JPH0811402A - インクシート搬送制御装置 - Google Patents

インクシート搬送制御装置

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JPH0811402A
JPH0811402A JP6152290A JP15229094A JPH0811402A JP H0811402 A JPH0811402 A JP H0811402A JP 6152290 A JP6152290 A JP 6152290A JP 15229094 A JP15229094 A JP 15229094A JP H0811402 A JPH0811402 A JP H0811402A
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ink
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馨 樋口
Hiroshi Ishii
洋 石井
Hiroyuki Hanato
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J33/00Apparatus or arrangements for feeding ink ribbons or like character-size impression-transfer material
    • B41J33/14Ribbon-feed devices or mechanisms
    • B41J33/36Ribbon-feed devices or mechanisms with means for adjusting feeding rate

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  • Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な構造を必要とすることなく、インクシ
ートを安定に搬送できるインクシート搬送制御装置を提
供する。 【構成】 CPU20は感熱ヘッド3とプラテン7によ
りインクシート8と記録用紙9を圧接した状態で記録用
紙9を一定速度で搬送できるようにグリッドモータ6を
駆動制御する。そして、CPU20はインクモータ1を
任意に定めた電圧Vi1で駆動し、そのときのグリッドモ
ータ6に流れる電流値Vg1を測定する。そして、CPU
20は測定した電流値Vg1を元に印字時にインクシート
に所定の張力が発生するような最適なインクモータ1の
駆動電圧Virを求め、電圧Virでインクモータ1を駆動
する。 【効果】 グリッドモータに流れる電流値Vgを測定す
ることによって、印字駆動系の特性を検出するから、簡
単な構成で印字駆動系の制御を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、インクシートを用いて記録用紙
上に印字を行う熱転写プリンタが含んでいるインクシー
ト搬送制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写方式のプリンタは、図10に示す
ように、感熱ヘッド103に対向して、インクシート1
08のインク塗布面側にインクシート108と記録用紙
109を挟んで支持するためのプラテン107が配設さ
れている。上記感熱ヘッド103には、複数の発熱素子
が配列されている。
【0003】そして、感熱ヘッド103とプラテン10
7によってインクシート108と記録用紙109を挟ん
で支持し、かつ、インクシート108と記録用紙109
を適度な圧力を加えて圧接するようになっている。記録
用紙109はグリッドローラ105によって印字方向に
搬送される。そして、インクシート108は巻取りロー
ル102によって矢印A方向に巻き取られる。その間、
感熱ヘッド103には記録情報に基づく電気的エネルギ
ーが加えられて、抵抗体である発熱素子は電気/熱エネ
ルギー変換により発熱し、インクシート108上のイン
クを溶融または昇華して、インクを記録用紙109上に
転写する。
【0004】ここで、記録用紙109は、記録用紙搬送
モータ106(以下、グリッドモータ106と記す)に駆
動されたグリッドローラ105によって定速搬送されて
おり、インクシート108には適度の張力が要求され
る。
【0005】また、インクシート108の搬送は、記録
用紙109の搬送に助けられるものの、感熱ヘッド10
3との間に発生する摩擦力および供給ロール側の張力に
打ち勝つために、インクシート108はインクシート搬
送用モータ101(以下、インクモータ101と記す)が
駆動する巻取りロール102によって巻き取ることが必
要である。
【0006】ところで、インクシート108の張力が強
すぎると、インクシート108の走行速度が記録用紙1
09の走行速度を越えてしまうので、インクシート10
8が記録用紙109の搬送速度に影響を及ぼして、印字
品位の低下を招くだけでなく、最悪の場合インクシート
108の破断を起こしかねない(上限張力:Fmax)。
【0007】反対に、インクシート108の張力が弱す
ぎるとインクシート108に弛みが発生して、印字時の
インクシート108の皺として印字品位を落とすことに
なる(下限張力:Fmin)。
【0008】そこで、巻取りロール102に定トルク機
構117を組み込んで、任意の一定トルクで巻取りロー
ル102を駆動している。
【0009】ところが、インクシート108にかかる張
力F1は、F1=T/r(T: 巻取りロールのトルク、r:
巻取り径)の関係にある。したがって、インクシート1
08が巻き取られるにつれて、巻取りロール102の巻
取り径が大きくなり、インクシート108の巻始め(r0)
と巻終わり(rn)ではインクシート108の張力F1はT
/r0からT/rnへと変化する。
【0010】この巻取り径によるインクシート108の
張力の変動量は、印字品位に影響のない範囲(Fmin<F
1<Fmax)に設定する必要があるが、環境の変化に伴う
特性の変化によっては影響を及ぼす範囲に入り込む危険
性があるという問題をもっていた。
【0011】また、インクカセットの効率を上げるため
に供給ロール104へのインクシート108の巻量を増
加するほど、巻取り径によるインクシート108の張力
の変動量も増加するから、上記危険性が一層大きくなる
といった問題点もあった。
【0012】そこで、上記問題を解決するために、従来
種々の方法が提案されてきた。たとえば、巻取りロール
の駆動系にこの駆動系と同期したパルス発生器を設け、
このパルス発生器が発生したパルスに基づいてインクシ
ートの巻き取り径を算出し、算出した巻き取り径に適し
た駆動力を巻取りロールに与えることにより、インクシ
ートの巻き取り径の変化に伴うインクシートの張力変動
を補正して張力変動を抑える制御を行うようにしたもの
が提案されている(実開平5−60195)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、パルス発生器が必要であるから、構造が複雑になる
という欠点がある。
【0014】また、上記従来例では、環境変化によるモ
ータの負荷変動およびモータ自体の劣化についてはなん
ら対応が取れていなかった。
【0015】そこで、この発明の発明の目的は、複雑な
構造を必要とすることなく、インクシートの張力を所定
の値にすることができ、インクシートを安定に搬送する
ことができて、印字品位を向上させることができるイン
クシート搬送制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、インクシートに塗布されている
インクを記録用紙上に転写するための印字ヘッドと、上
記印字ヘッドに対向して配設され上記インクシートと記
録用紙を上記印字ヘッドとの間に挟んで支持するプラテ
ンと、上記インクシートを巻き取ることによってインク
シートを搬送するインクシート搬送手段と、上記記録用
紙を搬送する記録用紙搬送手段とを有し、上記インクシ
ート搬送手段はインクシート搬送用DCモータを含んで
おり、上記記録用紙搬送手段は記録用紙搬送用DCモー
タを含んでいるインクシート搬送制御装置において、上
記印字ヘッドとプラテンとによって上記インクシートと
記録用紙とを挟んで圧接した状態で、上記記録用紙を一
定速度で搬送するように上記記録用紙搬送手段を制御す
る第1制御手段と、上記インクシート搬送用DCモータ
を、所定のインクシート駆動電圧で駆動し、このとき
に、上記第1制御手段が上記記録用紙搬送用DCモータ
を駆動して制御している記録用紙駆動電圧もしくは上記
記録用紙搬送用DCモータに流れている記録用紙搬送モ
ータ電流を測定する測定手段と、上記インクシート搬送
用DCモータを駆動する所定のインクシート駆動電圧
と、上記記録用紙搬送用DCモータを駆動する記録用紙
駆動電圧もしくは記録用紙搬送モータ電流とから、上記
インクシートに所定の張力が発生するようなインクシー
ト駆動電圧と記録用紙駆動電圧もしくは記録用紙搬送モ
ータ電流との関係式を決定する関係式決定手段と、予め
定められた目標の記録用紙駆動電圧もしくは記録用紙搬
送モータ電流を上記関係式に代入して、上記記録用紙搬
送用DCモータが上記目標の記録用紙駆動電圧で駆動さ
れるようなインクシート駆動電圧もしくは上記記録用紙
搬送用DCモータに予め定められた目標の記録用紙搬送
モータ電流が流れるようなインクシート駆動電圧を算出
し、この算出したインクシート駆動電圧でインクシート
搬送用DCモータを駆動する第2制御手段とを備えたこ
とを特徴としている。
【0017】また、請求項2の発明は、インクシートに
塗布されているインクを記録用紙上に転写するための印
字ヘッドと、上記印字ヘッドに対向して配設され上記イ
ンクシートと記録用紙を上記印字ヘッドとの間に挟んで
支持するプラテンと、上記インクシートを巻き取ること
によってインクシートを搬送するインクシート搬送手段
と、上記記録用紙を搬送する記録用紙搬送手段とを有
し、上記インクシート搬送手段はインクシート搬送用D
Cモータを含んでおり、上記記録用紙搬送手段は記録用
紙搬送用DCモータを含んでいるインクシート搬送制御
装置において、上記印字ヘッドとプラテンとによって上
記インクシートと記録用紙とを挟んで圧接した状態で、
上記記録用紙を一定速度で搬送するように上記記録用紙
搬送手段を駆動して制御する第1制御手段と、上記イン
クシート搬送用モータを、所定の第1インクシート駆動
電圧で駆動し、このときに、上記第1制御手段が駆動し
て制御している上記記録用紙搬送用DCモータに流れて
いる第1記録用紙電流を測定する第1測定手段と、上記
インクシート搬送用DCモータを、所定の第2インクシ
ート駆動電圧で駆動し、このときに、上記第1制御手段
が駆動して制御している上記記録用紙搬送用DCモータ
に流れている第2記録用紙電流を測定する第2測定手段
と、上記第1および第2のインクシート駆動電圧と、上
記第1および第2の記録用紙電流とから、上記インクシ
ートに所定の張力が発生するようなインクシート駆動電
圧と記録用紙電流との関係式を決定する関係式決定手段
と、予め定められた目標の記録用紙駆動電圧を上記関係
式に代入して、上記記録用紙搬送用DCモータが上記目
標の記録用紙駆動電圧で駆動されるようなインクシート
駆動電圧を算出し、この算出したインクシート駆動電圧
でインクシート搬送用DCモータを駆動する第2制御手
段とを備えたことを特徴としている。
【0018】また、請求項3の発明は、インクシートに
塗布されているインクを記録用紙上に転写するための印
字ヘッドと、上記印字ヘッドに対向して配設され上記イ
ンクシートと記録用紙を上記印字ヘッドとの間に挟んで
支持するプラテンと、上記インクシートを巻き取ること
によってインクシートを搬送するインクシート搬送手段
と、上記記録用紙を搬送する記録用紙搬送手段とを有
し、上記インクシート搬送手段はインクシート搬送用D
Cモータを含んでおり、上記記録用紙搬送手段は記録用
紙搬送用DCモータを含んでいるインクシート搬送制御
装置において、上記印字ヘッドとプラテンとによって上
記インクシートと記録用紙とを挟んで圧接した状態で、
上記記録用紙を一定速度で搬送するように上記記録用紙
搬送手段を駆動して制御する第1制御手段と、上記イン
クシート搬送用DCモータを、所定の第1インクシート
駆動電圧で駆動し、このときに、上記第1制御手段が上
記記録用紙搬送用DCモータを駆動して制御している第
1記録用紙駆動電圧および記録用紙搬送用DCモータに
流れている第1記録用紙電流を測定する第1測定手段
と、上記第1記録用紙駆動電圧と第1記録用紙電流とか
ら上記記録用紙搬送用DCモータの劣化定数を算出する
劣化定数算出手段と、上記劣化定数が表すDCモータの
劣化度合いに応じた所定の値だけ、予め定められた目標
の記録用紙駆動電圧を修正する目標記録用紙駆動電圧修
正手段と、上記インクシート搬送用DCモータを、所定
の第2インクシート駆動電圧で駆動し、このときに、上
記第1制御手段が上記記録用紙搬送用DCモータを駆動
して制御している第2記録用紙駆動電圧を測定する第2
測定手段と、上記第1および第2のインクシート駆動電
圧と、上記第1および第2の記録用紙駆動電圧とから、
上記インクシートに所定の張力が発生するようなインク
シート駆動電圧と記録用紙駆動電圧との関係式を決定す
る関係式決定手段と、上記関係式決定手段が決定した関
係式に、上記目標記録用紙駆動電圧修正手段が修正した
目標記録用紙駆動電圧を代入して、上記修正した目標記
録用紙駆動電圧で上記記録用紙搬送用DCモータが駆動
されるようなインクシート駆動電圧を算出し、この算出
したインクシート駆動電圧でインクシート搬送用DCモ
ータを駆動する第2制御手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0019】また、請求項4の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1つに記載のインクシート搬送制御装置にお
いて、記録用紙とインクシートを印字ヘッドとプラテン
とで圧接していない状態で、上記記録用紙搬送用DCモ
ータを所定の電圧で駆動し、このとき上記記録用紙搬送
用DCモータに流れる電流値を測定する電流測定手段
と、上記電流測定手段が測定した電流値に基づいて、記
録用紙搬送手段が含んでいる駆動力伝達系の伝達能力の
変化を検出し、この伝達能力の変化に対応して、記録用
紙搬送用DCモータの駆動電圧もしくは記録用紙搬送用
DCモータに流れる電流から記録用紙搬送手段の搬送力
を算出する算出式を修正する記録用紙搬送力算出式修正
手段とを備え、上記関係式決定手段は、上記記録用紙搬
送力算出式修正手段が修正した算出式を使用して、イン
クシートに所定の張力が発生するようなインクシート駆
動電圧と記録用紙駆動電圧との関係式を決定するように
なっていることを特徴としている。
【0020】また、請求項5の発明は、請求項2または
3に記載のインクシート搬送制御装置において、上記第
1記録用紙電流と、予め定められた目標の記録用紙搬送
力に対応する目標の記録用紙電流とを比較し、上記第1
記録用紙電流が上記目標の記録用紙電流よりも大きいと
きに、上記第1インクシート駆動電圧よりも第2インク
シート駆動電圧を大きく設定する一方、上記第1記録用
紙電流が上記目標の記録用紙電流よりも小さいときに、
上記第1インクシート駆動電圧よりも第2インクシート
駆動電圧を小さく設定するように、上記第2測定手段を
制御する測定制御手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
【作用】インクシートと記録用紙は、印字ヘッドとプラ
テンによって挟まれて圧接されているので、インクシー
トと記録用紙とは一体になって記録用紙搬送手段の駆動
力とインクシート搬送手段の駆動力との和によって搬送
される。
【0022】そして、上記第1制御手段は、上記記録用
紙を一定速度で搬送するように記録用紙搬送手段を制御
する。
【0023】したがって、たとえば、インクシートの巻
取り径の増加や環境の変化に起因して、インクシートの
張力が小さくなると、第1制御手段は記録用紙搬送手段
の駆動力を増大させて、記録用紙が一定速度で搬送され
るようにする。
【0024】つまり、第1制御手段は、インクシート搬
送手段が発生する駆動力に応じて記録用紙搬送手段の駆
動力を変えて、記録用紙を一定の速度で搬送するのであ
る。請求項1から請求項5の発明は、このことを前提条
件としており、かつ、このことを有効に利用してインク
シート搬送手段を制御している。
【0025】すなわち、請求項1の発明は、まず、測定
手段が、インクシート搬送用DCモータを所定のインク
シート駆動電圧で駆動し、このとき、第1制御手段が記
録用紙搬送用DCモータを駆動して制御している記録用
紙駆動電圧または記録用紙搬送用DCモータに流れてい
る記録用紙搬送モータ電流を測定する。そして、上記関
係式決定手段が、上記所定のインクシート駆動電圧と、
上記記録用紙駆動電圧または記録用紙搬送モータ電流と
から、上記インクシートに所定の張力が発生するような
インクシート駆動電圧と記録用紙駆動電圧または記録用
紙搬送モータ電流との関係式を決定する。そして、上記
第2制御手段は、予め定められた目標の記録用紙駆動電
圧または記録用紙搬送モータ電流を上記関係式に代入し
て、記録用紙搬送用DCモータが上記目標の記録用紙駆
動電圧で駆動されるように、もしくは上記記録用紙搬送
用DCモータに上記目標の記録用紙搬送モータ電流が流
されるようなインクシート駆動電圧を算出し、この算出
したインクシート駆動電圧でインクシート搬送用DCモ
ータを駆動する。
【0026】つまり、請求項1の発明は、所定のインク
シート駆動電圧と、このインクシート駆動電圧に対応し
て測定された記録用紙駆動電圧または記録用紙搬送モー
タ電流とからインクシートに所定の張力を発生させるよ
うな上記関係式を決定する。そして、この関係式に所望
の目標とする記録用紙搬送用DCモータの駆動電圧もし
くは記録用搬送モータ電流を代入して、インクシート搬
送用DCモータに加えるべきインクシート駆動電圧を算
出するのである。
【0027】このように、請求項1の発明は、所定のイ
ンクシート駆動電圧に対応する記録用紙駆動電圧または
記録用紙搬送モータ電流を測定することによって、イン
クシートに所定の張力を発生させるような関係式を決定
し、この関係式に基づいて、目標とする記録用紙搬送用
DCモータの駆動電圧もしくは記録用紙搬送モータ電流
に対応するインクシート駆動電圧を導出できるから、パ
ルス発生器のような複雑な構造を必要とすることなく、
インクシートの張力を所定の値にすることができ、イン
クシートを安定に搬送することができて、印字品位を向
上させることができる。
【0028】また、請求項2の発明は、第1測定手段
が、インクシート搬送用DCモータを所定の第1インク
シート駆動電圧で駆動し、このとき、第1制御手段が駆
動して制御している記録用紙搬送用DCモータに流れて
いる第1記録用紙電流を測定する。次に、第2測定手段
が、インクシート搬送用DCモータを所定の第2インク
シート駆動電圧で駆動し、このとき、第1制御手段が駆
動して制御している記録用紙搬送用DCモータに流れて
いる第2記録用紙電流を測定する。そして、上記関係式
決定手段は、上記第1および第2インクシート駆動電圧
と、上記第1および第2記録用紙電流とから、上記イン
クシートに所定の張力が発生するようなインクシート駆
動電圧と記録用紙電流との関係式を決定する。そして、
上記第2制御手段は、予め定められた目標の記録用紙駆
動電圧または記録用紙電流を上記関係式に代入して、記
録用紙搬送用DCモータが上記目標の記録用紙駆動電圧
で駆動されるような、もしくは記録用紙搬送用DCモー
タに上記目標の記録用紙電流が流されるようなインクシ
ート駆動電圧を算出し、この算出したインクシート駆動
電圧でインクシート搬送用DCモータを駆動する。
【0029】つまり、請求項2の発明は、第1および第
2のインクシート駆動電圧と、この第1および第2のイ
ンクシート駆動電圧に対応して測定された第1および第
2の記録用紙電流とからインクシートに所定の張力を発
生させるような上記関係式を決定する。そして、この関
係式に所望の目標とする記録用紙駆動電圧もしくは記録
用紙電流を代入して、インクシート搬送用DCモータに
加えるべきインクシート駆動電圧を算出するのである。
【0030】このように、請求項2の発明は、所定の2
つの異なるインクシート駆動電圧に対応する2つの記録
用紙電流を測定することによって、インクシートに所定
の張力を発生させるような関係式を決定し、この関係式
に基づいて、目標とする記録用紙駆動電圧もしくは目標
とする記録用紙電流に対応するインクシート駆動電圧を
算出できるから、パルス発生器のような複雑な構造を必
要とすることなく、インクシートの張力を所定の値にす
ることができ、インクシートを安定に搬送することがで
きて、印字品位を向上させることができる。
【0031】また、この請求項2の発明では、記録用紙
搬送用DCモータの目標駆動力を記録用紙搬送用DCモ
ータに流れる電流から算出しているから、記録用紙搬送
用DCモータの劣化に影響されることなく、記録用紙搬
送用DCモータの目標駆動力を算出できる。したがっ
て、請求項2の発明によれば、記録用紙搬送用DCモー
タが劣化しても、インクシートを安定に搬送することが
できて、印字品位を良好に維持することができる。
【0032】また、請求項3の発明は、印字ヘッドとプ
ラテンによってインクシートと記録用紙とを挟んで圧接
した状態で、第1制御手段が、記録用紙を一定速度で搬
送されるように記録用紙搬送用DCモータを制御してい
るときに、第1測定手段が、インクシート搬送用DCモ
ータを所定の第1インクシート駆動電圧で駆動する。そ
して、このとき、上記第1測定手段は、上記第1制御手
段が上記記録用紙搬送用DCモータを駆動して制御して
いる第1記録用紙駆動電圧および上記記録用紙搬送用D
Cモータに流れている第1記録用紙電流を測定する。そ
して、劣化定数算出手段は、上記第1記録用紙駆動電圧
と第1記録用紙電流とから上記記録用紙搬送用DCモー
タの劣化定数を算出する。そして、記録用紙駆動電圧算
出手段は、上記劣化定数が表している記録用紙搬送手段
のDCモータの劣化分に対応する分だけ記録用紙駆動電
圧の目標値つまり目標記録用紙駆動電圧を修正する。そ
して、第2測定手段は、インクシート搬送用DCモータ
を、所定の第2インクシート駆動電圧で駆動し、第2記
録用紙駆動電圧を測定する。そして、関係式決定手段
は、上記第1および第2のインクシート駆動電圧と、上
記第1および第2の記録用紙駆動電圧とから、インクシ
ートに所定の張力が発生するようなインクシート駆動電
圧と記録用紙駆動電圧との関係式を決定する。そして、
上記第2制御手段は、上記関係式に上記修正された目標
記録用紙駆動電圧を代入して、上記修正された目標記録
用紙駆動電圧で記録用紙搬送用DCモータが駆動される
ようなインクシート駆動電圧を算出して、このインクシ
ート駆動電圧でインクシート搬送用DCモータを駆動す
る。
【0033】このように、請求項3の発明は、所定の2
つの異なるインクシート駆動電圧に対応する2つの記録
用紙駆動電圧を測定することによって、インクシートに
所定の張力を発生させるような関係式を決定し、この関
係式に基づいて、目標とする記録用紙駆動電圧に対応す
るインクシート駆動電圧を算出できるから、パルス発生
器のような複雑な構造を必要とすることなく、インクシ
ートの張力を所定の値にすることができ、インクシート
を安定に搬送することができて、印字品位を向上させる
ことができる。また、請求項3の発明は、記録用紙搬送
用DCモータの劣化を検出して目標とする記録用紙駆動
電圧を修正するので、記録用紙搬送用DCモータの劣化
に対応して、常に、インクシートを安定に搬送すること
ができる。
【0034】また、第1制御手段は、一般的に、記録用
紙搬送用DCモータの駆動電圧を制御することによっ
て、記録用紙搬送用DCモータを制御する。したがっ
て、記録用紙搬送用DCモータの駆動電圧の測定は容易
かつ高精度に行うことができる。したがって、この請求
項3の発明のように、最適なインクシート搬送用DCモ
ータの駆動電圧を算出するために行われる記録用紙搬送
用DCモータの駆動電圧の測定を容易かつ高精度にする
ことができる。したがって、最適なインクシート駆動電
圧の算出精度を向上させることができる。
【0035】また、請求項4の発明は、電流測定手段
が、記録用紙とインクシートを印字ヘッドとプラテンで
圧接していない状態で、記録用紙搬送用DCモータを所
定の電圧で駆動して、このとき上記記録用紙搬送用DC
モータに流れる電流値を測定する。そして、記録用紙搬
送力算出式修正手段は、上記電流測定手段が測定した電
流値に基づいて、記録用紙搬送手段が含んでいる駆動力
伝達系の伝達能力の変化を検出し、この伝達能力の変化
に対応して、記録用紙駆動電圧もしくは記録用紙電流か
ら記録用紙搬送手段の搬送力を算出する算出式を修正す
る。そして、上記関係式決定手段は、上記記録用紙搬送
力算出式修正手段が修正した算出式を使用して、インク
シートに所定の張力が発生するようなインクシート駆動
電圧と記録用紙駆動電圧との関係式もしくはインクシー
トに所定の張力が発生するようなインクシート駆動電圧
と記録用紙電流との関係式を決定する。したがって、請
求項4の発明によれば、記録用紙搬送手段が含んでいる
駆動力伝達系の伝達能力の変化に対応して、常に、イン
クシートに所定の張力を発生させて、安定したインクシ
ートの搬送を実現することができる。また、請求項5の
発明は、請求項2または請求項3に記載のインクシート
搬送制御装置において、上記第1記録用紙電流と、予め
定められた目標の記録用紙搬送力に対応する目標の記録
用紙電流とを比較し、上記第1記録用紙電流が上記目標
の記録用紙電流よりも大きいときに、上記第1インクシ
ート駆動電圧よりも第2インクシート駆動電圧を大きく
設定する一方、上記第1記録用紙電流が上記目標の記録
用紙電流よりも小さいときに、上記第1インクシート駆
動電圧よりも第2インクシート駆動電圧を小さく設定す
るように、上記第2測定手段を制御する。したがって、
請求項5の発明によれば、測定した第1記録用紙電流
を、第2インクシート駆動電圧の設定に生かすことがで
きる。つまり、請求項5の発明によれば、第2インクシ
ート駆動電圧を、第1インクシート駆動電圧よりも最適
インクシート駆動電圧に近づけ得る。したがって、請求
項5の発明によれば、最適なインクモータの駆動力を算
出するまでの間に、インクシートの搬送が不安定になる
ことを防止できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明のインクシート搬送制御装置を
図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0037】図1に、本発明のインクシート搬送制御装
置の第1実施例から第5実施例に共通しているインクシ
ート搬送制御装置の構成を模式的に示す。また、上記イ
ンクシート搬送制御装置を有するビデオプリンタの印字
系の構成を図12に示す。このビデオプリンタは、ヘッ
ド圧着解除用のローラ82を回転させることによって、
アーム81を介して感熱ヘッド3をプラテン7に対して
圧着あるいは解除させることができる。また、インクシ
ート8は、インクカセット80に収納されて保護されて
おり、上記インクカセット80は本体83に対して着脱
することができる。
【0038】図1に示すように、このインクシート搬送
制御装置は、インクモータ1とグリッドモータ6を備
え、インクモータ1とグリッドモータ6はそれぞれDC
モータで構成されている。そして、このインクモータ1
とグリッドモータ6は、CPU20によって制御される
ようになっている。
【0039】また、感熱ヘッド3とプラテン7の間にイ
ンクシート8と記録用紙9が挿入されるようになってお
り、インクシート8はインクモータ1によって駆動され
る巻取りロール2に巻き取られる。そして、記録用紙9
は、グリッドモータ6によって回転されるグリッドロー
ラ5によって印字方向に搬送される。
【0040】印字を行う場合、まず、感熱ヘッド3をプ
ラテン7から離隔させた状態で、記録用紙9をグリッド
ローラ5により印字位置まで搬送して給紙する。次に、
感熱ヘッド3をプラテン7に圧接し、記録用紙9をグリ
ッドローラ5によって印字方向に定速で搬送する。同時
に、インクシート8を巻取りロール2で矢印A方向に記
録用紙9と等速に巻き取る。その間、感熱ヘッド3には
記録情報に基づく電気的エネルギーが加えられて、感熱
ヘッド3が有している抵抗体である発熱素子が電気/熱
エネルギー変換により発熱する。そして、感熱ヘッド3
がインクシート8上のインクを溶融または昇華させて、
インクを記録用紙9上に転写させる。
【0041】図4に、上記CPU20の構成を機能的に
示す。図4に示すように、CPU20は、インクモータ
駆動制御部21およびグリッドモータ駆動制御部22
と、インク搬送制御演算部25と、用紙搬送制御演算部
26と、印字制御部28と、RAM23と、ROM24
と、A/D変換部27を含んでいる。上記ROM24
は、予め、記録用紙9の駆動系の伝達効率Agと、減速
比Bgと、トルク定数KTgと、インクモータ1の駆動系
の伝達効率A1と、減速比B1と、トルク定数KT1と、
逆起電圧定数KE1と、コイル抵抗Ra1と、グリッドロ
ーラ径rgと、用紙搬送速度vと、記録用紙9の目標搬送
力Fgrに対応するグリッドモータ6の電流値Igrを記憶
している。
【0042】上記グリッドモータ駆動制御部22は、印
字ヘッドとプラテンとによってインクシートと記録用紙
を挟んで圧接した状態で、記録用紙が一定速度で搬送さ
れるようにグリッドモータ6を駆動して制御する。つま
り、印字時に、印字による負荷変動時の外乱に応じてグ
リッドモータ6の駆動電圧を制御するフィードバック制
御を行いながら記録用紙9を搬送している。
【0043】〔第1実施例〕この第1実施例は、以下に
述べるようにして、インクシート8の巻き取り径に応じ
てインクモータ1の駆動電圧を制御して、インクモータ
1が巻き取りロール2を駆動するトルクを制御し、イン
クシート8の張力を一定に保持するようにしている。こ
の第1実施例は、請求項1の発明に対応している。
【0044】すなわち、この第1実施例は、インクシー
ト8を矢印A方向に巻き取ることを開始してから感熱ヘ
ッド3が記録情報に基づいて発熱を行うまでの間に、C
PU20は、次の(a),(b),(c),(d),(e)の順に動作
する。
【0045】(a) まず、図5のステップS1に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25はインクモータ駆動制
御部21を制御し、インクモータ駆動制御部21はイン
クモータ1を所定の電圧Viで駆動する。そして、上記
RAM23は、上記電圧Viを記憶する。同時に、用紙
搬送制御演算部26は、グリッドモータ駆動制御部22
を制御し、グリッドモータ駆動制御部22は、記録用紙
9が用紙搬送速度vで定速搬送するように、グリッドモ
ータ6を駆動する。このステップS1が第1制御手段を
構成している。
【0046】(b) 次に、図5のステップS2に示す
ように、インク搬送制御演算部25は、上記グリッドモ
ータ6に流れている電流値Ig1をA/D変換部27でデ
ジタル値に変換し、このデジタル値に変換された測定電
流値Ig1をRAM23に記憶させる。このステップS
2が測定手段を構成している。
【0047】(c) 次に、図5のステップS3に示す
ように、インク搬送制御演算部25は、ステップS1で
RAM23に記憶させたインクモータ1の駆動電圧Vi
と、ステップS2でRAM23に記憶させたグリッドモ
ータ6に流れている電流値Ig1とを、RAM23から
読み出す。
【0048】さらに、インク搬送制御演算部25は、R
OM24から記録用紙9の駆動系の伝達効率Agと、記
録用紙駆動系の減速比Bgと、記録用紙駆動系のトルク
定数KTgと、インクモータ1の駆動系の伝達効率A
iと、インクモータ駆動系の減速比Biと、インクモータ
駆動系のトルク定数KTiと、インクモータ駆動系の逆
起電圧定数KEiと、コイル抵抗Raiと、グリッドロー
ラ径rgと、用紙搬送速度vとを読み出す。
【0049】上記伝達効率AgおよびAiと減速比Bg
およびBiとトルク定数KTgおよびKTiと逆起電圧定
数KEiとコイル抵抗Raiとグリッドローラ径rgと用紙
搬送速度vとは、あらかじめROM24に記憶させられ
ている値である。
【0050】そして、インク搬送制御演算部25は、上
記ステップS1で設定したインクモータ1の駆動電圧V
i1と、ステップS2で測定したグリッドモータ6に流れ
ている電流Ig1と、あらかじめROM24に記憶させ
られている上記値AgとBgとKTgとAiとBiとKT
iとKEiとRaiとrgと、インクシート8の巻き取り径
(半径)riをパラメータとして含んでいるインクシート
8と記録用紙9とに働く力の釣り合いの式とから、上記
パラメータとしてのインクシート8の巻き取り径riを
算出する。これにより、上記釣り合いの式が確定する。
このステップS3が関係式決定手段を構成している。
【0051】(d) 次に、上記インク搬送制御演算部
25は、図5のステップS4に示すように、上記確定さ
れた釣り合いの式に、記録用紙9の目標搬送力Fgrに対
応するグリッドモータ6の電流値Igrを代入して、イン
クモータ1の最適駆動電圧Virを算出する。そして、上
記インク搬送制御演算部25は、インクモータ駆動制御
部21を制御して、上記インクモータ駆動制御部21が
上記算出した最適駆動電圧Virでインクモータ1を駆動
するようにする。このステップS4が第2制御手段を構
成している。
【0052】(e) 次に、図5のステップS5に示すよ
うに、印字制御部28が印字開始信号を感熱ヘッド3に
送り印字を開始する。
【0053】次に、上記ステップS3で、インク搬送制
御演算部25がインクシート8の巻き取り径riを算出
して、上記釣り合いの式を確定し、さらに、インクモー
タ1の最適駆動電圧Virを算出する演算の内容を以下に
詳細に説明する。
【0054】図2に示すようにインクシート8と記録用
紙9とを一体に印字方向に搬送している状態では、印字
駆動力Fpは、記録用紙9の目標搬送力Fgとインクシー
ト8の搬送力Fiとの和なので、 Fp=Fg+Fi ……(1) である。
【0055】また、インクシート8の搬送力Fiは、イ
ンクシート8の張力Ftから巻き取りのみにかかる負荷
分Foを差し引いた値であるから、 F1=Ft−Fo ……(2) である。
【0056】また、巻き取りのみにかかる負荷分Fo
は、供給ローラ4の巻取り径により変動するが微小であ
るから、 Fo=一定 ……(3) である。
【0057】また、用紙搬送制御演算部26とグリッド
モータ駆動制御部22が、記録用紙9の搬送速度が一定
値vになるようにグリッドモータ6を制御するから、 Fp=一定 ……(4) である。
【0058】上記(1)〜(4)式から次ぎの(5)〜(7)式
が成り立つ。
【0059】 Fp=Fg+Ft−Fo ……(5) F=Fp+F0=Fg+Ft=一定 ……(6) Ft=Fg+F ……(7) ここで、上記インクシート8の張力Ftは、インクモー
タ1が発生するトルクT1と、インクシート8の駆動系
の伝達効率Aiと、インクシート8の駆動系の減速比B
iおよび巻取り径(半径)riを用いて次ぎの(8)式で表
される。
【0060】 Ft=Ti×Ai×Bi/ri ……(8) また、記録用紙9の目標搬送力Fgは、グリッドモータ
6が発生するトルクTgと、記録用紙9の駆動系の伝達
効率Agと、記録用紙9の駆動系の減速比Bgとグリッド
ローラ径rgを用いて次の(9)式で表される。
【0061】 Fg=Tg×Ag×Bg/rg ……(9) 上記(8)式と(9)式を上記(7)式に代入すると、次の
(10)を得ることができる。
【0062】 Ti×Ai×Bi/ri=Tg×Ag×Bg/rg+F ……(10) そして、この(10)式から次の(11)式を得る。
【0063】 Ti=a1×Tg+b1 ……(11) この(11)式において、係数a1とb1は、次の(12)
式と(13)式で表される。
【0064】 a1=(A1×B1/r1)/(Ag×Bg/rg) ……(12) b1=F/(Ag×Bg/rg) ……(13) 一般に、DCモータのトルクTと電流値Iの関係は、ト
ルク定数KTを用いると次の(14)式で表わすことがで
きる。
【0065】 T=KT×I ……(14) したがって、インクモータ1に流れる電流値をIiと
し、グリッドモータ6に流れる電流値をIgとし、イン
クモータ1のトルク定数をKTiとしグリッドモータ6
のトルク定数をKTgとすると、上記(11)式は、次の
(15)式に書き換えることができる。
【0066】 KT1×I1=a1×KTg×Ig+b1 ……(15) そして、この(15)式は次の(16)式に書き換えるこ
とができる。
【0067】 Ii=a2×Ig+b2 ……(16) この(16)式において、係数a2とb2は、次の(17)式
と(18)式とで表される。
【0068】 a2=a1×KTg/KT1 ……(17) b2=b1/KT1 ……(18) そして、この(17)式と(18)式は、次の(19)式と
(20)式に書き換えることができる。
【0069】 a2={(A1×B1/r1)/(Ag×Bg/rg)}×KTg/KT1 …(19) b2={F/(Ag×Bg/rg)}KT1 …(20) ところで、モータ特性の式は、電圧Vと、逆起電圧定数
KEと、モータ回転数Nと、モータのコイル抵抗Raと
から次の(21)式で表わされる。
【0070】 V=KE×N+I×Ra ……(21) したがって、インクモータ1の逆起電圧定数KEiと、
インクモータ回転数Niと、コイル抵抗をRaiとを使用
して、(16)式の左辺を書き換えると、次の(22)式を
得る。
【0071】 (Vi−KEi×Ni)/Rai=a2×Ig+b2 ……(22) そして、この(22)式は次の(23)式に書き換えること
ができる。
【0072】 Vi=a3×Ig+b3 ……(23) この(23)式において、係数a3とb3は次の(24)式と
(25)式で表される。 a3=a2×Ra1 ……(24) b3=(b2+KEi×Ni)×Rai ……(25) そして、この(24)式と(25)式は次の(26)式と(2
7)式に書き換えられる。
【0073】 a3={(Ai×Bi/ri)/(Ag×Ba/rg)}×KTg×Rai/KTi …(26) b3=[{F/(Ag×Bg/rg)}KTi+KEi×Ni]×Rai …(27) ここで、インクモータ1のモータ回転数Ni(rpm)は、用
紙搬送速度をv(mm/s)、巻取り径(半径)をri(mm)とする
と、 Ni=v×60×Bi/(2×π×ri) ……(28)
である。
【0074】したがって、この(28)式で表されるNi
を、上記(27)式に代入すると、次の(29)式を得る。
【0075】 b3=[{F/(Ag×Bg/rg)}KTi+ KEi×(v×60×Bi/(2×π×ri)]×Rai ……(29) そして、記録用紙9の駆動系の伝達効率Agと、減速比
Bgと、トルク定数KTgと、インクモータ1の駆動系の
伝達効率Aiと、減速比Biと、トルク定数KTiと、逆
起電圧定数KEiと、コイル抵抗Raiと、グリッドロー
ラ径rgと、用紙搬送速度vとは既知の定数であるから、
上記(26)式と、上記(29)式は、次の(30)式と(3
1)式に書き換えることができる。
【0076】 a3=P1/r1 (P1は定数) ……(30) b3=P2×r1+P3 (P2とP3は定数である。) ……(31) この(30)式と(31)式からわかるように、(23)式
の2つの定数a3とb3が、1つの未知の値r1で表され
ている。そして、この(30)式と(31)式を上記(23)
式に代入し、さらに、インクモータ1の電圧Vi1とグリ
ッドモータ6の測定電流値Ig1とを上記(23)式に代
入することによって、次の(32)式を得る。
【0077】 Vi1=Ig1×P1/r1+P2×r1+P3 ……(32) そして、この(32)式は次の(33)式に書き換えること
ができる。
【0078】 r1 2+P4×r1+P5=0 (P4とP5は定数である。) ……(33) したがって、この2次方程式(33)を解くことにより、
巻取りロール2の巻取り径r1を算出することができる。
【0079】そして、この算出された巻き取り径r
1を、上記(30)式と(31)式に代入することによっ
て、上記定数a3と定数b3を算出できる。
【0080】そして、この定数a3と定数b3を算出する
ことによって、(23)式つまり、記録用紙9とインクシ
ート8とを一体に定速で搬送しているという条件を満足
するグリッドモータ6に流れる電流値Igとインクモー
タ1の駆動電圧Viとの関係式を確定することができ
る。
【0081】そして、この確定されたグリッドモータ電
流値Igとインクモータ駆動電圧Viとの関係式に、記
録用紙9の目標搬送力Fgrに対応するグリッドモータ6
の電流値Igrを代入することによって、インクモータ1
の最適駆動電圧Virを算出できる。
【0082】このように、この第1実施例によれば、
印字前にインクモータ1を電圧Vi1で駆動したときに、
グリッドモータ6に流れる電流値Ig1を測定し、この
インクモータ1を駆動した電圧Vi1と、上記グリッドモ
ータ6に流れる電流を測定した電流値Ig1とから、イン
クシート8の巻き取り径riを未知パラメータとして含
み、記録用紙9とインクシート8とを一体に定速で搬送
しているという条件を満足するグリッドモータ6に流れ
る電流値Igとインクモータ1の駆動電圧Viとの関係
式の未知パラメータriを確定し、この確定した関係
式に、記録用紙9の目標搬送力Fgrに対応するグリッド
モータ6の電流値Igrを代入することによって、インク
モータ1の最適駆動電圧Virを算出できる。
【0083】したがって、この第1実施例によれば、巻
き取りロールの駆動系に同期したパルス発生器を設ける
ことなく簡単な機構によって、インクシート8の巻き取
り径を算出できて、グリッドモータ6に流れる電流値I
gとインクモータ1の駆動電圧Viとの関係式を決定で
きる。従って、簡単な機構によって、巻き取りロールの
巻き取り径の変化に応じて、インクモータ1の駆動電圧
Viを変化させて、常に、グリッドモータ6を目標搬送
力Fgrで駆動させることができる。従って、この第1実
施例によれば、簡単な機構によって、巻き取りロールの
巻き取り径の変化に影響されることなく、インクシート
8の張力を略一定に保つことができ、インクシート8並
びに記録用紙9を常に安定に搬送することができる。従
って、この第1実施例によれば、印字品位の向上を図る
ことができる。
【0084】尚、上記第1実施例では、グリッドモータ
6に流れる電流を、インク搬送制御演算部25とA/D
変換部27で測定したが、グリッドモータ6に流れる電
流を測定せずに、用紙搬送制御演算部26で算出したグ
リッドモータ6の駆動電圧の値をRAM23に記憶さ
せ、この記憶させたグリッドモータ6の駆動電圧値をイ
ンク搬送制御演算部25で読み出してもよい。この場
合、A/D変換部27が不要となり構成を簡単にするこ
とができる。
【0085】〔第2実施例〕次に、この発明のインクシ
ート搬送制御装置の第2実施例を説明する。この第2実
施例は、請求項2の発明に対応している。この第2実施
例は、図1に示した構造は、第1実施例と同じであり、
第1実施例と異なる点は、図4に示したCPU20が図
5に示したフローチャートに替えて、図6に示したフロ
ーチャートに従って動作する点のみである。したがっ
て、この第2実施例は、図6に示したフローチャートに
従って重点的に説明する。
【0086】この第2実施例は、以下に述べるようにし
て、インクモータ1の劣化程度に応じてインクモータ1
の駆動電圧を制御して、インクモータ1が巻き取りロー
ル2を駆動するトルクを制御し、インクシート8の張力
を一定に保持して、インクシート8並びに記録用紙9を
常に安定に搬送し、印字品位を向上させるようにしてい
る。
【0087】すなわち、この第2実施例は、インクシー
ト8を矢印A方向に巻き取ることを開始してから感熱ヘ
ッド3が記録情報に基づいて発熱を行うまでの間に、C
PU20が、次の,,,,,の順に動作する。
【0088】 まず、図6のステップS1に示すよう
に、インク搬送制御演算部25は、インクモータ駆動制
御部21を制御し、インクモータ駆動制御部21はイン
クモータ1を所定の第1インクモータ駆動電圧Vi1で駆
動する。そして、RAM23は、上記第1インクモータ
駆動電圧Vi1を記憶する。同時に、用紙搬送制御演算部
26は、グリッドモータ駆動制御部22を制御し、グリ
ッドモータ駆動制御部22は、記録用紙9が用紙搬送速
度vで定速搬送するように、グリッドモータ6を駆動す
る。このステップS1が、第1制御手段を構成してい
る。
【0089】 次に、図6のステップS2に示すよう
に、インク搬送制御演算部25は、上記グリッドモータ
6に流れている電流値Ig1をA/D変換部27でデジタ
ル値に変換し、このデジタル値に変換された測定電流値
Ig1をRAM23に記憶させる。このステップS2
が、第1測定手段を構成している。
【0090】 次に、図6のステップS3に示すよう
に、インク搬送制御演算部25は、モータ駆動制御部2
1を制御し、インクシート駆動制御部21はインクモー
タ1を所定の第2インクモータ駆動電圧Vi2で駆動す
る。そして、RAM23は、上記第2インクモータ駆動
電圧Vi2を記憶する。同時に、用紙搬送制御演算部26
は、グリッドモータ駆動制御部22を制御し、グリッド
モータ駆動制御部22は、記録用紙9が用紙搬送速度v
で定速搬送するように、グリッドモータ6を駆動する。
【0091】 次に、図6のステップS4に示すよう
に、インク搬送制御演算部25は、グリッドモータ6に
流れている電流値Ig2をA/D変換部27でデジタル値
に変換し、このデジタル値に変換された測定電流値Ig2
をRAM23に記憶させる。上記ステップS3とステッ
プS4とが、第2測定手段を構成している。
【0092】 次に、図6のステップS5に示すよう
に、インク搬送制御演算部25は、ステップS1でRA
M23に記憶させたインクモータ1の第1駆動電圧Vi1
と、ステップS2でRAM23に記憶させたグリッドモ
ータ6に流れている電流値Ig1と、ステップS3でRA
M23に記憶させたインクモータ1の第2駆動電圧Vi2
と、ステップS4でRAM23に記憶させたグリッドモ
ータ6に流れている電流値Ig2とを、RAM23から
読み出す。
【0093】つまり、インク搬送制御演算部25は、こ
のステップS5で、インクシート8と記録用紙9とを一
体に一定の速度で搬送できる2組の値(Vi1,Ig1)と(V
i2,Ig2)とをRAM23から読み出す。
【0094】そして、インク搬送制御演算部25は、上
記2組の値(Vi1,Ig1)と(Vi2,Ig2)とから、インクシ
ート8と記録用紙9とを一体に一定の速度で搬送できる
という条件を満足するインクシート駆動電圧Viとグリ
ッドモータ電流Igとの関係式を決定する。
【0095】そして、インク搬送制御演算部25は、あ
らかじめROM24に記憶させている記録用紙9の目標
搬送力Fgrに対応するグリッドモータ6の電流値Igrを
読み出し、この電流値Igrを上記決定された関係式に代
入して、インクモータ1の最適駆動電圧Virを算出す
る。そして、上記インク搬送制御演算部25は、インク
モータ駆動制御部21を制御して、上記インクモータ駆
動制御部21は上記算出した最適駆動電圧Virでインク
モータ1を駆動する。このステップS5が、関係式決定
手段と第2制御手段を構成している。
【0096】 次に、図6のステップS6に示すよう
に、印字制御部28が印字開始信号を感熱ヘッド3に送
り印字を開始する。
【0097】次に、上記ステップS5で、インク搬送制
御演算部25が上記関係式つまりインクシート8に所定
の張力を発生させてインクシートと記録用紙を一体に定
速で搬送できる条件式を決定し、この条件式からインク
モータ1の最適駆動電圧Virを算出する演算の内容を以
下に詳細に説明する。
【0098】図3に、DCモータのI‐T曲線(駆動電
流‐トルク曲線)およびN‐T曲線(回転数‐トルク曲
線)を示す。実線は劣化前のDCモータのI‐T曲線を
示し、破線は劣化後のDCモータのN‐T曲線を示す。
図3に示すように、モータの劣化は、回転数‐トルク曲
線を変えるが、駆動電流‐トルク曲線をほどんど変えな
い。ただし、ここでは、DCモータの劣化はブラシ劣化
によるものが大部分であり、軸受機構などの劣化は小さ
く無視できると考えている。
【0099】そして、DCモータの劣化を考慮した場
合、第1実施例で用いたモータ特性の式(21)は、DC
モータの劣化定数Dが加わって、次の(34)式になる。
【0100】 V=(KE×N+I×Ra)/D ……(34) そして、この(34)式を変形して次の(35)式を得る。
【0101】 I=(V×D−KE×N)/Ra ……(35) ここで、インクモータ1の逆起電圧定数をKEiとし、
インクモータ1が含むDCモータの回転数をNiとし、
上記DCモータのコイル抵抗をRaiとし、上記DCモー
タの劣化定数をDiとすると、Ii=(Vi×Di−KEi×
Ni) /Ra を得るから、この式を第1実施例で導出し
た釣り合いの式である(16)式 つまりIi=a2×Ig+
2 に代入すると、次の(36)式を得る。この(36)式
は、この第2実施例での釣り合いの式である。
【0102】 (Vi×Di−KEi×Ni)/Rai=a2×Ig+b2 ……(36) そして、この(36)式から次の(37)式を得る。
【0103】 Vi=a4×Ig+b4 ……(37) この(37)式は、この第2実施例において、インクシー
ト8と記録用紙9とを一体に一定の速度で搬送できるた
めの条件式である。
【0104】ところで、この条件式の定数a4と定数b4
は、劣化定数Diを含んでおり、劣化定数Diを計算によ
って求めることは困難である。
【0105】ここで、1回の印字におけるインクシート
8の巻取り径r1の変動は微小であるとし、かつ、インク
モータ1が含むDCモータの劣化と回転数がほぼ一定と
すると、1回の印字中においてインクモータ1を駆動す
る電圧Viとグリッドモータ6に流れる電流値Igとは比
例関係にあると言える。すなわち、上記(37)式は比例
関係を表す式であると言える。
【0106】そこで、インクモータ1を駆動する電圧
を、上記したように、Vi1, Vi2と2回変動させ、その
時にグリッドモータ6に流れる電流値Ig1, Ig2を測定
して、上記(37)式に代入すると、次の(38)式と(3
9)式を得る。
【0107】 Vi1=a4×Ig1+b4 ……(38) Vi2=a4×Ig2+b4 ……(39) したがって、この(38)式と(39)式とから、定数a4
と定数b4を算出することができ、定数a4と定数b4
は次の(40)式と(41)式で表される。
【0108】 a4=(Vi1−Vi2)/(Ig1−Ig2) ……(40) b4=(Vi2×Ig1−Vi1×Ig2)/(Ig1−Ig2) ……(41) そして、この(40)式で示された定数a4と(41)式で
示された定数b4とを、上記(37)式に代入すると、次
の(42)式を得る。
【0109】 Vi=(Vi1−Vi2)/(Ig1−Ig2)×Ig+ (Vi2×Ig1−Vi1×Ig2)/(Ig1−Ig2) ……(42) そして、この(42)式は次の(43)式に書き換えられ
る。
【0110】 Vi={(Vi1-Vi2)×Ig+Vi2×Ig1−Vi1×Ig2}/(Ig1-Ig2) ……(43) これにより、インクシート8に所定の張力を発生させて
インクシート8と記録用紙9を一体に定速で搬送できる
条件式(43)が決定された。
【0111】したがって、この決定された条件式(43)
に、グリッドモータ6の目標の搬送力Fgrを実現したと
きにグリッドモータ6に流れる電流Igrを代入すれば、
インクモータ1を駆動する最適駆動電圧Virを算出で
き、最適駆動電圧Virを次の式で表される。
【0112】 Vir={(Vi1-Vi2)×Igr+Vi2×Ig1-Vi1×Ig2}/(Ig1-Ig2) ……(44) このように、この第2実施例によれば、所定の異なるイ
ンクシート駆動電圧Vi1とVi2に対応する2つの記録用
紙駆動電流Ig1とIg2を測定することによって、このV
i1,Ig1とVi2,Ig2とがインクモータ1の劣化定数Di
を代表している釣り合い関係式(43)を決定する。した
がって、この第2実施例によれば、パルス発生器のよう
な複雑な構造を必要とすることなく、上記関係式(44)
に基づいてグリッドモータ6の目標とする搬送力Fgrを
実現するグリッドモータ6の電流Igrに対応する最適な
インクシート駆動電圧Virを導出できる。したがって、
この第2実施例によれば、インクシート6を常に安定に
搬送することができて、印字品位を向上させることがで
きる。
【0113】〔第3実施例〕次に、この発明の第3実施
例を説明する。この第3実施例は、請求項3の発明に対
応している。この第3実施例は、図1に示した構造は、
第1実施例と同じであり、第1実施例と異なる点は、図
4に示したCPU20が図5に示したフローチャートに
替えて、図7に示したフローチャートに従って動作する
点のみである。したがって、この第3実施例は、図7に
示したフローチャートに従って重点的に説明する。
【0114】この第3実施例は、インクモータ1の劣化
程度に応じてインクモータ1の駆動電圧を制御する点は
第2実施例と同じであるが、この点に加えて、グリッド
モータ6の劣化を検出して、このグリッドモータの劣化
をもインクモータの制御に反映させた点が第2実施例と
異なる。つまり、この第3実施例は、インクモータ1の
劣化だけでなくグリッドモータ6の劣化も検出するので
ある。
【0115】この第3実施例は、インクシート8を矢印
A方向に巻き取ることを開始してから感熱ヘッド3が記
録情報に基づいて発熱を行うまでの間に、CPU20
が、次の(i),(ii),(iii),(iv),(v),(vi),(vii)の順に動
作する。
【0116】(i) まず、図7のステップS1に示すよう
に、インク搬送制御演算部25は、インクモータ駆動制
御部21を制御し、インクモータ駆動制御部21はイン
クモータ1を所定の第1インクモータ駆動電圧Vi1で駆
動する。そして、RAM23は、上記第1インクモータ
駆動電圧Vi1を記憶する。同時に、用紙搬送制御演算部
26は、グリッドモータ駆動制御部22を制御し、グリ
ッドモータ駆動制御部22は、記録用紙9が用紙搬送速
度vで定速搬送するように、グリッドモータ6を駆動す
る。このステップS1は第1制御手段を構成している。
【0117】(ii) 次に、図7のステップS2に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25は、上記グリッドモー
タ6に流れている電流値Ig1をA/D変換部27でデジ
タル値に変換し、このデジタル値に変換された測定電流
値Ig1をRAM23に記憶させる。同時に、用紙搬送
制御演算部26は、グリッドモータ駆動制御部22がグ
リッドモータ6を駆動している駆動電圧Vg1をRAM
23に記憶する。上記ステップS1とステップS2が、
第1測定手段を構成している。
【0118】(iii) 次に、図7のステップS3に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25は、RAM23に記憶
されているグリッドモータ6の駆動電圧Vg1とグリッ
ドモータ6の電流値Ig1を読出すと共に、ROM24に
記憶しているグリッドモータ6の逆起電圧定数KEg
と、モータ回転数Ngと、コイル抵抗Ragを読出す。そ
して、上記駆動電圧Vg1と電流値Ig1および上記ROM
24から読み出したグリッドモータに関する特性値KE
gとNgとRagとから、グリッドモータ6の劣化定数Dg
を算出する。そして、算出した劣化定数DgをRAM2
3に記憶する。このステップS3が、劣化定数算出手段
を構成している。
【0119】(iv) 次に、図7のステップS4に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25は、RAM23に記憶
されているグリッドモータ6の劣化定数Dgを読み出
し、この劣化定数Dgに基づいて、グリッドモータ6の
目標駆動電圧Vgrを算出する。そして、インク搬送制御
演算部25は、この算出した目標駆動電圧VgrをRAM
23に記憶する。このステップS4が、目標記録用紙駆
動電圧修正手段を構成している。
【0120】(v) 次に、図7のステップS5に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25は、モータ駆動制御部
21を制御して、インクモータ1を所定の第2インクモ
ータ駆動電圧Vi2で駆動する。そして、RAM23は、
上記第2インクモータ駆動電圧Vi2を記憶する。同時
に、用紙搬送制御演算部26は、グリッドモータ駆動制
御部22を制御して、記録用紙9が用紙搬送速度vで定
速走行するように、グリッドモータ6を駆動する。
【0121】(vi) 次に、図7のステップS6に示すよ
うに、用紙搬送制御演算部26は、グリッドモータ6の
駆動電圧Vg2をRAM23に記憶させる。上記ステップ
S5とステップS6とが、第2測定手段を構成してい
る。
【0122】(vii) 次に、図7のステップS7に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25は、RAM23に記憶
されているインクモータ1の第1および第2駆動電圧V
i1およびVi2と、グリッドモータ6の第1および第2駆
動電圧Vg1およびVg2とを読み出す。そして、インク搬
送制御演算部25は、この2組の値(Vi1,Vi2)と
(Vg1,Vg2)とから、インクシート8と記録用紙9と
を一体に一定の速度で搬送できるという条件を満足する
インクシート駆動電圧Viとグリッドモータ駆動電圧V
gとの関係式を決定する。
【0123】そして、インク搬送制御演算部25は、R
AM23に記憶されているグリッドモータ6の目標駆動
電圧Vgrを読出す。
【0124】そして、インク搬送制御演算部25は、上
記決定した関係式に、上記グリッドモータの目標駆動電
圧Vgrを代入して、インクモータ1の最適駆動電圧Vir
を算出し、インクモータ駆動制御部21によってインク
モータ1を最適駆動電圧Virで駆動する。上記ステップ
S7が、関係式決定手段と第2制御手段を構成してい
る。
【0125】(viii) 次に、図7のステップS8に示す
ように、印字制御部28が印字開始信号を感熱ヘッド3
に送り印字を開始する。
【0126】上記グリッドモータ6の目標駆動電圧Vgr
及びインクモータ1の最適駆動電圧Virの算出式は、以
下の理論から成る。
【0127】第2実施例で使用したDCモータの特性式
である(34)式を使用し、グリッドモータ6の劣化定数
をDgとし、グリッドモータ6の逆起電圧定数をKEgと
し、モータ回転数をNgとし、コイル抵抗をRagとする
と、次の(45)式を得る。
【0128】 Ig=(Vg×Dg−KEg×Ng)/Rag ……(45) この(45)式で表されたIgを、上記第2実施例で使用
した(37)式に代入すると、次の(46)式を得る。
【0129】 Vi=a4×(Vg×Dg−KEg×Ng)/Rag+b4 ……(46) そして、この(46)式は、定数a5と定数b5を使用すれ
ば、次ぎの(47)式に書き直せる。
【0130】 Vi=a5×Vg+b5 (a5とb5は定数) ……(47) すなわち、1回の印字中においてインクモータ1の電圧
Viとグリッドモータ6の電圧Vgは比例関係にある。そ
こで、インクモータ1の電圧を2回変動させて、Vi1
よびVi2に設定し、その時のそれぞれのグリッドモータ
6の電圧Vg1およびVg2を測定し、(46)式に代入す
る。これにより、次の(48)式と(49)式を得る。
【0131】 Vi1=a5×Vg1+b5 ……(48) Vi2=a5×Vg2+b5 ……(49) 上記(48)式と(49)式から定数a5と定数 b5を求める
ことができ、次の(50)式と(51)式を得る。
【0132】 a5=(Vi1−Vi2)/(Vg1−Vg2) ……(50) b5=(Vi2×Vg1−Vi1×Vg2)/(Vg1−Vg2) ……(51) したがって、上記(50)式と(51)式で表された定数a
5と定数b5を上記(47)式に代入すると次の(52)式を
得る。
【0133】 Vi=(Vi1-Vi2)/(Vg1-Vg2)×Vg+(Vi2×Vg1-Vi1×Vg2)/(Vg1-Vg2) ……(52) この(52)式から次の(53)式を得る。
【0134】 Vi={(Vi1−Vi2)×Vg+Vi2×Vg1-Vi1×Vg2}/(Vg1-Vg2) ……(53) ここで、劣化定数Dgは、測定したグリッドモータ6の
駆動電流値Ig1と駆動電圧Vg1とから、次の(54)式で
算出することができる。
【0135】 Dg=(KEg×Ng+Ig1×Rag)/Vg1 ……(54) そして、この劣化定数Dgと、記録用紙9の目標搬送力
Fgrに対応するグリッドモータ6の電流値Igrとから、
グリッドモータ6の目標駆動電圧Vgrを次の(55)式で
算出できる。
【0136】 Vgr=(KEg×Ng+Igr×Rag)/Dg ……(55) このVgrを、上記(53)式に代入すると、この時のイン
クモータ1の最適駆動電圧Virは、次の(56)式で表さ
れる。
【0137】 Vir={(Vi1-Vi2)×Vgr+Vi2×Vg1-Vi1×Vg2}/(Vg1-Vg2) ……(56) このように、この第3実施例は、インクモータ駆動電圧
とグリッドモータ駆動電圧の2組の値(Vi1,Vg1)と
(Vi2,Vg2)とから、インクシート8と記録用紙9とが
一体になって定速で搬送されるようなインクモータ駆動
電圧とグリッドモータ駆動電圧との関係式を決定し、か
つ、グリッドモータの劣化定数Dgをグリッドモータ駆
動電圧Vg1と駆動電流Ig1とから算出しこの劣化定数
Dgを使用して劣化定数Dgによって修正されたグリッ
ドモータ6の目標駆動電圧Vgrを算出する。そして、こ
のグリッドモータ6の劣化定数Dgを考慮したグリッド
モータ6の目標駆動電圧Vgrを上記関係式に代入してイ
ンクモータ1の最適駆動電圧Virを算出する。
【0138】したがって、この第3実施例によれば、イ
ンクモータ1の劣化のみならずグリッドモータの劣化に
も対応して、インクモータ1の最適駆動電圧Virを算出
するので、インクシートを常に安定に搬送することがで
き、印字品位を向上させることができる。
【0139】尚、上記第3実施例では、グリッドモータ
6の目標駆動電圧Vgrを、Vgr=(KEg×Ng+Igr×
Rag)/Dg ……(55) として、グリッドモータの劣
化定数Dgをそのまま目標駆動電圧Vgrの算出式に反映
させたから、グリッドモータ6の劣化による負荷の影響
を全てインクモータ1が負担することになっている。こ
れに対し、グリッドモータ6の目標駆動電圧Vgrを次の
(57)式で求めるようにしてもよい。
【0140】 Vgr=(KEg×Ng+Igr×Rag)×G/Dg ……(57) この場合、グリッドモータ6の劣化による負荷負担を、
グリッドモータ6とインクモータ1とで分けることがで
きる。
【0141】また、(54)式で求めたグリッドモータの
劣化定数Dgが、予め定めていたグリッドモータ6の使
用限界を示す劣化定数Dm以下になった場合は、使用者
に表示するようにしてもよく、音声等で使用者に知らせ
るようにしてもよい。この場合、インクモータ1の過負
荷を防止することができる。
【0142】また、上記第3実施例では、RAM23に
記憶されたグリッドモータ6の駆動電圧Vg1とVg2をイ
ンク制御演算部25に読み出したが、グリッドモータ6
の駆動電圧をグリッドモータから直接測定するようにし
てもよい。
【0143】〔第4実施例〕次に、この発明のインクシ
ート搬送制御装置の第4実施例を説明する。この第4実
施例は、請求項4の発明に対応している。
【0144】この第4実施例は、上記第1実施例または
第2実施例または第3実施例のいずれか1つにおいて、
CPU20が、上記第1実施例または第2実施例または
第3実施例で説明した動作の前に、感熱ヘッド3をプラ
テン7から離隔させた状態で、記録用紙9をグリッドロ
ーラ5で印字位置まで搬送している給紙時に、次の
(1),(2),(3)の動作を行うものである。
【0145】(1) まず、図8のステップS1に示すよ
うに、図4に示す用紙搬送制御演算部26は、グリッド
モータ駆動制御部22を制御して、グリッドモータ6を
任意に定めた電圧Vg1で定電圧駆動する。
【0146】(2) 次に、図8のステップS2に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25は、グリッドモータ6
からの電流値Ig1をA/D変換部27を介してデジタル
値として測定する。そして、インク搬送制御演算部25
は、上記測定した電流値Ig1をRAM23に記憶する。
上記ステップS1とステップS2とが、電流測定手段を
構成している。
【0147】(3) つぎに、図8のステップS3に示す
ように、インク搬送制御演算部25は、RAM23に記
憶されているグリッドモータ6の測定電流値Ig1を読出
し、環境変化係数Kを求める。
【0148】上記環境変化係数Kの算出は以下の理論か
ら成る。
【0149】すなわち、上記したように感熱ヘッド3を
プラテン7から離隔させた状態で、一定環境下(例え
ば、温度25℃、湿度50%等)で給紙を行った場合、
この給紙動作に関して記録用紙駆動系以外の要因は排除
されている。
【0150】したがって、この場合、記録用紙駆動系の
要因が変動しないなら記録用紙9の目標搬送力は一定で
あり、グリッドモータ6に必要なトルクも一定である。
そして、この場合、前述したように、駆動電流値−トル
ク曲線はDCモータの劣化の影響をほとんど受けないか
ら、グリッドモータに必要なトルクが一定ならグリッド
モータ6の駆動電流値も一定である。
【0151】ところが、環境の変化による記録用紙駆動
系の伝達系の要因の変動の影響もしくは上記伝達系の摩
耗等による劣化によって、記録用紙駆動系の要因が変動
すると、記録用紙9の目標搬送力が変動する。すると、
グリッドモータ6の駆動電流値も同様に変動することに
なる。
【0152】したがって、所定の環境下でのグリッドモ
ータ6を所定の電圧Vg1で定電圧駆動したときのグリッ
ドモータ6の電流値Ig0をあらかじめ測定もしくは計算
によって求めておけば、上記環境の変化に起因する上記
記録用紙駆動系(グリッドモータを除く)の駆動能力の変
化を表す環境変化係数Kは、次の(58)式で算出でき
る。
【0153】 K=Ig1/Ig0 ……(58) したがって、この環境変化係数Kを、上記第1実施例も
しくは第2実施例もしくは第3実施例のいずれか1つで
用いたグリッドモータの目標搬送力Fgrを算出する算出
式に積算することによって、環境の変化に起因する記録
用紙駆動系の駆動能力の変化を補償するように、インク
モータ1の駆動力を制御することができる。
【0154】したがって、この第4実施例を上記第1実
施例に組み合わせた場合には、インクモータ1の巻き取
りロール2の巻き取り径の変化を補償するようにインク
モータ1の駆動電圧Viを制御するだけでなく、環境の
変化に起因するグリッドモータ6を除く記録用紙駆動系
の能力の変化(環境変化係数K)を補償するようにインク
モータ1の駆動電圧Viを制御できる。したがって、こ
の第4実施例と第1実施例を組み合わせた場合には、巻
き取りロール2の巻き取り径および環境変化係数Kが、
インクシート1および記録用紙9の搬送力を変動させた
ときに、直ちにこの変動を検出し、かつ、この変動をイ
ンクモータ1の駆動力によって補償することができる。
したがって、常に、インクシート1と記録用紙9を一定
の速度で安定に搬送することができる。
【0155】また、この第4実施例を上記第2実施例に
組み合わせた場合には、インクモータ1の劣化および環
境変化係数Kが、インクシート1および記録用紙9の搬
送力を変動させたときに、直ちに、この変動を検出し、
かつ、この変動をインクモータ1の駆動力によって補償
することができる。
【0156】また、この第4実施例を上記第3実施例に
組み合わせた場合には、インクモータ1の劣化およびグ
リッドモータ6の劣化および記録用紙駆動系(グリッド
モータを除く)の能力の変化が、インクシート1および
記録用紙9の搬送力を変動させたときに、直ちに、この
変動を検出し、かつ、この変動をインクモータ1の駆動
力によって補償することができる。
【0157】尚、上記第4実施例では、感熱ヘッド3を
プラテン7から離隔させた状態で求めた環境変化係数K
を、上記グリッドモータの目標搬送力Fgrを算出する算
出式にそのまま積算したが、実際の使用時にはプラテン
7と感熱ヘッド3とがインクシート8と記録用紙9とを
挟んで押圧した状態であるので、このことを考慮して、
上記環境変化係数Kに別途算出した係数を上記環境変化
係数Kに加減乗除するようにしてもよい。
【0158】また、上記第4実施例では感熱ヘッド3を
プラテン7から離隔させた状態で給紙したが、感熱ヘッ
ド3をプラテン7に圧接した状態でかつインクモータ1
を駆動させず給紙を行ってもよい。この場合、インクモ
ータ8の弛みを解消する必要が生じるが、印字時の搬送
状態に近い状態での環境変化係数を求めることができる
から、インクモータ8を精度よく制御することができ
る。
【0159】〔第5実施例〕次に、本発明のインクシー
ト搬送制御装置の第5実施例を説明する。この第5実施
例は、請求項5の発明に対応している。この第5実施例
は、上述した第2実施例の変形例である。この第5実施
例が第2実施例と異なる点は、CPU20の動作のみで
あるので、CPU20の動作について重点的に説明す
る。
【0160】この第5実施例は、CPU20が、上記第
2実施例での図6のステップS2とステップS3との間
に、図9のステップS3とステップS4とステップS5
が加わったフローチャートにしたがって動作をするもの
である。次の(A),(B),(C)の順に、図9のステップ
S3〜S5の動作を説明する。このステップS3〜S5
が測定制御手段を構成している。
【0161】(A) まず、図9のステップS3に示すよ
うに、インク搬送制御演算部25は、RAM23に記憶
されているグリッドモータ6の測定電流値Ig1を読出す
と共に、ROM24に記憶されている記録用紙9の目標
搬送力Fgrに対応するグリッドモータ6の電流値をIgr
を読出す。そして、インク搬送制御演算部25は、上記
グリッドモータの測定電流値Ig1と目標電流値Igrとを
比較する。そして、 Ig1>Igrの場合、次の(B)の操作を行う。
【0162】Ig1≦Igrの場合、次の(C)の操作を行
う。
【0163】(B) 図9のステップS4に示すように、
インク搬送制御演算部25は、第二の電圧Vi2をVi2
Vi1となるように定める。
【0164】(C) 図9のステップS5に示すように、
インク搬送制御演算部25は、第二の電圧Vi2をVi2
Vi1となるように定める。
【0165】このように、この第5実施例は、第1記録
用紙駆動電流Ig1が上記目標の記録用紙駆動電流Igrよ
りも大きいときに、第1インクシート駆動電圧Vi1より
も第2インクシート駆動電圧Vi2を大きく設定する一
方、第2記録用紙駆動電流Ig2が上記目標の記録用紙駆
動電流Igrよりも小さいときに、第1インクシート駆動
電圧Vi1よりも第2インクシート駆動電圧Vi2を小さく
設定する。
【0166】したがって、この第5実施例によれば、第
1記録用紙駆動電流Ig1の測定結果を、第2インクシー
ト駆動電圧Vi2の設定に生かすことができる。つまり、
この第5実施例によれば、第1インクシート駆動電圧V
i1よりも第2インクシート駆動電圧Vi2を最適インクシ
ート駆動電圧Virに近づけ得る。したがって、この第5
実施例によれば、最適なインクモータの駆動力を算出す
るまでの間においても、インクシートを極力安定に搬送
することができる。
【0167】尚、この第5実施例において、Ig1=Ig2
の場合は、上記(B)もしくは(C)のどちらの操作を行
ってもかまわない。また、Ig1=Igrの場合には、Vir
=Vi1とし、図9のステップS7以降の操作を中止して
もよい。
【0168】また、この第5実施例では、CPU20が
図6のステップS2とS3の間に、図9のステップS3
とS4とS5が加わったフローチャートにしたがって動
作をするようにしたが、CPU20が図7のステップS
4とステップS5との間に図9のステップS3とS4と
S5が加わったフローチャートにしたがって動作をする
ようにしてもよい。この場合にも、第1記録用紙駆動電
流Ig1の測定結果を、第2インクシート駆動電圧Vi2
設定に生かすことができる。つまり、第1インクシート
駆動電圧Vi1よりも第2インクシート駆動電圧Vi2を最
適インクシート駆動電圧Virに近づけ得る。
【0169】尚、上記第1実施例〜第5実施例では、記
録用紙駆動系がグリッドローラ5を備えたが、記録用紙
駆動系がグリッドローラを備えておらず、記録用紙をプ
ラテンドラムに巻き付けて、記録用紙を搬送するように
なっていてもよい。また、印字ヘッドとして、感熱ヘッ
ド3を備えたが、感熱ヘッドに替えて通電ヘッドを備え
てもよい。さらには、この発明は、インクシートと記録
用紙とを圧接して印字を行うものであれば、どのような
印字装置にも適用することができる。
【0170】また、上記第1実施例〜第5実施例を、イ
ンクモータ1およびグリッドモータ6は、インクモータ
1およびグリッドモータ6の駆動力を伝達系装置を介し
てインクシート8および記録用紙9に伝達する間接駆動
としたが、インクシート1モシクハ記録用紙9の少なく
とも一方をモータで直接に駆動する直接駆動としてもよ
い。この場合、直接駆動を行う駆動系に関して伝達効率
A及び減速比Bを考慮する必要がなくなるから、インク
モータ1の最適駆動電圧Virの算出が容易になるといっ
た利点がある。
【0171】また、インクモータ1およびグリッドモー
タ6の各々の電圧Vi,Vgおよび電流値Ii,Igとの組合
わせ毎のインクモータ1の最適駆動電圧Virを算出もし
くは測定により求めて、上記電圧Vi,Vgおよび電流値
Ii,Igとの組合わせ毎のインクモータ1の最適駆動電
圧Virを、ルックアップテーブル(LUT)としてRO
M24に予め記憶しておき、印字時にインク搬送制御演
算部25が、インクモータ1及びグリッドモータ6の各
々の駆動電圧及び測定電流値の組合わせに対応した最適
駆動電圧Virを読出してインクシートの搬送制御を行う
ようにしてもよい。
【0172】また、上記第1〜第5実施例では、本発明
をラインプリンタに適用したが、本発明はラインプリン
タ以外にシリアルプリンタにも適用できる。この場合の
印字系の構成を図11に示す。シリアルプリンタでは、
インクシートカセット63はキャリッジ62に装着され
ている。そして、キャリッジモータ60を駆動すること
によって、インクシートカセット63を、伝達ローラ6
1を通して印字方向へ往復搬送することができる。上記
インクシートカセット63には、インクシート58がガ
イドローラ65に沿って装着されている。上記インクシ
ート58は、インクモータ51と伝達ギア64によって
巻き取りロール52を駆動することによって、巻き取り
ロール52に巻き取られる。このシリアルプリンタに本
発明を適用した場合には、第1から第5実施例で用紙搬
送用のモータの駆動電圧もしくは電流値を測定したこと
に替えて、キャリッジモータ60の駆動電圧もしくは電
流値を測定すればよい。
【0173】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明のインクシート搬送制御装置は、測定手段が、インク
シート搬送用DCモータを所定のインクシート駆動電圧
で駆動し、このとき、第1制御手段が記録用紙搬送用D
Cモータを駆動して制御している記録用紙駆動電圧また
は記録用紙搬送用DCモータに流れている記録用紙搬送
モータ電流を測定する。そして、関係式決定手段が、所
定のインクシート駆動電圧と、記録用紙駆動電圧または
記録用紙搬送モータ電流とから、インクシートに所定の
張力が発生するようなインクシート駆動電圧と記録用紙
駆動電圧との関係式またはインクシートに所定の張力が
発生するようなインクシート駆動電圧と記録用紙搬送モ
ータ電流との関係式を決定する。そして、第2制御手段
は、予め定められた目標の記録用紙駆動電圧または記録
用紙搬送モータ電流を上記関係式に代入して、記録用紙
搬送用DCモータが上記目標の記録用紙駆動電圧で駆動
されるようなインクシート駆動電圧もしくは上記記録用
紙搬送用DCモータに目標の記録用紙搬送モータ電流が
流されるようなインクシート駆動電圧を算出し、この算
出したインクシート駆動電圧でインクシート搬送用DC
モータを駆動する。
【0174】つまり、請求項1の発明は、所定のインク
シート駆動電圧と、このインクシート駆動電圧に対応し
て測定された記録用紙駆動電圧または記録用紙搬送モー
タ電流とからインクシートに所定の張力を発生させるよ
うな上記関係式を決定する。そして、この関係式に所望
の目標とする記録用紙搬送用DCモータの駆動電圧もし
くは記録用搬送モータ電流を代入して、インクシート搬
送用DCモータに加えるべきインクシート駆動電圧を算
出するのである。
【0175】このように、請求項1の発明は、所定のイ
ンクシート駆動電圧に対応する記録用紙駆動電圧または
記録用紙搬送モータ電流を測定することによって、イン
クシートに所定の張力を発生させるような関係式を決定
し、この関係式に基づいて、目標とする記録用紙搬送用
DCモータの駆動電圧もしくは記録用紙搬送モータ電流
に対応するインクシート駆動電圧を導出できるから、パ
ルス発生器のような複雑な構造を必要とすることなく、
インクシートの張力を所定の値にすることができ、イン
クシートを安定に搬送することができて、印字品位を向
上させることができる。
【0176】また、請求項2の発明は、第1測定手段
が、インクシート搬送用DCモータを所定の第1インク
シート駆動電圧で駆動し、このとき、第1制御手段が駆
動して制御している記録用紙搬送用DCモータに流れて
いる第1記録用紙電流を測定する。次に、第2測定手段
が、インクシート搬送用DCモータを所定の第2インク
シート駆動電圧で駆動し、このとき、第1制御手段が駆
動して制御している記録用紙搬送用DCモータに流れて
いる第2記録用紙電流を測定する。そして、関係式決定
手段は、上記第1および第2インクシート駆動電圧と、
上記第1および第2記録用紙電流とから、上記インクシ
ートに所定の張力が発生するようなインクシート駆動電
圧と記録用紙電流との関係式を決定する。そして、上記
第2制御手段は、予め定められた目標の記録用紙駆動電
圧または目標の記録用紙電流を上記関係式に代入して、
記録用紙搬送用DCモータが上記目標の記録用紙駆動電
圧で駆動されるようなインクシート駆動電圧もしくは記
録用紙搬送用DCモータに上記目標の記録用紙電流が流
されるようなインクシート駆動電圧を算出し、この算出
したインクシート駆動電圧でインクシート搬送用DCモ
ータを駆動する。
【0177】つまり、請求項2の発明は、第1および第
2のインクシート駆動電圧と、この第1および第2のイ
ンクシート駆動電圧に対応して測定された第1および第
2の記録用紙電流とからインクシートに所定の張力を発
生させるような上記関係式を決定する。そして、この関
係式に所望の目標とする記録用紙駆動電圧もしくは記録
用紙電流を代入して、インクシート搬送用DCモータに
加えるべき最適なインクシート駆動電圧を算出するので
ある。
【0178】このように、請求項2の発明は、所定の2
つの異なるインクシート駆動電圧に対応する2つの記録
用紙電流を測定することによって、インクシートに所定
の張力を発生させるような関係式を決定し、この関係式
に基づいて、目標とする記録用紙駆動電圧もしくは目標
とする記録用紙電流に対応するインクシート駆動電圧を
算出できるから、パルス発生器のような複雑な構造を必
要とすることなく、インクシートの張力を所定の値にす
ることができ、インクシートを安定に搬送することがで
きて、印字品位を向上させることができる。
【0179】また、この請求項2の発明では、記録用紙
搬送用DCモータの目標駆動力を記録用紙搬送用DCモ
ータに流れる電流から算出しているから、記録用紙搬送
用DCモータの劣化に影響されることなく、記録用紙搬
送用DCモータの目標駆動力を算出できる。したがっ
て、請求項2の発明によれば、記録用紙搬送用DCモー
タが劣化しても、インクシートを安定に搬送することが
できて、印字品位を良好に維持することができる。
【0180】また、請求項2の発明では、測定するデー
タがグリッドモータつまり記録用紙搬送用DCモータに
流れる電流値だけだから、装置の構成を簡単にすること
ができると共に最適なインクモータの駆動電圧の算出に
かかる時間を短くすることができる。
【0181】また、請求項3の発明は、印字ヘッドとプ
ラテンによってインクシートと記録用紙とを挟んで圧接
した状態で、第1制御手段が、記録用紙が一定速度で搬
送されるように記録用紙搬送用DCモータを制御してい
るときに、第1測定手段が、インクシート搬送用DCモ
ータを所定の第1インクシート駆動電圧で駆動する。そ
して、このとき、第1測定手段は、第1制御手段が記録
用紙搬送用DCモータを駆動して制御している第1記録
用紙駆動電圧および上記記録用紙搬送用DCモータに流
れている第1記録用紙電流を測定する。そして、劣化定
数算出手段は、上記第1記録用紙駆動電圧と第1記録用
紙電流とから記録用紙搬送用DCモータの劣化定数を算
出する。そして、記録用紙駆動電圧算出手段は、上記劣
化定数が表している記録用紙搬送手段のDCモータの劣
化分に対応する分だけ記録用紙駆動電圧の目標値つまり
目標記録用紙駆動電圧を修正する。そして、第2測定手
段は、インクシート搬送用DCモータを所定の第2イン
クシート駆動電圧で駆動して第2記録用紙駆動電圧を測
定する。そして、関係式決定手段は上記第1および第2
インクシート駆動電圧と上記第1および第2記録用紙駆
動電圧とからインクシートに所定の張力が発生するよう
なインクシート駆動電圧を記録用紙駆動電圧との関係式
を決定する。そして、第2制御手段は、上記関係式に上
記修正された目標記録用紙駆動電圧を代入して、上記修
正された目標記録用紙駆動電圧で記録用紙搬送用DCモ
ータが駆動されるようなインクシート駆動電圧を算出し
て、このインクシート駆動電圧でインクシート搬送用D
Cモータを駆動する。
【0182】このように、請求項3の発明は、所定の2
つの異なるインクシート駆動電圧に対応する2つの記録
用紙駆動電圧を測定することによって、インクシートに
所定の張力を発生させるような関係式を決定し、この関
係式に基づいて、目標とする記録用紙駆動電圧に対応す
るインクシート駆動電圧を算出できるから、パルス発生
器のような複雑な構造を必要とすることなく、インクシ
ートの張力を所定の値にすることができ、インクシート
を安定に搬送することができて、印字品位を向上させる
ことができる。また、請求項3の発明は、記録用紙搬送
用DCモータの劣化を検出して目標とする記録用紙駆動
電圧を修正するので、記録用紙搬送用DCモータの劣化
に対応して常にインクシートを安定に搬送することがで
きる。
【0183】また、第1制御手段は、一般的に、記録用
紙搬送用DCモータの駆動電圧を制御することによっ
て、記録用紙搬送用DCモータを制御する。したがっ
て、記録用紙搬送用DCモータの駆動電圧の測定は容易
かつ高精度に行うことができる。したがって、この請求
項3の発明のように、最適なインクシート搬送用DCモ
ータの駆動電圧を算出するために行われる記録用紙搬送
用DCモータの駆動電圧の測定を容易かつ高精度にする
ことができる。したがって、最適なインクシート駆動電
圧の算出精度を向上させることができる。
【0184】また、請求項3の発明では、測定したグリ
ッドモータの電圧と電流値からグリッドモータつまり記
録用紙搬送用DCモータの劣化定数を算出することによ
り、グリッドモータの交換時期を知ることができる。ま
た、電流値の測定が一度であるから、測定にかかる時間
を短縮することができる。
【0185】以上の様に、請求項1乃至3のいづれかの
発明によれば、インクシート駆動系に同期パルス発生器
もしくは定トルク機構等の装置を付加することなく簡単
な構成で印字駆動系の制御を行うことができる。特に、
請求項2及び請求項3の発明では、記録用紙駆動系とイ
ンクシート駆動系を一体として制御を行うことにより、
インクシートの巻取り径の変化のみならずインクシート
及び記録用紙の駆動系の劣化による影響を受けることな
く印字における搬送制御を行うことができ、印字品位を
損なわない。
【0186】また、請求項4の発明は、電流測定手段
が、記録用紙とインクシートを印字ヘッドとプラテンで
圧接していない状態で、記録用紙搬送用DCモータを所
定の電圧で駆動して、このとき上記記録用紙搬送用DC
モータに流れる電流値を測定する。そして、記録用紙搬
送力算出式修正手段は、電流測定手段が測定した電流値
に基づいて、記録用紙搬送手段が含んでいる駆動力伝達
系の伝達能力の変化を検出し、この伝達能力の変化に対
応して、記録用紙駆動電圧もしくは記録用紙電流から記
録用紙搬送手段の搬送力を算出する算出式を修正する。
そして、上記関係式決定手段は、上記記録用紙搬送力算
出式修正手段が修正した算出式を使用して、インクシー
トに所定の張力が発生するようなインクシート駆動電圧
と記録用紙駆動電圧との関係式もしくはインクシートに
所定の張力が発生するようなインクシート駆動電圧と記
録用紙電流との関係式を決定する。したがって、請求項
4の発明によれば、記録用紙搬送手段が含んでいる駆動
力伝達系の伝達能力の変化に対応して、常に、インクシ
ートに所定の張力を発生させて、安定したインクシート
の搬送を実現することができる。つまり、請求項4の発
明によれば、請求項1または請求項2または請求項3の
効果に追加して、グリッドモータつまり記録用紙搬送用
DCモータのみでの一定駆動電圧による記録用紙の搬送
時に、グリッドモータに流れる電流値を測定することに
よって、環境の変化による記録用紙駆動系の影響を受け
ることなく印字における搬送制御を行うことができる。
【0187】また、請求項5の発明は、請求項2または
請求項3に記載のインクシート搬送制御装置において、
第1記録用紙電流と、予め定められた目標の記録用紙搬
送力に対応する目標の記録用紙電流とを比較し、第1記
録用紙電流が目標の記録用紙電流よりも大きいときに、
第1インクシート駆動電圧よりも第2インクシート駆動
電圧を大きく設定する一方、第1記録用紙電流が目標の
記録用紙電流よりも小さいときに、第1インクシート駆
動電圧よりも第2インクシート駆動電圧を小さく設定す
るように、上記第2測定手段を制御する。したがって、
請求項5の発明によれば、測定した第1記録用紙電流
を、第2インクシート駆動電圧の設定に生かすことがで
きる。つまり、請求項5の発明によれば、第2インクシ
ート駆動電圧を、第1インクシート駆動電圧よりも最適
インクシート駆動電圧に近づけ得る。したがって、請求
項5の発明によれば、最適なインクモータつまりインク
シート搬送用DCモータの駆動力を算出するまでの間
に、インクシートの搬送が不安定になることを防止でき
る。
【0188】つまり、請求項5の発明によれば、請求項
2もしくは請求項3の発明の効果に追加して、インクシ
ート搬送用DCモータの第二の駆動電圧を、第一の電圧
で駆動したときに測定した記録用紙搬送用DCモータの
電流値により決定するから、第二の駆動電圧によるイン
クシートの張力が印字品位に影響のでない範囲を越える
ことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクシート搬送制御装置の第1実
施例〜第5実施例の印字搬送系の構成図である。
【図2】 インクシートを記録用紙を印字方向に搬送し
ている状態での上記印字搬送系の力の釣り合い関係を示
す図である。
【図3】 DCモータの駆動電流とトルクの関係を示す
特性図である。
【図4】 図1に示したCPU20を機能的に表現した
ブロック図である。
【図5】 本発明の第1実施例の動作を説明するフロー
チャートである。
【図6】 本発明の第2実施例の動作を説明するフロー
チャートである。
【図7】 本発明の第3実施例の動作を説明するフロー
チャートである。
【図8】 本発明の第4実施例の動作を説明するフロー
チャートである。
【図9】 本発明の第5実施例の動作を説明するフロー
チャートである。
【図10】 従来のインクシート搬送制御装置の印字搬
送系の構成図である。
【図11】 本発明を適用できるシリアルプリンタの印
字系の構成図である。
【図12】 ビデオプリンタの印字系の構成図である。
【符号の説明】
1…インクモータ、2…巻取りロール、3…感熱ヘッ
ド、4…供給ロール、5…グリッドローラ、6…グリッ
ドモータ、7…プラテン、9…記録用紙、20…CP
U、51…インクモータ、52…巻き取りロール、53
…感熱ヘッド、54…供給ロール、57…プラテン、5
8…インクシート、59…記録用紙、60…キャリッジ
モータ、61…伝達ローラ、62…キャリッジ、63…
インクシートカセット、64…伝達ギア、65…ガイド
ローラ、80…インクカセット、81…アーム、82…
ローラ、83…本体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクシートに塗布されているインクを
    記録用紙上に転写するための印字ヘッドと、上記印字ヘ
    ッドに対向して配設され上記インクシートと記録用紙を
    上記印字ヘッドとの間に挟んで支持するプラテンと、上
    記インクシートを巻き取ることによってインクシートを
    搬送するインクシート搬送手段と、上記記録用紙を搬送
    する記録用紙搬送手段とを有し、上記インクシート搬送
    手段はインクシート搬送用DCモータを含んでおり、上
    記記録用紙搬送手段は記録用紙搬送用DCモータを含ん
    でいるインクシート搬送制御装置において、 上記印字ヘッドとプラテンとによって上記インクシート
    と記録用紙とを挟んで圧接した状態で、上記記録用紙を
    一定速度で搬送するように上記記録用紙搬送手段を制御
    する第1制御手段と、 上記インクシート搬送用DCモータを、所定のインクシ
    ート駆動電圧で駆動し、このときに、上記第1制御手段
    が上記記録用紙搬送用DCモータを駆動して制御してい
    る記録用紙駆動電圧もしくは上記記録用紙搬送用DCモ
    ータに流れている記録用紙搬送モータ電流を測定する測
    定手段と、 上記インクシート搬送用DCモータを駆動する所定のイ
    ンクシート駆動電圧と、上記記録用紙搬送用DCモータ
    を駆動する記録用紙駆動電圧もしくは記録用紙搬送モー
    タ電流とから、上記インクシートに所定の張力が発生す
    るようなインクシート駆動電圧と記録用紙駆動電圧もし
    くは記録用紙搬送モータ電流との関係式を決定する関係
    式決定手段と、 予め定められた目標の記録用紙駆動電圧もしくは記録用
    紙搬送モータ電流を上記関係式に代入して、上記記録用
    紙搬送用DCモータが上記目標の記録用紙駆動電圧で駆
    動されるようなインクシート駆動電圧もしくは上記記録
    用紙搬送用DCモータに予め定められた目標の記録用紙
    搬送モータ電流が流れるようなインクシート駆動電圧を
    算出し、この算出したインクシート駆動電圧でインクシ
    ート搬送用DCモータを駆動する第2制御手段とを備え
    たことを特徴とするインクシート搬送制御装置。
  2. 【請求項2】 インクシートに塗布されているインクを
    記録用紙上に転写するための印字ヘッドと、上記印字ヘ
    ッドに対向して配設され上記インクシートと記録用紙を
    上記印字ヘッドとの間に挟んで支持するプラテンと、上
    記インクシートを巻き取ることによってインクシートを
    搬送するインクシート搬送手段と、上記記録用紙を搬送
    する記録用紙搬送手段とを有し、上記インクシート搬送
    手段はインクシート搬送用DCモータを含んでおり、上
    記記録用紙搬送手段は記録用紙搬送用DCモータを含ん
    でいるインクシート搬送制御装置において、 上記印字ヘッドとプラテンとによって上記インクシート
    と記録用紙とを挟んで圧接した状態で、上記記録用紙を
    一定速度で搬送するように上記記録用紙搬送手段を駆動
    して制御する第1制御手段と、 上記インクシート搬送用モータを、所定の第1インクシ
    ート駆動電圧で駆動し、このときに、上記第1制御手段
    が駆動して制御している上記記録用紙搬送用DCモータ
    に流れている第1記録用紙電流を測定する第1測定手段
    と、 上記インクシート搬送用DCモータを、所定の第2イン
    クシート駆動電圧で駆動し、このときに、上記第1制御
    手段が駆動して制御している上記記録用紙搬送用DCモ
    ータに流れている第2記録用紙電流を測定する第2測定
    手段と、 上記第1および第2のインクシート駆動電圧と、上記第
    1および第2の記録用紙電流とから、上記インクシート
    に所定の張力が発生するようなインクシート駆動電圧と
    記録用紙電流との関係式を決定する関係式決定手段と、 予め定められた目標の記録用紙駆動電圧を上記関係式に
    代入して、上記記録用紙搬送用DCモータが上記目標の
    記録用紙駆動電圧で駆動されるようなインクシート駆動
    電圧を算出し、この算出したインクシート駆動電圧でイ
    ンクシート搬送用DCモータを駆動する第2制御手段と
    を備えたことを特徴とするインクシート搬送制御装置。
  3. 【請求項3】 インクシートに塗布されているインクを
    記録用紙上に転写するための印字ヘッドと、上記印字ヘ
    ッドに対向して配設され上記インクシートと記録用紙を
    上記印字ヘッドとの間に挟んで支持するプラテンと、上
    記インクシートを巻き取ることによってインクシートを
    搬送するインクシート搬送手段と、上記記録用紙を搬送
    する記録用紙搬送手段とを有し、上記インクシート搬送
    手段はインクシート搬送用DCモータを含んでおり、上
    記記録用紙搬送手段は記録用紙搬送用DCモータを含ん
    でいるインクシート搬送制御装置において、 上記印字ヘッドとプラテンとによって上記インクシート
    と記録用紙とを挟んで圧接した状態で、上記記録用紙を
    一定速度で搬送するように上記記録用紙搬送手段を駆動
    して制御する第1制御手段と、 上記インクシート搬送用DCモータを、所定の第1イン
    クシート駆動電圧で駆動し、このときに、上記第1制御
    手段が上記記録用紙搬送用DCモータを駆動して制御し
    ている第1記録用紙駆動電圧および記録用紙搬送用DC
    モータに流れている第1記録用紙電流を測定する第1測
    定手段と、 上記第1記録用紙駆動電圧と第1記録用紙電流とから上
    記記録用紙搬送用DCモータの劣化定数を算出する劣化
    定数算出手段と、 上記劣化定数が表すDCモータの劣化度合いに応じた所
    定の値だけ、予め定められた目標の記録用紙駆動電圧を
    修正する目標記録用紙駆動電圧修正手段と、 上記インクシート搬送用DCモータを、所定の第2イン
    クシート駆動電圧で駆動し、このときに、上記第1制御
    手段が上記記録用紙搬送用DCモータを駆動して制御し
    ている第2記録用紙駆動電圧を測定する第2測定手段
    と、 上記第1および第2のインクシート駆動電圧と、上記第
    1および第2の記録用紙駆動電圧とから、上記インクシ
    ートに所定の張力が発生するようなインクシート駆動電
    圧と記録用紙駆動電圧との関係式を決定する関係式決定
    手段と、 上記関係式決定手段が決定した関係式に、上記目標記録
    用紙駆動電圧修正手段が修正した目標記録用紙駆動電圧
    を代入して、上記修正した目標記録用紙駆動電圧で上記
    記録用紙搬送用DCモータが駆動されるようなインクシ
    ート駆動電圧を算出し、この算出したインクシート駆動
    電圧でインクシート搬送用DCモータを駆動する第2制
    御手段とを備えたことを特徴とするインクシート搬送制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    インクシート搬送制御装置において、 記録用紙とインクシートを印字ヘッドとプラテンとで圧
    接していない状態で、上記記録用紙搬送用DCモータを
    所定の電圧で駆動し、このとき上記記録用紙搬送用DC
    モータに流れる電流値を測定する電流測定手段と、 上記電流測定手段が測定した電流値に基づいて、記録用
    紙搬送手段が含んでいる駆動力伝達系の伝達能力の変化
    を検出し、この伝達能力の変化に対応して、記録用紙搬
    送用DCモータの駆動電圧もしくは記録用紙搬送用DC
    モータに流れる電流から記録用紙搬送手段の搬送力を算
    出する算出式を修正する記録用紙搬送力算出式修正手段
    とを備え、 上記関係式決定手段は、 上記記録用紙搬送力算出式修正手段が修正した算出式を
    使用して、インクシートに所定の張力が発生するような
    インクシート駆動電圧と記録用紙駆動電圧との関係式を
    決定するようになっていることを特徴とするインクシー
    ト搬送制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載のインクシート
    搬送制御装置において、 上記第1記録用紙電流と、予め定められた目標の記録用
    紙搬送力に対応する目標の記録用紙電流とを比較し、上
    記第1記録用紙電流が上記目標の記録用紙電流よりも大
    きいときに、上記第1インクシート駆動電圧よりも第2
    インクシート駆動電圧を大きく設定する一方、上記第1
    記録用紙電流が上記目標の記録用紙電流よりも小さいと
    きに、上記第1インクシート駆動電圧よりも第2インク
    シート駆動電圧を小さく設定するように、上記第2測定
    手段を制御する測定制御手段を備えたことを特徴とする
    インクシート搬送制御装置。
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