JP2021000873A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】現在、タイヤ由来のロードノイズをさらに低減させる技術が求められている。これを実現するには、例えばキャップトレッドゴムを柔らかくし、バネ特性を低下させる手法が知られている。しかし、この手法では乗り心地が低下するという問題点がある。【解決手段】空気入りタイヤのベルトカバー層の厚みが0.70mm〜1.50mmとし、ベルトカバーコート用ゴムは、ジエン系ゴム100質量部に対し、天然ゴムの配合割合が20質量部以上であり、かつN2SAが25〜70m2/gのカーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、キャップトレッドゴムの硬度(Hs cap)と、ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)とが、2.50≦(Hs cap)/(M300 bc)≦6.50を満たす。【選択図】なし
Description
本発明は、空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ロードノイズの低減および乗り心地の向上を同時に満たす空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とから主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。
トレッド部は、キャップトレッドとアンダートレッドとからなり、このアンダートレッドとカーカス層との間に、ベルト層と該ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されたベルトカバー層とが配設されている。なおタイヤ径方向外側とはタイヤ径方向(空気入りタイヤの回転軸と直交する方向)において回転軸から離れた側をいう。ベルトカバー層は一般的に、補強コードおよび該補強コードを被覆するゴムを有する。
トレッド部は、キャップトレッドとアンダートレッドとからなり、このアンダートレッドとカーカス層との間に、ベルト層と該ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されたベルトカバー層とが配設されている。なおタイヤ径方向外側とはタイヤ径方向(空気入りタイヤの回転軸と直交する方向)において回転軸から離れた側をいう。ベルトカバー層は一般的に、補強コードおよび該補強コードを被覆するゴムを有する。
ところで、モータを動力源として走行する電気自動車は、内燃機関を動力源として走行する自動車と比較して、車両由来の騒音が大きく低減されている一方で、車両走行におけるタイヤ由来の騒音(ロードノイズ)については両自動車共に差異がみられない。そのため、タイヤ由来のロードノイズをさらに低減させる技術が求められている。
ロードノイズを低減するには、例えばキャップトレッドゴム等のタイヤを構成する部材を柔らかくすることによって、タイヤのバネ特性を低下させる手法が知られている。しかし、例えばキャップトレッドゴムを柔らかくすると乗り心地が低下するという問題点があり、ロードノイズの低減と、乗り心地の向上とは、二律背反の関係にある。
なお、ロードノイズの低減を図る技術としては、例えば特許文献1〜3に開示がある。
したがって本発明の目的は、ロードノイズの低減および乗り心地の向上を同時に満たす空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、ベルトカバー層の厚み、ベルトカバー層における補強コードを被覆するゴム(ベルトカバーコート用ゴム)の組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラスの比を特定化することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、補強コードおよび前記補強コードを被覆するゴムを有するベルトカバー層と、タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムと、を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトカバー層の厚みが0.70mm〜1.50mmであり、
前記補強コードを被覆するゴムは、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、および充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜70m2/gのカーボンブラックを含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が20質量部以上であり、かつ前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ
前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記補強コードを被覆するゴムの300%モジュラス(M300 bc)とが、下記式を満たす
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
2.50≦(Hs cap)/(M300 bc)≦6.50
2.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が30〜90質量部であることを特徴とする前記1に記載の空気入りタイヤ。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が40〜80質量部であることを特徴とする前記1または2に記載の空気入りタイヤ。
4.前記補強コードが有機繊維からなり、前記有機繊維が、6−6ナイロン繊維またはアラミド繊維と6−6ナイロン繊維とを組み合わせたハイブリッド繊維であることを特徴とする前記1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
前記ベルトカバー層の厚みが0.70mm〜1.50mmであり、
前記補強コードを被覆するゴムは、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、および充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜70m2/gのカーボンブラックを含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が20質量部以上であり、かつ前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ
前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記補強コードを被覆するゴムの300%モジュラス(M300 bc)とが、下記式を満たす
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
2.50≦(Hs cap)/(M300 bc)≦6.50
2.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が30〜90質量部であることを特徴とする前記1に記載の空気入りタイヤ。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が40〜80質量部であることを特徴とする前記1または2に記載の空気入りタイヤ。
4.前記補強コードが有機繊維からなり、前記有機繊維が、6−6ナイロン繊維またはアラミド繊維と6−6ナイロン繊維とを組み合わせたハイブリッド繊維であることを特徴とする前記1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明の空気入りタイヤは、ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、補強コードおよび前記補強コードを被覆するゴムを有するベルトカバー層と、タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムと、を備える空気入りタイヤにおいて、前記ベルトカバー層の厚みが0.70mm〜1.50mmであり、前記補強コードを被覆するゴムは、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、および充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜70m2/gのカーボンブラックを含有し、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が20質量部以上であり、かつ前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記補強コードを被覆するゴムの300%モジュラス(M300 bc)とが2.50≦(Hs cap)/(M300 bc)≦6.50を満たすことを特徴としているので、ロードノイズの低減および乗り心地の向上を同時に満たす空気入りタイヤを提供することができる。
上述のように、ロードノイズを低減するには、キャップトレッドゴムを柔らかくすることが有効であるが、その反面、乗り心地が低下してしまう。本発明では、ベルトカバー層の厚み、ベルトカバー層におけるベルトカバーコート用ゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラスの比を特定化することにより、キャップトレッドゴムがロードノイズの改善を担い乗り心地を減じた場合でも、ベルトカバーコート用ゴムが乗り心地を補完する役割を果たし、結果として二律背反の関係にあるロードノイズの低減と乗り心地の向上を同時に達成することが可能となった。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ベルトカバー層)
ベルトカバー層は、ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、典型的には、ベルト層をタイヤ周方向に覆うものである。またベルトカバー層は、補強コードを備え、該補強コードは、ベルトカバーコート用ゴムによって被覆されている。
ベルトカバー層は、ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、典型的には、ベルト層をタイヤ周方向に覆うものである。またベルトカバー層は、補強コードを備え、該補強コードは、ベルトカバーコート用ゴムによって被覆されている。
補強コードとしては、有機繊維コードが挙げられ、例えば、6−6ナイロン繊維、アラミド繊維、アラミド繊維と6−6ナイロン繊維とを組み合わせたハイブリッド繊維、PEN繊維、POK(脂肪族ポリケトン)繊維、耐熱PET繊維、レーヨン繊維等が挙げられる。中でも、6−6ナイロン繊維またはアラミド繊維と6−6ナイロン繊維とを組み合わせたハイブリッド繊維が好ましい。
本発明において、ベルトカバー層の厚みは、0.70mm〜1.50mmであることが必要である。ベルトカバー層の厚みがこの範囲外であると、ロードノイズの低減と乗り心地の向上を同時に達成することができない。
ベルトカバー層の厚みは、0.75mm〜1.30mmであることがさらに好ましい。
本発明では、ベルトカバーコート用ゴムの組成が特定される。すなわち、ベルトカバーコート用ゴムは、ジエン系ゴムとして天然ゴム(NR)およびスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、および充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜70m2/gのカーボンブラックを含有し、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が20質量部以上であり、かつ前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上である。
前記NRまたはSBRを配合しない場合、前記NRの配合割合が20質量部未満である場合、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部未満である場合、および/または、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜70m2/gの範囲外である場合は、ロードノイズの低減と乗り心地の向上を同時に達成することができない。
ここで、本発明の効果向上の観点から、下記の形態が好ましい。
(1)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記NRの配合割合は30〜90質量部が好ましく、40〜80質量部がさらに好ましい。
(2)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、SBRの配合割合は、60質量部未満が好ましい。
(3)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合は40〜80質量部が好ましく、40〜70質量部がさらに好ましい。
(4)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は25〜50m2/gが好ましい。
なお本発明でいうNRは、合成イソプレンゴム(IR)を含むものとする。また窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
(1)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記NRの配合割合は30〜90質量部が好ましく、40〜80質量部がさらに好ましい。
(2)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、SBRの配合割合は、60質量部未満が好ましい。
(3)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合は40〜80質量部が好ましく、40〜70質量部がさらに好ましい。
(4)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は25〜50m2/gが好ましい。
なお本発明でいうNRは、合成イソプレンゴム(IR)を含むものとする。また窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、NRおよびSBR以外にも、タイヤ用ゴム組成物に配合できる任意のジエン系ゴムを使用できる。例えば、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
また、前記ベルトカバーコート用ゴムには、前記した成分に加えて、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのベルトカバーコート用ゴムに一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明の空気入りタイヤにおけるキャップトレッドゴムは、タイヤ接地面を構成するゴムである。本発明において、キャップトレッドゴムの組成は、下記で説明する(Hs cap)/(M300 bc)の関係を満たすことができれば、とくに制限されず、適宜選択することができる。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのキャップトレッドゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのキャップトレッドゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また、本発明の空気入りタイヤにおけるその他の部材、例えばカーカス、ビード部やサイドウォール部等を構成する部材についても、各成分の配合割合はとくに制限されず、適宜選択することができる。
例えばその他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
例えばその他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
加硫後のキャップトレッドゴムの最大厚み(アンダートレッドとの接触面からタイヤ径方向におけるタイヤ表面までの最大長さ)はとくに制限されないが、例えば2mm〜20mmであり、2mm〜15mmが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)とが、下記式を満たすことが必要である。
2.50≦(Hs cap)/(M300 bc)≦6.50
すなわち、(Hs cap)/(M300 bc)が2.50〜6.50の範囲であることにより、上述のように、キャップトレッドゴムがロードノイズの改善を担い乗り心地を減じた場合でも、ベルトカバーコート用ゴムが乗り心地を補完する役割を果たし、結果として二律背反の関係にあるロードノイズの低減と乗り心地の向上とを同時に達成することが可能となる。
本発明で言う前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)は、JIS K6253に準拠し、デュロメータのタイプAにより温度20℃で測定されたゴム硬度である。
また本発明で言う前記ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)は、JIS K6251に準拠し、引張り速度500mm/分で引張り試験を行い300%伸長時の応力を測定した値(MPa)とする。
また本発明で言う前記ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)は、JIS K6251に準拠し、引張り速度500mm/分で引張り試験を行い300%伸長時の応力を測定した値(MPa)とする。
前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)の調整は、例えば可塑剤、充填剤、加硫剤または架橋剤の増減により可能である。
また、前記ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)の調整は、例えば可塑剤、充填剤、加硫剤または架橋剤の増減により可能である。
また、前記ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)の調整は、例えば可塑剤、充填剤、加硫剤または架橋剤の増減により可能である。
なお本発明の効果が一層向上するという観点から、前記(Hs cap)/(M300 bc)は、2.60〜6.20であることが好ましく、2.70〜6.00であることがさらに好ましい。
また本発明の空気入りタイヤは、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って製造が可能であり、例えば乗用車用途が好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜2および比較例1〜3
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種ベルトカバーコート用ゴム組成物を得た。
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種ベルトカバーコート用ゴム組成物を得た。
次に、キャップトレッドゴムを常法にしたがい調製し、充填材もしくは可塑剤の量を増減することにより、表1に示す各種硬度を有するキャップトレッドゴムを得た。
キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)は、JIS K6253に準拠し、デュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。
ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)は、JIS K6251に準拠し、引張り速度500mm/分で引張り試験を行い300%伸長時の応力を測定した。
結果を表1に示す。
ベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラス(M300 bc)は、JIS K6251に準拠し、引張り速度500mm/分で引張り試験を行い300%伸長時の応力を測定した。
結果を表1に示す。
前記ベルトカバーコート用ゴムと、前記キャップトレッドゴムとを組み込み、タイヤサイズ245/40R18の各種空気入りタイヤを製造した。またベルトカバーコート用ゴムおよびキャップトレッドゴム以外の各部材の条件は、各種空気入りタイヤ間で同一とした。なお各例におけるキャップトレッドゴムの厚みは8.0mmである。
得られた各種空気入りタイヤについて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
乗り心地:試験タイヤをリムサイズ18×8.5Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧240kPaの条件にて、舗装路からなるテストコースにおいてテストドライバーによる官能評価を実施した。評価は5段階評価とし、「3」点を基準とし、相対評価した。
5:「3」点に対し、乗り心地に顕著な向上が見られる。
4:「3」点に対し、乗り心地に向上が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、乗り心地に劣っていた。
1:「3」点に対し、乗り心地に顕著に劣っていた。
5:「3」点に対し、乗り心地に顕著な向上が見られる。
4:「3」点に対し、乗り心地に向上が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、乗り心地に劣っていた。
1:「3」点に対し、乗り心地に顕著に劣っていた。
ロードノイズ:各試験タイヤをリムサイズ18×8.5Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧240kPaの条件にて、走行時のロードノイズについてテストドライバーによる官能評価を行った。評価は5段階評価とし、「3」点を基準とし、相対評価した。
5:「3」点に対し、ロードノイズに顕著な改善が見られる。
4:「3」点に対し、ロードノイズに改善が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、ロードノイズが感じられる。
1:「3」点に対し、ロードノイズが顕著に感じられる。
5:「3」点に対し、ロードノイズに顕著な改善が見られる。
4:「3」点に対し、ロードノイズに改善が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、ロードノイズが感じられる。
1:「3」点に対し、ロードノイズが顕著に感じられる。
*1:NR(TSR20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製NIPOL BR1220)
*3:SBR(日本ゼオン(株)製NIPOL 1502)
*4:カーボンブラック1(東海カーボン株式会社製商品名シースト7HM、N2SA=126m2/g)
*5:カーボンブラック2(日鉄カーボン株式会社製ニテロン#10S、N2SA=41m2/g)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*8:老化防止剤(FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD)
*9:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスNH−60)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラー NS-P)
*11:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製NIPOL BR1220)
*3:SBR(日本ゼオン(株)製NIPOL 1502)
*4:カーボンブラック1(東海カーボン株式会社製商品名シースト7HM、N2SA=126m2/g)
*5:カーボンブラック2(日鉄カーボン株式会社製ニテロン#10S、N2SA=41m2/g)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*8:老化防止剤(FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD)
*9:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスNH−60)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラー NS-P)
*11:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜2で調製された空気入りタイヤは、ベルトカバー層の厚み、ベルトカバーコート用ゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラスの比を特定化したので、比較例1に比べ、ロードノイズの低減および乗り心地の向上が認められた。
比較例2は、NRの配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、比較例1に比べ、ロードノイズの低減および乗り心地に改善が認められなかった。
比較例3は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が本発明で規定する範囲外であるので、比較例1に比べ、ロードノイズは改善せず、乗り心地が悪化した。
比較例2は、NRの配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、比較例1に比べ、ロードノイズの低減および乗り心地に改善が認められなかった。
比較例3は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が本発明で規定する範囲外であるので、比較例1に比べ、ロードノイズは改善せず、乗り心地が悪化した。
比較例4および実施例3〜4
上記例において、製造した空気入りタイヤのサイズを195/65R15、リムサイズ15x6J,空気圧230kPaとしたこと以外は、上記例を繰り返した。結果を表2に示す。なお、乗り心地およびロードノイズの評価については上記例と同様に行い、比較例4のタイヤを「3」点の基準とした。
上記例において、製造した空気入りタイヤのサイズを195/65R15、リムサイズ15x6J,空気圧230kPaとしたこと以外は、上記例を繰り返した。結果を表2に示す。なお、乗り心地およびロードノイズの評価については上記例と同様に行い、比較例4のタイヤを「3」点の基準とした。
表2の結果から、実施例3〜4で調製された空気入りタイヤは、ベルトカバー層の厚み、ベルトカバーコート用ゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトカバーコート用ゴムの300%モジュラスの比を特定化したので、比較例4に比べ、乗り心地を維持もしくは改善しながら、ロードノイズが低減した。
Claims (4)
- ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、補強コードおよび前記補強コードを被覆するゴムを有するベルトカバー層と、タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムと、を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトカバー層の厚みが0.70mm〜1.50mmであり、
前記補強コードを被覆するゴムは、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、および充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜70m2/gのカーボンブラックを含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が20質量部以上であり、かつ前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ
前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記補強コードを被覆するゴムの300%モジュラス(M300 bc)とが、下記式を満たす
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
2.50≦(Hs cap)/(M300 bc)≦6.50 - 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記天然ゴムの配合割合が30〜90質量部であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が40〜80質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強コードが有機繊維からなり、前記有機繊維が、6−6ナイロン繊維またはアラミド繊維と6−6ナイロン繊維とを組み合わせたハイブリッド繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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JP (1) | JP2021000873A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023095371A1 (ja) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
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2019
- 2019-06-20 JP JP2019114598A patent/JP2021000873A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023095371A1 (ja) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
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