JP7298262B2 - エアバッグ展開方法及びエアバッグシステム - Google Patents

エアバッグ展開方法及びエアバッグシステム Download PDF

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Description

本発明は車両のエアバッグ展開方法及びエアバッグシステムに関する。
車両が他の車両等の障害物に衝突したときの乗員の保護のために、エアバッグを車両に装備することが一般に行なわれている。そのエアバッグとしては、座席に着座した乗員の上体の前方に展開して乗員をインストルメントパネル等に衝突することから保護する正面エアバッグや、座席に着座した乗員の上体の側方に展開して乗員をピラー等に衝突することから保護する側面エアバッグが知られている。
車両に加わる衝撃は縦加速度センサや横加速度センサで検出されている。正面エアバッグは縦加速度(減速度)が所定値以上になったときに展開し、側面エアバッグは横加速度が所定値以上になったときに展開するようにされている。その縦加速度センサや横加速度センサは、エアバッグが軽度の衝撃で不用意に展開しないように、車両における比較的剛性が高い部分に設けられている。
特許文献1には、車両のフロアトンネル部に縦加速度を検出するフロアセンサを設け、さらに、車両前端部の左右に縦加速度を検出するサテライトセンサを設けて、正面エアバッグの展開を制御することが記載されている。具体的には、正突によって、フロアセンサによって検出される縦加速度の演算値が所定の閾値を超えたときに正面エアバッグを展開させるが、正突以外の斜突、オフセット衝突等の衝突がサテライトセンサによって検出されたときは上記閾値を下げるというものである。つまり、斜突等の場合は、フロアトンネル部に衝撃が強く伝わらず、フロアセンサでは、衝撃を検出しにくいことから、サテライトセンサで斜突等を検出して正面エアバッグを展開できるようにするというものである。
特開2000-168492号公報
車両の衝突形態をみると、車両が障害物に真正面から衝突する正突(正面衝突)や、車両の側面に他の車両等が真横から衝突する側突(側面衝突)は少なく、多くは車両がその正面から斜めに逸れた角度で衝突する斜突となる。斜突が多くなるのは、車両のドライバが正面衝突を回避すべく、衝突直前にハンドルを切る動作をするためと認められる。従って、斜突対策は重要である。
これに対して、縦加速度が単に所定値以上になったことに基づいて正面エアバッグを展開させると、斜突時においては、その正面エアバッグの展開によって乗員が大きな衝撃を受ける懸念がある。すなわち、斜突時には、乗員の上体に斜め前方に向かう力が働くから、乗員の上体は横方向に斜めになりながら前方に倒れ、乗員の頭部も斜め前方に振れる形になりやすい。このときに、正面エアバッグが展開すると、乗員は、正面エアバッグの展開圧力を、正面からではなく、上体が斜めに横倒れした姿勢で受けることになる。換言すれば、OOP(非適正着座)状態で正面エアバッグが展開することになる。そのために、上記懸念があるものである。特に、側突に近い斜突では、乗員の上体の横倒れが大きくなるから、上記懸念が顕著になる。
このような状況への対応として、車室内の内装部材の衝撃吸収構造を大型化又は追加することが考えられるが、車両の重量増を招き、また、コストの点で不利になる。
そこで、本発明は、乗員の保護の観点から、正面エアバッグの作動の適正化を図る。
本発明は、上記課題を解決するために、正面エアバッグを展開させるための縦加速度に係る展開閾値を横加速度が大きくなるほど大きくなるようにした。
ここに開示するエアバッグ展開方法は、車両の座席に着座する乗員の上体の前方に展開する正面エアバッグを備えた車両のエアバッグ展開方法であって、
上記車両の前後方向の加速度である縦加速度と上記車両の横方向の加速度である横加速度を検出するステップと、
上記横加速度に基づいて上記正面エアバッグを展開させるための展開閾値を算出するステップと、
上記縦加速度が上記展開閾値以上であるときに上記正面エアバッグを展開させるステップとを備え、
上記展開閾値を算出するステップは、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにするプロセスを有することを特徴とする。
車両の斜突等において、横加速度が大きいときは、乗員の上体が横倒れ姿勢(OOP状態)になりやすいところ、このときは、正面エアバッグは、縦加速度に係る展開閾値が大きくなることによって、その展開が抑えられる。すなわち、正面エアバッグが乗員に大きな衝撃を与える結果となることが避けられる。一方、上記横加速度が小さいときは、乗員の上体の横倒れは軽度になる。このときは上記展開閾値が大きくならないから、正面エアバッグの展開による乗員の保護は確保される。
さらに、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにするプロセスは、上記横加速度が所定値以上であるときに実行する。これにより、正面エアバッグの作動の適正化に有利になる。
さらに、車両の座席に着座する乗員の上体の側方に展開する側面エアバッグを備え、上記横加速度が所定値以上であるときに上記側面エアバッグを展開させるステップを備えている。これにより、乗員の横倒れする上体を側面エアバッグで受けることができ、乗員の保護に有利になる。
一実施形態では、上記展開閾値を算出するステップは、上記横加速度が上記所定値未満であるときは、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が小さくなるようにするプロセスを有する。
横加速度が上記所定値未満であるときは、乗員の上体の横倒れが軽度である。このときに、横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が小さくなるから、正面エアバッグが展開しやすくなる。よって、乗員の保護に有利になる。
一実施形態では、上記横加速度が上記所定値であるとき上記展開閾値は零よりも大きい。
ここに開示するエアバッグシステムは、車両の座席に着座する乗員の上体の前方に展開する正面エアバッグを備えた車両のエアバッグシステムであって、
上記車両の前後方向の負の加速度である縦加速度を検出する縦加速度センサと、
上記車両の横方向の加速度である横加速度を検出する横加速度センサと、
上記正面エアバッグにその展開のためのガスを供給するインフレータと、
上記縦加速度と上記横加速度に基づいて上記インフレータを作動させる制御信号を出力するためのプログラムを格納したメモリと、該メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサとを備えたコントローラとを備え、
上記プログラムは、上記横加速度に基づいて上記正面エアバッグを展開するための展開閾値を算出する処理と、上記縦加速度が上記展開閾値以上であるときに上記インフレータを作動させる制御信号を生成する処理とを備え、
上記展開閾値を算出する処理は、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにする処理を有することを特徴とする。
これによれば、上記エアバッグ展開方法を実施して、正面エアバッグを適正なものとして、乗員を保護することができる。
さらに、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにする処理は、上記横加速度が所定値以上であるときに実行する。これにより、正面エアバッグの作動の適正化に有利になる。
さらに、車両の座席に着座する乗員の上体の側方に展開する側面エアバッグと、上記側面エアバッグにその展開のためのガスを供給するインフレータとを備え、上記プログラムは、上記横加速度が所定値以上であるときに上記側面エアバッグに係る上記インフレータを作動させる制御信号を生成する処理を備えている。これにより、乗員の横倒れする上体を側面エアバッグで受けることができ、乗員の保護に有利になる。
一実施形態では、上記展開閾値を算出する処理は、上記横加速度が上記所定値未満であるときに、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が小さくなるようにする処理を有する。よって、乗員の保護に有利になる。
一実施形態では、上記横加速度が上記所定値であるとき上記展開閾値は零よりも大きい。
本発明によれば、正面エアバッグを展開させるための縦加速度に係る展開閾値を、横加速度が大きくなるほど大きくなるようにするから、正面エアバッグの作動を適正なものとして、乗員を保護することができる。
エアバッグを備えた車両の側面図。 エアバッグの制御系のブロック図。 正面エアバッグの展開閾値を示すグラフ図。 側面エアバッグの展開閾値を示すグラフ図。 正面エアバッグの制御フロー図。 側面エアバッグの制御フロー図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に示す車両1において、2はステアリングホイール3に畳んだ状態で設けられた正面エアバッグである。4はルーフサイド部からフロントピラー部に沿ってその車室内側に畳んだ状態で設けられた側面エアバッグ(所謂カーテンエアバッグ)である。エアバッグ2,4各々にはインフレータ(図1では図示省略)が接続されている。インフレータの起爆によって各エアバッグ2,4にその膨張展開のためのガスが供給される。
正面エアバッグ2は、インフレータからのガスの供給により膨張して、乗員の上体の前方に展開する。側面エアバッグ4は、インフレータからのガスの供給により膨張して、車室のウインドガラスを含む側壁に沿って下方に展開する、すなわち、乗員の側方に展開する。側面エアバッグ4は、車両1の両サイドに設けられている。
エアバッグ2,4にはベントホールが設けられている。乗員がエアバッグ2,4に衝突すると、エアバッグ2,4の内部のガスがベントホールより外部に排出される。
<縦加速度・横加速度の検出手段>
車両1には、その衝突を検出してインフレータを作動させるための縦加速度センサ5と横加速度センサ6が設けられている。縦加速度センサ5は、車両1の前後方向の加速度である縦加速度を検出する。縦加速度センサ5は、車両1の前端部において左右方向に延びるバンパレインフォースメントの中央部に取付けられている。横加速度センサ6は、車両1の横方向の加速度である横加速度を検出する。横加速度センサ6は、車両1の左右のBピラー(サイドピラー)7各々の下部に取付けられている。車両1の左側の衝突は対応する左側の横加速度センサ6によって検出され、車両1の右側の衝突は対応する右側の横加速度センサ6によって検出される。
<エアバッグの作動を制御するコントローラ>
車両1は、エアバッグ2,4の作動を制御する図2に示すコントローラ11を備えている。縦加速度センサ5によって検出される縦加速度の絶対値G_Front及び横加速度センサ6によって検出される横加速度の絶対値G_Sideに基づいて、エアバッグ2,4の作動が制御される。
コントローラ11は、周知のマイクロコンピュータをベースとするものであり、コンピュータプログラム(OS等の基本制御プログラム、及び、OS上で起動されて特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)を実行するプロセッサ(中央演算処理装置(CPU))14と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラムおよびデータを格納するメモリ15と、種々の信号の入出力を行うための入出力(I/O)バスとを含む。
メモリ15には、縦加速度の絶対値G_Front及び横加速度の絶対値G_Sideに基づいて正面エアバッグ2用のインフレータ12及び側面エアバッグ4用のインフレータ13を作動させる制御信号を出力するためのプログラムが格納されている。メモリ15に格納されたプログラムがプロセッサ14によって実行される。
<正面エアバッグの展開制御>
正面エアバッグ2は、縦加速度の絶対値G_Frontと後述の展開閾値G_Front_2又は展開閾値G_Front_3を比較し、G_FrontがG_Front_2以上又はG_Front_3以上であるときに、インフレータ12の起爆によって展開される。
展開閾値G_Front_2は、横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1未満であるときに、横加速度の絶対値G_Sideに基づいて算出される。展開閾値G_Front_3は、横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1以上であるときに、同じく横加速度の絶対値G_Sideに基づいて算出される。上記所定値G_Side_1は、横加速度の絶対値G_Sideがこれ以上になると、縦加速度の大きさ如何に関わらず、側面エアバッグ4が展開することになる側面エアバッグ4の展開に係る閾値である。
メモリ15は、展開閾値G_Front_2,G_Front_3各々を横加速度の絶対値G_Sideに基づいて算出する閾値関数のための、両者の対応関係を予め定めて記録したデータテーブルを備えている。横加速度の絶対値G_Sideに基づいてテーブルから閾値データが読み出され、補間演算によって展開閾値G_Front_2,G_Front_3が算出される。
図3は、展開閾値G_Front_2,G_Front_3と横加速度の絶対値G_Sideの関係の一例を示す。同図のハッチングを付けた部分は正面エアバッグ2の展開オフ領域(展開させない領域)である。横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1未満であるときの展開閾値G_Front_2は、横加速度の絶対値G_Sideが大きくなるほど小さくなるように設定されている。横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1以上であるときの展開閾値G_Front_3は、横加速度の絶対値G_Sideが大きくなるほど大きくなるように設定されている。
展開閾値G_Front_2,G_Front_3は、側面エアバッグ2を展開するための後述する展開閾値G_Front_2又は展開閾値G_Front_3を択一的に選択する基準となる縦加速度の絶対値に係る所定値G_Front_1が上限となっている。展開閾値G_Front_2,G_Front_3の下限は、すなわち、横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1であるときの展開閾値であり、零よりも大きな閾値G_Front_4に設定されている。
<側面エアバッグの展開制御>
側面エアバッグ4は、横加速度の絶対値G_Sideと展開閾値G_Side_2又は展開閾値G_Side_3を比較し、G_SideがG_Side_2以上又はG_Side_3以上であるときに、インフレータ13の起爆によって展開される。
展開閾値G_Side_2は、縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1未満であるときに、縦加速度の絶対値G_Frontに基づいて算出される。展開閾値G_Side_3は、縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1以上であるときに、同じく縦加速度の絶対値G_Frontに基づいて算出される。上記所定値G_Front_1は、縦加速度の絶対値G_Frontがこれ以上になると、横加速度の大きさ如何に関わらず、正面エアバッグ2が展開することになる正面エアバッグ2の展開に係る閾値である。
メモリ15は、展開閾値G_Side_2,G_Side_3各々を縦加速度の絶対値G_Frontに基づいて算出する閾値関数のための、両者の対応関係を予め定めて記録したデータテーブルを備えている。縦加速度の絶対値G_Frontに基づいてテーブルから閾値データが読み出され、補間演算によって展開閾値G_Side_2,G_Side_3が算出される。
図4は、展開閾値G_Side_2,G_Side_3と縦加速度の絶対値G_Frontの関係の一例を示す。同図のハッチングを付けた部分は側面エアバッグ4の展開オフ領域(展開させない領域)である。縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1未満であるときの展開閾値G_Side_2は、縦加速度の絶対値G_Frontが大きくなるほど小さくなるように設定されている。縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1以上であるときの展開閾値G_Side_3は、縦加速度の絶対値G_Frontが大きくなるほど大きくなるように設定されている。
展開閾値G_Side_2,G_Side_3の上限は、正面エアバッグ2を展開するための展開閾値G_Front_2又は展開閾値G_Front_3を択一的に選択する基準となる上述の横加速度の絶対値に係る所定値G_Side_1である。展開閾値G_Side_2,G_Side_3の下限は、すなわち、縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1であるときの展開閾値であり、零よりも大きな閾値G_Side_4に設定されている。
<正面エアバッグ2の展開制御の流れ>
図5はプログラムによる正面エアバッグ2の展開処理の流れを示す。ステップA1において、車両1のIG(エンジンキー)がオフになっているか否かが判別される。IGオンであれば、ステップA2に進んで、縦加速度センサ5で検出される縦加速度及び横加速度センサ6で検出される横加速度が読み込まれる。続くステップA3において、横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1未満であるか否かが判別される。
横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1未満であれば、ステップA4に進んで、横加速度の絶対値G_Sideに基づいて正面エアバッグ2を展開するための縦加速度に係る展開閾値G_Front_2が算出される。続くステップA5において、縦加速度の絶対値G_Frontが展開閾値G_Front_2以上であるか否かが比較判別される。縦加速度の絶対値G_Frontが展開閾値G_Front_2以上であれば、ステップA6に進んで、正面エアバッグ2に係るインフレータ12を起爆させる制御信号が出力される。
ステップA3において、横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1以上であるときは、ステップA7に進んで、横加速度の絶対値G_Sideに基づいて正面エアバッグ2を展開するための縦加速度に係る展開閾値G_Front_3が算出される。続くステップA8において、縦加速度の絶対値G_Frontが展開閾値G_Front_3以上か否か比較判別される。縦加速度の絶対値G_Frontが展開閾値G_Front_3以上であれば、ステップA6に進んで、正面エアバッグ2に係るインフレータ12を起爆させる制御信号が出力される。
ここに、ステップA3の判別基準である所定値G_Side_1は、側面エアバッグ4に係る展開閾値G_Side_2,G_Side_3の上限である。従って、ステップA3において、横加速度の絶対値G_Sideが所定値G_Side_1以上であるときは、インフレータ13に起爆用の制御信号が別途出力されて側面エアバッグ4が展開する。
以上によれば、図3に示すように、横加速度が所定値G_Side_1未満であるときは、正面エアバッグ2の展開閾値G_Front_2は、横加速度が大きくなるほど小さくなる。これは、正突時には正面エアバッグ2の展開閾値G_Front_2が大きく、横加速度が大きくなるほど、すなわち、斜突になるほど(側突に近くなるほど)、その展開閾値G_Front_2が小さくなるということである。
従って、正突時の展開閾値G_Front_2を下げることなく、換言すれば、正面エアバッグ2が車両1の急ブレーキ時に展開してしまうような誤作動を招くことなく、展開が必要な斜突時にこれを展開させて乗員を確実に保護することができる。また、横加速度が所定値G_Side_1未満であるときは、衝突時における乗員の上体の側方への横倒れはそれほど大きくないから、正面エアバッグ2の展開が乗員に害を及ぼす結果となることは避けられる。
横加速度が所定値G_Side_1以上になると、正面エアバッグ2の展開閾値G_Front_3は、横加速度が大きくなるほど大きくなる。横加速度が大きくなると、乗員の上体が横倒れ姿勢(OOP状態)になりやすいところ、このときは、正面エアバッグ2は、展開閾値G_Front_3が大きくなることによって、その展開が抑えられる。すなわち、正面エアバッグ2の作動が適正になる。また、このときは、横加速度が所定値G_Side_1以上であることにより、図4から明らかなように、側面エアバッグ4が展開する。よって、乗員の横倒れする上体を側面エアバッグ4で受けることができ、乗員の保護に有利になる。
<側面エアバッグ4の展開制御の流れ>
図6はプログラムによる側面エアバッグ2の展開処理の流れを示す。ステップB1において、車両1のIG(エンジンキー)がオフになっているか否かが判別される。IGオンであれば、ステップB2に進んで、縦加速度センサ5で検出される縦加速度及び横加速度センサ6で検出される横加速度が読み込まれる。続くステップB3において、縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1未満であるか否かが判別される。
縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1未満であれば、ステップB4に進んで、縦加速度の絶対値G_Frontに基づいて側面エアバッグ4を展開するための横加速度に係る展開閾値G_Side_2が算出される。続くステップB5において、横加速度の絶対値G_Sideが展開閾値G_Side_2以上であるか否かが比較判別される。横加速度の絶対値G_Sideが展開閾値G_Side_2以上であれば、ステップB6に進んで、側面エアバッグ4に係るインフレータ13を起爆させる制御信号が出力される。
ステップB3において、縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1以上であるときは、ステップB7に進んで、縦加速度の絶対値G_Frontに基づいて側面エアバッグ4を展開するための横加速度に係る展開閾値G_Side_3が算出される。続くステップB8において、横加速度の絶対値G_Sideが展開閾値G_Side_3以上か否か比較判別される。横加速度の絶対値G_Sideが展開閾値G_Side_3以上であれば、ステップB6に進んで、側面エアバッグ2に係るインフレータ13を起爆させる制御信号が出力される。
ここに、ステップB3の判別基準である所定値G_Front_1は、正面エアバッグ2に係る展開閾値G_Front_2,G_Front_3の上限である。従って、ステップB3において、縦加速度の絶対値G_Frontが所定値G_Front_1以上であるときは、インフレータ12に起爆用の制御信号が別途出力されて正面エアバッグ2が展開する。
以上によれば、図4に示すように、縦加速度が所定値G_Front_1未満であるときは、側面エアバッグ4の展開閾値G_Side_2は、縦加速度が大きくなるほど小さくなる。これは、側突時には側面エアバッグ4の展開閾値G_Side_2が大きく、縦加速度が大きくなるほど、すなわち、斜突になるほど(側突に近くなるほど)、その展開閾値G_Side_2が小さくなるということである。
従って、側突時の展開閾値G_Side_2を下げることなく、換言すれば、側面エアバッグ4が車両1のドアの強閉時に展開してしまうような誤作動を招くことなく、展開が必要な斜突時にこれを展開させて乗員を確実に保護することができる。また、縦加速度が所定値G_Front_1未満であるときは、衝突時における乗員の上体の前方への倒れは大きくないから、側面エアバッグ4の展開が乗員に害を及ぼす結果となることは避けられる。
縦加速度が所定値G_Front_1以上になると、側面エアバッグ4の展開閾値G_Side_3は、縦加速度が大きくなるほど大きくなる。縦加速度が大きくなると、乗員の上体が前方に倒れた姿勢(OOP状態)になりやすいところ、このときは、側面エアバッグ4は、展開閾値G_Side_3が大きくなることによって、その展開が抑えられる。すなわち、側面エアバッグ4の作動が適正なものになる。
また、縦加速度が所定値G_Front_1以上であるときは、図3から明らかなように、正面エアバッグ2が展開し、乗員の上体に前方から大きな圧力が加わる。このとき、縦加速度が大きくなるほど展開閾値G_Side_3が大きくなることによって、側面エアバッグ4の展開が抑えられるから、側面エアバッグ4が正面エアバッグ2と相俟って乗員に大きな衝撃を加える結果となることが避けられる。
一方、正面エアバッグ2が展開するときにおいても、縦加速度がそれほど大きくないときは、展開閾値がG_Side_3小さくなるため、側面エアバッグ2が展開しやすくなる。このときは、縦加速度がそれほど大きくないことにより、正面エアバッグ2から乗員に加わる衝撃もそれほど大きくはならないため、側面エアバッグ4が展開しても、乗員がトータルで受ける衝撃は大きくならない。かえって、側面エアバッグ4の展開によって乗員の保護が図れることになる。
なお、正面エアバッグ2は、上述のステアリングホイール3に限らず、他の場所、例えば、車両のインストルメントパネルに設けることができる。
側面エアバッグ4は、カーテンエアバッグとして設けることに限らず、車両のサイドピラーやシートの側部など他の場所に設けることができる。
縦加速度センサ5は、バンパーレインフォースメントに限らず、車両のフロア部など他の場所に設けることができる。横加速度センサも、Bピラー7に限らず、車両のサイドシルなど他の場所に設けることができる。
1 車両
2 正面エアバッグ
4 側面エアバッグ
5 縦加速度センサ
6 横加速度センサ
7 コントローラ
12 正面エアバッグインフレータ
13 側面エアバッグインフレータ

Claims (6)

  1. 車両の座席に着座する乗員の上体の前方に展開する正面エアバッグを備えた車両のエアバッグ展開方法であって、
    上記車両の前後方向の加速度である縦加速度と上記車両の横方向の加速度である横加速度を検出するステップと、
    上記横加速度に基づいて上記正面エアバッグを展開させるための展開閾値を算出するステップと、
    上記縦加速度が上記展開閾値以上であるときに上記正面エアバッグを展開させるステップとを備え、
    上記展開閾値を算出するステップは、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにするプロセスを有し、
    上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにするプロセスは、上記横加速度の絶対値が所定値以上であるときに実行し、
    車両の座席に着座する乗員の上体の側方に展開する側面エアバッグを備え、
    上記横加速度が所定値以上であるときに上記側面エアバッグを展開させるステップを備えていることを特徴とするエアバッグ展開方法。
  2. 請求項において、
    上記展開閾値を算出するステップは、上記横加速度が上記所定値未満であるときは、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が小さくなるようにするプロセスを有することを特徴とするエアバッグ展開方法。
  3. 請求項において、
    上記横加速度が上記所定値であるときの上記展開閾値は零よりも大きいことを特徴とするエアバッグ展開方法。
  4. 車両の座席に着座する乗員の上体の前方に展開する正面エアバッグを備えた車両のエアバッグシステムであって、
    上記車両の前後方向の加速度である縦加速度を検出する縦加速度センサと、
    上記車両の横方向の加速度である横加速度を検出する横加速度センサと、
    上記正面エアバッグにその展開のためのガスを供給するインフレータと、
    上記縦加速度と上記横加速度に基づいて上記インフレータを作動させる制御信号を出力するためのプログラムを格納したメモリと、該メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサとを備えたコントローラとを備え、
    上記プログラムは、上記横加速度に基づいて上記正面エアバッグを展開するための展開閾値を算出する処理と、上記縦加速度が上記展開閾値以上であるときに上記インフレータを作動させる制御信号を生成する処理とを備え、
    上記展開閾値を算出する処理は、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにする処理を有し、
    上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が大きくなるようにする処理は、上記横加速度が所定値以上であるときに実行し、
    車両の座席に着座する乗員の上体の側方に展開する側面エアバッグと、
    上記側面エアバッグにその展開のためのガスを供給するインフレータとを備え、
    上記プログラムは、上記横加速度が所定値以上であるときに上記側面エアバッグに係る上記インフレータを作動させる制御信号を生成する処理を備えていることを特徴とするエアバッグシステム。
  5. 請求項において、
    上記展開閾値を算出する処理は、上記横加速度が上記所定値未満であるときに、上記横加速度が大きくなるほど上記展開閾値が小さくなるようにする処理を有することを特徴とするエアバッグシステム。
  6. 請求項において、
    上記横加速度が上記所定値であるとき上記展開閾値は零よりも大きいことを特徴とするエアバッグシステム。
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