JP2967246B2 - 熱転写プリンタのインクフィルム張力制御装置 - Google Patents

熱転写プリンタのインクフィルム張力制御装置

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JP2967246B2
JP2967246B2 JP22563091A JP22563091A JP2967246B2 JP 2967246 B2 JP2967246 B2 JP 2967246B2 JP 22563091 A JP22563091 A JP 22563091A JP 22563091 A JP22563091 A JP 22563091A JP 2967246 B2 JP2967246 B2 JP 2967246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写プリンタのイン
クフィルム張力制御装置に係り、特に、インクフィルム
の巻径の変化の張力への影響を排除する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、記録時のインクフィルムに所定
の張力を与えるため、インクフィルムの巻き取り側リー
ルではすべりクラッチを介して駆動する一方、供給側で
はブレーキ機構を用いていた。また、インクフィルムを
キャプスタンローラにより駆動し、トルクを一定に制御
し、インクフィルムの張力を制御する方式も知られてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱転写プリンタにおい
て、インクフィルムを巻いてあるリールの径は、インク
フィルムの消費とともに変化する。上記従来の方法で
は、リールの巻径およびサーマルヘッドとインクフィル
ムとの摩擦力が変化すると、インクフィルムの張力も変
化する。また、インクの転写量によっても、インクフィ
ルムと記録紙との剥離力が変化する。その結果、記録時
にインクフィルムにシワが発生するとともに速度変動が
生じ、記録濃度が変動する問題があった。
【0004】本発明の目的は、インクフィルムを巻いて
あるリールの径がインクフィルムの消費とともに変化し
ても、インクフィルムの張力を所定値に保持でき、記録
濃度を一定に保つことが可能な熱転写プリンタのインク
フィルム張力制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、熱転写プリンタのインクフィルム供給側
Sリールの回転に応じて発生したパルス信号の周期Ts
を検出する手段と、インクフィルム巻き取り側Tリール
の回転に応じて発生したパルス信号の周期Ttを検出す
る手段と、SリールとTリールのパルス信号の周期Ts
とTtとの比に基づいてSリールとTリールの巻径Rsと
Rtを算出し、巻径RsとRtに応じて記録位置と両リー
ルと間のインクフィルムの張力を一定にするための両リ
ールのトルクを算出する演算手段と、算出したトルクに
基づいて両リールのトルクを制御する手段とからなる熱
転写プリンタのインクフィルム張力制御装置を提案す
る。
【0006】基本的には、インクフィルムセット動作を
利用して、パルス信号の周期TsとTtを検出するが、こ
れに代えて、プリント開始時にインクフィルム供給側S
モータおよびインクフィルム巻き取り側Tモータをそれ
ぞれの初期設定電流IIsとIItとで駆動する手段を備
えることもできる。
【0007】この場合は、2回目以降のプリント時に、
前回のトルク制御に用いた電流IsおよびItを記憶する
手段を設け、2回目以降のプリント時に、前回のトルク
制御に用いた電流IsおよびItを設定電流として上記駆
動,検出,算出,制御の手順を再開する方式を採用す
る。
【0008】本発明は、また、上記目的を達成するため
に、熱転写プリンタのインクフィルム供給側Sリール
回転に応じて発生したパルス信号の周期Tsを検出する
手段と、インクフィルムをサーマルヘッドに押圧しつつ
回転するプラテンローラのパルス信号の周期TpとSリ
ールのパルス信号の周期Tsに基づいてSリールとイン
クフィルム巻き取り側Tリールの巻径RsとRtを算出
し、巻径RsとRtに応じて記録位置と両リールと間のイ
ンクフィルムの張力を一定にするための両リールのトル
クを算出する演算手段と、算出したトルクに基づいて両
リールのトルクを制御する手段とからなる熱転写プリン
タのインクフィルム張力制御装置を提案する。
【0009】熱転写プリンタのインクフィルム供給側S
リールの回転に応じて発生したパルス信号の周期Tsを
検出する手段に代えて、インクフィルム巻き取り側Tリ
ールの回転に応じて発生したパルス信号の周期Ttを検
出する手段を用いてもよい。
【0010】いずれの場合も、張力制御装置の演算手段
で算出した巻径RsまたはRtに基づいて、インクフィル
ムの残量または使用量を表示する手段を設けることが可
能である。
【0011】
【作用】本発明においては、転写前のインクフィルムを
巻いてあるSリールと転写後のインクフィルムを巻き取
るTリールとにパルスエンコーダを取り付け、パルス周
期TsとTtとを計測し、これらの計測値TsとTtとをマ
イクロコンピュータに取り込み、パルス周期TsとTtと
の比に基づいてSリールの巻径RsとTリールの巻径Rt
とを算出する。さらに巻径RsとRtとに基づいてインク
フィルムの張力を一定に保つために各リールを駆動すべ
きモータのトルクを算出し、SリールとTリールのトル
クを制御し、インクフィルムの張力を一定に制御する。
【0012】また、プラテンローラは所定周期Tpで駆
動されているから、インクフィルムを搬送しその時のS
リールまたはTリールのパルス周期TsまたはTtを計測
すれば、プラテンローラは所定周期TpとSリールまた
はTリールのパルス周期TsまたはTtのいずれか一方と
からマイクロコンピュータの演算によりSリールの巻径
RsとTリールの巻径Rtとを求め、その後は、上述と同
様な操作で、インクフィルムの張力を一定に制御しても
よい。
【0013】さらに、摩擦力および剥離力の変化につい
ては、各リールの現実のトルクを検出し、トルクが一定
になるように制御する制御ループを併せて採用する。
【0014】さて、リールに巻かれたインクフィルムの
断面積をπR2とし、SリールとTリールのパルスエン
コーダの1回転のパルス数をNsとNtとし、測定したパ
ルス周期をTsとTtとすれば、SリールとTリールの巻
径RsとRtは、マイクロコンピュータの演算により、数
式1,2 Rs=R/√α α=1+(NtTt/NsTs)2 ……………(1) Rt=√β β=R2−Rs2 ……………………………(2)で求められる。(詳細は、実施例の説明で述べる。)
モータとTモータのトルク定数をKs,Kt、またSリー
ルとTリールの張力をFs,Ftとすれば、SリールとT
リールの電流値Is,Itは、マイクロコンピュータの演
算により、数式3,4 Is=(Fs/Ks)・Rs …………………(3) It=(Ft/Kt)・Rt …………………(4)で求められる。
【0015】したがって、SモータとTモータの電流値
をIs,Itに制御すれば、一定の張力Fs,Ftが得られ
る。
【0016】また、プラテンローラの径をRp,1回転
をNpステップとし、駆動周期Tpで回転させて、インク
フィルムを搬送し、その時のSリールのパルス周期をT
sとすれば、巻径RsとRtとは、マイクロコンピュータ
の演算により、数式5,2 Rs=(NsTs/NpTp)・Rp …………(5) Rt=√β β=R2−Rs2 ……………………………(2)で求められる。
【0017】それ以降は、上述と同様の操作により、イ
ンクフィルムの張力を一定に制御できる。
【0018】また、摩擦力と剥離力との変化に対して
は、各リールの現実のトルクを検出して、トルクが一定
になるように制御するループも併せて採用しているの
で、摩擦力および剥離力が変化しても、インクフィルム
の張力を一定に制御できる。
【0019】
【実施例】次に、図面を参照して、本発明による熱転写
プリンタのインクフィルム張力制御装置の実施例を説明
する。
【0020】図1は、熱転写プリンタのインクフィルム
張力制御装置の実施例の全体構成を示す系統図である。
まず、インクフィルム搬送機構の構成を説明する。イン
クフィルム供給側リール(Sリール)22に巻かれてい
るインクフィルム21は、ガイドローラ19を介して送
り出され、サーマルヘッド5とプラテンローラ26との
間を通り、インク巻き取り側リール(Tリール)6に巻
き取られる。ここでは、Sリールの回転中心からインク
フィルムの外周までの半径すなわち巻径を24、回転方
向を23で示す。また、Tリールの回転中心からインク
フィルムの外周までの半径すなわち巻径を7、回転方向
を8で示す。
【0021】サーマルヘッド5は、発熱体18を形成し
たセラミック基板13をヘッドベース9に固定したもの
である。ヘッドベース9には、また、インクフィルム2
1を発熱体18に安定して供給するためのガイドローラ
15が、固定板14により取り付けられている。ヘッド
ベース9には、さらに、記録後の記録紙28とインクフ
ィルム21とを剥離するための剥離ローラ16が、回転
軸17を支える取り付け板10により取り付けられてい
る。取り付け板10は、回転軸11を中心として、剥離
ローラ16をプラテンローラ26に押し付ける方向に、
ばね12により引かれている。
【0022】サーマルヘッド5のヘッドベース9は、ヘ
ッド支持棒2で支持されている。ヘッド支持棒2は、軸
受3を介してヘッド押圧機構1に取り付けられ、ばね4
の力を受けながら、図の上下方向にスライドできるよう
になっている。サーマルヘッド5をプラテンローラ26
に押し付ける場合は、ヘッド押圧機構1を下向きに移動
させ、ばね4を介して押圧する。一方、サーマルヘッド
5をプラテンローラ26から離す場合は、ヘッド押圧機
構1を上向きに移動させ、サーマルヘッド5を持ち上げ
る。プラテンローラ26は、金属の芯にゴム等を付着さ
せたローラである。その半径を25、回転方向を27と
する。
【0023】Sリール22とTリール6は、DCモータ
32等からなるSモータ32とTモータ29とにより駆
動する。その回転は、パルスエンコーダ33,30で検
出する。プラテンローラ26はステッピングモータ31
で駆動する。
【0024】なお、プラテンローラ26を駆動して記録
紙28を移動させる代りに、記録紙28をローラ対で挟
持し、このローラをステッピングモータで駆動して記録
紙28を移動させるように構成することもできる。
【0025】ここで、記録前に、ある色のインクフィル
ムを所定の記録位置に設定するインクセット動作を説明
する。サーマルヘッド5をプラテンローラ26から離
し、Sリール22とTリール6とを図1に示す方向に回
転させ、インクマーク検出センサ20によりインクマー
クを検出し、ある色のインクフィルムを所定の記録位置
に設定する。
【0026】記録動作を説明する。インクフィルム21
と記録紙28をサーマルヘッド5とプラテンローラ26
で挾み加圧した状態で、発熱体18を発熱させ、インク
フィルム21に塗布したインクを溶融または昇華させ、
記録紙28に付着させる。その後、剥離ローラ16によ
り、記録紙28とインクフィルム21とを分離する。こ
の場合、Sリール22,Tリール6,プラテンローラ2
6は、図1に示す方向に回転する。
【0027】なお、Sリール22とプラテンローラ26
との間およびTリール6とプラテンローラ26との間
で、インクフィルム21に所定の張力を発生させるため
に、Sモータ32とTモータ29のトルクを制御するル
ープも併せて採用している。
【0028】インクフィルムの消費に従ってリールの巻
径が変化すると、張力が変化する。この張力は、サーマ
ルヘッド5とインクフィルム21との間の摩擦力の変化
によっても変動する。また、インクフィルム21と記録
紙28を分離する時の剥離力もインクの転写量によって
変化するので、張力変動の一因になる。そこで、リール
の巻径および記録時のリールのトルク変動を検出し、一
定の張力が得られるように、SリールとTリールのトル
クを制御する。
【0029】次に、張力制御回路の構成を説明する。パ
ルスエンコーダ33,30で検出したSリールとTリー
ルの回転信号は、2値化回路39,38でディジタル量
に変換され、入力ポート45,44を介して、マイクロ
コンピュータ50に取り込まれる。バス46で相互接続
されたCPU47,ROM48,RAM49等からなる
マイクロコンピュータ50は、TリールとSリールの巻
径RsとRtとを算出する。さらに、算出した巻径Rsと
Rtに基づいて、所定の張力を発生するためにSモータ
32,Tモータ29に与える電流値Is,Itを算出し、
出力ポート43,40から出力する。出力ポート43,
40の出力信号は,DCモータドライバ37,34に取
り込まれる。DCモータドライバ37,34は、Sモー
タ32,Tモータ29に流す電流を所定の電流値Is,
Itに制御し、トルクを制御する。
【0030】なお、ステッピングモータ31は、マイク
ロコンピュータ50から出力ポート41を介してステッ
ピングモータドライバ35に出力される指令により制御
される。
【0031】また、インクマーク検出センサ20の検出
信号は、2値化回路36によりディジタル量に変換さ
れ、入力ポート42を介してマイクロコンピュータ50
に取り込まれ、インクセット動作に使用される。
【0032】図2は、マイクロコンピュータ50でなさ
れる張力制御の一実施例を示すフローチャートである。 ステップ60:処理を開始する。 ステップ61:インクセット動作かどうかを判定する。
インクセット動作なら、ステップ62に進む。 ステップ62:サーマルヘッドをプラテンローラから離
す。 ステップ63:Sモータへの通電を停止し、Sリールを
自由回転にする。Tモータに電圧を印加し、Tリールを
一定量回転させる。 ステップ64:SリールとTリールのエンコーダパルス
の周期TsとTtを計測する。 ステップ65:インクマーク検出センサで指定したイン
クの色マークを検出し、インクマークを検出したら、ス
テップ66に進む。 ステップ66:Sモータを停止させ、Tモータを停止さ
せる。 ステップ67:SリールとTリールのエンコーダパルス
の周期TsとTtからSリールとTリールの巻径RsとRt
を以下の演算により算出する。 リールに巻かれたインクフィルムの断面積をπR2とす
れば、 πRs2+πRt2=πR2 …………………(6) となる。SリールとTリールの角速度をωsとωtとすれ
ば、 Rsωs=Rtωt ……………………………(7) となる。また、SリールとTリールのパルスエンコーダ
の1回転のパルス数をNsとNtとすれば、 ωs=2π/(NsTs) …………………(8) ωt=2π/(NtTt) …………………(9) となる。数式6に数式7,8,9を代入して、Rs Rs=R/√α α=1+(NtTt/NsTs)2 …………(1)を求める。 また、Nt=Nsならば、すなわち、両エンコ
ーダの特性が同じと考えて良い場合は、 Rs=R/√γ γ=1+(Tt/Ts)2 …………………(10) となる。このように、数式1または数式10により、S
リールの巻径Rsを求めることができる。求めたRsを数
式6に代入し Rt=√β β=R2−Rs2 ……………………………(2) より、Tリールの巻径Rtを求めることができる。 ステップ68:SリールとTリールの巻径RsとRtか
ら、インクフィルムの張力FsとFtを一定にするSモー
タとTモータの電流値IsとItを、以下の演算で求め
る。DCモータのトルクは電流に比例することから比例
定数をKs,Ktとすれば、KsIs=RsFsより、 Is=(Fs/Ks)・Rs …………………(3) KtIt=RtFtより It=(Ft/Kt)・Rt …………………(4) SモータとTモータの電流値IsとItを求めることがで
きる。
【0033】ステップ69:プリント動作開始かどうか
を判定する。プリント動作ならばステップ70へ進む。 ステップ70:サーマルヘッドをプラテンローラに加圧
する。 ステップ71:SモータとTモータに流す電流をステッ
プ68で求めたIsとItに制御し、インクフィルムの張
力を一定に保つようにトルクを制御する。 ステップ72:ステッピングモータを駆動し、記録紙と
インクフィルムを搬送する。 1ライン移動ごとにサーマルヘッドを発熱し画像を記録
する。 ステップ73:プリント動作が終了したかどうか判定す
る。終了したならばステップ74に進む。そうでない場
合は、ステップ72〜ステップ73を繰り返し実行す
る。 ステップ74:SモータとTモータを停止する。 ステップ75:サーマルヘッドをプラテンローラより離
す。 ステップ76:処理終了。
【0034】本実施例によれば、リールの巻径が変化し
た場合でも、リールの巻径を検出でき、所定の張力を得
るための各リールのトルクを求めることが可能である。
さらに、リールの現実のトルクを検出し一定に制御する
制御ループも備えている。したがって、リールの巻径が
変化しても、摩擦力,剥離力が変化しても、インクフィ
ルムの張力を所定値に制御できる。
【0035】図3は、マイクロコンピュータ50でなさ
れる張力制御の他の実施例を示すフローチャートであ
る。 ステップ80:処理を開始する。 ステップ81:プリント動作の開始かどうか判定する。
開始ならばステップ82に進む。 ステップ82:サーマルヘッドをプラテンローラに押圧
する。 ステップ83:初期スタートかどうか判定する。初期ス
タートならばステップ84に進む。そうでない場合は、
ステップ85に進む。 ステップ84:SモータとTモータに流す電流を初期値
として与えたIIsとIItに制御し、インクフィルムの
張力を一定に保つトルク制御を行う。 ステップ85:SモータとTモータに流す電流を予め記
憶してあるIsとItに制御し、インクフィルムの張力を
一定に保つトルク制御を行う。 ステップ86:SリールとTリールのエンコーダパルス
の周期TsとTtを計測する。 ステップ87:図2のステップ67と同様の演算を行
い、SリールとTリールの巻径を求める。 ステップ88:図2のステップ68と同様の演算を行
い、一定の張力を得るSモータとTモータの電流値Is
とItを求め記憶する。 ステップ89:SモータとTモータに流す電流をステッ
プ88で求めたIsとItに制御し、インクフィルムの張
力を一定に保つようにトルクを制御する。 ステップ90:ステッピングモータを駆動し、記録紙と
インクフィルムを搬送する。1ライン移動ごとにサーマ
ルヘッドを発熱させ、画像を記録する。 ステップ91:プリント動作が終了したかどうか判定す
る。終了したならばステップ92に進む。そうでない場
合はステップ86〜ステップ91を繰り返し実行する。 ステップ92:SモータとTモータを停止する。 ステップ93:サーマルヘッドをプラテンローラから離
す。 ステップ94:処理終了。
【0036】前記実施例は、例えば1枚のカットシート
にプリントを開始する前に(ステップ69の前に)、S
リールおよびTリールの巻径を算出し、トルクを制御す
る方式であったが、本実施例においては、初期設定電流
値でプリントをとにかくスタートさせ、プリント動作中
にリールの巻径を検出できるので、全体の動作時間を短
縮し、しかも、一定の張力を得るための各リールのトル
クを求めることが可能である。また、リールの現実のト
ルクを一定に制御するループを併せて採用している。し
たがって、リール巻径が変化しても、摩擦力,剥離力が
変化しても、インクフイルムの張力を一定に制御でき
る。
【0037】図4は、マイクロコンピュータ50でなさ
れる張力制御の別の実施例を示すフローチャートであ
る。ステップ100〜ステップ105は、図3のステッ
プ80〜ステップ85と同じ手順である。 ステップ106:プラテンローラを駆動するステッピン
グモータを駆動パルス周期Tpで回転させる。 ステップ107:Sリールのエンコーダパルスの周期T
sを測定する。 ステップ108:ステッピングモータの駆動パルス周期
TpとSリールのエンコーダパルスの周期Tsにより、S
リールとTリールの巻径RsとRtを以下の演算により算
出する。 インクフイルムの断面積をπR2とすれば、 πRs2+πRt2=πR2 …………………(6) となる。プラテンローラの半径をRp、またプラテンロ
ーラとSリールの角速度をωpとωsとすれば、 Rpωp=Rsωs ……………………………(11) となる。また、プラテンローラの1回転のステップ数を
Np,Sリールのパルスエンコーダの1回転のパルス数
をNsとすれば、 ωp=2π/(NpTp) …………………(12) ωs=2π/(NsTs) …………………(13) となる。数式11に数式12,13を代入し、Rs Rs=(NsTs/NpTp)・Rp …………(5) を求める。このように、Sリールの巻径Rsを求めるこ
とができる。また、求めたRsを数式6に代入して、 Rt=√β β=R2−Rs2 ……………………………(2) より、Tリールの巻径Rtを求めることができる。 ステップ109:図2のステップ68と同様の演算を行
い、一定の張力を得るSモータとTモータの電流値Is
とItを求め記憶する。 ステップ110:SモータとTモータに流す電流をステ
ップ109で求めたIsとItに制御し、インクフィルム
の張力を一定に保つトルク制御を行う。 ステップ111:ステッピングモータを駆動し、記録紙
とインクフィルムを搬送する。1ラインごとにサーマル
ヘッドを発熱させ、画像を記録する。 ステップ112:プリント動作が終了したかどうか判定
する。終了したならば、ステップ113に進む。そうで
ない場合はステップ106〜ステップ112を繰り返し
実行する。 ステップ113:SモータとTモータを停止する。 ステップ114:サーマルヘッドをプラテンローラから
離す。 ステップ115:処理終了。
【0038】本実施例によれば、プリント動作中にリー
ルの巻径を検出できるので、所定の張力を得るための各
リールのトルクを求めることが可能である。また、リー
ルの現実のトルクを一定に制御するループも併せて採用
している。したがって、リールの巻径が変化しても摩擦
力,剥離力が変化しても、インクフィルムの張力を一定
に制御できる。
【0039】本実施例では、プラテンローラを駆動する
ステッピングモータの1回転のステップ数をNpを利用
しているので、Sリールのみにパルスエンコーダを取り
付ければよく、図2および図3の方式よりもコストが安
くなる。
【0040】なお、ここではSリールの巻径を検出した
が、Tリールの巻径を検出しても同様の効果が得られる
ことは容易に理解できよう。
【0041】また、数式1,2,3,4,5の関係を予
めルックアップテーブルに記憶しておけば、演算を行う
必要がなく、トルクを迅速かつ正確に制御できる。
【0042】さらに、一定時間TにおけるSリールとT
リールのエンコーダパルス数nsとntを計測し、各リー
ルの巻径を求めることも可能である。すなわち、Ts=
T/ns、Tt=T/ntの関係が成り立つことから、数
式1は、数式15で代用できることになり、 Rs=R/√δ δ=1+(Ntns/Nsnt)2 …………(15)リールの巻径が求められる。
【0043】また、一定時間Tにおけるプラテンローラ
のステップ数をnpとすれば、Tp=T/npの関係が成
り立ち、数式5は、数式16で代用でき、 Rs=(Nsnp/Npns)・Rp …………(16)リールの巻径が求められる。
【0044】図5は、上記いずれかの実施例に付属機構
として用いると便利なインクフィルム使用量表示手段の
一実施例の構成を示すブロック図である。
【0045】本実施例では、マイクロコンピュータ50
内に出力ポート120を増設し、表示部121を外部に
追加する。先のいずれかの実施例で求めたインクフィル
ムの巻径のデータRsまたはRtを用いれば、表示部12
1に残量または使用量を例えば%表示できる。なお、イ
ンクフィルムが終わりの場合は、[インクエンド]等の文
字または記号を表示する。
【0046】また、インクフィルムの厚さをt,リール
の巻芯径をrとすれば、求めたリールの巻径Rsから、
数式17により、 L=π(Rs2−r2)/t ………………(17)残りのインクフィルムの長さLを求められる。 1枚の画
像に使用するインクフィルムの長さをSとすれば、数式
18により、 M=L/S …………………………………(18)残りの枚数Mを求められる。 表示の方法としては、数値
表示、または棒グラフ,円グラフ等の図形表示を採用で
きる。
【0047】なお、上記実施例では、1色のプリント動
作例を示したが、カラープリンタにも使用でき、また、
通電転写方式のプリンタにも応用できる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、インクフィルムの消費
に従って変化する熱転写プリンタのインクフィルムの巻
径を検出できるので、リールの巻径が変化してもインク
フィルムの張力を一定に制御可能である。
【0049】また、インクフィルムの使用量を表示する
機構を付加し、インク交換時期を明示することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱転写プリンタのインクフィルム
張力制御装置の実施例の全体構成を示す系統図である。
【図2】マイクロコンピュータ50でなされる張力制御
の一実施例を示すフローチャートである。
【図3】マイクロコンピュータ50でなされる張力制御
の他の実施例を示すフローチャートである。
【図4】マイクロコンピュータ50でなされる張力制御
の別の実施例を示すフローチャートである。
【図5】インクフィルム使用量表示手段の一実施例の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ヘッド押圧機構 2 ヘッド支持棒 3 軸受 4 ばね 5 サーマルヘッド 6 巻取りリール(Tリール) 7 Tリール巻径 8 Tリール回転方向 9 ヘッドベース 10 取り付け板 11 回転軸 12 ばね 13セラミック基板 14 固定板 15 ガイドローラ 16 剥離ローラ 17 回転軸 18 発熱体 19 ガイドローラ 20 インクマーク検出センサ 21 インクフィルム 22 供給リール(Sリール) 23 回転方向 24 Sリール巻径 25 プラテンローラ径 26 プラテンローラ 27 プラテンローラ回転方向 28 記録紙 29 DCモータ(Tモータ) 30 パルスエンコーダ 31 ステッピングモータ 32 DCモータ(Sモータ) 33 パルスエンコーダ 34 DCモータドライバ 35 ステッピングモータドライバ 36,38,39 2値化回路 37 DCモータドライバ 40,41,43 出力ポート 42,44,45 入力ポート 46 バス 47 CPU 48 ROM 49 RAM 50 マイクロコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 勝美 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 清水 晃 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会 社 日立製作所 東海工場内 (56)参考文献 特開 昭60−157891(JP,A) 特開 昭60−157890(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 33/516 B41J 17/36 B41J 35/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱転写プリンタのインクフィルム供給側
    Sリールの回転に応じて発生したパルス信号の周期Ts
    を検出する手段と、 インクフィルム巻き取り側Tリールの回転に応じて発生
    したパルス信号の周期Ttを検出する手段と、 前記SリールとTリールのパルス信号の周期TsとTtと
    の比に基づいてSリールとTリールの巻径RsとRtを算
    出し、前記巻径RsとRtに応じて記録位置と前記両リー
    ルと間のインクフィルムの張力を一定にするための前記
    両リールのトルクを算出する演算手段と、 算出したトルクに基づいて前記両リールのトルクを制御
    する手段とからなる熱転写プリンタのインクフィルム張
    力制御装置。
  2. 【請求項2】 プリント開始時にインクフィルム供給側
    Sモータおよびインクフィルム巻き取り側Tモータをそ
    れぞれの初期設定電流IIsとIItとで駆動する手段
    と、 前記駆動中に熱転写プリンタのインクフィルム供給側S
    リールのパルス信号の周期Tsを検出する手段と、 前記駆動中にインクフィルム巻き取り側Tリールのパル
    ス信号の周期Ttを検出する手段と、 前記SリールとTリールのパルス信号の周期TsとTtと
    に基づいてSリールとTリールの巻径RsとRtを算出
    し、前記巻径RsとRtに応じて記録位置と前記両リール
    と間のインクフィルムの張力を一定にするための前記両
    リールのトルクを算出する演算手段と、 算出したトルクに基づいて前記両リールのトルクを制御
    する手段とからなる熱転写プリンタのインクフィルム張
    力制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の熱転写プリンタのイン
    クフィルム張力制御装置において、 前回のトルク制御に用いた電流IsおよびItを記憶する
    手段を設け、 2回目以降のプリント時に、前回のトルク制御に用いた
    電流IsおよびItを設定電流として上記駆動,検出,算
    出,制御の手順を再開することを特徴とする熱転写プリ
    ンタのインクフィルム張力制御装置。
  4. 【請求項4】 熱転写プリンタのインクフィルム供給側
    Sリールの回転に応じて発生したパルス信号の周期Ts
    を検出する手段と、 前記インクフィルムをサーマルヘッドに押圧しつつ回転
    するプラテンローラのパルス信号の周期Tpと前記Sリ
    ールのパルス信号の周期Tsとに基づいてSリールとイ
    ンクフィルム巻き取り側Tリールの巻径RsとRtを算出
    し、前記巻径RsとRtに応じて記録位置と前記両リール
    と間のインクフィルムの張力を一定にするための前記両
    リールのトルクを算出する演算手段と、 算出したトルクに基づいて前記両リールのトルクを制御
    する手段とからなる熱転写プリンタのインクフィルム張
    力制御装置。
  5. 【請求項5】 熱転写プリンタのインクフィルム巻き取
    り側Tリールの回転に応じて発生したパルス信号の周期
    Ttを検出する手段と、 前記インクフィルムをサーマルヘッドに押圧しつつ回転
    するプラテンローラのパルス信号の周期Tpと前記Tリ
    ールのパルス信号の周期Ttとに基づいてインクフィル
    ム供給側SリールとTリールの巻径RsとRtを算出し、
    前記巻径RsとRtに応じて記録位置と前記両リールと間
    のインクフィルムの張力を一定にするための前記両リー
    ルのトルクを算出する演算手段と、 算出したトルクに基づいて前記両リールのトルクを制御
    する手段とからなる熱転写プリンタのインクフィルム張
    力制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項に記載
    の熱転写プリンタの張力制御装置の前記演算手段で算出
    した巻径RsまたはRtに基づいて、インクフィルムの残
    量または使用量を表示する手段を設けたことを特徴とす
    る熱転写プリンタ。
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