JP3750314B2 - 車両のエアーバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両衝突時にエアーバッグを展開して乗員を拘束保護する運転席エアーバッグ、助手席エアーバッグ、のような車両のエアーバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所定の状態または所定の走行状態に応じてエアーバッグの展開状態を可変制御する車両のエアーバッグ装置が既に発明されている。
例えば、車速(所定の走行状態)が大きい程、衝突時の衝突度合が大となるので、これに対応してエアーバッグの展開開始時期を早める装置、並びに舵角(所定の走行状態)が大きい程、乗員に付勢される遠心力により乗員の衝突時の挙動が不安定になるので、これに対応してエアーバッグの展開開始時期を早める装置が知られている。
【0003】
また特開平7−277123号公報に記載のように、乗員がシートベルトを装着していない時(所定の状態)は、装着時に対してエアーバッグの展開圧力を増大方向に変更し、エアーバッグによる乗員保護性能の向上を図る装置も知られている。
しかし、上述のように所定の状態または所定の走行状態に応じてエアーバッグの展開状態(例えば展開開始時期や展開圧力)を如何に制御しても、衝突対象車両などの衝突対象物に合致した適切なエアーバッグの展開を行なうことができない問題点があった。
【0004】
つまり、図13に衝突時における加速度Gの変化を示すように自車が静止物体と衝突した場合には特性e1の如く変化し、自車が移動体と衝突した場合には特性e2の如く変化し、自車が衝突対象車両としてのトラック等(車高が高い車両)に潜り込むように衝突した場合には自車の塑性変形をともなって特性e3の如く変化するので、単に所定の状態(車速、舵角、シートベルト装着の有無)に応じてエアーバッグの展開状態を可変するだけでは、衝突対象物、特に、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置の高低に対応した適切なエアーバッグの展開を行なうことができない問題点があった。
【0005】
また、加速度Gを積分して衝突速度を求め、この衝突速度と展開開始しきい値とを比較して、衝突速度が展開開始しきい値を超えた時に、エアーバッグを展開制御する場合、自車がトラック等の車高の高い車両と衝突する場合には加速度Gの変化が図13の特性e3で示すように、その衝突初期において極めて小さいので、エアーバッグの展開時期が過度におくれる懸念があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグの低圧展開開始時期を早め、かつ高圧展開開始時期を遅らせることで、トラック、バス等の衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置の高さの差異に対応した適切なエアーバッグの展開を実行することができ、特に低圧時の展開開始遅れの防止と、高圧時の乗員拘束性能の向上との両立を図ることができる車両のエアーバッグ装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両のエアーバッグ装置は、所定の状態に応じてエアーバッグの展開状態を可変制御する車両のエアーバッグ装置であって、車両の衝突度合を検出する衝突度合検出手段と、上記衝突度合検出手段により検出された衝突度合に基づいて、該衝突度合が展開開始しきい値以上の時に、所定の展開圧力でエアーバッグを展開させるエアーバッグ制御手段と、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置を検出する衝突車両検出手段と、上記衝突車両検出手段での検出に応じて、上記展開開始しきい値を設定するしきい値設定手段とを備え、上記エアーバッグ制御手段は、衝突度合が低圧展開開始しきい値以上の時に、低圧となる所定の展開圧力でエアーバッグを展開させ、衝突度合が高圧展開開始しきい値以上の時に、高圧となる所定の展開圧力でエアーバッグを展開させると共に、上記しきい値設定手段は、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグの低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅くするように、低圧展開開始しきい値を小さくする一方、高圧展開開始しきい値を大きく設定するものである。
【0008】
上記構成によれば、衝突度合検出手段は、車両の衝突度合を検出し、エアーバッグ制御手段は、上記衝突度合検出手段により検出された衝突度合に基づいて、該衝突度合が低圧展開開始しきい値以上の時に、低圧となる所定の展開圧力でエアーバッグを展開させ、衝突度合が高圧展開開始しきい値以上の時に、高圧となる所定の展開圧力でエアーバッグを展開させるが、上述のしきい値設定手段は、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置を検出する衝突車両検出手段での検出に応じて、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグの低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅くするように、低圧展開開始しきい値を小さくする一方、高圧展開開始しきい値を大きく設定する。
【0009】
この結果、トラック、バス、乗用車等の衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置の高さの差異に対応した適切なエアーバッグの展開を実行することができる効果がある。
【0010】
特に、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグの低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅らせるので、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置の高低に対応して低圧時の展開開始遅れの防止と、高圧時の乗員拘束性能の向上との両立を図ることができる効果がある。
【0011】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両のエアーバッグ装置を示し、図1において、左右側部のカウルサイドパネル間に水平に張架したパイプ状のステアリングサポートメンバ1を設け、このステアリングサポートメンバ1で、ドライバーズ側にステアリングホイール2のステアリングシャフト3を支持し、パッセンジャーズ側に助手席エアーバッグ装置4を支持している。
【0012】
ここで、上述のカウルサイドパネルは剛性が高く、衝突時においても変形しにくいものであって、このような高剛性のカウルサイドパネルに対して取付けられた剛性の高いステアリングサポートメンバ1に助手席エアーバッグ装置4を支持させているので、この助手席エアーバッグ装置4は衝突時において変位することなく、確実に作動する。
【0013】
上述の助手席エアーバッグ装置4の下方部にはブロアユニット5、クーラユニット6およびヒータユニット7からなる空気調和装置8が配設されている。
また上述の助手席エアーバッグ装置4はステアリングサポートメンバ1に固設された固定ブラケット9,9に支承されている。
【0014】
ところで、図2に示すようにフロアパネル10にはロアレール11、アッパレール12を介してシート13が前後方向にスライド可能に取付けられている。このシート13はシートクッション14と、リクライニング可能なシートバック15と、ヘッドレスト16とを備え、上述のシートクッション14およびシートバック15に複数の圧力センサ17…を内蔵して、これら複数の圧力センサ17の圧力分布により乗員の体重を検出する体重センサ18を構成している。
【0015】
また乗員をシート13に拘束するシートベルト19を設け、このシートベルト19先端の係入金具20がシート13側のバックル21に係入された時(シートベルト装着時)にONとなるシートベルトスイッチ22を設けている。
さらに、インストルメントパネル23の例えば下域部には乗員のシート13に対する着座位置を検出するために乗員位置検出センサ24を配設している。このセンサ24は単一もしくは複数の赤外線センサやCCDカメラあるいは超音波センサ等により構成することができる。なお、上記乗員位置検出センサ24の取付け位置はインストルメントパネル23の下部に限定されることなく、ルーフ側に設けてもよい。
【0016】
一方、上述のシート13のシートバック15における内側部には図3、図4に示す如くサイドエアーバッグ装置25が内蔵されている。このサイドエアーバッグ25は車両の側面衝突時にドアと乗員との間をエアーバッグ26が後方から前方に展開するものである。
【0017】
上述のサイドエアーバッグ装置25は図4に示すように、ケーシング27内にエアーバッグ26およびインフレータ28が収納され、シートバック15のクッション部材15a内に埋設されている。
また上述のケーシング27にはエアーバッグリッド29が設けられる一方、上述のケーシング27は取付用の補強部材30を介してシートフレーム31に固定されている。
【0018】
ところで、図5、図6に示すように車両ボディの前部には衝突物体検出手段としてのクラッシュセンサ32が複数個設けられている。これらの各クラッシュセンサ32は所定の照射角を有する超音波センサにより構成され、衝突対象物(衝突対象車両を含む)を検出する。なお上述のクラッシュセンサ32を超音波センサで構成する手段に代えて、CCDカメラの撮像情報を画像処理する手段であってもよく、相手車両と自車との車両間通信により相手車両の情報なかんずく車高、地上最低高、バンパ位置の情報を入手する手段であってもよく、障害物検知センサとしての既存のコーナセンサを用いる手段であってもよい。
【0019】
図7はエアーバッグ装置の制御回路ブロック図を示し、エアーバッグCPU(以下単にCPUと略記する)40は、車速センサ33からの車速V、舵角センサ34からの舵角θ、スロットルセンサ35からのスロットル開度TVO、シートベルトスイッチ22からのON、OFF信号、車両間通信装置36からの相手車両データ、乗員位置検出センサ24からの乗員位置情報、体重センサ18からの信号、車両前後方向の加速度を検出する加速度センサ37(以下単に縦Gセンサと略記する)からの加速信号、車両左右方向の加速度を検出する加速度センサ38(以下単に横Gセンサと略記する)からの加速度信号、クラッシュセンサ32からの衝突物体検出信号等の必要な各種入力信号に基づいて、ROM39に格納されたプログラムに従って、運転席エアーバッグ装置41、助手席エアーバッグ装置4およびサイドエアーバッグ装置25の高圧インフレータドライバ42,43,44、低圧インフレータドライバ45,46,47と、警報装置48と、ワーニング49とを駆動制御し、またRAM50は必要なデータやマップを記憶する。
【0020】
ここで、上述の各エアーバッグ装置41,4,25は衝突時に展開して乗員を拘束保護するエアーバッグ51,52,26を有し、運転席エアーバッグ装置41はステアリングホイール部に設けられている。
また上述の各エアーバッグ51,52,26にはガス排出用のベントホールと、このベントホールの排気面積を可変調整する排気バルブ(図示せず)がそれぞれ設けられ、該排気バルブはCPU40により開度調整される。
【0021】
上述のエアーバッグ51,52,26を展開させるインフレータ53(但し、各エアーバッグ装置41,4,25のインフレータを一括して図示している)は図8に示す如く中央の仕切部53aを介して均等配置され、低圧イフンレータドライバ45,46,47により一方53bのみを作動(化学物質に着火し、ガスを発生)した時には図9に示す低圧特性xが得られ、高圧インフレータドライバ42,43,44により両方53b,53cを作動した時には図9に示す高圧特性yが得られるように構成している。なお図9に示す各特性x,yは前述の排気バルブによりエアーバッグ51,52,26のベントホールの排気面積を可変調整することで、図9の矢印方向にそのタンク圧力をコントロールすることができる。
【0022】
また上述の各エアーバッグ装置41,4は、車速Vが大きい程、衝突時の衝突度合が大となるので、これに対応してエアーバッグ51,52の展開開始時期を早めると共に、舵角θが大きい程、乗員に付勢される遠心力により乗員の衝突時の挙動が不安定になるので、これに対応してエアーバッグ51,52の展開開始時期を早めるように構成されている。
【0023】
上述の縦Gセンサ37は、車両の衝突度合を検出する衝突度合検出手段である。
また、上記CPU40は、縦Gセンサ37により検出された衝突度合に基づいて、該衝突度合が展開開始しきい値以上の時に、所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させるエアーバッグ制御手段であって、このCPU40は、衝突度合が低圧展開開始しきい値以上の時に、低圧となる所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させ、衝突度合が高圧展開開始しきい値以上の時に、高圧にとなる所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させる。
【0024】
しかも、上述のCPU40は、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置を検出する衝突車両検出手段(図10に示すフローチャートのステップP1参照)と、この衝突車両検出手段P1での検出に応じて、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグ51,52の低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅くするように、上記低圧展開開始しきい値を小さくする一方、高圧展開開始しきい値を大きく設定するしきい値設定手段(図10、図11に示す各フローチャートのステップP2、P12参照)と、を兼ねる。
【0025】
次に図10に示すフローチャート(メインルーチン)と、図11に示すフローチャート(サブルーチン)とを参照して、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグの低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅らせる制御について説明する。この場合、図7に示すRAM50は図12に示すマップM1を記憶する。なお、このマップM1はCD−ROM(図示せず))に記憶させてもよい。
【0026】
図12に示すマップM1は衝突対象車両の地上最低高h4,h3,h2,h1(但し、h1<h2<h3<h4)に対応して、低圧展開開始しきい値αL1,αL2,αL3,αL4(但し、αL1<αL2<αL3<αL4)と、高圧展開開始しきい値αH1,αH4,αH3,αH2(但し、αH1<αH2<αH3<αH4)とをそれぞれ設定した記憶手段である。なお上述の地上最低高h1はバンパ相互の衝突を基準とした値である。
【0027】
図12から明らかなように衝突対象車両の地上最低高(h3>h2>h1)が高い程、低圧展開開始しきい値(αL2<αL3<αL4)が小さく、その展開時期が早くなるように設定されると共に、地上最低高(h3>h2>h1)が高い程、高圧展開開始しきい値(αH4>αH3>αH2)が大きく、その展開開始時期が遅くなるように設定されている。
但し、衝突対象車両の地上最低高が所定値以上の値h4の場合には、低圧展開開始しきい値αL1および高圧展開開始しきい値αH1が共に小さく、低圧展開開始時期および高圧展開開始時期が共に早くなるように設定されている。以下、図10、図11を参照して、その作用について述べる。
【0028】
図10に示すフローチャートの第1ステップP1で、CPU40は複数のクラッシュセンサ32からの入力信号により衝突対象車両の地上最低高を検出する。つまり、この第1ステップP1で衝突対象車両がトラック、バス、乗用車の何れかを判別することができる。なお、超音波センサにより構成された上述のクラッシュセンサ32により衝突対象車両の地上最低高を検出する手段に代えて、CCDカメラの撮像情報を画像処理する手段であってもよく、相手車両と自車との車両間通信により相手車両の地上最低高を入手する手段であってもよく、さらには赤外線センサにより相手車両の地上最低高を検出してもよい。
【0029】
次に第2ステップP2で、CPU40はエアーバッグ51,52の展開開始時期の設定(展開開始しきい値の変更)を実行する。この第2ステップP2の処理は図11に示すサブルーチンにより実行されるので後述する。
次に第3ステップP3で、CPU40はエアーバッグ51,52の展開制御を実行する。すなわち、縦Gセンサ37からの加速度信号を入力し、この信号を積分して衝突速度を求め、衝突速度が展開開始しきい値を超えると、エアーバッグ51,52を展開させる。
【0030】
図11に示すサブルーチンの第1ステップP11で、CPU40は先の第1ステップP1で予め検出した衝突対象車両の地上最低高の読込みを実行し、次の第2ステップP12(読込み設定手段)で、CPU40は読込んだ地上最低高(h1,h2,h3またはh4の何れか1つに)対応してRAM50のマップM1(図12参照)から低圧展開開始しきい値および高圧展開開始しきい値を読込んで設定する。この第2ステップP12で読込み設定された展開開始しきい値は図10のメインルーチンに反映される。
【0031】
このように上記実施例の車両のエアーバッグ装置は、所定の状態に応じてエアーバッグ51,52の展開状態を可変制御する車両のエアーバッグ装置であって、車両の衝突度合を検出する衝突度合検出手段(縦Gセンサ37参照)と、上記衝突度合検出手段(縦Gセンサ37)により検出された衝突度合に基づいて、該衝突度合が展開開始しきい値以上の時に、所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させるエアーバッグ制御手段(CPU40参照)と、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置を検出する衝突車両検出手段(ステップP1参照)と、上記衝突車両検出手段(ステップP1)での検出に応じて、上記展開開始しきい値を設定するしきい値設定手段(ステップP2,P12参照)とを備え、上記エアーバッグ制御手段(CPU40)は、衝突度合が低圧展開開始しきい値(αL2,αL3,αL4)以上の時に、低圧となる所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させ、衝突度合が高圧展開開始しきい値(αH2,αH3,αH4)以上の時に、高圧となる所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させると共に、上記しきい値設定手段(ステップP2,P12)は、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグ51,52の低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅くするように、低圧展開開始しきい値を小さくする一方、高圧展開開始しきい値を大きく設定するものである。
【0032】
この構成によれば、衝突度合検出手段(縦Gセンサ37)は、車両の衝突度合を検出し、エアーバッグ制御手段(CPU40)は、上記衝突度合検出手段(縦Gセンサ37)により検出された衝突度合に基づいて、該衝突度合が低圧展開開始しきい値(αL2,αL3,αL4)以上の時に、低圧となる所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させ、衝突度合が高圧展開開始しきい値(αH2,αH3,αH4)以上の時に、高圧となる所定の展開圧力でエアーバッグ51,52を展開させるが、上述のしきい値設定手段(ステップP2,P12)は、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置を検出する衝突車両検出手段(ステップP1)での検出に応じて、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグ51,52の低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅くするように、低圧展開開始しきい値を小さくする一方、高圧展開開始しきい値を大きく設定する。
【0033】
この結果、トラック、バス、乗用車等の衝突対象車両の地上最低高もしくはバンパ位置の高さの差異に対応した適切なエアーバッグの展開を実行することができる効果がある。
【0034】
特に、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグ51,52の低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅らせるので、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置の高低に対応して低圧時の展開開始遅れ防止と、図13の特性e3で示すように大きい衝撃力がタイミングをずらして付勢される場合の高圧時の乗員拘束性能の向上との両立を図ることができる効果がある。
【0035】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の衝突車両検出手段は、実施例のCPU制御によるステップP1に対応し、
以下同様に、
衝突度合検出手段は、縦Gセンサ37に対応し、
エアーバッグ制御手段は、CPU40に対応し、
しきい値設定手段は、ステップP2,P12に対応するも、
この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0036】
例えば、上記実施例の衝突対象車両の地上最低高を検知する手段に代えて、車高またはバンパ位置を検知すべく構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両のエアーバッグ装置を含む車室内前部の斜視図。
【図2】 センサ配置構造を示す概略側面図。
【図3】 サイドエアーバッグ装置の配設構造を示す斜視図。
【図4】 図3のA−A線矢視に沿う拡大断面図。
【図5】 クラッシュセンサ配置構造を示す車両の平面図。
【図6】 クラッシュセンサ配置構造を示す車両の側面図。
【図7】 エアーバッグ装置の制御回路ブロック図。
【図8】 インフレータ分割構造を示す説明図。
【図9】 時間に対するタンク圧力の変化を示す特性図。
【図10】 エアバッグ展開制御を示すメインルーチン。
【図11】 しきい値設定処理を示すサブルーチン。
【図12】 RAMに記憶させたマップの説明図。
【図13】 衝突時の加速度の変化を示す特性図。
【符号の説明】
37…縦Gセンサ(衝突度合検出手段)
40…CPU(エアーバッグ制御手段)
51,52…エアーバッグ
P1…衝突車両検出手段
P2,P12…しきい値設定手段
Claims (1)
- 所定の状態に応じてエアーバッグの展開状態を可変制御する車両のエアーバッグ装置であって、
車両の衝突度合を検出する衝突度合検出手段と、
上記衝突度合検出手段により検出された衝突度合に基づいて、該衝突度合が展開開始しきい値以上の時に、所定の展開圧力でエアーバッグを展開させるエアーバッグ制御手段と、
衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置を検出する衝突車両検出手段と、
上記衝突車両検出手段での検出に応じて、上記展開開始しきい値を設定するしきい値設定手段とを備え、
上記エアーバッグ制御手段は、衝突度合が低圧展開開始しきい値以上の時に、低圧となる所定の展開圧力でエアーバッグを展開させ、衝突度合が高圧展開開始しきい値以上の時に、高圧となる所定の展開圧力でエアーバッグを展開させると共に、
上記しきい値設定手段は、衝突対象車両の車高、地上最低高もしくはバンパ位置が高い程、エアーバッグの低圧展開開始時期を早め、高圧展開開始時期を遅くするように、低圧展開開始しきい値を小さくする一方、高圧展開開始しきい値を大きく設定する
車両のエアーバッグ装置。
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