JP2008168800A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】操縦安定性および乗り心地性を損なうことなく、ロードノイズを低減させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ビニルイソプレン単位を含むポリイソプレンのブロックとポリスチレンのブロックとからなるブロック共重合体(A)と、ジエン系ゴム(B)とを、A:B=20:80〜50:50の重量比で含有するゴム組成物であって、加硫物のJISA硬度Hsが60〜95であるゴム組成物からなるビードフィラー20を備える空気入りタイヤである。ビードコア18の断面積S1に対するビードフィラー20の断面積S2の比(S2/S1)は1〜2、ビードコア18のタイヤ半径方向における高さH1に対するビードフィラー20のタイヤ半径方向における高さH2の比(H2/H1)は1〜4であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】ビニルイソプレン単位を含むポリイソプレンのブロックとポリスチレンのブロックとからなるブロック共重合体(A)と、ジエン系ゴム(B)とを、A:B=20:80〜50:50の重量比で含有するゴム組成物であって、加硫物のJISA硬度Hsが60〜95であるゴム組成物からなるビードフィラー20を備える空気入りタイヤである。ビードコア18の断面積S1に対するビードフィラー20の断面積S2の比(S2/S1)は1〜2、ビードコア18のタイヤ半径方向における高さH1に対するビードフィラー20のタイヤ半径方向における高さH2の比(H2/H1)は1〜4であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
近年、自動車の低燃費化が進む中で、タイヤとしての軽量化が重要視されてきているが、一般にタイヤを軽量化するとロードノイズが悪化したり、剛性が損なわれ操縦安定性が悪化したりする。ロードノイズの悪化を改良するため、従来、トレッド部やサイドウォール部などに、低硬度のゴムや損失正接(tanδ)の高いゴムを使用する場合がある。
しかしながら、低硬度のゴムを使用した場合、路面からの振動の入力を低減することによりロードノイズは改善するものの、タイヤの剛性が低下し、そのため操縦安定性が悪化してしまう。一方、高い損失正接を持つゴムは、例えばガラス転移点の高いポリマーを用いたり、補強充填剤であるカーボンブラックを小粒径化したり、カーボンブラックを増量したり、大量の樹脂を添加したりすることにより得られるが、従来技術において、かかる高損失正接ゴムを用いた場合、ゴムの発熱量が増加することによる低燃費性の悪化や、耐久性の悪化、操縦安定性の悪化をきたすという問題がある。
下記特許文献1には、乗り心地性や耐久性を阻害することなく、サイドウォール部の振動に起因して発生する騒音を抑制するために、ビードフィラーを3種類のゴム部で構成し、タイヤ径方向外側に位置するゴム部ほど100%モジュラスを低くし、最外側に位置するゴム部を制振ゴムで形成することが開示されている。しかしながら、ビードフィラーの最外側に位置するゴム部をこのようなモジュラスの低い制振ゴムで形成すると、操縦安定性が損なわれるという問題がある。また、該特許文献1のようにサイドウォール部に位置する最外側のゴム部では走行中の歪み・振動が大きいことから、ゴムの発熱量が増加し、低燃費性の悪化や、耐久性の悪化の要因となる。
下記特許文献2には、ロードノイズを低減するために、ビードコアのタイヤ外周側に配されたビードフィラーとカーカス層との間に、高減衰性ゴムからなるゴム層を設けることが提案されている。しかしながら、この技術では、操縦安定性と乗り心地性を損なうことなくロードノイズを低減する上で、最近益々高くなる要求性能を満足することが難しい。
下記特許文献3には、ビニルイソプレン単位を含むポリイソプレンのブロックとポリスチレンのブロックとからなるブロック共重合体を配合したゴム組成物からなるゴム層を、ビードフィラーのタイヤ軸方向外側においてカーカス層との間に設けることが提案されている。また、下記特許文献4には、同様のゴム組成物からなるゴム層を、ビードコアの周りであってビードコアを覆うカーカス層との間に介在させることが提案されている。これらの技術では、ビード部周りに減衰性のゴム層を別途追加するものであるため、製造工数が増加し、またタイヤ重量アップにもつながる。また、操縦安定性と乗り心地性を確保する上で、ゴム層の厚みや配設範囲などが限られることから、ロードノイズの低減効果も限られる。
特開平10−035229号公報
特開2002−205515号公報
特開2005−194398号公報
特開2006−021680号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、操縦安定性および乗り心地性を損なうことなく、ロードノイズを低減させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、左右一対の環状のビードコアと、該ビードコアで端部が折り返されたカーカス層と、前記ビードコアのタイヤ外周側に配設されたビードフィラーとを備える空気入りタイヤにおいて、前記ビードフィラーが、ビニルイソプレン単位を含むポリイソプレンのブロックとポリスチレンのブロックとからなるブロック共重合体(A)と、ジエン系ゴム(B)とを、A:B=20:80〜50:50の重量比で含有するゴム組成物であって、加硫物のJISA硬度Hsが60〜95であるゴム組成物からなることを特徴とするものである。
かかる本発明によれば、ポリマー成分として、ジエン系ゴムに、ポリスチレンとビニル−ポリイソプレンのブロック共重合体をブレンドすることで、高損失正接のゴム組成物が得られ、これをビードフィラーに用いることにより、操縦安定性と乗り心地性を損なうことなく、ロードノイズを低減することができる。
上記ビードフィラーは、前記ビードコアの断面積S1に対する前記ビードフィラーの断面積S2の比(S2/S1)が1〜2であり、前記ビードコアのタイヤ半径方向における高さH1に対する前記ビードフィラーのタイヤ半径方向における高さH2の比(H2/H1)が1〜4であることが好ましい。このように従来の一般的なビードフィラーに比べて小さなビードフィラーとすることで、ビードフィラーでの発熱量を低減して、低燃費性の悪化を抑えるとともに、発熱によるセパレーションを抑制して耐久性を向上することができる。
本発明の空気入りタイヤであると、ポリスチレンとビニル−ポリイソプレンのブロック共重合体を用いたゴム組成物でビードフィラーを形成したことにより、操縦安定性および乗り心地性を悪化させることなく、ロードノイズを低減することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明の空気入りタイヤにおいて、ビードフィラーに用いられるゴム組成物は、ポリマー成分として、ビニルイソプレン単位を含むポリイソプレンのブロックとポリスチレンのブロックとからなるブロック共重合体(A)を20〜50重量%と、ジエン系ゴム(B)を80〜20重量%含有するものである。
このようにタイヤ用ゴム配合に通常用いられるジエン系ゴムに対し、ポリスチレンとビニル−ポリイソプレンのブロック共重合体をブレンドすることにより、損失正接の高いゴム組成物を得ることができる。ここで、ブロック共重合体(A)が20重量%未満では、損失正接の増加が不十分であり、ロードノイズの低減効果に劣る。また、ブロック共重合体(A)が50重量%を超えると、操縦安定性や耐久性が損なわれることになる。
上記ブロック共重合体(A)は、イソプレンの重合体部分からなるソフトブロックと、スチレンの重合体部分からなるハードブロックとで構成されるブロック共重合体であり、ソフトブロックを構成するイソプレン単位中にビニルイソプレン単位を含むものである。ここで、ビニルイソプレン単位とは、イソプレンが通常の1,4−結合ではなく、1,2−結合と3,4−結合の少なくとも一方を形成している部分をいう。ソフトブロックは、ビニルイソプレン単位のみで形成されてもよいが、通常は1,4−結合のイソプレン単位も含んであり、これらはソフトブロック内でランダムに結合されていてもよく、あるいはまた、ビニルイソプレン単位の重合体部分と1,4−結合のイソプレン単位の重合体部分とがブロック的に結合されていてもよい。
上記ブロック共重合体(A)は、少なくとも2つの上記ポリスチレンのハードブロックの間に、上記ポリイソプレンのソフトブロックを有するトリブロック共重合体であることが好ましい。より詳細には、ハードブロック−ソフトブロック−ハードブロックのトリブロック構造を有するものであれば、ハードブロック−ソフトブロック−ハードブロック−ソフトブロック、ハードブロック−ソフトブロック−ハードブロック−ソフトブロック−ハードブロックのような構造であってもよい。
上記ブロック共重合体(A)は、ビニルイソプレン単位を40重量%以上含有することが好ましい。ビニルイソプレン単位の重量割合が40重量%未満では、ブロック共重合体(A)のガラス転移点が低くなってしまう。また、このブロック共重合体(A)のガラス転移温度Tgは−20℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が−20℃未満では、室温でのtanδが小さくなってロードノイズを低減することが難しくなる。
より詳細には、上記ブロック共重合体(A)は、スチレン単位を10〜30重量%、ビニルイソプレン単位を40〜70重量%、1,4−結合イソプレン単位を10〜40重量%それぞれ含有することが好ましく、より好ましくは、スチレン単位を15〜25重量%、ビニルイソプレン単位を50〜70重量%、1,4−結合イソプレン単位を10〜30重量%それぞれ含有することである。スチレン単位の含有割合が30重量%を超えると、ブロック共重合体(A)が硬くなりすぎ、ロードノイズ性能に悪影響を与える。また、1,4−結合イソプレンの含有割合が40重量%を超えると、ガラス転移温度Tgが低くなってしまうため、ロードノイズへの効果が得られにくくなる。
スチレン単位、ビニルイソプレン単位、1,4−結合イソプレン単位の含有量は、NMRによって定量する。
上記ジエン系ゴム(B)としては、一般にタイヤ用ゴム組成物として用いられている各種のジエン系ゴムを使用することができ、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムなどをそれぞれ単独で又は2種以上併用して用いることができる。
上記ゴム組成物には、カーボンブラックなどの充填剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、オイルなど、タイヤ用ゴム組成物に一般に用いられている各種添加剤を配合することができる。なお、カーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、ヨウ素吸着量が30〜100mg/gのものが好ましく用いられ、具体的には、GPF、FEF、HAFが好ましいものとして挙げられる。カーボンブラックの配合量は、上記ブロック共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計量100重量部に対して30〜90重量部であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、その加硫物のJISA硬度Hsが60〜95であるものが用いられる。該硬度Hsが60以上であることにより、ビードフィラーの倒れ込みが小さくなって、操縦安定性の悪化が抑制される。該硬度Hsが95を超えると、硬すぎてロードノイズを低減できない。ここで、JISA硬度Hsは、JIS K6301のかたさ試験に準拠し、160℃×20分間加硫したサンプルをA形スプリング式にて測定される値である。
また、該ゴム組成物は、加硫物のリバウンドが10〜20であることが好ましい。リバウンドが小さすぎると、操縦安定性が劣り、逆に大きすぎると、ロードノイズ抑制と乗り心地性の両立が悪化する傾向になる。ここで、リバウンドは、JIS K6301の反ぱつ弾性試験法に準拠して測定される値である(サンプルは160℃×20分にて加硫し、23℃の雰囲気下にて測定)。
本発明の空気入りタイヤは、以上よりなるゴム組成物をビードフィラーに用いたものである。図1にその一実施形態を示す。
図示するように、実施形態の空気入りタイヤ10は、左右一対のビード部12及びサイドウォール部14と、両サイドウォール部14間にまたがるトレッド部16とを備えて構成されている。
ビード部12には、スチールワイヤを複数回巻回してなる環状のビードコア18が設けられ、該ビードコア18のタイヤ外周側にゴム製のビードフィラー20が配設されている。ビードフィラー20は、ビードコア18の半径方向外面からタイヤ半径方向外方に向けて先細状に延びる断面略三角形状をなしている。左右一対のビードコア18間には、タイヤ周方向に対し直角に配列した多数のコードが延在してなるカーカスプライの少なくとも1層で形成されたカーカス層22が設けられている。そして、カーカス22層の両端部は、ビードコア18及びビードフィラー20をタイヤ軸方向内側から外側に包み込むように折り返されて係止されている。トレッド部16におけるカーカス層22の半径方向外側には少なくとも2枚のベルトプライを重ね合わせてなるベルト24が配されている。
このような構成からなるものにおいて、ビードフィラー20の全体が上記ゴム組成物で形成されている。また、ビードフィラー20は、従来の一般的なタイヤのビードフィラーに比べて、高さ及び断面積が小さく設定されている。
詳細には、図1に示すタイヤの子午線断面において、ビードコア18の断面積をS1とし、ビードフィラー20の断面積をS2としたとき、両者の比であるS2/S1が1〜2に設定されている。また、ビードコア18のタイヤ半径方向における高さをH1とし、ビードフィラー20のタイヤ半径方向における高さをH2としたとき、両者の比であるH2/H1が1〜4に設定されている。これらの比は、従来の一般的な乗用車用タイヤにおける上記断面積の比が2より大きく4以下程度であり、上記高さの比が4より大きく6以下程度であることから、本実施形態のビードフィラー20が従来のビードフィラーに比べてボリューム及び高さともにかなり低減されていることを意味する。上記S2/S1は1〜1.7であることがより好ましい。また、H2/H1は1〜3であることがより好ましい。
なお、ビードフィラー20の先端(即ち、タイヤ半径方向外方端)20aは、カーカス層22の折り返し端22aよりも、タイヤ半径方向内側に位置している。
この空気入りタイヤ10では、上記ブロック共重合体(A)とジエン系ゴム(B)をブレンドして、上記特定のJISA硬度Hsを持つ高減衰ゴム組成物を得て、これをビードフィラー20に用いたことにより、操縦安定性と乗り心地性を損なうことなく、ロードノイズを低減することができる。詳細には、路面からトレッド部16およびサイドウォール部14を経て伝わる微小振動をビード部12で減衰して、ホイールへの伝達を防止することができ、特に100〜150Hzの低周波帯のロードノイズを低減することができる。また、後記の実施例に示されるように、乗り心地性と操縦安定性を悪化させないだけでなく、むしろ向上させることも可能となり、従って、乗り心地性と操縦安定性とロードノイズ低減効果とを高度に両立させることも可能となる。
また、このビードフィラー20は損失正接が大きいものであるが、上記のようにボリュームを大幅に低減してビードフィラー20を小型化したので、ビードフィラー20での発熱量を低減して、低燃費性の悪化を抑えるとともに、発熱によるセパレーションを抑制して耐久性を向上することができる。なお、上記比S2/S1やH2/H1がそれぞれ上記した各下限よりも小さいと、ビードフィラーとしての要求特性を確保することが難しくなる。
以下、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例I)
バンバリーミキサーを使用し、一般的方法に従って、下記表1に示す配合1〜8のゴム組成物を調製した。なお、ブロック共重合体(A)は、クラレ社製のポリスチレン/ビニルイソプレントリブロック共重合体「HYBRAR 5127」(ポリスチレン単位の含有量=20重量%、1,4−結合イソプレン単位の含有量=24重量%、ビニルイソプレン単位の含有量=56重量%、ガラス転移点Tg=8℃)である。
バンバリーミキサーを使用し、一般的方法に従って、下記表1に示す配合1〜8のゴム組成物を調製した。なお、ブロック共重合体(A)は、クラレ社製のポリスチレン/ビニルイソプレントリブロック共重合体「HYBRAR 5127」(ポリスチレン単位の含有量=20重量%、1,4−結合イソプレン単位の含有量=24重量%、ビニルイソプレン単位の含有量=56重量%、ガラス転移点Tg=8℃)である。
各ゴム組成物を、下記表2に示すようにビードフィラーのゴム材料として用いて、図1に示す195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを常法に従い作製した。各タイヤにおいて、ビードフィラーの断面積の比S2/S1は1.1とし、高さの比H2/H1は2.3とした(但し、S1=50mm2、H1=7mm)。そして、作製した各タイヤをテスト車に装着して、以下の方法によりロードノイズと乗り心地性と操縦安定性を評価した。結果を表2に示す。
・ロードノイズ:上記テスト車を特定の路面にて時速60kmで走行したときの車内での騒音レベルを計測し、特定周波数帯(125Hz)でのノイズレベルを、比較例1のタイヤをコントロールとして、これとの対比で評価した。「+」側が同性能に劣ることを、「−」側が同性能に優れることを意味する。なお、コントロールとの違いが+0.2〜−0.2dBの場合は、略同等あると判断した。
・操縦安定性および乗り心地性:上記テスト車を試験担当ドライバーが運転して走行したときの官能評価であり、比較例1のタイヤをコントロールとして、これと同等のものを「±0」、やや優れるものを「+1」、優れるものを「+2」、やや劣るものを「−1」、劣るものを「−2」として評価した。
表2に示すように、配合4〜6の高減衰ゴム組成物を用いた実施例1〜3の空気入りタイヤであると、乗り心地性と操縦安定性を損なうことなく、むしろ向上させながら、ロードノイズを低減することができた。
これに対し、比較例2では、ブロック共重合体(A)が未配合のゴム配合2を用いたため、ロードノイズ低減効果が得られず、乗り心地性も劣っていた。また、比較例3では、ブロック共重合体(A)を配合しているものの硬度が低い配合3を用いたため、操縦安定性に劣っていた。また、比較例4では、硬度の高すぎる配合7を用いたため、ロードノイズ低減効果が得られず、また乗り心地性も劣っていた。また、比較例5では、ブロック共重合体(A)の比率が高すぎる配合8を用いたため、操縦安定性が劣っていた。
(実施例II)
上記配合5の高減衰ゴム組成物をビードフィラーのゴム材料として用い、ビードフィラーの断面積の比S2/S1、及び高さの比H2/H1を下記表3の通りとして、195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを常法に従い作製した(但し、S1=36mm2、H1=6mm)。なお、請求項2に対する比較例を「比較例6」「比較例7」とした。
上記配合5の高減衰ゴム組成物をビードフィラーのゴム材料として用い、ビードフィラーの断面積の比S2/S1、及び高さの比H2/H1を下記表3の通りとして、195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを常法に従い作製した(但し、S1=36mm2、H1=6mm)。なお、請求項2に対する比較例を「比較例6」「比較例7」とした。
作製した各タイヤについて、ロードノイズ、乗り心地性、操縦安定性、低燃費性、耐久性を評価した。結果を表3に示す。なお、ロードノイズと乗り心地性と操縦安定性は、実施例4のタイヤをコントロールとして、これとの対比で評価した。また、低燃費性と耐久性の評価方法は以下の通りである。
・低燃費性:一軸ドラム試験機を用い、測定条件を、空気圧210kPa、荷重570kg、速度80km/hとして、転がり抵抗を測定し、実施例4の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が大きく低燃費性に劣ることを意味する。
・耐久性:一軸ドラム試験機を用い、測定条件を、空気圧70kPa、荷重350kgとして、3時間走行させ、故障がみられるかどうかで判定した。
10……空気入りタイヤ、18…ビードコア、20…ビードフィラー、22…カーカス層、H1…ビードコアのタイヤ半径方向における高さ、H2:ビードフィラーのタイヤ半径方向における高さ
Claims (2)
- 左右一対の環状のビードコアと、該ビードコアで端部が折り返されたカーカス層と、前記ビードコアのタイヤ外周側に配設されたビードフィラーとを備える空気入りタイヤにおいて、
前記ビードフィラーが、ビニルイソプレン単位を含むポリイソプレンのブロックとポリスチレンのブロックとからなるブロック共重合体(A)と、ジエン系ゴム(B)とを、A:B=20:80〜50:50の重量比で含有するゴム組成物であって、加硫物のJISA硬度Hsが60〜95であるゴム組成物からなることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ビードコアの断面積S1に対する前記ビードフィラーの断面積S2の比(S2/S1)が1〜2であり、前記ビードコアのタイヤ半径方向における高さH1に対する前記ビードフィラーのタイヤ半径方向における高さH2の比(H2/H1)が1〜4であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
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