JP2969510B2 - 自動車用防振ゴム組成物及び自動車の防振装置 - Google Patents

自動車用防振ゴム組成物及び自動車の防振装置

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JP2969510B2 JP18787396A JP18787396A JP2969510B2 JP 2969510 B2 JP2969510 B2 JP 2969510B2 JP 18787396 A JP18787396 A JP 18787396A JP 18787396 A JP18787396 A JP 18787396A JP 2969510 B2 JP2969510 B2 JP 2969510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用防振ゴム
として好適に用いられるゴム組成物、及びそれを用いて
なる自動車の防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ストラットマウント、エンジ
ンマウント、ボデーマウント、ブッシュ等の自動車用防
振ゴムには、天然ゴム組成物、あるいは天然ゴムとブタ
ジエンゴム又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴムとの
ブレンドからなるゴム組成物が用いられている。
【0003】自動車の路面より入るロードノイズに基づ
く室内騒音を軽減するには、例えばストラットマウント
の場合、100〜300Hzの高い周波数領域の動バネ
定数を小さくし、動倍率をできるだけ1に近づけること
が望ましい。そのため、上記のごとき防振ゴムにおい
て、最近、天然ゴムにブタジエンゴムをブレンドしたゴ
ム組成物を選択し使用する傾向が高い。しかしながら、
従来使用されてきたブタジエンゴムは、コバルト系触媒
やニッケル系触媒等を用いて製造されたシス含量97%
未満のブタジエンゴムであるため、後述する例でも明ら
かなように、動倍率を低減する効果が充分でなく、なお
一層の低減化が求められている。
【0004】特に、近年の省エネルギー化や廃ガス規制
等に関する社会的要請により自動車の軽量化が進められ
るにつれて、転がり抵抗を減じ、あるいは、その質量を
減じたタイヤを装着する傾向が増大しつつあるが、かか
る転がり抵抗の低いタイヤや軽量化したタイヤは、一般
的にロードノイズを悪化させるきらいがあり、上記動倍
率の低減がより一層要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来にも増
して低動倍率化が図られた自動車用防振ゴム組成物を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、とりわけシス含
量の高い特定のブタジエンゴムを選定し、これを特定量
含有するゴム組成物を構成することにより所期の目的が
達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の自動車用防振ゴム組成
物は、加硫ゴムのゴム成分が、ネオジウム系触媒を用い
て重合したシス含量97%以上のブタジエンゴム10〜
80重量%と、天然ゴム、合成イソプレンゴム及びスチ
レン−ブタジエン共重合体ゴムから選ばれた少なくとも
1種のゴム90〜20重量%とよりなることを特徴とす
る。
【0008】かかる構成により、従来の材料に比べ、動
倍率の低い防振ゴム組成物の設計が可能であるため、こ
れを用いてなる自動車の防振装置は、動倍率低減効果に
優れ、走行時のロードノイズに基づく車室騒音を低減す
ることができる。
【0009】本発明の自動車用防振ゴム組成物は、前記
ゴム成分とともに、窒素吸着比表面積(以下、NSA
という。)が40m/g以下であり、かつ、フタル酸
ジブチル吸油量(以下、DBP吸油量という。)が80
ml/100g以上であるカーボンブラックを含有する
ことが好ましい。かかる特定のカーボンブラックを用い
ることにより動倍率低減効果を高めることができる。
【0010】本発明の自動車用防振ゴム組成物は、さら
に、下記式(1)で表す化合物を含有することが好まし
い。
【0011】
【化2】 この式(1)で表す化合物は、ゴムとカーボンブラック
とをカップリング反応させるカップリング剤であり、前
記ゴム成分に、かかる特定のカップリング剤と上記の特
定のカーボンブラックとを配合することにより、動倍率
低減効果を極めて高めることができる。
【0012】上記のように本発明の防振ゴム組成物は動
倍率低減効果に優れるため、該ゴム組成物を用いてなる
ストラットマウントを備えた自動車の防振装置は、自動
車に軽量化した乗用車用ラジアルタイヤ(以下、軽量化
タイヤという。)や転がり抵抗を減じた乗用車用ラジア
ルタイヤ(以下、低転がり抵抗タイヤという。)を装着
した場合においても、ロードノイズを悪化させることが
ない。特に、前記特定のカーボンブラックと前記特定の
カップリング剤とを併用した場合、そのストラットマウ
ントの動倍率が極めて低いため、ロードノイズ低減効果
に非常に優れる。よって、本発明の自動車の防振装置で
あると、ロードノイズを悪化させることなくタイヤの軽
量化又は低燃費化が図れる。すなわち、社会的要請であ
る自動車の軽量化や省エネルギー化に対し、走行時の室
内騒音を悪化させることなく応えることができる。
【0013】本発明の自動車の防振装置において、スト
ラットマウントの動倍率は、静バネ定数に対する動バネ
定数の比である動倍率(=動バネ定数/静バネ定数)が
1.74以下、静バネ定数に対する絶対バネ定数の比で
ある動倍率(=絶対バネ定数/静バネ定数)が2.12
以下であることが好ましい。本発明の防振装置におい
て、前記ストラットマウントは、防振ゴムが室壁の一部
を構成する液室を備え、該防振ゴムの弾力性と液体の流
動効果とにより振動を減衰する液封入式ストラットマウ
ントでもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の自動車用防振ゴム組成物
において、加硫ゴムのゴム成分として含有するシス含量
97%以上の高シス−ブタジエンゴムは、ネオジウム系
触媒を用いて重合し合成することができる。例えば、ネ
オジウム系触媒を用いて製造されたシス含量98%のブ
タジエンゴム(エニケム エラストマー社製、商品名:
ネオシスBR、及びバイエル社製、商品名:ブナCB)
を好適な例として挙げることができる。
【0015】このシス含量97%以上のブタジエンゴム
のゴム成分中における含有率は、10〜80重量%であ
り、好ましくは20〜40重量%である。この含有率が
10重量%より少ないと、動倍率低減効果が十分でな
く、また耐へたり性(圧縮永久歪み)や耐久性(耐伸張
疲労特性)が悪化する傾向がある。また、含有率が80
重量%より多いと強伸度特性の低下が著しく、またロー
ル加工性が悪く実用的でない。
【0016】このシス含量97%以上のブタジエンゴム
とブレンドされるゴム成分の残部としては、天然ゴム、
合成イソプレンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体
ゴムのいずれか1種、または2種以上をブレンドしたゴ
ムを用いる。かかる残部ゴムのゴム成分中における含有
率は、90〜20重量%であり、好ましくは、80〜6
0重量%である。
【0017】式(1)で表す化合物としては、N,N′
−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−
ジアミノヘキサンを好適な例として挙げることができ
る。このカップリング剤の好ましい含有量は、ゴム成分
100重量部に対して、0.5〜4.0重量部である。
【0018】カーボンブラックは、上述したように、N
SAが40m/g以下、かつ、DBP吸油量が80
ml/100g以上のものを用いることが好ましい。N
SAが、40m/gより大きいと動倍率が高くな
る。また、DBP吸油量が80ml/100g未満であ
ると、同一配合量にした場合に静バネ定数が低くなり、
静バネ定数を一定にすると動バネ定数が高くなるため、
動倍率低減効果が十分でない。なお、かかる特定のカー
ボンブラックの好ましい含有量は、ゴム成分100重量
部に対して、20〜80重量部である。
【0019】本発明の自動車用防振ゴム組成物には、前
記したものの他に、通常のゴム組成物に配合される公知
の各種配合剤、すなわち、前記特定のカーボンブラック
でない通常のカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン
酸、硫黄、加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤等を適宜配
合することができる。
【0020】本発明の自動車用防振ゴム組成物を得るに
は、ネオジウム系触媒を用いて重合したシス含量97%
以上のブタジエンゴムを、上記した天然ゴム等の他のジ
エン系ゴムとブレンドしてゴム成分とし、このゴム成分
に、上述した公知の各種配合剤と、好ましくは、前記特
定のカーボンブラックと前記特定のカップリング剤とを
添加して、通常の方法で混練りして調整することができ
る。そして、このゴム組成物を公知の加硫条件で加硫す
れば自動車用防振ゴムが得られる。
【0021】このようにして得られた自動車用防振ゴム
は、動倍率低減効果が高く、自動車の路面より入るロー
ドノイズに基づく室内騒音を軽減させることができる。
【0022】そのため、この防振ゴム組成物を用いてな
るストラットマウントを備えた本発明の自動車の防振装
置は、当該自動車に軽量化タイヤや低転がり抵抗タイヤ
を装着した場合でも、上述したロードノイズの悪化を防
ぐことができる。すなわち、従来の防振装置で、軽量化
タイヤ又は低転がり抵抗タイヤを装着した場合における
ロードノイズの悪化を、本発明の防振装置を用いること
により、その悪化分を補い、さらによりロードノイズを
低減させることができる。特に、前記特定カップリング
剤及び前記特定カーボンブラックを含有したゴム組成物
を用いた場合、かかるロードノイズ低減効果が非常に優
れる。
【0023】ここで、軽量化タイヤとは、例えば、従来
の一般の乗用車用ラジアルタイヤ(以下、一般タイヤと
いう。)に比べて10%以上軽量化したような、一般タ
イヤに比べて大幅な軽量化を施したラジアルタイヤをい
う。このような軽量化の手法としては、カーカスを1プ
ライで構成し、さらに、トレッド部、サイド部、ビード
部の厚みをそれぞれ10〜20%程度薄くするなどの手
法がある。
【0024】また、低転がり抵抗タイヤとは、低燃費タ
イヤのことであり、転がり抵抗係数[=(転がり抵抗/
縦荷重)×100]が、一般タイヤの1.5以上に対し
て、1.0以下で転動時の抵抗の小さいラジアルタイヤ
をいう。
【0025】本発明のゴム組成物を用いてなるストラッ
トマウントとしては、図1に示すものを用いることがで
きる。このストラットマウント10は、筒状胴部を有
し、その内部にストラットのロッド12の先端が導入さ
れ、該先端にベアリング14を介して取付けられる本体
金具16と、自動車本体にボルト18により取付けられ
る取付金具20と、本体金具16と取付金具20との間
に介在して両者間を弾力性を有して連結する防振ゴム2
2とよりなり、この防振ゴム22が、本発明の自動車用
防振ゴム組成物を加硫成型してなる。
【0026】ストラットマウントとしては、また、防振
ゴムが室壁の一部を構成する液室を備え、該防振ゴムの
弾性力と液体の流動効果とにより振動を減衰する液封入
式ストラットマウントを用いることもできる。
【0027】図2に液封入式ストラットマウント50の
一例を示す。このストラットマウント50は、筒状胴部
を有し、その内部にストラットのロッド12の先端が導
入され、該先端にベアリング52を介して取付けられる
本体金具54と、自動車本体にボルト56により取付け
られる取付金具58と、本体金具54と取付金具58と
の間に介在して両者間を弾力性を有して連結する防振ゴ
ム60と、本体金具54と取付金具58との間に取着さ
れたダイヤフラム62とよりなる。そして、この防振ゴ
ム60とダイヤフラム62とによって、マウント内部に
は液体が封入された液室64が形成されており、この液
室64は、中空円板状の仕切板66によって上下に連通
した2室に仕切られている。この防振ゴム60が、本発
明の自動車用防振ゴム組成物を加硫成型してなる。
【0028】このような構造により、液封入式ストラッ
トマウントを用いた場合、防振ゴムの動倍率低減効果
と、前記液体の流動効果による動倍率低減効果とによ
り、更に動倍率を低減することができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の
特徴をより詳細に説明する。
【0030】実施例1〜9及び比較例1,2 表1に示す配合比にてゴムをブレンドし、得られたブレ
ンドゴムに、共通成分として以下の配合で各種配合剤を
添加し、通常の方法で混練して、実施例1〜9及び比較
例1,2の計11種のゴム組成物を調整した。
【0031】 [配合] (重量部) ゴム成分 100(表1参照) カーボンブラック (表1参照) カップリング剤 (表1参照) 芳香族系オイル 3 亜鉛華 5 ステアリン酸 1 老化防止剤(6C) 2 硫黄 3.5 加硫促進剤(CBS) 1 。
【0032】なお、表1中の「Nd−BR」及び「Co
−BR」は以下のとおりである。
【0033】Nd−BR;ネオジウム触媒を用いて重合
し合成されたシス含量98%のブタジエンゴム(ネオシ
スBR60 エニケムエラストマー社製) Co−BR;コバルト触媒を用いて重合し合成されたシ
ス含量96%のブタジエンゴム(ウベポール150B
宇部興産(株)製) また、カーボンブラッグA〜DのN2SA及びDBP吸
油量は以下のとおりである。
【0034】カーボンブラックA;NSA=26m
/g、DBP吸油量=87ml/100g カーボンブラックB;NSA=28m/g、DBP
吸油量=154ml/100g カーボンブラックC;NSA=42m/g、DBP
吸油量=115ml/100g カーボンブラックD;NSA=27m/g、DBP
吸油量=68ml/100g。
【0035】さらに、カップリング剤は、N,N′−ビ
ス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ジア
ミノヘキサンを用いた。
【0036】ついで、これらのゴム組成物を150℃×
25分の加硫条件で加硫してテストピース(50mmφ
×25mm)を作成し、動特性(静バネ定数、動バネ定
数、動倍率)を測定した。また、150℃×15分加硫
で各試験サンプルを作成して物性(ゴム硬度、引張り強
さ、伸び)を測定し、さらにロール加工性を評価した。
結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 これらの特性試験で用いた測定法は、下記の通りであ
る。
【0038】静バネ定数:オリエンテック(株)製テン
シロンを測定機に用い、上記テストピースにつき、10
mm/minのクロスヘッドスピードで0〜5mm間の
圧縮を2回繰返し、2回目の荷重−たわみ線図を描き、
次式に基づいて静バネ定数を算出した。 静バネ定数(N/mm)=(w−w)/(δ−δ) 但し、w:たわみ量δ=1.3mm時の荷重 w:たわみ量δ=3.8mm時の荷重 動バネ定数:(株)鷺宮製作所製ダイナミックサーボを
測定機に用い、プリロード780N、周波数100H
z、振幅±0.05mmで行い、JIS K6394に
記載の計算方法により動バネ定数を求めた。
【0039】動倍率:上記の方法で測定された静バネ定
数に対する動バネ定数の比(動バネ定数/静バネ定数)
として定義されるものであり、この値が小さいほど車内
騒音(こもり音)の軽減にとって有利である。
【0040】硬度、引張り強さ、伸び:JIS K63
01に準拠して測定した。
【0041】ロール加工性:10インチロールへの巻付
性で評価した。表中、○はロール浮きもなく良好、×は
ロール浮き発生を意味する。
【0042】表1より明らかなように、天然ゴムにネオ
ジウム触媒で重合したシス含量98%のブタジエンゴム
を配合した実施例1〜9のゴム組成物は、比較例1,2
のゴム組成物に比べて、動倍率が低く、動倍率低減効果
が大きい。特に、特定カップリング剤と特定カーボンブ
ラック(A又はB)の双方を添加した実施例1〜6のゴ
ム組成物は、動倍率が非常に低く、動倍率低減効果に非
常に優れていた。
【0043】つぎに、実施例1,2及び比較例1のゴム
組成物を用いて、上述した図1に示すストラットマウン
トを作成し、それぞれの動特性を測定した。結果を表2
に示す。
【0044】
【表2】 なお、表2中の静バネ定数及び動バネ定数は、表1にお
ける静バネ定数及び動バネ定数の測定条件に準じて測定
した。即ち、静バネ定数については、クロスヘッドスピ
ード20mm/minで、図1におけるロッド12の軸
方向に、0〜29,000N荷重を3回繰返し、3回目
の荷重−たわみ線図の1,755〜5,265N間で算
出した。また、動バネ定数については、プリロード3,
510Nを負荷し、周波数100Hz、振幅±0.05
mmで測定した。絶対バネ定数については、動バネ定数
の測定条件に準じて、プリロード3,510N、周波数
300Hz、振幅5G(一定)で測定した。
【0045】表2より明らかなように、実施例1,2の
ゴム組成物を用いたストラットマウントは、比較例1の
ゴム組成物を用いたストラットマウントに比べて、動バ
ネ定数及び絶対バネ定数がともに低く、よって、動倍率
が、動バネ定数/静バネ定数、絶対バネ定数/静バネ定
数ともに低くなっている。なお、表1に示したテストピ
ースにおける動倍率の関係(実施例2<実施例1<<比
較例1)は、表2に示すストラットマウントにおける両
動倍率(動バネ定数及び絶対バネ定数)においても維持
されているため、実施例3〜9においても、実施例1,
2と同様に、ストラットマウントに用いたときの動倍率
低減効果が高いことがわかる。
【0046】次に、実施例2と比較例1のゴム組成物を
用いたストラットマウントを自動車に配して、ロードノ
イズの低減効果を確認するための実車テストを行なっ
た。
【0047】自動車は1500ccのFF車を用い、6
0km/hにおける音圧レベルを測定した。なお、マイ
クは前席窓寄りの耳元に配した。結果を図4に示す。
【0048】なお、自動車に装着したタイヤは、表3に
示す一般タイヤと軽量化タイヤを用いた。両タイヤは、
ともにサイズが175/70R13 82Sである。図
3に、両タイヤの半断面を示した。すなわち、左側の断
面が一般タイヤ80、右側の断面が軽量化タイヤ90で
ある。図に示すように、一般タイヤ80において、カー
カス81は、1プライであるが、ビード部82から大き
く折り返され、サイド部83の中央部付近までターンア
ップされている。そして、トレッド部84、サイド部8
3、ビード部82における法線方向の厚みが、それぞれ
A=15.0mm、B=5.0mm、C=10.0mm
となっている。一方、軽量化タイヤ90において、カー
カス91は、1プライで、ビード部92における折り返
しが小さく、ビード部92の下部で終端している。そし
て、トレッド部93、サイド部94、ビード部92にお
ける法線方向の厚みが、それぞれA=13.5mm、B
=4.0mm、C=8.5mmとなっており、一般タイ
ヤ80の各厚みより10〜20%薄くなっている。これ
により、表3に示すように、軽量化タイヤ90は、一般
タイヤ80に比べて10%軽量化されている。
【0049】また、この軽量化タイヤ90は、表3に示
すように、転がり抵抗係数(指数)が、一般タイヤ80
の100に対し65であるため、低転がり抵抗タイヤで
もある。なお、両タイヤの半径方向バネ定数、横方向バ
ネ定数、コーナリングパワー及びセルフアライニングト
ルクは同等である。
【0050】
【表3】 なお、使用リムは13×51/2 −JJ、空気圧は200
kPa(2.0kgf/cm)とした。
【0051】図4に示すように、比較例1のストラット
マウントを備えた自動車に軽量化タイヤを装着した場
合、一般タイヤを装着した場合に比べて、160Hz付
近及び250Hz付近で音圧レベルが1dBほど上昇し
た。一方、実施例2のストラットマウントを備えた自動
車に軽量化タイヤを装着した場合、一般タイヤと比較例
1のストラットマウントを組合せた場合よりも、160
Hz及び250Hz付近の音圧レベルが、ともに2dB
低下し、また、感応評価でもロードノイズの改善効果が
確認された。
【0052】このように、軽量化タイヤを装着した場合
においても、実施例2のストラットマウントを用いるこ
とによって、ロードノイズが低減され、軽量化タイヤの
好適な使用が可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の自動車用防
振ゴム組成物であると、従来の材料に比べ、動倍率低減
効果に優れ、これを自動車の防振ゴムに用いると、走行
時のロードノイズに基づく車室騒音を低減することがで
きる。
【0054】また、本発明の自動車の防振装置である
と、ロードノイズを悪化させることなくタイヤの軽量化
又は低燃費化が図れる。すなわち、社会的要請である自
動車の軽量化や省エネルギー化に対し、走行時の室内騒
音を悪化させることなく応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用防振ゴム組成物を用いてなる
ストラットマウントの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の自動車用防振ゴム組成物を用いてなる
液封入式ストラットマウントの一例を示す断面図であ
る。
【図3】軽量化タイヤと従来の一般のラジアルタイヤの
断面構造を示す断面図である。
【図4】実施例2と比較例1の防振ゴム組成物を用いて
なるストラットマウントの実車テストにおける周波数と
音圧レベルの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…ストラットマウント 16,54…本体金具 20,58…取付金具 22,60…防振ゴム 50…液封入式ストラットマウント 62…ダイヤフラム 64…液室 80…一般タイヤ 90…軽量化タイヤ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16F 1/36 F16F 1/36 C 15/08 15/08 B //(C08L 7/00 9:00) (C08L 9/00 9:00) (C08L 9/06 9:00) (56)参考文献 特開 平1−315441(JP,A) 特開 平3−281643(JP,A) 特開 平4−369533(JP,A) 特開 昭58−21434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08K 3/04,5/32 C08L 7/00 - 21/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫ゴムのゴム成分が、ネオジウム系触
    媒を用いて重合したシス含量97%以上のブタジエンゴ
    ム10〜80重量%と、天然ゴム、合成イソプレンゴム
    及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムから選ばれた少
    なくとも1種のゴム90〜20重量%とよりなることを
    特徴とする自動車用防振ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 窒素吸着比表面積が40m/g以下で
    あり、かつ、フタル酸ジブチル吸油量が80ml/10
    0g以上であるカーボンブラックを含有することを特徴
    とする請求項1記載の自動車用防振ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 下記式(1)で表す化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の自動車用防振ゴム組成
    物。 【化1】
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自
    動車用防振ゴム組成物を用いてなる動倍率低減効果に優
    れる自動車の防振装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自
    動車用防振ゴム組成物を用いてなる動倍率低減効果に優
    れるストラットマウントを備えたことを特徴とする自動
    車の防振装置。
  6. 【請求項6】 前記ストラットマウントが、防振ゴムが
    室壁の一部を構成する液室を備え、該防振ゴムの弾力性
    と液体の流動効果とにより振動を減衰する液封入式スト
    ラットマウントであることを特徴とする請求項5記載の
    自動車の防振装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自
    動車用防振ゴム組成物を用いてなるストラットマウント
    を備え、該ストラットマウントにおける静バネ定数に対
    する動バネ定数の比である動倍率が1.74以下である
    ことを特徴とする自動車の防振装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自
    動車用防振ゴム組成物を用いてなるストラットマウント
    を備え、該ストラットマウントにおける静バネ定数に対
    する絶対バネ定数の比である動倍率が2.12以下であ
    ることを特徴とする自動車の防振装置。
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