に回転させる。
【0035】この駆動歯車Pによる欠歯歯車31の回転
により、外側壁45aが作動レバー50の係合ピン52
に当接して、図において上側すなわち欠歯歯車31の回
転軸37に近づく方向に係合ピン52を押圧する。そし
て、係合ピン52が欠歯歯車31の回転軸37に近づく
方向へ移動すると、それに伴って、係合ピン52が形成
されている作動レバー50が時計方向に回動する。ま
た、作動レバー50の先端に設けられたバネ取付けピン
54がバネ係合部63の下方を通過して、図において上
側すなわち第二作動位置側に移動する。すると、反転バ
ネ61は反転し、図2に図示する状態となり、今度はバ
ネ取付けピン54を第二作動位置側に付勢する。この付
勢により、作動レバー50は回動軸51を軸として時計
方向に回動する。
【0036】この作動レバー50の回動により、作動レ
バー50の係合ピン52は図において上側すなわち欠歯
歯車31の回転軸37に近づく方向に移動し、作動用偏
心カム溝45の内側壁45bに当接する。さらに、駆動
歯車Pにより欠歯歯車31は時計方向に回転するので、
内側壁45bに当接している係合ピン52はだんだんと
係止孔53内を図において上側に移動し、図2に図示す
る係止孔53の他端部53bに当接する。この当接後
も、欠歯歯車31は回転し、作動用偏心カム溝45の内
側壁45bは図2に図示するように係合ピン52から完
全に離脱する。この様にして、作動レバー50の係合ピ
ン52は他端部53bに当接係止され、作動レバー50
は反転バネ61の付勢力により図2に図示する第二作動
位置に安定して位置決めされる。
【0037】作動レバー50が図2に図示する第二作動
位置から、図1に図示する第一作動位置に移動する場合
は、前述の作動レバー50が第一作動位置から第二作動
位置に移動する場合と略同じであるので簡単に説明す
る。
【0038】図2において、ソレノイド1に通電して操
作棒2をソレノイド1内の永久磁石に抗して突出させ
る。すると、トリガー11が、バネ21の付勢力によ
り、揺動軸13を中心として時計方向に回動する。この
回動により、トリガー11の先端部に設けられているピ
ン16が、起動用カム溝41の係合部43から離れて、
欠歯歯車31に設けられた起動用カム溝41のくびれ部
42を図において下側に押圧し移動させる。この移動に
より、欠歯歯車31が時計方向に回転し、それまで駆動
歯車Pに対向していた第二欠歯部35が移動して、歯部
32の歯が駆動歯車Pに対向する。
【0039】そして、この歯部32の歯が駆動歯車Pの
歯に噛み合い、駆動歯車Pが欠歯歯車31を時計方向に
回転させる。この欠歯歯車31の回転は、駆動歯車Pに
欠歯歯車31の第一欠歯部34が対向する図1に図示す
る状態になるまで行われる。図1に図示する回動終了時
には、ソレノイド1により位置規制されたトリガー11
のピン16は起動用カム溝41の係合部43に嵌まり込
み、係合部43を係止する。したがって、欠歯歯車31
に外部振動などの外力が加わっても、欠歯歯車31は時
計方向および反時計方向のいずれの方向にも回転するこ
とはない。
【0040】ところで、図2において、欠歯歯車31の
下面に一体に設けられた作動用偏心カム溝45も欠歯歯
車31とともに回転する。この作動用偏心カム溝45に
は前述のように作動レバー50に設けられた係合ピン5
2が係合している。この係合ピン52は、作動レバー5
0を介して反転バネ61の付勢力により図において上側
に付勢されている。この付勢により、係合ピン52はシ
ャーシSに設けられた係止孔53の他端部53bに当接
している。
【0041】なお、作動用偏心カム溝45の内側壁45
bは係止孔53の他端部53bより図において上側すな
わち欠歯歯車31の回転軸37に近い位置にあるので、
係合ピン52に当接していない。したがって、欠歯歯車
31の回転初期においては、作動用偏心カム溝45の内
側壁45bは作動レバー50の係合ピン52に何ら作用
を及ぼすことがなく、作動レバー50は駆動されない。
その結果、欠歯歯車31は小さな駆動力で回転できる。
【0042】さらに、欠歯歯車31が回転すると、作動
用偏心カム溝45は欠歯歯車31の回転軸37に対して
偏心して設けられており、作動用偏心カム溝45の内側
壁45bがだんだんと作動レバー50の係合ピン52に
近づく。この頃に、前述のように欠歯歯車31の回転に
より、欠歯歯車31の歯部32の歯が駆動歯車Pに対向
し噛み合う。そして、今度は駆動歯車Pが欠歯歯車31
を時計方向に回転させる。
【0043】この駆動歯車Pによる欠歯歯車31の回転
により、内側壁45bが作動レバー50の係合ピン52
に当接して、図において下側すなわち欠歯歯車31の回
転軸37から離れる方向に係合ピン52を押圧する。そ
して、係合ピン52が欠歯歯車31の回転軸37から離
れる方向へ移動すると、それに伴って、係合ピン52が
形成されている作動レバー50が反時計方向に回動す
る。また、作動レバー50の先端に設けられたバネ取付
けピン54がバネ係合部63の下方を通過して、図にお
いて下側すなわち第一作動位置側に移動する。すると、
反転バネ61は反転し、図1に図示する状態となり、今
度はバネ取付けピン54を第一作動位置側に付勢する。
この付勢により、作動レバー50は回動軸51を軸とし
て反時計方向に回動する。
【0044】この作動レバー50の回動により、作動レ
バー50の係合ピン52は図において下側すなわち欠歯
歯車31の回転軸37から離れる方向へ移動し、作動用
偏心カム溝45の外側壁45aに当接する。さらに、駆
動歯車Pにより欠歯歯車31は時計方向に回転するの
で、外側壁45aに当接している係合ピン52はだんだ
んと係止孔53内を図において下側に移動し、図1に図
示する係止孔53の一端部53aに当接する。
【0045】この当接後も、欠歯歯車31は回転し、作
動用偏心カム溝45の外側壁45aは図1に図示するよ
うに係合ピン52から完全に離脱する。この様にして、
作動レバー50の係合ピン52は一端部53aに当接係
止され、作動レバー50は反転バネ61の付勢力により
図1に図示する第一作動位置に安定して位置決めされ
る。
【0046】また、前述のように実施例1においては、
作動レバー50は作動位置に係止孔53により位置決め
されているので、作動用偏心カム溝45が作動レバー5
0の係合ピン52との摺動により磨耗しても、作動レバ
ー50の作動位置は所定の位置を維持できる。
【0047】(実施例2)つぎに、図3により本発明の
駆動装置の実施例2について説明する。図3は本発明の
駆動装置の実施例2の平面図で、作動レバーが第一作動
位置にある時の状態を示す図である。なお、この実施例
2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する
構成要素には同一符号を付して、その詳細な説明を省略
する。
【0048】図3において、駆動手段であるソレノイド
6は、実施例1のソレノイド1と相違して、常時はバネ
21の付勢力により円柱状の操作棒2が押し出されてい
る。この操作棒2の先端には円板状の操作部3が一体に
形成されている。このソレノイド6の操作部3には、ト
リガー11の一端に形成された係合部17が係合し、ま
た操作部3の先端部はシャーシSに固定されているスト
ッパー7に当接している。
【0049】そして、実施例1と同様に、トリガー11
は揺動軸13を軸として揺動可能であり、かつ、バネ2
1により揺動軸13を軸として常時時計方向に付勢され
ている。
【0050】トリガー11の下方に配置されている欠歯
歯車31の上面には実施例1の起動用カム溝41の係合
部43に代えて、一対の凸部71がトリガー11のピン
16と係合する係合部として形成されている。また、実
施例1と相違して、起動用カム溝41は形成されていな
い。その代わりに、欠歯歯車31の下面には、菱形状の
起動用カム72が形成されている。さらに、シャーシS
にはバネ取付け部74が設けられ、このバネ取付け部7
4に嵌合された付勢手段であるバネ75はその一端がシ
ャーシSに設けられたバネ係合部76に係合し、他端側
の部分77が欠歯歯車31の起動用カム72の菱形の角
部に当接している。そして、欠歯歯車31を回転軸37
を軸として時計方向に回転する方向に付勢している。
【0051】また、欠歯歯車31の上面には、実施例1
の作動用偏心カム溝45に代えて、作動用カムである一
対の作動用偏心カム突条81,82が形成され、作動用
偏心カム突条81,82は略円を描いており、その中心
は欠歯歯車31の回転軸37から離れた位置にある。
【0052】欠歯歯車31の上方にはヘッドパネルなど
を作動させる作動部材である作動レバー50が回動軸5
1を中心として回動可能に配置されている。作動レバー
50の下面すなわち欠歯歯車31に対向する面には、係
合ピン52が突出して設けられている。この係合ピン5
2は欠歯歯車31の外側作動用偏心カム突条81と内側
作動用偏心カム突条82との間に嵌まっている。その移
動範囲はシャーシSに固定された係止部材兼規制部材で
ある一対のストッパー86,87により規制されてい
る。
【0053】図3に図示する作動レバー50が、第一ス
トッパー86に係止される第一作動位置にある状態の時
には、係合ピン52は欠歯歯車31の外側作動用偏心カ
ム突条81よりも欠歯歯車31の回転軸37に近い位置
にあり、外側作動用偏心カム突条81には当接しない。
また、作動レバー50が第二ストッパー87に係止され
る第二作動位置にある状態の時には、係合ピン52は欠
歯歯車31の内側作動用偏心カム突条82よりも欠歯歯
車31の回転軸37から離れた位置にあり、内側作動用
偏心カム突条82には当接しない。
【0054】さらに、実施例1と同様に、作動レバー5
0のバネ取付けピン54には反転バネ61の一端が取り
付けられている。そして、図3に図示する第一ストッパ
ー86に係止される第一作動位置にある状態にある時に
は、反転バネ61は作動レバー50を反時計方向に付勢
し、また、第二ストッパー87に係止される第二作動位
置にある状態にある時には、反転バネ61は作動レバー
50を時計方向に付勢している。
【0055】(実施例2の作用について)つぎに、この
ように構成された駆動装置の作用について説明する。作
動レバー50が図3に図示する第一作動位置から、第二
作動位置に移動する場合について説明する。
【0056】図3において、ソレノイド6に通電するこ
とにより、操作棒2はソレノイド6にバネ21の付勢力
に抗して吸引される。すると、トリガー11が、バネ2
1の付勢力に抗して、揺動軸13を中心として反時計方
向に回動する。この回動により、トリガー11の先端部
に設けられているピン16が、図3に図示する欠歯歯車
31の凸部71を係止している状態から外側(図におい
ては右側)に外れる。このピン16の係止が外れると、
欠歯歯車31は、その起動用カム72に当接するバネ7
5の付勢力により、時計方向に回転する。なお、このバ
ネ75が欠歯歯車31に時計方向に回転しようとする力
を付加するのは、図3に図示された起動用カム72のカ
ム面の形状から分かるように、欠歯歯車31の回転初期
のみである。
【0057】この欠歯歯車31の回転により、それまで
駆動歯車Pに対向していた第一欠歯部34が移動して、
歯部32の歯が駆動歯車Pに対向する。そして、この歯
部32の歯が駆動歯車Pの歯に噛み合い、駆動歯車Pが
欠歯歯車31を時計方向に回転させる。この欠歯歯車3
1の回転は、駆動歯車Pに欠歯歯車31の第二欠歯部3
5が対向する状態になるまで行われる。
【0058】ところで、前述のソレノイド6により吸引
された操作部3は、ソレノイド6への通電終了後、バネ
21の付勢力により、突出してストッパー7により位置
規制される。また、トリガー11はバネ21の付勢力に
より、揺動軸13を中心として時計方向に回動して、図
3に図示する状態に戻る。そして、回動終了時には、欠
歯歯車31の他方の凸部71が、トリガー11のピン1
6と当接して係止される。
【0059】ところで、図3において、欠歯歯車31の
上面に一体に設けられた外側作動用偏心カム突条81お
よび内側作動用偏心カム突条82も欠歯歯車31ととも
に回転する。欠歯歯車31の回転初期においては、外側
作動用偏心カム突条81は作動レバー50の係合ピン5
2に当接しておらず、何ら作用を及ぼすことがなく、作
動レバー50は駆動されない。
【0060】さらに、欠歯歯車31が回転すると、外側
作動用偏心カム突条81は欠歯歯車31の回転軸37に
対して偏心して設けられており、だんだんと作動レバー
50の係合ピン52に近づく。この頃に、前述のように
欠歯歯車31の回転により、欠歯歯車31の歯部32の
歯が駆動歯車Pに対向し噛み合う。そして、今度は駆動
歯車Pが欠歯歯車31を時計方向に回転させる。
【0061】この駆動歯車Pによる欠歯歯車31の回転
により、外側作動用偏心カム突条81が作動レバー50
の係合ピン52に当接して、図において上側すなわち欠
歯歯車31の回転軸37近づく方向に係合ピン52を押
圧する。そして、係合ピン52が欠歯歯車31の回転軸
37に近づく方向へ移動すると、それに伴って、係合ピ
ン52が形成されている作動レバー50が時計方向に回
動する。また、作動レバー50の先端に設けられたバネ
取付けピン54がバネ係合部63を通過して、図におい
て上側すなわち第二作動位置側に移動する。すると、反
転バネ61は反転し、今度はバネ取付けピン54を第二
作動位置側に付勢する。この付勢により、作動レバー5
0は回動軸51を軸として時計方向に回動する。
【0062】この作動レバー50の回動により、作動レ
バー50の係合ピン52は図において上側すなわち欠歯
歯車31の回転軸37に近づく方向に移動し、内側作動
用偏心カム突条82に当接する。さらに、駆動歯車Pに
より欠歯歯車31は時計方向に回転するので、内側作動
用偏心カム突条82に当接している係合ピン52はだん
だんと図において上側に移動し、それに伴って作動レバ
ー50も時計方向に回動し、第二ストッパー87に当接
する。この当接後も、欠歯歯車31は回転し、内側作動
用偏心カム突条82は係合ピン52から完全に離脱す
る。
【0063】作動レバー50が第二作動位置から、図3
に図示する第一作動位置に移動する場合の説明は省略す
る。
【0064】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (1)実施例1においては、起動用カムおよび作動用カ
ムはカム溝であるが、カム突条で構成することも可能で
ある。
【0065】(2)実施例においては、作動用カムは円
周状に形成されている。しかしながら、欠歯歯車の欠歯
部が駆動歯車に対向している際には、作動用カムは作動
部材と係合する必要がないので、その対応箇所において
は必ずしも作動用カムは形成される必要はない。
【0066】(3)実施例においては、トリガーはソレ
ノイドで駆動されているが、他の操作部材たとえば手動
の操作レバーなどで駆動することも可能である。 (4)実施例1においては、規制部材は規制孔である
が、他の規制手段たとえば規制突起などでも可能であ
る。
【0067】(5)実施例においては、作動部材はテー
プレコーダのヘッドパネルを往復動させているが、他の
作動部材を往復動させることも可能である。 (6)実施例においては、作動用カムは略真円である
が、作動部材を移動させる機能を有するならば、作動用
カムの形状は適宜変更可能である。
【0068】(7)実施例においては、欠歯歯車31は
作動レバー50を介して図示しないヘッドパネルを駆動
しているが、欠歯歯車31が直接ヘッドパネルを駆動す
るように構成することも可能である。 (8)実施例2においては、起動用カム72を欠歯歯車
31の下面に設けたが、上面に配置することも可能であ
る。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、作動部材が第一作動位
置または第二作動位置にある時は反転付勢手段により位
置決めされ、欠歯歯車は軽く回動することができるの
で、欠歯歯車を回転させるトリガーの駆動力は小さくて
済む。
【0070】また、作動用カムは、反転付勢手段の付勢
方向が反転するまで、作動部材を移動させれば良い。し
たがって、反転付勢手段の反転後の作動部材の回動を作
動用カムは行う必要がないので、作動用カムのカム形状
の設計が簡単になる。
【0071】そして、欠歯歯車は1個で済むので、図4
に図示する従来の駆動装置に比して、部品点数が少なく
なり、格段に構成が簡単になるとともに、組み立てが簡
単になる。
【0072】さらに、前記保持部は前記欠歯歯車に設け
られてトリガーと係合する係合部であり、また、前記ト
リガーは上記係合部から離れたとき、前記欠歯歯車に設
けられた起動用カムを押圧して前記欠歯歯車を所定角度
回転させるものである場合がある。この場合には、トリ
ガーは欠歯歯車に設けられた係合部と係合して、欠歯歯
車の回転位置を保持する。そして、その位置保持を解除
した際には、起動用カムを押圧して前記欠歯歯車を所定
角度回転させることができる。したがって、トリガーで
欠歯歯車の位置保持と回転駆動の両方ができるので、構
成が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の駆動装置の実施例1の平面図
で、作動レバーが第一作動位置にある時の状態を示す図
である。
【図2】図2は同駆動装置の平面図で、作動レバーが第
二作動位置にある時の状態を示す図である。
【図3】図3は本発明の駆動装置の実施例2の平面図
で、作動レバーが第一作動位置にある時の状態を示す図
である。
【図4】図4は駆動装置の従来例を説明するための図
で、その平面図である。
【符号の説明】
P 駆動歯車 11 トリガー 31 欠歯歯車 32 歯部 34 第一欠歯部 35 第二欠歯部 41 起動用カム溝(起動用カム) 43 係合部(保持部) 45 作動用偏心カム溝(作動用カム) 50 作動レバー(作動部材) 61 反転バネ(反転付勢手段) 71 凸部(係合部)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2箇所に欠歯部(34,35)を有する
    欠歯歯車(31)をトリガー(11)により係止してい
    ずれかの欠歯部を駆動歯車(P)に対向させ、ソレノイ
    ド(1)により前記係止を解除して欠歯歯車の一方の歯
    部(32)を駆動歯車に噛合させて、欠歯歯車に設けら
    れた作動用カム(45)で作動部材(50)を第一作動
    位置から第二作動位置へ向けて移動させ、また、他方の
    歯部が駆動歯車に噛合している間に、作動用カムで作動
    部材を第二作動位置から第一作動位置へ向けて移動させ
    る駆動装置において、 前記作動部材の移動範囲を第一作動位置と第二作動位置
    との間に規制するストッパ(53a,53b)と、 前記作動部材の移動により弾性変形され、その反発力に
    より該作動部材を第一作動位置および第二作動位置の一
    方に選択的に弾性保持する反転付勢手段(61)とを具
    備し、 いずれかの欠歯部が駆動歯車に対向している状態では、
    前記作動部材は、第一作動位置または第二作動位置にあ
    って前記欠歯歯車に対し無負荷となることを特徴とする
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記欠歯歯車は、二つの係止部と、各係
    止部に隣接する二つの起動用カムとを有し、前記トリガ
    ーは、各係止部に選択的に係合していずれかの欠歯部を
    駆動歯車に対向させ、ソレノイドにより係止部から外さ
    れたとき該係止部に隣接する起動用カム(41)を押圧
    していずれかの歯部を駆動歯車に噛合させることを特徴
    とする請求項1に記載の駆動装置。
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