JP2969833B2 - Mis型半導体装置 - Google Patents

Mis型半導体装置

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基板上に絶縁層を介して半導体薄層が形成
されてなる所謂SOI(silicon on insulatar)基板を利
用して、その半導体薄層にMIS構造の半導体素子を形成
してなるMIS型半導体装置に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、絶縁性基板上に半導体層が形成され、この
半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成さ
れたMIS型半導体装置において、第1導電形のソース領
域に接してチャネル領域と分離された第2導電形の半導
体領域を設け、チャネル領域とソース領域と半導体領域
によってバイポーラトランジスタ構造を形成し、ソース
領域及び半導体領域に、夫々独立の電極、又は共通の電
極を形成して構成することによって、SOI基板に形成し
たMIS型半導体装置の欠点であるインパクト・アイオナ
イゼーションによる耐圧低下を抑制し、この種のMIS型
半導体装置の高信頼性化を図るようにしたものである。
また、本発明は、絶縁性基板上に半導体層が形成さ
れ、この半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極
が形成されたMIS型半導体装置において、第1導電形の
ソース領域として高濃度領域とその下部に低濃度領域を
設け、このソース領域の低濃度領域に接してチャネル領
域と分離され第2導電形の半導体領域を設けて構成する
ことによって、SOI基板に形成したMIS型半導体装置の欠
点であるインパクト・アイオナイゼーションによる耐圧
低下をさらに抑制し、この種のMIS型半導体装置の高信
頼性化を図るようにしたものである。
また、本発明は、絶縁性基板上に半導体層が形成さ
れ、この半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極
が形成されたMIS型半導体装置において、第1導電形の
ドレイン領域に接してチャネル領域と分離された第2導
電形の半導体領域を設け、ドレイン領域及び半導体領域
に夫々独立の電極を形成して構成することによって、SO
I基板に形成したMIS型半導体装置の欠点であるインパク
ト・アイオナイゼーションによる耐圧低下を抑制し、こ
の種のMIS型半導体装置の高信頼性化を図るようにした
ものである。
〔従来の技術〕
近時、SOI基板を利用した所謂薄膜SOI素子に関して多
くの利点が報告されている。例えばチャネル領域の不純
物濃度設定の自由度が高いこと、高α線耐性を有するこ
と、ラッチアップフリーであること、基板と素子形成領
域であるシリコン薄膜間の寄生容量の減少による高速化
が可能であること等の利点を有している。
このことから現在、薄膜SOI素子に関する研究が活発
に行われ、その開発が勧められている。SOI基板を利用
した例えばMIS電界効果型トランジスタ(以下MISFETと
略称する)は、第24図に示すように、例えば貼り合方式
等により、シリコン基板(1)上にSiO2膜(2)を介し
て島状のシリコン薄膜(所謂SOI膜)(3)を形成したS
OI基板(4)を用い、そのシリコン薄膜(3)に第1導
電形のソース領域(5)及びドレイン領域(6)を形成
すると共に、ソース領域(5)及びドレイン領域(6)
間のシリコン薄膜(3)上に例えばSiO2等のゲート絶縁
膜(7)を介して多結晶シリコンによるゲート電極
(8)を形成して構成される。(9)はソース電極、
(10)はドレイン電極である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、SOI基板(4)を利用したMISFET(1
1)においては、ソース−ドレイン降服電圧、即ちソー
ス−ドレイン間耐圧が低いという欠点がある。
これは、第24図に示すように、MISFET(11)におい
て、ソース領域(5)からチャネル領域(12)に注入さ
れた少数キャリア(電子)eがドレイン領域(6)側に
流れ、この電子eがゲート電極(8)下のドレイン端で
生じている高電界領域(B)でインパクト・アイオナイ
ゼーションを起こし、電子−正孔対が発生し、このう
ち、正孔hがチャネル領域(12)中に流れることによっ
て引起される。即ち、通常のバルク型のMISFETではチャ
ネル領域中に流れた正孔h(所謂ホール電流Ip)は、基
板を介して基板電流として逃げるが、このSOI基板にお
いてはシリコン薄膜(3)がSiO2膜(2)で囲まれ正孔
hを逃がす構成となっていないため、上記正孔hはソー
ス領域(5)近傍のチャネル領域(12)内に蓄積する。
この蓄積した正孔hによって、ソース,チャネル間のエ
ネルギ障壁が低くなり、その結果、ソースが電子のエミ
ッタとして働き、チャネル領域(12)に流れる通常の電
子の流れ(チャネル電流Ic)に加えて上記バイポーラ動
作した電子電流Inが発生する。この電子電流Inは再度、
高電界領域(B)においてホール電流Ipを発生させると
いう正のフィードバック現象を引き起してドレイン電流
IDを急激に増加させ、結果的にソース−ドレイン間耐圧
を低下させる。
このようなインパクト・アイオナイゼーションによる
ソース−ドレイン間耐圧の低下を抑制する方法が従来か
ら種々提案されている。
例えば第25図に示すMISFET(14)は、シリコン薄膜
(3)においてドレイン領域(6)に対応する部分の膜
厚を大としてドレイン端の電界を弱めることによって、
インパクト・アイオナイゼーションによるホール電流の
発生を少なくしソース−ドレイン間耐圧の向上を図るよ
うにしたものである。しかし、この方法は構造が複雑で
製造しにくいと共に、効果が不十分であるという不都合
がある。また、第26図のMISFET(15)は、ソース領域
(5)及びドレイン領域(6)をシリコン薄膜(3)の
膜厚より浅く形成し、ソース領域(5)の外側にソース
領域(5)と離れてチャネル領域(12)と同導電形の半
導体領域(16)を形成し之より電極(17)を導出して構
成することによって、インパクト・アイオナイゼーショ
ンによって発生したホール電流Ipを半導体領域(16)を
介して逃がし、ソース−ドレイン間耐圧の向上を図るよ
うにしている。この方法は、半導体領域(16)を形成す
るためにシリコン薄膜(3)の面積が大きくなり、また
領域(12)との間の寄生容量が大きくなり、SOI基板を
利用したMISFETの利点が失われること、シリコン薄膜
(3)の膜厚が実質的に大きくなるために短チャネル効
果が生じ易くなり、その防止のためにチャネル濃度が必
然的に高くなり、その結果、キャリア移動度を高くする
ことができるというSOI基板を利用したMISFETの利点が
失われるという不都合がある。
一方、製法及び構造的に合理的なものとして第27図に
示す構造のものが考えられている。この第27図で示すMI
SFET(18)は、浅いソース領域(5)の外側に之に接し
てチャネル領域(12)と同導電形の半導体領域(16)を
形成し、更にソース電極(9)を共用することによっ
て、通常の3端子素子として使用できるようにしたもの
である。このMISFET(18)の場合も、インパクト・アイ
オナイゼーションによって生じたホール電流Ipを半導体
領域(16)及びソース電極(9)を介して逃がすことが
できるため、ドレイン耐圧の向上が図れる。しかし、MI
SFET(18)は第28図に示すように素子構造の対称性を考
慮してドレイン領域(6)の外側にも半導体領域(16)
と同じ導電形の半導体領域(19)を形成した場合、半導
体領域(19)からチャネル領域(12)に浸み出した正孔
hがソース領域(5)側の半導体領域(16)に流れ(第
28図ではホール電流Ippとして表示する)、例えば非動
作時において、ソース及びドレイン間が短絡、導通する
という不都合が生じてしまう。従って、ソース及びドレ
インを交互に使い分ける例えばスタティックRAMセルの
アクセス・トランジスタの如きスイッチング素子にはこ
の構造を適用することができず、回路素子としての適用
範囲が制限されるという欠点がある。
本発明は、上述の点に鑑み、インパクト・アイオナイ
ゼーションによる耐圧低下を抑制して半導体装置自体の
高信頼性化を図ることができると共に、回路素子として
の適用範囲を広げることができるMIS型半導体装置を提
供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、第1図(その他、第2図,第3図,第4
図,第5図,第6図,第8図,第9図,第10図,第11
図)に示すように、絶縁性基板(22)上に半導体層(2
3)が形成され、この半導体層(23)上にゲート絶縁膜
(29)を介してゲート電極(30)が形成されたMIS型半
導体装置において、第1導電形のソース領域(25)に接
してチャネル領域(27)と分離された第2導電形の半導
体領域(28)を有し、チャネル領域(27)とソース領域
(25)と半導体領域(28)によってバイポーラトランジ
スタ構造を形成し、ソース領域(25)及び半導体領域
(28)に、夫々独立の電極(31)(33)、又は共通の電
極(31)を形成して構成する。
また、本発明は、第16図(その他第17図)に示すよう
に、絶縁性基板(22)上に半導体層(23)が形成され、
この半導体層(23)上にゲート絶縁膜(29)を介してゲ
ート電極(30)が形成されたMIS型半導体装置におい
て、第1導電形のソース領域(25)には高濃度領域(25
a)とその下部に低濃度領域(25c)を有し、第1導電形
のソース領域(25)の低濃度領域(25c)に接してチャ
ネル領域(27)と分離された第2導電形の半導体領域
(28)を有して構成する。
また、本発明は、第13図に示すように、絶縁性基板
(22)上に半導体層(23)が形成され、前記半導体層
(23)上にゲート絶縁膜(29)を介してゲート電極(3
0)が形成されたMIS型半導体装置において、 第1導電形のドレイン領域(26)に接してチャネル領
域(27)と分離された第2導電形の半導体領域(47)を
有し、ドレイン領域(26)及び半導体領域(47)に夫々
独立の電極(32)及び(48)を形成して構成する。
〔作用〕
第1の発明においては、例えば第1図に示すように、
第1導電形のソース領域(25)に接してチャネル領域
(27)と分離された第2導電形の半導体領域(28)を設
けることにより、第2導電形の半導体領域(28)とチャ
ネル領域(27)間のソース領域(25)の距離(幅)WN
ソース領域(25)内の少数キャリアの拡散長Lpより小さ
くとることによってソース領域(25)内の少数キャリア
の実効的な拡散長が小さくなる。同時に、第2導電形の
チャネル領域(27)、第1導電形のソース領域(25)及
び第2導電形の半導体領域(28)によってバイポーラト
ランジスタ構造が形成される。従って、この第2導電形
の半導体領域(28)に所要電位を与え、或は第2導電形
の半導体領域(28)とソース領域(25)を共通接続すれ
ば、チャネル領域(27)とソース領域(25)と第2導電
形の半導体領域(28)がバイポーラトランジスタ動作
し、インパクト・アイオナイゼーションによってチャネ
ル領域内に発生した少数キャリア電流(例えばnチャネ
ルMISFETであればホール電流)を第1導電形のソース領
域(25)及び第2導電形の半導体領域(28)を通して逃
がすことができる。
従って、SOI基板を利用したMISFETの利点を維持して
ソース−ドレイン間耐圧の低下を防止することができる
と共に、素子構造を対称形にした場合における短絡、導
通現象を防止することができ、半導体装置自体の信頼性
の向上並びに回路素子としての適用範囲の向上を図るこ
とができる。
また、第2の発明においては、第1導電形のソース領
域(25)として高濃度領域(25a)の下部に低濃度領域
(25c)を設けると共に、低濃度領域(25c)に接してチ
ャネル領域(27)と分離された第2導電形の半導体領域
(28)を設けることにより、第1の発明と同様にソース
領域即ちその低濃度領域(25c)内の実効的な少数キャ
リアの拡散長が小さくなり、且つ第2導電形のチャネル
領域(27)、第1導電形のソース領域の低濃度領域(25
c)及び第2導電形の半導体領域(28)がバイポーラト
ランジスタ動作し、インパクト・アイオナイゼーション
によってチャネル領域内に発生した少数キャリア電流を
ソース領域の低濃度領域(25c)及び第2導電形の半導
体領域(28)を通して逃がすことができる。しかも、低
濃度領域(25c)としたために、インパクト・アイオナ
イゼーションによりチャネル領域内に発生した少数キャ
リア電流が第2導電形の半導体領域(28)に流れ易くな
り、よりソース−ドレイン間耐圧の向上が図れる。従っ
て、SOI基板を利用したMISFETの利点を維持してソース
−ドレイン間耐圧の低下を防止することができると共
に、素子構造を対称形にした場合における短絡、導通現
象を防止することができ、半導体装置自体の信頼性の向
上並びに回路素子としての適用範囲の向上を図ることが
できる。
また、第3の発明においては、インパクト・アイオナ
イゼーションによる電子−正孔対の発生源に近い第1導
電形のドレイン領域(26)側に之に接してチャネル領域
(27)と分離された第2導電形の半導体領域(47)を設
け、この半導体領域(47)の電位をソース電位又はその
近傍の電位とすることにより、インパクト・アイオナイ
ゼーションによって発生した少数キャリア電流をドレイ
ン領域(26)から第2導電形の半導体領域(47)を通し
て逃がすことができる。したがって、SOI基板を利用し
たMISFETの利点を維持してソース−ドレイン間耐圧の低
下を防止することができる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
尚、各実施例ではnチャネルMISFETに適用した場合であ
るが、pチャネルMISFETにも適用できることは勿論であ
る。
第1図は本発明の一例を示す。本例においては、例え
ばシリコン基板(21)上にSiO2膜(22)を介して島状に
絶縁分離されたシリコン薄膜(23)を形成してなるSOI
基板(24)を用いる。このSOI基板(24)のシリコン薄
膜即ち、p形となされたシリコン薄膜(23)に第1導電
形即ちn形のソース領域(25)及びドレイン領域(26)
を底部のSiO2膜(22)に到るように形成すると共に、ソ
ース領域(25)の外側に該ソース領域(25)に接して且
つチャネル領域(27)と分離するようにソース領域(2
5)と反対導電形のp形領域(28)を形成する。p形領
域(28)とチャネル領域(27)間のソース領域(25)の
距離(幅)WNはソース領域(25)内の少数キャリア即ち
正孔の拡散長Lpより小に選定する。ソース領域(25)及
びドレイン領域(26)間のチャネル領域(27)上には例
えばSiO2等によるゲート絶縁膜(29)を介して例えば多
結晶シリコンによるゲート電極(30)を形成する。そし
て、ソース領域(25)、ドレイン領域(26)及びp形領
域(28)に夫々ソース電極(31)、ドレイン電極(32)
及び引出し電極(33)を形成してnチャネルMISFET(3
4)を構成する。
第2図〜第4図は第1図の変形例を示す。第2図では
n形のソース領域(25)及びドレイン領域(26)を底部
のSiO2膜(22)に達するように形成するとともに、n形
のソース領域(25)内にp形領域(28)を形成した場合
である。第3図ではn形のソース領域(25)及びドレイ
ン領域(26)を底部のSiO2膜(22)に達しない深さに形
成し、このn形ソース領域(25)内にp形領域(28)を
形成した場合である。さらに、第4図では、平面的にみ
てn形のソース領域(25)の一部にp形領域(28)を形
成した場合である。
上述の第1図〜第4図に示す各MISFET(34)〜(37)
において、p形領域(28)の引き出し電極(33)には所
要の電圧例えば接地電圧が印加される。
かかる構成によれば、n形ソース領域(25)に接し且
つp形チャネル領域(27)と分離したp形領域(28)を
有することにより、p形チャネル領域(27)、n形ソー
ス領域(25)及びp形領域(28)を夫々エミッタ、ベー
ス及びコレクタとするpnpバイポーラトランジスタ構造
が構成される。之により、ドレイン端で発生するインパ
クト・アイオナイゼーションによって生じた少数キャリ
アである正孔h(ホール電流Ip)はチャネル領域(27)
からソース領域(25)及びp形領域(28)を介して取出
し電極(33)側に逃げることになり、インパクト・アイ
オナイゼーションによるソース−ドレイン間耐圧の低下
を抑制することができる。
上記各例では4端子素子としたが、ソース領域(25)
とp形領域(28)を電極金属等を用いて外部で接続する
ことにより3端子素子として構成することができる。
第5図は第1図の構成を用いた3端子MISFETの実施例
であり、ソース領域(25)及びp形領域(28)に共通接
続するように両者に跨ってソース電極(31)を形成して
構成した場合である。この第5図の3端子MISFET(38)
のソース−ドレイン間耐圧特性のシミュレーション結果
を第7図に示す。曲線(II)は本例に係るMISFET(38)
の特性、曲線(I)は第24図の従来のMISFET(11)の特
性を示す。ここで、試料はいずれもp形のチャネル領域
が5×1015cm-3、n形のソース領域及びドレイン領域が
1×1020cm-3の不純物濃度を有する。本例に係るp形領
域(28)の不純物濃度は1×1018cm-3である。またシリ
コン薄膜の膜厚が1000Å、SOI基板のSiO2膜厚(底部)
が1μm、ゲート電極としてn+多結晶シリコンを用い、
ゲート電圧Vgを−0.5Vとした。
このシミュレーション結果から、本例に係るMISFET
(38)は従来構造のMISFET(11)に比較してソース−ド
レイン間耐圧の向上が認められる。
上例の第1図〜第5図の構成においては、p形領域
(28)をソース領域(25)側及びドレイン領域(26)側
に接して対称形に配することが可能である。第6図は3
端子構造で且つLDD(Lightly doped drain)構造とした
例を示す。このMISFET(39)では、高濃度領域(25a)
(26a)及び低濃度領域(25b)(26b)を有するソース
領域(25)及びドレイン領域(26)の外側に夫々対応す
るソース領域(25)及びドレイン領域(26)に接し且つ
チャネル領域(27)と分離したp形領域(28A)及び(2
8B)を形成し、ソース領域(25)とp形領域(28A)を
ソース電極(31)によって共通接続し、ドレイン領域
(26)とp形領域(28B)をドレイン電極(32)によっ
て共通接続して構成する。この場合も、対称的なソース
領域(25)及びドレイン領域(26)の実効的な距離
(幅)WNはソース領域(25)及びドレイン領域(26)内
の少数キャリアである正孔の拡散長Lpより小に選定す
る。尚、ドレイン電極(32)及びソース電極(31)には
電源電圧Vdd及び接地電圧Vssが印加される。ここでは例
えばゲート電極(30)としてボロンドープの多結晶シリ
コンを用い、シリコン薄膜(23)の膜厚dを800Å、チ
ャネル領域(27)の不純物濃度を1014cm-3程度、ソース
領域及びドレイン領域の低濃度領域(25b)及び(26b)
の不純物濃度を1017cm-3程度、高濃度領域(25a)及び
(26a)の不純物濃度を1020cm-3程度、p形領域(28A)
及び(28B)の不純物濃度を1018cm-3程度とすることが
できる。
このように、上述した各実施例のMISFETによれば、イ
ンパクト・アイオナイゼーションによるソース−ドレイ
ン間耐圧の低下を抑制することができる。そして、ソー
ス領域(25)と新らたに設けたp形領域(28)を電極金
属等を用いて外部で共通接続することにより通常の3端
子素子として使用することができる。
さらにこのp形領域(28)をソース領域(25)側及び
ドレイン領域(26)側に対称に形成することが可能とな
るため、例えばスタティックRAMセルのアクセス・トラ
ンジスタの如きスイッチング素子としても使用でき、回
路素子における適用範囲を広げることが可能となる。
また、構造的にもソース領域の外側、又はソース及び
ドレイン領域の外側にp形領域(28)を形成するだけで
よいので簡単であり、製造も容易となる。
しかも、寄生容量が小さい、チャネル領域(27)にお
ける不純物濃度設定の自由度が高い、耐α線、ラッチア
ップに強いというSOI基板を利用した素子がもつ利点を
損うことがない。
次に、前述した第1図のMISFET(34)においてはp形
領域(28)をシリコン薄膜(23)内に形成したが、第8
図乃至第11図に示すように、ソース領域(25)上に該ソ
ース領域(25)に接してp形のチャネル領域(27)と分
離されたp形領域(41)〔(411)(412)(413)(4
14)〕を形成して構成することもできる。他の構成は第
1図と同様であるので対応する部分には同一符号を付し
て詳細説明は省略する。p形領域(41)とチャネル領域
(27)間のソース領域(25)の距離WNは少数キャリアの
正孔の拡散長Lpより小に選定する。なお、第8図はp形
領域(411)を単結晶シリコンで形成した例である、第
9図はp形領域(412)を多結晶シリコンで形成した例
である。また、第10図及び第11図は夫々p形領域(4
13)及び(414)(幅w1,w2が異なる)を多結晶シリコン
で形成すると共に、このp形領域(413),(414)を配
線として利用した例であり、配線として使用する場合は
3端子構造にて用いるを可とする。
かかる構成のMISFET(42)〜(45)においても、p形
のチャネル領域(27)、n形のソース領域(25)及びp
形領域(41)〔(411)(412)(413)(414)〕によっ
てpnpバイポーラトランジスタ構造が形成されることに
より、インパクト・アイオナイゼーションによって生じ
たホール電流Ipをp形領域(41)を通して取り出し電極
(33)に逃がすことができ、ソース−ドレイン間耐圧の
向上が図れる。
第12図は、第8図のMISFET(42)のソース−ドレイン
間耐圧特性のシミュレーション結果を示す。曲線(II
I)は本例に係るMISFET(42)の特性、曲線(I)は第2
4図の従来のMISFET(11)の特性を示す。なお、試料
は、本例のp形領域(41)の不純物濃度を1×1018cm-3
とした以外は前述の第7図の試料と同様である。この第
12図のシミュレーション結果から、本例に係るMISFET
(42)は従来構造のMISFET(11)に比較してソース−ド
レイン間耐圧の向上が認められる。
また、第8図〜第11図のMISFET(42)〜(45)におい
ても、ソース領域(25)とp形領域(41)を電極金属等
を用いて外部で共通接続することにより、通常の3端子
素子として使用することができる。また、p形領域(4
1)をソース領域(25)側及びドレイン領域(26)側に
対称に形成することが可能あである。さらに、上側と同
様に製造が容易であること、寄生容量が小さく、チャネ
ル領域の不純物濃度設定の自由度が高いこと、耐α線、
ラッチアップに強いというSOI基板を利用した利点を損
わない等の効果を有するものである。
第13図は本発明の他の例を示す。本例においては、SO
I基板(24)の例えばp形となしたシリコン薄膜(23)
にn形のソース領域(25)及びドレイン領域(26)を形
成すると共に、ドレイン領域(26)の外側にドレイン領
域(26)に接してチャネル領域(27)と分離したp形領
域(47)を形成する。p形領域(47)とチャネル領域
(27)間のドレイン領域(26)の距離(幅)WNは少数キ
ャリアの正孔の拡散長Lpより小さく選定する。そして、
ソース領域(25)及びドレイン領域(26)間のチャネル
領域(27)上にSiO2等によるゲート絶縁膜(29)を介し
て例えば多結晶シリコンのゲート電極(30)を形成し、
またソース領域(25)、ドレイン領域(26)及びp形領
域(47)に夫々ソース電極(31)、ドレイン電極(32)
及び引出し電極(48)を形成してMISFET(49)を構成す
る。ここで、p形領域(47)の電位はドレイン電位でな
くソース電位又はその近傍の電位にとる必要がある。即
ち、第15図Aのポテンシャル図(即ち第15図Bの構成の
X−X線上のポテンシャル図)で示すように、p形領域
(47)のポテンシャルpbがチャネル領域(27)のポテン
シャルpaよりも低いことが必要である。
かかる構成のMISFET(49)においては、インパクト・
アイオナイゼーションによる電子−正孔対の発生源に近
いドレイン領域(26)側にp形領域(47)を形成するこ
とにより、インパクト・アイオナイゼーションによって
生じた正孔hを、ドレイン領域(26)からp形領域(4
7)を通じて引き出すことができ、ソース−ドレイン間
耐圧の向上を図ることができる。第14図は、本例に係る
MISFET(49)のソース−ドレイン間耐圧特性のシミュレ
ーション結果を示す。曲線(IV)は本例に係るMISFET
(49)の特性、曲線(I)は第24図の従来のMISFET(1
1)の特性、曲線(II)は第1図のMISFET(34)の特性
を示す。なお、試料は本例のp形領域(47)の不純物濃
度を1×1018cm-3とし、p形領域(47)の電位をソース
電位と同じ0Vとした以外は前述の第7図の試料と同様で
ある。このシミュレーション結果から本例に係るMISFET
(49)は従来構造のMISFET(11)に比較してソース−ド
レイン間耐圧の向上が認められる。
そして、このMISFET(49)の構造は3端子構造にでき
ない点を除いて、それ以外は第1図のMISFET(34)と同
様の効果を奏するものである。
第16図は本発明の更に他の例を示す。本例において
は、SOI基板(24)の例えばp形としたシリコン薄膜(2
3)に夫々高濃度領域(25a)及び(26a)の下部に底部
のSiO2膜(22)に達する低濃度領域(25c)及び(26c)
を有したn形のソース領域(25)及びドレイン領域(2
6)を形成し、このソース領域(25)の高濃度領域(25
a)及び低濃度領域(25c)に接してチャネル領域(27)
と分離したp形領域(28)を形成する。ソース領域(2
5)及びドレイン領域(26)間のチャネル領域(27)上
にはSiO2等によるゲート絶縁膜(29)を介して例えば多
結晶シリコンによるゲート電極(30)を形成し、例えば
p形領域(28)及びソース領域の高濃度領域(25a)に
共通接続するソース電極(31)を形成し、ドレイン領域
の高濃度領域(26a)にドレイン電極(32)を形成してM
ISFET(51)を構成する。ここで、高濃度領域(25a)及
び(26a)は夫々ソース抵抗及びドレイン抵抗を下げる
ためのものであり、低濃度領域(25c)は後述するイン
パクト・アイオナイゼーションによって発生したホール
電流をp形領域(28)に流し易くするためのものであ
る。低濃度領域(25c)の幅WNは少数キャリアの正孔の
拡散長Lpより小に選定する。
かかる構成によれば、p形チャネル領域(27)、n形
ソース領域(25)の低濃度領域(25c)及びp形領域(2
8)が夫々エミッタ、ベース及びコレクタとなるpnpバイ
ポーラトランジスタとして動作し、第1図の場合と同様
に、インパクト・アイオナイゼーションによって発生し
た少数キャリアの正孔h(ホール電流Ip)はチャネル領
域(27)よりp形領域(28)を介してソース電極(31)
側に逃げることになり、インパクト・アイオナイゼーシ
ョンによるソース−ドレイン間耐圧の低下を抑制するこ
とができる。しかも、本例では低濃度領域(25c)を設
けたことにより、第1図に比してさらに正孔が流れ易く
なり、従って、よりソース−ドレイン間耐圧の向上を図
ることができる。
即ち、今、SOI基板を利用してなるMISFETのチャネル
電流をIc、高電界で発生したホール電流をIp、チャネル
電位がソース電位よりも上昇しバイポーラ動作した際の
電子電流をInとすると、ドレイン電流IDは、 ID=Ic+In+Ip ‥‥(1) となる。
チャンネル電流Icと電子電流Inにより発生したホール
電流Ipは、発生割合をK(VD)とすると、 Ip=K(VD)(Ic+In) ‥‥(2) となる。
また 但し、Dp:正孔の拡散係数 S :接合面積 ni:イントリンジックのキャリア濃度 ND:ソース低濃度領域(25c)のドナー濃度 WN:ソース低濃度領域(25c)の幅 Dn:電子の拡散係数 NA:チャネル領域(27)のアクセプタ濃度 L :チャネル領域(27)の長さ V :ソース及びチャネル間電位差 上記(1)〜(4)式より となる。
従って、ソース領域の低濃度領域(25C)の濃度ND
び幅WNを小にすればする程、ドレイン電流IDは小になり
ドレイン耐圧が上ることになる。
また、第16図の構成においては、シリコン薄膜(23)
がSiO2膜(22)によって基板(21)から絶縁されている
ため、基板効果がなくMISFET(51)の電流駆動能力を大
とすることができる。またα線で発生した少数キャリア
もソース領域側に逃げることができ更にα線に強くな
る。本例は、その他、ソース、ドレインを対称に作るこ
とが可能であること、製造が容易であること、寄生容量
が小さい、チャネルの不純物濃度設定の自由度が高い、
耐α線、ラッチアップに強いというSOI基板を利用した
利点を損なわないこと等、第1図と同様の効果を奏する
ものである。
第17図は、ソース領域側及びドレイン領域側を対称形
にした例を示す。本例では、p形のシリコン薄膜(23)
に夫々高濃度領域(25a)及び(26a)とLDDの低濃度領
域(25b)及び(26b)を有するn形のソース領域(25)
及びドレイン領域(26)を形成すると共に、更に高濃度
領域(25a)及び(26a)下に夫々チャネル領域(27)に
接する低濃度領域(25c)及び(26c)を形成する。そし
て夫々の低濃度領域(25c)及び(26c)と高濃度領域
(25a)及び(26a)とに接してチャネル領域(27)と分
離したp形領域(28A)及び(28B)を形成する。そして
ソース領域(25)とp形領域(28A)をソース電極(3
1)によって共通接続し、ドレイン領域(26)とp形領
域(28B)をドレイン電極(32)によって共通接続して
構成する。ここでは例えば、ゲート電極(30)としてリ
ンドープの多結晶シリコンを用い、シリコン薄膜(23)
の膜厚dを1500Å程度、チャネル領域(27)の不純物濃
度を1017cm-3程度、ソース領域及びドレイン領域の高濃
度領域(25a)及び(26a)の不純物濃度を1020cm-3
度、LDDの低濃度領域(25b)及び(26b)の不純物濃度
を1018cm-3程度、低濃度領域(25c)及び(26c)の不純
物濃度を1015〜1016cm-3程度とすることができる。
このようにソース及びドレインを対称に形成すること
ができるので、スタティックRAMセルのアクセストラン
ジスタの如きスイッチング素子として使用することがで
きる。
尚、第16図では3端子構造としたが第1図と同様に4
端子構造とすることもできる。
次に、前述した本発明に係るMISFETにおいて、ソース
領域(25)とp形領域(28)を共通接続して3端子素子
として用いる場合、第19図に示すようにソース領域(2
5)及びp形領域(28)に跨るようにSiO2膜(54)に窓
孔(55)を形成し、ここに両領域(25)及び(28)に接
続する共通の金属電極例えばAlによる電極(31)を形成
することになる、この場合、窓孔(55)の最小寸法lを
考えると、 l=Xpmin+Xnmin+2A となる。ここで、Xpmin及びXnminは、夫々p形領域(2
8)及びn形ソース領域(25)とのコンタクトの必要最
小寸法であり、コンタクト抵抗、窓孔寸法精度(ホトリ
ソグラフィの精度、エッチングの精度)によって決ま
る。Aはホトレジストの重ね合せ精度で、これはp+−n+
接合を決めるホトレジスト工程と、SiO2膜(54)の窓孔
(55)の位置を決めるホトレジスト工程との2回ある。
そして、Xpmin,Xnmin及びAを各々0.2μmとすればコン
タクト窓孔(55)の最小寸法は0.8μmとなり、高集積
デバイスに不向きとなる懼れがある。
この点を改善した実施例を第18図に示す。本例は、前
述した第6図の構成に応用した場合について説明する
も、上述した他の実施例についても適用できるものであ
る。
先ず、第18図Aに示すように、SOI基板(24)のシリ
コン薄膜(23)にLDD構造のn形のソース領域(25)及
びドレイン領域(26)、それらの外側に対称的にp形領
域(28A)及び(28B)を形成し、ゲート絶縁膜(29)を
介して多結晶シリコンによるゲート電極(30)を形成し
た後、全面に高融点金属例えばTi膜(57)を被着形成す
る。
次いで、第18図B及びCに示すように、熱処理してシ
リサイド化し、Tiシリサイド膜(58)を除く他のTi
(57)を除去する。Tiシリサイド膜(58)はソース領域
(25)及びp形領域(28A)に亘る部分、ドレイン領域
(26)及びp形領域(28B)に亘る部分、ゲート電極(3
0)の表面に対し形成される。
しかる後、第18図Dに示すように全面にSiO2膜(54)
を形成し、ホトレジストを介して夫々コンタクト用窓孔
(55)を形成し、次いで例えば必要に応じてバリアメタ
ルを介してAlによるソース電極(31)、ドレイン電極
(32)及びゲート取り出し電極(30A)を形成して、目
的のMISFET(59)を得る。
かかる構成のMISFET(59)によれば、Tiシリサイド膜
(58)によってp形領域(28A)とソース領域(25)、
或はp形領域(28B)とドレイン領域(26)が互いに接
続された状態にあるため、次のAlコンタクト用の窓孔
(55)はホトレジストの解像度で決まる最小パターンの
コンタクト窓あけで済み、コンタクト窓孔(55)の最小
寸法が第19図の場合に比して小さくなる。従って素子の
微細化を可能にし、高集積デバイス化が可能になる。
一方、前述した第1図の構成では比較的薄い膜厚のシ
リコン薄膜(3)で形成できるので短チャネル効果は起
きにくい。しかし、第16図の低濃度領域(25c)及び(2
6c)を有する構造ではシリコン薄膜(23)の膜厚が大と
なるために短チャネル効果が生じ、(即ちゲート電圧に
よる制御性が弱くなり)リーク電流増等が生ずる懼れが
ある。従って、この短チャネル効果を阻止するためには
チャネル領域(27)を高濃度にする必要がある。
また、ゲート電極(30)としてリンドープの多結晶シ
リコンを用いる場合、しきい値電圧Vthをコントロール
するためにチャネル濃度、特にチャネル表面の濃度を高
くすることが行われる。一例として、前述の第17図で説
明したようにチャネル領域(27)の濃度は1017cm-3程度
とされ、ソース領域及びドレイン領域の低濃度領域(25
c)及び(26c)の濃度(1015〜1016cm-3程度)より高く
なる。このようなチャネル領域(27)の濃度よりも、低
い濃度の低濃度領域(25c)及び(26c)を有する第17図
のMISFET(52)の製造は従来技術では困難である。第20
図及び第23図は、このMISFET(52)の製法例を示す。
第20図の例を説明する。先ず第20図Aに示すようにシ
リコン薄膜(23)上にゲート絶縁膜(29)を介してリン
ドープ多結晶シリコンによるゲート電極(30)を形成
し、このゲート電極(30)をマスクにしてLDD用のn形
の低濃度領域(25b)及び(26b)を形成する。
次に、第20図Bに示すようにゲート電極(30)にSiO2
のサイドウォール(61)を形成した後、チャネル領域が
1017cm-3程度(例えば底部が1017cm-3以上、表面が5×
1016cm-3程度)となるようにp形不純物例えばボロン
(64)をイオン注入する。ここでは、このイオン注入
は、しきい値電圧Vthのコントロールと、短チャネル効
果防止を兼ねている。このイオン注入ではゲート電極
(30)を通してチャネル領域(27)の底部近傍にイオン
注入ピーク(64)が存する濃度プロファイルとなるよう
に行う。
第21図Aはイオン注入し、活性化アニールした後のチ
ャネル領域(27)を通るA−A線上濃度プロファイルを
示し、(62)がボロンの濃度プロファイル、(63)がn+
多結晶シリコンによるゲート電極(30)の濃度プロファ
イルである。従って、ソース領域(25)及びドレイン領
域(26)に対応する部分ではゲート電極(30)の厚み分
だけ低いので、イオン注入ピーク(642)は下層のSiO2
膜(22)中に入り、ボロン濃度は極めて低い。即ち後工
程のn形の低濃度領域(25c),(26c)の濃度より低い
いものとなる。第21図Bはそのソース領域(25)(又は
ドレイン領域(26))を通るB−B線上の濃度プロファ
イルを示し、(62)がボロンの濃度プロファイルであ
る。(65)は後述するソース領域(又はドレイン領域)
の高濃度領域(25a)(又は(26a))と低濃度領域(25
c)(又は(26c))の濃度プロファイルである。
しかる後、第20図Cに示すように、低濃度のn形不純
物(66)をイオン注入し、例えば1015〜1016cm-3程度の
n形低濃度領域(25c)(26c)を形成し、続いて高濃度
のn形不純物(67)をイオン注入してn形低濃度領域
(25c)及び(26c)上に例えば1020cm-3程度の高濃度領
域(25a)及び(26a)を形成する。ここに、領域(25
a)(25b)(25c)でソース領域(25)が形成され、領
域(26a)(26b)(26c)でドレイン領域(26)が形成
される。
次に、第20図Dに示すようにホトレジストマスク(6
8)を介してp形不純物例えばボロン(69)をイオン注
入し、ソース領域(25)及びドレイン領域(26)の外側
にチャネル領域(27)と分離されたp形領域(28A)及
び(28B)を形成する。その後ソース電極及びドレイン
電極を形成して第17図のMISFET(52)を得る。この製法
によれば、ゲート電極(30)の膜厚を利用してボロン
(64)をイオン注入したチャネル領域(27)の濃度のみ
を上げることができるために、爾後のイオン注入(66)
でチャネル領域(27)より低濃度のn形の低濃度領域
(25c)及び(26c)を形成することができる。従って、
短チャネル効果を阻止した第17図のMISFET(52)を容易
に且つセルフアラインで高精度に製造することができ
る。また、しきい値電圧vthのコントロールを必要とす
るためにチャネル領域を高濃度としなければならないリ
ンドープ多結晶シリコンのゲート電極を有するこの種の
MISFETを容易に形成することができる。
尚、n形の低濃度領域(25c),(26c)とチャネル領
域(27)の濃度差をより大きくした場合には、第22図に
示すようにゲート電極(30)上にSiO2等の絶縁膜(71)
を設けて段差を大きくし、この状態でボロン(64)をイ
オン注入すればよい。イオン注入後、絶縁膜(71)は除
去される。この構成では、ソース領域(25)及びドレイ
ン領域(26)でのボロン濃度はさらに低くなり、n形低
濃度領域(25c)(26c)の濃度をより低くすることがで
きる。
次に、第23図の例を説明する。先ず、第23図Aに示す
ように、シリコン薄膜(23)の主面にCVD法によるSiO2
膜(74)を被着形成した後、ホトレジストマスク(図示
せず)を介してチャネル領域に対応する部分のSiO2
(74)をRIE(反応性イオンエッチング)によって選択
的に除去して開口(75)を形成する。
次に、RIEによるダメージを除去するために犠牲酸化
を行って膜厚20mm程度の犠牲酸化膜を形成する。そし
て、ウエットエッチングによって犠牲酸化膜を除去した
後、そのチャネル領域に対応する表面にゲート酸化膜
(29)を形成する 次に、第23図Bに示すようにSiO2膜(74)をマスクに
しきい値電圧Vthのコントロールと短チャネル効果防止
のために、チャネル領域(27)にボロン(64)例えばB
F2 +のイオン注入を行う。これにより例えばチャネル領
域(27)は1017cm-3程度となる。
次に、第23図Cに示すように、多結晶シリコン(76)
を開口(75)内に充填するように被着し、エッチバック
して平坦化する。そして、第23図Dに示すように、PSG
(リンシリケードガラス)膜(77)を被着形成した後、
PSG膜(77)からリン不純物を多結晶シリコン膜(76)
に拡散し、リンドープ多結晶シリコンからなるゲート電
極(30)を形成する。
次に、PSG膜(77)及びCVDSiO2膜(74)をRIEにより
除去し、次いでソース領域及びドレイン領域に対応する
表面、多結晶シリコンによるゲート電極(30)の表面を
夫々酸化してSiO2膜(78)を形成する。
次に、第23図Eに示すように、ゲート電極(30)をマ
スクに低濃度のn形不純物(79)をイオン注入してLDD
のn形低濃度領域(25b)(26b)を形成する。次に、ゲ
ート電極(30)の側面にCVDSiO2を用いてなるサイドウ
ォール(61)を形成し、ゲート電極(30)及びサイドウ
ォール(61)をマスクに高エネルギーで比較的低濃度の
n形不純物(66)をイオン注入して下部にn形低濃度領
域(25c)及び(26c)を形成し、また低エネルギーで比
較的高濃度のn形不純物(67)をイオン注入して上部に
n形の高濃度領域(25a)及び(26a)を形成し、ここに
n形のソース領域(25)及びドレイン領域(26)を形成
する。
次に、第23図Gに示すように、例えばレジストマスク
(80)を介してp形不純物(69)をイオン注入してソー
ス領域(25)及びドレイン領域(26)の外側に夫々p形
領域(28A)及び(28B)を形成する。然る後、SiO2
(81)を形成しコンタクト用の窓孔を形成し、ここにソ
ース電極(31)及びドレイン電極(32)を形成して目的
のMISFET(82)を形成する。
この製法においても、チャネル領域(27)より低濃度
のn形低濃度領域(25c)(26c)を有するMISFETを容易
に形成することができる。この第23図の実施例では、ボ
ロン(64)の注入はチャネル領域(27)のみに行われる
ので、最終的にチャネル領域(27)と低濃度領域(25
c),(26c)の濃度差が大きくても可能である。
なお、第20図及び第23図の製法において、ソース電極
(31)及びドレイン電極(32)の形成を第18図のシリサ
イド膜を利用して形成することもできる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、SOI基板を利用して形成したMIS型半
導体装置の利点を損うことなく、そのインパクト・アイ
オナイゼーションによる耐圧低下を抑制することがで
き、MIS型半導体装置自体の信頼性を高めることができ
る。また、通常の3端子素子としての使用を可能にする
と共に、ソース側及びドレイン側を対称形に形成するこ
とも可能であり、回路素子としての適用範囲を広げるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は夫々本発明の実施例を示す構成図、第
4図は本発明の他の実施例を示す平面図、第5図及び第
6図は本発明の更に他の実施例を示す構成図、第7図は
第5図のMISFETのソース−ドレイン間耐圧特性を示す
図、第8図及び第9図は夫々本発明の更に他の実施例を
示す構成図、第10図及び第11図は夫々本発明の更に他の
実施例を示す平面図、第12図は第8図のMISFETのソース
−ドレイン間耐圧特性を示す図、第13図は本発明の更に
他の実施例を示す構成図、第14図はそのソース−ドレイ
ン間耐圧特性を示す図、第15図はポテンシャル図、第16
図及び第17図は夫々本発明の更に他の実施例を示す構成
図、第18図A〜Dは本発明の更に他の実施例を示す製造
工程図、第19図は本発明の説明に供する断面図、第20図
A〜Dは本発明に係るMIS型半導体装置の他の製法例を
示す製造工程図、第21図A及びBは製造工程中の要部の
不純物濃度プロファイル図、第22図は本発明に係る更に
他の製法の例を示す要部の断面図、第23図A〜Hは本発
明に係る更に他の製法例を示す製造工程図、第24図〜第
26図は従来例を示す構成図、第27図及び第28図は提案例
を示す構成図である。 (21)はシリコン基板、(22)はSiO2膜、(23)はシリ
コン薄膜、(24)はSOI基板、(25)はソース領域、(2
6)はドレイン領域、(27)はチャネル領域、(28)は
p形領域である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−284878(JP,A) 実開 昭61−188367(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 29/786

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板上に半導体層が形成され、前記
    半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成さ
    れたMIS型半導体装置において、 第1導電形のソース領域に接してチャネル領域と分離さ
    れた第2導電形の半導体領域を有し、 前記チャネル領域と前記ソース領域と前記半導体領域に
    よってバイポーラトランジスタ構造を形成し、 前記ソース領域及び前記半導体領域に、夫々独立の電
    極、又は共通の電極を形成して成るMIS型半導体装置。
  2. 【請求項2】絶縁基板上に半導体層が形成され、前記半
    導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され
    たMIS型半導体装置において、 第1導電形のソース領域は、高濃度領域とその下部に低
    濃度領域を有し、 前記第1導電形のソース領域の低濃度領域に接してチャ
    ネル領域と分離された第2導電形の半導体領域を有して
    成るMIS型半導体装置。
  3. 【請求項3】絶縁性基板上に半導体層が形成され、前記
    半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成さ
    れたMIS型半導体装置において、 第1導電形のドレイン領域に接してチャネル領域と分離
    された第2導電形の半導体領域を有し、 前記ドレイン領域及び前記半導体領域に夫々独立の電極
    を形成して成るMIS型半導体装置。
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