JP2970096B2 - エンジンのスタータクラッチ機構潤滑装置 - Google Patents

エンジンのスタータクラッチ機構潤滑装置

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JP2970096B2
JP2970096B2 JP3202807A JP20280791A JP2970096B2 JP 2970096 B2 JP2970096 B2 JP 2970096B2 JP 3202807 A JP3202807 A JP 3202807A JP 20280791 A JP20280791 A JP 20280791A JP 2970096 B2 JP2970096 B2 JP 2970096B2
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starter clutch
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02NSTARTING OF COMBUSTION ENGINES; STARTING AIDS FOR SUCH ENGINES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02N2250/00Problems related to engine starting or engine's starting apparatus
    • F02N2250/08Lubrication of starters; Sealing means for starters

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、クランク室やミッシ
ョン室等から独立したスタータクラッチ室内に収容され
たスタータクラッチ機構を好適に潤滑するエンジンのス
タータクラッチ機構潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車のエンジンには、スタータモ
ータの駆動力をスタータアイドルギアを介してスタータ
ドリブンギアへ伝達し、スタータワンウェイクラッチを
介してクランクシャフトを駆動するスタータクラッチ機
構が設置されたものがある。このようなスタータクラッ
チ機構およびその周辺部品は、一般には、ミッション室
内に収容されて、ミッションオイルにより、さらにはク
ランク軸に穿設されたオイル供給孔からのオイルにより
潤滑される。
【0003】また、Vベルトユニットスイング型エンジ
ンの場合には、クランク室とミッション室とが離れてい
るので、常時噛合式のスタータクラッチ機構をクランク
室やミッション室とは独立のスタータクラッチ室に収容
している。この場合には、スタータクラッチ室内のオイ
ル雰囲気だけではスタータクラッチ機構を充分に潤滑し
得ないので、クランクシャフトやクランクケースに穿設
されるオイル供給孔が必須の構成要件となり、このオイ
ル供給孔からのオイルによりスタータクラッチ機構を湿
式潤滑している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、クランク軸
やクランクケースにオイル供給孔を穿設する場合には、
オイルリターン孔も同時に形成して、スタータクラッチ
室内でオイルが溢出しないように循環させる必要がある
ので構造が複雑になり、コストも上昇してしまう。
【0005】上述のスタータクラッチ機構は、スタータ
クラッチ室内でオイル漬けの状態にあるが、オイルレベ
ルが高いと、特に低温始動時にはメカニカルロスが発生
し、このメカニカルロスに基づく始動不良も引き起こさ
れ易い。さらに、オイルレベルが高いと、ブリーザ穴か
らオイルが吹き出してしまうこともある。
【0006】そこで、スタータクラッチ収容室内のオイ
ルレベルを下げるために、スタータクラッチの外径を大
径化することも考えられるが、スタータアイドルギアと
の位置関係上、その大径化には限界がある。
【0007】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
たものであり、コストを上昇させることなく効率よくス
タータクラッチを潤滑できると共に、スタータクラッチ
室内のオイルレベルも低減できるエンジンのスタータク
ラッチ機構潤滑装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、スタータモ
ータの駆動力をスタータアイドルギアおよびスタータク
ラッチを介してクランクシャフトへ伝達する常時噛合式
のスタータクラッチ機構が、クランク室およびミッショ
ン室等と独立したスタータクラッチ室内に収容され、こ
のスタータクラッチ室内で上記スタータクラッチ機構を
オイルにより湿式潤滑するエンジンのスタータクラッチ
機構潤滑装置において、上記スタータクラッチの外周に
オイル羽根が取り付けられると共に、このオイル羽根近
傍にスタータクラッチ内のクラッチローラへ至るオイル
導入孔が形成され、上記オイル羽根で掻き上げられたオ
イルが上記オイル導入孔を経て上記クラッチローラへ導
かれるよう構成されたものである。
【0009】
【作用】したがって、この発明に係るエンジンのスター
タクラッチ機構潤滑装置によれば、スタータクラッチの
回転に伴い、オイル羽根がスタータクラッチ室内に貯溜
したオイルを掻き上げ、この掻き上げたオイルをオイル
導入孔を経てクラッチローラへ導くので、クラッチロー
ラへ供給されるオイルが充分となり、スタータクラッチ
の潤滑を効率よく好適に行なうことができる。
【0010】また、オイル羽根およびオイル導入孔の構
成によりクラッチローラへオイルを供給できるので、ク
ランクシャフトやクランクケースにオイル供給孔を形成
する必要がなく、その分製造コストを低減できる。
【0011】さらに、オイル羽根がオイルを掻き上げる
ので、スタータクラッチを大径化することなく、スター
タクラッチ室内のオイルレベルを低減できる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0013】図2はスクータ型自動二輪車を示す全体側
面図である。
【0014】このスクータ型自動二輪車は、ハンドル3
で操舵される前輪1と、エンジン4で駆動される後輪2
とが前後に配置され、ハンドル3とシート5との間が低
く湾入してステップボード6が敷かれ、シート5が収納
ボックス7を兼ねたリアボディ8上に載置され、このリ
アボディ8の下にエンジン4が配置されて構成される。
【0015】上記エンジン4は、後輪2と一体化された
ユニットスイング型エンジンであり、前下部の支持アー
ム9が車体フレーム10に上下方向に揺動自在に軸支さ
れ、後上部が緩衝ユニット11によって支持されて、緩
衝懸架される。
【0016】ユニットスイング型エンジン4は、略水平
に前傾するシリンダ12の後方に、図3および図4に示
すようにクランクケース13が連なり、このクランクケ
ース13の一側から後方へスイングケース14が連設さ
れ、このスイングケース14の後部に、クランクケース
13の直ぐ後方に位置する後輪2がリアアクスル15に
より軸支される。
【0017】スイングケース14は、縦割りにされたベ
ーシックケース14aとケースカバー14bとを合せて
構成される。このケースカバー14bに、冷却空気の導
入口16および導出口17が設置される。
【0018】スイングケース14内に、クランクシャフ
ト18およびドライブシャフト19が突設される。この
クランクシャフト18にドライブVプーリ20が軸装さ
れ、ドライブシャフト19に管軸30が遊嵌され、この
管軸30にドリブンVプーリ21が軸装される。これら
のドライブVプーリ20とドリブンVプーリ21との間
にVベルト22が懸架されて、Vベルト自動変速機が一
次伝導系として装備される。符号23は管軸30とドラ
イブシャフト19との間に介装された遠心シュー式の発
進クラッチである。
【0019】ドライブシャフト19の他端は、独立した
ミッション室24に突入し、前記リアアクスル15との
間に二次伝導系としてギア変速機構25が装備される。
したがって、シリンダ12にて発生した動力は、クラン
クシャフト18からVベルト自動変速機および発進クラ
ッチ23を介してドライブシャフト19へ伝達され、ギ
ア変速機構25を経てリアアクスル15から後輪2へ伝
達される。
【0020】ドライブVプーリ20は、クランクシャフ
ト18に軸装されたドライブボス26に嵌合されてクラ
ンクシャフト18の軸方向に摺動自在なドライブ可動フ
ェース20aと、ドライブボス26および締付ナット2
7により挟持されてクランクシャフト18に固定された
ドライブ固定フェース20bと、を有して構成される。
【0021】ドライブ可動フェース20aの背面には、
クランクシャフト18に固定されたリアクッションプレ
ート28との間に遠心ローラ29が抱持される。クラン
クシャフト18の回転数が上昇すると、遠心ローラ29
に作用する遠心力が増大して、この遠心ローラ29がド
ライブ可動フェース20aを押圧し、ドライブ可動フェ
ース20aおよびドライブ固定フェース20b間に懸架
されたVベルト22の有効径を拡大し、高速レンジへシ
フトアップする。
【0022】一方、ドリブンVプーリ21は、ドライブ
シャフト19の軸方向に摺動可能に管軸30に嵌装され
たドリブン可動フェース21aと、管軸30に固定され
たドリブン固定フェース21bとを有して構成される。
ドリブン可動フェース21aの背面にフェーススプリン
グ31が設置され、このフェーススプリング31はドリ
ブン可動フェース21aおよびドリブン固定フェース2
1b間に懸架されたVベルト22の有効径を拡大し、低
速レンジに押し戻すよう付勢している。
【0023】一方、クランクケース13には、スイング
ケース14と反対位置にスタータクラッチケース32が
固定されて、クランクケース13との間にスタータクラ
ッチ機構33(後述)を収容するスタータクラッチ室3
4が形成される。クランクシャフト18は、上記スター
タクラッチケース32を貫通して外方へ延び、その先端
部にフライホイールマグネットロータ35がマグネット
ナット36により固定される。フライホイールマグネッ
トロータ35の内側にステータ37が配設され、このス
テータ37はスタータクラッチケース32にボルト固定
される。上記フライホイールマグネットロータ35およ
びステータ37により、フライホイールマグネットが構
成される。
【0024】フライホイールマグネットロータ35の背
面にはクーリングファン38が固定される。また、スタ
ータクラッチケース32と、シリンダ12を覆うシリン
ダケース39との間にファンケース40がボルト固定さ
れ、このファンケース40の外側にファンカウリング4
1が取り付けられる。ファンケース40には空気取入口
42が形成され、クーリングファン38の回転により、
この空気取入口42から冷却用空気が導入されてシリン
ダ12等が冷却される。
【0025】さて、前記スタータクラッチ機構33は、
図5に示すようにスタータドライブピニオン43、スタ
ータアイドルギア44、スタータドリブンギア45、ス
タータワンウェイクラッチ46およびクラッチブラケッ
ト47を有し、常時噛合式に構成される。スタータドラ
イブピニオン43は、スタータモータ48の出力軸に形
成される。このスタータモータ48は、クランクケース
13の外部下方に設置される。
【0026】スタータアイドルギア44は、ギア44a
およびギア44bを組み合せたツイン型のアイドルギア
であり、クランクケース13およびスタータクラッチケ
ース32間に跨架された支軸49に軸支される。ギア4
4aがスタータドライブピニオン43に噛み合い、ギア
44bがスタータドリブンギア45に噛み合う。
【0027】スタータワンウェイクラッチ46は、スタ
ータドリブンギア45に一体に結合され、このスタータ
ドリブンギア45のボス部として機能するクラッチイン
ナレース50と、このクラッチインナレース50の外側
に配置されてクラッチアウタレースとして機能するクラ
ッチハブ51およびハブプレート52と、クラッチロー
ラ53とを有して構成される。クラッチインナレース5
0は、クランクシャフト18にスプライン62により結
合されたクラッチスペーサ54に、クラッチベアリング
55を介して回転自在に設置される。
【0028】また、ハブプレート52は、クラッチハブ
51の外周および一側面に亘って固着される。このクラ
ッチハブ51に、図1および図6に示すように楔状凹部
56および透孔57が形成される。楔状凹部56は、ハ
ブプレート52の周方向三等配分位置に、このハブプレ
ート52の周方向に沿い楔状に形成される。これらの楔
状凹部56の内壁とクラッチインナレース50の外周と
の間にクラッチローラ53が係脱自在に配置される。
【0029】また、透孔57は、各楔状凹部56に連通
状態でそれぞれ形成される。この透孔57にはプッシュ
ピース58が嵌装され、プラグ59が螺合され、これら
プッシュピース58およびプラグ59間にクラッチスプ
リング60が介装される。プッシュピース58は、この
クラッチスプリング60の付勢力によってクラッチロー
ラ53を楔状凹部56およびクラッチインナレース50
間に係止させ、クラッチインナレース50とクラッチハ
ブ51とを一体回転可能に構成する。
【0030】上記スタータワンウェイクラッチ46のク
ラッチハブ51は、図5に示すように、クラッチブラケ
ット47に固定ボルト61によって回転一体に固定さ
れ、このクラッチブラケット47がクランクシャフト1
8にスプライン62により結合される。クラッチブラケ
ット47の側面は、クラッチインナレース50およびク
ラッチスペーサ54の側面に当接する。これらのクラッ
チブラケット47およびクラッチスペーサ54は、クラ
ンクシャフトスペーサ63およびクラッチリテーナ64
により挟持され、クラッチナット65によって位置決め
固定される。
【0031】したがって、上記スタータクラッチ機構3
3は、スタータモータ48の駆動力を、スタータドライ
ブピニオン43からスタータアイドルギア44を介して
スタータドリブンギア45へ伝え、スタータワンウェイ
クラッチ46のクラッチインナレース50を回転させ
る。すると、スタータワンウェイクラッチ46のクラッ
チローラ53の作用によりクラッチハブ51が、クラッ
チインナレース50と同期回転し、クラッチブラケット
47を介しクランクシャフト18を回転させ、エンジン
4を始動させる。また、エンジン始動後には、クランク
シャフト18の回転力は、クラッチブラケット47を経
てスタータワンウェイクラッチ46のクラッチハブ51
へ伝えられるが、このクラッチハブ51とクラッチイン
ナレース50との相対速度差により、クラッチローラ5
3がクラッチインナレース50および楔状凹部56から
離脱し、クラッチインナレース50とクラッチハブ51
との連結が断たれて、スタータモータ48の過回転が防
止される。
【0032】さて、図3および図4に示すように、上記
スタータクラッチ33を収容するスタータクラッチ室3
4は、クランクケース13を収容するクランク室66、
Vベルト自動変速機を収容するVベルト室67、さらに
はフライホイールマグネットを収容するマグネット室6
8やミッション室24から独立して構成される。これら
のクランク室66、Vベルト室67およびマグネット室
68は半乾燥あるいは乾燥状態であり、スタータクラッ
チ室34およびミッション室24はオイルが貯溜して湿
式潤滑の状態にある。このうち、スタータクラッチ室3
4のプロフィールは、図1に示すように地面側に向って
凸に形成されて、少量のオイルにてオイルレベルHが上
昇するよう構成される。
【0033】また、スタータワンウェイクラッチ46の
ハブプレート52には、図6および図7に示すように、
透孔57に対応する位置にオイル流入口69が形成され
る。さらに、プラグ59の中央、およびプッシュピース
58の先端部中央にそれぞれオイル流通孔70および7
1がそれぞれ形成される。これらの透孔57、オイル流
入口69、オイル流通孔70および71によりオイル導
入孔が構成される。
【0034】また、ハブプレート52の外周には、オイ
ル流入口69の近傍で、このオイル流入口69に対し、
クランクシャフト回転方向Aと反対位置にオイル羽根7
2が設置される。このオイル羽根72のオイル掻上部7
2aは、スタータワンウェイクラッチ46の直径方向に
立ち上げられ(図6)、オイル流入口69に対向して形
成される(図7)。さらに、オイル羽根72は、図5に
示すように、スタータアイドルギア44のギア44aと
ギア44bおよびスタータドリブンギア45との間に設
置されるので、そのオイル掻上部72aの立上り高さ
は、図6に示すようにオイルレベルH以下になるよう設
定される。
【0035】したがって、スタータワンウェイクラッチ
46のクラッチハブ51およびハブプレート52が構成
するクラッチアウタレースの回転に伴い、スタータクラ
ッチ室34内に貯溜したオイルがオイル羽根72によっ
て掻き上げられる。この掻き上げられた飛沫オイルは、
図6の矢印Bに示すようにオイル流入口69から透孔5
7内へ導かれ、オイル流通孔70および71を経てクラ
ッチローラ53へ供給され、このクラッチローラ53が
効率よく良好に潤滑される。
【0036】また、図5並びに図9(A)および(B)
に示すように、クラッチブラケット47の内周には、ク
ランクシャフト18のスプラインキー62aに噛み合う
スプライン溝73が形成されるが、このスプライン溝7
3は、スプラインキー62aとの間に隙間74が形成さ
れるよう構成される。図8(A)および(B)に示すク
ランクシャフトスペーサ63には、クラッチブラケット
47に当接する側面にオイル流通溝75が形成される。
このオイル流通溝75はクラッチブラケット47の各ス
プライン溝73に対応し形成される。さらに、図10
(A)および(B)に示すクラッチスペーサ54にも、
スプラインキー62aに噛み合うスプライン溝76が形
成されると共に、クラッチブラケット47に当接する側
面に、オイル流通溝77が、各スプライン溝76に対応
して形成される。
【0037】したがって、オイル羽根72によって掻き
上げられた飛沫オイルは、図5の矢印Cに示すように、
クランクシャフトスペーサ63のオイル流通溝75から
スプラインキー62aとスプライン溝73との隙間74
を通り、クラッチスペーサ54のオイル流通溝77を経
てクラッチベアリング55へ導かれ、このクラッチベア
リング55を好適に効率よく潤滑する。クラッチベアリ
ング55を潤滑したオイルは、クラッチリテーナ64と
スタータワンウェイクラッチ46のクラッチインナレー
ス50との摺動面も潤滑する。また、オイル羽根72に
よって掻き上げられた飛沫オイルは、オイルシール78
とクランクシャフト18との摺動面をも潤滑する。
【0038】一方、前述のように、オイル羽根72がス
タータアイドルギア44のギア44aとギア44bおよ
びスタータドリブンギア45との間に設置されたので
(図5)、図1に示すように、オイル羽根72のオイル
掻上部72a先端の回転軌跡Sは、その下端がスタータ
アイドルギア44の回転軌跡Lの上端より下方に設定さ
れる。これにより、スタータクラッチ室34内に貯溜さ
れたオイルのオイルレベルHの低下、つまりこの貯溜オ
イルの少量化が図られる。
【0039】また、図1および図3に示すように、スタ
ータクラッチ室34を構成するクランクケース13およ
びスタータクラッチケース32にはブリーザ穴79が形
成されて、スタータクラッチ室34内の圧力変動等が解
消されている。さらに、クランクケース13およびスタ
ータクラッチケース32には締付ボス80が、スタータ
クラッチ室34の内周プロフィールに対し膨出して設け
られる。オイル羽根72にて掻き上げられクラッチロー
ラ53へ供給されたオイル以外の過剰の飛沫オイルは、
上記締付ボス80によりブリーザ穴79へ至る以前に掻
き落とされるよう構成される。
【0040】上記実施例によれば、スタータワンウェイ
クラッチ46のハブプレート52にオイル流入口69を
透孔57に対応して形成すると共に、各オイル流入口6
9近傍にオイル羽根72を設置し、さらにプッシュピー
ス58およびプラグ59にそれぞれオイル流通孔71お
よび70をそれぞれ形成している。したがって、スター
タワンウェイクラッチ46の回転に伴い、オイル羽根7
2がスタータクラッチ室34内に貯溜したオイルを掻き
上げ、この掻上げ時の圧力を利用して、掻き上げられた
飛沫オイルをオイル流入口69、オイル流通孔70、透
孔57およびオイル流通孔71を経てクラッチローラ5
3へ供給するので、効率よくクラッチローラ53を潤滑
できる。しかも、オイル羽根72のオイル掻上部72a
が図7に示すように、オイル流入口69に対向して形成
されたので、オイル羽根72にて掻き上げられたオイル
を積極的にオイル流入口69へ導くことができる。
【0041】また、クランクシャフト18のスプライン
キー62aとクラッチブラケット47のスプライン溝7
3との隙間74を利用し、オイル羽根72にて掻き上げ
られた飛沫オイルをクランクシャフトスペーサ63のオ
イル流通溝75を経て上記隙間74へ導き、さらにクラ
ンクスペーサ54のオイル流通溝77を経てクラッチベ
アリング55へ導くようにしている。この結果、このク
ラッチベアリング55も、オイル羽根72にて掻き上げ
られた飛沫オイルにより好適に潤滑することができる。
【0042】さらに、上述のオイル羽根72、オイル流
入口69、クランクシャフト18とクラッチブラケット
47とのスプライン隙間74等の構成により、クラッチ
ローラ53およびクラッチベアリング55を好適に潤滑
でき、しかもクラッチリテーナ64およびクラッチイン
ナレース50間、オイルシール78およびクランクシャ
フト18間の潤滑も充分なされる。この結果、クランク
シャフト18やクランクケース13にオイル供給通路を
形成して、上記クラッチローラ53やクラッチベアリン
グ55等を潤滑する必要がないので、クランクケース1
3やクランクシャフト18の製造コストの上昇を回避で
きると共に、それらのコンパクト化も図ることができ
る。
【0043】また、オイル羽根72がスタータアイドル
ギア44のギア44aとギア44bおよびスタータドリ
ブンギア45との間に設置されたので、デッドスペース
を有効に利用できると共に、オイル羽根72の先端部の
回転軌跡Sの上端をスタータアイドルギア44の回転軌
跡Lの上端より下方に設定できる。この結果、スタータ
クラッチ室34内のオイルレベルHを低下させることが
でき、スタータクラッチ室34内に貯溜すべきオイルを
少量化できる。さらに、スタータクラッチ室34の内周
プロフィールが地面側に向って凸に形成されたので、ス
タータクラッチ室34内の貯溜オイルが少量であって
も、そのオイルレベルHを上昇させることができる。こ
れらのように、スタータクラッチ室34内の貯溜オイル
を少量化できるので、特に低温始動時におけるメカニカ
ルロスを低減できる。と同時に、このメカニカルロスに
よるエンジン始動不良も回避できる。
【0044】また、上述のように、スタータクラッチ室
34内の貯溜オイルを少量化できるので、ブリーザ穴7
9へのオイル吹出しも防止できる。このブリーザ穴79
へのオイル吹出し防止は、締付ボス80がスタータクラ
ッチ室34の内周へ膨出して形成されて、オイル羽根7
2にて掻き上げられた過剰オイルを掻き落とすことによ
っても達成できる。さらに、ブリーザ穴79へのオイル
吹出し防止は、オイル羽根72のオイル掻上部72aが
オイル流入口69に対向して形成され、ブリーザ穴79
に対しオイルが反対方向に飛ぶように設けられたことに
よっても達成できる。
【0045】なお、上記実施例では、クラッチブラケッ
ト47およびクラッチスペーサ54とクランクシャフト
18との結合がスプライン62によってなされたが、こ
れらの結合がセレーションであってもよい。
【0046】さらに、図4における符号81はキックス
タータシャフトであり、符号82はキックスタータドラ
イブギア、符号83はキックスタータドリブンギアであ
る。このキックスタータドリブンギア83の回転が、ラ
チェットを介してキックスタータ84へ伝達され、クラ
ンクシャフト18を回転させる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るエンジン
のスタータクラッチ機構潤滑装置によれば、スタータク
ラッチを備えたスタータクラッチ機構がクランク室やミ
ッション室等と独立したスタータクラッチ室に収容さ
れ、上記スタータクラッチの外周にオイル羽根が取り付
けられると共に、このオイル羽根近傍にスタータクラッ
チ内のクラッチローラへ至るオイル導入孔が形成され、
上記オイル羽根で掻き上げられたオイルが上記オイル導
入孔を経て上記クラッチローラへ導かれるよう構成され
たので、クラッチローラへ供給されるオイルが充分とな
り、クランクケースやクランクシャフトにオイル供給孔
を形成してコストを上昇させることなく、クラッチロー
ラを効率よく好適に潤滑できる。
【0048】さらに、オイル羽根がスタータクラッチ室
内に貯溜したオイルを掻き上げるので、スタータクラッ
チを大径化することなくスタータクラッチ室内のオイル
レベルを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るエンジンのスタータクラッチ機
構潤滑装置の一実施例を示し図3のI−I線に沿う断面
図。
【図2】図1のスタータクラッチ機構潤滑装置の一実施
例が適用されたパワーユニット型エンジンを搭載したス
クータ型自動二輪車の全体側面図。
【図3】図2のパワーユニット型エンジンの水平断面図
におけるM−M線右半図。
【図4】図2のパワーユニット型エンジンの水平断面図
におけるM−M線左半図。
【図5】図3におけるスタータクラッチ機構周辺部の拡
大断面図。
【図6】図1における一部拡大断面図。
【図7】図6のVII 矢視図。
【図8】図5のクランクシャフトスペーサを示し、
(A)はその断面図、(B)はその裏面図。
【図9】図5のクラッチブラケットを示し、(A)はそ
の断面図、(B)はその裏面図。
【図10】図5のクラッチスペーサを示し、(A)はそ
の正面図、(B)はその断面図。
【符号の説明】
13 クランクケース 18 クランクシャフト 24 ミッション室 32 スタータクラッチケース 33 スタータクラッチ機構 34 スタータクラッチ室 44 スタータアイドルギア 46 スタータワンウェイクラッチ 47 クラッチブラケット 48 スタータモータ 50 クラッチインナレース 51 クラッチハブ 52 ハブプレート 53 クラッチローラ 54 クラッチスペーサ 55 クラッチベアリング 57 透孔 58 プッシュピース 59 プラグ 63 クランクシャフトスペーサ 66 クランク室 67 Vベルト室 68 マグネット室 69 オイル流入口 70,71 オイル流通孔 72 オイル羽根 73 スプライン溝 74 スプラインキーとスプライン溝との隙間 75,77 オイル流通溝 79 ブリーザ穴 80 締付ボス H オイルレベル S オイル羽根先端の回転軌跡 L スタータアイドルギアの回転軌跡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02N 15/02 F01M 1/06 F02N 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタータモータの駆動力をスタータアイ
    ドルギアおよびスタータクラッチを介してクランクシャ
    フトへ伝達する常時噛合式のスタータクラッチ機構が、
    クランク室およびミッション室等と独立したスタータク
    ラッチ室内に収容され、このスタータクラッチ室内で上
    記スタータクラッチ機構をオイルにより湿式潤滑するエ
    ンジンのスタータクラッチ機構潤滑装置において、上記
    スタータクラッチの外周にオイル羽根が取り付けられる
    と共に、このオイル羽根近傍にスタータクラッチ内のク
    ラッチローラへ至るオイル導入孔が形成され、上記オイ
    ル羽根で掻き上げられたオイルが上記オイル導入孔を経
    て上記クラッチローラへ導かれるよう構成されたことを
    特徴とするエンジンのスタータクラッチ機構潤滑装置。
  2. 【請求項2】 上記スタータは、クランクシャフトにク
    ラッチベアリングを介して回転自在に配設されるととも
    に内部に上記クラッチローラを備えたクラッチアウタレ
    ースと、このクラッチアウタレースに回転一体に固定さ
    れるとともに上記クランクシャフトに軸方向の溝により
    結合されたクラッチブラケットとを有して構成され、オ
    イル羽根にて掻き上げられた飛沫オイルが上記軸方向の
    溝の隙間を通って上記クラッチベアリングへ導かれるよ
    う構成された請求項1記載のエンジンのスタータクラッ
    チ機構潤滑装置。
  3. 【請求項3】 オイル羽根先端の回転軌跡の下端がアイ
    ドリングギアの回転軌跡の上端よりも下方に設定された
    請求項1記載のエンジンのスタータクラッチ機構潤滑装
    置。
  4. 【請求項4】 スタータクラッチ室のプロフィールは地
    面側へ向って凸に形成された請求項1記載のエンジンの
    スタータクラッチ機構潤滑装置。
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