JP5119128B2 - ローラ型ワンウェイクラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車や産業機械などの駆動装置内でトルク伝達、バックストップ等の部品として使用されるローラ型ワンウェイクラッチに関するものである。
一般に、ローラ型ワンウェイクラッチは、内周にカム面を有する少なくとも一つのポケットが形成された外輪と、外輪と同心に配置されており外周軌道面を有する内輪と、ポケット内に配置されて内輪の外周軌道面と外輪の内周カム面との間でトルクを伝達するローラと、ローラの空転側に接するスプリングなどから成っている。
このような構成において、ローラ型ワンウェイクラッチはローラとカム面とで構成されるカム機構により、外輪に対して内輪を一方向のみに回転するようにしている。すなわち内輪は外輪に対して一方向で空転し、その逆方向でのみカム機構を介して外輪に回転トルクを与える構成になっている。
例えば二輪車用のスタータに使用されているワンウェイクラッチでは、高回転のため振動も激しく、多量の粉塵が含まれる環境の下で使用されることが多いため、ワンウェイクラッチ内には摩耗粉を含んだゴミなどの異物が溜まりやすい。ワンウェイクラッチ内の異物は噛み合い性能にも悪影響を及ぼすため、ワンウェイクラッチとしての信頼性を向上させるためには、異物を速やかに除去できることが望まれている。
一方で、二輪車用のスタータに使用されているローラ型ワンウェイクラッチには、特許文献1に開示のように、側板をワンウェイクラッチの外輪の両側に設けることによって、ワンウェイクラッチに使用されているローラや、ローラを付勢するスプリングの脱落を防止しているものがある。
また、ワンウェイクラッチの性能を向上させるために、部材の潤滑を施すことが挙げられ、例えば特許文献1に開示のように、オイル潤滑を施したものがある。また、オイル潤滑を施さずに乾式状態で使用されるものもある。
しかしながら、特許文献1に開示されているようなワンウェイクラッチを、振動が激しく、潤滑を行うことが困難な環境の下で使用した場合、外輪の両側が側板で囲まれているために、内部の摩耗粉を含んだゴミなどの異物が排出されにくくなり、内部に蓄積したゴミが、スプリングやローラの動作に悪影響を及ぼし、ローラの摩耗を引き起こす恐れが生じ、ワンウェイクラッチの信頼性の低下につながっている。
また、外輪の両側に側板を固定することや、外輪にスプリング収容のための孔を設けなければならないことなどが工数の増加を引き起こし、加工コストの増加の要因にもなっている。
更に、厳しい振動にさらされる二輪車の用いられた場合、外輪に対して保持器が自由に相対回転できると、外輪のポケットに対して保持器が好ましくない方向に回転していまい、ワンウェイクラッチの噛み合い性能に悪影響を及ぼす恐れもある。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開平5―044615号公報
このように、側板付き二輪車用スタータに使用されるワンウェイクラッチでは、高回転で、振動が激しく、潤滑を行うことが困難であり、且つ摩耗粉を含んだゴミなどの異物が溜まりやすい使用条件下でも噛み合い信頼性が確保でき、且つコスト低減を図ったローラ型ワンウェイクラッチが望まれている。
そこで本発明ではローラ型ワンウェイクラッチにおいて、ローラ型ワンウェイクラッチ内に堆積した摩耗粉を含んだゴミなどの異物を容易に排出できる構成を設けることによって、噛み合いの信頼性の向上したローラ型ワンウェイクラッチを提供し、また製造工数を削減することによって、コスト低減を実現することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のローラ型ワンウェイクラッチは、
カム面を有する凹部として形成された少なくとも一つのポケットを内周に備え、軸方向一端面の内径側に環状の段部が設けられ、軸方向他端面の内径側に少なくとも一つの溝部が設けられている環状の外輪と、
外輪に対して半径方向内径側に離間され、相対回転自在に同心状に配置され、環状の外周軌道面を有する内輪と、
ポケット内に配置されて内輪の外周軌道面と外輪の内周カム面との間でトルクを伝達するローラと、
外輪と内輪との間に配置される円筒部と、円筒部の軸方向一端面から外径方向へ延在し、外輪に設けられた環状の段部に嵌合する環状のフランジ部と、円筒部から外径方向へ延在する少なくとも一つの突起と、を備え、ローラを保持する窓が円筒部に設けられている保持器と、
ポケット内で外輪とローラとの間に配置され、ローラをカム面との係合方向に付勢するスプリングと、
外輪の軸方向端面に固定され、内径部にスプライン溝を有し、外輪に設けられたポケットに連通する少なくとも一つの穿孔を有する側板と、を備えるローラ型ワンウェイクラッチにおいてから成り、
保持器の円筒部に設けられた突起が外輪に設けられた溝部に嵌合することによって、保持器が外輪に対して相対回転することを防止することを特徴としている。
また、本発明のローラ型ワンウェイクラッチは、保持器の円筒部に設けられた突起は、保持器の円筒部から外径方向に一体的に延在するiバー状突起であることを特徴としている。
また、本発明のローラ型ワンウェイクラッチは、iバー状突起が、フランジ部と反対の軸方向に向かって、径が大きくなるように軸方向に傾斜していることを特徴としている。
また、本発明のローラ型ワンウェイクラッチは、スプリングが、アコーディオンスプリングであり、一端が外輪の溝部が設けられている軸方向端面に溶接により固定され、他端がローラの軸方向端面と保持器に設けられている環状のフランジ部との間に挟持されていることを特徴としている。
また、本発明のローラ型ワンウェイクラッチは、保持器の窓は、カム面側の円周方向一端部の外径側縁部に、ローラを受けるローラ受け部が設けられていることを特徴としている。
また、本発明のローラ型ワンウェイクラッチは、
カム面を有する凹部として形成された少なくとも一つのポケットを内周に備え、軸方向一端面の内径側に環状の段部が設けられている環状の外輪と、
外輪に対して半径方向内径側に離間され、相対回転自在に同心状に配置され、環状の外周軌道面を有する内輪と、
ポケット内に配置されて内輪の外周軌道面と外輪の内周カム面との間でトルクを伝達するローラと、
外輪と内輪との間に配置される円筒部と、円筒部の軸方向一端面から外径方向へ延在し、外輪に設けられた環状の段部に嵌合する環状のフランジ部と、円筒部から外径方向へ延在する少なくとも一つの突起と、を備え、ローラを保持する窓が円筒部に設けられている保持器と、
ポケット内で外輪とローラとの間に配置され、ローラをカム面との係合方向に付勢するスプリングと、
環状の段部が設けられている外輪の軸方向端面に固定され、内径部にスプライン溝を有し、外輪に設けられたポケットに連通する少なくとも一つの穿孔を有する側板と、を備えるローラ型ワンウェイクラッチにおいて、
保持器のフランジ部に設けられた凸部が外輪に設けられたポケットに嵌合することによって、保持器が外輪に対して相対回転することを防止することを特徴としている。
また、本発明のローラ型ワンウェイクラッチは、保持器に設けられた凸部が保持器に設けられた環状のフランジ部と一体に設けられていることを特徴としている。
本発明のローラ型ワンウェイクラッチでは、保持器に設けられた突起を外輪に設けられた溝部に嵌合することによって、保持器を外輪に対して相対回転することを防止することで、厳しい振動環境下でも、噛み合い性能を確保できる。、また、保持器に設けられた環状のフランジ部を外輪に設けられた環状の段部に嵌合し、外輪の段部が設けられた軸方向端面に側板の軸方向端面が当接するように、側板を外輪に固定することによって、保持器の脱落を防止できる。
加えて、外輪とエンジンクランクシャフト間の動力伝達を行うためのスプライン溝を内径部に有する側板と、ローラが保持される窓と環状のフランジ部を持った保持器とによりローラの軸方向への脱落を防止できる。
さらに、スプリングの一端を外輪の軸方向端面に溶接により固定し、他端をローラの軸方向端面と保持器に設けられている環状のフランジ部との間に挟持することによって、スプリングの動作の安定性を確保すると共に、スプリングの脱落が防止できる。
従って、本発明のローラ型ワンウェイクラッチでは、外輪の段部が設けられている軸方向一端面の反対側の軸方向他端面側の側板を廃止することができ、側板の廃止によって、ワンウェイクラッチの軸方向片側が開放状態となり、摩耗粉を含んだゴミなどの異物は開放されたワンウェイクラッチの軸方向片側から排出され、ゴミの蓄積及び、それによるローラ、スプリング、内輪や外輪カム面の摩耗の防止できる。
さらに、保持器の円筒部に一体的に設けた突起を、iバー状突起に形成し、外輪の軸方向一端面から反対側の軸方向他端面に向かって、径が大きくなるように軸方向に傾斜させることによって、内輪に蓄積される摩耗粉を含んだゴミなどの異物は、iバー状突起の傾斜に沿って移動し、開放されたワンウェイクラッチの軸方向片側から排出され、内輪へのゴミの蓄積を防止することができる。
加えて、外輪に設けられたポケットに連通する少なくとも一つの穿孔を側板に設けることによって、側板の軸方向端面側からもポケット内に蓄積される摩耗粉を含んだゴミなどの異物を排出することができる。
従って、高回転で、振動が激しく、潤滑を行うことが困難で、且つ多量の粉塵が含まれる環境の下で使用しても十分機能を維持できる信頼性のあるローラ型ワンウェイクラッチを提供できる。
さらに、片側の側板の廃止によって、外輪にスプリング収容のための孔を設ける必要がなくなり、また外輪に側板を固定する工数が削減できることから、コスト低減が可能となる。
一方で、突起及び溝部を設ける代わりに、保持器に設けられた環状のフランジ部から外径方向に延在する少なくとも一つの凸部を設け、設けられた凸部を外輪に設けられたポケットに嵌合することによっても、保持器を外輪に対して相対回転しないようにすることができる。
突起及び溝部の代わりに凸部を設け、設けられた凸部をポケットに嵌合することによっても、同様の信頼性を得ることができ、また突起及び溝部を設ける必要がなくなることから、さらなるコスト低減が可能となる。
また、保持器の窓に、カム面側の円周方向一端部の外径側縁部に、ローラを受けるローラ受け部を設けることで、スプリングとの間にローラを挟持することによって、内輪が装着されていない状態であっても、ローラの径方向の脱落を防止することができ、ワンウェイクラッチの組み付け時におけるローラの落下を防止できることから、ワンウェイクラッチの組み付け及び搬送が容易となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。また、以下に説明する実施例は例示として本発明を示しているに過ぎず、その他の変更が可能なことは言うまでもない。
図1は、本発明の一実施例のローラ型ワンウェイクラッチを示す正面図であり、図2は図1の裏側より見た正面図である。また、図3は、図2のA−O−A線に沿った断面図である。
図1乃至図3は、ローラがカム面に噛み合っている状態、すなわちワンウェイクラッチが高負荷の下で噛み合い、ロックしている状態を示している。
図1乃至図3に示すように、ローラ型ワンウェイクラッチ30は、カム面12を有する凹部として形成された複数のポケット4を内周に備えた環状の外輪1と、外輪1に対して半径方向内径側に離間され、相対回転自在に同心状に配置され、環状の外周軌道面11を有する内輪2と、ポケット4内に配置されて内輪2の外周軌道面11と外輪1の内周カム面12との間でトルクを伝達するローラ3と、ポケット4内に配置され、ローラ3をカム面12との係合方向に付勢するスプリング5と、ローラ3を保持する保持器6と、エンジンクランクシャフト等が係合するスプライン溝9を内径部に有し、リベット14によって外輪1に固定されている側板7とから成っている。
本実施例においては、外輪1に設けられるポケット4は、円周方向等配に4箇所設けられている。また、側板7をリベット14によって外輪1に固定するために用いられ、軸方向に貫通する穿孔8も円周方向等分に4箇所設けられており、ポケット4と穿孔8とは等間隔で交互に配置されている。もちろん、ポケット4の数は、トルクの大きさに応じて、例えば3乃至6個など,その他の個数の設定が可能であることは言うまでもない。
また、本実施例では、リベットによって側板を外輪に固定しているが、ボルトなどその他の部材を用いて固定することができることは言うまでもない。
図2及び図3に示すように、ローラ3を保持する保持器6は、円筒部10と、円筒部10の軸方向一端部から外径方向へ延在する環状のフランジ部17を備えている。尚、図2では、フランジ部17及び側板7は、ポケット4が見えるように一部破断して示している。
また、保持器6は、ローラ3の数に対応する個数の窓18を円周方向等配に備えている。窓18は、径方向には貫通しているが、軸方向では、フランジ部17側も、フランジ部17と対向する端部19側でも閉じられている。すなわち、ローラ3は、四辺の囲まれたほぼ矩形の窓18内に保持されており、ローラ3の軸方向への脱落を防止している。窓18とローラ3との関係を示すため、図1においては、図中一番上の窓18は、端部19を破断して示している。
スプリング5の一方の端部、すなわちタブ15は、図1に示すように外輪1の軸方向端面22に溶接により固定され、他方の端部、すなわちタブ16は、図2に示すようにローラ3の軸方向端面と保持器6のフランジ部17との間に挟持されている。このように構成したため、スプリング5自体が外輪1に対して固定状態に支持され、スプリング5の脱落を防止できると同時に、スプリング5の動きを安定したものにできる。
本実施例では、スプリング5はアコーデオンスプリングであるが、コイルスプリングなど、その他の形状のスプリングを用いることも可能である。また、スプリング5の端部15は、図1及び図5に示すように、スポット溶接で外輪1に固定されている。スポット溶接部36は、端部15に対して2箇所設ける。しかしながら、この端部15の固定には、その他の方法、例えば、溶接、接着、ハンダ付け等の方向も用いることができる。
また、図3に示すように、側板7にはリベット14が挿通されるガイド孔28が外輪1の各穿孔8に対応して設けられている。このガイド孔28と外輪1の穿孔8にリベット14を挿通し、リベット14を加締めることで、側板7と外輪1とを固定する。尚、図2に示すように、側板7のガイド孔28の周方向両側には、リベット14を加締めるときに用いられる案内孔38が設けられている。
図1に示すように、外輪1の軸方向端面22の内径部には、複数(本実施例では4個)の軸方向に延在する溝部20が設けられており、保持器6の円筒部10には溝部20の数に対応して、複数(本実施例では4個)の突起25(後述)が設けられている。溝部20は、周方向でポケット4と穿孔8との間に設けられている。
溝部20及び突起25の数は、所望に応じて、例えば3乃至6個などの他の個数の設定が可能であることは言うまでもない。
図4は、本発明の一実施例のローラ型ワンウェイクラッチにおける保持器6を拡大した、図1のX−X線に沿った断面図を示している。
図4に示すように、突起25は、保持器6の円筒部10から外径方向へ延在している。突起25は、円筒部10の一部を切断し、外径方向に屈曲させることによって設けられ、軸方向に延在するiバー状突起として形成されている。突起25は、円筒部10と一体に設けられ、周方向等配に4個設けられている。フランジ部17と軸方向で反対側の端部19には、内径部に環状の案内面35が形成されている。案内面35は、保持器6の内径側にある内輪2に摺擦可能であり、内輪2の外周面を案内する機能がある。
保持器6の突起25が外輪1の溝部20に嵌合することによって、保持器6は外輪1に対して相対回転することを防止される。また、図2及び図3に示すように、外輪1の軸方向端面21の内径部に環状の段部13が設けられ、段部13に保持器6のフランジ部17が係合している。保持器6のフランジ部17が段部13に係合し、側板7の軸方向端面24が外輪1の軸方向端面21に当接するように側板7を外輪1に固定することにより、保持器6の脱落を防止している。
このように本実施例のローラ型ワンウェイクラッチでは、突起25を溝部20に嵌合することによって、保持器6が外輪1に対して相対回転を制限され、固定状態となるので、激しい振動環境下においても、保持器6が外輪1に対して不用意に回転することで、ローラ5の噛み合い性能を低下させることがない。また、側板7を外輪1に固定し、保持器6が軸方向に抜けることを防止しているので、外輪1の軸方向端面22側に側板を設ける必要がなくなる。
従って、側板がなく開放された外輪1の軸方向端面22側から摩耗粉を含んだゴミなどの異物を排出することができ、ゴミの蓄積及び、それによるローラ、スプリング、内輪や外輪カム面の摩耗を防止できる。
また、図4に示すように、iバー状の突起25を外輪1の軸方向端面21側から軸方向端面22側に向かって、径が大きくなるように軸方向に傾斜させることによって、内輪2に蓄積される摩耗粉を含んだゴミなどの異物は、iバー状突起25の傾斜に沿って移動し、開放された外輪1の軸方向端面22側から排出されることによって、内輪2へのゴミの蓄積を防止することもできる。
さらに、図2に示すように、側板7にはポケット4の数に対応して、複数(本実施例では4個)の穿孔27が設けられており、ポケット4内に蓄積される摩耗粉を含んだゴミなどの異物を、穿孔27を通して、側板7の軸方向端面23側からも排出することができ、ポケット内のゴミの蓄積防止を促進することができる。
図5は、図1に示すローラ型ワンウェイクラッチにおけるポケット4を含む周辺を拡大した部分拡大図である。図5では、窓18とローラ3との関係を示すため、端部19を一部破断して示している。
図5に示すように、保持器6に設けられた窓18の円周方向縁部26には、ワンウェイクラッチに内輪2が装着されていない状態で、ローラ3を受けるローラ受け部37が設けられている。ローラ受け部37は、縁部26を面取りすることで形成できる。
従って、内輪2が装着されていない状態であっても、ローラ3がローラ受け部37に着座し、スプリング3に付勢された状態となるため、ローラ3の径方向の脱落を防止することができ、ワンウェイクラッチの組み付け時におけるローラ3の落下を防止できることから、ワンウェイクラッチの組み付け及び搬送が容易となる。
図6は、本発明の他の実施例のローラ型ワンウェイクラッチを示す正面図である。
図6に示すように、保持器6には、フランジ部17から外径方向へ一体的に延在する複数(本実施例では4個)の凸部29が設けられている。凸部29はポケット4の数に対応して設けられ、ポケット4の内径側の開口部に嵌合している。図6では、ポケット4と凸部29との関係を示すため、側板7を一部破断して示している。
このように、凸部29をポケット4に嵌合させることによって、保持器6が外輪1に対して相対回転することなく、固定状態となり、激しい振動環境下においても、保持器6が外輪1に対して不用意に回転することで、ローラ5の噛み合い性能を低下させることがない。
凸部29は、保持器6のフランジ部17をプレス成形により形成する際に、同時に形成できる。また、フランジ部17とは別体で形成し、溶接等により、保持器6のフランジ部17に固定することも可能である。
図1は、本発明の一実施例のローラ型ワンウェイクラッチを示す正面図であり、高負荷で噛み合っているときの状態を示している。 図2は、図1の裏側より見た正面図である。 図3は、図2のA−O−A線に沿った断面図である。 図4は、本発明の一実施例のローラ型ワンウェイクラッチにおける保持器を拡大した、図1のX−X線に沿った断面図である。 図5は、図1において、ポケット周辺を拡大した部分正面図である。 図6は、本発明の他の実施例のローラ型ワンウェイクラッチを示す正面図である。
符号の説明
1 外輪
2 内輪
3 ローラ
4 ポケット
5 スプリング
6 保持器
7 側板
8 穿孔
9 スプライン溝
10 保持器の円筒部
11 内輪の外周軌道面
12 カム面
13 段部
14 リベット
15 スプリングのタブ
16 スプリングのタブ
17 保持器のフランジ部
18 保持器の窓
19 保持器の端部
20 溝部
21 外輪の軸方向端面
22 外輪の軸方向端面
23 側板の軸方向端面
24 側板の軸方向端面
25 突起
26 保持器の窓の円周方向縁部
27 穿孔
28 穿孔
29 凸部
30 ローラ型ワンウェイクラッチ

Claims (8)

  1. 内周にカム面を有する少なくとも一つのポケットが形成され、軸方向一端面の内径側に環状の段部が設けられ、軸方向他端面の内径側に少なくとも一つの溝部が設けられている外輪と、
    前記外輪に対して半径方向内径側に離間され、相対回転自在に同心状に配置された内輪と、
    前記ポケット内に配置され、前記カム面に係合し、前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達するローラと、
    前記外輪と前記内輪の間に配置される円筒部と、前記円筒部の軸方向一端面から外径方向へ延在し、前記外輪の前記環状の段部に嵌合する環状のフランジ部と、前記円筒部から外径方向へ延在する少なくとも一つの突起と、を備え、前記ローラを保持する窓が前記円筒部に設けられている保持器と、
    前記ポケット内で前記外輪と前記ローラとの間に配置され、前記ローラを前記カム面との係合方向に付勢するスプリングと、
    前記外輪の前記軸方向一端面に固定され、内径部にスプライン溝を有し、前記外輪の前記ポケットに連通する少なくとも一つの穿孔を有する側板と、を備えるワンウェイクラッチにおいて、
    前記保持器の前記突起が前記外輪の前記溝部に嵌合することにより、前記保持器が前記外輪に対して相対回転することを防止し、前記突起は、前記保持器の前記円筒部から外径方向に一体的に延在するiバー状突起であることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記iバー状突起は、前記フランジ部と反対の軸方向に向かって、径が大きくなるように軸方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記スプリングは、アコーディオンスプリングであり、一端が前記外輪の前記軸方向他端面に溶接により固定され、他端が前記ローラの軸方向端面と前記保持器の前記環状のフランジ部との間に挟持されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記保持器の前記窓は、前記カム面側の円周方向一端部の外径側縁部に、前記ローラを受けるローラ受け部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。
  5. 内周にカム面を有する少なくとも一つのポケットが形成され、軸方向一端面の内径側に環状の段部が設けられている外輪と、
    前記外輪に対して半径方向内径側に離間され、相対回転自在に同心状に配置された内輪と、
    前記ポケット内に配置され、前記カム面に係合し、前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達するローラと、
    前記外輪と前記内輪の間に配置される円筒部と、前記円筒部の軸方向一端面から外径方向へ延在し、前記外輪の前記環状の段部に嵌合する環状のフランジ部と、前記環状のフランジ部から外径方向へ延在する少なくとも一つの凸部と、を備え、前記ローラを保持する窓が前記円筒部に設けられている保持器と、
    前記ポケット内で前記外輪と前記ローラとの間に配置され、前記ローラを前記カム面との係合方向に付勢するスプリングと、
    前記外輪の前記軸方向一端面に固定され、内径部にスプライン溝を有し、前記外輪の前記ポケットに連通する少なくとも一つの穿孔を有する側板と、を備えるワンウェイクラッチにおいて、
    前記保持器の前記凸部が前記外輪の前記ポケットに嵌合することにより、前記保持器が前記外輪に対して相対回転することを防止することを特徴とするワンウェイクラッチ。
  6. 前記保持器の前記凸部は前記保持器の前記フランジ部と一体に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のワンウェイクラッチ。
  7. 前記スプリングは、アコーディオンスプリングであり、一端が前記外輪の前記軸方向一端面の反対側の軸方向他端面に溶接により固定され、他端が前記ローラの軸方向端面と前記保持器の前記環状のフランジ部との間に挟持されていることを特徴とする請求項5または6に記載のワンウェイクラッチ。
  8. 前記保持器の前記窓は、前記カム面側の円周方向一端部の外径側縁部に、前記ローラを受けるローラ受け部が設けられていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。
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