JP2020199996A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロードノイズの低減およびパンク時の乗り心地の向上を両立し得る空気入りタイヤを提供する。【解決手段】補強層として断面三日月形状のランフラットライナーを配置してなる空気入りタイヤにおいて、ランフラットライナーの最大厚みを5mm〜20mmとし、ランフラットライナーを構成するゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびブタジエンゴムと、N2SAが25〜100m2/gのカーボンブラックを含有し、キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hscap)と、ランフラットライナーの20℃における硬度(HsRFL)とが、0.50≦(Hscap)/(HsRFL)≦1.10を満たす。【選択図】なし
Description
本発明は、空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ロードノイズの低減および乗り心地の向上を両立し得る空気入りタイヤに関するものである。
タイヤ内の空気がパンク等により抜けてしまった後も車両の走行を可能にするランフラット性を付与した空気入りタイヤが知られている。このようなタイヤとしては、例えば左右一対のサイドウォール部に断面三日月形状のランフラットライナーを設けた構造を有する。このようにランフラットライナーを配置することにより、サイドウォール部の剛性を大幅に高め、空気が抜けてもサイドウォール部をたわみ難くしている。
ところで、モータを動力源として走行する電気自動車は、内燃機関を動力源として走行する自動車と比較して、車両由来の騒音が大きく低減されている一方で、車両走行におけるタイヤ由来の騒音(ロードノイズ)については両自動車共に差異がみられない。そのため、タイヤ由来のロードノイズをさらに低減させる技術が求められている。
ロードノイズを低減するには、例えばキャップトレッドゴム等のタイヤを構成する部材を柔らかくすることによって、タイヤのバネ特性を低下させる手法が知られている。しかし、例えばキャップトレッドゴムを柔らかくすると乗り心地が低下するという問題点があり、ロードノイズの低減と乗り心地の向上は、二律背反の関係にある。
とくにランフラットタイヤの場合、キャップトレッドやランフラットライナーを柔らかくするとパンク時の乗り心地が顕著に悪化する。
とくにランフラットタイヤの場合、キャップトレッドやランフラットライナーを柔らかくするとパンク時の乗り心地が顕著に悪化する。
なお、ロードノイズの低減を図る技術としては、例えば特許文献1〜3に開示がある。
したがって本発明の目的は、ロードノイズの低減およびパンク時の乗り心地の向上を両立し得る空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、ランフラットライナーの最大厚み、ランフラットライナーを構成するゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とランフラットライナーの硬度の比を特定化することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.左右一対のサイドウォール部に、補強層として断面三日月形状のランフラットライナーを配置してなる空気入りタイヤにおいて、
前記ランフラットライナーの最大厚みは、5mm〜20mmであり、
前記ランフラットライナーを構成するゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびブタジエンゴム、充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜100m2/gのカーボンブラックおよび硫黄を含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記ブタジエンゴムの配合割合が20質量部以上であり、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ前記硫黄の配合割合が4〜10質量部であり、かつ
前記空気入りタイヤの接地面を構成するキャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記ランフラットライナーの20℃における硬度(Hs RFL)とが、下記式を満たす
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
0.50≦(Hs cap)/(Hs RFL)≦1.10
2.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記ブタジエンゴムの配合割合が30〜90質量部であることを特徴とする前記1に記載の空気入りタイヤ。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が40〜80質量部であることを特徴とする前記1または2に記載の空気入りタイヤ。
4.前記ランフラットライナーが、カーカス層とインナーライナー層との間に配置されてなることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
前記ランフラットライナーの最大厚みは、5mm〜20mmであり、
前記ランフラットライナーを構成するゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびブタジエンゴム、充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜100m2/gのカーボンブラックおよび硫黄を含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記ブタジエンゴムの配合割合が20質量部以上であり、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ前記硫黄の配合割合が4〜10質量部であり、かつ
前記空気入りタイヤの接地面を構成するキャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記ランフラットライナーの20℃における硬度(Hs RFL)とが、下記式を満たす
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
0.50≦(Hs cap)/(Hs RFL)≦1.10
2.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記ブタジエンゴムの配合割合が30〜90質量部であることを特徴とする前記1に記載の空気入りタイヤ。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が40〜80質量部であることを特徴とする前記1または2に記載の空気入りタイヤ。
4.前記ランフラットライナーが、カーカス層とインナーライナー層との間に配置されてなることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明の空気入りタイヤは、左右一対のサイドウォール部に、補強層として断面三日月形状のランフラットライナーを配置してなり、前記ランフラットライナーの最大厚みは、5mm〜20mmであり、前記ランフラットライナーを構成するゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびブタジエンゴム、充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜100m2/gのカーボンブラックおよび硫黄を含有し、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記ブタジエンゴムの配合割合が20質量部以上であり、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ前記硫黄の配合割合が4〜10質量部であり、かつ前記空気入りタイヤの接地面を構成するキャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記ランフラットライナーの20℃における硬度(Hs RFL)とが、0.50≦(Hs cap)/(Hs RFL)≦1.10を満たすことを特徴としているので、ロードノイズの低減およびパンク時の乗り心地の向上を両立し得る空気入りタイヤを提供することができる。
上述のように、ロードノイズを低減するには、キャップトレッドゴムを柔らかくすることが有効であるが、その反面、乗り心地が低下してしまう。本発明では、ランフラットライナーの最大厚み、ランフラットライナーを構成するゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とランフラットライナーの硬度の比を特定化することにより、キャップトレッドゴムがロードノイズの改善を担いパンク時の乗り心地を減じた場合でも、ランフラットライナーが乗り心地を補完する役割を果たし、結果として二律背反の関係にあるロードノイズの低減とパンク時の乗り心地の向上を同時に達成することが可能となった。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ランフラットライナー)
本発明の空気入りタイヤに用いられるランフラットライナーは、左右一対のサイドウォール部に配置された断面三日月形状のゴムであり、サイドウォール部の補強層としての役割を担い、剛性を大幅に高め、空気が抜けてもサイドウォール部をたわみ難くする部材である。本発明において、ランフラットライナーの最大厚みは、5mm〜20mmであることが必要である。ランフラットライナーの厚みがこの範囲外であると、ロードノイズの低減とパンク時の乗り心地の向上を同時に達成することができない。
なお、ランフラットライナーの最大厚みは、タイヤ幅方向における最大厚みであり、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向を指す。
本発明の空気入りタイヤに用いられるランフラットライナーは、左右一対のサイドウォール部に配置された断面三日月形状のゴムであり、サイドウォール部の補強層としての役割を担い、剛性を大幅に高め、空気が抜けてもサイドウォール部をたわみ難くする部材である。本発明において、ランフラットライナーの最大厚みは、5mm〜20mmであることが必要である。ランフラットライナーの厚みがこの範囲外であると、ロードノイズの低減とパンク時の乗り心地の向上を同時に達成することができない。
なお、ランフラットライナーの最大厚みは、タイヤ幅方向における最大厚みであり、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向を指す。
ランフラットライナーの最大厚みは、6mm〜18mmであることがさらに好ましい。
本発明では、ランフラットライナーを構成するゴムの組成が特定される。すなわち、ランフラットライナーを構成するゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)と、充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜100m2/gのカーボンブラックと硫黄とを含有し、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記BRの配合割合が20質量部以上であり、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ硫黄の配合割合が4〜10質量部である。
前記NRまたはBRを配合しない場合、前記BRの配合割合が20質量部未満である場合、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部未満である場合、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜100m2/gの範囲外である場合、および/または、前記硫黄の配合割合が4〜10質量部の範囲外である場合は、ロードノイズの低減とパンク時の乗り心地の向上を同時に達成することができない。
ここで、本発明の効果向上の観点から、下記の形態が好ましい。
(1)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記NRの配合割合は5〜70質量部が好ましく、10〜50質量部がさらに好ましい。
(2)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、BRの配合割合は、30〜90質量部が好ましく、40〜80質量部がさらに好ましい。
(3)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合は40〜80質量部が好ましく、50〜70質量部がさらに好ましい。
(4)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は25〜70m2/gが好ましい。
なお本発明でいうNRは、合成イソプレンゴム(IR)を含むものとする。また窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
(1)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記NRの配合割合は5〜70質量部が好ましく、10〜50質量部がさらに好ましい。
(2)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、BRの配合割合は、30〜90質量部が好ましく、40〜80質量部がさらに好ましい。
(3)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合は40〜80質量部が好ましく、50〜70質量部がさらに好ましい。
(4)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は25〜70m2/gが好ましい。
なお本発明でいうNRは、合成イソプレンゴム(IR)を含むものとする。また窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、NR、BR以外のジエン系ゴムを必要に応じて併用することもできる。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。本発明で使用されるジエン系ゴムは、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
また、前記ランフラットライナーを構成するゴム組成物には、前記した成分に加えて、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのランフラットライナーに一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明の空気入りタイヤにおけるキャップトレッドゴムは、タイヤ接地面を構成する。
本発明において、キャップトレッドゴムの組成は、下記で説明する(Hs cap)/(Hs RFL)の関係を満たすことができれば、とくに制限されず、適宜選択することができる。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのキャップトレッドゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明において、キャップトレッドゴムの組成は、下記で説明する(Hs cap)/(Hs RFL)の関係を満たすことができれば、とくに制限されず、適宜選択することができる。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのキャップトレッドゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
加硫後のキャップトレッドゴムの最大厚み(アンダートレッドとの接触面からタイヤ径方向におけるタイヤ表面までの最大長さ)はとくに制限されないが、例えば2mm〜20mmであり、2mm〜15mmが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤにおけるその他の部材、例えばビード部やカーカス層等を構成する部材についても、各成分の配合割合はとくに制限されず、適宜選択することができる。
例えばその他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
例えばその他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明の空気入りタイヤは、前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記ランフラットライナーの20℃における硬度(Hs RFL)とが、下記式を満たすことが必要である。
0.50≦(Hs cap)/(Hs RFL)≦1.10
すなわち、(Hs cap)/(Hs RFL)が0.50〜1.10の範囲であることにより、上述のように、キャップトレッドゴムがロードノイズの改善を担いパンク時の乗り心地を減じた場合でも、ランフラットライナーがパンク時の乗り心地を補完する役割を果たし、結果として二律背反の関係にあるロードノイズの低減とパンク時の乗り心地の向上を同時に達成することが可能となる。
本発明で言う前記キャップトレッドゴムおよびランフラットライナーの20℃における硬度(Hs cap)、(Hs RFL)は、JIS K6253に準拠し、デュロメータのタイプAにより温度20℃で測定されたゴム硬度である。
前記キャップトレッドゴムおよびランフラットライナーの20℃における硬度(Hs cap)の調整は、例えば可塑剤、充填剤、加硫剤または架橋剤の増減により可能である。
なお本発明の効果が一層向上するという観点から、前記(Hs cap)/(Hs RFL)は、0.57〜1.05であることが好ましく、0.55〜1.00であることがさらに好ましい。
また本発明の空気入りタイヤは、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って製造が可能であり、例えば乗用車用途が好ましい。ランフラットライナーは、例えばカーカス層とインナーライナー層との間に配置され得る。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜2および比較例1〜3
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種ランフラットライナーを構成するゴム組成物を得た。
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種ランフラットライナーを構成するゴム組成物を得た。
一方、キャップトレッドゴムを常法にしたがい調製し、可塑剤もしくは充填剤の量を増減することにより、表1に示す各種硬度を有するキャップトレッドゴムを得た。
キャップトレッドゴムおよびランフラットライナーの20℃における硬度(Hs cap)、(Hs RFL)は、JIS K6253に準拠し、デュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
前記ランフラットライナーを構成するゴム組成物と、前記キャップトレッドゴムとを組み込み、タイヤサイズ245/40R18の各種空気入りタイヤを製造した。なお、ランフラットライナーは、カーカス層とインナーライナー層との間に配置した。またランフラットライナーおよびキャップトレッドゴム以外の各部材の条件は、各種空気入りタイヤ間で同一とした。
得られた各種空気入りタイヤについて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
パンク時の乗り心地:各試験タイヤをリムサイズ18×9.5Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、右前輪のみタイヤの空気圧を0KPaにし、それ以外のタイヤの空気圧を240kPaとした条件で、舗装路からなるテストコースにおける乗り心地に関してテストドライバーによる官能評価を実施した。評価は5段階評価とし、「3」点を基準とし(比較例1)、相対評価した。
5:「3」点に対し、乗り心地に顕著な向上が見られる。
4:「3」点に対し、乗り心地に向上が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、乗り心地に劣っていた。
1:「3」点に対し、乗り心地に顕著に劣っていた。
5:「3」点に対し、乗り心地に顕著な向上が見られる。
4:「3」点に対し、乗り心地に向上が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、乗り心地に劣っていた。
1:「3」点に対し、乗り心地に顕著に劣っていた。
ロードノイズ:各試験タイヤをリムサイズ18×9.5Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧240kPaの条件にて、走行時のロードノイズについてテストドライバーによる官能評価を行った。評価は5段階評価とし、「3」点を基準とし、相対評価した。
5:「3」点に対し、ロードノイズに顕著な改善が見られる。
4:「3」点に対し、ロードノイズに改善が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、ロードノイズが感じられる。
1:「3」点に対し、ロードノイズが顕著に感じられる。
5:「3」点に対し、ロードノイズに顕著な改善が見られる。
4:「3」点に対し、ロードノイズに改善が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、ロードノイズが感じられる。
1:「3」点に対し、ロードノイズが顕著に感じられる。
*1:NR(TSR20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製NIPOL BR1220)
*3:SBR(日本ゼオン(株)製NIPOL 1502)
*4:カーボンブラック1(日鉄カーボン株式会社製ニテロン#10S、N2SA=41m2/g)
*5:カーボンブラック2(東海カーボン株式会社製シースト9、N2SA=142m2/g)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*8:老化防止剤(FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD)
*9:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスNH−60)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラー NS-P)
*11:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製NIPOL BR1220)
*3:SBR(日本ゼオン(株)製NIPOL 1502)
*4:カーボンブラック1(日鉄カーボン株式会社製ニテロン#10S、N2SA=41m2/g)
*5:カーボンブラック2(東海カーボン株式会社製シースト9、N2SA=142m2/g)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*8:老化防止剤(FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD)
*9:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスNH−60)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラー NS-P)
*11:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
上記の表1から明らかなように、比較例1では、(Hs cap)/(Hs RFL)が本発明で規定する上限を超えているので、ロードノイズを低減できていない。
実施例1〜2で調製された空気入りタイヤは、ランフラットライナーの最大厚み、ランフラットライナーを構成するゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とランフラットライナーの硬度の比を特定化したので、比較例1に比べ、ロードノイズの低減およびパンク時の乗り心地の向上が両立している。
比較例2は、BRの配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、比較例1と同様の結果を示した。
比較例3は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が本発明で規定する範囲外であるので、ロードノイズおよびパンク時の乗り心地が悪化した。
実施例1〜2で調製された空気入りタイヤは、ランフラットライナーの最大厚み、ランフラットライナーを構成するゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とランフラットライナーの硬度の比を特定化したので、比較例1に比べ、ロードノイズの低減およびパンク時の乗り心地の向上が両立している。
比較例2は、BRの配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、比較例1と同様の結果を示した。
比較例3は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が本発明で規定する範囲外であるので、ロードノイズおよびパンク時の乗り心地が悪化した。
比較例4および実施例3〜4
上記実施例1〜2および比較例1〜3において、製造した空気入りタイヤのサイズを195/65R15としたこと以外は、上記例を繰り返した。結果を表2に示す。なお、ロードノイズおよびパンク時の乗り心地については比較例4のタイヤを基準として表2に示した。
上記実施例1〜2および比較例1〜3において、製造した空気入りタイヤのサイズを195/65R15としたこと以外は、上記例を繰り返した。結果を表2に示す。なお、ロードノイズおよびパンク時の乗り心地については比較例4のタイヤを基準として表2に示した。
表2の結果から、実施例3〜4で調製された空気入りタイヤは、ランフラットライナーの最大厚み、ランフラットライナーを構成するゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とランフラットライナーの硬度の比を特定化したので、比較例4に比べ、ロードノイズの低減およびパンク時の乗り心地の向上が両立している。
Claims (4)
- 左右一対のサイドウォール部に、補強層として断面三日月形状のランフラットライナーを配置してなる空気入りタイヤにおいて、
前記ランフラットライナーの最大厚みは、5mm〜20mmであり、
前記ランフラットライナーを構成するゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴムおよびブタジエンゴム、充填剤として窒素吸着比表面積(N2SA)が25〜100m2/gのカーボンブラックおよび硫黄を含有し、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記ブタジエンゴムの配合割合が20質量部以上であり、前記カーボンブラックの配合割合が30質量部以上であり、かつ前記硫黄の配合割合が4〜10質量部であり、かつ
前記空気入りタイヤの接地面を構成するキャップトレッドゴムの20℃における硬度(Hs cap)と、前記ランフラットライナーの20℃における硬度(Hs RFL)とが、下記式を満たす
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
0.50≦(Hs cap)/(Hs RFL)≦1.10 - 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記ブタジエンゴムの配合割合が30〜90質量部であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合が40〜80質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ランフラットライナーが、カーカス層とインナーライナー層との間に配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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