JP2966703B2 - ろ過装置付き浴室ユニット及びろ過装置の浴室ユニットへの取付け方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴槽の湯水をろ過して
何日も使用することできるようにするろ過装置付き浴室
ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から浴槽の湯水をろ過して何日も使
用することができるようにしたろ過装置が知られてい
る。このろ過装置は従来は浴室外に設置され、浴槽と配
管により接続され、浴槽の湯水をろ過装置によりろ過、
殺菌し、再び浴槽に返送し、浴槽内の湯水を常時清浄な
状態を保持するようにし、この結果、何日でも入浴でき
るようになっている。

【０００３】上記従来例にあっては、ろ過装置が浴室外
に設置されており、このため、ろ過装置の設置のために
特別に設置スペースが必要であり、また、配管等も面倒
であった。そこで、浴室の壁パネルにろ過装置収納部と
なるキャビネットを取付けてろ過装置を該ろ過装置収納
部に収納することが考えられる。ところが、ろ過装置収
納部にろ過装置を設置する場合、ろ過装置収納部内にお
ける浴槽側とろ過装置側との配管の接続が面倒であっ
た。特に、ろ過装置の下面部とろ過装置収納部の底面部
との間で配管の接続をするものにおいては配管の接続作
業のための巾広のスペースが必要で、このため、ろ過装
置の下面部とろ過装置収納部の底面部との間の隙間の巾
が広くなって設置後の収まりが悪くなりこの部分を隠す
配管カバーの縦巾も長いものが必要となるという問題が
ある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明においては、浴
室側からの設置作業によりろ過装置収納部にろ過装置を
設置でき、しかも、ろ過装置の下面部に設けた接続口と
ろ過装置収納部の底面部に設けた配管用ジョイント部と
の接続が浴室内から簡単にでき、ろ過装置の下面部とろ
過装置収納部の底面部との間の隙間も狭くできて収まり
が良くなるろ過装置付き浴室ユニット及びろ過装置の浴
室ユニットへの取付け方法を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決して本発明の目的を達成するため、本発明のろ過装置
付き浴室ユニットは、浴室ユニット１の壁パネル２に前
方が開口したろ過装置収納部４を少なくとも後部が壁パ
ネル２の後方に突出するように取付け、浴槽５の湯水を
ろ過するためのろ過装置６をろ過装置収納部４内の底面
部にろ過装置６の脚４０を立設してろ過装置６をろ過装
置収納部４内に立設収納し、ろ過装置６の下面部にろ過
装置６内の管路に設けた複数の接続口３０を設け、ろ過
装置収納部４の底面部の壁パネル２よりも後方に突出し
た部分に複数の配管用ジョイント部２９を設け、ろ過装
置６の下面部の複数の接続口３０とろ過装置収納部４の
複数の配管用ジョイント部２９とをそれぞれ対応するも
の同士可撓性を有する接続用ホース７ｂにより接続し、
複数の可撓性を有する接続用ホース７ｂのうち少なくと
も幾つかの接続用ホース７ｂを２分割し、２分割した下
側分割ホース７ｂ₁と上側分割ホース７ｂ₂ 同士の接続
部分をろ過装置６の下面部とろ過装置収納部４の底面部
との間の隙間の前寄りに位置させて成ることを特徴とす
るものである。

【０００６】また、本発明のろ過装置６の浴室ユニット
への取付け方法は、浴室ユニットの壁パネル２に前方が
開口したろ過装置収納部４を少なくとも後部が壁パネル
２の後方に突出するように取付け、次に、ろ過装置収納
部４内の底面部の両側にスペーサ３６を置き、その後、
ろ過装置収納部４内にろ過装置６を配置してろ過装置６
の脚４０をスペーサ３６に載せてろ過装置６の下面部と
ろ過装置収納部４の底面部との間の隙間を広くした状態
で該隙間にろ過装置６の下面部の接続口３０とろ過装置
収納部４の底面部の配管用ジョイント部２９とを可撓性
を有する接続用ホース７ｂにより接続し、その後、スペ
ーサ３６を外してろ過装置６の脚４０をろ過装置収納部
４の底面部に設置することを特徴とするものである。

【０００７】また、浴室ユニットの壁パネル２に前方が
開口したろ過装置収納部４を少なくとも後部が壁パネル
２の後方に突出するように取付け、ろ過装置収納部４の
底面部の壁パネル２よりも後方に突出した部分に複数の
配管用ジョイント部２９を設けると共に該複数の配管用
ジョイント部２９のうち１つを残した他の配管用ジョイ
ント部２９に下側分割ホース７ｂ₁ の一端部を接続し、
他方、ろ過装置６の下面部ろ過装置６内の複数の接続口
３０のうち１つの接続口３０に１本ものの非分割ホース
７ｂ₃ の一端部を接続すると共に残りの接続口３０に上
側分割ホース７ｂ₂ の一端部を接続し、次に、ろ過装置
収納部４内の底面部の両側にスペーサ３６を置き、その
後、ろ過装置収納部４内にろ過装置６を配置してろ過装
置６の脚４０をスペーサ３６に載せ、１本ものの非分割
ホース７ｂ₃ の他端部を複数の配管用ジョイント部２９
のうち下側分割ホース７ｂ₁ を接続していない配管用ジ
ョイント部２９に接続し、次に、ろ過装置６の下面部と
ろ過装置収納部４の底面部との間の隙間の前寄りにおい
て対応する下側分割ホース７ｂ₁ と上側分割ホース７ｂ
₂ とを接続し、その後、スペーサ３６を外してろ過装置
６の脚４０をろ過装置収納部４の底面部に設置すること
も好ましい。

【０００８】

【作用】上記のような構成の本発明によれば、浴室ユニ
ット１の壁パネル２に前方が開口したろ過装置収納部４
を少なくとも後部が壁パネル２の後方に突出するように
取付け、浴槽５の湯水をろ過するためのろ過装置６をろ
過装置収納部４内の底面部にろ過装置６の脚４０を立設
してろ過装置６をろ過装置収納部４内に立設収納するこ
とで、浴室ユニット１内にろ過装置６があまり出っ張ら
ない状態で浴室ユニット１内にろ過装置６を設けること
ができるものである。そして、ろ過装置６の下面部の複
数の接続口３０とろ過装置収納部４の複数の配管用ジョ
イント部２９とをそれぞれ対応するもの同士可撓性を有
する接続用ホース７ｂにより接続し、複数の可撓性を有
する接続用ホース７ｂのうち少なくとも幾つかの接続用
ホース７ｂを２分割し、２分割した下側分割ホース７ｂ
₁ と上側分割ホース７ｂ₂ 同士の接続部分をろ過装置６
の下面部とろ過装置収納部４の底面部との間の隙間の前
寄りに位置させることで、２分割した下側分割ホース７
ｂ₁ と上側分割ホース７ｂ₂ の接続が隙間の前寄り部分
において簡単に行える構成とすることができる。

【０００９】また、ろ過装置収納部４内の底面部の両側
にスペーサ３６を置き、その後、ろ過装置収納部４内に
ろ過装置６を配置してろ過装置６の脚４０をスペーサ３
６に載せてろ過装置６の下面部とろ過装置収納部４の底
面部との間の隙間を広くした状態で該隙間にろ過装置６
の下面部の接続口３０とろ過装置収納部４の底面部の配
管用ジョイント部２９とを可撓性を有する接続用ホース
７ｂにより接続し、その後、スペーサ３６を外してろ過
装置６の脚４０をろ過装置収納部４の底面部に設置する
ことで、可撓性を有する接続用ホース７ｂによる接続作
業時にはスペーサ３６の分だけろ過装置６の下面部とろ
過装置収納部４の上面部との間の隙間を広くした状態で
接続作業が簡単に行えることになり、接続作業終了後に
はスペーサ３６を取り外して脚４０をろ過装置収納部４
の底面部に設置することでろ過装置６の下面部とろ過装
置収納部４の底面部との間の隙間を狭くできるようにな
ったものである。

【００１０】また、ろ過装置収納部４の底面部の壁パネ
ル２よりも後方に突出した部分に複数の配管用ジョイン
ト部２９を設けると共に該複数の配管用ジョイント部２
９のうち１つを残した他の配管用ジョイント部２９に下
側分割ホース７ｂ₁ の一端部を接続し、他方、ろ過装置
６の下面部ろ過装置６内の複数の接続口３０のうち１つ
の接続口３０に１本ものの非分割ホース７ｂ₃ の一端部
を接続すると共に残りの接続口３０に上側分割ホース７
ｂ₂ の一端部を接続し、次に、ろ過装置収納部４内の底
面部の両側にスペーサ３６を置き、次に、ろ過装置収納
部４内にろ過装置６を配置してろ過装置６の脚４０をス
ペーサ３６に載せてろ過装置６の下面部とろ過装置収納
部４の底面部との間の隙間をスペーサ３６の分だけ広く
して作業スペースを広くし、この状態で、１本ものの非
分割ホース７ｂ₃ の他端部を複数の配管用ジョイント部
２９のうち下側分割ホースを接続していない配管用ジョ
イント部２９に接続してろ過装置６のろ過装置収納部４
への設置位置の位置決めを行い、次に、ろ過装置６の下
面部とろ過装置収納部４の底面部との間の隙間の前寄り
において対応する下側分割ホース７ｂ₁ と上側分割ホー
ス７ｂ₂ とを接続することにより浴室ユニット１内にお
いて簡単に接続作業が行えるものであり、その後、スペ
ーサ３６を外してろ過装置６の脚４０をろ過装置収納部
４の底面部に設置することで、ろ過装置６の下面部とろ
過装置収納部４の底面部との間の隙間を狭くできるよう
になったものである。

【００１１】

【実施例】本発明を以下添付図面に示す実施例に基づい
て詳述する。浴室ユニット１は図１乃至図４に示すよう
に、床パン１６に浴槽５を設置し、床パン１６の周囲の
立ち上がり部１６ａの上に壁パネル２と扉１７を有する
出入り口用枠１８を立設し、更に、壁パネル２の上に天
井パネル１９を連結して浴室ユニット１が構成してあ
り、これらの諸部材を現場で組み立てるようになってい
る。

【００１２】浴槽５の側面部には図１、図３、図６に示
すように吸い込み口９と吹き出し口１０とが設けてあ
る。吸い込み口９は浴槽５の湯水を吸い込むための部分
であり、吹き出し口１０は浴室内に湯水を吹き出すため
の部分である。そして、これら吸い込み口９や吹き出し
口１０は入浴時に足側に位置するものである（つまり、
熱い湯水が直接背中に衝突しないように足側に位置させ
るものである）。また、浴槽５の頭側と足側を特定する
要素としては肘掛け部や頭を当てる枕部等を浴槽に設け
たり、あるいは、水栓金具１３は足側に設けるので、水
栓金具１３の位置により特定される。この浴槽５の足側
に近接して浴槽５に対向する壁パネル２には開口部３が
設けてある。ここで、開口部３を設ける壁パネル２は上
記吸い込み口９や吹き出し口１０の位置する面と平行に
対向して隣接する壁パネル２でもよく、あるいは直角に
対向して隣接する壁パネル２でもよい。

【００１３】開口部３には壁パネル２の背面側に図７に
示すように、補強用合板２０が取付けられ、表面側に保
持部材１５を配設し、該保持部材１５の表面側から挿入
した固着具２１を補強部材２０に固着して取付けてあ
る。補強部材１５は金属製であり、下受け板２２の両端
部にアングル材よりなる縦枠材２３の下端部に固着して
構成してある。また、下受け板２２の後部（縦枠材２３
より後方）には配管挿通用孔２５が設けてある。そし
て、下受け板２２の後部を開口部３の表面側から差し込
んで後方に突出させると共に断面Ｌ状の縦枠材２３の一
辺を壁パネル２の開口部３の表面側に当て、縦枠材２３
に設けた孔から固着具２１を挿入して、壁パネル２を貫
通して補強部材２０に固着するのである（図８参照）。

【００１４】開口部３には合成樹脂製のろ過装置収納部
４がはめ込んで取付けられる。このろ過装置収納部４は
図６、図８に示すように前方が開口した薄箱状をしてお
り、外周面の前後方向の略中間部分に壁パネル２の表面
に当接する表面当接部２６が設けてあり、この表面当接
部２６のうち少なくとも上下にはフランジ部２７が設け
てある。そして、ろ過装置収納部４を壁パネル２の開口
部３に前方からはめ込んで保持部材１５の下受け板２２
の上に載置し、この状態でろ過装置収納部４の外周部に
設けた表面当接部２６を壁パネル２の前面に当接し、フ
ランジ部２７から挿入した固着具２１を壁パネル２を貫
通して補強部材２０に固着してある。

【００１５】ろ過装置収納部４には図８に示すように、
フランジ部２７よりも後方の底面に配管７を通す配管孔
８が形成してある。また、ろ過装置収納部４の側面又は
底面又は上面の配管孔８よりも前方位置には図１１のよ
うに配管用目印２８が設けてある。浴槽５の吸い込み口
９と吹き出し口１０とにはそれぞれ配管７が接続してあ
り、該配管７によりろ過装置収納部４内に収納されるろ
過装置６と接続されるものである。図３、図４、図６等
に示すように、配管７は浴槽５のフランジ１１又はカウ
ンターの下方の空間部分から壁パネル２を貫通して外部
に導出し、壁パネル２外部においては壁パネル２に沿っ
て立ち上がり（この場合ろ過装置収納部４の後面部より
も後方に突出しないように沿わせる）、ろ過装置収納部
４内に下受け板２２の配管挿通用孔２５と配管孔８を貫
通して突出する浴槽側配管７ａと、一端部が床パン上に
位置して壁パネル２を貫通して外部に導出し、壁パネル
２の外部においては壁パネル２に沿って立ち上がり（こ
の場合ろ過装置収納部４の後面部よりも後方に突出しな
いように沿わせる）、ろ過装置収納部４内に下受け板２
２の配管挿通用孔２５と配管孔８を貫通して突出する排
水管７ｄと、該浴槽側配管７ａ及び排水管７ｄの先端部
のろ過装置収納部４内への突出部分である配管用ジョイ
ント部２９（吸い込み口側の配管用ジョイント部２９
ａ、吹き出し口側の配管用ジョイント部２９ｂ、排水管
側の配管用ジョイント部２９ｃがある）とろ過装置６の
入側接続口３０ａ、出側接続口３０ｂ、排水用接続口３
０ｃ等の接続口３０にそれぞれ接続するための可撓性を
有する接続用ホース７ｂとで構成してあり、該接続用ホ
ース７ｂは下側分割ホース７ｂ₁ と上側分割ホース７ｂ
₂ とに２分割されたものと、１本ものの非分割ホース７
ｂ₃ とが使用される。ここで、２分割された下側分割ホ
ース７ｂ₁ と上側分割ホース７ｂ₂ を使用するのは接続
すべき突出部分２９と接続口３０とが前後方向及び左右
方向にずれて位置している場合に使用され、１本ものの
非分割ホース７ｂ₃ は接続すべき突出部分２９と接続口
３０とが前後方向が前後方向にずれていない場合に使用
するものである。そして、上記１本ものの非分割ホース
７ｂ₃ はろ過装置６をろ過装置収納部４内に配設する際
の位置決めの役目もある。

【００１６】そして、図１１のように、可撓性を有する
２本の下側分割ホース７ｂ₁ の一端部をそれぞれ吸い込
み口側の配管用ジョイント部２９ａ及び排水管側の配管
用ジョイント部２９ｃにはめ込んでホースバンド等によ
り締結して接続する。この場合、下側分割ホース７ｂ₁
の他端部がちょうど配管用目印２８に位置するように該
当する下側分割ホース７ｂ₁ の一端部を吸い込み口側の
配管用ジョイント部２９ａ及び排水管側の配管用ジョイ
ント部２９ｃにに接続するものである。

【００１７】ろ過装置６は図２０に示すように、入側接
続口３０ａ、出側接続口３０ｂを結ぶ径路中にポンプ３
２、セラミックヒータのようなヒータ３３、ろ過槽３
４、殺菌灯やオゾン発生手段等を備えた殺菌部３５等を
設けて構成してあり、また排水用接続口３０ｃが設けて
ある。実施例においては図１１のように下面部に突出し
た入側接続口３０ａ及び排水用接続口３０ｃにそれそれ
上側分割ホース７ｂ₂ をはめ込んでホースバンドにより
締結して接続する。この場合、上側分割ホース７ｂ₂ の
他端部がろ過装置６の底面部の前部側に片寄らせて設け
た目印（図示せず）に位置するようにする。また、出側
接続口３０ｂには１本ものの非分割ホース７ｂ₃ の一端
部をはめ込んでホースバンド等により締結して接続して
ある。ここで、１本ものの非分割ホース７ｂ₃ の他端部
もろ過装置６の底面部に設けた目印（図示せず）に位置
するようにする。

【００１８】そして、ろ過装置６の取付けに当たって
は、図１２のようにろ過装置収納部４内の両端にスペー
サ３６を置き、ろ過装置６の脚４０をスペーサ３６の上
に載せ、ろ過装置６の下面とろ過装置収納部４の底面部
との間に正常のセット時よりもスペーサ３６の分だけ長
い隙間を形成し、この状態で、まず、ろ過装置６に取付
けた１本ものの非分割ホース７ｂ₃ の他端部を吹き出し
口側の配管用ジョイント部２９ｂに接続してろ過装置６
のろ過装置収納部４内における設置位置の位置決めをす
る。次に、２本の下側分割ホース７ｂ₁ の他端部をそれ
ぞれ対応する２本の上側分割ホース７ｂ₂ の他端部に接
続するものである。この場合、可撓性を有する下側分割
ホース７ｂ₁ の他端部と可撓性を有する上側分割ホース
７ｂ₂ の他端部とはいずれも上記ろ過装置６の下面とろ
過装置収納部４の底面部との間に形成される正常のセッ
ト時よりもスペーサ３６の分だけ長い隙間の前方寄りに
位置することになり、両者の接続作業が容易に行えるよ
うになっている。両者の接続は例えば図１３（ａ）
（ｂ）に示すように接続管３７の片側半部を可撓性を有
する下側分割ホース７ｂ₁ の他端部の略水平な部分には
め込むと共に他方の片側半部を可撓性を有する上側分割
ホース７ｂ₂ の他端部の略水平な部分にはめ込んで略水
平方向に接続し、ホースバンド３８により結束するもの
である。このような接続が終わると、上記スペーサ３６
を取り外し、ろ過装置６の脚４０をろ過装置収納部４の
底面部にセットする。

【００１９】ろ過装置収納部４の前部開口の下端部には
配管カバー４１が着脱自在に取付けられて上記ホース類
が外部に見えないようにカバーしている。配管カバー４
１は両側の後向き片４２に係止孔４３を形成し、この係
止孔４３をろ過装置収納部４の両内壁に設けた係止突部
４４に着脱自在に係止することで取付けるようになって
いる。

【００２０】ろ過装置６の上面部には着脱自在な蓋４５
が取付けてあり、該蓋４５を外すことで内部の保守、点
検ができるようになっている。図１５に示すように、ろ
過装置６の外殻を構成するケースの壁部には孔４６が形
成してあり、この孔４６に前倒れ姿勢保持手段１００を
構成するチェーンや紐等の紐状体４７が通してあり、該
紐状体４７の後端はろ過装置収納部４の背面壁に取付け
てある。図１６に示す実施例においては、ろ過装置収納
部４の背面壁の一部に前方に向けて突曲した突曲部４８
を形成し、この突曲部４８の背面側の凹曲部分に補強板
４９をはめ込んで固着し、紐状体４７の後端を固着具に
より補強板４９で背面を補強した突曲部４８部分に固着
するようになっている。紐状体４７の前端部には係止手
段５０とストッパ手段５１とが設けてあり、図１５の実
施例では紐状体４７の前端に環状部５２を設けて、該環
状部５２が係止手段５０とストッパ手段５１とを共用化
している。環状部５２はろ過装置６の上部に存在する筒
部５３に着脱自在に係止されるようになっており、環状
部５２を筒部５３に係止した状態ではろ過装置収納部４
内に収納して自立させているろ過装置６が倒れないよう
に紐状体４７が張られた状態となるように紐状体４７の
長さを設定してある。一方、ろ過装置６の保守点検をす
る場合には蓋４５を外し、係止手段５０を構成する環状
部５２を筒部５３から外し、脚４０を支点としてろ過装
置６を上端部が前に傾くように斜め前方に傾ける。する
と、一定の角度傾くとストッパ手段５１を構成する環状
部５２が孔４６の縁に当たってろ過装置６が一定の傾き
姿勢で保持される。このようにすると、ろ過装置６の上
部の全部又は大部分をろ過装置収納部４よりも前に出し
た状態にでき、この状態でろ材の交換等の保守点検が容
易に行えることになる。図２１には係止手段５０とスト
ッパ手段５１との他の例が示してある。この実施例では
固定金具５４が係止手段５０とストッパ手段５１とを兼
用しており、固定金具５４を被固定部５５に着脱自在に
係止するようになっており、この固定金具５４は孔４６
よりも大きく形成してある。上記各実施例では係止手段
５０とストッパ手段５１とを共用化した実施例を示した
が、係止手段５０とストッパ手段５１とが別部材であっ
てもよいのは勿論である。ろ過装置６を前傾姿勢に傾け
た場合、図１６のように配管カバー４１も回動して前傾
姿勢となるように係止孔４３の形状を設定する。ここ
で、係止孔４３はへ字状をしていて係止用スライド孔部
４３ａと導入孔部４３ｂとで構成してあり、導入孔部４
３から係止突部４４を挿入して係止用スライド孔部４３
ａにはめ込みものであり、通常（つまり配管カバー４１
が起立姿勢をしている時）は係止用スライド孔部４３ａ
の上端部に係止突部４４が位置しているが、ろ過装置６
が下端部を支点にして前傾姿勢に回動すると配管カバー
４１が前端下端部を支点にしてろ過装置６に押されて図
１６の想像線のように回動し、この場合、斜めに傾斜し
た係止用スライド孔部４３ａに沿って係止突部４４の位
置が変化し、係止突部４４が係止用スライド孔部４３ａ
の下端に位置した状態で止まるものである。

【００２１】ろ過装置収納部４の上部には棚板５６が配
設され、棚板５６上に浴室内で使用する種々の小物を載
せて収納することができるようになっている。ここで、
棚板５６はろ過装置収納部４と一体になったものでもよ
いが、着脱自在としておくと、棚板５６を取付けた状態
でろ過装置収納部４内に設置したろ過装置６の直ぐ上に
わずかな隙間を介して配置できることになり、外観を良
くすることができる。そして、ろ過装置６の保守点検時
には棚板５６を取り外してろ過装置６を前述のように前
倒しするものであり、棚板５６を取り外すことでろ過装
置６の前倒し回動の支障にならないようになっている。
棚板５６を着脱自在に取付けるには、例えば、図２２に
示すように、ろ過装置収納部４の内壁にダボ突起５７を
突設し、このダボ突起５７に棚板５６のダボ受け部５８
を係止することで着脱自在に取付けるようになってい
る。

【００２２】浴槽５の吸い込み口９にはフィルタ６０が
取付けられる。すなわち、図１８、図１９に示すよう
に、浴槽５の壁部には鍔付きで且つ外周に雄ねじを有す
る筒状の浴槽内金具６１が浴槽５内から挿入され、浴槽
１外から鍔付きで且つ内周に雌ねじを有する筒状の浴槽
外金具６２の雌ねじを上記浴槽内金具６１に螺合してワ
ッシャやパッキンを介して取付けてある。浴槽内金具６
１は内周部に内方に向けて係合突起６３が突設してあ
る。フィルタ収納部６４の後半体６５には中央部に後方
に向けて接続筒部６６が突設してあり、この接続筒部６
６には一端部が後端縁に開口するＬ状をした係合孔６７
が形成してある。そして接続筒部６６を筒状の浴槽外金
具６２内に入れ、Ｌ状をした係合孔６７の先端開口を係
合突起６３に差し込んだ状態でフィルタ収納部６４をさ
らにＬ状孔の軸方向に沿って押し込むと共にその後回転
して係合孔６７の後端部に係合突起６３を係合するもの
である。この状態ではフィルタ収納部６４の前半体６８
に設けた吸い込み部６９が下向きに位置するように設定
してある。フィルタ収納部６４内にはフィルタ６０が収
納されるが、フィルタ６０の掃除や交換は前半体６８の
後端部を後半体６５の前端部に着脱自在にはめ込んであ
る（嵌合や螺合により着脱自在にはめ込んである）の
で、これを脱離することにより行うものである。

【００２３】しかして、ろ過装置６に設けたポンプ３２
を作動することで、浴槽５の湯水を吸い込み口９の吸い
込み部６９から吸い込まれ、フィルタ６０により髪の毛
などを捕捉し、次いでろ過装置６において、殺菌部３５
により殺菌し、ろ過槽３４によりろ過して再び吹き出し
口１０から浴槽５内にジェット水として浄化した湯水を
吹き出すことで、長期間浴槽５内の湯水を清浄に保つこ
とができるの、数日に渡って入浴が可能となる。そし
て、必要に応じてヒータ３３により加熱することで、湯
水の温度低下を防止するものである。なお、ろ過装置６
にヒータ３３を設けることなく、浴槽５の湯水の加熱手
段を別に設けてもよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明にあっては、上述のように、浴室
ユニットの壁パネルに前方が開口したろ過装置収納部を
少なくとも後部が壁パネルの後方に突出するように取付
け、浴槽の湯水をろ過するためのろ過装置をろ過装置収
納部内の底面部にろ過装置の脚を立設してろ過装置をろ
過装置収納部内に立設収納するので、浴室ユニット内に
ろ過装置があまり出っ張らない状態で浴室ユニット内に
ろ過装置を設けることができるものであり、しかも、こ
の場合、ろ過装置収納部の底面部の壁パネルよりも後方
に突出した部分に複数の配管用ジョイント部を設けてあ
るのでろ過装置からの配管を浴室ユニット内に露出しな
いように壁パネルの後方側に配管できて外観を良くする
ことができるものであり、また、ろ過装置の下面部の複
数の接続口とろ過装置収納部の複数の配管用ジョイント
部とをそれぞれ対応するもの同士可撓性を有する接続用
ホースにより接続し、複数の可撓性を有する接続用ホー
スのうち少なくとも幾つかの接続用ホースを２分割し、
２分割した下側分割ホースと上側分割ホース同士の接続
部分をろ過装置の下面部とろ過装置収納部の底面部との
間の隙間の前寄りに位置させるので、２分割した下側分
割ホースと上側分割ホースの接続が隙間の前寄り部分に
おいて簡単に行える構成とすることができるものであ
る。

【００２５】また、本発明の方法の発明においては、ろ
過装置収納部内の底面部の両側にスペーサを置き、その
後、ろ過装置収納部内にろ過装置を配置してろ過装置の
脚をスペーサに載せてろ過装置の下面部とろ過装置収納
部の底面部との間の隙間を広くした状態で該隙間にろ過
装置の下面部の接続口とろ過装置収納部の底面部の配管
用ジョイント部とを可撓性を有するホースにより接続
し、その後、スペーサを外してろ過装置の脚をろ過装置
収納部の底面部に設置するので、可撓性を有する接続用
ホースによる接続作業時にはスペーサの分だけろ過装置
の下面部とろ過装置収納部の上面部との間の隙間を広く
した状態で浴室ユニット内からの接続作業を簡単に行う
ことができ、また、接続作業終了後にはスペーサを取り
外して脚をろ過装置収納部の底面部に設置することでろ
過装置の下面部とろ過装置収納部の底面部との間の隙間
を狭くでき、この結果、ろ過装置収納部へのろ過装置の
収まりがよく、また、配管の接続部分を隠すための配管
カバーとして上下巾の狭いものを使用できるものであ
る。

【００２６】また、ろ過装置収納部の底面部の壁パネル
よりも後方に突出した部分に複数の配管用ジョイント部
を設けると共に該複数の配管用ジョイント部のうち１つ
を残した他の配管用ジョイント部に下側分割ホースの一
端部を接続し、他方、ろ過装置の下面部ろ過装置内の複
数の接続口のうち１つの接続口に１本ものの非分割ホー
スの一端部を接続すると共に残りの接続口に上側分割ホ
ースの一端部を接続し、次に、ろ過装置収納部内の底面
部の両側にスペーサを置き、その後、ろ過装置収納部内
にろ過装置を配置してろ過装置の脚をスペーサに載せ、
１本ものの非分割ホースの他端部を複数の配管用ジョイ
ント部のうち下側分割ホースを接続していない配管用ジ
ョイント部に接続し、次に、ろ過装置の下面部とろ過装
置収納部の底面部との間の隙間の前寄りにおいて対応す
る下側分割ホースと上側分割ホースとを接続し、その
後、スペーサを外してろ過装置の脚をろ過装置収納部の
底面部に設置するものにおいては、スペーサの分だけ隙
間を広くした状態で１本ものの非分割ホースの接続によ
りろ過装置のろ過装置収納部への配設位置の位置決めを
おこなうと共に、残りの分割ホースはスペーサにより広
くなった隙間の前部寄りの部分において簡単に接続作業
が行えるものであり、しかも、接続作業終了後にはスペ
ーサを取り外して脚をろ過装置収納部の底面部に設置す
ることでろ過装置の下面部とろ過装置収納部の底面部と
の間の隙間を狭くでき、この結果、ろ過装置収納部への
ろ過装置の収まりがよく、また、配管の接続部分を隠す
ための配管カバーとして上下巾の狭いものを使用できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体を示す正面断面図である。

【図２】同上の全体を示す平面断面図である。

【図３】同上の側面断面図である。

【図４】同上の要部正面断面図である。

【図５】同上のろ過装置を取付ける前のろ過装置取付け
部分の平面断面図である。

【図６】同上の分解斜視図である。

【図７】同上の保持部材の取付けを示す分解斜視図であ
る。

【図８】同上のろ過装置収納部の取付けを示す分解斜視
図である。

【図９】同上のろ過装置収納部の吸い込み口側突出部及
び排水管側突出部に下側分割ホースの一端部をそれぞれ
接続した状態の斜視図である。

【図１０】同上のろ過装置の下面図である。

【図１１】同上の分解斜視図である。

【図１２】同上の取付け前の状態を示す斜視図である。

【図１３】（ａ）は同上の配管の接続を示す説明図であ
り、（ｂ）は断面図である。

【図１４】同上に用いるホースを示す斜視図である。

【図１５】同上のろ過装置を前倒し状態にした斜視図で
ある。

【図１６】同上の配管カバーを前倒しにする説明図であ
る。

【図１７】同上の配管カバーの取付けを示す断面図であ
る。

【図１８】同上の吸い込み口部分の分解斜視図である。

【図１９】同上の吸い込み口部分の断面図である。

【図２０】本発明の概略配管図である。

【図２１】本発明の他の実施例の斜視図である。

【図２２】本発明の棚板の着脱の例を示す図面で、
（ａ）は断面図であり、（ｂ）は分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 浴室ユニット ２ 壁パネル ４ ろ過装置収納部 ５ 浴槽 ６ ろ過装置 ７ｂ 接続用ホース ７ｂ₁ 下側分割ホース ７ｂ₂ 上側分割ホース ７ｂ₃ 非分割ホース ２９ 配管用ジョイント部 ３０ 接続口 ３６ スペーサ ４０ 脚

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 保博 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 井 千尋 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04H 1/12

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴室ユニットの壁パネルに前方が開口し
   たろ過装置収納部を少なくとも後部が壁パネルの後方に
   突出するように取付け、浴槽の湯水をろ過するためのろ
   過装置をろ過装置収納部内の底面部にろ過装置の脚を立
   設してろ過装置をろ過装置収納部内に立設収納し、ろ過
   装置の下面部にろ過装置内の管路に設けた複数の接続口
   を設け、ろ過装置収納部の底面部の壁パネルよりも後方
   に突出した部分に複数の配管用ジョイント部を設け、ろ
   過装置の下面部の複数の接続口とろ過装置収納部の複数
   の配管用ジョイント部とをそれぞれ対応するもの同士可
   撓性を有する接続用ホースにより接続し、複数の可撓性
   を有する接続用ホースのうち少なくとも幾つかの接続用
   ホースを２分割し、２分割した接続用ホース同士の接続
   部分をろ過装置の下面部とろ過装置収納部の底面部との
   間の隙間の前寄りに位置させて成ることを特徴とするろ
   過装置付き浴室ユニット。
2. 【請求項２】 浴室ユニットの壁パネルに前方が開口し
   たろ過装置収納部を少なくとも後部が壁パネルの後方に
   突出するように取付け、次に、ろ過装置収納部内の底面
   部の両側にスペーサを置き、その後、ろ過装置収納部内
   にろ過装置を配置してろ過装置の脚をスペーサに載せて
   ろ過装置の下面部とろ過装置収納部の底面部との間の隙
   間を広くした状態で該隙間にろ過装置の下面部の接続口
   とろ過装置収納部の底面部の配管用ジョイント部とを可
   撓性を有する接続用ホースにより接続し、その後、スペ
   ーサを外してろ過装置の脚をろ過装置収納部の底面部に
   設置することを特徴とするろ過装置の浴室ユニットへの
   取付け方法。
3. 【請求項３】 浴室ユニットの壁パネルに前方が開口し
   たろ過装置収納部を少なくとも後部が壁パネルの後方に
   突出するように取付け、ろ過装置収納部の底面部の壁パ
   ネルよりも後方に突出した部分に複数の配管用ジョイン
   ト部を設けると共に該複数の配管用ジョイント部のうち
   １つを残した他の配管用ジョイント部に下側分割ホース
   の一端部を接続し、他方、ろ過装置の下面部ろ過装置内
   の複数の接続口のうち１つの接続口に１本ものの非分割
   ホースの一端部を接続すると共に残りの接続口に上側分
   割ホースの一端部を接続し、次に、ろ過装置収納部内の
   底面部の両側にスペーサを置き、その後、ろ過装置収納
   部内にろ過装置を配置してろ過装置の脚をスペーサに載
   せ、１本ものの非分割ホースの他端部を複数の配管用ジ
   ョイント部のうち下側分割ホースを接続していない配管
   用ジョイント部に接続し、次に、ろ過装置の下面部とろ
   過装置収納部の底面部との間の隙間の前寄りにおいて対
   応する下側分割ホースと上側分割ホースとを接続し、そ
   の後、スペーサを外してろ過装置の脚をろ過装置収納部
   の底面部に設置することを特徴とするろ過装置の浴室ユ
   ニットへの取付け方法。