JP3120716B2 - 乗員保護装置の起動制御装置 - Google Patents

乗員保護装置の起動制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両が衝突した際
に車両内の乗員を保護するエアバッグ装置などの乗員保
護装置に係わり、特に、このような乗員保護装置の起動
を制御するための起動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗員保護装置の起動を制御する装置とし
ては、例えば、エアバッグ装置におけるスクイブの点火
を制御する装置などがある。エアバッグ装置では、イン
フレータ内においてスクイブによりガス発生剤に点火し
て、インフレータよりガスを発生させ、そのガスによっ
てバッグを膨らませて、乗員を保護している。
【0003】このようなエアバッグ装置のスクイブの点
火を制御する装置では、通常、車両に加わる減速度(特
に、車両の前後方向の減速度)を検出する減速度センサ
(いわゆるGセンサ)を備えており、このGセンサで検
出された減速度を基にして点火制御を行なっている。こ
のような減速度を基にした点火制御方式としては、減速
度そのものを用いる方式や、減速度を1回積分して得ら
れる積分値を用いる方式や、減速度を2回積分して得ら
れる2階積分値を用いる方式など、各種方式がある。
【0004】このうち、減速度の2階積分値を用いる点
火制御の方式としては、例えば、特開平6−10711
3号公報に記載のものがある。この既提案例では、減速
度の2階積分値によってスクイブの点火タイミングを決
定している。
【0005】一般に、減速度を時間について2回積分し
て得られる2階積分値は、車両内の固定されてない物体
の車両に対する変位量を表す。即ち、例えば、前進して
いる車両に前後方向に過剰な減速度が加わった場合、車
両内の乗員は慣性力によって前方に引っ張られて移動す
るが、この時の乗員の車両に対する移動量が上記した2
階積分値に相当する。そこで、上記した既提案例では、
減速度の2階積分値を適当な閾値と大小比較して、2階
積分値がその閾値を超えたときに、スクイブによって点
火するように制御している。従って、このように、乗員
の移動量である減速度の2階積分値を用いることによっ
て、乗員の移動量とバッグの膨張体積を考慮しながらス
クイブの点火タイミングを決定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般にエアバッグ装置
では、車両の走行状態に応じて、バッグを開かせるか否
か(即ち、スクイブでガス発生剤を点火させるか否か)
の判定は極めて重要である。しかしながら、上記した既
提案例では、減速度の2階積分値を用いることによっ
て、スクイブの点火タイミングを決定することはできる
が、点火させるか否かの判定をすることは困難であっ
た。以下、これについて説明する。
【0007】図9は車両衝突時におけるGセンサより検
出された減速度Gとその積分値vとその2階積分値Sの
時間的変化の一例を示す特性図である。図9において、
(a)は減速度Gの時間的変化を、(b)は減速度Gの
積分値vの時間的変化を、(c)は減速度Gの2階積分
値Sの時間的変化を、それぞれ示す。なお、時間tの原
点は車両が衝突対象物に当接した時点である。
【0008】車両衝突時、減速度Gの2階積分値Sは、
図9(c)に示すように、原点より始まるほぼ2次関数
で近似できるような時間的変化を示す。従って、時間t
が無限大の時、2階積分値Sも無限大となるため、2階
積分値Sに対してどの様な閾値を設定しても、2階積分
値Sは時間を経れば必ずその閾値を上回ることになる。
そのため、仮に、2階積分値Sが適当な閾値以下の場合
はスクイブで点火させないものとすると設定しても、2
階積分値Sは閾値を必ず超えてしまうため、2階積分値
Sだけを用いて、点火させるか否か(バッグを開かせる
か否か)の判定をすることは困難である。
【0009】従って、上記した既提案例では、点火させ
るか否かの判定をするために、減速度の2階積分値以外
の別の演算値を用意する必要があった。
【0010】ところで、車両衝突時、減速度Gは図9
(a)に示すように大きく変化するが、2階積分値Sの
ように無限大に大きくなることはなく、所定の減速度以
下には納まる。このため、上記したスクイブの点火制御
方式のうち、減速度そのものを用いる点火制御の方式の
場合は、減速度Gを用いて、点火させるか否か(バッグ
を開かせるか否か)の判定をすることは可能である。
【0011】しかしながら、このように減速度Gを用い
てスクイブの点火制御を行なう場合は、車両衝突の形態
によって、スクイブの点火タイミングを有効に決定する
ことができない場合がある。
【0012】図10は車両によるポール衝突及びアンダ
ーライド衝突の様子とそれら衝突時の車両の減速度Gの
時間的変化の一例を示す説明図である。図10におい
て、(a)は車両100の前部が電信柱102などに衝
突するといったポール衝突の様子を示しており、(b)
は車両100の前部が大型トラック104などに衝突す
るといったアンダーライド衝突の様子を示している。ま
た、(c)はこれらポール衝突,アンダーライド衝突の
際の減速度Gの時間的変化を示している。
【0013】図2(a),(b)に示すように、車両1
00がポール衝突またはアンダーライド衝突をした場
合、衝突対象物(電信柱102,大型トラック104)
は車体の骨格部分へ衝突するのではなく、車体の比較的
柔らかな部分へ衝突することになる。このため、車両1
00の前部が衝突対象物に当接してから、車体の変形は
どんどん進むことになるが、これに対して、車両100
の減速度Gは図10に示すように一向に立ち上がらな
い。そして、車体の変形がさらに進んで、衝突対象物が
例えばフロントエンジンなどの比較的硬い部分に当たる
ことにより、ようやく、減速度Gが立ち上がることにな
る。
【0014】従って、減速度そのものを用いる点火制御
の方式の場合、例えば、減速度Gに対して、適切なスク
イブの点火タイミングを得るために、適当な閾値を設定
したとしても、図10(a),(b)に示したポール衝
突やアンダーライド衝突のような車両衝突の形態におい
ては、図10(c)に示すように減速度Gが立ち上がる
まで閾値を上回らないため、スクイブの点火タイミング
を有効に決定することはできない。なお、このことは、
減速度を1回積分して得られる積分値を用いる方式の場
合でも同様である。
【0015】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題点を解決し、乗員保護装置を起動させるか否か
の判定をするために別の演算値を用意する必要がなく、
また、ポール衝突やアンダーライド衝突などの車両衝突
の形態においても、起動タイミングを有効に決定するこ
とができる乗員保護装置の起動制御装置を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明
の第1の起動制御装置は、車両が衝突した際に該車両に
搭載された乗員保護装置を起動するための起動制御装置
であって、前記車両の減速度を検出する減速度検出手段
と、検出された前記減速度が所定の基準減速度を超えた
ときの前記車両の速度を検出する速度検出手段と、前記
減速度が前記基準減速度を超えたときからの経過時間を
検出する経過時間検出手段と、検出された前記経過時間
と前記速度とを乗算して得られる値と、検出された前記
経過時間に基づいて前記減速度を2回積分して得られる
値と、の差から、前記車両が衝突した際の該車両の変形
量を求める演算手段と、求められた前記変形量が所定の
閾値を超えたときに前記乗員保護装置を起動する起動手
段と、を備えることを要旨とする。
【0017】車両が衝突する際、車両には減速度が加わ
るが、減速度検出手段は、その減速度を検出する。車両
が衝突する際、車両に加わる減速度は大きくなるため、
基準減速度を適当な値に設定しておけば、その基準減速
度を超えることになる。速度検出手段はこのときの車両
の速度を、経過時間検出手段はこのときからの経過時間
を、それぞれ検出する。演算手段は、これら検出された
経過時間と速度とを乗算して得られる値と、検出された
経過時間に基づいて減速度を2回積分して得られる値
と、の差から車両の変形量を求める。起動手段は、その
変形量が閾値を超えたときに乗員保護装置を起動する。
車両の変形量は、減速度の2階積分値のように無限大に
大きくなることはなく、所定の値以下に納まる。また、
衝突対象物が車体の比較的柔らかな部分へ衝突したとし
ても、車両の変形は大きく進むことになるため、車両の
変形量の時間に対する特性は素早く立ち上がる。
【0018】従って、本発明の第1の起動制御装置によ
れば、車両の変形量だけを用いて乗員保護装置を起動さ
せるか否かの判定をすることができる。また、ポール衝
突やアンダーライド衝突のような車両衝突の形態でも、
車両の変形量に対して適当な閾値を設定することによっ
て、変形量の素早い立ち上がりにより閾値を早期に上回
ることになるため、乗員保護装置の起動タイミングを有
効に決定することができる。さらに、車両の変形量を用
いることによって、車両衝突時の車体のダメージに応じ
た乗員保護装置の起動制御ができる。また、減速度以外
に、減速度が基準減速度を超えたときの車両の速度を用
いることにより、より有効な車両の変形量を得ることが
できる。
【0019】なお、本発明において、「超えたとき」に
は、超えた瞬間だけでなく、超えた瞬間から所定時間経
過した後の時点も含まれる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】また、本発明の第2の起動制御装置は、車
両が衝突した際に該車両に搭載された乗員保護装置を起
動するための起動制御装置であって、前記車両の減速度
を検出する減速度検出手段と、検出された前記減速度が
所定の基準減速度を超えたときからの経過時間を検出す
る経過時間検出手段と、検出された前記経過時間に基づ
いて前記減速度を1回積分して得られる積分値を求める
積分手段と、検出された前記経過時間と求められた前記
積分値とを乗算して得られる値と、検出された前記経過
時間に基づいて前記減速度を2回積分して得られる値
と、の差から、前記車両が衝突した際の該車両の変形量
を求める演算手段と、求められた前記変形量が所定の閾
値を超えたときに前記乗員保護装置を起動する起動手段
と、を備えることを要旨とする。
【0029】減速度検出手段は、車両に加わる減速度を
検出する。車両が衝突する際、車両に加わる減速度は大
きくなるため、基準減速度を適当な値に設定しておけ
ば、その基準減速度を超えることになる。経過時間検出
手段はこのときからの経過時間を検出する。また、積分
手段は、検出した経過時間に基づいて減速度を1回積分
する。演算手段は、検出された経過時間と求められた積
分値とを乗算して得られる値と、検出された経過時間に
基づいて減速度を2回積分して得られる値と、の差から
車両の変形量を求める。起動手段は、その変形量が閾値
を超えたときに乗員保護装置を起動する。
【0030】このように、本発明の第2の起動制御装置
によれば、変形量を求めるに際して車両の速度は用いな
いので、速度検出手段が不要であり、部品点数が少なく
て済む。また、現行の起動制御装置におけるロジックを
変更するだけで実現できるので、現行の起動制御装置か
ら容易に、且つ安価に変更することができる。
【0031】
【0032】また、本発明の第3の起動制御装置は、車
両が衝突した際に該車両に搭載された乗員保護装置を起
動するための起動制御装置であって、前記車両の減速度
を検出する減速度検出手段と、検出された前記減速度が
所定の基準減速度を超えたときからの経過時間を検出す
る経過時間検出手段と、検出された前記経過時間に基づ
いて前記減速度を1回積分して得られる積分値を求める
積分手段と、検出された前記経過時間と求められた前記
積分値とを乗算して得られる値と、検出された前記経過
時間に基づいて前記減速度を2回積分して得られる値
と、の差を求める第1の演算手段と、前記積分値と所定
の係数とを乗算して得られる値と、求められた前記差と
所定の係数とを乗算して得られる値と、の和から、前記
車両が衝突した際の該車両の変形量を求める第2の演算
手段と、求められた前記変形量が所定の閾値を超えたと
きに前記乗員保護装置を起動する起動手段と、を備える
ことを要旨とする。
【0033】このように演算することによって、車両の
変形量として、前述した経過時間と速度と減速度から求
めた変形量に近似した値を得ることができるので、より
適切なタイミングで乗員保護装置を起動させることがで
きる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能である。第1の態様は、車両が衝突した
際の該車両の変形量を導き出す変形量導出装置であっ
て、前記車両の減速度を検出する減速度検出手段と、検
出された前記減速度を用いて演算により前記変形量を導
き出す変形量演算手段と、を備えることを要旨とする。
【0043】また、第2の態様は、車両が衝突した際の
該車両の変形量を導き出す変形量導出装置であって、前
記車両の速度を検出する速度検出手段と、検出された前
記速度を用いて演算により前記変形量を導き出す変形量
演算手段と、を備えることを要旨とする。
【0044】このように、第1及び第2の態様とも、前
述した起動制御装置から、車両の変形量を検出する部分
のみを独立させ、車両変形量検出装置を構成するように
している。このよう構成した場合は、この車両変形量検
出装置によって検出された変形量を乗員保護装置の起動
制御以外の目的にも用いることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例と
しての起動制御装置の構成を示すブロック図である。図
1に示すように、本実施例の起動制御装置50は、主と
して、減速度センサ20、速度センサ28、タイマ32
及び制御回路30で構成されている。そして、起動制御
装置50は、駆動回路34を介してエアバッグ装置36
に接続されている。これら各構成要素は車両(図示せ
ず)内のそれぞれ所定の位置に搭載されている。
【0046】これらのうち、減速度センサ20は車両に
対し前後方向に加わる減速度を検出するセンサであり、
検出された減速度はアナログの電気信号として出力され
る。なお、減速度センサ20は、減速度のみを検出する
センサであっても良いし、減速度を含む広義の加速度を
検出するセンサであっても良い。
【0047】減速度センサ20より出力された電気信号
はフィルタ22においてノイズ成分などが除かれた後、
アンプ24において増幅され、その後、アナログ/ディ
ジタル変換器26においてアナログ信号からディジタル
信号に変換されて、制御回路30に入力される。なお、
減速度センサ20から出力される電気信号が、ディジタ
ル信号である場合には、フィルタ22,アンプ24及び
アナログ/ディジタル変換器26などは省略することも
可能である。
【0048】一方、速度センサ28は、車両の速度(対
地速度)を検出するセンサであり、検出された速度はデ
ィジタルの電気信号として制御回路30に出力される。
なお、速度センサ28としては、アナログの電気信号を
出力するセンサであっても良い。また、速度センサ28
を設ける代わりに、スピードメータ(図示せず)で得ら
れた値を読み取って、制御回路30に出力するようにし
ても良い。
【0049】また、タイマ32は所定の時点からの経過
時間を検出するものであり、検出された経過時間はディ
ジタルの電気信号として制御回路30に出力される。
【0050】制御回路30は、中央処理装置(CPU)
40、リード・オンリ・メモリ(ROM)42、ランダ
ム・アクセス・メモリ(RAM)44及び入出力回路4
6などを備えており、各構成要素はバスで接続されてい
る。このうち、CPU40はROM42に記憶されたプ
ログラムなどに従って起動制御の各種処理動作を行な
う。RAM44は各センサ20,28やタイマ32など
から得られたデータや、それに基づいてCPU40が演
算した結果などを格納しておくためのメモリである。ま
た、入出力回路46は各センサ20,28やタイマ32
などからデータを入力したり、駆動回路34に起動信号
を出力したりするための回路である。
【0051】エアバッグ装置36は、点火装置であるス
クイブ38の他、スクイブ38により点火されるガス発
生剤(図示せず)や、発生したガスによって膨張するバ
ッグ(図示せず)などを備えている。また、駆動回路3
4は、起動制御装置50からの起動信号によってエアバ
ッグ装置36内のスクイブ38に通電し点火させる回路
である。
【0052】では、車両が衝突する時における制御回路
30内のCPU40の処理動作について説明する。図2
は図1における制御回路30内のCPU40の処理動作
の流れを示すフローチャートである。この処理が開始さ
れると、まず、CPU40は減速度Gを読み込む処理を
行なう(ステップS20)。即ち、減速度センサ20で
検出された減速度Gは、電気信号としてフィルタ22,
アンプ24を介してアナログ/ディジタル変換器26に
伝達される。アナログ/ディジタル変換器26では、そ
の伝達された電気信号をアナログ信号からディジタル信
号に変換して制御回路30の入出力回路46に入力す
る。CPU40では、入出力回路46を介して入力され
た減速度Gを読み込む。
【0053】次に、読み込んだ減速度Gが予め設定され
た基準減速度Gthを超えたか否かを判定する処理を行な
い(ステップS22)、基準減速度Gthを超えていなけ
ればステップS20に戻って再び減速度Gを読み込み、
超えていればステップS24に進む。
【0054】ステップS24に進むと、ステップS24
では、CPU40はタイマ32に時間計測開始の指示を
出す。これにより、タイマ32は、減速度Gが基準減速
度Gthを超えた時点からの経過時間を計測することにな
る。次に、CPU40は車両の速度V0を読み込む処理
を行なう(ステップS26)。即ち、速度センサ28で
検出された車両の速度V0が電気信号として制御回路3
0の入出力回路46に入力される。CPU40は、入出
力回路46を介して入力された速度V0を読み込む。こ
れにより、CPU40は、減速度Gが基準減速度Gthを
超えた時点における車両の速度V0を得ることができ
る。
【0055】次に、CPU40は再び減速度センサ20
からの減速度Gを読み込む処理を行なった後(ステップ
S28)、タイマ32からの経過時間Tを読み込む処理
を行なう(ステップS30)。そして、読み込んだ減速
度Gと経過時間Tを用いて、積分値vを下記の計算によ
り求める処理を行なう(ステップS32)。
【0056】
【数1】
【0057】即ち、この積分値vは、減速度Gを、減速
度Gが基準減速度Gthを超えた時点から現時点(経過時
間Tを読み込んだ時点)まで、時間tについて積分して
得られる値であり、これは、車両内の固定されてない物
体(例えば、乗員など)の車両に対する現時点での相対
速度を表すことになる。つまり、前進している車両に減
速度が加わった場合、車両内の固定されていない物体
は、慣性力によって前方に引っ張られ、車両に対して前
方に加速するが、その場合の車両に対する現時点での速
度が積分値vである。
【0058】続いて、CPU40は、読み込んだ経過時
間T及び車両の速度V0と、ステップS32で求めた積
分値vとを用いて、車両の変形量Dを下記の計算により
求める処理を行なう(ステップS34)。
【0059】
【数2】
【0060】ところで、前述したように、車両に減速度
が加わった場合、車両内の固定されていない物体は車両
に対して前方に加速し、その場合の車両に対する現時点
での相対速度は前述の積分値vとなる。しかし、車両内
の固定されていない物体の現時点での対地速度は、車両
に減速度が加わった時点から変化せず、車両に減速度が
加わった時点の車両の速度と等しいことになる。そこ
で、減速度Gが基準減速度Gthを超えた時点を、車両に
減速度が加わった時点と仮定すると、車両内の固定され
ていない物体の現時点での対地速度は前述の速度V0
等しいことになる。従って、式(2)において、V0
vは、車両内の固定されていない物体の現時点での対地
速度V0と車両に対する現時点での相対速度vとの差で
あるため、車両の現時点での対地速度を表すことにな
る。
【0061】さらに、式(2)では、この車両の絶対速
度V0−vを、減速度が基準減速度Gthを超えた時点か
ら現時点まで、時間tについて積分している。よって、
減速度Gが基準減速度Gthを超えた時点で、車両が衝突
対象物に当接したと仮定すると、式(2)で得られる値
Dは、車両が衝突対象物と当接してからの車両の変位量
を表すことになる。また、車両は、衝突対象物と当接し
た後、衝突対象物との衝突によって前部を変形させなが
ら前方に進むため、上記した車両の変位量は車両の変形
量と等価である。従って、式(2)によって得られる値
Dは、車両の現時点での変形量を表すことになる。
【0062】なお、上記の如く、減速度Gが基準減速度
Gthを超えた時点で、車両が衝突対象物に当接したと仮
定すると、速度V0は車両が衝突対象物に当接した時点
の車両の速度、即ち、衝突速度を表すことになる。
【0063】次に、CPU40はこうして求めた車両の
変形量Dが予め定めた閾値Dthを超えたか否かを判定す
る処理を行ない(ステップS36)、超えていなければ
ステップS28に戻って、再び減速度Gを入力し、前述
した処理を繰り返す。また、超えていればステップS4
0に進み、CPU40は入出力回路46を介して駆動回
路34に起動信号を出力する。これにより、駆動回路3
4はエアバッグ装置36を起動すべく、スクイブ38に
通電し、スクイブ38でガス発生剤(図示せず)を点火
させる。
【0064】図3はCPU40に読み込まれた減速度G
並びにCPU40により求められた積分値v、差V0
v及び変形量Dの時間的変化を示す特性図である。図3
において、(a)は減速度Gの、(b)は積分値vの、
(c)は差V0−vの、(d)は変形量Dの、それぞれ
時間的変化を示している。
【0065】車両の減速度Gが図3(a)に示すように
変化する場合に、基準減速度Gthが例えば0に設定され
ているとすると、減速度Gが基準減速度Gthを超えるの
は、時間t=0の時点である。従って、減速度Gの積分
値であるvは図3(b)に示すように変化する。また、
時間t=0(減速度Gが基準減速度Gthを超えた時点)
における車両の速度をV0とすると、車両の速度V0と積
分値vとの差V0−vは図3(c)に示すように変化す
る。なお、図3(c)において、差V0−vは積分値v
が速度V0を超えた時点で負となっている。差V0−vは
前述したように車両の対地速度を表すため、図3(c)
は車両の対地速度が上記時点で負になることを示してい
る。なお、車両の対地速度が負になるのは、車両が衝突
対象物に衝突した後、衝突した際の反動によって車両が
後進するからである。
【0066】さて、次に、差V0−vを時間について積
分すると、その積分値である車両の変形量Dは図3
(d)に示すように変化する。ここで、図3(d)から
明らかなように、車両の変形量Dは、図9(c)に示し
た減速度Gの2階積分値Sのように無限大に大きくなる
ことはなく、所定の値以下に納まる。このため、本実施
例では、この変形量Dだけを用いて、エアバッグ装置3
6を起動させるか否か(即ち、スクイブ38で点火させ
るか否か)の判定をすることが可能であり、従来のよう
に、別の演算値を用意する必要はない。また、衝突対象
物が車体の比較的柔らかな部分へ衝突したとしても、車
両の変形は大きく進むことになるため、車両の変形量D
の時間に対する特性は素早く立ち上がることになる。従
って、本実施例では、ポール衝突やアンダーライド衝突
のような車両衝突の形態でも、変形量Dに対して適当な
閾値Dthを設定することによって、変形量Dの素早い立
ち上がりにより変形量Dは閾値Dthを早期に上回ること
になるため、スクイブの点火タイミングを有効に決定す
ることができる。また、本実施例では、車両の変形量D
を用いることによって、車両衝突時の車体のダメージに
応じてエアバッグ装置36の起動制御をすることができ
る。
【0067】ところで、本実施例では、速度センサ28
は前述したように車両の対地速度を検出するセンサであ
るため、ステップS26においてCPU40が読み込む
速度V0は、減速度Gが基準減速度Gthを超えた時点の
車両の対地速度である。従って、ステップS34で求め
られる車両の変形量Dは、車両が対地速度V0で、静止
している衝突対象物に当接した場合の、車両の変形量を
表すことになる。しかし、衝突対象物としては、電信柱
やガードレールなどの静止物ばかりとは限らず、走行し
ている他の車両なども当然含まれる。
【0068】そこで、速度センサ28として、車両の対
地速度を検出するセンサを用いる代わりに、自己の車両
と衝突対象となる他の車両との相対速度を検出するセン
サを用いるようにする。このようにすれば、ステップS
26においてCPU40には速度V0として、減速度G
が基準減速度Gthを超えた時点における自己の車両と他
の車両との相対速度が読み込まれるため、ステップS3
4で求められる車両の変形量Dは、自己の車両と衝突対
象となる他の車両とが相対速度V0で当接した場合の、
車両の変形量を表すことになる。従って、衝突対象物が
走行している車両などであっても、より適切にエアバッ
グ装置36を起動制御することができる。
【0069】なお、自己の車両と衝突対象となる他の車
両との相対速度を検出するセンサとしては、レーダセン
サや、超音波センサや、赤外線センサなどを用いること
が可能である。
【0070】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図4は本発明の第2の実施例としての起動制御装
置の構成を示すブロック図である。図4に示すように、
本実施例の起動制御装置60は、第1の実施例と異な
り、速度センサを備えていない。従って、本実施例で
は、減速度センサ20で検出される減速度Gのみを用い
て、車両の変形量を求めるようにしている。具体的に
は、減速度Gが基準減速度Gthを超えたときの車両の速
度V0の代わりに、現時点での積分値vを用いて、車両
の変形量を求める。
【0071】では、本実施例において、車両が衝突する
時における制御回路30内のCPU40の処理動作につ
いて説明する。図5は図4における制御回路30内のC
PU40の処理動作の流れを示すフローチャートであ
る。図5において、ステップS42からステップS52
までの処理は、図2におけるステップS20からステッ
プS32までの処理と同じである。但し、本実施例にお
いては、車両の速度V0は読み込まないので、図2のス
テップS26に相当する処理はない。
【0072】次に、CPU40は、ステップS50で読
み込んだ経過時間Tと、ステップS52で求めた積分値
vとを用いて、車両の変形量D’を下記の計算により求
める処理を行なう(ステップS54)。
【0073】
【数3】
【0074】ところで、前述した式(2)において、減
速度Gが基準減速度Gthを超えた時点における車両の速
度V0は定数であるため、式(2)は下記の式(4)の
如く変形できる。
【0075】
【数4】
【0076】従って、式(4)を式(3)と比較すると
明らかなように、本実施例では、車両の速度V0の代わ
りに、積分値vを用いている。従って、式(2)で得ら
れる値Dは、車両が衝突対象物に速度V0で当接した場
合の車両の現時点での変形量を表すのに対し、式(3)
で得られる値D’は、車両が衝突対象物に仮に速度vで
当接したと仮定した場合の車両の現時点での変形量を表
すことになる。
【0077】次に、CPU40はこうして求めた車両の
変形量D’が閾値Dth’を超えたか否かを判定する処理
を行ない(ステップS56)、超えていなければステッ
プS48に戻って、再び減速度Gを入力して処理を繰り
返し、超えていれば駆動回路34に起動信号を出力する
(ステップS58)。なお、閾値Dth’としては、式
(3)で得られる変形量D’に応じた適当な値を予め定
めておく。
【0078】図6はCPU40に読み込まれた減速度G
並びにCPU40により求められた積分値vの時間的変
化を示す特性図である。図6において、(a)は減速度
Gの、(b),(c)は積分値vの、それぞれ時間的変
化を示している。また、(b)と(c)では、本実施例
で求められる車両の変形量D’と第1の実施例で求めら
れる車両の変形量Dとを比較して示している。
【0079】車両の減速度Gが図6(a)に示すように
変化すると、その積分値であるvは図6(b),(c)
に示すように変化する。従って、式(3)で求められる
車両の変形量D’は、図6(b)から明らかなように、
斜線で示す領域Aの面積となる。なお、第1の実施例で
求められる(即ち、式(4)で求められる)車両の変形
量Dは、図6(c)から明らかなように、斜線で示す領
域A+Bの面積となる。従って、本実施例で求められる
変形量D’は第1の実施例で求められる変形量Dよりも
領域Bの面積分だけ少なくなる。
【0080】本実施例においても、車両の変形量D’
は、第1の実施例における変形量Dと同様、無限大に大
きくなることはなく、所定の値以下に納まるため、この
変形量D’だけを用いて、エアバッグ装置36を起動さ
せるか否か(即ち、スクイブ38で点火させるか否か)
の判定をすることが可能であり、従来のように、別の演
算値を用意する必要はない。また、衝突対象物が車体の
比較的柔らかな部分へ衝突したとしても、車両の変形量
D’の時間に対する特性は素早く立ち上がるため、ポー
ル衝突やアンダーライド衝突のような車両衝突の形態で
も、変形量D’に対して適当な閾値Dth’を設定するこ
とによって、変形量D’は閾値Dth’を早期に上回るこ
とになり、スクイブの点火タイミングを有効に決定する
ことができる。また、本実施例では、車両の変形量D’
を用いることによって、車両衝突時の車体のダメージに
応じてエアバッグ装置36の起動制御ができる。また、
本実施例では、変形量D’を求めるに際して車両の速度
0を用いないので、速度センサ28が不要である共
に、速度センサ28からの入力が無くなる分、制御回路
30の入力端子の数も少なくて済む。
【0081】図7はポール衝突時及びアンダーライド衝
突時における積分値vと車両の変形量D’の時間的変化
の一例を示す特性図である。図7において、(a)は積
分値vの時間的変化を、(b)は変形量D’の時間的変
化をそれぞれ示している。また、実線のP1,P2はポ
ール衝突時の特性であり、A1,A2はアンダーライド
衝突時の特性である。なお、破線のF1,F2は車両の
衝突が低速での正突(車両の正面全体での衝突)であっ
た場合の特性である。
【0082】図7においては、低速正突時の特性の最大
値をそれぞれ閾値として設定している。即ち、図7
(a)においては、特性F1の最大値を積分値vに対す
る閾値vthとし、図7(b)においては、特性F2の最
大値を変形量D’に対する閾値Dth’としている。
【0083】従来における減速度Gを1回積分して得ら
れる積分値vを用いる方式では、図7(a)に示すよう
に、ポール衝突時(P1),アンダーライド衝突時(A
1)は何れも、時刻t3において、積分値vが閾値vth
を超えている。これに対して、本実施例における車両の
変形量D’を用いる方式では、図7(b)に示すよう
に、ポール衝突時(P2)には時刻t2で、アンダーラ
イド衝突時(A2)には時刻t1で、ぞれぞれ、変形量
D’が閾値Dth’を超えており、何れの衝突時も、時刻
t3より速い時刻t1,t2で閾値Dth’を超えてい
る。従って、ポール衝突時,アンダーライド衝突時と
も、本実施例における車両の変形量D’を用いる方式の
方のが、従来における積分値vを用いる方式よりも、ス
クイブの点火タイミングが速いため、エアバッグ装置3
6をより速く起動させることができる。
【0084】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。本実施例における起動制御装置60自体の構成は
図4に示した第2の実施例と同様である。さて、前述し
たように、第2の実施例で求められる変形量D’は、第
1の実施例で求められる変形量Dよりも図6(c)に示
した領域Bの面積分だけ少なくなる。このため、第2の
実施例では、変形量D’の時間に対する特性の立ち上が
りが、第1の実施例における変形量Dの時間に対する特
性の立ち上がりよりも遅れてしまう場合があった。そこ
で、本実施例では、できる限り第1の実施例における変
形量Dの特性に近づけるために、積分値vと変形量D’
とを用いて変形量Dに近似した値を求め、変形量D''と
して得るようにしている。
【0085】では、本実施例において、車両が衝突する
時における制御回路30内のCPU40の処理動作につ
いて説明する。図8は本発明の第3の実施例における制
御回路30内のCPU40の処理動作の流れを示すフロ
ーチャートである。図8において、ステップS60から
ステップS72までの処理は、図5におけるステップS
42からステップS54までの処理と同じである。
【0086】次に、CPU40は、ステップS70で求
めた積分値vと、ステップS72で求めたD’とを用い
て、車両の変形量D''を下記の計算により求める処理を
行なう(ステップS74)。
【0087】
【数5】
【0088】但し、α,βはそれぞれ所定の係数であ
る。式(5)では、積分値vと変形量D’とを用いてv
とD’との線形重み付け加算値を求めている。すなわ
ち、式(5)において、右辺第1項のvは変形量D’の
微分値であり、変形量D’の傾きに相当し、右辺第2項
には変形量D’そのものが含まれている。従って、式
(5)によって、変形量D''として、第1の実施例にお
ける変形量Dに近似した値を得ることができる。
【0089】本実施例においても、第2の実施例と同様
の効果が得られる他、車両の変形量D''として、第1の
実施例における変形量Dに近似した値を得ることができ
るため、第2の実施例における変形量D’と比べて、変
形量の時間に対する特性の立ち上がりが速くなる。
【0090】なお、本実施例においては、変形量D’を
用いて変形量Dに近似した値を求めるのに、線形重み付
け加算を用いたが、これの代わりに、ニュートラルネッ
トを利用した予測手法を用いても良い。
【0091】さて、本発明は上記した実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様にて実施することが可能である。
【0092】例えば、上記した各実施例では、減速度セ
ンサ20を用いて車両の減速度Gを随時検出し、その検
出された減速度Gを用いて車両の変形量を求めていた。
しかし、第1の実施例で求めた車両の変形量Dについて
は、減速度Gを用いなくても、車両の速度Vがわかれば
求めることができる。即ち、式(2)において、V0
減速度Gが基準減速度Gthを超えた時点における車両の
対地速度である場合、前述したようにV0−vは車両の
現時点での対地速度を表し、また、V0が上記時点にお
ける自己の車両と衝突対象となる他の車両との相対速度
である場合は、V0−vは自己の車両と他の車両との現
時点での相対速度を表す。従って、何れにしても、式
(2)におけるV0−vは、広い意味で車両の速度Vを
表すことになる。よって、車両の速度(車両の現時点で
の対地速度或いは自己の車両と他の車両との現時点での
相対速度)Vがわかれば、下記に示すように、この車両
の速度Vを時間tについて積分することにより、車両の
変形量Dを求めることができる。
【0093】
【数6】
【0094】なお、車両の速度Vは、車両の対地速度或
いは自己の車両と他の車両との相対速度を随時検出でき
るような速度センサを用いることによって、容易に得る
ことができる。
【0095】また、この場合、車両の減速度Gを随時検
出する必要はないため、減速度センサ20を必ずしも設
ける必要はないが、少なくとも、減速度Gが基準減速度
Gthを超えたか否かの検出することができるセンサ(例
えば、セーフィングセンサに類似したセンサ)を備える
必要がある。
【0096】上記した各実施例では、乗員保護装置とし
て、エアバッグ装置を用いていたが、エアバッグ装置以
外にも、例えば、プリローダ付きシートベルトを用いる
ようにしても良い。このプリローダ付きシートベルト
は、例えば、インフレータより発生されたガスによって
シートベルトを巻き取り、シートベルトの機能を一層高
めるように動作するものである。
【0097】上記した各実施例は全て乗員保護装置の起
動制御装置であるが、起動制御装置内の車両の変形量を
検出する部分のみを独立させ、車両変形量検出装置を構
成するようにしても良い。このようにした場合は、この
車両変形量検出装置によって検出された変形量を乗員保
護装置の起動制御以外の目的にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての起動制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】図1における制御回路30内のCPU40の処
理動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】CPU40に読み込まれた減速度G並びにCP
U40により求められた積分値v、差V0−v及び変形
量Dの時間的変化を示す特性図である。
【図4】本発明の第2の実施例としての起動制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図5】図4における制御回路30内のCPU40の処
理動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】CPU40に読み込まれた減速度G並びにCP
U40により求められた積分値vの時間的変化を示す特
性図である。
【図7】ポール衝突時及びアンダーライド衝突時におけ
る積分値vと車両の変形量D’の時間的変化の一例を示
す特性図である。
【図8】本発明の第3の実施例における制御回路30内
のCPU40の処理動作の流れを示すフローチャートで
ある。
【図9】車両衝突時におけるGセンサより検出された減
速度Gとその積分値vとその2階積分値Sの時間的変化
の一例を示す特性図である。
【図10】車両によるポール衝突及びアンダーライド衝
突の様子とそれら衝突時の車両の減速度Gの時間的変化
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
20…減速度センサ 22…フィルタ 24…アンプ 26…アナログ/ディジタル変換器 28…速度センサ 30…制御回路 32…タイマ 34…駆動回路 36…エアバッグ装置 38…スクイブ 40…CPU 42…ROM 44…RAM 46…入出力回路 50,60…起動制御装置 102…電信柱 104…大型トラック A,B…領域 D,D’,D''…変形量 Dth,Dth’,Dth''…閾値 F1,F2…特性 G…減速度 Gth…基準減速度 T…経過時間 V0,V…速度 t…時間 t1,t2,t3…時刻 v…速度
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/32 B60R 21/16 G01P 15/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両が衝突した際に該車両に搭載された
    乗員保護装置を起動するための起動制御装置であって、前記車両の減速度を検出する減速度検出手段と、 検出された前記減速度が所定の基準減速度を超えたとき
    の前記車両の速度を検出する速度検出手段と、 前記減速度が前記基準減速度を超えたときからの経過時
    間を検出する経過時間検出手段と、 検出された前記経過時間と前記速度とを乗算して得られ
    る値と、検出された前記経過時間に基づいて前記減速度
    を2回積分して得られる値と、の差から、前記車両が衝
    突した際の該車両の変形量を求める演算手段と、 求められた 前記変形量が所定の閾値を超えたときに前記
    乗員保護装置を起動する起動手段と、 を備える乗員保護装置の起動制御装置。
  2. 【請求項2】 車両が衝突した際に該車両に搭載された
    乗員保護装置を起動するための起動制御装置であって、 前記車両の減速度を検出する減速度検出手段と、 検出された前記減速度が所定の基準減速度を超えたとき
    からの経過時間を検出する経過時間検出手段と、 検出された前記経過時間に基づいて前記減速度を1回積
    分して得られる積分値を求める積分手段と、 検出された前記経過時間と求められた前記積分値とを乗
    算して得られる値と、検出された前記経過時間に基づい
    て前記減速度を2回積分して得られる値と、の差から、
    前記車両が衝突した際の該車両の変形量を求める演算手
    段と、 求められた前記変形量が所定の閾値を超えたときに前記
    乗員保護装置を起動する起動手段と、 を備える乗員保護装置の起動制御装置。
  3. 【請求項3】 車両が衝突した際に該車両に搭載された
    乗員保護装置を起動するための起動制御装置であって、 前記車両の減速度を検出する減速度検出手段と、 検出された前記減速度が所定の基準減速度を超えたとき
    からの経過時間を検出する経過時間検出手段と、 検出された前記経過時間に基づいて前記減速度を1回積
    分して得られる積分値を求める積分手段と、 検出された前記経過時間と求められた前記積分値とを乗
    算して得られる値と、検出された前記経過時間に基づい
    て前記減速度を2回積分して得られる値と、の差を求め
    る第1の演算手段と、 前記積分値と所定の係数とを乗算して得られる値と、求
    められた前記差と所定の係数とを乗算して得られる値
    と、の和から、前記車両が衝突した際の該車両の変形量
    を求める第2の演算手段と、 求められた前記変形量が所定の閾値を超えたときに前記
    乗員保護装置を起動する起動手段と、 を備える乗員保護装置の起動制御装置。
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