JP2972812B2 - ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子ポリペプチド - Google Patents
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子ポリペプチドInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、アミノ酸残基117に機能的な炭水化物構造
を欠いていることを特徴とする新規ヒト組織型プラスミ
ノーゲン活性化因子に関する。この新規ヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子は、それ以外、アミノ酸残基18
4および/または448の機能的な炭水化物構造においては
修飾されていない(天然のものと比較して)。驚くべき
ことに、この新規ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子は、天然のものと比較すると、実質的に完全な生物学
的活性を保持しており、さらに、予想外に長くなった生
体内半減期を有している。 従来技術 ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子はプラスミノ
ーゲンをプラスミンに変換する。こうして生成したプラ
スミンは、血餅の主要要素を構成しているフィブリンマ
トリックスをタンパク質加水分解的に切断する。これに
よりヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子は血餅溶解
に関与し、従って、種々の血栓溶解に関する疾患の治療
に有用である。 ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の略号t−PA
は、血栓症および止血に関する国際委員会XXVIII(the
XXVIII Meeting of the International Committee on T
hrombosis and Hemostatis;Bergamo,Italy,27 July 198
2)に提案された後、採用されたものである。本明細書
中で用いる場合、「ヒト組織型プラスミノーゲン活性化
因子」、「t−PA」、「ヒトt−PA」、または「組織プ
ラスミノーゲン活性化因子」なる語句は、ヒトの外因性
(組織型)プラスミノーゲン活性化因子を意味し、これ
は、たとえば天然原料の抽出および精製[コーレン等
(Collen et al.);欧州特許出願No.41766(1980年6
月11日の最初の出願に基いて1981年12月16日公開)、お
よびリジケン等(Rijken et al.,Journal of Biol.Che
m.,256,7035(1981))を参照]、ならびに組換え細胞
培養システム[たとえば欧州特許出願公開No.93619(19
82年5月5日の最初の出願に基いて1983年11月9日公
開)に、アミノ酸配列および物理的および生物学的性質
とともに記載されている]によって調製される。 米国特許No.4326033は、ウロキナーゼの炭水化物構造
を化学的に修飾することによってウロキナーゼの半減期
を長くすることについて報告している。ウロキナーゼは
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子と免疫学的に異
なっている。このようなウロキナーゼの炭水化物修飾が
他の糖タンパク質にも応用可能であると考える根拠は、
この米国特許No.4326033あるいはその他のいずれにも存
在しない。事実、たとえばセルロプラスミンからシアル
酸を除去するとその半減期は劇的に短くなり、さらに、
別の血清糖タンパク質であるトランスフェリンに同じ処
理を行っても半減期について有意の効果は見られない
[シャロン(Sharon,Complex Carbohydrates,Addison−
Wesley Publ.Co.,194−196頁(1975);アッシュウエル
等(Ashwell et al.,Adv.Enzymology,41,99(1974))
およびアレキサンダー等(Alexander et al.,Science,2
26,1328(1984))をも参照]。 特許出願国際公開No.WO84/01786(1982年10月28日の
最初の出願に基いて1984年5月10日公開)には組織型プ
ラスミノーゲン活性化因子の無差別修飾(これにより、
未修飾のポリペプチドと比べると生物学的活性が減少
し、半減期が長くなったと称される分子となる)が記載
されている。唯一の実施例は、部分的に精製したヒト組
織型プラスミノーゲン活性化因子を過ヨウ素酸ナトリウ
ムで処理すること(これにより、最初の、未修飾品の約
70−90%の活性を有すると報告されている生成物が得ら
れる)を包含するものである。このWO84/01786には、天
然物質、およびこれはさらに重要であるが、彼等が調製
したその修飾化物に存在する炭水化物構造の性質および
特徴について、正しい認識が示されていない。事実、過
ヨウ素酸塩はすべての炭水化物構造を酸化によって修飾
または破壊することが知られている(アミノ酸結合から
それらを同時に、実質的に除去することなく)。 また、WO84/01786には、ヒト組織型プラスミノーゲン
活性化因子がどれくらいこのような構造を有しているの
か、あるいは実際の炭水化物構造が何であるのかについ
て、未修飾化物あるいは彼等の修飾化物のいずれについ
ても示されていない。従って、彼等の過ヨウ素酸塩処理
した分子は、特定の部位に焦点をあてることなく、無差
別にすべての炭水化物構造を酸化することによって修飾
されたものである可能性が高い。 最近、グリコシル化および脱グリコシル化されたヒト
組織型プラスミノーゲン活性化因子の生体内クリアラン
ス速度には有意差がないことが報告されたが、これは、
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のクリアランス
速度は炭水化物が存在しないことによって影響されない
という結論を導くものである[ラースン等(Larsen et
al.,Proteases in Biological Control and Biotechnol
ogy,UCLA Symposium Park City,Utah,February9−14,
(1986));リトル等(Little et al.,Biochemistry,2
3,6191(1984))を参照]。 発明の目的および構成 本発明者らは、ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子がアミノ酸残基117に特異的な炭水化物構造を有し、
これがアミノ酸残基184および448の炭水化物構造とかな
り異なっていること、およびこれを完全に除去すると
(またはアミノ酸Ashに結合したN−アセチルグルコサ
ミン部分は別にして)、実質的に完全な生物学的活性を
保持し、かつ予想外に生体内半減期が長くなった新規ヒ
ト組織型プラスミノーゲン活性化因子が得られることを
見い出した。 すなわち、本発明は、アミノ酸残基117に機能的な炭
水化物構造を欠き、その点を除けば機能的に修飾されて
いない炭水化物構造を有し(アミノ酸残基184および/
または448)、実質的に完全な生物学的活性を保持し、
そして生体内半減期が長くなった(アミノ酸残基117に
無傷の炭水化物構造を有する「天然の」ヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子と比較して)新規ヒト組織型プ
ラスミノーゲン活性化因子に関する。 さらに、本発明は、全配列中において1またはそれ以
上のアミノ酸が異なっているが、上に述べた特定の新規
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子と同一の炭水化
物パターンを有する。生物学的に活性なヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子等価物に関する。また本発明
は、この新規ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の
製造に有用な方法、関連する組換えベクターおよび培養
物に関する。 本発明の範囲内に含まれるこのようなヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子等価物の1つは、タンパク質加
水分解酵素によって認識されるアミノ酸配列を除去する
ことによりアミノ酸275と276の間の切断部位を破壊し
た、いわゆる1本鎖突然変異体である。この配列の除去
は、たとえば後記の方法に従い、関連するDNAコドンに
部位特異的な突然変異誘発を行い、特定のアミノ酸を交
換することによって行なわれる。 図面の説明 第1図は、未処理(レーン1)およびエンドH処理し
た(レーン2)ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子
の、コマッシー(Comassie)染色したSDS−PAGEを表
す。高分子量のバンドは1本鎖t−PAであり、その他の
おもなバンドはタイプIクリングル(K I)、タイプII
クリングル(K II)およびプロテアーゼ(P)である。 第2図は、還元され、カルボキシメチル化されたt−
PAのグリコシダーゼ消化を表す。レーン1:−N−グリカ
ナーゼ;レーン2:+N−グリカナーゼ;レーン3:−エン
ドH;レーン4:+エンドH。バンドの同定は第1図と同じ
である。 第3図は出発プラスミドpUCPAΔHDの制限地図を表
す。 第4図は、対照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子(■)、酵素を用いずにエンドH処理工程に付したヒ
ト組織型プラスミノーゲン活性化因子(▲)、およびエ
ンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子
(●)についての、トリクロロ酢酸(TCA)沈澱性放射
線活性の経時変化を表す。データは平均+/−標準偏差
(SD,n=5)である。 第5図は、対照ヒトt−PA(○)およびグルタミン
117t−PA(□)についての、トリクロロ酢酸沈澱性放射
線活性の経時変化を表す。 第6図は、対照ヒトt−PA(□)およびグルタミン
117グルタミン酸275t−PA(○)についての、トリクロ
ロ酢酸沈澱性放射線活性の経時変化を表す。 詳細な説明 ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のアミノ酸残
基117の炭水化物構造、ならびにアミノ酸残基184および
448の炭水化物構造が、それぞれ以下のタイプの組成物
であることを見い出した: アミノ酸残基117の炭水化物構造 アミノ酸残基184および448の炭水化物構造 [構造式中、Manはマンノース、Galはガラクトース、Fu
cはフコース、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン、Sia
はシアル酸、およびRはHまたはSia2→3Gal→4GlcNAc
を表す。]。 上記の構造は、ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子に見い出されるN−結合オリゴ糖のタイプを表すもの
であるが、本発明がこれらの構造に限定されるものでは
ないことに注意すべきである。グリコシル化部位のそれ
ぞれはおそらく密接に関連した同一ではない構造を数個
含んでいるであろう。これは微不均一性として知られて
おり、糖タンパク質グリカン類の一般的な性質である
[J.Biol.Chem.,260,4046(1985)を参照]。たとえ
ば、高マンノースオリゴ糖は存在するマンノース単位の
数が変わりうる。複合オリゴ糖では、微不均一性は、シ
アル酸、フコース、ガラクトースおよびN−アセチルグ
ルコカミンの残基数ならびに分岐の程度における差異を
包含することができる。このような微不均一性は本発明
の範囲内に含まれる。 アミノ酸117の高マンノース含有構造は、アミノ酸残
基184および448のより複雑な構造とその構造が異なるの
みならず、その機能を完全に除去することにより(184
および448の構造に機能的な修飾を同時に行なうことな
く)、長くなった生体内半減期を有する、完全に生物学
的に活性なヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子が得
られることにおいても独特であることが判明した。 アミノ酸残基117の機能的な炭水化物構造の除去と
は、たとえば、後述する様に、グリコシル化シグナルを
部位指向性突然変異誘発によって破壊する完全な除去、
またはAsn117に結合した無傷のN−アセチルグルコサミ
ン残基を切り離すことができるエンドグリコシダーゼ処
理による実質的な除去を意味する。アミノ酸残基184お
よび/または448の機能的に修飾されていない炭水化物
構造とは、無傷の構造を保持しているか、またはそのよ
うな構造のすべてを実質的に保持しており、天然タンパ
ク質と機能的に等価であることを意味する。 好ましい態様では、アミノ酸残基117の機能的な炭水
化物構造の除去は、グリコシル化シグナルAsn−X−Ser
/Thr(Xはどんなアミノ酸であってもよい)の関連DNA
における部位特異的な突然変異誘発によって行なわれ
る。組織型プラスミノーゲン活性化因子の場合、このシ
グナルを表す配列はAsn117(Ser118)Ser118である。従
って、アミノ酸残基117の機能的な炭水化物構造の除去
は、たとえばこれらのアミノ酸残基に対応するコドンに
突然変異誘発を行なうことにより、シグナル機能を破壊
することによって得られる。詳述すると、突然変異誘発
をこのシグナルの対応コドンについて行ない、たとえば
位置117にはアスパラギン(Asn)以外のアミノ酸残基、
および/または位置119にはセリン(Ser)またはトレオ
ニン(Thr)以外のアミノ酸残基、または位置118にはア
ミノ酸残基プロリン(Pro)を有するヒト組織型プラス
ミノーゲン活性化因子を調製することができる。最も好
ましい態様では、構造が密接に近似していることに鑑み
て、アスパラギン117をグルタミンに置き換えるか、ま
たは2番目のクリングル領域における類似配列に鑑み
て、セリン119をメチオニンに置き換える。 突然変異誘発は自体既知の方法、たとえばゾラー等が
概説した方法[Zoller et al.,Methods in Enzymology.
100,468(1983)]に従って行なわれる。たとえば、位
置117のアスパラギンをコードしているコドンAACをCAA
またはCAGに変えることにより(2個のヌクレオチド交
換が必要)、発現産物は位置117にグルタミンを含有す
るようになるであろう。本明細書中で行うその他の突然
変異は遺伝子コードの分析表に従って行なう。 アミノ酸残基117の機能的な炭水化物を除去する別の
方法は、エンドグリコシダーゼ[たとえば、アミノ酸残
基184および448の複合構造に機能的に影響することなく
アミノ酸残基117(Asn)の高マンノース炭水化物構造を
除去(実質的に)することができるエンドグリコシダー
ゼH]の使用を包むものである。この処理も自体既知の
方法、たとえばタレンチノ等[Tarentino et al.,J.Bio
l.Chem.,249,811(1974)]およびトリンブル等[Trimb
le et al.,Anal.Biochem.,141,515(1984)]の方法に
従って行なわれる。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。 実施例1 部位特異的な突然変異誘発を用いて、位置117にアミ
ノ酸残基グルタミンを有する組織型プラスミノーゲン活
性化因子をコードしているDNAを、機能的に(operabl
y)含有している発現ベクターを、以下のようにして構
築した。 A.オリゴヌクレオチドの設計 配列: [24−mer Q117:配列中、*は突然変異(asn→gln)コ
ドンを表す] で示される24−merオリゴヌクレオチドをクレマ等[Cre
a et al.,Nucleic Acids Research,8,2331(1980)]
のホスホトリエステル法によって合成した。 B.組換えM13鋳型の構築 プラスミドpUCPAΔHD(第3図)はpETPFRと称される
プラスミド(前記EPO93619に開示されており、pPADHFR
−6とも称される)の誘導体であり、以下の修飾がなさ
れている。すなわち、1)エキソヌクレアーゼBal31を
用いて、166bpの5′非翻訳化DNAがt−PA遺伝子の5′
末端から削除されている;2)Hind III部位が新しいt−
PA遺伝子の5′末端に付加されている;3)EcoR I、Sac
I、Sma I、BamH I、Xba I、Sal IおよびPuv IIに対する
認識部位を含有するポリリンカーがt−PA発現を導くSV
40初期プロモーターの5′末端に付加されている;4)pE
TPFRの位置3539のHind III部位がクレノウ(Klenow)充
填反応によって破壊されている。 プラスミドpUCPAΔHDをSma Iで消化し、コドンNo.507
を含むt−PA遺伝子を含有する約2.0kbのフラグメント
を、ゲルからのフラグメントの電気溶離およびPAGEによ
って単離した。また、M13mp10[メシング(Messing,Met
hods in Enzymology,101,20(1983))]ベクターもSma
Iで消化し、フェノール、クロロホルムで1回抽出し、
エタノール沈澱させ、50mMトリス(pH8.0)、1mM EDIA
(TE)に再懸濁した。T4DNAリガーゼを用いて、このpUC
PAΔHD由来の約2.0kbフラグメントを、Sma I切断したM1
3mp10にライゲートし、得られたDNAを用いてE.コリ
(E.coli)JM101を形質転換した。得られたファージ
を単離し、挿入体の存在を確認し、その配向をファージ
・ミニプリパレーションの制限分析によって決定した。
組換えファージの1つ、すなわちM13/t−PA−SMAを次い
で行う突然変異誘発の鋳型として選んだ。 C.突然変異誘発反応 突然変異誘発プライマー(24−mer Q117)を1本鎖M1
3/t−PA−SMA DNAにアニーリングし、dNTPsおよびT4 DN
Aリガーゼの存在下、E.コリDNAポリメラーゼ・クレノウ
フラグメントで処理してインビトロでヘテロ2本鎖RF分
子を創製した[アデルマン等(Adelman et al.,DNA,2,
183(1983))の開示のようにして]。これらの分子を
用いてE.コリ株JM101(ATCC No.33876)を形質転換し、
所望の突然変異を導入したファージを、突然変異誘発プ
ライマーをプローブとして用いるプラークハイブリダイ
ゼーションによって検出した[アデルマン等(上
記)]。突然変異ファージの1つを単離し、M13/t−PA
−SMA−GLN117と命名した。 D.GLN117 t−PA突然変異体の発現プラスミドpUCPAΔHD
へのサブクローニング ファージM13/t−PA−SMA−GLN117の2本鎖DNAをSma
I、Bgl IIおよびApa Iで消化し、約1.4kbのフラグメン
トをPAGEで精製した。次いでこのフラグメントを用いて
pUCPAΔHD中の対応するフラグメントを置換した。 t−PA遺伝子フラグメントを含有する組換えプラスミ
ドを同定した。プラスミドM119およびQ117を、以下のよ
うにしてDHFR欠失CHO細胞[ウルラブ等(Urlab et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.,77,4216(1980))]に導入し、
増幅した。1)プラスミドDNAを、グラハム等[Graham
et al.,J.Virol.,52,455(1973)]のリン酸カルシウム
沈澱法によって細胞に導入する;2)選択培地[ヒポキサ
ンチン、グリシンおよびチミジンを欠く培地(−HG
T)]で生成したコロニーについて、フィブリンおよび
プラスミノーゲンを含有する寒天プレートにおけるフィ
ブリンの消化によって判定されるプラスミンの生成を検
出することによって、間接的にt−PA発現を検定する
[グラネリア等(Granellia et al.,J.Exp.Med.,148,22
3(1978))が開示];3)最も強く陽性を示すクローン
5つについて、ELISA検定を用いて細胞あたりの分泌t
−PA量を定量的に検定する;4)最高レベルのt−PAを分
泌するクローンを次のようなメトトレキセイト(METX)
にプレートする:すなわちMTXを50、100または250nM含
有する100mmプレートに2×105細胞をプレートする;5)
MTX存在下に生成した5つのクローンを抽出し、上記工
程3)と同様にしてELISAによって定量的に検定する;
6)最高レベルのt−PAを分泌するクローンを上記工程
4)と同様にしてより高濃度のMTXにプレートし、次い
で生成する5つのクローンを定量検定し、t−PAを最も
多く産生するクローンを選択する。 得られるセルラインからt−PA産生の増加が全く得ら
れなくなるまで上記の増幅およびスクリーニング操作を
繰り返し、対応する突然変異t−PAを後に使用するため
に分離する。 実施例2 実施例1の記載と同様の方法を用い、配列: [24−mer M119] で示される24−merオリゴヌクレオチドを用いて対応す
るMet119突然変異体を調製し、pUCPAΔHD M119を得た。
発現による対応M119突然変異体の調製は上記実施例1と
同様である。 実施例3 グルタミン117グルタミン酸275t−PA突然変異体を以
下のようにして調製した。 上記のようにして調製したプラスミドpUCPAΔHDをBgl
IIおよびSca Iで消化し、組織型プラスミノーゲン活性
化因子DNA配列のコドン1−254に対応する約763bpのフ
ラグメントを、自体既知の方法によりSDS−PAGEで精製
した。 ヒトt−PA DNAをプラスミドpPADHFR−6(pETPFRと
も称される)およびpA25E10から得た。これら2種類の
t−PAプラスミドの調製は、欧州特許出願公開No.09361
9に記載されている。 プラスミドpA25E10は、t−PA遺伝子の最後のアミノ
酸508個をコードしている配列および3′非翻訳化領域
の塩基対772個を含有する。このプラスミドをSca Iおよ
びBgl IIで消化して744塩基対のフラグメントを調製
し、これを前記のような常法によって単離した。このフ
ラグメントはt−PAのアミノ酸411から527に対応するコ
ドンを含有し、3′非翻訳化領域の一部を含有する。 プラスミドpPADHFR−6は、t−PAの完全な構造遺伝
子および3′非翻訳化領域の一部を含有する。このプラ
スミドをSac IおよびBgl IIで消化して1230塩基対のフ
ラグメントを調製し、これを単離した。このフラグメン
トは、完全なt−PAの最初のアミノ酸410個に対応する
コドンを含有する。 常法を用い、これらのフラグメントをいっしょにして
ライゲートし、Bgl IIで消化した。全完熟t−PA配列に
対応するコドンおよび3′非翻訳化領域の一部を含有す
る1974塩基対のフラグメントを単離した。2本鎖M13mp8
[メシング等(Messing et al.),Third Cleveland Sym
posium on Macromolecules Recombinant DNA,A.Walter
編,Elsevier,Amsterdam,143頁(1981)]をBamH Iで消
化し、Bgl II消化したt−PAとアニーリングしてM13mp8
PABgl IIを生成させた。E.コリJM101細胞(ATCC No.338
76)を、2本鎖の複製型M13mp8PABgl IIで形質転換し
た。1本鎖および2本鎖(RF)型のM13mp8PABgl IIを、
このファージで感染させたE.コリJM101細胞から単離す
ることもできる。この単一鎖型を、t−PAの部位特異的
な突然変異誘発に用いた。 ヒトt−PA構造遺伝子を部位特異的な突然変異誘発に
よって修飾し、種々の位置にアミノ酸置換を有するt−
PAを発現させた。DNA配列: で示される合成オリゴヌクレオチド(プライマー2C9)
を、たとえばクレア等[Crea et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA),75,5765(1978)]の固相リン酸トリエス
テル法によって調製し、部位特異的な突然変異誘発に用
いた。 アデルマン等[Adelman et al.,DNA,2,183(198
3)]の一般的な方法を用いて、合成プライマーの突然
変異配列を含有するt−PAクローンを調製した。上記に
示した、アミノ酸1個だけの突然変異を含有するプライ
マーを用い、突然変異体t−PAクローンM13RF2C9を調製
した。 プラスミドpPADHFR−6(pETPFRとも称される:上記
欧州特許出願公開No.93619参照)においては、天然のt
−PA構造遺伝子の発現はSV40T−抗原の初期プロモータ
ーの制御下にある。また、このプロモーターはDHFR遺伝
子の発現をもコントロールしている。pPADHFR−6をBgl
IIおよびBstE IIで消化することによって得られる大き
いフラグメントを単離することにより、ベクターフラグ
メント1を得た。pPADHFR−6をBgl IIおよびBstX Iで
消化することによって得られる400塩基対のt−PAフラ
グメントを単離することにより、別のフラグメント2を
得た。突然変異t−PAクローンM13RF2C9由来のRF DNAを
BstX IおよびBstE IIで消化することにより、所望の突
然変異を含有する1141塩基対のt−PAフラグメント3を
得た。フラグメント1および2をフラグメント3とライ
ゲートした。このDNA混合物を用いてE.コリを形質転換
し、真核生物性発現ベクターpPADHFR−6 2C9を得た。 上記および欧州特許出願公開No.199574(公開日:1986
年10月29日)の記載のようにして調製したプラスミドpP
ADHFR−6 2C9は、グルタミン酸275組織型プラスミノー
ゲン活性化因子突然変異体をコードしているDNA配列を
含有している。これをSca IおよびApa Iで消化し、組織
型プラスミノーゲン活性化因子DNA配列のコドン254から
466に対応する約630bpのフラグメントを、自体既知の方
法によりSDS−PAGEで精製した。 Bgl II−Sca I(pUCPAΔHD)およびSca I−Apa I(pP
ADHFR−6 2C9)の2種類のフラグメントを、消化pUCPA
ΔHDからの大きいBgl II(bp531)−Apa I(1926bp)フ
ラグメントにライゲートし、得られたグルタミン117グ
ルタミン酸275t−PA突然変異DNAを含有するプラスミド
を常法によりミニスクリーニングした。得られたプラス
ミドを上記のようにしてDHFR欠失CHO細胞に導入し、増
幅し、そして対応する突然変異t−PAを後に使用するた
めに分離した。 実施例4 t−PAのアミノ酸配列は、N−結合グリコシル化の可
能性のある部位の4つ含んでいる[Asn−X−Ser/Thr;A
nn.Rev.Biochem.41,673(1972)]。これらはアスパラ
ギン残基117、184、218および448である[Nature,301,2
14(1983)]。しかし位置218は、t−PAにおいてはグ
リコシル化されていないことが見い出された。位置184
は、タイプIのt−PAではグリコシル化されているが、
タイプIIのt−PAではグリコシル化されていない[Bioc
hemistry,23,3701(1984)]。 プロナーゼ消化したrt−PAをゲル濾過クロマトグラフ
ィーにかけると2種類のN−結合オリゴ糖に分かれる
(第1表)。より高分子量の物質の組成は、フコース化
された複合タイプのオリゴ糖と一致した。より低分子量
の物質は、小さい高マンノースオリゴ糖に対して予想さ
れる組成(おそらくMan6GlcNAc2)を有していた。 特異性の異なるグリコシド酵素を用いて、高マンノー
スオリゴ糖の結合位置を決定した。用いた酵素はエンド
−β−N−アセチルグルコサミニダーゼH(エンドH;Ge
nzyme,Inc.;この酵素は高マンノースオリゴ糖を除去す
るが複合タイプのオリゴ糖には作用しない)およびペプ
チド−N−グルコシダーゼF(N−グリカナーゼ;Genzy
me,Inc.;この酵素は高マンノースおよび複合タイプオリ
ゴ糖の両者を除去する)である。これらの実験に用いた
t−PAはプラスミドで2本鎖型に変換し、次いで還元
し、カルボキシメチル化したものであった。 SDS−PAGEは、還元されカルボキシメチル化された2
本鎖tt−PAをタイプIクリングル(117および184のグリ
コシル化)、タイプIIクリングル(117のグリコシル
化)およびプロテアーゼ(448のグリコシル化)に分離
する。t−PAをN−グリカナーゼ消化すると、タイプII
クリングルよりわずかに大きい移動度の位置にこのクリ
ングルバンドを合体させ、またプロテアーゼの移動度を
増加させる(第2図、レーン2)。t−PAをエンドH消
化すると、それぞれのクリングルバンドの電気泳動移動
度を増加させるが、プロテアーゼバンドの移動度には影
響しない(第2図、レーン4)。エンドHによる結果
は、タイプIおよびタイプIIクリングルのそれぞれが高
マンノースオリゴ糖を含有していることを示している
(これは、タイプIおよびタイプIIクリングルの両者に
おいてグリコシル化される唯一の位置である、残基117
に位置していなければならない)。エンドH処理によっ
ては、タイプIクリングルはタイプIIに変換されない。
従って、タイプIクリングルにおいてグリコシル化され
ているがタイプIIにおいてはグリコシル化されていない
残基184は複合オリゴ糖を含有している。また、N−グ
リカナーゼ処理すると、rt−PAのプロテアーゼ部分の移
動度が増加するが、エンドHは影響を及ぼさないので、
位置448も複合構造を含有していなければならない。 実施例5 エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼH(エ
ンドH)をGenzyme,Inc.より購入した。SDS−PAGEを、
レンムリ[Laemli,Nature,227,680(1970)]の開示と
同様にして行った。上記EPA93619の記載と同様にして調
製したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子[0.8m
g、0.01%ツィーン(Tween)80を含有する0.2Mリン酸ア
ルギニン(pH6)からなるフォーミュレーション緩衝液
0.2ml中]を、エンドH[0.1単位、25mMリン酸ナトリウ
ム(pH6)0.05ml中]およびアジ化ナトリウム(0.02
%)と混合した。この試料を37℃で20時間インキュベー
トした。エンドH溶液のかわりにリン酸ナトリウム緩衝
液(25mmの0.05ml)を用いること以外は同様にして、対
照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子試料を調製
し、インキュベートした。インキュベート後、これらの
試料をフォーミュレーション緩衝液で希釈して合計容量
0.75mlとし、同一のフォーミュレーション緩衝液に徹底
的に透析した。この試料を濾過し(0.4ミクロンHVフィ
ルター、Amicon)、4℃で貯蔵した。 脱グリコシル化は、還元およびカルボキシメチル化後
のSDS−PAGEによってモニターした。このようにして調
製したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の一部
(0.05mg、フォーミュレーション緩衝液0.01ml中)を、
25mMリン酸ナトリウム(pH6、0.015ml)および20mMジチ
オトレイトール含有の2×レンムリ(Laemmli)試料緩
衝液(0.025ml)と混合した。この試料を95℃で5分間
加熱し、次いで冷却した。モード酢酸(0.015ml、1N水
酸化アンモニウム中の0.67M溶液)を加え、試料を暗所
中、室温で3時間インキュベートした。還元され、カル
ボキシメチル化された試料をSDS−PAGEで分析した。 この分析において、未処理の対照2本鎖ヒト組織型プ
ラスミノーゲン活性化因子は、タイプIクリングル(位
置117および184のグリコシル化)、タイプIIクリングル
(位置117のグリコシル化)、およびプロテアーゼに対
応する3つのおもなバンドに分かれる(第1図、レーン
1)。ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子をエンド
H消化すると、各クリングルバンドの電気泳動移動度を
増加させるが、プロテアーゼバンドの移動度には影響し
ない(第1図、レーン2)。 エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化
因子のフィブリン溶解活性を、コーレン等[Collen et
al.,J.Clin.Path.,21,705(1968)]のインビトロ血餅
溶解検定法によって検定した。エンドH処理したヒト組
織型プラスミノーゲン活性化因子の活性は、この検定に
おける未処理対照のものと差がなかった。 ヒト組織型プラスミノーゲン試料をヨウ素ビーズ法
[マークウェル(Markwell,Anal.Biochem.,125,427(19
82))]で約2μCi/μgの比活性になる様にヨウ素化
した。0.2Mアルギニン、0.1Mクエン酸(pH6.0)および
0.01%ツィーン80がすべてに用いた緩衝液である。ヨウ
素化に先だってすべての試料をこの緩衝液に透析した。
ヨウ素化に先だってトリス塩基でpHを8.2に調整した。
このヨウ素化混合物を、緩衝液(pH6.0)で平衡化したP
D−10カラム(Pharmacia)にかけ、空容量からの放射活
性フラクションをプールし、SDS−PAGEを行い、そして
乾燥ゲルをオートラジオグラフィーにかけた。ラベルし
たヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のオートラジ
オグラフィーによって、95%以上の放射活性がヒト組織
型プラスミノーゲン活性化因子に導入されていることが
わかった。 ラベルしたヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の
それぞれを、非ラベルの原料と1:200(ラベル:非ラベ
ル、w/w)の割合で混合し、耳に動脈カテーテルをセッ
トしたウサギにボーラスとして静脈注射した。各ウサギ
に、1mg/kgの非ラベルおよび10μCi/kgのラベルヒト組
織型プラスミノーゲン活性化因子を与えた。非ラベルヒ
ト組織型プラスミノーゲン活性化因子は、クリアランス
経路における濃度依存性から起こることもある薬動力学
における変化を避け、治療レベルを達成するために、痕
跡量のラベルヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の
担体(キャリアー)として用いた。動脈血液試料を連続
して26分間にわたって集め、直ちに、EDTAおよびD−ph
e−pro−arg−クロロメチルケテン(PPACK)の凍結乾燥
混合物を含有する試験管に、最終濃度それぞれ1μMお
よび4.8mMとなるように入れた。この試験管を氷上に置
き、血漿を分離した。トリクロロ酢酸(TCA)沈澱性
(無傷のヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子)およ
び合計放射活性を、それぞれの血漿試料について測定し
た。また、ポリクローナル抗体を利用し、かつ少なくと
も30ng/mlの有効感度を有するサンドイッチELISA法によ
って、免疫反応性ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子も測定した。 ウサギにおける生体内クリアランス実験から2種類の
データが得られた。1つは非ラベル物質のクリアランス
の尺度となるべき免疫反応性ヒト組織型プラスミノーゲ
ン活性化因子からのものである。2番目の種類のデータ
は、95%以上の無傷のヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子を表す、TCA沈澱性の放射活性である。免疫反応
性およびTCA沈澱性カウントからの、時間に対する血漿
濃度曲線を、適当な多重指数モデルに適合させ、得られ
た薬動力学的パラメーターを比較した。 実施例6 エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子の薬動力学 エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化
因子、対照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子、お
よび2番目の対照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子(酵素の非存在下、エンドH処理したヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子と同じ反応条件下で処理した)
の薬動力学的なプロファイルを第4図に示す。2種類の
対照が実質的に同じプロファイルであることは、117の
単糖を除去するのに必要な操作がヒト組織型プラスミノ
ーゲン活性化因子のクリアランスの変化に寄与しなかっ
たことを示している。このエンドH処理したヒト組織型
プラスミノーゲン活性化因子は、よりゆっくりと消失す
る。このデータを分析すると、β相に対するゼロ時間外
挿濃度の増加に加えてα相クリアランス速度の増加があ
ることがわかる。エンドH処理したヒト組織型プラスミ
ノーゲン活性化因子は、時間と濃度の積の積分で測定し
たとき(これは、曲線下領域と呼ばれ、比較的憶測のな
い生物学的利用率の尺度である)、生物学的利用率を約
2倍増加した。 試験群それぞれにキャリアー量の非ラベルヒト組織型
プラスミノーゲン活性化因子を与えた。すべての場合に
おいて、非ラベルヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子の薬動力学的なプロファイルは、試験したすべての群
について異ならなかった。これは、所定のグループに割
り当てられたウサギが、たまたま異常なクリアランスの
性質を有するものではなかったことを証明するための内
部対照として役立つ。 Gln117t−PAおよびGln117Glu275t−PA突然変異体の薬動
力学 グルタミン117t−PAおよび対照ヒトt−PAの薬動力学
を第5図に示す。このグルタミン117t−PAは対照よりゆ
っくりと消失する。 第6図に示すように、実施例3の記載のようにして調
製したグルタミン117グルタミン酸275t−PAは同様のプ
ロファイルを示す。 フィブリン結合の性質 フィブリン結合性は、ヒト組織型プラスミノーゲン活
性化因子が生体内で有するフィブリン特異性におそらく
直接的に関係している、極めて重要な因子である。エン
ドHヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のフィブリ
ン結合性を2種類の方法で評価した。第1の方法は、標
準微量滴定皿のウェルに被覆したフィブリンによりヒト
組織型プラスミノーゲン活性化因子を捕捉し、次いで各
ウェルを洗浄し、プラスミンのための色素基質(S−22
51、Kabi)およびプラスミノーゲンの溶液を加える方法
である。現れた色は、最初の工程で捕捉されたヒト組織
型プラスミノーゲン活性化因子の量に比例する[アング
ルス−カノ(Angles−Cano,Thrombosis and Haemostasi
s,54,171(1985))]。第2のフィブリン結合検定法
は、プラスミノーゲンを含まないフィブリノーゲンおよ
びヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の溶液にトロ
ンビンを加えたときに、その溶液に残っているヒト組織
型プラスミノーゲン活性化因子の量をELISAによって測
定するものである[リジケン等(Rijken et al.,J.Bio
l.Chem.,257,2920(1982))]。どちらの検定が、変性
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のフィブリン結
合の生体内での結果を満足に予想するかは、現在のとこ
ろ明確ではない。それぞれの検定からのデータに基い
て、エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子は、改良されてはいないにしても、少なくとも変
化していないフィブリン特異性を有していると結論する
ことができる。 同様に、グルタミン117グルタミン酸275t−PA(実施
例3)のフィブリン結合の試験データから、フィブリン
の刺激および比活性において、グルタミン117グルタミ
ン酸275t−PAがグルタミン酸275t−PAと同じであり、t
−PA対照より優れていることがわかった。 実施例7 実施例1および2に記載したようにして調製したgln
117およびmet119突然変異体について、上記と同様にし
て、それぞれフィブリン溶解活性を試験し、エンドH処
理した物質を用いたときと同様の結果を得た。またそれ
ぞれの薬動力学も、上記のように、対照ヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子と比較すると、エンドH処理し
た物質のものと同様である。 実施例8 医薬組成物 本発明の化合物は、薬学的に許容しうる担体と混合
し、既知の方法に従って製剤化して薬学的に有用な組成
物を調製することができる。適当な担体およびその製剤
(他のヒトタンパク質、たとえばヒト血清アルブミンを
含む)は、たとえばマーチン(E.W.Martin,Remington's
Pharmaceutical Sciences)が開示している。このよう
な組成物は、宿主への有効投与に適した薬学的に許容し
うる組成物を調製するため、有効量の本発明タンパク質
とともに適当量の担体を含有する。 たとえば、本発明のヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子を、心臓血管の疾患または症状に苦しんでいる患
者に非経口的に投与することができる。投与量および投
与速度は、他の心臓血管の血栓溶解剤の臨床研究に最近
用いられているものと同様であってよい(たとえば、心
筋梗塞、肺動脈塞栓症等に苦しんでいる患者に、1.5−1
2時間にわたって、静脈内または動脈内投与量として約
1−2mg/kg体重)。 適当な投与剤形の1例として、ヒト組織型プラスミノ
ーゲン活性化因子50mg、アルギニン、リン酸およびポリ
ソルベート80を含有するバイアルを、注射用滅菌水50ml
で戻し、適当量の0.9%塩化ナトリウム注射液と混合す
ることもできる。 半減期が長くなったヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子は、迅速な静脈内注射に適している。これは、複
雑な投与法を不要なものにし、限られた医療装置しかな
い場合において、たとえば準医療従事者が配置されてい
る救急機関において、t−PAを使用する機会を増加させ
るであろう。また、半減期が長くなったヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子は、より低い、より安全な初期
投与量を可能にし、血栓溶解に効果があるプラスミンレ
ベルを45分間またはそれ以上にわたって維持するであろ
う。さらに、半減期がより長くなったヒト組織型プラス
ミノーゲン活性化因子は、急性の血栓をうまく溶解した
後の再閉塞を避けるために必要になることもある低投与
量長期治療に、あるいは周囲の血管が閉塞している場合
に必要になることもある長期間の血栓溶解にも有用であ
ろう。 以上、特定の好ましい態様を記載したが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。ここに開示した態様に
基いて種々の修飾が為されるであろうが、このような修
飾は本発明の範囲内に含まれるべきものである。
を欠いていることを特徴とする新規ヒト組織型プラスミ
ノーゲン活性化因子に関する。この新規ヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子は、それ以外、アミノ酸残基18
4および/または448の機能的な炭水化物構造においては
修飾されていない(天然のものと比較して)。驚くべき
ことに、この新規ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子は、天然のものと比較すると、実質的に完全な生物学
的活性を保持しており、さらに、予想外に長くなった生
体内半減期を有している。 従来技術 ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子はプラスミノ
ーゲンをプラスミンに変換する。こうして生成したプラ
スミンは、血餅の主要要素を構成しているフィブリンマ
トリックスをタンパク質加水分解的に切断する。これに
よりヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子は血餅溶解
に関与し、従って、種々の血栓溶解に関する疾患の治療
に有用である。 ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の略号t−PA
は、血栓症および止血に関する国際委員会XXVIII(the
XXVIII Meeting of the International Committee on T
hrombosis and Hemostatis;Bergamo,Italy,27 July 198
2)に提案された後、採用されたものである。本明細書
中で用いる場合、「ヒト組織型プラスミノーゲン活性化
因子」、「t−PA」、「ヒトt−PA」、または「組織プ
ラスミノーゲン活性化因子」なる語句は、ヒトの外因性
(組織型)プラスミノーゲン活性化因子を意味し、これ
は、たとえば天然原料の抽出および精製[コーレン等
(Collen et al.);欧州特許出願No.41766(1980年6
月11日の最初の出願に基いて1981年12月16日公開)、お
よびリジケン等(Rijken et al.,Journal of Biol.Che
m.,256,7035(1981))を参照]、ならびに組換え細胞
培養システム[たとえば欧州特許出願公開No.93619(19
82年5月5日の最初の出願に基いて1983年11月9日公
開)に、アミノ酸配列および物理的および生物学的性質
とともに記載されている]によって調製される。 米国特許No.4326033は、ウロキナーゼの炭水化物構造
を化学的に修飾することによってウロキナーゼの半減期
を長くすることについて報告している。ウロキナーゼは
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子と免疫学的に異
なっている。このようなウロキナーゼの炭水化物修飾が
他の糖タンパク質にも応用可能であると考える根拠は、
この米国特許No.4326033あるいはその他のいずれにも存
在しない。事実、たとえばセルロプラスミンからシアル
酸を除去するとその半減期は劇的に短くなり、さらに、
別の血清糖タンパク質であるトランスフェリンに同じ処
理を行っても半減期について有意の効果は見られない
[シャロン(Sharon,Complex Carbohydrates,Addison−
Wesley Publ.Co.,194−196頁(1975);アッシュウエル
等(Ashwell et al.,Adv.Enzymology,41,99(1974))
およびアレキサンダー等(Alexander et al.,Science,2
26,1328(1984))をも参照]。 特許出願国際公開No.WO84/01786(1982年10月28日の
最初の出願に基いて1984年5月10日公開)には組織型プ
ラスミノーゲン活性化因子の無差別修飾(これにより、
未修飾のポリペプチドと比べると生物学的活性が減少
し、半減期が長くなったと称される分子となる)が記載
されている。唯一の実施例は、部分的に精製したヒト組
織型プラスミノーゲン活性化因子を過ヨウ素酸ナトリウ
ムで処理すること(これにより、最初の、未修飾品の約
70−90%の活性を有すると報告されている生成物が得ら
れる)を包含するものである。このWO84/01786には、天
然物質、およびこれはさらに重要であるが、彼等が調製
したその修飾化物に存在する炭水化物構造の性質および
特徴について、正しい認識が示されていない。事実、過
ヨウ素酸塩はすべての炭水化物構造を酸化によって修飾
または破壊することが知られている(アミノ酸結合から
それらを同時に、実質的に除去することなく)。 また、WO84/01786には、ヒト組織型プラスミノーゲン
活性化因子がどれくらいこのような構造を有しているの
か、あるいは実際の炭水化物構造が何であるのかについ
て、未修飾化物あるいは彼等の修飾化物のいずれについ
ても示されていない。従って、彼等の過ヨウ素酸塩処理
した分子は、特定の部位に焦点をあてることなく、無差
別にすべての炭水化物構造を酸化することによって修飾
されたものである可能性が高い。 最近、グリコシル化および脱グリコシル化されたヒト
組織型プラスミノーゲン活性化因子の生体内クリアラン
ス速度には有意差がないことが報告されたが、これは、
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のクリアランス
速度は炭水化物が存在しないことによって影響されない
という結論を導くものである[ラースン等(Larsen et
al.,Proteases in Biological Control and Biotechnol
ogy,UCLA Symposium Park City,Utah,February9−14,
(1986));リトル等(Little et al.,Biochemistry,2
3,6191(1984))を参照]。 発明の目的および構成 本発明者らは、ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子がアミノ酸残基117に特異的な炭水化物構造を有し、
これがアミノ酸残基184および448の炭水化物構造とかな
り異なっていること、およびこれを完全に除去すると
(またはアミノ酸Ashに結合したN−アセチルグルコサ
ミン部分は別にして)、実質的に完全な生物学的活性を
保持し、かつ予想外に生体内半減期が長くなった新規ヒ
ト組織型プラスミノーゲン活性化因子が得られることを
見い出した。 すなわち、本発明は、アミノ酸残基117に機能的な炭
水化物構造を欠き、その点を除けば機能的に修飾されて
いない炭水化物構造を有し(アミノ酸残基184および/
または448)、実質的に完全な生物学的活性を保持し、
そして生体内半減期が長くなった(アミノ酸残基117に
無傷の炭水化物構造を有する「天然の」ヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子と比較して)新規ヒト組織型プ
ラスミノーゲン活性化因子に関する。 さらに、本発明は、全配列中において1またはそれ以
上のアミノ酸が異なっているが、上に述べた特定の新規
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子と同一の炭水化
物パターンを有する。生物学的に活性なヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子等価物に関する。また本発明
は、この新規ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の
製造に有用な方法、関連する組換えベクターおよび培養
物に関する。 本発明の範囲内に含まれるこのようなヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子等価物の1つは、タンパク質加
水分解酵素によって認識されるアミノ酸配列を除去する
ことによりアミノ酸275と276の間の切断部位を破壊し
た、いわゆる1本鎖突然変異体である。この配列の除去
は、たとえば後記の方法に従い、関連するDNAコドンに
部位特異的な突然変異誘発を行い、特定のアミノ酸を交
換することによって行なわれる。 図面の説明 第1図は、未処理(レーン1)およびエンドH処理し
た(レーン2)ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子
の、コマッシー(Comassie)染色したSDS−PAGEを表
す。高分子量のバンドは1本鎖t−PAであり、その他の
おもなバンドはタイプIクリングル(K I)、タイプII
クリングル(K II)およびプロテアーゼ(P)である。 第2図は、還元され、カルボキシメチル化されたt−
PAのグリコシダーゼ消化を表す。レーン1:−N−グリカ
ナーゼ;レーン2:+N−グリカナーゼ;レーン3:−エン
ドH;レーン4:+エンドH。バンドの同定は第1図と同じ
である。 第3図は出発プラスミドpUCPAΔHDの制限地図を表
す。 第4図は、対照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子(■)、酵素を用いずにエンドH処理工程に付したヒ
ト組織型プラスミノーゲン活性化因子(▲)、およびエ
ンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子
(●)についての、トリクロロ酢酸(TCA)沈澱性放射
線活性の経時変化を表す。データは平均+/−標準偏差
(SD,n=5)である。 第5図は、対照ヒトt−PA(○)およびグルタミン
117t−PA(□)についての、トリクロロ酢酸沈澱性放射
線活性の経時変化を表す。 第6図は、対照ヒトt−PA(□)およびグルタミン
117グルタミン酸275t−PA(○)についての、トリクロ
ロ酢酸沈澱性放射線活性の経時変化を表す。 詳細な説明 ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のアミノ酸残
基117の炭水化物構造、ならびにアミノ酸残基184および
448の炭水化物構造が、それぞれ以下のタイプの組成物
であることを見い出した: アミノ酸残基117の炭水化物構造 アミノ酸残基184および448の炭水化物構造 [構造式中、Manはマンノース、Galはガラクトース、Fu
cはフコース、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン、Sia
はシアル酸、およびRはHまたはSia2→3Gal→4GlcNAc
を表す。]。 上記の構造は、ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子に見い出されるN−結合オリゴ糖のタイプを表すもの
であるが、本発明がこれらの構造に限定されるものでは
ないことに注意すべきである。グリコシル化部位のそれ
ぞれはおそらく密接に関連した同一ではない構造を数個
含んでいるであろう。これは微不均一性として知られて
おり、糖タンパク質グリカン類の一般的な性質である
[J.Biol.Chem.,260,4046(1985)を参照]。たとえ
ば、高マンノースオリゴ糖は存在するマンノース単位の
数が変わりうる。複合オリゴ糖では、微不均一性は、シ
アル酸、フコース、ガラクトースおよびN−アセチルグ
ルコカミンの残基数ならびに分岐の程度における差異を
包含することができる。このような微不均一性は本発明
の範囲内に含まれる。 アミノ酸117の高マンノース含有構造は、アミノ酸残
基184および448のより複雑な構造とその構造が異なるの
みならず、その機能を完全に除去することにより(184
および448の構造に機能的な修飾を同時に行なうことな
く)、長くなった生体内半減期を有する、完全に生物学
的に活性なヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子が得
られることにおいても独特であることが判明した。 アミノ酸残基117の機能的な炭水化物構造の除去と
は、たとえば、後述する様に、グリコシル化シグナルを
部位指向性突然変異誘発によって破壊する完全な除去、
またはAsn117に結合した無傷のN−アセチルグルコサミ
ン残基を切り離すことができるエンドグリコシダーゼ処
理による実質的な除去を意味する。アミノ酸残基184お
よび/または448の機能的に修飾されていない炭水化物
構造とは、無傷の構造を保持しているか、またはそのよ
うな構造のすべてを実質的に保持しており、天然タンパ
ク質と機能的に等価であることを意味する。 好ましい態様では、アミノ酸残基117の機能的な炭水
化物構造の除去は、グリコシル化シグナルAsn−X−Ser
/Thr(Xはどんなアミノ酸であってもよい)の関連DNA
における部位特異的な突然変異誘発によって行なわれ
る。組織型プラスミノーゲン活性化因子の場合、このシ
グナルを表す配列はAsn117(Ser118)Ser118である。従
って、アミノ酸残基117の機能的な炭水化物構造の除去
は、たとえばこれらのアミノ酸残基に対応するコドンに
突然変異誘発を行なうことにより、シグナル機能を破壊
することによって得られる。詳述すると、突然変異誘発
をこのシグナルの対応コドンについて行ない、たとえば
位置117にはアスパラギン(Asn)以外のアミノ酸残基、
および/または位置119にはセリン(Ser)またはトレオ
ニン(Thr)以外のアミノ酸残基、または位置118にはア
ミノ酸残基プロリン(Pro)を有するヒト組織型プラス
ミノーゲン活性化因子を調製することができる。最も好
ましい態様では、構造が密接に近似していることに鑑み
て、アスパラギン117をグルタミンに置き換えるか、ま
たは2番目のクリングル領域における類似配列に鑑み
て、セリン119をメチオニンに置き換える。 突然変異誘発は自体既知の方法、たとえばゾラー等が
概説した方法[Zoller et al.,Methods in Enzymology.
100,468(1983)]に従って行なわれる。たとえば、位
置117のアスパラギンをコードしているコドンAACをCAA
またはCAGに変えることにより(2個のヌクレオチド交
換が必要)、発現産物は位置117にグルタミンを含有す
るようになるであろう。本明細書中で行うその他の突然
変異は遺伝子コードの分析表に従って行なう。 アミノ酸残基117の機能的な炭水化物を除去する別の
方法は、エンドグリコシダーゼ[たとえば、アミノ酸残
基184および448の複合構造に機能的に影響することなく
アミノ酸残基117(Asn)の高マンノース炭水化物構造を
除去(実質的に)することができるエンドグリコシダー
ゼH]の使用を包むものである。この処理も自体既知の
方法、たとえばタレンチノ等[Tarentino et al.,J.Bio
l.Chem.,249,811(1974)]およびトリンブル等[Trimb
le et al.,Anal.Biochem.,141,515(1984)]の方法に
従って行なわれる。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。 実施例1 部位特異的な突然変異誘発を用いて、位置117にアミ
ノ酸残基グルタミンを有する組織型プラスミノーゲン活
性化因子をコードしているDNAを、機能的に(operabl
y)含有している発現ベクターを、以下のようにして構
築した。 A.オリゴヌクレオチドの設計 配列: [24−mer Q117:配列中、*は突然変異(asn→gln)コ
ドンを表す] で示される24−merオリゴヌクレオチドをクレマ等[Cre
a et al.,Nucleic Acids Research,8,2331(1980)]
のホスホトリエステル法によって合成した。 B.組換えM13鋳型の構築 プラスミドpUCPAΔHD(第3図)はpETPFRと称される
プラスミド(前記EPO93619に開示されており、pPADHFR
−6とも称される)の誘導体であり、以下の修飾がなさ
れている。すなわち、1)エキソヌクレアーゼBal31を
用いて、166bpの5′非翻訳化DNAがt−PA遺伝子の5′
末端から削除されている;2)Hind III部位が新しいt−
PA遺伝子の5′末端に付加されている;3)EcoR I、Sac
I、Sma I、BamH I、Xba I、Sal IおよびPuv IIに対する
認識部位を含有するポリリンカーがt−PA発現を導くSV
40初期プロモーターの5′末端に付加されている;4)pE
TPFRの位置3539のHind III部位がクレノウ(Klenow)充
填反応によって破壊されている。 プラスミドpUCPAΔHDをSma Iで消化し、コドンNo.507
を含むt−PA遺伝子を含有する約2.0kbのフラグメント
を、ゲルからのフラグメントの電気溶離およびPAGEによ
って単離した。また、M13mp10[メシング(Messing,Met
hods in Enzymology,101,20(1983))]ベクターもSma
Iで消化し、フェノール、クロロホルムで1回抽出し、
エタノール沈澱させ、50mMトリス(pH8.0)、1mM EDIA
(TE)に再懸濁した。T4DNAリガーゼを用いて、このpUC
PAΔHD由来の約2.0kbフラグメントを、Sma I切断したM1
3mp10にライゲートし、得られたDNAを用いてE.コリ
(E.coli)JM101を形質転換した。得られたファージ
を単離し、挿入体の存在を確認し、その配向をファージ
・ミニプリパレーションの制限分析によって決定した。
組換えファージの1つ、すなわちM13/t−PA−SMAを次い
で行う突然変異誘発の鋳型として選んだ。 C.突然変異誘発反応 突然変異誘発プライマー(24−mer Q117)を1本鎖M1
3/t−PA−SMA DNAにアニーリングし、dNTPsおよびT4 DN
Aリガーゼの存在下、E.コリDNAポリメラーゼ・クレノウ
フラグメントで処理してインビトロでヘテロ2本鎖RF分
子を創製した[アデルマン等(Adelman et al.,DNA,2,
183(1983))の開示のようにして]。これらの分子を
用いてE.コリ株JM101(ATCC No.33876)を形質転換し、
所望の突然変異を導入したファージを、突然変異誘発プ
ライマーをプローブとして用いるプラークハイブリダイ
ゼーションによって検出した[アデルマン等(上
記)]。突然変異ファージの1つを単離し、M13/t−PA
−SMA−GLN117と命名した。 D.GLN117 t−PA突然変異体の発現プラスミドpUCPAΔHD
へのサブクローニング ファージM13/t−PA−SMA−GLN117の2本鎖DNAをSma
I、Bgl IIおよびApa Iで消化し、約1.4kbのフラグメン
トをPAGEで精製した。次いでこのフラグメントを用いて
pUCPAΔHD中の対応するフラグメントを置換した。 t−PA遺伝子フラグメントを含有する組換えプラスミ
ドを同定した。プラスミドM119およびQ117を、以下のよ
うにしてDHFR欠失CHO細胞[ウルラブ等(Urlab et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.,77,4216(1980))]に導入し、
増幅した。1)プラスミドDNAを、グラハム等[Graham
et al.,J.Virol.,52,455(1973)]のリン酸カルシウム
沈澱法によって細胞に導入する;2)選択培地[ヒポキサ
ンチン、グリシンおよびチミジンを欠く培地(−HG
T)]で生成したコロニーについて、フィブリンおよび
プラスミノーゲンを含有する寒天プレートにおけるフィ
ブリンの消化によって判定されるプラスミンの生成を検
出することによって、間接的にt−PA発現を検定する
[グラネリア等(Granellia et al.,J.Exp.Med.,148,22
3(1978))が開示];3)最も強く陽性を示すクローン
5つについて、ELISA検定を用いて細胞あたりの分泌t
−PA量を定量的に検定する;4)最高レベルのt−PAを分
泌するクローンを次のようなメトトレキセイト(METX)
にプレートする:すなわちMTXを50、100または250nM含
有する100mmプレートに2×105細胞をプレートする;5)
MTX存在下に生成した5つのクローンを抽出し、上記工
程3)と同様にしてELISAによって定量的に検定する;
6)最高レベルのt−PAを分泌するクローンを上記工程
4)と同様にしてより高濃度のMTXにプレートし、次い
で生成する5つのクローンを定量検定し、t−PAを最も
多く産生するクローンを選択する。 得られるセルラインからt−PA産生の増加が全く得ら
れなくなるまで上記の増幅およびスクリーニング操作を
繰り返し、対応する突然変異t−PAを後に使用するため
に分離する。 実施例2 実施例1の記載と同様の方法を用い、配列: [24−mer M119] で示される24−merオリゴヌクレオチドを用いて対応す
るMet119突然変異体を調製し、pUCPAΔHD M119を得た。
発現による対応M119突然変異体の調製は上記実施例1と
同様である。 実施例3 グルタミン117グルタミン酸275t−PA突然変異体を以
下のようにして調製した。 上記のようにして調製したプラスミドpUCPAΔHDをBgl
IIおよびSca Iで消化し、組織型プラスミノーゲン活性
化因子DNA配列のコドン1−254に対応する約763bpのフ
ラグメントを、自体既知の方法によりSDS−PAGEで精製
した。 ヒトt−PA DNAをプラスミドpPADHFR−6(pETPFRと
も称される)およびpA25E10から得た。これら2種類の
t−PAプラスミドの調製は、欧州特許出願公開No.09361
9に記載されている。 プラスミドpA25E10は、t−PA遺伝子の最後のアミノ
酸508個をコードしている配列および3′非翻訳化領域
の塩基対772個を含有する。このプラスミドをSca Iおよ
びBgl IIで消化して744塩基対のフラグメントを調製
し、これを前記のような常法によって単離した。このフ
ラグメントはt−PAのアミノ酸411から527に対応するコ
ドンを含有し、3′非翻訳化領域の一部を含有する。 プラスミドpPADHFR−6は、t−PAの完全な構造遺伝
子および3′非翻訳化領域の一部を含有する。このプラ
スミドをSac IおよびBgl IIで消化して1230塩基対のフ
ラグメントを調製し、これを単離した。このフラグメン
トは、完全なt−PAの最初のアミノ酸410個に対応する
コドンを含有する。 常法を用い、これらのフラグメントをいっしょにして
ライゲートし、Bgl IIで消化した。全完熟t−PA配列に
対応するコドンおよび3′非翻訳化領域の一部を含有す
る1974塩基対のフラグメントを単離した。2本鎖M13mp8
[メシング等(Messing et al.),Third Cleveland Sym
posium on Macromolecules Recombinant DNA,A.Walter
編,Elsevier,Amsterdam,143頁(1981)]をBamH Iで消
化し、Bgl II消化したt−PAとアニーリングしてM13mp8
PABgl IIを生成させた。E.コリJM101細胞(ATCC No.338
76)を、2本鎖の複製型M13mp8PABgl IIで形質転換し
た。1本鎖および2本鎖(RF)型のM13mp8PABgl IIを、
このファージで感染させたE.コリJM101細胞から単離す
ることもできる。この単一鎖型を、t−PAの部位特異的
な突然変異誘発に用いた。 ヒトt−PA構造遺伝子を部位特異的な突然変異誘発に
よって修飾し、種々の位置にアミノ酸置換を有するt−
PAを発現させた。DNA配列: で示される合成オリゴヌクレオチド(プライマー2C9)
を、たとえばクレア等[Crea et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA),75,5765(1978)]の固相リン酸トリエス
テル法によって調製し、部位特異的な突然変異誘発に用
いた。 アデルマン等[Adelman et al.,DNA,2,183(198
3)]の一般的な方法を用いて、合成プライマーの突然
変異配列を含有するt−PAクローンを調製した。上記に
示した、アミノ酸1個だけの突然変異を含有するプライ
マーを用い、突然変異体t−PAクローンM13RF2C9を調製
した。 プラスミドpPADHFR−6(pETPFRとも称される:上記
欧州特許出願公開No.93619参照)においては、天然のt
−PA構造遺伝子の発現はSV40T−抗原の初期プロモータ
ーの制御下にある。また、このプロモーターはDHFR遺伝
子の発現をもコントロールしている。pPADHFR−6をBgl
IIおよびBstE IIで消化することによって得られる大き
いフラグメントを単離することにより、ベクターフラグ
メント1を得た。pPADHFR−6をBgl IIおよびBstX Iで
消化することによって得られる400塩基対のt−PAフラ
グメントを単離することにより、別のフラグメント2を
得た。突然変異t−PAクローンM13RF2C9由来のRF DNAを
BstX IおよびBstE IIで消化することにより、所望の突
然変異を含有する1141塩基対のt−PAフラグメント3を
得た。フラグメント1および2をフラグメント3とライ
ゲートした。このDNA混合物を用いてE.コリを形質転換
し、真核生物性発現ベクターpPADHFR−6 2C9を得た。 上記および欧州特許出願公開No.199574(公開日:1986
年10月29日)の記載のようにして調製したプラスミドpP
ADHFR−6 2C9は、グルタミン酸275組織型プラスミノー
ゲン活性化因子突然変異体をコードしているDNA配列を
含有している。これをSca IおよびApa Iで消化し、組織
型プラスミノーゲン活性化因子DNA配列のコドン254から
466に対応する約630bpのフラグメントを、自体既知の方
法によりSDS−PAGEで精製した。 Bgl II−Sca I(pUCPAΔHD)およびSca I−Apa I(pP
ADHFR−6 2C9)の2種類のフラグメントを、消化pUCPA
ΔHDからの大きいBgl II(bp531)−Apa I(1926bp)フ
ラグメントにライゲートし、得られたグルタミン117グ
ルタミン酸275t−PA突然変異DNAを含有するプラスミド
を常法によりミニスクリーニングした。得られたプラス
ミドを上記のようにしてDHFR欠失CHO細胞に導入し、増
幅し、そして対応する突然変異t−PAを後に使用するた
めに分離した。 実施例4 t−PAのアミノ酸配列は、N−結合グリコシル化の可
能性のある部位の4つ含んでいる[Asn−X−Ser/Thr;A
nn.Rev.Biochem.41,673(1972)]。これらはアスパラ
ギン残基117、184、218および448である[Nature,301,2
14(1983)]。しかし位置218は、t−PAにおいてはグ
リコシル化されていないことが見い出された。位置184
は、タイプIのt−PAではグリコシル化されているが、
タイプIIのt−PAではグリコシル化されていない[Bioc
hemistry,23,3701(1984)]。 プロナーゼ消化したrt−PAをゲル濾過クロマトグラフ
ィーにかけると2種類のN−結合オリゴ糖に分かれる
(第1表)。より高分子量の物質の組成は、フコース化
された複合タイプのオリゴ糖と一致した。より低分子量
の物質は、小さい高マンノースオリゴ糖に対して予想さ
れる組成(おそらくMan6GlcNAc2)を有していた。 特異性の異なるグリコシド酵素を用いて、高マンノー
スオリゴ糖の結合位置を決定した。用いた酵素はエンド
−β−N−アセチルグルコサミニダーゼH(エンドH;Ge
nzyme,Inc.;この酵素は高マンノースオリゴ糖を除去す
るが複合タイプのオリゴ糖には作用しない)およびペプ
チド−N−グルコシダーゼF(N−グリカナーゼ;Genzy
me,Inc.;この酵素は高マンノースおよび複合タイプオリ
ゴ糖の両者を除去する)である。これらの実験に用いた
t−PAはプラスミドで2本鎖型に変換し、次いで還元
し、カルボキシメチル化したものであった。 SDS−PAGEは、還元されカルボキシメチル化された2
本鎖tt−PAをタイプIクリングル(117および184のグリ
コシル化)、タイプIIクリングル(117のグリコシル
化)およびプロテアーゼ(448のグリコシル化)に分離
する。t−PAをN−グリカナーゼ消化すると、タイプII
クリングルよりわずかに大きい移動度の位置にこのクリ
ングルバンドを合体させ、またプロテアーゼの移動度を
増加させる(第2図、レーン2)。t−PAをエンドH消
化すると、それぞれのクリングルバンドの電気泳動移動
度を増加させるが、プロテアーゼバンドの移動度には影
響しない(第2図、レーン4)。エンドHによる結果
は、タイプIおよびタイプIIクリングルのそれぞれが高
マンノースオリゴ糖を含有していることを示している
(これは、タイプIおよびタイプIIクリングルの両者に
おいてグリコシル化される唯一の位置である、残基117
に位置していなければならない)。エンドH処理によっ
ては、タイプIクリングルはタイプIIに変換されない。
従って、タイプIクリングルにおいてグリコシル化され
ているがタイプIIにおいてはグリコシル化されていない
残基184は複合オリゴ糖を含有している。また、N−グ
リカナーゼ処理すると、rt−PAのプロテアーゼ部分の移
動度が増加するが、エンドHは影響を及ぼさないので、
位置448も複合構造を含有していなければならない。 実施例5 エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼH(エ
ンドH)をGenzyme,Inc.より購入した。SDS−PAGEを、
レンムリ[Laemli,Nature,227,680(1970)]の開示と
同様にして行った。上記EPA93619の記載と同様にして調
製したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子[0.8m
g、0.01%ツィーン(Tween)80を含有する0.2Mリン酸ア
ルギニン(pH6)からなるフォーミュレーション緩衝液
0.2ml中]を、エンドH[0.1単位、25mMリン酸ナトリウ
ム(pH6)0.05ml中]およびアジ化ナトリウム(0.02
%)と混合した。この試料を37℃で20時間インキュベー
トした。エンドH溶液のかわりにリン酸ナトリウム緩衝
液(25mmの0.05ml)を用いること以外は同様にして、対
照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子試料を調製
し、インキュベートした。インキュベート後、これらの
試料をフォーミュレーション緩衝液で希釈して合計容量
0.75mlとし、同一のフォーミュレーション緩衝液に徹底
的に透析した。この試料を濾過し(0.4ミクロンHVフィ
ルター、Amicon)、4℃で貯蔵した。 脱グリコシル化は、還元およびカルボキシメチル化後
のSDS−PAGEによってモニターした。このようにして調
製したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の一部
(0.05mg、フォーミュレーション緩衝液0.01ml中)を、
25mMリン酸ナトリウム(pH6、0.015ml)および20mMジチ
オトレイトール含有の2×レンムリ(Laemmli)試料緩
衝液(0.025ml)と混合した。この試料を95℃で5分間
加熱し、次いで冷却した。モード酢酸(0.015ml、1N水
酸化アンモニウム中の0.67M溶液)を加え、試料を暗所
中、室温で3時間インキュベートした。還元され、カル
ボキシメチル化された試料をSDS−PAGEで分析した。 この分析において、未処理の対照2本鎖ヒト組織型プ
ラスミノーゲン活性化因子は、タイプIクリングル(位
置117および184のグリコシル化)、タイプIIクリングル
(位置117のグリコシル化)、およびプロテアーゼに対
応する3つのおもなバンドに分かれる(第1図、レーン
1)。ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子をエンド
H消化すると、各クリングルバンドの電気泳動移動度を
増加させるが、プロテアーゼバンドの移動度には影響し
ない(第1図、レーン2)。 エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化
因子のフィブリン溶解活性を、コーレン等[Collen et
al.,J.Clin.Path.,21,705(1968)]のインビトロ血餅
溶解検定法によって検定した。エンドH処理したヒト組
織型プラスミノーゲン活性化因子の活性は、この検定に
おける未処理対照のものと差がなかった。 ヒト組織型プラスミノーゲン試料をヨウ素ビーズ法
[マークウェル(Markwell,Anal.Biochem.,125,427(19
82))]で約2μCi/μgの比活性になる様にヨウ素化
した。0.2Mアルギニン、0.1Mクエン酸(pH6.0)および
0.01%ツィーン80がすべてに用いた緩衝液である。ヨウ
素化に先だってすべての試料をこの緩衝液に透析した。
ヨウ素化に先だってトリス塩基でpHを8.2に調整した。
このヨウ素化混合物を、緩衝液(pH6.0)で平衡化したP
D−10カラム(Pharmacia)にかけ、空容量からの放射活
性フラクションをプールし、SDS−PAGEを行い、そして
乾燥ゲルをオートラジオグラフィーにかけた。ラベルし
たヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のオートラジ
オグラフィーによって、95%以上の放射活性がヒト組織
型プラスミノーゲン活性化因子に導入されていることが
わかった。 ラベルしたヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の
それぞれを、非ラベルの原料と1:200(ラベル:非ラベ
ル、w/w)の割合で混合し、耳に動脈カテーテルをセッ
トしたウサギにボーラスとして静脈注射した。各ウサギ
に、1mg/kgの非ラベルおよび10μCi/kgのラベルヒト組
織型プラスミノーゲン活性化因子を与えた。非ラベルヒ
ト組織型プラスミノーゲン活性化因子は、クリアランス
経路における濃度依存性から起こることもある薬動力学
における変化を避け、治療レベルを達成するために、痕
跡量のラベルヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の
担体(キャリアー)として用いた。動脈血液試料を連続
して26分間にわたって集め、直ちに、EDTAおよびD−ph
e−pro−arg−クロロメチルケテン(PPACK)の凍結乾燥
混合物を含有する試験管に、最終濃度それぞれ1μMお
よび4.8mMとなるように入れた。この試験管を氷上に置
き、血漿を分離した。トリクロロ酢酸(TCA)沈澱性
(無傷のヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子)およ
び合計放射活性を、それぞれの血漿試料について測定し
た。また、ポリクローナル抗体を利用し、かつ少なくと
も30ng/mlの有効感度を有するサンドイッチELISA法によ
って、免疫反応性ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子も測定した。 ウサギにおける生体内クリアランス実験から2種類の
データが得られた。1つは非ラベル物質のクリアランス
の尺度となるべき免疫反応性ヒト組織型プラスミノーゲ
ン活性化因子からのものである。2番目の種類のデータ
は、95%以上の無傷のヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子を表す、TCA沈澱性の放射活性である。免疫反応
性およびTCA沈澱性カウントからの、時間に対する血漿
濃度曲線を、適当な多重指数モデルに適合させ、得られ
た薬動力学的パラメーターを比較した。 実施例6 エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子の薬動力学 エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性化
因子、対照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子、お
よび2番目の対照ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子(酵素の非存在下、エンドH処理したヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子と同じ反応条件下で処理した)
の薬動力学的なプロファイルを第4図に示す。2種類の
対照が実質的に同じプロファイルであることは、117の
単糖を除去するのに必要な操作がヒト組織型プラスミノ
ーゲン活性化因子のクリアランスの変化に寄与しなかっ
たことを示している。このエンドH処理したヒト組織型
プラスミノーゲン活性化因子は、よりゆっくりと消失す
る。このデータを分析すると、β相に対するゼロ時間外
挿濃度の増加に加えてα相クリアランス速度の増加があ
ることがわかる。エンドH処理したヒト組織型プラスミ
ノーゲン活性化因子は、時間と濃度の積の積分で測定し
たとき(これは、曲線下領域と呼ばれ、比較的憶測のな
い生物学的利用率の尺度である)、生物学的利用率を約
2倍増加した。 試験群それぞれにキャリアー量の非ラベルヒト組織型
プラスミノーゲン活性化因子を与えた。すべての場合に
おいて、非ラベルヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子の薬動力学的なプロファイルは、試験したすべての群
について異ならなかった。これは、所定のグループに割
り当てられたウサギが、たまたま異常なクリアランスの
性質を有するものではなかったことを証明するための内
部対照として役立つ。 Gln117t−PAおよびGln117Glu275t−PA突然変異体の薬動
力学 グルタミン117t−PAおよび対照ヒトt−PAの薬動力学
を第5図に示す。このグルタミン117t−PAは対照よりゆ
っくりと消失する。 第6図に示すように、実施例3の記載のようにして調
製したグルタミン117グルタミン酸275t−PAは同様のプ
ロファイルを示す。 フィブリン結合の性質 フィブリン結合性は、ヒト組織型プラスミノーゲン活
性化因子が生体内で有するフィブリン特異性におそらく
直接的に関係している、極めて重要な因子である。エン
ドHヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のフィブリ
ン結合性を2種類の方法で評価した。第1の方法は、標
準微量滴定皿のウェルに被覆したフィブリンによりヒト
組織型プラスミノーゲン活性化因子を捕捉し、次いで各
ウェルを洗浄し、プラスミンのための色素基質(S−22
51、Kabi)およびプラスミノーゲンの溶液を加える方法
である。現れた色は、最初の工程で捕捉されたヒト組織
型プラスミノーゲン活性化因子の量に比例する[アング
ルス−カノ(Angles−Cano,Thrombosis and Haemostasi
s,54,171(1985))]。第2のフィブリン結合検定法
は、プラスミノーゲンを含まないフィブリノーゲンおよ
びヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子の溶液にトロ
ンビンを加えたときに、その溶液に残っているヒト組織
型プラスミノーゲン活性化因子の量をELISAによって測
定するものである[リジケン等(Rijken et al.,J.Bio
l.Chem.,257,2920(1982))]。どちらの検定が、変性
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子のフィブリン結
合の生体内での結果を満足に予想するかは、現在のとこ
ろ明確ではない。それぞれの検定からのデータに基い
て、エンドH処理したヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子は、改良されてはいないにしても、少なくとも変
化していないフィブリン特異性を有していると結論する
ことができる。 同様に、グルタミン117グルタミン酸275t−PA(実施
例3)のフィブリン結合の試験データから、フィブリン
の刺激および比活性において、グルタミン117グルタミ
ン酸275t−PAがグルタミン酸275t−PAと同じであり、t
−PA対照より優れていることがわかった。 実施例7 実施例1および2に記載したようにして調製したgln
117およびmet119突然変異体について、上記と同様にし
て、それぞれフィブリン溶解活性を試験し、エンドH処
理した物質を用いたときと同様の結果を得た。またそれ
ぞれの薬動力学も、上記のように、対照ヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子と比較すると、エンドH処理し
た物質のものと同様である。 実施例8 医薬組成物 本発明の化合物は、薬学的に許容しうる担体と混合
し、既知の方法に従って製剤化して薬学的に有用な組成
物を調製することができる。適当な担体およびその製剤
(他のヒトタンパク質、たとえばヒト血清アルブミンを
含む)は、たとえばマーチン(E.W.Martin,Remington's
Pharmaceutical Sciences)が開示している。このよう
な組成物は、宿主への有効投与に適した薬学的に許容し
うる組成物を調製するため、有効量の本発明タンパク質
とともに適当量の担体を含有する。 たとえば、本発明のヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子を、心臓血管の疾患または症状に苦しんでいる患
者に非経口的に投与することができる。投与量および投
与速度は、他の心臓血管の血栓溶解剤の臨床研究に最近
用いられているものと同様であってよい(たとえば、心
筋梗塞、肺動脈塞栓症等に苦しんでいる患者に、1.5−1
2時間にわたって、静脈内または動脈内投与量として約
1−2mg/kg体重)。 適当な投与剤形の1例として、ヒト組織型プラスミノ
ーゲン活性化因子50mg、アルギニン、リン酸およびポリ
ソルベート80を含有するバイアルを、注射用滅菌水50ml
で戻し、適当量の0.9%塩化ナトリウム注射液と混合す
ることもできる。 半減期が長くなったヒト組織型プラスミノーゲン活性
化因子は、迅速な静脈内注射に適している。これは、複
雑な投与法を不要なものにし、限られた医療装置しかな
い場合において、たとえば準医療従事者が配置されてい
る救急機関において、t−PAを使用する機会を増加させ
るであろう。また、半減期が長くなったヒト組織型プラ
スミノーゲン活性化因子は、より低い、より安全な初期
投与量を可能にし、血栓溶解に効果があるプラスミンレ
ベルを45分間またはそれ以上にわたって維持するであろ
う。さらに、半減期がより長くなったヒト組織型プラス
ミノーゲン活性化因子は、急性の血栓をうまく溶解した
後の再閉塞を避けるために必要になることもある低投与
量長期治療に、あるいは周囲の血管が閉塞している場合
に必要になることもある長期間の血栓溶解にも有用であ
ろう。 以上、特定の好ましい態様を記載したが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。ここに開示した態様に
基いて種々の修飾が為されるであろうが、このような修
飾は本発明の範囲内に含まれるべきものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、未処理およびエンドH処理したヒトt−PAに
ついてSDS−PAGEをおこなった結果を示す写真の模写図
であり、第2図は、還元され、カルボキシメチル化され
たt−PAをグリコシダーゼ消化した結果を示す写真の模
写図であり、第3図は、プラスミドpUCPAΔHDの制限地
図を表す模式図であり、第4図は、対照ヒトt−PA、酵
素を用いずにエンドH処理工程を行ったヒトt−PA、お
よびエンドH処理したヒトt−PAについて、トリクロロ
酢酸沈澱性放射活性の経時変化を測定した結果を表すグ
ラフであり、第5図は、対照ヒトt−PAおよびグルタミ
ン117t−PAについて、トリクロロ酢酸沈澱性放射活性の
経時変化を測定した結果を表すグラフであり、第6図
は、対照ヒトt−PAおよびグルタミン117グルタミン酸
275t−PAについて、トリクロロ酢酸沈澱性放射活性の経
時変化を測定した結果を表すグラフである。
ついてSDS−PAGEをおこなった結果を示す写真の模写図
であり、第2図は、還元され、カルボキシメチル化され
たt−PAをグリコシダーゼ消化した結果を示す写真の模
写図であり、第3図は、プラスミドpUCPAΔHDの制限地
図を表す模式図であり、第4図は、対照ヒトt−PA、酵
素を用いずにエンドH処理工程を行ったヒトt−PA、お
よびエンドH処理したヒトt−PAについて、トリクロロ
酢酸沈澱性放射活性の経時変化を測定した結果を表すグ
ラフであり、第5図は、対照ヒトt−PAおよびグルタミ
ン117t−PAについて、トリクロロ酢酸沈澱性放射活性の
経時変化を測定した結果を表すグラフであり、第6図
は、対照ヒトt−PAおよびグルタミン117グルタミン酸
275t−PAについて、トリクロロ酢酸沈澱性放射活性の経
時変化を測定した結果を表すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ジョン・ビンセント・オッコナー
アメリカ合衆国カリフォルニア94070、
サン・カルロス、デール・アベニュー
150番
(72)発明者 ミカエル・ウォルター・スペルマン
アメリカ合衆国カリフォルニア94066、
サン・ブルーノ、オーク・アベニュー
468番
(56)参考文献 特開 昭59−42321(JP,A)
特開 昭62−24(JP,A)
特開 昭61−247384(JP,A)
特開 昭62−130690(JP,A)
特開 昭62−272976(JP,A)
Biochemistry 23 P.
3701−3707(1984)
Biochem.J.209 P.331−
336(1983)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.a)アミノ酸残基117に機能的な炭水化物構造を欠
き、b)その点を除けば機能的に修飾されていない炭水
化物構造を有し、c)実質的に完全な生物学的活性を保
持し、そしてd)長くなった生体内半減期を有するヒト
組織型プラスミノーゲン活性化因子であって、アミノ酸
残基117の炭水化物構造がエンドグリコシダーゼを用い
て削除されているヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子。 2.a)アミノ酸残基117に機能的な炭水化物構造を欠
き、b)その点を除けば機能的に修飾されていない炭水
化物構造を有し、c)実質的に完全な生物学的活性を保
持し、そしてd)長くなった生体内半減期を有するヒト
組織型プラスミノーゲン活性化因子であって、アミノ酸
残基117の炭水化物構造がエンドグリコシダーゼを用い
て削除されているヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子、および薬学的に許容しうる担体を含有してなる医薬
組成物。 3.実質的に完全な生物学的活性を保持し、そして長く
なった生体内半減期を有するヒト組織型プラスミノーゲ
ン活性化因子の製造方法であって、エンドグリコシダー
ゼを用いてアミノ酸残基117の機能的な炭水化物構造を
削除することからなる方法。
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---|---|
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-
1987
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-
1996
- 1996-08-22 GR GR960402207T patent/GR3020850T3/el unknown
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