JP7263940B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
ビード部はビードコアとその外周上の断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラーとを備えてなる。
すなわち本発明は以下の通りである。
前記ビードフィラーは、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30~90m2/gのカーボンブラックを40~70質量部含み、かつ前記ジエン系ゴム100質量部中、前記天然ゴムの配合割合が40質量部以下であり、
前記キャップトレッドゴムの100%モジュラス(M100 cap)と、前記ビードフィラーの100%モジュラス(M100 BF)とが、(M100 cap)×(M100 BF)≦22(MPa) を満たし、かつ
ビードフィラー高さとタイヤ断面高さの比である(ビードフィラー高さ)/(タイヤ断面高さ)が、0.2~0.7である
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
2.前記ビードフィラーの60℃におけるtanδ(60℃)が、0.1未満であることを特徴とする前記1に記載の空気入りタイヤ。
3.前記ビードフィラーの100%モジュラス(M100 BF)が、5.0(MPa)以上であることを特徴とする前記1または2に記載の空気入りタイヤ。
4.前記キャップトレッドゴムの100%モジュラス(M100 cap)が、1.0~4.0(MPa)であることを特徴とする前記1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明の空気入りタイヤに用いられるビードフィラーは、タイヤ径方向内側のビード部に設けられ、ビードコアの外周上の断面三角形状のゴム組成物からなることができる。タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に直交する方向であり、タイヤ径方向内側とはタイヤ回転軸に近づく方法を指す。
本発明では、ビードフィラーの組成が特定される。すなわち、前記ビードフィラーは、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30~90m2/gのカーボンブラックを40~70質量部含み、かつ前記ジエン系ゴム100質量部中、前記天然ゴムの配合割合が40質量部以下である。
(1)前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、40~60質量部が好ましい。この範囲によれば、さらなる低発熱化および高強度を両立できる。
(2)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は30~50m2/gが好ましい。なおカーボンブラックは2種類以上をブレンドして用いてもよい。
(3)前記天然ゴムの割合は、前記ジエン系ゴム100質量部中、10~30質量部が好ましい。この範囲によれば、さらなる高荷重耐久化および高強度を両立できる。
(4)前記ブタジエンゴムの割合は、前記ジエン系ゴム100質量部中、60~90質量部が好ましい。更には65~85質量部が好ましい。
なお窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのキャップトレッドゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
例えばその他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
タイヤ断面高さSHは、タイヤを正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した無負荷状態のタイヤの外径とリム径との差の1/2である。
ここで、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.6リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種ビードフィラー(BF)を得た。
またビードフィラーの60℃におけるtanδ(60℃)は、JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で測定した。
また、(ビードフィラー高さBH)/(タイヤ断面高さSH)を測定した。
結果を表1に示す。
5:「3」点に対し、乗り心地に顕著な向上が見られる。
4:「3」点に対し、乗り心地に向上が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、乗り心地に劣っていた。
1:「3」点に対し、乗り心地に顕著に劣っていた。
5:「3」点に対し、ロードノイズに顕著な改善が見られる。
4:「3」点に対し、ロードノイズに改善が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、ロードノイズが感じられる。
1:「3」点に対し、ロードノイズが顕著に感じられる。
*2:BR1(宇部興産(株)製UBEPOL412、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン)
*3:BR2(日本ゼオン(株)製NIPOL BR 1220)
*4:カーボンブラックCB(キャボットジャパン社製ショウブラックN550、N2SA=40m2/g)
*5:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*6:ステアリン酸(日新理化(株)製ステアリン酸50S)
*7:老化防止剤(FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD)
*8:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスNH-70S)
*9:加硫促進剤(三新化学工業(株)製NS-G)
*10:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT-20、硫黄含有量=80質量%)
比較例2では、NRの配合量および(ビードフィラー高さ)/(タイヤ断面高さ)が本発明で規定する上限を超えているので、ロードノイズおよび乗り心地に改善が見られなかった。
上記実施例1~4および比較例1~2において、製造した空気入りタイヤのサイヤサイズを195/65R15、リムサイズ15x6J,空気圧230kPaとしたこと以外は、上記例を繰り返した。結果を表2に示す。
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
Claims (4)
- タイヤ径方向内側のビード部に設けられたビードフィラーと、タイヤ接地面を構成するキャップトレッドゴムと、を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ビードフィラーは、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30~90m2/gのカーボンブラックを40~70質量部含み、かつ前記ジエン系ゴム100質量部中、前記天然ゴムの配合割合が40質量部以下であり、
前記キャップトレッドゴムの100%モジュラス(M100 cap)と、前記ビードフィラーの100%モジュラス(M100 BF)とが、(M100 cap)×(M100 BF)≦22(MPa) を満たし、かつ
ビードフィラー高さとタイヤ断面高さの比である(ビードフィラー高さ)/(タイヤ断面高さ)が、0.2~0.7である
ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ビードフィラーの60℃におけるtanδ(60℃)が、0.1未満であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ビードフィラーの100%モジュラス(M100 BF)が、5.0(MPa)以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記キャップトレッドゴムの100%モジュラス(M100 cap)が、1.0~4.0(MPa)であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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