JP2986959B2 - エチレンオキシ基含有アリールスルホンアミドフェニルヒドラジドを含む高コントラスト写真要素 - Google Patents

エチレンオキシ基含有アリールスルホンアミドフェニルヒドラジドを含む高コントラスト写真要素

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に写真、詳細には新
規な黒白写真要素に関する。更に詳細には、本発明は、
新規なハロゲン化銀写真要素、例えば、高コントラスト
現像が可能な、グラフィック技術の分野において用いら
れるリソグラフィフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】リソグラフィフィルムの高コントラスト
現像は、長年の間、“リス(lith)”現像液として当該技
術分野において公知の特定の現像液を用いて行われてき
た。慣用の“リス”現像液においては、J.A.C.Yuleによ
り Journal of the Franklin Institute、 239巻、 221
〜230(1945) に述べられているように“リス効果”(感
染現像とも呼ぶ)を用いて、高コントラストが達成され
る。このタイプの現像は、自動触媒的に進行すると信じ
られている。“リス効果”現像を達成するために、亜硫
酸塩イオン緩衝剤として作用する効果をもつ、アルデヒ
ド重亜硫酸塩付加物、例えば、ナトリウムホルムアルデ
ヒド重亜硫酸塩を用いて、低いしかし臨界の遊離亜硫酸
塩イオン濃度を維持する。低亜硫酸塩イオン濃度は、現
像剤酸化生成物の堆積を妨害しないようにするために必
要であり、かかる妨害は感染現像を阻止する結果となる
ことがあるからである。現像液は典型的に、単一のタイ
プの現像剤、すなわち、ハイドロキノンのような、ジヒ
ドロオキシベンゼンタイプの現像剤を含有するにすぎな
い。
【0003】慣用の“リス”現像液には、それらの有用
性を限定する重大な欠点がある。例えば、この現像液
は、単一現像剤としてハイドロキノンを含有するという
事実の結果として低い容量(capacity)を示す。また、ア
ルデヒドはハイドロキノンと反応して現像活性に望まし
くない変化を引き起こす傾向がある。更に、低亜硫酸塩
イオン濃度は、空気酸化に対し効果的な保護を与えるの
には不十分である。その結果、慣用の“リス”現像液は
安定性に欠け、空気に露出される時間の長さ次第で気ま
ぐれな結果となる傾向がある。
【0004】慣用の“リス”現像液の使用に対する代替
法は、 Nothnagle、米国特許第 4,269,929号、"High Co
ntrast Development of Photographic Elements"、1981
年5月26日発行に開示されており、その開示は引用する
ことにより本明細書中に包含されている。この特許に記
載されているように、写真要素の高コントラスト現像
は、ヒドラジン化合物の存在下で、10以上かつ12以下の
pHを有し、そしてジヒドロオキシベンゼン現像剤、3−
ピラゾリドン現像剤、亜硫酸塩保存剤及びコントラスト
促進量のアミノ化合物を含有するアルカリ性現像水溶液
を用いて行われる。この現像液は、高い容量、高程度の
安定性、及び長い効果寿命という利点を併せ持ち、一方
優れたコントラスト特性及びスピード特性を与える。
【0005】この技術分野においては、ヒドラジン化合
物は典型的には“ヌクリエーター(nucleators)”又は
“核剤(nucleating agents)"と呼ばれコントラストを高
める機能を有するアミノ化合物は“ブースター(ズ)(bo
osters)"と呼ばれる。
【0006】米国特許第 4,269,929号明細書には、コン
トラスト促進剤としての極めて広範囲の各種アミノ化合
物の使用が記載されている。特に、これは、ヒドロキシ
アミンのような無機アミン類、並びに脂肪族アミン類、
芳香族アミン類、環状アミン類、混合脂肪族−芳香族ア
ミン類及び複素環式アミン類を含む有機アミン類の両者
の使用を開示している。第一、第二及び第三アミン類、
並びに第四アンモニウム化合物が広範囲のこの開示内に
含まれる。
【0007】米国特許第 4,269,929号の発明は、当該技
術分野において極めて重要な進歩をもたらすものである
が、多くのアミノ化合物により示される不利な特性によ
り、商業的なそれらの利用は妨げられている。すなわ
ち、例えば、あるアミンは毒性の問題があり、あるもの
は過剰な揮発性に問題があり、あるものは極めて不快な
においに特徴があり、あるものは水と共沸混合物を形成
する傾向があり、あるものはアルカリ性写真現像水溶液
への溶解性が不十分であり、そしてあるものは価格が高
くその上現像液の総価格の相当の部分をなすような比較
的高濃度で使用しなければならない。更に、多くのアミ
ン類は、米国特許第 4,269,929号の方法及び組成物のコ
ントラスト促進剤として、商業上の操作に望ましいもの
より低い活性を示す。
【0008】“ブースターズ”としてアミノ化合物を含
有しかつヒドラジン化合物の存在下で現像を行うことを
意図している高コントラスト現像組成物はまた1987年5
月26日発行の米国特許第 4,668,605号及び1988年4月26
日発行の同 4,740,452号各明細書並びに1987年9月17日
発行の特許公開公報第211647/87にも開示されている。
米国特許第 4,668,605号明細書には、ジヒドロキシベン
ゼン、p−アミノフェノール、亜硫酸塩、コントラスト
促進量の炭素原子数2〜10個のヒドロキシアルキル基を
含んでなるアルカノールアミン、及びメルカプト化合物
を含有する現像組成物が述べられている。米国特許第
4,740,452号の現像組成物はコントラスト促進量のある
種のトリアルキルアミン類、モノアルキル−ジアルカノ
ールアミン類又はジアルキルモノアルカノールアミン類
を含有する。特許公開公報第211647/87号の現像組成物
はジヒドロキシベンゼン現像剤、亜硫酸塩及びそれらの
分配係数値を引用することにより特徴づけられるある種
のアミノ化合物を含有する。しかしながら、米国特許第
4,668,605号及び同 4,740,452号並びに特許公開公報第
211647/87号の現像組成物は、それらが多くの不利な特
性を示すので当該技術のニーズに十分に合わない。これ
ら不利な特性としては、このプロセスのコストを大幅に
増やすような大量のコントラスト−促進剤を用いる必要
性並びにコントラストを高めるのに有効なアミノ化合物
の揮発性及びにおい発生特性に根ざす多くの困難な問題
が挙げられる。
【0009】“ブースターズ”としてアミノ化合物を現
像組成物に包含させることの固有の不利益な点は当該技
術分野において認識されており、写真要素中にアミノ化
合物を包含させることによりこれらの問題を克服するた
めの提案がなされてきた。特に、“包含されたブースタ
ーズ”としてのアミノ化合物の使用は、1985年7月25日
発行の特許公開公報第140340/85号及び1987年9月30日
発行の特許公開公報第222241/87、並びに対応する1990
年4月3日発行の米国特許第 4,914,003号に提案されて
いる。公報第140340/85号では、“包含されたブースタ
ーズ”として任意のアミノ化合物を利用することができ
るが、一方公報第222241/87は“包含されたブースター
ズ”として特定の構造式により定義されたアミノ化合物
の使用に向けられていることが述べられている。公報第
222241/87は、現像の際の要素からのアミノ化合物の浸
出及び“ペパーフォッグ(pepper fog)" の発生に関する
問題をはじめとする、公報第140340/85号の教示を行う
際におこるいくつかの問題を指摘している。
【0010】“核剤”として機能するヒドラジン化合物
及び“ブースターズ”として機能するアミノ化合物の共
同作用に依存する写真系は極めて複雑な系である。この
系は、“核剤”及び“ブースターズ”の組成及び濃度の
両者により、そして現像液のpH及び組成並びに現像の時
間及び温度を含む多くの他のファクターにより影響され
る。かかる系の目的としては、スピード及びコントラス
トを高め、それと共に優れたドット品質及び低いペパー
フォッグを提供することである。利用されるアミノ化合
物は合成が容易で、コストが安くそして極めて低い濃度
で効果的であることもまた望まれる。“ブースターズ”
としてのアミノ化合物の使用についての従来技術の提案
はこれらの目的の多くに合致せず、このためこの系の商
業的な利用は大幅に妨害されてきた。
【0011】1989年9月20日発行のヨーロッパ特許第
0,333,435号には、“核剤”として広範囲に定義したク
ラスのアリールスルホンアミドフェニルヒドラジド類の
使用が記載されている。
【0012】米国特許第 4,912,016号には、“核剤”と
して式:
【化2】 式中、Rはアルキル又はシクロアルキル基である、のア
リールヒドラジド類の使用が記載されている。
【0013】米国特許第 4,975,354号には、“包含され
たブースターズ”として機能するある種の第二又は第三
アミノ化合物の使用が記載されている。これらの化合物
はそれらの構造中に少くとも3個の繰り返しエチレンオ
キシ単位からなる基を含有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の引例
のものより優れた利点を示しかつ“包含されたブースタ
ーズ”と組み合せた状態で特に有用な、改良された“核
剤”を提供する目的に向けられている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、“核剤”とし
て極めて有利なある種のアリールスルホンアミドフェニ
ルヒドラジド類を、要素の少くとも1層中に含有する、
新規なハロゲン化銀写真要素を提供する。本発明に用い
られるアリールスルホンアミドフェニルヒドラジドは
式:
【化3】 式中、各Rは少くとも3個のエチレンオキシ繰り返し単
位からなる一価の基であり、nは1〜3であり、そして
1 は水素又はブロッキング基である、により表すこと
ができる。R1 により表されるブロッキング基は、例え
ば、
【化4】 式中、R2 はヒドロキシ又は炭素原子数1〜4個のヒド
ロキシ置換アルキル基であり、R3 は炭素原子数1〜4
個のアルキル基である、であってよい。
【0016】スルホンアミドフェニルヒドラジド“核
剤”の“バラスト”中に、少くとも3個のエチレンオキ
シ繰り返し単位からなる基を1個又はそれ以上使用する
と、予想外に、それらの固有活性を増加させ、それによ
り、効果的な核形成のために写真要素中に包含させる必
要があるモル濃度を低下させることが判明した。
【0017】本発明の実施においては、上記のヒドラジ
ドが写真要素に包含される。例えば、これを、写真要素
を形成する際に用いられるハロゲン化銀乳剤に包含させ
ることができる。或いは、ヒドラジドは、乳剤層以外の
写真要素の親水性コロイド層、好ましくは、ヒドラジド
の効果が望ましい乳剤層に隣接するように塗布される親
水性コロイド層中に存在させることができる。もちろ
ん、乳剤層及び親水性コロイド層、例えば、下塗り層、
中間層及びオーバーコート層の間に又は中に分布した状
態で写真要素中に存在させることもできる。
【0018】ヒドラジドは典型的には、銀1モル当り、
約10-4〜約10-1モルの濃度で、更に好ましくは銀1モル
当り約5×10-4〜約5×10-2モルの量、そして最も好ま
しくは、銀1モル当り約8×10-4〜約5×10-3モルの量
用いられる。
【0019】
【実施態様】ヒドラジドは、本発明においては、表面潜
像を形成することができる感放射線ハロゲン化銀粒子か
らなるネガティブ作動写真乳剤及びバインダーを組み合
せて用いられる。ハロゲン化銀乳剤としては、リソグラ
フィ写真要素を形成するのに従来用いられてきた高塩化
物乳剤、並びにより高い写真スピードを達成することが
できるものとして当該技術分野において認められている
臭化銀及び臭沃化銀乳剤が挙げられる。一般に、ハロゲ
ン化銀乳剤の沃化物含有量は、全ハロゲン化銀に基づい
て約10モル%未満の沃化銀である。
【0020】本発明乳剤に用いるのに適切なハロゲン化
銀粒子は、内部潜像形成タイプのものとは反対に、表面
潜像を形成することができる。表面潜像ハロゲン化銀粒
子は大部分のネガティブ作動性ハロゲン化銀乳剤に用い
られ、これに対して、内部潜像形成性ハロゲン化銀粒子
は、内部現像液中で現像すればネガ像を形成できるが、
通常は表面現像剤と共に用いられて直接ポジ画像を形成
する。表面潜像及び内部潜像ハロゲン化銀粒子の相違は
当該技術分野においては一般に十分に認識されている。
【0021】ハロゲン化銀粒子は、その乳剤がリス用途
に用いられる場合には、約0.7ミクロン以下、好ましく
は約0.4ミクロン以下の平均粒子サイズを有する。平均
粒子サイズは当業者によく理解されており、Mees及び J
ames, The Theory of the Photographic Process、第3
版、MacMillan 1966、第1章、36〜43頁に説明されてい
る。写真乳剤を塗布して、任意の慣用の銀被覆量の、写
真要素中の乳剤層を提供することができる。慣用の銀被
覆量は、平方メートル当り約0.5〜約10gの範囲内にな
る。
【0022】当該技術分野において一般に認識されてい
るように、比較的単分散の乳剤を用いることにより、高
コントラストを達成することができる。単分散乳剤は、
高比率のハロゲン化銀粒子が比較的狭いサイズ頻度分布
内に入いることにより特徴づけられる。定量的に云え
ば、単分散乳剤は、90重量%又は容量%のハロゲン化銀
粒子が平均粒子サイズのプラス又はマイナス40%内にあ
るものとして定義されている。
【0023】ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子に
加えて、バインダーを含有する。バインダーの比率は広
く変動することができるが、しかし典型的にはハロゲン
化銀1モル当り約20〜250 gの範囲内である。バインダ
ーが過剰だと最高濃度が減少することがあり、その結果
コントラストも低下するという効果がある。10以上のコ
ントラスト値のためには、バインダーはハロゲン化銀1
モル当り 250g以下の濃度で存在するのが好ましい。
【0024】乳剤のバインダーは親水性コロイドからな
ってよい。適切な親水性材料としては、天然物、例え
ば、たんぱく質、たんぱく質誘導体、セルロース誘導
体、例えば、セルロースエステル類、ゼラチン、例え
ば、アルカリ処理ゼラチン(豚の皮ゼラチン)、ゼラチ
ン誘導体、例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラ
チン等、ポリサッカライド、例えば、デキストラン、ア
ラビアゴム、ゼイン、カゼイン、ペクチン、コラーゲン
誘導体、コロジオン、寒天、クズウコン、アルブミン等
の両者が挙げられる。
【0025】親水性コロイドに加えて、乳剤バインダー
は場合により、水不溶性か又は僅かに溶解性である合成
ポリマー材料、例えば、ポリマーラテックスからなるこ
とができる。これらの材料は補充粒子解膠剤及びキャリ
アとして作用することができ、そしてそれらはまた写真
要素の寸法安定性を増加させることもできて有利であ
る。合成ポリマー材料は親水性コロイドとの重量比が
2:1まで存在させることができる。合成ポリマー材料
が約20〜80重量%のバインダーを構成するのが一般に好
ましい。
【0026】適切な合成ポリマー材料は、ポリ(ビニル
ラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアル
コール及びその誘導体、ポリビニルアセタール、アルキ
ル及びスルホアルキルアクリレート及びメタクリレート
のポリマー、加水分解化ポリビニルアセテート、ポリア
ミド、ポリビニルピリジン、アクリル酸ポリマー、マレ
イン酸無水物コポリマー、ポリアルキレン酸化物、メタ
クリルアミドコポリマー、ポリビニルオキサゾリジノ
ン、マレイン酸コポリマー、ビニルアミンコポリマー、
メタクリル酸コポリマー、アクリロイルオキシアルキル
スルホン酸コポリマー、スルホアルキルアクリルアミド
コポリマー、ポリアルキレンイミンコポリマー、ポリア
ミン、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレー
ト、ビニルイミダゾールコポリマー、ビニルスルフィド
コポリマー、ビニルスルフィドコポリマー、ハロゲン化
スチレンポリマー、アミンアクリルアミドポリマー、ポ
リペプチド等から選択することができる。
【0027】ハロゲン化銀乳剤の連続相を表わすのに、
用語“バインダー”を用いるが、当業者により普通用い
られる他の用語、例えば、キャリア又はビヒクルを代り
に用いることができる。乳剤との関連で記載されるバイ
ンダーは、本発明の写真要素の下塗り層、中間層及びオ
ーバーコート層を形成するのにも有用である。典型的に
は、バインダーは1種又はそれ以上の硬化剤、例えば、
Research Disclosure,Item 308119、 308巻、1989年12
月に記載されているようなもので硬化される。
【0028】ハロゲン化銀乳剤は、シアニン、メロシア
ニン、複合シアニン及びメロシアニン(すなわち、3核
型、4核型及び多核型シアニン及びメロシアニン)、オ
キソノール、ヘミオキソノール、スチリル、メロスチリ
ル及びストレプトシアニンを含むポリメチン色素クラス
をはじめとする各種クラス由来の色素を用いて分光増感
することができる。
【0029】置換基を適切に選ぶことにより、色素はカ
チオン性、アニオン性又は非イオン性になることができ
る。好ましい色素はカチオン性シアニン及びメロシアニ
ン色素である。シアニン及びメロシアニン色素を含有す
る乳剤は比較的高コントラストを示すことが認められて
いる。
【0030】かぶり防止剤及び安定剤を写真要素自身に
又は写真要素が処理される現像液に取り入れることによ
り、写真要素をかぶりに対して保護することができる。
この目的のために有用な慣用のかぶり防止剤及び安定剤
の例は、 Research Disclosure、 308巻、1989年12月、
Item 308119に開示されているものである。
【0031】ベンゾトリアゾールかぶり防止剤を写真要
素又は要素が処理される現像液のいずれかに用いること
により、かぶりの減少及びコントラストの増加の両者を
得ることができることが観察されている。ベンゾトリア
ゾールは写真要素の乳剤層又は任意の他の親水性コロイ
ド層に、銀1モル当り約10-4〜10-1、好ましくは10-3
3×10-2モルの濃度で入れることができる。ベンゾトリ
アゾールかぶり防止剤を現像液に添加する場合には、現
像液1リットル当り10-6〜約10-1、好ましくは3×10-5
〜3×10-2モルの濃度で用いる。
【0032】有用なベンゾトリアゾールは、慣用のベン
ゾトリアゾールかぶり防止剤から選ぶことができる。こ
れらとしてはベンゾトリアゾール(すなわち、非置換の
ベンゾトリアゾール化合物)、ハロ−置換ベンゾトリア
ゾール(例えば、5−クロロベンゾトリアゾール、4−
ブロモベンゾトリアゾール及び4−クロロベンゾトリア
ゾール)及びアルキル置換ベンゾトリアゾール(ここで
アルキル成分は1〜約12個の炭素原子を含み、例えば、
5−メチルベンゾトリアゾール)が挙げられる。
【0033】上記の写真乳剤層及び他の親水性コロイド
層の成分に加えて、比較的高いコントラスト画像を得る
ことと両立する他の慣用の要素添加物が存在できること
が理解される。例えば、添加物が、感度の安定化のため
に前記の写真要素及び乳剤に存在することができる。こ
のタイプの好ましい添加物としては、米国特許第 4,63
4,661号明細書に記載されているタイプのカルボキシア
ルキル置換3H−チアゾリン−2−チオン化合物が挙げ
られる。また、写真要素は現像剤(処理工程と関連して
後述する)、現像改質剤、可塑剤及び潤滑剤、塗布助
剤、静電防止材料、マット剤、蛍光増白剤及び着色材料
を含むことができる。
【0034】写真要素の層に取り込まれるヒドラジド化
合物、増感色素及び他の添加物は、この添加物の溶解性
次第で、塗布に先立って、水又は有機溶媒溶液のいずれ
かに溶解して添加することができる。添加物を溶解する
ために超音波を用いることができる。半透過性及びイオ
ン交換性膜を用いて添加物、例えば水溶性イオン(例え
ば、化学増感剤)を導入することができる。疎水性添加
物、特に、効果的であるためにはハロゲン化銀粒子表面
に吸着される必要がないもの、例えば、カプラー、レド
ックス色素放出剤等は、米国特許第 2,322,027号及び同
2,801,171号明細書に説明されているように、直接又は
高沸点(カプラー)溶媒に機械的に分散させることがで
き、又は疎水性添加物はラテックス中に投入しそして分
散させることができる。
【0035】写真要素を形成する際には、層を写真支持
体上に、含浸もしくは浸漬コーティング、ローラーコー
ティング、リバースロールコーティング、ドクターブレ
ードコーティング、グラビアコーティング、スプレーコ
ーティング、押出しコーティング、ビーズコーティン
グ、ストレッチフローコーティング及びカーテンコーテ
ィングを含む各種操作により塗布することができる。圧
力示差を用いる高速塗布は米国特許第 2,681,294号明細
書に説明されている。
【0036】写真要素の層は各種の支持体上に塗布する
ことができる。典型的な写真支持体としては、支持体表
面の接着性、静電防止性、寸法性、磨耗性、硬度、摩擦
性、ハレーション防止性及び/又は他の性質を高めるた
めの1種又はそれ以上の下塗り層を備えた、ポリマーフ
ィルム、木部繊維、例えば、紙、金属性シートもしくは
ホイル、ガラス及びセラミックスの支持体要素が挙げら
れる。
【0037】有用なポリマーフィルム支持体の代表例
は、硝酸セルロース及びセルロースエステル、例えば、
セルローストリアセテート及びジアセテート、ポリスチ
レン、ポリアミン類、塩化ビニルのホモポリマー及びコ
ポリマー、ポリ(ビニルアセタール)、ポリカーボネー
ト、オレフィン類のホモ及びコポリマー、例えば、ポリ
エチレン及びポリプロピレン、二塩基性芳香族カルボン
酸の二価アルコールとのポリエステル類、例えば、ポリ
(エチレンテレフタレート)のフィルムである。
【0038】有用な紙支持体の典型例は、部分的にアセ
チル化されているか又はバリタ(baryta)及び/又はポリ
オレフィン、特に炭素原子数2〜10個のα−オレフィン
のポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン及びプロピレンのコポリマー等を塗布したもの
である。
【0039】米国特許第 4,478,128号明細書に示されて
いるような、ポリオレフィン類、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン及びポリアロマー類、例えば、エチ
レンのプロピレンとのコポリマーが、米国特許第 3,41
1,908号及び同 3,630,740号各明細書に示されているよ
うに紙上に、米国特許第 3,630,742号明細書に示されて
いるようにポリスチレン及びポリエステル上に塗布する
樹脂として好ましく用いられ、又は米国特許第 3,973,9
63号明細書に示されているように、一体の可撓性反射支
持体として用いることができる。
【0040】好ましいセルロースエステル支持体は、米
国特許第 2,492,977号;同 2,492,978号及び第 2,739,0
69号に示されているようなセルローストリアセテート支
持体、並びに米国特許第 2,739,070号明細書に示されて
いるような、混合セルロースエステル支持体、例えば、
セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースア
セテートブチレートである。
【0041】好ましいポリエステルフィルム支持体は、
米国特許第 2,627,088号;同 2,720,503号;同 2,779,6
84号及び第 2,901,466号明細書に示されているような、
線状ポリエステルからなる。
【0042】写真要素は様々な形態のエネルギーを用い
て像様露光することができ、これらのエネルギーには電
磁スペクトルの紫外域、可視域(例えば、化学線)及び
赤外域並びに電子線及びβ放射線、γ線、X線、α粒
子、中性子放射線、及びレーザーにより発生するよう
な、非干渉性(ランダム相)型又は干渉性(相状態の)
型のいずれかの型の、他の型の微粒子性及び波様放射エ
ネルギーが含まれる。露光はモノクロマチック、オルソ
クロマチック又はパンクロマチックであってよい。高強
度又は低強度露光、連続又は断続露光、分の範囲の露光
時間からミリ秒〜マイクロ秒範囲の比較的短時間の露光
時間を含む、周囲の、高い又は低い温度及び/又は圧力
下での像様露光が、 T.H.James, TheTheory of the Pho
tographic Process、4版、 MacMillan、1977年、第
4,6,17,18及び23章に示されているように、慣用の
センシトメトリー技法により測定される有用な応答範囲
内で用いることができる。
【0043】露光後、媒体又は要素中に含まれた現像剤
の存在下で、水性のアルカリ性媒体とハロゲン化銀を組
み合せることにより、写真要素に含まれる感光性ハロゲ
ン化銀を処理して可視画像を形成することができる。極
めて高いコントラストの画像を得るために、リソグラフ
ィ写真要素と組み合せて従来用いられている特定の現像
液とは異って、上記写真要素は慣用の現像液で処理する
ことができることが本発明の著しい利点である。写真要
素が包含された現像剤を含有する場合には、要素は活性
剤の存在下で処理することができ、この活性剤はその組
成が現像液と同じであってよいが、しかし現像剤を含ま
ないものであることができる。極めて高コントラストの
画像は11〜12.3の範囲のpH値で得ることができるが、好
ましくは、より低いpH値、例えば、11未満、最も好まし
くは約9〜約10.8の範囲が、本明細書において述べるよ
うな写真記録材料と共に用いるのに好ましい。
【0044】現像液は典型的には水溶液であるが、有機
溶媒、例えば、ジエチレングリコールも有機成分の溶解
を容易にするために含めることもできる。現像液は慣用
の現像剤、例えば、ポリヒドロキシベンゼン、アミノフ
ェノール、p−フェニレンジアミン、アスコルビン酸、
ピラゾリドン、ピラゾロン、ピリミジン、ジチオナイ
ト、ヒドロキシルアミン又は他の慣用の現像剤の1種又
は組み合せたものを含む。ハイドロキノン及び3−ピラ
ゾリドン現像剤を組み合せて用いるのが好ましい。現像
液のpHはアルカリ金属水酸化物及び炭酸化物、ホウ砂並
びに他の塩基性塩を用いて調整することができる。現像
中のゼラチンの膨潤を減少させるために、硫酸ナトリウ
ムのような化合物を現像液中に入れることができる。ま
た、チオシアン酸ナトリウムのような化合物も粒状度を
低減させるために存在させることもできる。キレート剤
及び金属イオン封鎖剤、例えば、エチレンジアミン四酢
酸又はそのナトリウム塩を存在させることができる。一
般に、本発明の実施には、任意の慣用の現像液組成物を
用いることができる。具体的な写真現像液は、"Photogr
aphic Formulae" という表題の Handbook of Chemistry
and Physics、36版、3001頁以降及びEastman Kodak Co
mpany(1963年) から刊行されている Processing Chemic
als and Formulas、6版(それらの開示は引用すること
により本明細書に包含する)に開示されている。もちろ
ん、この写真要素は、米国特許第 3,573,914号及び英国
特許第 376,600号明細書に示されているように、リソグ
ラフィ写真要素用の慣用の現像液で処理することができ
る。
【0045】本発明の新規な写真要素はジヒドロキシベ
ンゼン現像剤を含有する現像組成物で処理するのが好ま
しい。主現像剤として機能するジヒドロキシベンゼンの
他に補助超加成性現像剤を含有する現像組成物で処理す
るのが更に好ましい。この補助超加成性現像剤が3−ピ
ラゾリドンであることが特に好ましい。
【0046】本明細書において先に述べたように、式I
のヒドラジドは“核剤”として本発明による写真要素中
に取り入れられる。このヒドラジドはその構造中に少く
とも3個のエチレンオキシ繰り返し単位、更に好ましく
は少くとも6〜50個のエチレンオキシ繰り返し単位から
なる基を含有する。かかる基の1個又はそれ以上を“バ
ラスト”に含めることができる。好ましくはこのヒドラ
ジドは、後に定義するものとして、少くとも3の“分配
係数”を有する。好ましくは、本写真要素はまた米国特
許第 4,975,354号(先に引用した)明細書に記載されて
いるような構造の“包含ブースター”も含む。
【0047】本発明の目的のために特に効果的な式Iの
ヒドラジド類の例としては次のものが挙げられる:
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】本発明のアリールスルホンアミドフェニル
ヒドラジドの合成は、ヒドラジドI−8については次の
合成により説明する:
【0052】テトラエチレングリコールモノペンチルエ
ーテルの合成 テトラエチレングリコール(1087g、5.60モル)を 100
℃で30分間攪拌し及び激しくN2 を吹きこみながら加熱
し、次いで60℃まで冷却した。50% NaOH 溶液(61.6
g、0.77モル)を添加し、得られた溶液を 100〜105 ℃
で30分間N2 を吹き込みながら加熱した。この溶液を60
℃まで冷却し、ブロモペンタン(106g、0.70モル) を添
加し、次いで反応物を 100〜110 ℃で24時間加熱した。
反応溶液を冷却し、氷水に添加し次いで塩化メチレンで
2回抽出した。合せた抽出物を10%NaOH 、水及びブラ
インで洗浄し;乾燥し次いで溶媒を真空除去した。生成
物(143g、78%) は淡黄色オイルであった。
【0053】ペンチルオキシテトラエチレンオキシメタ
ンスルホネートの合成 テトラエチレングリコールモノペンチルエーテル(52.9
g、0.20モル)、4−ジメチルアミノピリジン(1.2
g、0.01モル)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン
(41.9mL、0.24モル)、及び塩化メチレン(400mL) の溶
液を氷浴中で0℃まで冷却した。メタンスルホニルクロ
ライド(18.6mL、0.24モル)を0℃で30分間かけて添加
し次いで反応物を室温で4時間攪拌した。反応混合物
を、濃HCl 10mLを含む氷水に添加し、有機層を分離して
水層を塩化メチレンで抽出した。合せた抽出物を10% N
aOH 、水及びブラインで洗浄し;乾燥し、木炭で処理
し、次いで薄いシリカゲルパッドを介して濾過した。溶
媒を真空除去したところ残留生成物(62.6g、91%)は
黄色オイルであった。
【0054】1,2−DI((テトラエチレンオキシ) ペ
ンチルオキシ)ベンゼンの合成 カテコール(6.06g、 0.055モル)、ペンチルオキシテ
トラエチレンオキシメタンスルホネート(34.3g、 0.1
00モル)、無水K2CO3(20.7g、0.15モル) 及び乾燥N,
N−ジメチルホルムアミド(300mL) の混合物を75〜85℃
で20時間加熱した。反応混合物を冷却し、氷水に添加し
そして塩化メチレンで抽出した。有機性抽出物を合せ、
水及びブラインで洗浄し;乾燥し、次いで溶媒を真空除
去した。生成物(24.3g、81%)は淡黄色オイルであっ
た。
【0055】3,4−DI((テトラエチレンオキシ) ペ
ンチルオキシ)ベンゼンスルホニルクロライドの合成 乾燥塩化メチレン(200mL) 中の1,2−ジ−((テトラエ
チレンオキシ) ペンチルオキシ)ベンゼン(21.7g、
0.036モル)の溶液に、クロロスルホン酸(2.8mL、 0.
432モル)を20分間かけて添加し、次いで反応溶液を室
温で24時間攪拌した。溶媒を真空除去したところ残渣は
紫色の粘稠なオイルであった。このオイルを乾燥N,N
−ジメチルホルムアミド20mLに再溶解した(溶液A)。
【0056】乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(22m
L)にオキシ塩化燐(8.3mL、 0.090モル)を30〜35℃
で15分間かけて添加し、反応溶液を室温で30分間攪拌
し、氷浴中で0℃まで冷却した(溶液B)。溶液Aを30
分間かけて添加し次いで得られた溶液を0℃で18時間放
置した。氷浴を除去し次いで反応物を室温で2時間攪拌
した。反応溶液を氷水に添加し、塩化メチレンで抽出し
た。有機抽出物を合せ、水及びブラインで洗浄し、乾燥
し、木炭で処理し、次いで薄いシリカゲルパッドを介し
て濾過した。溶媒を真空除去したところ残留生成物(1
7.9g、71%)は黄色オイルであった。
【0057】化合物I−8の合成 1−ホルミル−2−(4−ニトロフェニル)ヒドラジド
(4.63g、0.0255モル)、乾燥N,N−ジメチルアセト
アミド(40mL)及び10%パラジウム担持チヤコール触媒
の混合物を 50psiで40分間かけて水素化して対応するア
ミンとした。反応混合物を乾燥し、濾過し、次いで3,
4−ジ−((テトラエチレンオキシ) ペンチルオキシ)−
ベンゼンスルホニルクロライド(17.9g、0.0255モル)
及び乾燥ジメチルアセトアミド(20mL)の溶液に添加し
た。反応溶液を氷浴中で0℃まで冷却し、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン(4.5mL、0.0255モル)を添加
し、次いで反応物を0℃で30分間、室温で18時間攪拌し
た。反応物を氷水に添加し次いで塩化メチレンで抽出し
た。有機抽出物を合せ、水、ブラインで洗浄し、乾燥
し、そして溶媒を真空除去した。残留オイルをシリカゲ
ルを用いるクロマトグラフィにより精製したところ生成
物(6.8g、36%)は緑色の半固体であった。
【0058】
【実施例】本発明をその実施についての次の例により更
に説明する。
【0059】これらの例において用いられる、用語“分
配係数”は、等式: 前記式中、Xは核剤の濃度である、により定義される、
n−オクタノール/水系についての核剤の log P値を指
す。分配係数は水相と有機相間での化合物の分配能の目
安であり、A.Leo, P.Y.C.Jow, C.Silipo及びC.Hansch,
Journal of Medicinal Chemistry、第18巻9号、 865〜
868 頁、1975年に記載されている方法で算出する。 log
Pの算出は MedChemソフトウェア、バージョン3.52、 P
omona College, Claremont, Californiaを用いて行うこ
とができる。 log P値が高ければ高い程、その化合物は
より疎水性である。
【0060】次の例において用いた各コーティングは、
単分散の0.24μm AgBrI (2.5モル%沃化物)イリジウ
ム−ドーピング乳剤を、3.51g/m2 Ag、2.54gゲル/
2 及び1.08gラテックス/m2(ラテックスはメチルア
クリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、及び2−アセトアセトキシエチルメチルア
クリレートのコポリマーである) で用いて、ポリエステ
ル支持体上に調製した。ハロゲン化銀乳剤は 214mg/Ag
モルの無水5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′
−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンヒ
ドロキシド、トリエチレン塩で分光増感し、そして乳剤
層をポリメチルメタクリレートビーズを含有するゼラチ
ンを用いてオーバーコーティングした。核剤をメタノー
ル溶液として乳剤溶融物に、以下に示すように銀1モル
当りミリモル(mM)のレベルで添加した。“包含ブース
ター”をメタノール溶液として写真要素の平方メートル
当り64.6ミリグラムの量添加した。“包含ブースター”
として用いた化合物は、式:
【0061】
【化8】 式中、Pr はn−プロピルを表す、により表される。コ
ーティングしたものを5秒間、3000°Kタングステン光
源に露光し、次いで1分間35℃で現像液で処理した。
【0062】現像液を調製するために、次の成分から濃
縮物を調製した: メタ重亜硫酸ナトリウム 145g 45%水酸化カリウム 178g ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩(40%溶液) 15g 臭化ナトリウム 12g ハイドロキノン 65g 1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン 2.9g ベンゾトリアゾール 0.4g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.05g 50%水酸化ナトリウム 46g ホウ酸 6.9g ジエチレングリコール 120g 47%炭酸カリウム 120g 1リットルにするための水。
【0063】この濃縮物を、水2部に対して濃縮物1部
の比で希釈して、pH10.5の使用強度の現像液を調製し
た。
【0064】次の表においては、核剤は次の一般式(式
中、Ar は表中に示した構造を有する)のものである:
【化9】
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】第I表のデータにより示されているよう
に、試験した4種の核剤は、 log P値により示されるよ
うに、それらのオイル/水分配性が極めて近接してい
た。本発明の範囲外である、試験1及び2において用い
た核剤は、1989年9月20日発行のヨーロッパ特許公報第
0 333 435号明細書に記載されている。試験3及び4に
おいて用いた核剤は、これも本発明の範囲外であるが、
“バラスト”の置換基として僅か2個のエチレンオキシ
繰り返し単位からなる基を有する。試験5及び6で用い
た核剤(ヒドラジドI−8)並びに試験7及び8で用い
た核剤(ヒドラジドI−4)の両者は本発明の範囲内に
ある。前者は各々4個のエチレンオキシ繰り返し単位か
らなる基を2個含み、後者は約9個のエチレンオキシ繰
り返し単位からなる基を含む。
【0069】4種の核剤のすべてはリス様のコントラス
トを与え、かつ上部スケール濃度を高めるものである。
試験5及び6で用いた核剤並びに試験7及び8で用いた
核剤は、低スケール活性(スピード)について良好な効
果を示し、この良好な効果は、置換基中のエチレンオキ
シ単位の数が増すにつれてより大きくなった。試験7を
試験2と比較すると、核剤のモル濃度は試験2で用いた
ものの半分であるのに、試験7においては幾分より高い
スピードが得られたことがわかる。この極めて望ましい
結果は、核剤の固有活性が少くとも3個のエチレンオキ
シ繰り返し単位からなる基が少くとも1個バラスト中に
存在することにより増加するために得られる。
【0070】
【発明の効果】本発明の新規な写真要素は高スピード及
び高コントラストの両者を与え、それと共に優れたドッ
ト品質及び低いペパー(pepper)かぶりをも与えるもので
ある。写真要素に包含されたヒドラジド核剤は高い固有
活性を有し、そのために低モル濃度で使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−8834(JP,A) 特開 昭63−10159(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/06 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性現像水溶液で現像すると高コ
    ントラスト画像を形成するように適合されたハロゲン化
    銀写真要素であって、前記要素が核剤として、アリール
    スルホンアミドフェニルヒドラジドを含んでなる層を少
    くとも1層含むものであり;前記アリールスルホンアミ
    ドフェニルヒドラジドが式: 【化1】 式中、各Rは少くとも3個のエチレンオキシ繰り返し単
    位からなる一価の基であり、nは1〜3であり、及びR
    1 は水素又はブロッキング基である、により表されるこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真要素。
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