JP2000336206A - 防振ゴム組成物 - Google Patents
防振ゴム組成物Info
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- JP2000336206A JP2000336206A JP11152311A JP15231199A JP2000336206A JP 2000336206 A JP2000336206 A JP 2000336206A JP 11152311 A JP11152311 A JP 11152311A JP 15231199 A JP15231199 A JP 15231199A JP 2000336206 A JP2000336206 A JP 2000336206A
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- rubber
- vibration
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ゴム成分としてNRのみを使用した防振ゴムと
同等レベルの動倍率を維持し、かつ、高い減衰係数を備
え、耐久性に優れた防振ゴム組成物を提供することを目
的とする。 【解決手段】天然ゴム50〜85重量%と、末端変性ス
チレン・ブタジエンゴム50〜15重量%とからなるゴ
ム成分100重量部に対して、硫黄2.5〜5重量部
と、ヨウ素吸着量が20〜40mg/gのカーボンブラ
ックとを配合した構成とする。
同等レベルの動倍率を維持し、かつ、高い減衰係数を備
え、耐久性に優れた防振ゴム組成物を提供することを目
的とする。 【解決手段】天然ゴム50〜85重量%と、末端変性ス
チレン・ブタジエンゴム50〜15重量%とからなるゴ
ム成分100重量部に対して、硫黄2.5〜5重量部
と、ヨウ素吸着量が20〜40mg/gのカーボンブラ
ックとを配合した構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振ゴム組成物に
関する。特に自動車のエンジンマウント等、自動車用防
振ゴムのための天然ゴムを主体とした組成物に関するも
のである。
関する。特に自動車のエンジンマウント等、自動車用防
振ゴムのための天然ゴムを主体とした組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車や車両のエンジンマウン
ト等のマウント材、ブッシュ材、ダンパー材等には振動
を吸収し騒音を防止するために防振ゴムが用いられてい
る。
ト等のマウント材、ブッシュ材、ダンパー材等には振動
を吸収し騒音を防止するために防振ゴムが用いられてい
る。
【0003】防振ゴムの防振性能を高めるためには、防
振ゴムの特性として、動倍率([動的バネ定数]/[静
的バネ定数])の値が十分小さいものであって、かつ減
衰係数が十分に大きいものであることが必要とされる。
高周波数・低振幅領域では動倍率が小さいほど、低周波
数・高振幅領域では減衰係数が大きいほど防振性能が優
れる。また、同時に防振ゴムは、ある程度の靭性(変形
破壊に対する抵抗性)及び耐久性を備えていなければな
らない。
振ゴムの特性として、動倍率([動的バネ定数]/[静
的バネ定数])の値が十分小さいものであって、かつ減
衰係数が十分に大きいものであることが必要とされる。
高周波数・低振幅領域では動倍率が小さいほど、低周波
数・高振幅領域では減衰係数が大きいほど防振性能が優
れる。また、同時に防振ゴムは、ある程度の靭性(変形
破壊に対する抵抗性)及び耐久性を備えていなければな
らない。
【0004】防振ゴムとしては、従来より天然ゴム系高
分子材料(以下、「NR系材料」という)が一般に用い
られている。NR系材料としては、天然ゴム(NR)単
独、又は、NRを50重量%以上含むブレンドゴムが用
いられる。ブレンドゴムとしては、例えば、NRにスチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムを配
合したものが使用されている。
分子材料(以下、「NR系材料」という)が一般に用い
られている。NR系材料としては、天然ゴム(NR)単
独、又は、NRを50重量%以上含むブレンドゴムが用
いられる。ブレンドゴムとしては、例えば、NRにスチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムを配
合したものが使用されている。
【0005】上記NR系材料は、NRが他のジエン系ゴ
ムに比べて低い動倍率を示すことから防振性能と繰り返
し変形に対する抵抗性において優れているが、材料単体
としては硬度が低いため、一般には補強材としてカーボ
ンブラック(CB)を配合することで防振ゴムに要求さ
れる硬度を確保している。
ムに比べて低い動倍率を示すことから防振性能と繰り返
し変形に対する抵抗性において優れているが、材料単体
としては硬度が低いため、一般には補強材としてカーボ
ンブラック(CB)を配合することで防振ゴムに要求さ
れる硬度を確保している。
【0006】防振ゴムにCBを配合した場合、その配合
量に従って防振ゴムの硬度及び減衰係数は増大するが、
CB粒子間あるいはCB粒子とゴム分子間の相互作用に
よって動倍率までもが増大する。
量に従って防振ゴムの硬度及び減衰係数は増大するが、
CB粒子間あるいはCB粒子とゴム分子間の相互作用に
よって動倍率までもが増大する。
【0007】すなわち、減衰係数が増大することにより
低周波数・高振幅領域における防振性能は向上するが、
動倍率も増大するため高周波数・低振幅領域における防
振性能は低下することになり、低周波数及び高周波数領
域を含めた全体としての防振性能は改善されないといっ
た問題が生じていた。
低周波数・高振幅領域における防振性能は向上するが、
動倍率も増大するため高周波数・低振幅領域における防
振性能は低下することになり、低周波数及び高周波数領
域を含めた全体としての防振性能は改善されないといっ
た問題が生じていた。
【0008】上述のように、低周波数・高振幅領域にお
ける防振性能と、高周波数・低振幅領域における防振性
能とを両立させるのは困難であり、全体としてバランス
のとれた防振性能を有する防振ゴムの提供が望まれてい
た。
ける防振性能と、高周波数・低振幅領域における防振性
能とを両立させるのは困難であり、全体としてバランス
のとれた防振性能を有する防振ゴムの提供が望まれてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するものとして、T.Ohyama,A.Ueda,H.Watanabe,RubberD
ivision,ACS,Detoroit,Michigan,October17-20,1989に
おいては、溶液重合形スチレンブタジエンゴム(S−S
BR)についてその末端を4,4'- ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン(EAB)により変性したもの40
重量部とNR60重量部とのブレンドゴムを用いたもの
が開示されている。
するものとして、T.Ohyama,A.Ueda,H.Watanabe,RubberD
ivision,ACS,Detoroit,Michigan,October17-20,1989に
おいては、溶液重合形スチレンブタジエンゴム(S−S
BR)についてその末端を4,4'- ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン(EAB)により変性したもの40
重量部とNR60重量部とのブレンドゴムを用いたもの
が開示されている。
【0010】上記ゴム組成物は、CBを配合したときの
動倍率の増加度を減少させ、防振性能を改良するという
ものであるが、近年厳しさを増す自動車メーカーの要求
性能を十分に満足させるには至っていない。
動倍率の増加度を減少させ、防振性能を改良するという
ものであるが、近年厳しさを増す自動車メーカーの要求
性能を十分に満足させるには至っていない。
【0011】そこで、本発明においては、ゴム成分とし
てNRのみを使用した防振ゴムと同等レベルの動倍率を
維持し、かつ、高い減衰係数を備えることで全体として
の防振性能に優れ、さらに靭性及び耐久性に優れた防振
ゴム組成物を提供することを目的とする。
てNRのみを使用した防振ゴムと同等レベルの動倍率を
維持し、かつ、高い減衰係数を備えることで全体として
の防振性能に優れ、さらに靭性及び耐久性に優れた防振
ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は鋭意検討した結果、NR系材料としてN
Rと末端変性SBRとからなるブレンドゴムを使用し、
これに補強材としてヨウ素吸着量(IA)の値が特定の
範囲にあるCBを用いたゴム組成物を、特定量の硫黄で
加硫すれば、ゴム成分としてNRのみを使用した防振ゴ
ムと同等レベルの動倍率を維持しながら、減衰係数を増
大させることができることを見出だして本発明を完成さ
せるに至った。
め、本発明者は鋭意検討した結果、NR系材料としてN
Rと末端変性SBRとからなるブレンドゴムを使用し、
これに補強材としてヨウ素吸着量(IA)の値が特定の
範囲にあるCBを用いたゴム組成物を、特定量の硫黄で
加硫すれば、ゴム成分としてNRのみを使用した防振ゴ
ムと同等レベルの動倍率を維持しながら、減衰係数を増
大させることができることを見出だして本発明を完成さ
せるに至った。
【0013】すなわち、本発明に係る防振ゴム組成物
は、天然ゴム50〜85重量%と、末端変性スチレン・
ブタジエンゴム50〜15重量%とからなるゴム成分1
00重量部に対して、硫黄2.5〜5重量部と、IAが
20〜40mg/gのカーボンブラックとを配合したこ
とを特徴とするものである。
は、天然ゴム50〜85重量%と、末端変性スチレン・
ブタジエンゴム50〜15重量%とからなるゴム成分1
00重量部に対して、硫黄2.5〜5重量部と、IAが
20〜40mg/gのカーボンブラックとを配合したこ
とを特徴とするものである。
【0014】SBRとしては、通常、S−SBRを用い
てこの末端を変性したものが使用される。末端変性に使
用される変性剤としては、アミノベンゾフェノン、スズ
化合物、ラクタム等を使用することができる。中でも低
動倍率化の観点からいえば、SBR末端を4,4´−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン又はSnで変性し
たものを使用するのが望ましい。Sn変性を行う場合、
変性に使用されるスズ化合物としては、四塩化スズ、三
塩化ブチルスズを挙げることができる。
てこの末端を変性したものが使用される。末端変性に使
用される変性剤としては、アミノベンゾフェノン、スズ
化合物、ラクタム等を使用することができる。中でも低
動倍率化の観点からいえば、SBR末端を4,4´−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン又はSnで変性し
たものを使用するのが望ましい。Sn変性を行う場合、
変性に使用されるスズ化合物としては、四塩化スズ、三
塩化ブチルスズを挙げることができる。
【0015】上記変性により、SBRのゴム高分子鎖間
に、加工時に解離可能で再形成可能なカップリング部が
形成される。そのため、末端変性SBRは、加工時にお
ける混練り及び成形が容易であるとともに靭性、すなわ
ち変形破壊に要するエネルギーが大きく、耐久性に優れ
た防振ゴムを得ることができる。
に、加工時に解離可能で再形成可能なカップリング部が
形成される。そのため、末端変性SBRは、加工時にお
ける混練り及び成形が容易であるとともに靭性、すなわ
ち変形破壊に要するエネルギーが大きく、耐久性に優れ
た防振ゴムを得ることができる。
【0016】本発明におけるゴム成分としては、NR5
0〜85重量%と、末端変性SBR50〜15重量%と
が配合されたブレンドゴムが使用される。この配合が、
低動倍率化を図るために好ましいからである。
0〜85重量%と、末端変性SBR50〜15重量%と
が配合されたブレンドゴムが使用される。この配合が、
低動倍率化を図るために好ましいからである。
【0017】すなわち、ゴム成分として、上記比率でN
Rと上記末端変性SBRとを併用することにより、ゴム
中でのCBの分散安定性が向上するとともに、ゴム分子
とCB粒子間におけるファンデルワールス力等の相互作
用が向上し、内部摩擦が低下する結果、動的バネ定数が
低減される。
Rと上記末端変性SBRとを併用することにより、ゴム
中でのCBの分散安定性が向上するとともに、ゴム分子
とCB粒子間におけるファンデルワールス力等の相互作
用が向上し、内部摩擦が低下する結果、動的バネ定数が
低減される。
【0018】CBとしては、JIS K6221に規定
されるIAが20〜40mg/gのものが使用される。
IAは、比表面積の指標として用いられる値であり、こ
の値が小さいほどCBの粒径が大きいと判断される。
されるIAが20〜40mg/gのものが使用される。
IAは、比表面積の指標として用いられる値であり、こ
の値が小さいほどCBの粒径が大きいと判断される。
【0019】本発明においては、IAが20mg/gよ
りも小さいと十分な補強効果が得られず、40mg/g
よりも大きくなると、CBの凝集力が強くなり、再び動
倍率が増大するようになる。
りも小さいと十分な補強効果が得られず、40mg/g
よりも大きくなると、CBの凝集力が強くなり、再び動
倍率が増大するようになる。
【0020】CBの配合量は、防振ゴムに要求される硬
度を満足するように配合されるため一概には規定できな
いが、通常はゴム100重量部に対して15〜80重量
部程度である。
度を満足するように配合されるため一概には規定できな
いが、通常はゴム100重量部に対して15〜80重量
部程度である。
【0021】以上説明したところのゴム組成物は、所定
量の硫黄で加硫することによって、低動倍率を維持しな
がら減衰係数を増大させることが可能となる。硫黄は、
ゴム成分100重量部に対して、2.5〜5重量部が配
合される。配合量が2.5重量部よりも少ない場合は、
動的バネ定数の改良効果が少なく低動倍率を維持するこ
とができず、5重量部よりも多くなると架橋密度が上り
すぎ、靭性(引張り強度)及び耐久性(圧縮永久歪み)
が低下する。
量の硫黄で加硫することによって、低動倍率を維持しな
がら減衰係数を増大させることが可能となる。硫黄は、
ゴム成分100重量部に対して、2.5〜5重量部が配
合される。配合量が2.5重量部よりも少ない場合は、
動的バネ定数の改良効果が少なく低動倍率を維持するこ
とができず、5重量部よりも多くなると架橋密度が上り
すぎ、靭性(引張り強度)及び耐久性(圧縮永久歪み)
が低下する。
【0022】本発明に係る防振ゴム組成物には、油剤、
老化防止剤、加硫促進剤等の防振ゴム用各種配合剤が用
途、要求性能により適宜配合される。
老化防止剤、加硫促進剤等の防振ゴム用各種配合剤が用
途、要求性能により適宜配合される。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る防振ゴム組成物を実施例
を挙げて詳細に説明する。 [実施例及び比較例]本発明に係る防振ゴム組成物は、
常法により成形することが可能である。具体的に実施例
及び比較例における防振ゴム組成物は、以下の条件で成
形した。
を挙げて詳細に説明する。 [実施例及び比較例]本発明に係る防振ゴム組成物は、
常法により成形することが可能である。具体的に実施例
及び比較例における防振ゴム組成物は、以下の条件で成
形した。
【0024】ケース温度を50℃に設定した内容積1.
7リットルのB型バンバリーミキサーに、表1〜3に示
す配合のゴム成分100重量部を投入して混練した。
7リットルのB型バンバリーミキサーに、表1〜3に示
す配合のゴム成分100重量部を投入して混練した。
【0025】混練開始後30秒で、さらに3重量部の亜
鉛華、1重量部のステアリン酸、2重量部のミクロクリ
スタリンWAX、4重量部の老化防止剤(ノクラック6C
及びノクラック224 、各2重量部)、5重量部のアロマ
オイル及びCBを投入して混練を継続し、開始後3分3
0秒の時点でダンプアウトした。ダンプアウト時の配合
物の温度は120〜140℃であった。
鉛華、1重量部のステアリン酸、2重量部のミクロクリ
スタリンWAX、4重量部の老化防止剤(ノクラック6C
及びノクラック224 、各2重量部)、5重量部のアロマ
オイル及びCBを投入して混練を継続し、開始後3分3
0秒の時点でダンプアウトした。ダンプアウト時の配合
物の温度は120〜140℃であった。
【0026】上記配合物は冷却した後、硫黄及び2重量
部の加硫促進剤(ノクセラーTT-P、0.4重量部及びノ
クセラーNS-P、1.6重量部)を投入し1分間混練して
配合物を調整した。なお、CB及び硫黄は表1〜3に示
す量を配合した。
部の加硫促進剤(ノクセラーTT-P、0.4重量部及びノ
クセラーNS-P、1.6重量部)を投入し1分間混練して
配合物を調整した。なお、CB及び硫黄は表1〜3に示
す量を配合した。
【0027】こうして得られた配合物は各試料作成用金
型に仕込み、160℃×20分間の加硫により成形し
た。
型に仕込み、160℃×20分間の加硫により成形し
た。
【0028】[試料の作成及び特性試験]得られた配合
物から上記成形条件にて、直径8mm×高さ4mmの円
柱形試験片を作成し、粘弾性測定装置((株)東洋精機
製作所製レオログラフソリッド)にて25℃、100H
zにおける圧縮時の動的バネ定数(Kd100 )及び15
Hzにおける減衰係数を求めた。同試験片について
(株)東洋精機製作所製ストログラフRを用いて圧縮方
向の静的バネ定数(Ks)を測定し、これらの値から動
倍率(Kd100 /Ks)を算出した。これらの測定は、
JISK6385に準拠して行った。
物から上記成形条件にて、直径8mm×高さ4mmの円
柱形試験片を作成し、粘弾性測定装置((株)東洋精機
製作所製レオログラフソリッド)にて25℃、100H
zにおける圧縮時の動的バネ定数(Kd100 )及び15
Hzにおける減衰係数を求めた。同試験片について
(株)東洋精機製作所製ストログラフRを用いて圧縮方
向の静的バネ定数(Ks)を測定し、これらの値から動
倍率(Kd100 /Ks)を算出した。これらの測定は、
JISK6385に準拠して行った。
【0029】さらに、上記配合物から上記成形条件に
て、厚さ2mmのシートを得て引張り物性用試験片(1
号ダンベル)を打ち抜き、JIS K6251に準拠し
て引張り強度(TB)を測定した。
て、厚さ2mmのシートを得て引張り物性用試験片(1
号ダンベル)を打ち抜き、JIS K6251に準拠し
て引張り強度(TB)を測定した。
【0030】さらに、得られた配合物から上記成形条件
にて、厚さ12.7mm、直径29mmの円柱形の圧縮
永久用歪み用試験片を作成し、JIS K6262に準
拠して圧縮永久歪み(CS)を測定した。なお、処理条
件は80℃×250時間とした。
にて、厚さ12.7mm、直径29mmの円柱形の圧縮
永久用歪み用試験片を作成し、JIS K6262に準
拠して圧縮永久歪み(CS)を測定した。なお、処理条
件は80℃×250時間とした。
【0031】[評価結果]上記特性試験の結果を、表1
〜3に示す。本発明においては、ゴム成分としてNRの
みを使用して作成した防振ゴム(比較例1)の動倍率と
同等レベルの値を維持しつつ、減衰係数を増大させるこ
とを目的とすることから、減衰係数の表示は比較例1の
減衰係数値を100とした場合の相対値を用いた。例え
ば、減衰係数の値が113とは、比較例1の減衰係数を
1.13倍した値、すなわち13%増加した値であるこ
とを示す。
〜3に示す。本発明においては、ゴム成分としてNRの
みを使用して作成した防振ゴム(比較例1)の動倍率と
同等レベルの値を維持しつつ、減衰係数を増大させるこ
とを目的とすることから、減衰係数の表示は比較例1の
減衰係数値を100とした場合の相対値を用いた。例え
ば、減衰係数の値が113とは、比較例1の減衰係数を
1.13倍した値、すなわち13%増加した値であるこ
とを示す。
【0032】以上の点を考慮して設定した目標特性値は
次の通りである。 動倍率 1.7以下 減衰係数 110以上(コントロール比) 引張り強度 18MPa以上 圧縮永久歪み 65以下
次の通りである。 動倍率 1.7以下 減衰係数 110以上(コントロール比) 引張り強度 18MPa以上 圧縮永久歪み 65以下
【表1】
【表2】
【表3】 (SBRの影響について)表1は、SBRの種類及び配
合量を変化させたときの防振ゴムの特性を評価したもの
であり、SBRとしては、末端を4,4´−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノンで変性した日本ゼオン
(株)製NS114(SBR)、末端をSnで変性し
たJSR(株)製SL563(SBR)及びJSR
(株)製SBR1502(SBR)の3種類を使用し
た。
合量を変化させたときの防振ゴムの特性を評価したもの
であり、SBRとしては、末端を4,4´−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノンで変性した日本ゼオン
(株)製NS114(SBR)、末端をSnで変性し
たJSR(株)製SL563(SBR)及びJSR
(株)製SBR1502(SBR)の3種類を使用し
た。
【0033】表1より、SBRを使用した実施例1及
び2では、動倍率が1.7以下で低い値を維持しつつ、
減衰係数が増大していることから防振性能が改善されて
いることが判る。さらに、他の特性値についても、いず
れも目標値をクリアーしており、防振ゴムとして優れた
性能を有していることが判明した。
び2では、動倍率が1.7以下で低い値を維持しつつ、
減衰係数が増大していることから防振性能が改善されて
いることが判る。さらに、他の特性値についても、いず
れも目標値をクリアーしており、防振ゴムとして優れた
性能を有していることが判明した。
【0034】一方、SBRの配合量が規定量よりも多い
比較例2では、動倍率が1.7以上に増加するととも
に、引張り強度が目標値である18MPaよりも大幅に
低下してしまい、SBRの配合量が規定量よりも少ない
比較例3では減衰係数がほとんど増加していない。
比較例2では、動倍率が1.7以上に増加するととも
に、引張り強度が目標値である18MPaよりも大幅に
低下してしまい、SBRの配合量が規定量よりも少ない
比較例3では減衰係数がほとんど増加していない。
【0035】また、SBRを他の末端変性SBR(SB
R)に変更した実施例3は、実施例1、2と同様に防
振性能が改善されているが、末端が未変性のSBRを使
用した比較例4、5においてはSBRを規定量配合して
も動倍率が増加するため防振性能が改善されていない。
R)に変更した実施例3は、実施例1、2と同様に防
振性能が改善されているが、末端が未変性のSBRを使
用した比較例4、5においてはSBRを規定量配合して
も動倍率が増加するため防振性能が改善されていない。
【0036】(CBの影響について)表2は、CBの種
類及び配合量を変化させたときの防振ゴムの特性を評価
したものであり、CBとしては、IAが44mg/gの
東海カーボン社製シーストSO(CB)、IAが30m
g/gの東海カーボン社製シーストSVH (CB)、I
Aが23mg/gの旭カーボン社製#35(CB)及
びIAが11mg/gの旭カーボン社製#15(CB
)の4種類を使用した。
類及び配合量を変化させたときの防振ゴムの特性を評価
したものであり、CBとしては、IAが44mg/gの
東海カーボン社製シーストSO(CB)、IAが30m
g/gの東海カーボン社製シーストSVH (CB)、I
Aが23mg/gの旭カーボン社製#35(CB)及
びIAが11mg/gの旭カーボン社製#15(CB
)の4種類を使用した。
【0037】なお、ゴム成分としては、変性SBRとし
て末端を4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェ
ノンで変性したSBRを使用し、NRと変性SBRの
配合量をそれぞれ80重量%と20重量%に固定し、硫
黄配合量は2.6重量部に固定して評価を行った。
て末端を4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェ
ノンで変性したSBRを使用し、NRと変性SBRの
配合量をそれぞれ80重量%と20重量%に固定し、硫
黄配合量は2.6重量部に固定して評価を行った。
【0038】表2より、IAが規定範囲内にあるCB
及びを使用した実施例4、5は、防振性能を含むすべ
ての特性において、目標値をクリアーしている。
及びを使用した実施例4、5は、防振性能を含むすべ
ての特性において、目標値をクリアーしている。
【0039】一方、IAが40mg/gよりも大きいC
Bを使用した比較例6では、動倍率が1.7以上に増
加し、IAが20mg/gよりも小さいCBを使用し
た比較例7では、靭性(引張り強度)が極端に低下す
る。
Bを使用した比較例6では、動倍率が1.7以上に増
加し、IAが20mg/gよりも小さいCBを使用し
た比較例7では、靭性(引張り強度)が極端に低下す
る。
【0040】(硫黄量の影響について)表3は、ゴム成
分に対する硫黄の配合量を変化させたときの防振ゴムの
特性を評価したものであり、ゴム成分としては、変性S
BRとして末端を4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベ
ンゾフェノンで変性したSBRを使用し、NRとSB
Rの配合量をそれぞれ80重量%と20重量%に固定
し、CBとしてはIAが30mg/gであるCBを使
用して評価を行った。
分に対する硫黄の配合量を変化させたときの防振ゴムの
特性を評価したものであり、ゴム成分としては、変性S
BRとして末端を4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベ
ンゾフェノンで変性したSBRを使用し、NRとSB
Rの配合量をそれぞれ80重量%と20重量%に固定
し、CBとしてはIAが30mg/gであるCBを使
用して評価を行った。
【0041】表3より、適正量の硫黄を配合した実施例
6及び7は、防振性能を含むすべての特性において、目
標値をクリアーしている。
6及び7は、防振性能を含むすべての特性において、目
標値をクリアーしている。
【0042】一方、硫黄の配合量が2.5重量部よりも
少ない比較例8では、動倍率が増加し、硫黄の配合量が
5重量部よりも多い比較例9ではゴム強度(引張り強
度、圧縮永久歪み)の特性が低下する。
少ない比較例8では、動倍率が増加し、硫黄の配合量が
5重量部よりも多い比較例9ではゴム強度(引張り強
度、圧縮永久歪み)の特性が低下する。
【0043】以上の結果から明らかなように、末端変性
SBR、CB及び硫黄のそれぞれを適正に配合すること
によって初めて優れた防振性能、靭性及び耐久性を兼ね
備えた防振ゴム組成物を得ることが可能となる。
SBR、CB及び硫黄のそれぞれを適正に配合すること
によって初めて優れた防振性能、靭性及び耐久性を兼ね
備えた防振ゴム組成物を得ることが可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、天然ゴム50〜85重量%と、末端変性スチ
レン・ブタジエンゴム50〜15重量%とからなるゴム
成分100重量部に対して、硫黄2.5〜5重量部と、
ヨウ素吸着量が20〜40mg/gのカーボンブラック
とを配合したことにより、低いレベルの動倍率を維持し
つつ、かつ減衰係数を増大させることが可能となり、そ
の結果、防振性能、靭性及び耐久性に優れた防振ゴム組
成物を得ることができる。
によると、天然ゴム50〜85重量%と、末端変性スチ
レン・ブタジエンゴム50〜15重量%とからなるゴム
成分100重量部に対して、硫黄2.5〜5重量部と、
ヨウ素吸着量が20〜40mg/gのカーボンブラック
とを配合したことにより、低いレベルの動倍率を維持し
つつ、かつ減衰係数を増大させることが可能となり、そ
の結果、防振性能、靭性及び耐久性に優れた防振ゴム組
成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 9/06 C08L 9/06 (72)発明者 畦地 利夫 大阪市西区江戸掘1丁目17番18号 東洋ゴ ム工業株式会社内 (72)発明者 大原 利一郎 大阪市西区江戸掘1丁目17番18号 東洋ゴ ム工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC011 AC082 AC112 DA037 DA046 FD017 FD146 GN00 4J100 AB02P AS02Q CA04 CA31 HB29 HC47 JA00
Claims (2)
- 【請求項1】 天然ゴム50〜85重量%と、末端変性
スチレン・ブタジエンゴム50〜15重量%とからなる
ゴム成分100重量部に対して、硫黄2.5〜5重量部
と、ヨウ素吸着量が20〜40mg/gのカーボンブラ
ックとを配合したことを特徴とする防振ゴム組成物。 - 【請求項2】 前記末端変性スチレン・ブタジエンゴム
は、末端が4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ
ェノン又はSnで変性されたものである請求項1記載の
防振ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11152311A JP2000336206A (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | 防振ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11152311A JP2000336206A (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | 防振ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000336206A true JP2000336206A (ja) | 2000-12-05 |
Family
ID=15537760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11152311A Withdrawn JP2000336206A (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | 防振ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000336206A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002284932A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-03 | Asahi Kasei Corp | 防振ゴム組成物 |
JP2003026877A (ja) * | 2001-07-16 | 2003-01-29 | Daicel Degussa Ltd | スチレン系ゴム組成物、及びスチレン系ゴム−プラスチック接着一体複合体 |
JP2006143859A (ja) * | 2004-11-18 | 2006-06-08 | Bridgestone Corp | 防振ゴム |
JP2008056733A (ja) * | 2006-08-29 | 2008-03-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴム組成物 |
JP2012117002A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Bridgestone Corp | 免震構造体用ゴム組成物 |
JP2012163954A (ja) * | 2011-01-21 | 2012-08-30 | Canon Inc | 導電性ゴム弾性体、帯電部材および電子写真装置 |
US11254806B2 (en) | 2018-11-27 | 2022-02-22 | Toyo Tire Corporation | Rubber composition for vibrationproof rubber and vibrationproof rubber |
-
1999
- 1999-05-31 JP JP11152311A patent/JP2000336206A/ja not_active Withdrawn
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