JP2971664B2 - ペプチド類からアミノ酸を回収する方法 - Google Patents

ペプチド類からアミノ酸を回収する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペプチド類を合成及び精
製する各工程において生じる該ペプチド類の副生物及び
未回収ペプチド類において遊離のアミノ基を有するペプ
チド化合物を、強酸性陽イオン交換樹脂により吸着した
後加水分解して、該ペプチド類を構成するアミノ酸を回
収する方法に関する。
【0002】更に詳しくは、遊離のアミノ基を有するペ
プチド類を含む水溶液をH+型強酸性陽イオン交換樹脂
に通液し、該ペプチド類をイオン吸着させた後、該イオ
ン交換樹脂を加熱し、ペプチド類の加水分解反応を行
い、加水分解反応後、該イオン交換樹脂にアルカリもし
くは鉱酸塩水溶液を通液し、各アミノ酸を溶出させ該ペ
プチド類を構成するアミノ酸を回収する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ペプチド製造法に関しては、既にこれま
で色々な方法が提案されている。たとえば、α−APM
はペプチド人工甘味料として産業上有用な物質であり、
該化合物の製造は保護基をつけたL−アスパラギン酸誘
導体とL−フェニルアラニンメチルエステルとの縮合反
応が開示されている。これらの縮合反応においては、目
的のα−異性体の他に無視できない量のβ−APM、す
なわちN−保護基−β−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルを副生する。また、α−AP
M製造工程における精製工程においても再結晶濾液のよ
うな側流には無視できない量のα−APMや関連化合物
が溶解して損失するので、α−APMの収率は余り良く
ない。したがって、これらのα−APMの製造において
生じる濾過洗液のごとき側流からの有効成分の回収が工
業的にはきわめて重要となる。
【0004】回収の方法としては側流の種類により有効
成分(化合物)の回収方法が各種考案されるが工業的に
はいかなる有効成分を含む側流も一括して処理して、そ
して有効成分を回収することが望ましい。このため、従
来は側流を一括して加水分解処理した後、アミノ酸であ
るL−フェニルアラニンおよびL−アスパラギン酸とし
て回収することが既に知られている(特開昭57−13
0958号公報および特開昭63−159355号公
報)。これらはいずれも鉱酸を用いて加水分解を行うも
のであり、加水分解時の酸濃度を高めるため側流を濃縮
する前処理が必要である。
【0005】特開昭57−130958号公報ではN−
ホルミル−L−アスパラギン酸無水物とL−フェニルア
ラニンを酢酸中にて縮合反応させてN−ホルミル−α−
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンを得て、つい
で脱ホルミル化を行いα−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニンとして、つぎにメタノ−ル性塩酸水溶液中
でエステル化を行いα−APMを単離し、濾過濾液系統
からの有効成分の回収の技術に関するものである。具体
的には、α−異性体を分離した後の濾液を濃縮後、α−
APM塩酸塩製造母液の濃縮液および塩酸と水とを添加
して加水分解処理を行い、そしてまずL−フェニルアラ
ニンを塩酸塩として析出させて分離した後、更に母液の
pHをL−アスパラギン酸の等電点に調整してL−アス
パラギン酸を析出させる方法を開示している。また、側
流液にはペプチド誘導体以外に酢酸および蟻酸等が含ま
れるものもあり、このため加水分解前に低沸不純物を除
去するための蒸留操作工程が開示されている。このよう
に回収工程の随所において熱エネルギ−を消費する箇所
があり、効率上の問題があった。
【0006】一方、特開昭63−159355号公報は
α−APMの製造工程において生じる母液から有効成分
であるL−フェニルアラニンおよびL−アスパラギン酸
を回収するに際し、母液を70℃以下の条件にて濃縮を
行い、つぎに鉱酸により加水分解処理を行う該アミノ酸
を単離する方法を開示している。該発明においても濃縮
操作があり上記問題点の検討はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はペプチド類を
合成及び精製する各工程において生じる該ペプチド類の
副生成物及び精製において、濾液側等に溶解して損失す
る遊離のアミノ基を有するペプチド類を、強酸性陽イオ
ン交換樹脂により吸着した後加水分解し、該ペプチド類
を構成するアミノ酸を回収する方法を提供することであ
る。
【0008】本発明者らは、従来技術に於いて、該ペプ
チド類を構成するアミノ酸を回収する方法において、
ペプチド類の鉱酸による加水分解は高濃度下で行う必要
があることから、各ペプチド水溶液を濃縮し、反応中の
鉱酸濃度を高める必要があること。更に、鉱酸を高温に
て使用するため装置上の制限があること。 加水分解反応後のアミノ酸回収において、各アミノ酸
を鉱酸塩として回収する方法、あるいはpHを調整して
アミノ酸の等電点での溶解度の差を利用し、遊離のアミ
ノ酸として分離する方法等が知られている。
【0009】しかし、アミノ酸を該鉱酸塩で回収する場
合には装置材質上に制限があり、また、pHを調整して
アミノ酸の等電点において分離する場合には、加水分解
反応時に鉱酸を用いているためpHは強酸性である。該
アミノ酸が中性アミノ酸の場合にはpH調整を行うのに
多量のアルカリ剤を添加せねばならずその為高濃度の塩
が生じ、よってアミノ酸と塩との精製、分離が困難であ
る事などの問題点を見いだした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために鋭意検討した結果、遊離アミノ基を有
するペプチド類を含む水溶液をH+強酸性陽イオン交換
樹脂に吸着させ、そして該イオン交換樹脂を加熱するこ
とにより加水分解反応が可能であること、さらに、加水
分解反応後のアミノ酸のラセミ化は僅かであり、高純度
のアミノ酸を回収することが出来ることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、ペプチド類を含む水溶
液をH+強酸性陽イオン交換樹脂に通液し、ペプチド類
をイオン交換樹脂に吸着させ、該イオン交換樹脂を加熱
してペプチド類を加水分解反応させ、アミノ酸を回収す
ることを特徴とするペプチド類からアミノ酸を回収する
方法である。
【0012】本発明は以下に記述するような特徴を有す
る。すなわち、 遊離のアミノ基を有するペプチドの水溶液を濃縮する
事なくイオン交換樹脂に通液することにより回収される
こと。 加水分解に使用される酸が遊離の形でないため加水分
解後の中和生成塩とアミノ酸が混合しないこと。 加水分解反応後に生成した該ペプチドを構成するアミ
ノ酸を回収する目的において、該樹脂にアルカリ水溶液
を通液すれば、加水分解後樹脂に吸着したアミノ酸が同
時に溶出されること。 鉱酸塩水溶液により溶出を行う場合には、該ペプチド
を構成する各々のアミノ酸の等電点の低いものから順次
溶離溶出し回収されること。 溶離のアルカリ水溶液にアンモニア水を用いた場合に
は溶出水を加熱あるいは濃縮する際にアンモニアが蒸発
し、濃縮終了時にはアンモニアのほとんどが留去される
ため、回収時、アミノ酸の等電点において分離する場
合、pH調整の必要がほとんどない為に塩が生じず回収
が容易に行えること。
【0013】ここで言うペプチド類とは2個以上のアミ
ノ酸の各々がペプチド結合したもので、特にアミノ酸の
数が2〜10個のオリゴペプチドと呼ばれるものを対象
としている。また、ペプチド類を含む水溶液とは該ペプ
チド類を反応生成させた後そのペプチド類を反応液より
濾別回収する際に生じる濾液及び濾洗液、更に精製する
際に生じる濾液及び濾洗液であり、特にα−APMの製
造工程に於て生じる側流とはα−APM反応母液、結晶
単離濾洗液及び再結晶濾洗液の一つまたはそれ以上との
組合せのものを意図している。
【0014】本発明において用いる陽イオン交換樹脂と
してはゲル型またはポーラス型の架橋度2〜20%のも
ので、スルフォン酸を交換基とし交換容量が1.0〜
3.0meq/mlのスチレン共重合物であればよい。
例えばゲル型としてはレバチットTM(独国 バイエル社
製)MDS1368、ダイヤイオンTM SK 1B、ダ
ウェックスTM(米国 ザ・ダウ・ケミカル社製)50W
−X8等が挙げられ、ポーラス型としてはレバチットTM
SP120、ダイヤイオンTM PK216等が挙げら
れる。
【0015】樹脂は使用前に交換基をH+型にすること
が必要である。H+型へは、例えばH 2SO4,HCl,
HNO3等の鉱酸水溶液を樹脂に接触させる等の方法に
より実施される。樹脂必要量は使用に供される水溶液中
に含まれるペプチド類をアミノ酸に換算したモル量、遊
離のアミノ酸モル量及び陽イオン交換樹脂に吸着可能な
陽イオンのモル量の総和モル数と等量以上が用いられ、
好ましくは総和モル数の1.5〜3.0倍である。3倍
量を越して使用すればイオン交換樹脂量が膨大になり反
応器の容量を拡大することになり、よってイオン交換樹
脂再生に必要な酸およびアミノ酸溶出時のアルカリ量が
増し、効率上の問題が生じる。
【0016】加水分解の反応温度は70℃以上からイオ
ン交換樹脂の耐熱温度まで可能であるが、好ましくは1
00〜120℃であり、反応時間は反応温度により決定
されるが、2〜60時間の反応時間があれば十分であ
る。所定時間反応後、必要に応じて水を通して樹脂を洗
浄する。ペプチド類を構成するアミノ酸のうち、酸性ア
ミノ酸の一部やペプチド類中に残存するアミノ酸の保護
基が洗浄液中に遊離する場合があり、この洗浄液中のア
ミノ酸を回収するにはさらにイオン交換樹脂に通液する
か、あるいは濃縮、濾過により回収する方法が可能であ
る。加水分解にて生じたアミノ酸は、洗浄もしくは未洗
浄の樹脂にアルカリ水溶液または鉱酸塩水溶液を通液し
溶出する。
【0017】アルカリ水溶液としてはアンモニア水ある
いはNaOH水溶液等が用いられる。アンモニア水は溶
出液の濃縮時に蒸発溜去が出来ることから、より好まし
いアルカリ水溶液である。アルカリ水溶液をアミノ酸が
吸着した樹脂に通液すれば、該ペプチドを構成する各々
のアミノ酸が同時に溶出される。鉱酸塩水溶液を通液し
溶出を行うと該ペプチドを構成する各々のアミノ酸の等
電点により分離して溶出される。溶離液中のアルカリま
たは鉱酸塩の量はイオン交換樹脂の総交換容量以上であ
ればよい。アルカリ水溶液の濃度としては0.1M程度
の希薄な溶液でも溶離には十分であるが、アルカリの濃
度が高すぎると、イオン交換樹脂の周りで結晶化するこ
とがあるため、アミノ酸の結晶化が生じない濃度範囲の
アルカリを用いるのが好ましい。
【0018】溶出液の温度は高温であるほど通過液のア
ミノ酸、例えばL−フェニルアラニンの溶解度を上げる
ので溶出時間の短縮およびアルカリ溶液の使用量を削減
できる、しかし高温であれば溶出アミノ酸のラセミ化が
生じ易くなるので、50℃以下で行うのが好ましい。溶
出に用いる鉱酸塩水溶液としては硫酸、塩酸、硝酸塩の
水溶液等があげられる。
【0019】樹脂を用いて加水分解後の反応溶液から各
々のアミノ酸を単離する方法としては、例えば、α−A
PMの場合には、加水分解後に硫酸アンモニウム水溶液
を溶離液に用いて溶出すると、先ずL−アスパラギン酸
が溶出し、続いてL−フェニルアラニンが溶出される。
また、溶離時に2種の溶離液を用いる方法では、先ず硫
酸アンモニウム水溶液によりL−アスパラギン酸を溶出
後、溶離剤をアンモニア水に変えれば、L−フェニルア
ラニンがアンモニア水溶液として得られ、その溶出液を
特定濃度まで濃縮後、晶析、濾別操作により、精L−フ
ェニルアラニンが得られる。
【0020】初めに溶出したL−アスパラギン酸を含む
溶液も同様に濃縮し濃縮終了液のpHをL−アスパラギ
ン酸の等電点に調整した後、晶析、濾別操作により、精
L−アスパラギン酸が容易に得られる。同じくα−AP
Mを樹脂により加水分解した後、該樹脂からのアミノ酸
の溶離にアンモニア水溶液を溶離液に用いればL−アス
パラギン酸及びL−フェニルアラニンが同時に溶出さ
れ、該溶出液を特定濃度まで濃縮後、晶析、濾別操作に
より、精L−フェニルアラニンが容易に得られる。L−
フェニルアラニンを濾別した濾液を更に特定濃度まで濃
縮し濃縮終了液のpHをL−アスパラギン酸の等電点に
調整した後、晶析、濾別操作により精L−アスパラギン
酸が得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 数種の樹脂を用いてα−APMの加水分解を行った。α
−APM 39.24g(0.1333モル)をα−A
PMモル量に対して3倍の交換容量を持つ各々の樹脂に
吸着後、加水分解反応を120℃で6時間行った。加水
分解終了後、各々の樹脂に吸着しているL−フェニルア
ラニン(以下L−Pheと略す)とL−アスパラギン酸
(L−Aspと略す)の全量をアンモニア水溶液にて溶
出し、溶液中のL−Phe量を求め、吸着したα−AP
Mに対するL−Pheの回収率を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2 αおよびβ体の等モル存在するAPM溶液62.5g
(APM 1.6%、1.0g、3.398ミリモル)
中にH+型に調整した強酸性陽イオン交換樹脂(バイエ
ル社製 MDS−1368)の総交換容量がAPMモル
量に対して1、2、3倍量の樹脂を添加し攪拌によりA
PMを吸着させた。その後、密閉型の試験管に樹脂を移
し替え、100℃下に20時間加水分解反応を行った。
冷却後、その樹脂に吸着しているL−PheとL−As
pの全量をアンモニア水溶液で溶出し、その溶液中のL
−Phe量を求め、吸着したAPMに対する回収率を表
2に示した。APMに対して樹脂量が多いほど加水分解
反応が早く進行する。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3 α−APM 1.0g(3.398ミリモル)を実施例
2と同じ強酸性陽イオン交換樹脂を総交換容量がα−A
PMモル量に対して3倍量の樹脂中(10.2ml)に
添加し更に水を10g加え攪拌によりα−APMを溶解
吸着させた。その後、耐圧容器に樹脂を移し替え、8
0、100、110、120、130℃の温度下で加水
分解反応を行った。反応時間は表3に示している。冷却
後、その樹脂に吸着しているL−PheとL−Aspの
全量をアンモニア水溶液にて溶出し、その溶液中のL−
Phe量を求め、吸着したAPMに対する回収率を表3
に示す。加水分解温度が高いほど反応が早く進行する。
【0026】
【表3】
【0027】実施例4 α−APM 39.24g(0.1333モル)を実施
例2と同じ強酸性陽イオン交換樹脂の総交換容量がα−
APMモル量に対して3倍量の樹脂中に添加し更に水を
200g加え攪拌によりα−APMを溶解吸着させた。
その後、耐圧容器に樹脂を移し替え、110℃で加水分
解反応を2、4、6、8、10時間行った。それぞれを
冷却した後、その樹脂に吸着しているL−PheとL−
Aspの全量をアンモニア水溶液にて溶出し、その溶液
中のL−Phe量を求め、吸着したα−APMにの各加
水分解時間に於けるL−Phe回収率を表4に示す。反
応温度110℃では反応4時間目でほぼ終点に達する。
【0028】
【表4】
【0029】実施例5 α−APM 8.84g(0.030モル)を含有する
水溶液650gをH+型に調整した強酸性陽イオン交換
樹脂(レバチット社製 MDS−1368)90mlを
充填したカラム(φ25×200)に通液吸着させた
後、100℃で加水分解反応を20時間行った。冷却
後、蒸留水を通水して遊離したL−PheとL−Asp
とを溶出した。〔画分−1 L−Phe 0.064g
(1.3%)、L−Asp 0.38g(11.7
%)〕その後、1%アンモニア水を通液して樹脂に吸着
しているL−PheとL−Aspを溶出した。〔画分−
2 L−Phe 4.89g(98.6%)、L−A
sp 3.53g(88.3%)〕。 *:( )内は吸着させたα−APMに対するモル分
率。
【0030】画分−2を減圧下、65℃で濃縮した後
に、濾過によりL−Pheの結晶8.41gを得た。回
収率83.3%(対α−APM)。尚結晶中にD−フェ
ニルアラニンの存在は認められなかった。L−Pheを
濾別した際の濾液に硫酸をpHが2.7になるまで徐々
に添加し、濾過によりL−Aspの結晶4.23gを得
た。回収率83.3%(対α−APM)。尚、結晶中に
D−アスパラギン酸の存在は認められなかった。
【0031】実施例5 α−APM 8.84g(0.030 モル)を含有す
る水溶液650gを実施例−4と同じ様に、100℃で
加水分解反応を20時間行った。冷却後、蒸留水を通水
して遊離したL−PheとL−Aspとを溶出した〔画
分−1 L−Phe 0.10g(1.0%)、L−A
sp 0.36g(9.6%)〕。その後、0.1M−
硫酸アンモニウム水溶液470gを通液して溶離を行な
い、L−Aspを主成分とする画分〔画分−2 L−A
sp 6.15g(77.0%)、L−Phe 1.1
4g(11.5%)〕を得た。
【0032】その後、1%アンモニア水337gを通液
して溶離を行ないL−Pheを主成分とする画分〔画分
−3 L−Phe 7.934g(80.0%)、L−
Asp 0.707g(8.9%)〕を得た、更に蒸留
水50gによりカラム内を洗浄した(画分−4 L−P
he 0.877g(8.8%)〕。 *:( )内は吸着させたα−APMに対するモル分
率。
【0033】画分−2を減圧下65℃で濃縮、冷却後、
硫酸を添加して溶液中のpHを2.0に調整後、濾過に
よりL−Aspの結晶3.80gを得た。L−Asp:
L−Phe=91.4:8.6。回収率34.8%(対
α−APM)。尚、結晶中にD−アスパラギン酸の存在
は認められなかった。
【0034】画分−3を減圧下65℃で濃縮。冷却後、
濾過によりL−Pheの結晶6.60gを得た。回収率
66.6%(対α−APM)。尚、結晶中にL−Asp
及びD−フェニルアラニンの存在は認められなかった。
【0035】
【発明の効果】ペプチド類から強酸性陽イオン交換樹脂
を用い、加水分解し、その構成アミノ酸を効率よく回収
することが出来る。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペプチド類を含む水溶液をH+型強酸性陽
    イオン交換樹脂に通液し、ペプチド類をイオン交換樹脂
    に吸着させ、該イオン交換樹脂を加熱してペプチド類を
    加水分解反応させ、アミノ酸を回収することを特徴とす
    るペプチド類からアミノ酸を回収する方法。
  2. 【請求項2】H+型強酸性陽イオン交換樹脂によるペプ
    チド類の加水分解反応後、該樹脂よりアミノ酸類を溶離
    するために、アルカリ水溶液または鉱酸塩水溶液を該樹
    脂に通液し、該アミノ酸類を回収することを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】ペプチド類が遊離のアミノ基を持つオリゴ
    ペプチドであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】ペプチド類がα−アスパルチル−L−フェ
    ニルアラニンメチルエステル(以下α−APMと略記す
    る)の製造工程において生じる側流に含まれるものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】α−APMの製造工程において生じる側流
    に含まれるペプチド類からL−フェニルアラニンおよび
    L−アスパラギン酸を回収するにあたり、該側流をイオ
    ン交換樹脂に通液し、ペプチド成分を該イオン交換樹脂
    に吸着させた後、該イオン交換樹脂を加熱してペプチド
    を加水分解反応させた後、該イオン交換樹脂よりL−フ
    ェニルアラニン及びL−アスパラギン酸を溶離し、各ア
    ミノ酸を分離回収することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】側流がN−置換−L−アスパラギン酸誘導
    体とL−フェニルアラニンメチルエステルを原料として
    α−APMを製造する方法で生じるものであることを特
    徴とする請求項4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】溶離のアルカリ水溶液がアンモニア水、N
    aOH水溶液であることを特徴とする請求項2記載の方
    法。
  8. 【請求項8】陽イオン交換樹脂がスルフォン酸基を交換
    基とすることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】加水分解の温度条件が70℃から140℃
    であることを特徴とする請求項1記載の方法。
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