JP7348490B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
また空気入りタイヤにおけるショルダー部の発熱を低減し、耐久性を改良するため、ベルト層のタイヤ幅方向端部とカーカス層との間に、ベルトクッションゴムが配置される。
すなわち本発明は以下の通りである。
前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムの割合が90質量部以上であり、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合量が40~70質量部であり、かつ
前記キャップトレッドゴムの100℃における破断応力(TB cap)と破断伸び(EB cap)の積と、ベルトクッションゴムの100℃における300%モジュラス(M300 BC)との比が下記式を満たす
ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
1000≦{(TB cap)×(EB cap)}/(M300 BC)≦2000
2.前記キャップトレッドゴムの100℃における破断応力(TB cap)と破断伸び(EB cap)の積と、ベルトクッションゴムの100℃における300%モジュラス(M300 BC)との比が下記式を満たすことを特徴とする前記1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
1100≦{(TB cap)×(EB cap)}/(M300 BC)≦1900
図1は、本発明の重荷重用空気入りタイヤ(以下、単に空気入りタイヤと言うことがある)の一例の子午線断面図である
図1において、空気入りタイヤTは、タイヤ接地面を構成するキャップトレッド部1、サイドウォール部2およびビード部(図示せず)からなり、トレッド部1のタイヤ幅方向外側からサイドウォール部2のタイヤ径方向外側にかけての領域をショルダー部3という。空気入りタイヤTの内部には、タイヤの骨格たるカーカス層4が、ビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている(図示せず)。カーカス層4のタイヤ径方向外側には、複数のベルト層5が設けられている(図示の例では4層のベルト層)。またカーカス層4の内側には、インナーライナー層6が配置される。またベルト層5のタイヤ幅方向外側端部とカーカス層4との間およびそのタイヤ幅方向外側のショルダー部3にベルトクッション7を有する。
なお、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向を指す。またタイヤ径方向とは空気入りタイヤの回転軸と直交する方向を指す。
すなわち、本発明におけるキャップトレッドゴムは、少なくともジエン系ゴムおよび窒素吸着比表面積(N2SA)が100m2/g以上のカーボンブラックを含み、前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)の割合が90質量部以上であり、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合量が40~70質量部である。
(1)前記ジエン系ゴムは、すべてNRおよび/またはIRからなるのが好ましい。
(2)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合は35~70質量部が好ましい。
(3)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は100~150m2/gが好ましく、110~140m2/gがさらに好ましい。
なお窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのベルトクッションゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
例えば前記その他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
前記(TB cap)および(EB cap)は、JIS K6251に準拠して引張試験にて100℃で測定される(TBの単位はMPa、EBの単位は%である)。
前記(M300 BC)は、JIS K6251(3号ダンベル使用)に準拠して100℃にて引張り試験を実施し、300%変形モジュラス(MPa)を求めることにより測定される。
また本発明において、(EB cap)は、400~700%が好ましく、450~650%がさらに好ましい。
また本発明において、(M300 BC)は、5~10MPaが好ましく、6~9MPaがさらに好ましい。
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種キャップトレッドゴム組成物を得た。
耐チッピング性:前記試験車両を用い、不整路面を7割程度含んだ周回路(一周:1.0km)を平均時速50kmにて10周走行させ、走行後のタイヤにおけるトレッド面を観察してブロック欠けの発生数を調査した。結果は、5段階の相対評価で示した。「3」点を基準とし、点数が高いほどブロック欠けの発生数が少なく、耐チッピング性に優れることを意味する。
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック1(キャボットジャパン社製商品名ショウブラックN134、N2SA=140m2/g)
*4:カーボンブラック2(キャボットジャパン社製商品名ショウブラックN234、N2SA=118m2/g)
*5:カーボンブラック3(キャボットジャパン社製商品名ショウブラックN550、N2SA=42m2/g)
*6:ステアリン酸(千葉脂肪酸(株)製工業用ステアリン酸N)
*7:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*8:老化防止剤(精工化学(株)製オゾノン6C)
*9:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS-P)
比較例1は、NRの配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットトラクション性および耐チッピング性を同時に高めることができない。
比較例2は、カーボンブラックの配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットトラクション性は優れるものの、耐チッピング性が悪化した。
比較例3は、カーボンブラックの配合割合が本発明で規定する上限を超えているので、ウェットトラクション性および耐チッピング性を同時に高めることができない。
比較例4は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が本発明で規定する範囲外であるので、ウェットトラクション性は優れるものの、耐チッピング性が悪化した。
比較例5は、{(TB cap)×(EB cap)}/(M300 BC)が本発明で規定する上限を超えているので、ウェットトラクション性は優れるものの、耐チッピング性が悪化した。
比較例6は、{(TB cap)×(EB cap)}/(M300 BC)が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットトラクション性が悪化した。
2 サイドウォール部
3 ショルダー部
4 カーカス層
5 ベルト層
6 インナーライナー層
7 ベルトクッション
Claims (2)
- タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムと、タイヤの骨格をなすカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外側に設けられた複数のベルト層とを備えた重荷重用空気入りタイヤにおいて、
前記ベルト層のタイヤ幅方向外側端部と前記カーカス層の間およびそのタイヤ幅方向外側にはベルトクッションゴムが設けられ、
前記キャップトレッドゴムが、少なくともジエン系ゴムおよび窒素吸着比表面積(N2SA)が100m2/g以上のカーボンブラックを含み、
前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムの割合が90質量部以上であり、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合量が40~70質量部であり、かつ
前記キャップトレッドゴムの100℃における破断応力(TB cap)と破断伸び(EB cap)の積と、ベルトクッションゴムの100℃における300%モジュラス(M300 BC)との比が下記式を満たす
ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
1000≦{(TB cap)×(EB cap)}/(M300 BC)≦2000
(ただし、(TB cap)の単位はMPa、(EB cap)の単位は%、(M300 BC)の単位はMPaである。) - 前記キャップトレッドゴムの100℃における破断応力(TB cap)と破断伸び(EB cap)の積と、前記ベルトクッションゴムの100℃における300%モジュラス(M300 BC)との比が下記式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
1100≦{(TB cap)×(EB cap)}/(M300 BC)≦1900
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