JP2969293B2 - メカニカルデスケーリング性に優れた軟鋼線材の製造法 - Google Patents

メカニカルデスケーリング性に優れた軟鋼線材の製造法

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JP2969293B2 JP3081089A JP8108991A JP2969293B2 JP 2969293 B2 JP2969293 B2 JP 2969293B2 JP 3081089 A JP3081089 A JP 3081089A JP 8108991 A JP8108991 A JP 8108991A JP 2969293 B2 JP2969293 B2 JP 2969293B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メカニカルデスケーリ
ング性に優れた軟鋼線材の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軟鋼線材はJISG3505で規定され
た化学成分の鋼線材であり、線材熱間圧延後空冷又は衝
風冷却して線材とし、その後酸洗又はメカニカルデスケ
ーリングにより鋼表面に付着したスケールを除去し、更
に表面潤滑処理の後、伸線、平圧、鍛造等の加工を施し
てワイヤ、ステープル、ネジ等の製品となる。
【0003】鋼線材のスケール除去には前記の通り、酸
洗法とメカニカルデスケーリング法とがある。
【0004】酸洗法はスケール除去が十分に行なえるた
め広く採用されているが、酸を用いるため公害等の問題
を生じる場合があるので、メカニカルデスケーリング法
採用の要請がある。
【0005】メカニカルデスケーリングは多ロールで線
材に曲げ加工を加えてスケールを除去する方法で、メカ
ニカルデスケーリング性を支配する因子はスケールの組
織、密度、構造、スケール中の亀裂、スケールの厚さ等
である。
【0006】メカニカルデスケーリング性の良い線材を
製造するには、圧延後高温で線材を捲取りFeO組成の
スケールの生成を促進させ、その後の冷却速度を上げて
Fe3 4 組成のスケールの発生を防止することが必要
である。
【0007】特開昭52−33818号公報では、スケ
ール剥離性の向上をねらって圧延後のステルモアライン
での冷却を6℃/sの速度で行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冷速を上げた
場合オーステナイト−フェライト変態速度が上昇し、フ
ェライト粒径の微細化により線材の引張強度が上昇す
る。
【0009】軟鋼線材では、引張強度が上昇すると被加
工材の変形抵抗が著しく増大して工具寿命を短命化し、
鍛造機の稼働率ひいては生産能力が低下することとな
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、C:
0.15wt%以下、Si:0.05wt%以下、
n:0.5wt%以下、Al:0.01〜0.08wt
%を含有し残部がFeおよび不可避的不純物からなる組
成の鋼片を用いて、加熱温度900〜1000℃の範囲
で加熱し、線材の仕上圧延速度60m/s以上、仕上温
度950〜1100℃で圧延し、その後の捲取温度を8
70〜930℃とし、850℃〜600℃までの1次冷
却速度を0.5〜2℃/sの範囲、600℃〜350℃
までの2次冷却速度を10〜25℃/sの範囲で冷却す
ることを特徴とするメカニカルデスケーリング性に優れ
た軟鋼線材の製造法である。
【0011】
【作用】本発明は、線材圧延後の捲取温度、及び850
〜600℃までの一次冷却速度と600℃〜350℃
までの2次冷却速度をコントロールすることによってメ
カニカルデスケーリング性の良いスケールを生成させ、
なおかつ引張強度の低い軟鋼線を製造する。
【0012】つまり、線材圧延後の捲取を高温で行なう
ことにより剥離性の良いFeO組成のスケールが生成
し、また850℃〜600℃までの一次冷却速度を低く
抑えることにより引張強度の低減がはかられ、600℃
〜350℃までの2次冷却速度をあげることにより剥離
性の悪いスケールの発生を防ぐことができる。これによ
り、メカニカルデスケーリング性に優れた引張強度の低
い軟鋼線材が得られる。
【0013】本発明における軟鋼線材の限定理由につい
て述べる。
【0014】Cは鋼の強度と延性を支配する基本的な元
素であり、低炭素化するほど軟質化し延性は向上する。
上限は加工性を劣化させない限界である0.15wt%
とした。
【0015】Siは鋼の強度を上昇させる元素であり、
また加工により延性を低下させる元素である他に、軟鋼
線材の様にSiが少量添加されている場合はスケールの
生成量とメカニカルデスケーリング性を支配する成分で
ある。Si量が増加するほどスケール生成量は減少し、
メカニカルデスケーリング性は悪くなる傾向が見られ
る。したがって、スケール厚さ及び剥離性を均一状態と
することがメカニカルデスケーリング性の向上に効果的
である。そのため上限は0.05wt%とした。
【0016】Mnは脱酸元素であるとともに鋼に固溶し
て強化する元素であり、加工硬化を低くするためには低
い方が望ましい。上限は加工性を劣化させない限界とし
て0.5wt%とした。
【0017】Alは鋼の脱酸元素として知られている
他、鋼中のNと結合してオーステナイト結晶粒の粗大化
を阻止する元素である。しかし、Alを大量に添加する
と鋼中のSi量を低く抑えることが困難となるためと、
更にAlそのものもメカニカルデスケーリング性をやや
悪くするため低い方が望ましい。したがって、上限はメ
カニカルデスケーリング性を悪くしない限界である0.
08wt%とした。一方下限は特に限定しないが、脱酸
の限界として0.01wt%とした。
【0018】線材圧延における加熱温度は鋼片の成分を
均一に固溶させるとともに圧延中の鋼材の温度に影響を
与える。下限はオーステナイト化温度以上で鋼片を均一
に固溶させ、かつ圧延中の鋼材温度をA1 変態点以上に
確保するため900℃とした。上限は脱炭層の量を低く
抑えるために1000℃とした。
【0019】線材圧延の仕上温度は組織のオーステナイ
ト結晶粒度に大きな影響を与える。線材の仕上圧延工程
においては、加工発熱により鋼材温度が上昇する。粗粒
のオーステナイト結晶粒を得るために下限は950℃と
した。また、上限は線材圧延設備の制限により1100
℃とした。
【0020】線材圧延における捲取温度は生成するスケ
ール組成を決める重要な因子である。このことを本発明
者等は実験的に求めた。その内容は図1および図2に示
すように、捲取温度が上昇するにしたがいスケール生成
量が増加し、メカニカルデスケーリング性が向上してい
ることがわかる。剥離性の良いスケールを生成させるた
め捲取温度の下限は870℃とした。上限は冷却設備の
制約から930℃とした。
【0021】線材圧延における850℃〜600℃まで
の一次冷却速度はオーステナイト−フェライト変態時の
フェライト粒径を決めるもので、低く抑えることにより
粒径を粗大にし、線材の引張強度を低減させることがで
きる。上限は加工性を得るフェライト粒組織を得るため
に2℃/sとし、下限は圧延設備の制約から0.5℃/
sとした。
【0022】また、600℃〜350℃までの2次冷却
速度はFeO→Fe+Fe3 4 反応の速度を決定する
もので、下限はFe34 組成のメカニカルデスケーリ
ング性が悪いスケールの生成を防ぐことができる限界と
して10℃/s、上限は冷却設備の制約から25℃/s
とした。
【0023】
【実施例】低炭素鋼を250トン転炉で溶製し、脱ガス
処理設備を用いて脱炭ならびに成分調整を行ない、連続
鋳造設備により300×500mm鋳片とし、さらに1
22mm角断面の鋼片を製造した。
【0024】表1に供試鋼の化学成分を示す。
【0025】表1のA〜Dは本発明鋼の例、E、Fは比
較鋼の例である。
【0026】E鋼はC量が上限以上、F鋼はMn量が上
限以上である。
【0027】これらの鋳片を分塊圧延でビレット製造
後、鋼片を表2に示す線材圧延条件で直径5.5mmの
線材に圧延し、ステルモア冷却を行なった。
【0028】引張試験はJISZ2201の2号試験片
を用い、JISZ2241記載の方法で行なった。
【0029】メカニカルデスケーリング性の評価は、リ
バースベンディング法でスケールを除去した後、試料重
量に対するスケール量の百分率で表示した。
【0030】このようにして得られた特性値を表2に合
わせて示す。
【0031】No. 5〜No. 13は比較例である。
【0032】No. 5は加熱温度が低すぎたため仕上圧延
温度が低下し、フェライト結晶粒が微細となり引張強度
が上昇した。
【0033】No. 6は仕上圧延温度が低すぎたためにフ
ェライト結晶粒が微細となり、引張強度が上昇した。
【0034】No. 7は捲取温度が低すぎたためにスケー
ル剥離が悪化し、メカニカルデスケーリング性が低下し
た。
【0035】No. 8は1次冷却速度が速すぎたためにフ
ェライト結晶粒が微細化し、引張強度が上昇した。
【0036】No. 9は2次冷却速度が遅すぎたために剥
離性の悪いFe3 4 が発生し、メカニカルデスケーリ
ング性が劣化した。
【0037】No. 10はC量が高すぎたため引張強度が
上昇した。
【0038】No. 11はMn量が高すぎたため引張強度
が増加した。
【0039】
【0040】
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明法により製造さ
れた線材は、従来法にくらべてより一段とメカニカルデ
スケーリング性が改善されており、これにより伸線前処
理に行なうスケール除去を容易化することができ、かつ
安価な軟鋼線材の製造を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】線材圧延後の捲取温度とスケール生成量の関係
を示す図である。
【図2】線材圧延後の捲取温度とメカニカルデスケーリ
ング後の残留スケール量の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 吉雄 千葉県君津市君津1 新日本製鐵株式会 社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭60−135521(JP,A) 特開 昭59−56531(JP,A) 特開 昭52−10829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/06 C21D 9/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.15wt%以下、Si:0.0
    5wt%以下、Mn:0.5wt%以下、Al:0.0
    1〜0.08wt%を含有し残部がFeおよび不可避的
    不純物からなる組成の鋼片を用いて、加熱温度900〜
    1000℃の範囲で加熱し、線材の仕上圧延速度60m
    /s以上、仕上温度950〜1100℃で圧延し、その
    後の捲取温度を870〜930℃とし、850℃〜60
    0℃までの1次冷却速度を0.5〜2℃/sの範囲、6
    00℃〜350℃までの2次冷却速度を10〜25℃/
    sの範囲で冷却することを特徴とするメカニカルデスケ
    ーリング性に優れた軟鋼線材の製造法。
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JP4980471B1 (ja) 2011-01-07 2012-07-18 株式会社神戸製鋼所 鋼線材及びその製造方法
CN103667882B (zh) * 2013-12-26 2016-06-29 马钢(集团)控股有限公司 一种高塑性焊接气瓶用钢热轧板卷及其生产工艺

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