JP2984728B2 - 場所打ちコンクリート杭の施工法 - Google Patents

場所打ちコンクリート杭の施工法

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JP2984728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、場所打ちコンクリ
ート杭の施工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】場所打ちコンクリート杭は周知のよう
に、掘削孔内に鉄筋カゴをセットし、コンクリートを打
設して形成するものであるが、この場所打ちコンクリー
ト杭を引張り抵抗材として使用する場合や、地震時等に
作用する引張り力によるコンクリートのひび割れを防止
するために、杭体中にPC鋼より線等の引張り材を埋込
みこれに引張り力を与えて、コンクリート杭に予め圧縮
力(プレストレス)を与えるようにすることがある。
【0003】前記引張り材は通常PC鋼より線を1本ま
たは複数本束ねたもので、鉄筋のように簡単に接合する
ことはできないので、必要な長さのものを地上で組み立
て、コンクリート打設に先立ち、鉄筋カゴを掘削孔に挿
入する際に、鉄筋カゴに固定してシース管も挿入し、コ
ンクリート打設後にシース管内に引張り材を挿入し、こ
れを緊張させ、コンクリートに圧縮力(プレストレス)
を与える。
【0004】このように、鉄筋カゴ建込み時には、接合
が容易なシース管だけを地上から掘削した杭孔に埋め込
んでおき、コンクリート打設後にシース管内に引張り材
を挿入して、その後、モルタル等の固結材をシース管内
に注入して杭体コンクリートと引張り材を一体化してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】地下室などの地下躯体
が構築される場合は、地上面よりも下方に基礎面が位置
し、杭は掘削孔の全長に対して基礎面から下方の部分だ
けが実長となり、コンクリートも掘削孔の内部の下方部
分の杭実長に相当する深さにのみ打設され、その上の部
分の掘削孔内部の空打ち部は砂等で埋め戻される。
【0006】このため、従来のようにコンクリート打設
後に地上からシース管内に引張り材を挿入すると、引張
り材は空打ち部の部分にも配設され、杭の実長よりも上
方の部分の地上まで延びることになり、また、引張り材
の施工は地上からのものとなって施工性がよくなく、こ
れを解消するためにはシース管を地上まで延長すればよ
いが、これは前記した引張り材の場合と同様に空打ち部
の部分にまで配設することになる。そして、この引張り
材の施工は杭工事中の作業となり、工事が煩雑となる。
【0007】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、地下室などの地下躯体が構築される場合に、引張り
材の施工が容易、かつ確実に行え、杭工事中の引張り材
の施工がなくなり工事の煩雑性をなくすことができ、施
工性のよい場所打ちコンクリート杭の施工法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、地下躯体が構築される場合で、地上から掘削
した杭孔内の下方部で地下躯体の基礎部となる部分にの
みシース管を取り付けた鉄筋カゴを建込み、杭孔内の基
礎部となる部分にコンクリートを打設した後、前記杭孔
の空打ち部分を砂等で埋め戻し、地下躯体施工のための
地下掘削を行って杭頭を露出し、シース管内に引張り材
を挿入し、固結材によって定着してから緊張することを
要旨とするものである。
【0009】請求項1記載の本発明によれば、地下躯体
が構築される場合、杭孔内の基礎部となる部分にのみシ
ース管を取り付けた鉄筋カゴを建て込み、この部分にコ
ンクリートを打設し、地下掘削を行って杭頭を基礎面に
露出させてから、シース管内に引張り材を挿入するか
ら、杭孔内の空打ち部に引張り材が配設されることな
く、無駄が生じない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明の場所打ちコン
クリート杭の施工方法の第1工程を示す縦断正面図で、
地下室等の地下躯体を構築する場合に実施されるもので
ある。まず、掘削孔1に鉄筋カゴ2を挿入する時、鋼製
のシース管3もこれをジョイントしながら鉄筋カゴ2に
固定して一緒に挿入する。
【0011】この場合、地下躯体が構築されるため、鉄
筋カゴ2とシース管3は掘削孔1内の下方部の基礎部と
なる部分に建込み、次に図2のように鉄筋カゴ2とシー
ス管3を建て込んだ基礎部の部分にコンクリート4を打
設し、掘削孔1内の上方部の空打ち部5は砂6などで埋
め戻す(図3参照)。
【0012】次に図4に示すように地下躯体の基礎面7
まで地下掘削を行い、コンクリート杭8の杭頭部8aを
基礎面7から上方に突出させ、さらに図5に示すように
杭頭部8aの余盛りコンクリートをハツリ取り、シース
管3と鉄筋カゴ2を露出させる。
【0013】こうして基礎面7から突出したシース管3
にPC鋼より線などによる引張り材9を挿入し、シース
管3の先端にモルタル等の固結材10を注入して引張り材
9の先端をシース管3の先端に固定する。なお、必要に
応じ、引張り材9の先端に厚板状の定着体を取り付け
る。
【0014】次にマットスラブ等の地下躯体11をコンク
リート杭8の上に構築する。このとき、引張り材9を地
下躯体11の上部に突出させ、端部をジャッキ等で引っ張
りこれを緊張させて、コンクリート杭8にプレストレス
を導入する。
【0015】なお、引張り材9の配設および緊張の施工
は、地下躯体11の構築後でもよい。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明の場所打ちコン
クリート杭の施工法は、地下室などの地下躯体が構築さ
れる場合に、引張り材の施工が容易、かつ確実に行え、
杭工事中の引張り材の施工がなくなり工事の煩雑性をな
くすことができ、施工性のよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の場所打ちコンクリート杭の施工法の実
施形態を示す第1工程の縦断正面図である。
【図2】本発明の場所打ちコンクリート杭の施工法の実
施形態を示す第2工程の縦断正面図である。
【図3】本発明の場所打ちコンクリート杭の施工法の実
施形態を示す第3工程の縦断正面図である。
【図4】本発明の場所打ちコンクリート杭の施工法の実
施形態を示す第4工程の縦断正面図である。
【図5】本発明の場所打ちコンクリート杭の施工法の実
施形態を示す第5工程の縦断正面図である。
【図6】本発明の場所打ちコンクリート杭の施工法の実
施形態を示す第6工程の縦断正面図である。
【図7】本発明の場所打ちコンクリート杭の施工法の実
施形態を示す第7工程の縦断正面図である。
【符号の説明】
1…掘削孔 2…鉄筋カゴ 3…シース管 4…コンクリート 5…空打ち部 6…砂 7…基礎面 8…コンクリート杭 8a…杭頭部 9…引張り材 10…固結材 11…地下躯体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下躯体が構築される場合で、地上から
    掘削した杭孔内の下方部で地下躯体の基礎部となる部分
    にのみシース管を取り付けた鉄筋カゴを建込み、杭孔内
    の基礎部となる部分にコンクリートを打設した後、前記
    杭孔の空打ち部分を砂等で埋め戻し、地下躯体施工のた
    めの地下掘削を行って杭頭を露出し、シース管内に引張
    り材を挿入し、固結材によって定着してから緊張するこ
    とを特徴とする場所打ちコンクリート杭の施工法。
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CN114016498B (zh) * 2021-11-15 2023-11-03 中国建筑第四工程局有限公司 一种防止填海区超长空孔灌注桩串孔的施工方法

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