JP7362200B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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本発明は、車両に設けられた加速度検出手段により検出される加速度に基づき、低速正突、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突を含む前面衝突かどうかを判定し、車両に搭載された乗員保護手段を制御する乗員保護装置に関する。
車両の前面衝突時の衝撃から乗員を保護する乗員保護装置として、前面衝突の種類に応じてエアバッグ等の乗員保護手段の制御を行うものが種々開発されている。この種の装置では、前面衝突の中でも、低速正突、左、右のオフセット衝突、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突かどうかを区別して判定し、判定結果に応じて乗員保護手段を動作状態、非動作状態に制御することが要求され、とりわけ低速正突では衝突時の衝撃が比較的小さいことから乗員保護手段を非作動状態に制御する一方、左、右のオフセット衝突、正面ポール衝突、アンダーライド衝突では、乗員保護手段を的確に作動状態に制御して乗員を衝突時の衝撃から保護することが望まれている。
従来の乗員保護装置は、例えば図7に示すように構成され、車両51の運転席側に設けられたD席エアバッグ、助手席側に設けられたP席エアバッグ、前面衝突時に運転席側シートベルトのたるみを巻き取って乗員を固定するD席プリテンショナ、前面衝突時に助手席側シートベルトのたるみを巻き取って乗員を固定するP席プリテンショナなどの乗員保護手段を備え、車両51の車室前部にエアバッグコンピュータユニット52を搭載し、このエアバッグコンピュータユニット52に設けられた前後Gセンサ53により検出される前後方向の加速度、および、車両51の前部中央に設けられたサテライトセンサ54により検出される前後方向の加速度に基づき、エアバッグコンピュータユニット52により前面衝突の種類を区別して判定し、乗員保護手段を制御するものがある。ここで、サテライトセンサ54は、例えばエンジンコンパートメント内のラジエータサポートアッパー部材に取り付けられる。
そして、車両51の前部分のみが変形する低速正突の場合、衝突による衝撃が比較的小さいので、前後Gセンサ53により検出される加速度が小さく、そのため前面衝突時に前後Gセンサ53による検出加速度は、乗員保護手段を作動させるためのしきい値を超えることがないことから、前後Gセンサ53の検出加速度の大きさに基づき、エアバッグコンピュータユニット52により当該前面衝突は低速正突であると判定されて乗員保護手段は非動作状態に制御される。
次に、車両51に、図8(a)に示すように障害物Bが車両51の前部の右寄りに衝突する右オフセット衝突や、同図(b)に示すように障害物Bが車両51の前部の左寄りに衝突する左オフセット衝突のほか、図9に示すような障害物Bが電柱などのポールであるときに、該ポール状の障害物Bに車両51が衝突する正面ポール衝突や、図10に示すように障害物Bが車高の高いトラックであるときに、障害物Bの下部に車高の低い車両51が潜り込むように衝突するアンダーライド衝突が生じた場合に、右、左のオフセット衝突では、車両構造部材として配設された前後方向の右、左のサイドメンバの一方に障害物Bが当り、アンダーライド衝突ではこれらサイドメンバに障害物Bが当たることはなく、正面ポール衝突でも両サイドメンバに障害物Bは当らないため、前後Gセンサ53の検出加速度の大きさだけでは、低速正突と、オフセット衝突、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とを区別することができない。一方、低速正突では、フロントバンパ後部に配置されたクラッシュボックスのみ変形するため、サテライトセンサ54による検出加速度は小さいのに対し、オフセット衝突、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突では、サテライトセンサ54の検出加速度が大きくなることから、サテライトセンサ54の検出加速度の大きさから、低速正突と、これら左右オフセット衝突や正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とを区別することができ、エアバッグコンピュータユニット52により当該前面衝突は左右オフセット衝突、正面ポール衝突、アンダーライド衝突であると判定されると、エアバッグコンピュータユニット52により乗員保護手段は作動状態に制御されて乗員が衝突の衝撃から保護される。
このとき、これら前面衝突の判定を高精度に行うために、例えば特許文献1に記載のように、サテライトセンサを車両前部に複数設けることも考えられている。
特開2001-30873号公報(段落0019~0053*など)
しかし、サテライトセンサ54を車両51の前部に設けるには、専用の筐体や取付ブラケットのほかエアバッグコンピュータユニット52と接続するハーネスが必要になるため、コストの上昇を招くことになり、特許文献1のようにサテライトセンサを複数設ける場合にはコストの一層の上昇を招くという新たな問題が生じる。
そこで、図7に示すサテライトセンサ54に代えて、エアバッグコンピュータユニット52にヨーレートセンサまたは左右方向の加速度を検出する左右Gセンサを追加搭載し、オフセット衝突時には車両51の回転が生じることを利用し、前後Gセンサ53による検出加速度に加えて、ヨーレートセンサにより検出される車両51の回転や、左右Gセンサによる左右方向の検出加速度に基づき、前面衝突の種類を区別することが従来考えられている。ここで、ヨーレートセンサや左右Gセンサはエアバッグコンピュータユニット52に搭載可能であるため、サテライトセンサ54のような専用筐体やハーネスが不要になりコストの上昇を抑制できるという利点がある。
ところで、左右のオフセット衝突では、上記したようにヨーレートセンサや左右Gセンサを設けることにより、車両51の回転或いは左右方向の加速度を検出したときに、車両51の左右のオフセット衝突をより的確に判定することは可能になるが、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突の2つの衝突事象については、回転や左右方向の加速度が発生しないため、オフセット衝突のように低速正突や縁石を乗り越える等の極悪路走行により発生する衝撃と区別して判定することができない。
本発明は、簡単かつ安価な構成により、低速正突と、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突と、縁石乗り越え走行や溝落ち走行による衝撃とを区別して判定できるようにすることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の乗員保護装置は、車両に設けられた加速度検出手段により検出される加速度が、低速正突に基づくものか、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突に基づくものか、縁石乗り越え走行や溝落ち走行に基づくものかどうかを判定し、前記車両に搭載された乗員保護手段を制御する乗員保護装置において、前記加速度検出手段は、前記車両の前後および上下の2方向における加速度を検出する機能を有するものであり、前記加速度検出手段の前後方向および上下方向への検出機能による検出加速度の大きさに基づき、低速正突か否かを判定し、低速正突ではないと判定したときに、上下方向の検出加速度の波形から、該波形が、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突に基づくものか、縁石乗り越え走行や溝落ち走行による衝撃に基づくものかを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記乗員保護手段を作動、非作動に制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記判定手段により前記低速正突であると判定されたときに、前記乗員保護手段を非作動に制御し、前記判定手段により前記低速正突ではなく、縁石乗り越え走行や溝落ち走行による衝撃が生じたと判定されたときに、前記乗員保護手段を非作動に制御し、前記判定手段により前記低速正突ではなく、前記正面ポール衝突か前記アンダーライド衝突と判定されたときに、前記乗員保護手段を作動に制御することを特徴としている。
本願の発明者は、縁石乗り越え走行や溝落ち走行と正面ポール衝突かアンダーライド衝突の場合に、上下方向への加速度が生じること、および、上下方向の加速度の波形が縁石乗り越え走行や溝落ち走行による場合と正面ポール衝突およびアンダーライド衝突の場合とで異なることに着目した。そして、上記したように、車両の前後および上下の2方向における加速度を検出する機能を加速度検出手段に設け、判定手段により、加速度検出手段の前後方向および上下方向への検出機能による検出加速度の大きさに基づき、低速正突かどうかを判定し、低速正突ではないと判定したときに、上下方向の検出加速度の波形から、縁石乗り越え走行や溝落ち走行に起因するものか、正面ポール衝突またはアンダーライド衝突によるものかを区別して判定する。ここで、判定手段により低速正突であると判定されたときには制御手段により乗員保護手段を非作動に制御し、判定手段により低速正突ではなく正面ポール衝突およびンダーライド衝突ではないと判定されたときには、縁石乗り越え走行や溝落ち走行に起因する衝撃が生じたと判断して制御手段により乗員保護手段を非作動に制御し、判定手段により低速正突ではなく正面ポール衝突かアンダーライド衝突であると判定されたときには、制御手段により乗員保護手段を作動に制御するようにした。
したがって、本発明によれば、上下方向の検出加速度の波形に基づき、縁石乗り越え走行や溝落ち走行に起因して生じた衝撃なのか、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突により生じた衝撃なのかを区別して判定することができる。このとき、車両の前後および上下の2方向における加速度を検出する機能は、例えば前後、左右、上下の3軸方向の加速度を検出できる1つの加速度検出手段に設けることが可能であるため、従来のサテライトセンサのような専用筐体やハーネスが不要となり、簡単かつ安価な構成により、低速正突と、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突と、縁石乗り越え走行や溝落ち走行とを区別して判定することができ、乗員保護手段を的確に制御することが可能になる。
本発明に係る乗員保護装置の一実施形態におけるブロック図である。 図1の動作説明図である。 図1の動作説明面図である。 図1の動作説明図である。 図1の動作説明面図である。 図1のエアバッグECUにおけるエアバッグの作動制御のためのしきい値設定に関するブロック図である。 従来例の概略構成図である。 図7の動作説明図である。 図7の動作説明図である。 図7の動作説明図である。
本発明に係る乗員保護装置の一実施形態について、図1ないし図6を参照して説明する。なお、本実施形態における前後、左右、上下とはシートに着座した状態で見た前後、左右、上下を意味する。
本実施形態における乗員保護装置は、図1、図2に示すように構成され、車両1の車室前部に設けられたマイクロコンピュータ構成のエアバッグECU(Electronic Control Unit)2と称されるエアバッグコンピュータユニットにより、車両1の前面衝突かどうかを判定して、車両1に搭載された乗員保護手段が作動状態または非作動状態に制御するものである。ここで、乗員保護手段として、例えば図1に示すように、運転席側に設けられたD席エアバッグ3a、助手席側に設けられたP席エアバッグ3b、前面衝突時に運転席側シートベルトのウェビングのたるみを巻き取って乗員を固定するD席プリテンショナ4a、前面衝突時に助手席側シートベルトのウェビングのたるみを巻き取って乗員を固定するP席プリテンショナ4bが設けられ、これらエアバッグ3a,3bおよびプリテンショナ4a,4bがエアバッグコンピュータユニット2により制御される。なお、乗員保護手段は、上記したエアバッグ3a,3b、プリテンショナ4a,4bに限定されるものではない。
エアバッグECU2は、図1に示すように、CPUから成る制御部2aを備えるとともに、車両1の前後方向の加速度を検出する前後Gセンサ2b、および、上下方向の加速度を検出する上下Gセンサ2cを備え、前後Gセンサ2bの誤検出によるエアバッグ3a,3b、プリテンショナ4a,4bの誤動作を防止するための補助センサとして、セーフィング用前後Gセンサ2dのほか、図示しない左右Gセンサおよびメモリ等を備える。なお、前後Gセンサ2b、上下Gセンサ2cの2つのセンサに代えて、前後および上下の2軸の加速度検出機能を有する1つの加速度センサをエアバッグECU2に搭載してもよい。ここで、エアバッグECU2は、本発明における「判定手段」および「制御手段」としての機能を有する。
D席、P席エアバッグ3a,3bは、運転席および補助席前方のインストルメントパネル内部やステアリング内部に折り畳んだ状態で埋設され、前面衝突時にインフレータがエアバッグECU2からの点火制御信号により点火制御され、エアバッグ3a,3bがそれぞれ乗員の上半身に向かって後方に展開して乗員を前面衝突の衝撃から保護する。また、D席、P席プリテンショナ4a,4bは、例えば前面衝突時に火薬の爆発による力を利用してウェビングを巻き取る機構が作動され、シートベルトのウェビングのたるみが巻き取られることにより、乗員をシートに拘束して前面衝突の衝撃から保護する。
このような構成において、図8に示すような左右のオフセット衝突が生じた場合、エアバッグECU2の左右Gセンサの検出加速度に基づきオフセット衝突かどうかを判別できるため、左右Gセンサの検出加速度をエアバッグECU2により演算した結果、オフセット衝突であると判定すればエアバッグECU2によりエアバッグ3a,3bが展開(作動)され、プリテンショナ4a,4bが作動されて乗員が保護される。
さらに、前面衝突であってもオフセット衝突以外の低速正突、正面ポール衝突やアンダーライド衝突の場合、前者の低速正突ではエアバッグ3a,3bは非展開(非作動)、プリテンショナ4a,4bを非作動に制御し、後者の正面ポール衝突やアンダーライド衝突ではエアバッグ3a,3bを展開(作動)、プリテンショナ4a,4bを作動に制御する必要があるが、図3に示すように、前後Gセンサ2bの検出加速度の大きさが、低速正突では大きく、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突では中程度となるとともに、上下Gセンサ2cの検出加速度の大きさが、低速正突では小さく、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突では大きくなることから、前後Gセンサ2bおよび上下Gセンサ2cの検出加速度の大きさに基づき、低速正突であるか、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突であるかを区別して判定することができる。
ところで、前後Gセンサ2bおよび上下Gセンサ2cの検出加速度の大きさに基づき、前面衝突が正面ポール衝突かアンダーライド衝突であると判定できる状況であっても、図3に示すように、縁石越えや溝落ち等の極悪路走行の場合における前後Gセンサ2bおよび上下Gセンサ2cの検出加速度の大きさは、正面ポール衝突やアンダーライド衝突の場合と同様の傾向を持つため、極悪路走行の場合には作動させる必要がないエアバッグ3a,3bおよびプリテンショナ4a,4bが作動に制御されてしまうという不都合が生じ、極悪路走行と、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とを更に区別して判定する必要がある。
そこで、上下Gセンサ2cの検出加速度の波形が、極悪路走行の場合と、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突の場合とで異なることに着目し、極悪路走行と、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とを区別するようにした。すなわち、図4(a)に示すように、障害物Bが道路の縁石であって、これを乗り越えて車両1が走行するような極悪路走行の場合には、車両1に対して下から突き上げるような衝撃が加わることから、上下Gセンサ2cの検出加速度は、図4(b)示すように、プラス側(上向き)に大きな値を示した後、マイナス側(下向き)に反転し、時間の経過とともにゼロに収束する波形となる。なお、溝落ちの場合には、溝に落ちた瞬間、重力加速度による1Gの大きさの加速度が生じるが、縁石の乗り上げた瞬間の上向きの加速度に比べて非常に小さい値であり、溝に落ちたあと直ぐに縁石乗り上げ時と同様に上向きの大きな加速度が生じるため、溝落ち走行時の上下Gセンサ2cの検出加速度の波形は、図4(b)とほぼ同様となる。
これに対し、図5(a)に示すように、障害物Bが大型トラックでトラックの荷台に下に潜りこむように車両1が衝突するアンダーライド衝突の場合、衝突により車両1の前部が潰れてエンジンにより車室との仕切りが押されるように変形することにより、車両1に対して下向きの衝撃が加わり、この下向きの衝撃による下向きの加速度が上下Gセンサ2cにより検出されることから、上下Gセンサ2cの検出加速度は、図5(b)に示すように、極悪路走行時に上向きの加速度を検出するタイミングよりも少し遅れたタイミングでマイナス側(下向き)に大きな値を示した後、時間の経過とともにゼロに収束する波形となる。なお、正面ポール衝突の場合も、上下Gセンサ2cの検出加速度の波形は、図5(b)に示す波形と同様になる。
したがって、図3に示すように、前面衝突時に前後Gセンサ2bによる検出加速度の大きさが中程度であり、かつ、上下Gセンサ2cによる検出加速度の大きさが非常に大きいときに、当該前面衝突の衝撃が、極悪路走行に起因するものであるのか、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突によるものであるのかを区別するために、エアバッグECU2により、上下Gセンサ2cの検出加速度の波形が、図4(b)、図5(b)のいずれに相当するかを判定して極悪路走行と、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とが区別される。
具体的には、図4(b)、図5(b)にそれぞれ示すように、上下Gセンサ2cの検出加速度のしきい値として、プラス側に第1のしきい値Gaを設定するとともに、マイナス側に第2のしきい値Gbを設定する。そして、前面衝突が生じたときに、前後Gセンサ2bの検出加速度が低速正突時のしきい値を超えるほど大きくなく中程度であり、図4(b)に示すように、上下Gセンサ2cの検出加速度がプラスに立ち上がってから、所定時間内に第1のしきい値Gaを超えた後、マイナス側に反転して第2のしきい値Gbを超えた場合には、極悪路走行による衝撃が生じたと判定し、エアバッグ3a,3b、プリテンショナ4a,4bのいずれも非作動に制御する。
次に、図5(b)に示すように、上下Gセンサ2cの検出加速度が、プラス側に立ち上がることなくマイナス側に生じて第2のしきい値Gbを超えた場合には、正面ポール衝突またはアンダーライド衝突による衝撃が生じたと判定し、エアバッグ3a,3bを展開するとともに、プリテンショナ4a,4bを作動に制御する。
また、前面衝突が生じたときに、前後Gセンサ2bの検出加速度が低速正突時のしきい値を超えるほど大きいが上下Gセンサ2cの検出加速度が小さければ、そのときの前面衝突は低速正突と判定し、エアバッグ3a,3b、プリテンショナ4a,4bのいずれも非作動に制御する。
次に、エアバッグECU2によるエアバッグ3a,3bの展開(作動)・非展開(非作動)を決定するためのしきい値を切り換える動作について、図6の論理回路を用いて説明する。
図6の論理回路は、3つの比較器11a,11b,11cと、2つのANDゲート12a,12bと、1つのORゲート13を備える。なお、図6中の14は、極悪路走行と正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とを区別して判定するエアバッグコンピュータユニット2のエアバッグECU2の判定機能(以下、「ポール/アンダーライド判定」という)を表わしており、上下Gセンサ2cの検出加速度Gupの波形に基づき、極悪路走行ではなく正面ポール衝突かアンダーライド衝突が生じたと判定されると、ANDゲート12aの一方の入力端に論理値「1」が出力される。
そして、比較器11aの上段の入力端および下段の入力端には、エアバッグECU2の前後Gセンサ2bにより検出される前後方向の加速度Gfb(以下、これを検出加速度Gfbという)および低しきい値Glがそれぞれ入力され、検出加速度Gfbと低しきい値Glとの比較の結果、検出加速度Gfbが低しきい値Glよりも大きければ、比較器11aからANDゲート12aの他方の入力端に論理値「1」が出力され、ANDゲート12aの両入力端の論理値がともに「1」になると、ANDゲート12aの出力端からORゲート13の一方の入力端に論理値「1」が出力される。
さらに、比較器11bの上段の入力端および下段の入力端には、検出加速度Gfbおよび高しきい値Gh(>Gl)が入力され、検出加速度Gfbと高しきい値Ghとの比較の結果、検出加速度Gfbが高しきい値Ghより大きければ、比較器11bからORゲート13の一方の入力端に論理値「1」が出力され、ORゲート13のいずれか一方の入力端の論理値が「1」になると、ORゲート13の出力端からANDゲート12bの一方の入力端に論理値「1」が出力される。
また、比較器11cの上段の入力端および下段の入力端には、エアバッグECU2のセーフィング用前後Gセンサ2dによる前後方向の検出加速度Gs(以下これを単に検出加速度Gsという)、およびしきい値Gstがそれぞれ入力され、検出加速度Gsとしきい値Gstとが比較され、検出加速度Gsがしきい値Gstより大きければ、比較器11cからANDゲート12bの他方の入力端に論理値「1」が出力され、ANDゲート12bの両入力端の論理値がともに「1」になると、ANDゲート12bの出力端から論理値「1」が出力される。
そして、車両1の前面衝突が生じたときに、図3に示すように、前後Gセンサ2bの検出加速度Gfbが中程度で、上下Gセンサ2cの検出加速度Gupが大きい場合、前後Gセンサ2bの検出加速度Gfbは中程度つまり低しきい値Glと高しきい値Ghの間の値であり、比較器11a,11bの出力端の論理値はそれぞれ「1」、「0」となるが、上下Gセンサ2cによる検出加速度Gupが低速正突を判別するためのしきい値よりも大きい場合には、そのときの前面衝突による衝撃が、縁石に乗り上げる等の極悪路走行に起因するものか、或いは正面ポール衝突やアンダーライド衝突によるものかを区別しなければならない。
このとき、エアバッグECU2により、上下Gセンサ2cの検出加速度Gupの波形に基づき、極悪路走行と、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とが区別され、極悪路走行であると判定されると、比較器11aの出力端の論理値が「1」でANDゲート12aの他方の入力端の論理値が「1」であっても、ポール/アンダーライド判定14の出力端が論理値「0」でANDゲート12aの一方の入力端の論理値が「0」となるため、ANDゲート12aの出力端は論理値「0」となり、ORゲート13の両入力端の論理値がともに「0」となってORゲート13の出力端の論理値が「0」となり、比較器11cの出力端の論理値に関係なくANDゲート12bの一方の入力端の論理値が「0」になることによってANDゲート12bの出力端の論理値が「0」になり、エアバッグECU2により、エアバッグ3a,3bが非展開(非作動)に制御されるとともに、プリテンショナ4a,4bが非作動に制御される。
他方、ポール/アンダーライド判定14の判定の結果、正面ポール衝突またはアンダーライド衝突と判定されると、ポール/アンダーライド判定14の出力端が論理値「1」となってANDゲート12aの両入力端の論理値はともに「1」となり,ANDゲート12aの出力端が論理値「1」でORゲート13の両入力端の論理値がそれぞれ「1」、「0」となってORゲート13の出力端の論理値は「1」となって、エアバッグECU2の前後、上下Gセンサ2b,2cが正常であれば、セーフィング用前後Gセンサ2dの検出加速度Gsがしきい値Gstより大きくなって比較器11cの出力端の論理値が「1」になり、ANDゲート12bの両入力端の論理値がともに「1」になってANDゲート12bの出力端の論理値が「1」になり、エアバッグECU2により、エアバッグ3a,3bが展開(作動)に制御されるとともにプリテンショナ4a,4bが作動に制御され、乗員が衝突の衝撃から保護される。
このように、車両1の正面ポール衝突またはアンダーライド衝突が生じた場合に、上下方向への加速度が生じること、および、上下方向の加速度の波形つまり時間的挙動が極悪路走行による場合と正面ポール衝突およびアンダーライド衝突の場合とで異なることに着目することによって、上下Gセンサ2c検出加速度の波形に基づき、極悪路走行に起因するのか、正面ポール衝突かアンダーライド衝突によるものかを区別して判定することができる。
したがって、上記した実施形態によれば、上下Gセンサ2cによる検出加速度の波形に基づき、そのときの前面衝突の衝撃が極悪路走行によるものか、正面ポール衝突またはアンダーライド衝突によるものかを区別して判定することができる。
しかも、車両1の上下Gセンサ2cは、従来のサテライトセンサのように前後Gセンサ2bから離れた位置ではなく、前後Gセンサ2bと同じエアバッグECU2に設けることが可能であるため、従来のサテライトセンサのような専用筐体やハーネスが不要となり、簡単かつ安価な構成により、低速正突、オフセット衝突を判定できることに加え、極悪路走行と正面ポール衝突およびアンダーライド衝突とを区別して判定することが可能であり、乗員保護手段を的確に制御することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
また、上記した実施形態では、エアバッグECU2に前後Gセンサ2bに加えて上下Gセンサ2c、左右Gセンサを設けた場合について説明したが、これらのGセンサ2b,2cに代えて、少なくとも前後方向と上下方向の加速度を検出する機能を有する1つのセンサを設けてもよい。
また、低速正突の場合、極悪路走行の場合、正面ポールまたはアンダーライド衝突の場合それぞれにおいて、前後Gセンサ2bによる前後方向の検出加速度と、上下Gセンサ2cにより上下方向の検出加速度との相関パターンが異なることから、低速正突の場合、極悪路走行の場合、正面ポールおよびアンダーライド衝突の場合それぞれにおける前後方向の検出加速度と上下方向の検出加速度との相関パターンを予め実験的に求めてマップ化し、エアバッグECU2の内蔵メモリ等に格納しておき、上記した実施形態のように、上下Gセンサ2cによる検出加速度の波形の導出に代えて、そのときの前面衝突時の前後方向の検出加速度と上下方向の検出加速度との相関パターンが、メモリのマップのいずれのパターンに該当するかを判断し、低速正突、極悪路走行、正面ポールおよびアンダーライド衝突の3つを区別するようにしてもよい。
また、上記した実施形態において、前後Gセンサ2bによる検出加速度の大きさから低速正突ではないと判定されたときに、上下Gセンサ2cによる上下方向の検出加速度が、例えば図4(b)に示すプラス側の第1のしきい値Gaを超えたときに、極悪路走行であると判定し、第1のしきい値Gaを超えた後の一定時間は、ポール/アンダーライド判定14の処理を強制的にオフにしてその後マイナス側の第2のしきい値Gbを超える加速度の判断しないことにより、ポール/アンダーライド判定14の処理時間を短縮し、処理負荷の軽減を図るようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、乗員を保護する乗員保護手段として、エアバッグ3a,3bおよびプリテンショナ4a,4bを設けた場合について説明したが、最低限D席、P席エアバッグ3a,3bを備えていればよく、エアバッグ3a,3bおよびプリテンショナ4a,4bのほかに乗員の膝を衝撃から保護する膝保護手段をさらに備えていてもよい。
また、上記した実施形態では、エアバッグECU2にセーフィング用前後Gセンサ2dを設けた例を示したが、セーフィング用前後Gセンサ2dは特に設けなくてもよい。
また、車両に設けられた加速度検出手段により検出される加速度に基づき、低速正突、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突を含む前面衝突かどうかを判定し、前記車両に搭載された乗員保護手段を制御する乗員保護装置に、本発明を適用することができる。
1 …車両
2 …エアバッグECU(判定手段、制御手段)
3a,3b …D席、P席エアバッグ(乗員保護手段)
4a,4b …D席、P席プリテンショナ(乗員保護手段)

Claims (1)

  1. 車両に設けられた加速度検出手段により検出される加速度が、低速正突に基づくものか、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突に基づくものか、縁石乗り越え走行や溝落ち走行に基づくものかどうかを判定し、前記車両に搭載された乗員保護手段を制御する乗員保護装置において、
    前記加速度検出手段は、前記車両の前後および上下の2方向における加速度を検出する機能を有するものであり、
    前記加速度検出手段の前後方向および上下方向への検出機能による検出加速度の大きさに基づき、低速正突か否かを判定し、低速正突ではないと判定したときに、上下方向の検出加速度の波形から、該波形が、正面ポール衝突およびアンダーライド衝突に基づくものか、縁石乗り越え走行や溝落ち走行による衝撃に基づくものかを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に応じて前記乗員保護手段を作動、非作動に制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記判定手段により前記低速正突であると判定されたときに、前記乗員保護手段を非作動に制御し、
    前記判定手段により前記低速正突ではなく、縁石乗り越え走行や溝落ち走行による衝撃が生じたと判定されたときに、前記乗員保護手段を非作動に制御し、
    前記判定手段により前記低速正突ではなく、前記正面ポール衝突か前記アンダーライド衝突と判定されたときに、前記乗員保護手段を作動に制御する
    ことを特徴とする乗員保護装置。
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