JP2973902B2 - 乗員保護装置の起動制御装置 - Google Patents

乗員保護装置の起動制御装置

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JP2973902B2 JP7313623A JP31362395A JP2973902B2 JP 2973902 B2 JP2973902 B2 JP 2973902B2 JP 7313623 A JP7313623 A JP 7313623A JP 31362395 A JP31362395 A JP 31362395A JP 2973902 B2 JP2973902 B2 JP 2973902B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両が衝突した際
に車両内の乗員を保護するエアバッグ装置などの乗員保
護装置に係わり、特に、このような乗員保護装置の起動
を制御するための起動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗員保護装置の起動を制御する装置とし
ては、例えば、エアバッグ装置におけるスクイブの点火
を制御する装置などがある。エアバッグ装置では、イン
フレータ内においてスクイブによりガス発生剤に点火し
て、インフレータよりガスを発生させ、そのガスによっ
てバッグを膨らませて、乗員を保護している。
【0003】このようなエアバッグ装置のスクイブの点
火を制御する装置では、通常、車両に作用する加速度を
検出し、その検出された加速度を基にしてスクイブの点
火制御を行なっている。ここで、車両が衝突した際に車
両に作用する加速度は、必ずしも車両の前後方向成分の
みからなるものではなく、車両の左右方向成分も含まれ
る場合もあるので、車両の前後方向に作用する加速度だ
けでなく、車両の左右方向に作用する加速度も検出し、
その両者に基づいてスクイブの点火制御を行なうことが
より有効である。
【0004】そこで、従来では、例えば、特開平6−5
6000号公報において、車両の前後方向と左右方向の
各々の加速度に基づいてスクイブの点火制御を行なう起
動制御装置が提案されている。
【0005】即ち、この既提案例では、車両の前後方向
の加速度を検出する前後Gセンサと車両の左右方向の加
速度を検出する左右Gセンサとをそれぞれ備えて、ま
ず、検出された前後方向の加速度を基にして前後方向
(X方向)に係る演算値fxを求めると共に、左右方向
の加速度を基にして左右方向(Y方向)に係る演算値f
yを求める。次に、それら演算値による合成ベクトルF
を導き出して、その合成ベクトルFの大きさfと方向θ
とを下記の式(1),(2)により求める。但し、方向
θは車両の前方方向を0゜とした場合の角度によって表
される。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】さらに、その大きさfと、そのθ方向に応
じた閾値fTh(θ)とを比較して、fがfTh(θ)より
大きい場合にスクイブによる点火を行なう。
【0009】このような既提案例によれば、車両に作用
する加速度の大きさに加え、その作用した方向をも考慮
した上で、スクイブの点火制御、即ち、エアバッグ装置
の起動制御を行なうことができるため、車両に加わる加
速度の方向に関わらず、常に適切な起動制御を行なうこ
とができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た既提案例においては、車両に何らかの加速度が作用す
る度に、上記した式(1),(2)に従って合成ベクト
ルFの大きさfと方向θとを求めることになるが、かか
る演算には二乗,平方根,除算及びアークタンジェント
などの複雑な計算が含まれるため、合成ベクトルFの大
きさfと方向θとを求めるためには複雑な演算処理を実
行する必要があった。また、式(2)においてはfy/
fxなる除算が含まれるため、fxがゼロに近い場合
(fx≒0)にはθの値が発散してしまい、方向θが求
められないという問題もあった。
【0011】さらに、スクイブによる点火を行なうか否
かを判定するには、方向θに応じた閾値fTh(θ)も求
めなければならないが、それを求めるためには適当な演
算式を設定して、複雑な演算処理を実行する必要があっ
た。
【0012】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題点を解決し、比較的簡単な演算処理で済む乗員
保護装置の起動制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、第1の
発明は、車両に搭載された乗員保護装置を起動するため
の起動制御装置であって、前記車両に作用する互いに方
向の異なる第1及び第2の方向の加速度をそれぞれ検出
する加速度検出手段と、検出された前記第1の方向の加
速度を基にして所定の演算により第1の演算値を求める
第1の演算手段と、検出された前記第2の方向の加速度
を基にして所定の演算により第2の演算値を求める第2
の演算手段と、前記第1の演算値に基づく前記第1の方
向に沿った第1のベクトルと、前記第2の演算値に基づ
く前記第2の方向に沿った第2のベクトルと、をそれぞ
れ得て、前記第1及び第2のベクトルを含む平面内の所
定の方向である射影方向に対する前記第1及び第2のベ
クトルの射影成分をそれぞれ導き出し、導き出した各射
影成分を加算する射影成分導出手段と、加算して得られ
た前記射影成分の和に基づいて前記乗員保護装置を起動
する起動手段と、を備えることを要旨とする。
【0014】このように、第1の発明では、加速度検出
手段が、車両に作用する第1及び第2の方向の加速度を
それぞれ検出する。第1及び第2の演算手段は、それぞ
れ、検出された第1または第2の方向の加速度を基にし
て所定の演算により第1または第2の演算値を求める。
【0015】射影成分導出手段は、第1の演算値に基づ
く第1の方向に沿った第1のベクトルと、第2の演算値
に基づく第2の方向に沿った第2のベクトルの、所定の
方向に対する射影成分をそれぞれ導き出し、導き出した
各射影成分を加算する。このようして得られる射影成分
の和は、第1及び第2のベクトルを合成して成る合成ベ
クトルの、前記射影方向に対する射影成分を表すことに
なる。起動手段は、加算して得られた射影成分の和が所
定の閾値を超えたときに乗員保護装置を起動する。
【0016】なお、第1の発明において、和に基づいて
起動を行なうとは、例えば、和が所定の閾値を超えたと
きに起動することを意味し、この「閾値を超えたとき」
とは、超えた瞬間だけでなく、超えた瞬間から所定時間
経過した後の時点も含まれる。このことは、次の第2の
発明においても同様である。
【0017】従って、第1の発明によれば、予め適当な
方向を設定した上で、その方向に対する合成ベクトル
(第1及び第2のベクトルを合成して成る合成ベクト
ル)の射影成分を導き出し、その射影成分とその方向に
ついての閾値とを比較して、乗員保護装置を起動するか
否かを判定するようにしている。従って、方向は予め決
まっているので、その方向についての閾値も予め定めて
おくことができ、閾値を求めるために複雑な演算処理を
実行しなくて済む。
【0018】また、第1の発明によれば、前記合成ベク
トルの射影成分を求める際に、第1のベクトルの射影成
分と第2のベクトルの射影成分との和として求めてお
り、予め、前記合成ベクトルの大きさと方向を求めなく
ても良いため、複雑な演算処理を実行しなくて済む。ま
た、演算に除算が含まれないため、求める値が発散する
こともない。
【0019】また、第1の発明の起動制御装置におい
て、前記射影成分導出手段は、前記射影方向を複数用意
して、各射影方向毎に、それぞれ、前記第1及び第2の
ベクトルの射影成分を導き出して加算すると共に、前記
起動手段は、各射影方向毎に加算して得られた前記射影
成分の和の何れかに基づいて前記乗員保護装置を起動す
ることが好ましい。
【0020】このように、射影方向を複数用意して、各
射影方向毎に射影成分の和を求めることにより、車両に
作用する様々な方向の外力に応じても適切な起動が可能
となる。なお、車両に作用する様々な方向の外力に応じ
て、車両内に設けられた複数の乗員保護装置を選択的に
起動することも可能となる。
【0021】また、第1の発明の起動制御装置におい
て、前記第1の演算手段、第2の演算手段あるいは射影
成分導出手段のうち、少なくとも一つの手段は、前記第
1の演算値と第2の演算値との比を変更する手段を含む
ことが好ましい。
【0022】例えば、加速度検出手段によって検出され
る第2の方向の加速度が第1の方向の加速度に比べ常時
小さい場合であっても、第2の演算手段が、第1の演算
値と第2の演算値との比を変更する手段として、「1」
より大きい係数を掛けるような手段を含むならば、第2
の演算値は第1の演算値よりも重み付けられることにな
るため、第2の方向の加速度も乗員保護装置の起動制御
に十分反映させることができる。
【0023】第2の発明は、車両に搭載された乗員保護
装置を起動するための起動制御装置であって、前記車両
に作用する互いに方向の異なる第1,第2及び第3の方
向の加速度をそれぞれ検出する加速度検出手段と、検出
された前記第1の方向の加速度を基にして所定の演算に
より第1の演算値を求める第1の演算手段と、検出され
た前記第2の方向の加速度を基にして所定の演算により
第2の演算値を求める第2の演算手段と、検出された前
記第3の方向の加速度を基にして所定の演算により第3
の演算値を求める第3の演算手段と、前記第1の演算値
に基づく前記第1の方向に沿った第1のベクトルと、前
記第2の演算値に基づく前記第2の方向に沿った第2の
ベクトルと、をそれぞれ得て、前記第1及び第2のベク
トルを含む平面内の所定の方向である第1の射影方向に
対する前記第1及び第2のベクトルの射影成分をそれぞ
れ導き出し、導き出した各射影成分を加算して、第4の
演算値を得る第1の射影成分導出手段と、前記第3の演
算値に基づく前記第3の方向に沿った第3のベクトル
と、前記第4の演算値に基づく前記第1の射影方向に沿
った第4のベクトルと、をそれぞれ得て、前記第3及び
第4のベクトルを含む平面内の所定の方向である第2の
射影方向に対する前記第3及び第4のベクトルの射影成
分をそれぞれ導き出し、導き出した各射影成分を加算す
る第2の射影成分導出手段と、加算して得られた前記射
影成分の和に基づいて前記乗員保護装置を起動する起動
手段と、を備えることを要旨とする。
【0024】このように、第2の発明では、加速度検出
手段が、車両に作用する第1,第2及び第3の方向の加
速度をそれぞれ検出する。第1,第2及び第3の演算手
段は、それぞれ、検出された第1,第2または第3の方
向の加速度を基にして所定の演算により第1,第2また
は第3の演算値を求める。
【0025】第1の射影成分導出手段は、第1の演算値
に基づく第1の方向に沿った第1のベクトルと、第2の
演算値に基づく第2の方向に沿った第2のベクトルの、
所定の方向である第1の射影方向に対する射影成分をそ
れぞれ導き出し、導き出した各射影成分を加算して、第
4の演算値を得る。第2の射影成分導出手段は、第3の
演算値に基づく第3の方向に沿った第3のベクトルと、
第4の演算値に基づく上記の射影方向に沿った第4のベ
クトルの、別の所定の方向である第2の射影方向に対す
る射影成分をそれぞれ導き出し、導き出した各射影成分
を加算する。このようにして得られる射影成分の和は、
第3及び第4のベクトルを合成して成る合成ベクトル
の、第2の射影方向に対する射影成分を表すことにな
る。なお、第3及び第4のベクトルを合成して成る合成
ベクトルの大きさは、第1,第2及び第3のベクトルを
合成して成る合成ベクトルの、前記第3及び第4のベク
トルを含む平面に対する射影成分に一致する。起動手段
は、加算して得られた射影成分の和に基づいて乗員保護
装置を起動する。
【0026】従って、第3の発明によれば、3方向の加
速度に基づいて乗員保護装置の起動制御を行なっている
ので、より精度の良く起動制御を行なうことができる。
また、第1〜第3の演算値による3次元の合成ベクトル
の大きさや方向を求める必要がないため、複雑な演算処
理を実行することなく、3次元の情報に基づいた起動制
御を行なうことができる。
【0027】また、第2の発明の起動制御装置におい
て、前記第1の射影成分導出手段は、前記第1の射影方
向を複数用意して、各射影方向毎に、それぞれ、前記第
1及び第2のベクトルの射影成分を導き出し加算して第
4の演算値を得、前記第2の射影成分導出手段は、前記
第2の射影方向を複数用意して、各射影方向毎に、それ
ぞれ、前記第3及び第4のベクトルの射影成分を導き出
して加算すると共に、前記起動手段は、各射影方向毎に
加算して得られた前記射影成分の和の何れかに基づいて
前記乗員保護装置を起動することが望ましい。
【0028】このように、第1及び第2の射影方向をそ
れぞれ複数用意して、各射影方向に射影成分の和を求め
ることにより、車両に作用する外力の方向を3次元的に
把握することができる。従って、外力の作用する方向に
応じて、複数の乗員保護装置を選択的に起動することも
できるため、より細かな起動制御を行なうことが可能と
なる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例と
してのエアバッグ装置の起動制御装置を示すブロック
図、図2は車両に搭載されるエアバッグ装置と起動制御
装置のそれぞれの配置を示す概略図である。
【0030】図2に示すように、車両70には、複数の
エアバッグ装置60〜66と、それらの起動を制御する
起動制御装置と、が搭載されている。エアバッグ装置6
0〜66は何れもバッグとインフレータとを備えてお
り、それぞれ、運転席または助手席の近傍に配置されて
いる。即ち、運転席の前方には、ステアリングホイール
中央のパッド内にエアバッグ装置60が、運転席の側方
には、ドアインナパネル内にエアバッグ装置62が、そ
れぞれ配設され、また、助手席の前方には、インストル
メントパネル内にエアバッグ装置64が、助手席の側方
には、ドアインナパネル内にエアバッグ装置66が、そ
れぞれ、配設されている。
【0031】また、起動制御装置は、制御回路(EC
U)20とGセンサ22,24とを備えており、車体の
ほぼ中央に位置するセンタコンソールの下部に配設され
ている。このうち、Gセンサとしては、図1に示すよう
に、車両の前後方向(X方向)に作用する加速度を検出
するための前後Gセンサ22と、車両の左右方向(Y方
向、即ち、X方向と異なる方向)に作用する加速度を検
出するための左右Gセンサ24を備えている。また、制
御回路20は、アナログ/ディジタル変換器(A/D変
換器)26,28と中央処理装置(CPU)30を備え
ている。そして、前後Gセンサ22はA/D変換器26
を介して、左右Gセンサ24はA/D変換器28を介し
て、それぞれCPU30に接続されている。
【0032】前後Gセンサ22で検出された前後方向の
加速度Gxはアナログ信号としてA/D変換器26に入
力され、そこでディジタル信号に変換されて、CPU3
0に入力される。また同様に、左右Gセンサ24で検出
された左右方向の加速度Gyもアナログ信号としてA/
D変換器28に入力されて、そこでディジタル信号に変
換され、CPU30に入力される。CPU30は、RO
Mなど(図示せず)に記憶されたプログラムなどに従っ
て、後述するように、入力された加速度Gx,Gyを基
づいてエアバッグ装置60〜66に対する起動制御の各
種処理動作を行ない、エアバッグ装置60〜66を起動
する際には起動信号を出力する。
【0033】また、CPU30は、エアバッグ装置60
〜66の駆動回路の一部を構成するスイッチング素子3
2〜38を介して、エアバッグ装置60〜66のインフ
レータ内に配設されるスクイブ40〜46に接続され
る。ここで、スクイブ40〜46は前述したようにイン
フレータ内のガス発生剤に点火するための点火手段であ
る。
【0034】各スクイブ40〜46はセーフィングセン
サ48〜54を介して電源に接続されている。ここで、
セーフィングセンサ48〜54は、例えば、バネと慣性
体とを組み合わせてなる機械式のセンサであり、車両7
0に所定値を超える減速度が作用した際に接点が閉じる
ように構成されている。
【0035】従って、セーフィングセンサ48〜54の
接点が閉じる程度の減速度が車両70に作用している場
合に、CPU30から前述したように起動信号が出力さ
れると、スイッチング素子32〜38がオン状態となっ
て、スクイブ40〜46に所定の電流が流れる。これに
より、スクイブ40〜46はガス発生剤に点火して、イ
ンフレータよりガスが発生し、そのガスによってバッグ
が膨張する。
【0036】なお、エアバッグ装置60〜66の駆動回
路中にセーフィングセンサ48〜54が組み込まれてい
るのは、機械式のセンサを導入することによって、電気
回路系の誤動作などによってエアバッグ装置60〜66
が誤作動しないようにするためである。
【0037】では、本実施例における起動制御について
説明する。図3は図1のCPU30において実行される
処理動作の流れを示すフローチャートである。この処理
ルーチンが開始されると、まず、加速度Gx,Gyを入
力する処理を行なう(ステップS20)。即ち、CPU
30が、前後Gセンサ22によって検出された前後方向
の加速度Gxと、左右Gセンサ24によって検出された
左右方向の加速度Gyを読み込む。
【0038】次に、検出された前後方向の加速度Gxを
基にして所定の演算により演算値fxを求め、左右方向
の加速度Gyを基にして所定の演算により演算値fyを
求める処理を行なう(ステップS22)。エアバッグ装
置60〜66を起動させるか否かを判定する際に基礎と
する値は、車両に作用する加速度Gx,Gyそのもので
あっても良いが、別にこれに限るものではない。即ち、
実質的に加速度Gx,Gyが反映された値であれば、如
何なる値を用いても適切な処理を行なうことができる。
例えば、図4に示すように、加速度Gx,Gyを積分し
て得られる値Vx,Vyや、2階積分して得られる値S
x,Syや、さらにn階積分して得られる値などを起動
判定の基礎としても良い。このような加速度Gx,Gy
を基にして所定の演算を施すことにより得られる演算値
fx,fyは、加速度Gx,Gyが反映された値と言え
る。そこで、このステップでは、そのような加速度G
x,Gyの反映された値fx,fyを演算によって求め
ている。なお、加速度Gx,Gyそのものを演算値f
x,fyとして得る場合は、演算として、加速度Gx,
Gyに係数「1」を掛ける乗算を行なうものと考えれば
よい。
【0039】次に、演算値fxに基づくベクトルと演算
値fyに基づくベクトルを方向αに射影してそれら射影
成分の和fαを求める処理を行なう(ステップS2
4)。この処理について説明する前に、前述した既提案
例と本発明との処理の相違について説明する。
【0040】既提案例では、図5に示すように、まず、
演算値fxに基づくX方向(即ち、車両70の前後方
向)に沿ったベクトルとして、x成分をfx、y成分を
0とするベクトルFxを想定し、また、演算値fyに基
づくY方向(即ち、車両70の左右方向)に沿ったベク
トルとして、x成分を0、y成分をfyとするベクトル
Fyを想定して、それら2つのベクトルの合成ベクトル
F=(fx,fy)を導き出す。そして、その合成ベク
トルFの大きさfと方向θを前述した式(1),(2)
により求め、その大きさfと、その方向θに応じた閾値
fTh(θ)とを比較して、エアバッグ装置を起動するか
否かを判定していた。しかし、前述したように、方向θ
に応じた閾値fTh(θ)を求めるには複雑な演算処理を
実行する必要があった。なお、各演算値についての合成
ベクトルの大きさ及び方向は図4に示した如くになる。
【0041】これに対し、本発明では、予め適当な方向
αを設定して(但し、方向αは車両70の前方方向を0
゜とした場合の角度によって表される。)、その方向α
に対して合成ベクトルFを射影し、それにより得られた
射影ベクトルFαの大きさ(即ち、合成ベクトルFの射
影成分)fαを求めて、その大きさfαと、方向αにつ
いての閾値fth(α)とを比較して、エアバッグ装置を
起動するか否かを判定するようにしている。従って、方
向αは予め決まっているので、その方向αについての閾
値fth(α)も予め定めておくことができ、閾値を求め
るために複雑な演算処理を実行しなくて済む。例えば、
閾値fth(α)としては、方向αに関し、エアバッグ装
置を起動すべきであるとして実験的に求められた値など
が用いられる。
【0042】ところで、射影ベクトルFαの大きさ(即
ち、合成ベクトルFの射影成分)fαは次の式によって
表される。
【0043】
【数3】
【0044】しかしながら、式(3)から明らかなよう
に合成ベクトルFの射影成分fαを求めるには、予め合
成ベクトルFの大きさfと方向θを式(1),(2)に
従って求めておかなければならない。だが、前述したよ
うに、かかる演算には二乗,平方根,除算及びアークタ
ンジェントなどの複雑な計算が含まれるため、合成ベク
トルの大きさfと方向θとを求めるためには複雑な演算
処理を実行する必要がある。
【0045】そこで、本発明では、式(3)を、三角関
数の加法定理を用いて式(4)のように変形し、式
(4)に従って合成ベクトルFの射影成分fαを求める
ようにしている。
【0046】
【数4】
【0047】式(4)を見ると、左辺第1項はfx・c
osαであり、これはベクトルFxの方向αに対する射
影成分である。また、左辺第2項はfy・sinαであ
り、これはベクトルFyの方向αに対する射影成分であ
る。従って、合成ベクトルFの射影成分fαはベクトル
Fxの射影成分とベクトルFyの射影成分との和として
表される。これを図に示すと、図6の如くになる。な
お、図6において、一点鎖線のベクトルはベクトルFy
を単に平行移動させたものであり、ベクトルFyと同一
のベクトルである。
【0048】このように、式(4)に従って合成ベクト
ルFの射影成分fαを求めるようにすれば、合成ベクト
ルFの大きさfと方向θを求めなくても良いため、複雑
な演算処理を実行しなくて済む。また、式(4)におい
ては除算が含まれないため、求める値が発散するような
こともない。
【0049】そこで、本実施例では、図3のステップS
24において、前述したように、演算値fxに基づくベ
クトルFxと演算値fyに基づくベクトルFyの方向α
に対する射影成分の和fx・cosα+fy・sinα
を求めることにより、合成ベクトルFの方向αに対する
射影成分fαを得ている。
【0050】次に、この得られた射影成分fαと、予め
方向αについて設定されている閾値fth(α)とを比較
して、射影成分fαが閾値fth(α)より大きい(fα
>fth(α))か否かを判定する処理を行なう(ステッ
プS26)。そして、射影成分fαが閾値fth(α)以
下であると判定した場合には、エアバッグ装置を起動さ
せる必要がないため、ステップS20に戻ってそれ以降
の処理が繰り返し実行される。
【0051】一方、射影成分fαが閾値fth(α)より
も大きいと判定した場合には、エアバッグ装置60〜6
6を起動させるべく、CPU30は起動信号を発生する
(ステップS28)。そして、発生した起動信号はCP
U30からスイッチング素子32〜38に入力され、こ
れによりスイッチング素子32〜38がオン状態となっ
て、前述したようにスクイブ40〜46に所定の電流が
流れて、ガス発生剤に点火する。
【0052】以上のように、CPU30が図3に示す処
理ルーチンを実行する場合は、予め任意の所定方向αを
設定して、その方向αについての閾値fth(α)を定め
ておくことができるので、閾値を求めるのに複雑な演算
処理を行なう必要が無い。また、演算値fx,fyに基
づいて合成ベクトルFの大きさfと方向θを求める必要
がないため、複雑な演算処理を実行しなくて済むと共
に、求める値が発散するようなこともない。
【0053】ところで、本実施例では、図2に示したよ
うに、車両70の運転席と助手席の前方及び側方に、計
4つのエアバッグ装置60〜66を備えているが、車両
衝突により、例えば、車両70に対して運転席側方から
外力が作用したような場合には、必ずしも助手席側方の
エアバッグ装置66を起動させる必要はない。
【0054】また、演算値fx,fyに基づいて得られ
る合成ベクトルFの方向θを、概ね車両70に作用する
外力の方向であると仮定するならば、方向θを求めるこ
とによって、4つのエアバッグ装置60〜66のうち何
れのエアバッグ装置を起動させるべきであるかは容易に
判断することができる。
【0055】従って、図3に示した処理ルーチンのステ
ップS28において、CPU30は常に全てのスイッチ
ング素子32〜38に対し起動信号を出力して、全ての
スクイブ40〜46について点火処理を行なう必要はな
く、方向θに基づいて選択したもののみ、起動信号を出
力して点火処理を行なうようにしても良い。
【0056】しかし、本実施例においては、前述したよ
うに、合成ベクトルFの所定方向αに対する射影成分f
αについては求めているが、合成ベクトルFの方向θに
ついては求めていないため、直接、方向θに基づいて、
起動させるべきエアバッグ装置を選択することはできな
い。
【0057】そこで、合成ベクトルFの方向θを求める
代わりに、合成ベクトルFを射影する方向αを予め複数
設定しておき、各方向に対する合成ベクトルFの射影成
分をそれぞれ求めて、それらに基づいて、起動させるべ
きエアバッグ装置を選択するようにする。
【0058】つまり、例えば、図7に示すように、合成
ベクトルFを射影する方向として、α=−75゜から1
5゜毎にα=75゜まで計11の方向α(以下、α1
α11、またはαmという)を設定した場合は、各方向αm
に対して合成ベクトルFの射影成分(即ち、射影ベクト
ルFαmの大きさ)fαmをそれぞれ求めて、図8に示す
ように予め各方向αmについて定められた閾値fth
(αm)と、各方向αm毎に比較する。そして、比較の結
果、何れかの方向について、射影成分fαmが閾値fth
(αm)より大きい(fαm>fth(αm))場合には、
その方向に対応したエアバッグ装置を選択して起動する
ようにする。なお、各方向αmにする射影成分fαmは、
それぞれ、前述した式(4)に従って求めるようにす
る。
【0059】図9は各方向αmについての閾値fth
(αm)と、それによって区切られるエアバッグ装置の
起動ON領域と起動OFF領域をそれぞれ示す説明図で
ある。即ち、各方向αmについての閾値fth(αm)を図
9(a)に示すようにそれぞれ定めるとすると、射影成
分fαmと方向αmをそれぞれ座標軸とする2次元平面に
おいて、各閾値fth(αm)は図9(b)に示す如くに
なる。図9(b)において、射影成分fαmが、閾値ft
h(αm)によって区切られる2つの領域のうち、下の領
域(起動OFF領域)にあるうちはエアバッグ装置60
〜66を起動しないが、上の領域(起動ON領域)に入
るとエアバッグ装置60〜66の何れかを起動すること
になる。
【0060】なお、図8及び図9において、方向αm
絶対値が大きいほど閾値fth(αm)を小さくしている
のは、外力が側方から作用する場合には、その外力の大
きさが比較的小さくてもエアバッグ装置60〜66を起
動させるべきことを考慮したものである。
【0061】なお、本実施例においては、合成ベクトル
Fを射影する方向として、α=−75゜から15゜毎に
α=75゜まで計11の方向αとしたが、これに限られ
るものではなく、例えば、α=−90゜から15゜毎に
α=90゜まで計13の方向αとしても良い。また、1
5゜毎としなくても、10゜毎,20゜毎,30゜毎或
いは45゜毎の何れかとしても良い。
【0062】図10は複数の方向について射影成分と閾
値とを比較して起動制御を行なうべく、図1のCPU3
0にて実行される処理動作の流れを示すフローチャート
である。この処理ルーチンが開始されると、まず、ステ
ップS30,S32の各処理を順次行なうが、これら処
理の内容は図3に示したステップS20,S22と同様
であるため、それらの説明は省略する。
【0063】次に、複数の所定方向αmのうち、方向α1
についての処理を行なうために、まず、αmの添字を表
す変数mとして「1」を設定する(ステップS34)。
続いて、演算値fxに基づくベクトルと演算値fyに基
づくベクトルを方向αmに射影してそれら射影成分の和
(即ち、合成ベクトルFαmの射影成分)fαmを求める
処理を行なう(ステップS36)。なお、図3のステッ
プS24の処理では方向αとなっていたが、図10のス
テップS36の処理では方向αmとなるので、前述した
式(4)においてもαはαmと変更される。
【0064】次に、ステップS36で得られた射影成分
fαmと、予め方向αmについて設定されている閾値fth
(αm)とを比較して、射影成分fαmが閾値fth
(αm)より大きい(fαm>fth(αm))か否かを判
定する処理を行なう(ステップS38)。そして、射影
成分fαmが閾値fth(αm)以下であると判定した場合
には、変数mを「1」インクリメントする処理を行なっ
た後(ステップS42)、その変数mが「11」より大
きいか否かを判定する(ステップS44)。判定の結
果、変数mが「11」より大きければ、全ての方向αm
について処理が終了したものと判断して、ステップS3
0に戻って、次の時点の加速度Gx,Gyを入力する。
また、変数mが「11」以下であれば、未だ処理してい
ない方向αmが残っているので、ステップ36に移行し
て、次の方向(即ち、変数mを「1」インクリメントし
た方向)について処理を行なう。
【0065】一方、前述したステップS38において、
射影成分fαmが閾値fth(αm)よりも大きいと判定し
た場合には、エアバッグ装置60〜66のうち、その判
定のなされた方向αmに対応するエアバッグ装置のみを
起動させるべく、CPU30は、4つのスイッチング素
子32〜38の中の対応するものに対して、起動信号を
出力する(ステップS40)。なお、4つのエアバッグ
装置60〜66のうち、方向αmに対応してどのエアバ
ッグ装置を起動させるかについては、予め、各方向αm
毎に設定しておく。
【0066】以上のようにして、図10に示した処理ル
ーチンにおいては、方向α1〜α11のうちの何れかの方
向に対する合成ベクトルFの射影成分fαmが、その方
向についての閾値fth(αm)を超える場合には、エア
バッグ装置60〜66の何れかが起動されることにな
る。
【0067】では、ここで、車両70に、エアバッグ装
置60〜66を起動させる必要がない程度の大きさの外
力が作用した場合と、起動させるべき大きさの外力が作
用した場合とで、得られる加速度,演算値,合成ベクト
ルの大きさや方向、或いは合成ベクトルの射影成分につ
いての経時的変化がどのように異なるかについて、それ
ぞれ、一例を挙げて比較検討してみる。
【0068】図11は車両70にエアバッグ装置60〜
66を起動させる必要がない程度の大きさの外力が作用
した際に検出される加速度Gx,Gyの経時的変化の一
例を示す特性図である。また、図12は図11に示す加
速度Gx,Gyを積分することにより得られる値Vx,
Vyの経時的変化を示す特性図である。即ち、値Vx,
Vyは、外力の作用開始時刻を始点として、加速度G
x,Gyを一階積分することで求められる値であり、図
8に示す処理ルーチンにおいて演算値fx,fyとして
用いられる。
【0069】そして、図13は図12の演算値Vx,V
yによる合成ベクトルの大きさvと方向θの経時的変化
を示す特性図である。また、図14は図12の演算値V
x,Vyによる合成ベクトルの、方向α1〜α11に対す
る射影成分vαの経時的変化を示す特性図である。図1
4において、(a)はα≧0の場合、(b)はα≦0の
場合である。
【0070】上記したようにエアバッグ装置60〜66
を起動させる必要がない程度の大きさの外力が作用して
いる場合に、何れのエアバッグ装置60〜66も起動さ
れないようにするためには、方向α1〜α11について設
定される閾値fth(αm)が、全て、図14に示す射影
成分vαよりも大きな値に設定されていることが必要と
なる。
【0071】ところで、加速度Gx,Gyを積分するこ
とにより得られる値としては、加速度Gx,Gyをその
まま積分して得られる値Vx,Vyばかりでなく、加速
度Gx,Gyを所定時間幅で区間積分して得られる値を
用いても良い。このような区間積分を行なった場合、得
られる値には加速度Gx,Gyの高周波成分が反映され
ないことから、演算値の安定性が向上すると共に、演算
値に加速度Gx,Gyの短期的な変動が反映され易くな
ることから、演算値の応答性が向上するという効果を得
ることができる。
【0072】図15は図11に示す加速度Gx,Gyを
30ms間区間積分して得られる値V30x,V30yによ
る合成ベクトルの大きさv30と方向θ30の経時的変化を
示す特性図である。即ち、演算値V30x,V30yは下記
の式に従って求められる。
【0073】
【数5】
【0074】
【数6】
【0075】また、図16は図15の演算値V30x,V
30yによる合成ベクトルの、方向α1〜α11に対する射
影成分v30αの経時的変化を示す特性図である。図16
において、(a)はα≧0の場合、(b)はα≦0の場
合である。従って、本実施例において、エアバッグ装置
60〜66を起動させるか否かの判定を射影成分v30α
に基づいて行なうためには、方向α1〜α11について設
定される閾値fth(αm)を、全て、図16に示す射影
成分v30αより大きな値に設定する必要がある。
【0076】一方、図17は車両70にエアバッグ装置
60〜66を起動させるべき大きさの外力が作用した際
に検出される加速度Gx,Gyの経時的変化の一例を示
す特性図である。即ち、図17は高速度で車両70が左
側の部分で斜め衝突した際の経時的変化を示している。
また、図18は図17に示す加速度Gx,Gyを積分す
ることにより得られる値Vx,Vyの経時的変化を示す
特性図、図19は図18の演算値Vx,Vyによる合成
ベクトルの大きさvと方向θの経時的変化を示す特性
図、図20は図18の演算値Vx,Vyによる合成ベク
トルの、方向α1〜α11に対する射影成分vαの経時的
変化を示す特性図である。図20において、(a)はα
≧0の場合であり、(b)はα≦0の場合である。
【0077】また、図21は図17に示す加速度Gx,
Gyを30ms間区間積分して得られる値V30x,V30
yによる合成ベクトルの大きさv30と方向θ30の経時的
変化を示す特性図、図22は図21の演算値V30x,V
30yによる合成ベクトルの、方向α1〜α11に対する射
影成分v30αの経時的変化を示す特性図である。図22
において、(a)はα≧0の場合であり、(b)はα≦
0の場合である。
【0078】上記したようにエアバッグ装置60〜66
を起動させるべき大きさの外力が作用している場合に、
何れかのエアバッグ装置60〜66が起動させるために
は、方向α1〜α11のうちの何れかの方向において、図
22に示す射影成分v30αが、その方向について設定さ
れる閾値fth(αm)を上回るように、それぞれの閾値
fth(αm)を設定する必要がある。
【0079】ところで、車両衝突によって車両70に対
して外力が作用した場合、外力の方向が0゜(即ち、車
両前方方向)でなければ、外力の作用に起因していわゆ
る首振り現象が生じ、車両70に回転挙動が生じる(例
えば、車両70が斜め衝突を起こしたような場合などで
ある)。この首振り現象は、車両70に作用した外力が
大きいほど激しい回転挙動を生じさせ、外力が比較的小
さい場合には、ほとんど車両挙動に影響を与えない。
【0080】従って、車両70に作用した外力がエアバ
ッグ装置60〜66を起動させる必要があるほど大きい
場合には、その外力に起因して車両70には激しい回転
挙動が生じるが、その外力がエアバッグ装置60〜66
を起動させる必要がないほど小さい場合には、その外力
に起因する回転挙動はほとんど発生しない。
【0081】このため、車両70に作用した外力がエア
バッグ装置60〜66を起動させる必要がないほど小さ
い場合には、図16の(a),(b)を比較すれば明ら
かなように、方向αの正負の違いによる射影成分v30α
の差異はさほど認められないが、車両70に作用した外
力がエアバッグ装置60〜66を起動させる必要がある
程度に大きい場合には、図22の(a),(b)を比較
すれば明らかなように、方向αの正負の違いによって、
射影成分v30αに大きな差異が認められる。
【0082】上記の現象は、車両70に対して比較的小
さな外力が作用した場合には、如何なる方向αにおける
減速度も同等の変化率で立ち上がるのに対して、車両7
0に対して比較的大きな外力が作用した場合には、立ち
上がり時における減速度の変化率が車両70の左右で異
なり、その何れか一方では急激な立ち上がりが認められ
ることを意味している。
【0083】従って、本実施例において、例えば、方向
α1〜α11についての閾値fth(αm)を、図16におい
て得られる射影成分v30αの最大値より僅かに大きな値
として設定すれば、図22に示すような射影成分v30α
が得られた場合、方向α=−75゜,−60゜,−45
゜については外力の作用開始後、T1〔ms〕を経過す
る以前に、射影成分v30αがその設定した閾値fth(α
m)を超える(v30α>fth(αm))ことになる。
【0084】これに対し、図10に示した処理ルーチン
によれば、方向α1〜α11のうちの何れかの方向におい
て、射影成分v30αが閾値fth(αm)を超えれば(v
30α>fth(αm))、その方向に対応したエアバッグ
装置を起動すべきとする判定がなされる。このため、C
PU30がこの処理ルーチンを実行する場合、外力に起
因する車両70の回転挙動を利用した、早期判定が実現
されることになる。
【0085】この意味で、本実施例は、車両70の挙動
変化に対して、優れた応答性の下に、且つ確実にエアバ
ッグ装置60〜66の起動制御を行なうことができると
いう効果を有していることになる。
【0086】ところで、本実施例においては、前述した
ように、演算値fx,fyによる合成ベクトルFの方向
αに対する射影成分fαを、式(4)に従って求めてお
り、式(4)には、従来のように二乗,平方根,除算及
びアークタンジェントなどの複雑な計算が含まれないた
め、複雑な演算処理を実行する必要がない。しかし、式
(4)には、未だcosαやsinαなどの三角関数が
含まれているため、計算の複雑さはあまりないとは言
え、少しは残る。そこで、本実施例では、計算をさらに
簡略化するために、以下のような手法を採ることにして
いる。なお、以下の説明では、図7に示したように、方
向αとしてα=−75゜から15゜毎にα=75゜まで
の計11の方向α1〜α11を設定した場合の、各方向αm
に対して合成ベクトルFの射影成分fαmを求める場合
を例とする。
【0087】まず、予め、各方向αm(即ち、α1
α11)についてcosαm,sinαmの値をそれぞれ求
めておく。この時、cosαm,sinαmの値自体を求
めるのではなく、8ビットのディジタルデータで表し得
る近似値(cosαm)’,(sinαm)’を求めるよ
うにする。なお、8ビットのデジタルデータで表し得る
近似値は、a/256(但し、aは256以下の整数)
の形で表される。
【0088】図23はcosαm,sinαmの各値とそ
れらの近似値(cosαm)’,(sinαm)’とを対
応して示した説明図である。なお、図23においては、
方向αmが正の場合のみ示している。また、「誤差」の
欄は真値と近似値との差が記載されている。
【0089】従って、図23に示すように、誤差は約
0.2%以下であるので、演算の上で、cosαm,s
inαmの値の代わりに近似値(cosαm)’,(si
nαm)’を用いたとしても、演算精度を落とすもので
はない。
【0090】次に、求めた近似値(cosαm)’,
(sinαm)’をそれぞれ分解して1/2のべき乗の
和に変換する。図24は近似値(cosαm)’,(s
inαm)’とそれらの1/2べき乗和とを対応して示
した説明図である。
【0091】さて、以上求めた近似値や1/2べき乗和
を用いて、実際に射影成分fαmをどのようにして求め
るかについて、方向αが30゜の場合(図7において、
α8の場合:即ち、m=8の場合)を例に挙げて説明す
る。
【0092】まず、式(4)から、方向α8に対する射
影成分fα8は下式により表される。
【0093】
【数7】
【0094】そして、式(7)の右辺第1項は図23に
示す近似値(cosαm)’を用いることにより、下式
のように表される。
【0095】
【数8】
【0096】続いて、式(8)に示す近似値は図24に
従って1/2べき乗和によって表されるため、式(9)
に示すように変形される。
【0097】
【数9】
【0098】式(9)を見てみると、右辺の各項はそれ
ぞれ演算値fxの(1/2)n倍となっている(n=1
〜7)。ここで、(1/2)nは2進数で表すと、小数
点第n位のみが1となった値として表される。従って、
fx×(1/2)nは、演算値fxをディジタルデータ
(即ち、2進数)で表した上で、その値を右側にn回ビ
ットシフトさせる(即ち、n桁移動させる)ことによっ
て簡単に求めることができる。例えば、fx=5,n=
4としてfx×(1/2)nを求める場合は、fxの
「5」をディジタルデータ(2進数)で表して「10
1」とし、その上でその「101」を右側に4回ビット
シフトさせる(4桁移動させる)ことで、答えとして
「0.0101」を得ることができる。
【0099】このようにして、式(9)の右辺の各項の
値をそれぞれ求めたら、後は求めた各項をそれぞれに加
算することによって、fx×(222/256)の値が
容易に求められる。
【0100】一方、式(7)の右辺第2項も図23に示
す近似値(sinαm)’,図24の1/2べき乗和を
用いることにより、下式のように表される。
【0101】
【数10】
【0102】そして、式(10)においても、式(9)
の場合と同様にして、fx×(1/2)の値は容易に求
められる。
【0103】その後は、式(9)で求めた値と式(1
0)で求めた値とを式(7)に従って加算することによ
り、射影成分fα8を求めることができる。また、他の
方向αmに対する射影成分fαmも同様にして求めること
ができる。
【0104】こうして、以上のような手法を用いること
により、三角関数を用いることなく、演算はビットシフ
トと加算だけで済むため、計算をより簡略化することが
できる。特に、ビットシフトを用いることによって、小
数を有する値の乗算を行なわなくても良いため、複雑な
計算を回避することができる。
【0105】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。本実施例における起動制御装置自体の構成は図1
に示した第1の実施例と同様である。さて、前述した第
1の実施例においては、図5または図6に示したよう
に、演算値fx,fyを同等に扱って、x成分をfx、
y成分を0とするベクトルFxと、x成分を0、y成分
をfyとするベクトルFyをそれぞれ想定して、その2
つのベクトルの合成ベクトルF=(fx,fy)につい
て、方向αに対する射影成分fαを求め、その射影成分
fαに基づいて起動制御を行なっている。
【0106】しかし、このように、演算値fx,fyを
同等に扱うと、通常、演算値fxとfyとの大小関係は
fx>fyとなるので、演算値fyを起動制御に取り入
れることによるメリットがあまり活かされていない。
【0107】そこで、本実施例では、演算値fyを起動
制御に取り入れることによるメリットができるだけ活か
されるように、演算値fyを演算値fxよりも重きをお
いて扱うようにしている。具体的には、演算値fyのみ
に「1」よりも大きな係数を掛けて値を大きくし、その
上で射影成分を求めるようにしている。例えば、その係
数として「2.5」を用いる場合、演算値fyは2.5
倍の大きさになるため、図25に示すように、ベクトル
Fyも2.5倍の大きさのベクトルFy’=(0,2.
5fy)に伸張される。従って、これにより、ベクトル
Fx,Fyの合成ベクトルもF=(fx,fy)から
F’=(fx,2.5fy)に変換される。即ち、演算
値fyに係数を掛けることによって、左右方向のベクト
ルFyが伸張され、図25に示すように、合成ベクトル
Fの回転成分が角度φ分増幅される。
【0108】図26は本実施例におけるCPU30にて
実行される処理動作の流れを示すフローチャートであ
る。この処理ルーチンが開始されると、まず、ステップ
S50,S52の各処理を順次行なうが、これら処理の
内容は図3に示したステップS20,S22と同様であ
るため、それらの説明は省略する。
【0109】次に、ステップS52で求めた演算値fy
に所定の係数、例えば、「2.5」を掛けて演算値f
y’を求める処理を行なう(ステップS54)。そし
て、ステップS56を経た後、ステップS52で求めた
演算値fxに基づくベクトルFxと、ステップS54で
求めた演算値fyに基づくベクトルFyと、を方向αm
に射影してそれら射影成分の和fαm’を求める処理を
行なう(ステップS58)。こうすることによって、ベ
クトルFxと2.5倍に伸張されたベクトルFy’とに
よる合成ベクトルFαm’の、方向αmに対する射影成分
fαm’を求めることができる。続くステップS60以
降の各処理は、図10に示したステップS38以降の各
処理と同様であるため、それらの説明は省略する。
【0110】さて、次に、以上のような処理ルーチンに
おいて得られる合成ベクトルF’の射影成分fαm’の
経時的変化について説明する。なお、以下の説明では、
演算値fx,fyとして、加速度Gx,Gyを30ms
間区間積分して得られる値V 30x,V30yを用い、演算
値V30yに掛ける係数としては「2.5」を用いるもの
とする。従って、演算値V30xと係数「2.5」の掛け
られたV30y’とによる合成ベクトルの射影成分はv30
α’となる。
【0111】図27は車両70にエアバッグ装置60〜
66を起動させる必要がない程度の大きさの外力が作用
した際に得られる合成ベクトルの、方向α1〜α11に対
する射影成分v30α’の経時的変化を示す特性図であ
る。図27において、(a)はα≧0の場合、(b)は
α≦0の場合である。本実施例においても、エアバッグ
装置60〜66を起動させるか否かの判定を射影成分v
30α’に基づいて行なうためには、方向α1〜α11につ
いて設定される閾値fth(αm)を、全て、図27に示
す射影成分v30α’より大きな値に設定する必要があ
る。そこで、本実施例においては、方向α1〜α11につ
いての閾値fth(αm)として、各方向毎に、図27に
示す射影成分v30α’のうちの最大値を設定するように
している。
【0112】一方、図28、図29及び図30はそれぞ
れ車両70にエアバッグ装置60〜66を起動させるべ
き大きさの外力が作用した際に得られる合成ベクトル
の、方向α1〜α11に対する射影成分v30α’の経時的
変化を示す特性図である。図28は中程度の速度で車両
70が左側の部分でオフセット衝突した際の経時的変化
を示し、図29は同じく中程度の速度で車両70が左側
の部分で斜め衝突した際の経時的変化を示し、図30は
高速度で車両70が左側の部分で斜め衝突した際の経時
的変化を示している。これらの図においても、(a)は
α≧0の場合、(b)はα≦0の場合である。
【0113】図28に示すように、中速度で車両70の
左側の部分でオフセット衝突した場合は、左側に対応す
る方向−45゜,−60゜,−75゜において、外力の
作用開始後、T1〔ms〕を経過する以前に、射影成分
30α’がその設定した閾値fth(αm)を超える(v
30α’>fth(αm))。また、図29に示すように、
中速度で車両70の左側の部分で斜め衝突した場合も、
同様に、左側に対応する方向−45゜,−60゜,−7
5゜において、T1〔ms〕を経過する以前に、射影成
分v30α’が閾値fth(αm)を超える。さらに、図3
0に示すように、高速度で車両70の左側の部分で斜め
衝突した場合は、左側に対応する方向0゜,−15゜、
−30゜、−45゜、−60゜、−75゜の全てにおい
て、外力の作用開始後、T1〔ms〕を経過する以前
に、射影成分v30α’が閾値fth(αm)を超えること
になる。
【0114】従って、オフセット衝突や斜め衝突の如
く、車両衝突時に車両70が回転するような衝突形態に
対し、エアバッグ装置60〜66を起動するか否かの判
断をより有効に行なうことができる。
【0115】さて、ここで、前述の図22に示した特性
図も、図30と同様、高速度で車両70の左側の部分で
斜め衝突した場合の射影成分の経時的変化を示してお
り、即ち、図22と図30とは衝突の条件がほぼ同じと
なっている。従って、図22の特性図は演算値fyをそ
のまま用いた場合であり、図30の特性図は演算値fy
に係数「2.5」を掛けた場合であるため、図22と図
30とを比較することにより、演算値fyに所定の係数
を掛けたことによる本実施例の効果がさらに明白とな
る。
【0116】図22と図30とを比較すると、演算値f
yに所定の係数を掛けることにより、車両70の左側に
対応する方向α(<0)において、明らかに射影成分v
30αが増幅されているのがわかる。しかも、図30にお
いては、外力の作用開始直後の立ち上がりが、図22に
比べて急峻になっているため、より速くエアバッグ装置
60〜66を起動させることができる。
【0117】なお、本実施例においては、演算値fyの
みに「1」よりも大きな係数を掛けて値を大きくするこ
とによって、演算値fyを演算値fxよりも重み付けて
いる。しかし、本質的には演算値fyが演算値fxより
も相対的に重み付けられれば良いため、演算値fyに
「1」より大きな係数を掛ける代わりに、演算値fxの
みに「1」よりも小さな係数を掛けるようにしても良
い。あるいは、演算値fxに係数を掛けると共に、演算
値fyには演算値fxに掛けた係数よりも大きな係数を
掛けるようにしても良い。
【0118】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。前述した第1の実施例においては、図1に示した
ように、前後Gセンサ22によって車両70の前後方向
(X方向)に作用する加速度Gxと、左右Gセンサ24
によって車両70の左右方向(Y方向)に作用する加速
度Gyを検出し、それらに基づいてエアバッグ装置60
〜66の起動制御を行なっていたが、さらに車両70の
上下方向(Z方向)に作用する加速度Gzも検出して、
3方向の加速度に基づいてエアバッグ装置60〜66の
起動制御を行なうようにしても良い。
【0119】図31は本発明の第3の実施例としてのエ
アバッグ装置の起動制御装置を示すブロック図である。
即ち、本実施例では、Gセンサとして、図31に示すよ
うに、前後Gセンサ22、左右Gセンサ24の他に、車
両70の上下方向(Z方向)に作用する加速度Gzを検
出するための上下Gセンサ56を備えている。そして、
その上下Gセンサ56で検出された前後方向の加速度G
zはアナログ信号として出力され、A/D変換器58に
おいてディジタル信号に変換されてCPU30に入力さ
れる。その他の構成要素は図1と同じなので説明は省略
する。
【0120】では、本実施例における起動制御について
説明する。図32は図31のCPU30において実行さ
れる処理動作の流れを示すフローチャートである。この
処理ルーチンが開始されると、まず、加速度Gx,G
y,Gzを入力する処理を行なう(ステップS70)。
即ち、CPU30が、前後Gセンサ22によって検出さ
れた前後方向の加速度Gxと、左右Gセンサ24によっ
て検出された左右方向の加速度Gyと、上下Gセンサ5
6によって検出された上下方向の加速度Gzと、を読み
込む。
【0121】続いて、検出された前後方向の加速度Gx
を基にして所定の演算により演算値fxを求め、左右方
向の加速度Gyを基にして所定の演算により演算値fy
を求め、上下方向の加速度Gzを基にして所定の演算に
より演算値fzを求める処理を行なう(ステップS7
2)。
【0122】次に、以上のようにして求めた3つの演算
値fx,fy,fzを用いて、方向α及び方向βに対す
る射影成分fαβを求める処理を行なう(ステップS7
4,S75)。図33は方向α及び方向βに対する射影
成分の求め方を説明するための説明図である。図33に
おいて、(a)はX,Y,Z軸による3次元空間を示し
たものであり、(b)は(a)のZα平面を示したもの
である。
【0123】本実施例では、予め適当な方向α(但し、
方向αは車両70の前方方向を0゜とした場合の角度に
よって表される。)と方向β(但し、方向βは車両70
の上方方向を0゜とした場合の角度によって表され
る。)をそれぞれ設定しておく。そして、図33(a)
に示すように、まず、演算値fxに基づくX方向(即
ち、車両70の前後方向)に沿ったベクトルとして、x
成分をfx、y成分,z成分を0とするベクトルFxを
想定し、また、演算値fyに基づくY方向(即ち、車両
70の左右方向)に沿ったベクトルとして、y成分をf
y、x成分,z成分を0とするベクトルFyを想定し
て、それら2つのベクトルの合成ベクトルFxy=(f
x,fy,0)を導き出す。その合成ベクトルFxyを
XY平面において方向αに射影し、それにより得られた
射影ベクトルFxyαの大きさ(即ち、合成ベクトルF
xyの射影成分)fxyαを求める。次に、図33
(a)に示すように、演算値fzに基づくZ方向(即
ち、車両70の上下方向)に沿ったベクトルとして、z
成分をfz、x成分,y成分を0とするベクトルFzを
想定し、そのベクトルFzと前述の射影ベクトルFxy
αとの合成ベクトルFαを導き出す。ここで、この合成
ベクトルFαは、ベクトルFx,Fy,Fzの合成ベク
トルであるベクトルFをZα平面に対して射影すること
により得られる射影ベクトルと一致する。さらに、図3
3(b)に示すように、導き出した合成ベクトルFαを
Zα平面において方向βに射影し、それにより得られた
射影ベクトルFαβの大きさ(即ち、合成ベクトルFα
の射影成分)fαβを求める。
【0124】具体的には、まず、ステップS74で、X
Y平面において合成ベクトルFxyの方向αに対する射
影成分fxyαを求める。この時、この射影成分fxy
αは、前述した式(4)と同様の下式に従って求めるこ
とができる。
【0125】
【数11】
【0126】次に、ステップS76で、Zα平面におい
て合成ベクトルFαの方向βに対する射影成分fαβを
求める。この時、この射影成分fαβは、ステップS7
4で求めた射影成分fxyαを用いて、前述した式
(4)と同様の下式に従って求めることができる。
【0127】
【数12】
【0128】こうして、ステップS74とS76におい
て、方向α及び方向βに対する射影成分fαβを求めた
ら、次に、この求めた射影成分fαβと、予め方向α及
び方向βについて設定されている閾値fth(αβ)とを
比較して、射影成分fαβが閾値fth(αβ)より大き
い(fαβ>fth(αβ))か否かを判定する処理を行
なう(ステップS78)。
【0129】して、射影成分fαβが閾値fth(αβ)
以下であると判定した場合には、エアバッグ装置を起動
させる必要がないため、ステップS70に戻ってそれ以
降の処理が繰り返し実行され、一方、射影成分fαが閾
値fth(α)よりも大きいと判定した場合には、エアバ
ッグ装置60〜66を起動させるべく、CPU30は起
動信号を発生する(ステップS80)。
【0130】以上のように、本実施例によれば、車両7
0の上下方向(Z方向)に作用する加速度Gzも検出し
て、3方向の加速度に基づいてエアバッグ装置60〜6
6の起動制御を行なっているので、より精度の良く起動
制御を行なうことができる。また、本実施例では、演算
値fx,fy,fzによる3次元の合成ベクトルFの大
きさや方向を求める必要がないため、複雑な演算処理を
実行することなく、3次元の情報に基づいた起動制御を
行なうことができる。
【0131】ところで、本実施例においても、図7乃至
図10に示したように、合成ベクトルを射影する方向α
及び方向βとして、それぞれ、予め複数の方向を設定し
ておき、各方向αm,βnに対する射影成分fαmβnを求
めるようにしても良い。なお、この場合、方向αm,βn
の各組合せについての閾値fth(αmβn)を定めること
になるが、それは例えば図34に示すように定めること
ができる。図34は方向αm,βnの各組合せについての
閾値fth(αmβn)と、それによって区切られるエアバ
ッグ装置の起動ON領域と起動OFF領域をそれぞれ示
す説明図である。即ち、方向αm,βnの各組合せについ
て閾値fth(αmβn)を図34(a)に示すようにそれ
ぞれ定めるとすると、方向αm,βnと射影成分fαmβn
をそれぞれ座標軸とする3次元空間において、各閾値f
th(αmβn)は図34(b)に示すように表される。な
お、図34においては、合成ベクトルを射影する方向
α,βとして、それぞれ、−90゜から45゜毎に90
゜まで計5の方向としている。
【0132】図34(b)において、射影成分fαmβn
が、閾値fth(αmβn)によって区切られる2つの空間
領域のうち、下の空間領域(起動OFF領域)にあるう
ちはエアバッグ装置60〜66を起動しないが、上の空
間領域(起動ON領域)に入るエアバッグ装置60〜6
6の何れかを起動することになる。なお、図34におい
て、a00,a01,a02の値を大きく採ると、車両70の
上下方向に作用する加速度Gzに対して、起動制御の感
度が鈍くなる。
【0133】なお、本発明は上記した実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様にて実施することが可能である。
【0134】上記した各実施例では、乗員保護装置とし
て、エアバッグ装置を用いていたが、エアバッグ装置以
外にも、例えば、プリローダ付きシートベルトを用いる
ようにしても良い。このプリローダ付きシートベルト
は、例えば、インフレータより発生されたガスによって
シートベルトを巻き取り、シートベルトの機能を一層高
めるように動作するものである。
【0135】また、上記した各実施例は全て乗員保護装
置の起動制御装置であるが、かかる起動制御装置のう
ち、射影成分の和と閾値とを比較して乗員保護装置を起
動する起動手段のみを削除して、射影成分検出装置を構
成するようにしても良い。このようにした場合は、その
射影成分検出装置によって検出された射影成分を乗員保
護装置の起動制御以外の目的にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としてのエアバッグ装置
の起動制御装置を示すブロック図である。
【図2】車両に搭載されるエアバッグ装置と起動制御装
置のそれぞれの配置を示す概略図である。
【図3】図1のCPU30において実行される処理動作
の流れを示すフローチャートである。
【図4】加速度Gx,Gyを基にして得られる演算値及
びそれら演算値による合成ベクトルの大きさ及び方向を
示す説明図である。
【図5】ベクトルFx,Fyを合成して成る合成ベクト
ルFの、方向αに対する射影ベクトルFαを示す説明図
である。
【図6】図5の合成ベクトルFの射影成分(射影ベクト
ルFαの大きさ)を求める方法を説明するための説明図
である。
【図7】合成ベクトルFの、複数の方向αmに対する射
影ベクトルFαmを示す説明図である。
【図8】各方向αmについて予め定められる閾値fth
(αm)の一例を示す説明図である。
【図9】各方向αmについての閾値fth(αm)と、それ
によって区切られるエアバッグ装置の起動ON領域と起
動OFF領域をそれぞれ示す説明図である
【図10】複数の方向について射影成分と閾値とを比較
して起動制御を行なうべく、図1のCPU30にて実行
される処理動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】車両70にエアバッグ装置60〜66を起動
させる必要がない程度の大きさの外力が作用した際に検
出される加速度Gx,Gyの経時的変化の一例を示す特
性図である。
【図12】図11に示す加速度Gx,Gyを積分するこ
とにより得られる値Vx,Vyの経時的変化を示す特性
図である。
【図13】図12の演算値Vx,Vyによる合成ベクト
ルの大きさvと方向θの経時的変化を示す特性図であ
る。
【図14】図12の演算値Vx,Vyによる合成ベクト
ルの、方向α1〜α11に対する射影成分vαの経時的変
化を示す特性図である。
【図15】図11に示す加速度Gx,Gyを30ms間
区間積分して得られる値V30x,V30yによる合成ベク
トルの大きさv30と方向θ30の経時的変化を示す特性図
である。
【図16】図15の演算値V30x,V30yによる合成ベ
クトルの、方向α1〜α11に対する射影成分v30αの経
時的変化を示す特性図である。
【図17】車両70にエアバッグ装置60〜66を起動
させるべき大きさの外力が作用した際に検出される加速
度Gx,Gyの経時的変化の一例を示す特性図である。
【図18】図17に示す加速度Gx,Gyを積分するこ
とにより得られる値Vx,Vyの経時的変化を示す特性
図である。
【図19】図18の演算値Vx,Vyによる合成ベクト
ルの大きさvと方向θの経時的変化を示す特性図であ
る。
【図20】図18の演算値Vx,Vyによる合成ベクト
ルの、方向α1〜α11に対する射影成分vαの経時的変
化を示す特性図である。
【図21】図17に示す加速度Gx,Gyを30ms間
区間積分して得られる値V30x,V30yによる合成ベク
トルの大きさv30と方向θ30の経時的変化を示す特性図
である。
【図22】図21の演算値V30x,V30yによる合成ベ
クトルの、方向α1〜α11に対する射影成分v30αの経
時的変化を示す特性図である。
【図23】cosαm,sinαmの各値とそれらの近似
値(cosαm)’,(sinαm)’とを対応して示し
た説明図である。
【図24】近似値(cosαm)’,(sinαm)’と
それらの1/2べき乗和とを対応して示した説明図であ
る。
【図25】ベクトルFxと2.5倍に伸張されたベクト
ルFy’とを合成して成る合成ベクトルF’を示す説明
図である。
【図26】本発明の第2の実施例におけるCPU30に
て実行される処理動作の流れを示すフローチャートであ
る。
【図27】車両70にエアバッグ装置60〜66を起動
させる必要がない程度の大きさの外力が作用した際に得
られる合成ベクトルの、方向α1〜α11に対する射影成
分v30α’の経時的変化を示す特性図である。
【図28】中程度の速度で車両70が左側の部分でオフ
セット衝突した際に得られる合成ベクトルの、方向α1
〜α11に対する射影成分v30α’の経時的変化を示す特
性図である。
【図29】中程度の速度で車両70が左側の部分で斜め
衝突した際に得られる合成ベクトルの、方向α1〜α11
に対する射影成分v30α’の経時的変化を示す特性図で
ある。
【図30】高速度で車両70が左側の部分で斜め衝突し
た際に得られる合成ベクトルの、方向α1〜α11に対す
る射影成分v30α’の経時的変化を示す特性図である。
【図31】本発明の第3の実施例としてのエアバッグ装
置の起動制御装置を示すブロック図である。
【図32】図31のCPU30において実行される処理
動作の流れを示すフローチャートである。
【図33】方向α及び方向βに対する射影成分の求め方
を説明するための説明図である。
【図34】方向αm,βnの各組合せについての閾値fth
(αmβn)と、それによって区切られるエアバッグ装置
の起動ON領域と起動OFF領域をそれぞれ示す説明図
である。
【符号の説明】
20…制御回路 22…前後Gセンサ 24…左右Gセンサ 26,28…A/D変換器 30…CPU 32〜38…スイッチング素子 40〜46…スクイブ 48〜54…セーフィングセンサ 56…上下Gセンサ 58…A/D変換器 60〜66…エアバッグ装置 F…合成ベクトル Fx,Fy,Fz…ベクトル Fxy…合成ベクトル Fxyα…射影ベクトル Fαm…射影ベクトル Fα…射影ベクトル Fαβ…射影ベクトル Gx,Gy,Gz…加速度 fxyα…射影成分 fαm…射影成分 fαmβn…射影成分 fα…射影成分 fαβ…射影成分 m…変数 v30α…射影成分 αm,βn…方向 α,β…方向 θ30…方向 θ…方向 φ…角度

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された乗員保護装置を起動す
    るための起動制御装置であって、 前記車両に作用する互いに方向の異なる第1及び第2の
    方向の加速度をそれぞれ検出する加速度検出手段と、 検出された前記第1の方向の加速度を基にして所定の演
    算により第1の演算値を求める第1の演算手段と、 検出された前記第2の方向の加速度を基にして所定の演
    算により第2の演算値を求める第2の演算手段と、 前記第1の演算値に基づく前記第1の方向に沿った第1
    のベクトルと、前記第2の演算値に基づく前記第2の方
    向に沿った第2のベクトルと、をそれぞれ得て、前記第
    1及び第2のベクトルを含む平面内の所定の方向である
    射影方向に対する前記第1及び第2のベクトルの射影成
    分をそれぞれ導き出し、導き出した各射影成分を加算す
    る射影成分導出手段と、 加算して得られた前記射影成分の和に基づいて前記乗員
    保護装置を起動する起動手段と、 を備える乗員保護装置の起動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の乗員保護装置の起動制
    御装置において、 前記射影成分導出手段は、前記射影方向を複数用意し
    て、各射影方向毎に、それぞれ、前記第1及び第2のベ
    クトルの射影成分を導き出して加算すると共に、 前記起動手段は、各射影方向毎に加算して得られた前記
    射影成分の和の何れかに基づいて前記乗員保護装置を起
    動することを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の乗員保護装置
    の起動制御装置において、 前記第1の演算手段、第2の演算手段あるいは射影成分
    導出手段のうち、少なくとも一つの手段は、前記第1の
    演算値と第2の演算値との比を変更する手段を含むこと
    を特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
  4. 【請求項4】 車両に搭載された乗員保護装置を起動す
    るための起動制御装置であって、 前記車両に作用する互いに方向の異なる第1,第2及び
    第3の方向の加速度をそれぞれ検出する加速度検出手段
    と、 検出された前記第1の方向の加速度を基にして所定の演
    算により第1の演算値を求める第1の演算手段と、 検出された前記第2の方向の加速度を基にして所定の演
    算により第2の演算値を求める第2の演算手段と、 検出された前記第3の方向の加速度を基にして所定の演
    算により第3の演算値を求める第3の演算手段と、 前記第1の演算値に基づく前記第1の方向に沿った第1
    のベクトルと、前記第2の演算値に基づく前記第2の方
    向に沿った第2のベクトルと、をそれぞれ得て、前記第
    1及び第2のベクトルを含む平面内の所定の方向である
    第1の射影方向に対する前記第1及び第2のベクトルの
    射影成分をそれぞれ導き出し、導き出した各射影成分を
    加算して、第4の演算値を得る第1の射影成分導出手段
    と、 前記第3の演算値に基づく前記第3の方向に沿った第3
    のベクトルと、前記第4の演算値に基づく前記第1の射
    影方向に沿った第4のベクトルと、をそれぞれ得て、前
    記第3及び第4のベクトルを含む平面内の所定の方向で
    ある第2の射影方向に対する前記第3及び第4のベクト
    ルの射影成分をそれぞれ導き出し、導き出した各射影成
    分を加算する第2の射影成分導出手段と、 加算して得られた前記射影成分の和に基づいて前記乗員
    保護装置を起動する起動手段と、 を備える乗員保護装置の起動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の乗員保護装置の起動制
    御装置において、 前記第1の射影成分導出手段は、前記第1の射影方向を
    複数用意して、各射影方向毎に、それぞれ、前記第1及
    び第2のベクトルの射影成分を導き出し加算して第4の
    演算値を得、 前記第2の射影成分導出手段は、前記第2の射影方向を
    複数用意して、各射影方向毎に、それぞれ、前記第3及
    び第4のベクトルの射影成分を導き出して加算すると共
    に、 前記起動手段は、各射影方向毎に加算して得られた前記
    射影成分の和の何れかに基づいて前記乗員保護装置を起
    動することを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
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