JP2966440B2 - カオリン含有流動クラッキング触媒 - Google Patents

カオリン含有流動クラッキング触媒

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明、クラッキングの目的のための、ゼオライト化
合物および酸処理したカオリン粘土を含む触媒組成物に
関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) 粘土は、妥当な価格および入手容易性の故に、特に適
したFCC(流動クラッキング触媒)成分を構成すること
は、従来公知である。
従来の技術には、改善された触媒特性を得るために触
媒組成物に添加されるカオリン粘土について、いくつか
の熱的および化学的処理が述べられている。
触媒組成物に添加するための適した多孔性物質を生成
するカオリンの脱アルミ化は、英国特許出願(GB)第2
118 063号の主題であり、これには、メタカオリンを塩
酸または硝酸または塩化アルミニウムで処理することに
より得られるバインダーの製造法が述べられていて、メ
タカオリン中の構造アルミナの25モル%までをそのよう
な酸と反応させる。
英国特許出願(GB)第2 120 571号もまた、触媒的ク
ラッキング組成物に添加されるカオリンの酸浸出につい
て述べている。メタカオリンは塩酸で浸出され、次いで
噴霧乾燥され;その後イオン交換されることができる。
しかしながら、塩酸または硝酸での酸浸出は生成物のア
ルミナ含量を減少させるにすぎない。
本発明で提示されている酸との本発明で提示されてい
る方法での反応は、アルミナ塩をいくらか沈殿させると
いう結果をもたらし、これは改善された性能に寄与す
る。
カオリンの鉱酸での処理についての幾つかの提案が従
来なされてきた。
ヨーロッパ特許出願(EP)第0 240 136号はゼオライ
ト物質、マトリックス物質および鉱酸で洗浄したカオリ
ンを含む触媒組成物に関する。カオリンは、リン酸また
は硫酸のような鉱酸と物理的に混合される。得られた組
成物は、窒素除去剤として使用されるものである。いか
なる触媒活性も生じない。
米国特許(US)第3 406 124号明細書は結晶アルミノ
シリケートを含む混成触媒の製造に関し、その製造工程
において、アルミナ含有粘土は浸出され、次いでインサ
イツ(in situ)で、中和により沈殿される。そのよう
な製造は、粘土を、触媒組成物におけるバインダーとし
て有用にする。
前述した方法は、触媒的クラッキングにおいて、触媒
組成物の物理的特性の改善をもたらしたが、それらの触
媒性能の改善が必要とされる。このように、本発明の目
的の1つは、触媒性能が酸処理したカオリンまたはメタ
カオリンにより修正されたアルミノシリケート含有触媒
組成物を製造することである。
本発明は、 a.結晶アルミノシリケート 5〜50重量%; b.リン酸、硫酸および酢酸よりなる群のうちの酸と混合
し、得られたスラリーを大気圧下または大気圧より高い
圧力下で、25〜110℃に1〜100時間加熱し、あらかじめ
中和することなしに洗浄しかつ任意的に乾燥することに
より得られる、酸処理したカオリンまたはメタカオリン
5〜80重量%; c.カオリンのような粘土 0〜65重量%; d.活性マトリックス 0〜50重量%; および e.シリカ、シリカ−アルミナまたはアルミナのような合
成マトリックスからなる残余; を含む流動クラッキングのための触媒組成物に関する。
米国特許(US)第3 437 441号明細書より、カオリン
の硫酸、リン酸または酢酸での酸処理は公知である。し
かしながら、前記特許明細書に記載された酸処理は、高
温で長時間にわたるカ焼(calcination)により得られ
る激しい発熱反応である。このやり方では、80重量%を
超える脱アルミ化が得られる。しかし、そのようなカオ
リンを触媒クラッキング組成物中に利用すること、およ
びそのような組成物を使用することは示されていない。
本発明は、上記したような触媒組成物およびその製造
法ならびに、得られた触媒を、残油転化率およびガソリ
ン収率を増加させ、およびコークス生成物を減少させる
流動床クラッキング法に使用することに関する。
ここで提示されている酸とのここで提示されている方
法での反応は、アルミナ塩をいくらか沈殿させるという
結果をもたらし、これは改善された性能に寄与する。
本発明はまた、上記したような触媒組成物の存在下で
の炭化水素の触媒的流動クラッキングに関する。
本発明によれば、カオリン粘土またはメタカオリン粘
土は、リン酸、硫酸または酢酸と反応して、広い表面積
と細孔容積および高いルイス ブレンステッド酸度を有
する適した多孔性構造を創造する。
カオリンは天然の、土のように見える集合体で、主と
して含水ケイ酸アルミニウムからなり、より正確には主
としてカオリナイト群の鉱物からなる粘土として定義さ
れる。カオリナイトは、アルミナに対するシリカのモル
比2:1を有する、重層の粘土鉱物である。それは非常に
低いカチオン交換容量ならびにほとんどゼロの細孔容積
および表面積を有する。
カオリナイトは、等しい層の規則的な積み重ねによっ
て形成され、各層は、四面体のSiO4シートおよび八面体
のAl2(OH)シートからなり、これはまたギブサイト
シート(gibbsite seet)と呼ばれ、共有の酸素原子に
より互いに結合されて単一のシートを形成し、その結
果、強い極性の構造となっている。これらの構造は積み
重ねられ、ファン デル ワールス力により結晶格子に
保持される。
メタカオリンは、カオリンの熱処理後に得られるカオ
リン粘土であり、熱処理は約600〜900℃の範囲の温度で
約15分間〜8時間、好ましくは15分間〜2時間加熱され
ることを含む。この熱処理−空気の存在下で行うことが
できる−により、原料カオリン(raw kaolin)が、メタ
カオリンとして特性を与えられた反応性の形に転化され
る。
脱アルミ化剤として硫酸が使用される場合には、優れ
た酸強度およびより高い比面積の故に、メタカオリンの
使用により最適触媒が得られる。リン酸については、カ
オリンの使用により改善された結晶化の結果として最適
触媒が得られる。酢酸についてもまた、メタカオリンの
使用により最適触媒が得られる。リン酸または酢酸を用
いた処理が好ましい。
触媒組成物に添加されるカオリンまたはメタカオリン
の量は、5〜80重量%の範囲内、好ましくは10〜50重量
%の範囲内、より好ましくは10〜45重量%の範囲内にあ
る。カオリンをリン酸で処理したら、次いで、得られた
浸出されたカオリンを希土類の塩を用いて、後反応させ
ることができる。
酸処理したカオリンまたはメタカオリン粘土の調製
は、以下のようである: (a)カオリンまたは600℃より高い温度で少なくとも
0.5時間処理したカオリン(かくしてメタカオリンを形
成する)を、酸溶液と反応させ、このときカオリンに対
する酸溶液の重量比は1〜12、より特別には3〜6であ
り、かくして粘土懸濁液を得る。
6%以上の酸溶液を使用する。硫酸溶液については、
8〜98%、好ましくは10〜45%の酸溶液を使用する。6
〜85%、好ましくは10〜45%の酸溶液が、リン酸では使
用され、10〜100%、好ましくは20〜60%溶液が酢酸に
適用される。
(b)(a)から得られた懸濁液を、大気圧または大気
圧より高い圧力で、25〜110℃、好ましくは80〜105℃
で、連続的に撹拌しつつ、1〜100時間、好ましくは硫
酸、リン酸および酢酸の場合にそれぞれ、1〜70時間、
60〜80時間および20〜80時間加熱する。最終pHは、0.1
と4の間にあり;より特別には硫酸、リン酸および酢酸
についてそれぞれ、0.5と3の間、1と3の間および2
と3.5の間にある。
(c)(b)から得られた生成物を濾過によって単離
し、水でよく洗浄する。生成物は所望ならば、最懸濁さ
せることができ、また再び濾過を繰り返すことができ、
懸濁液のpHは1.0と3.0の間、より特別には2.0と3.0の間
に調整する。
(d)任意的に、(c)から得られた生成物を、オーブ
ンで105〜115℃に15〜18時間または瞬間乾燥機で同じ温
度で、乾燥する。
触媒組成物には、5〜50重量%、好ましくは15〜30重
量%のモレキュラーシーブを使用する。
流動クラッキング触媒を調製するのに通常使用される
モレキュラーシーブはすべて、ゼオライト状結晶アルミ
ノシリケートとして使用することができる。好ましく
は、3〜15Åの直径範囲の結晶状合成アルミノシリケー
トである。例えばA,X,Y,ZK−4,ZK−5,ZSM−5,ZSM−11お
よびZSM−12ゼオライトならびに超安定型ゼオライトが
挙げられる。なおより好ましくは、XおよびYまたは超
安定型が使用される。妥当な触媒活性を確実に得るため
に、これらのゼオライトのカオチン(通常ナトリウム型
に調製される)を交換する。このイオン交換は通常、希
土類イオン、アンモニアまたは水素含有溶液を用いて行
う。イオン交換は通常、触媒中のナトリウム含量が4重
量%未満に、好ましくは1重量%より下になるまで行
う。
普通使用され、ゼオライト状結晶アルミノシリケート
に添加するのに適したすべての公知の化合物を、合成マ
トリックスのために使用することができ、それらは例え
ばシリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニ
ア、ボリアおよびそれらの混合物である。シリカ、シリ
カ−アルミナまたはアルミナを使用するのが好ましい。
また、活性マトリックス物質として酸化アルミニウム
を、例えば水酸化アルミニウム粒子の形で使用するのが
好ましい。そのような化合物は触媒組成物において、0
〜50重量%、好ましくは0〜20重量%の量で使用する。
酸と反応したカオリンまたはメタカオリンおよび結晶
アルミノシリケートに加えて、他の成分を合成マトリッ
クスに添加することができる。例として、粘土、例えば
カオリン、ハロイサイト、ベントナイト、モンモリロナ
イトおよび層間に挿入された粘土(intercalated cla
y)が挙げられる。アルミニウム水和物または酸化物も
また触媒組成物に添加することができる。そのような化
合物は活性および不活性マトリックスのクラスに属す
る。
それらは触媒組成物に、0〜65重量%、好ましくは10
〜65重量%の量で添加する。最も好ましくはカオリン粘
土を10〜45重量%添加する。
種々の触媒構成成分を添加する順序は重要ではない。
触媒組成物の成分を、合成マトリックスを用いて種々の
公知の方法により結合することができる。流動クラッキ
ング触媒を調製するための有用な方法は、例えば米国特
許(US)第3 939 058号明細書および米国特許(US)第3
867 308号明細書に記載されている。
米国特許(US)第3 939 058号明細書では、所望の成
分を含有したシリカ−アルミナゲルを形成する。急速に
形成された触媒ビーズはイオン交換され、次いで粉砕さ
れ、そして水に再懸濁され、得られた懸濁液は噴霧乾燥
機で噴霧乾燥されて流動クラッキング触媒を形成する。
米国特許(US)第3 867 308号明細書では、ゼオライ
トと粘土の懸濁液が、触媒組成物のための合成マトリッ
クスとして使用するために調製されたシリカゾルに添加
され、該懸濁液は噴霧乾燥されて流動クラッキング触媒
を生ずる。このバインダーは、噴霧乾燥中にゲルに変わ
る。
本発明による触媒の調製にとっては、後者の方法が好
ましい、なぜなら酸と反応させたカオリンまたはメタカ
オリンを非ゲル化バインダー(バインダーの噴霧乾燥
前)と混合すると、比較的高密度の触媒組成物を生ずる
からである。このように、0.5g/mlより高いみかけの密
度は容易に達成される。
1つの実施態様においては、本発明による触媒組成物
を調製するための方法は、以下の段階を含むことができ
る: a)触媒のための出発懸濁液を調製する、 b)粒子を形成し、そして乾燥する、 c)原触媒(raw catalyst)を洗浄する、 d)洗浄した触媒を乾燥する、 e)任意的に、出来上った触媒をカ焼する。
例えば、段階a)では、バインダーはシリカまたはシ
リカ−アルミナヒドロゾル法により調製する。この場
合、段階a)は、例えば、硫酸溶液にケイ酸ナトリウム
を添加することによるシリカまたはヒドロゾルの調製、
またはシリカ−アルミナヒドロゾルの場合にはケイ酸ナ
トリウム溶液と硫酸アルミニウム溶液とを混合すること
により始まる。出来上ったヒドロゾルは、約3.0のpHを
有する。シリカまたばシリカ−アルミナは、種々の触媒
構成成分のためのバインダーとして働き、その結果稠密
な耐摩耗性粒子が形成されることを特記しておく。ヒド
ロゾルを調製した後、触媒組成物の他の構成成分を、粉
末形状または水性懸濁液として、1つづつそれに添加す
る。添加する順序は重要ではない。
最終の均一な触媒に到達するために、すべての構成成
分の粒子の平均等価直径(average equivalent diamete
r)は5μmより小さいことが同様に重要である。
段階b)、すなわち触媒粒子の形成および乾燥は、噴
霧乾燥機中で行う。このように、段階b)は、可溶性の
塩を処分するためおよび触媒組成物のナトリウム含量を
減少させるために段階c)で調製されるべき原触媒を作
る。これは、水で洗浄することによって達成される。最
後に、段階d)は、オーブンで触媒を乾燥することから
なり、その後組成物は試験されおよび/または使用され
る。何らかのカ焼は任意的なものである。
かくして調製された触媒組成物の耐摩耗性はかなり高
く、ダビソン摩耗指標(Davison Attrition Index)で
ほぼ10として測定される。
他の実施態様では、触媒はアルミニウムクロロヒドロ
ール法を用いて形成される。アルミナゾルバインダー
は、金属アルミニウムを塩酸の水性溶液と反応させて、
一般反応 2Al+6HCl→2AlCl3+3H2 により、アルミニウムトリクロリドを形成することによ
り、調製することができる。形成されたアルミニウムト
リクロリドは次いで水と反応され、4.5〜7.0の範囲内の
モル比の水酸化アルミニウムと塩化アルミニウムとの混
合物を生じる。1つの方法によれば、アルミニウムは水
性塩酸と79〜145℃の温度で6〜24時間反応させる。水
性塩酸は、好ましくは水1当たりHCl0.5〜1.5モル含
み、好ましくはアルミナ各グラム原子につきHCl0.35〜
0.54モルとなる量で使用される。その反応で、追加の水
と容易に混和し得るアルミナゾルが生じる。
この工程において、触媒組成物の他の成分を粉末の形
状でまたは水性懸濁液として、添加することができる。
pHが酸性の範囲内にあるときアルミニウムクロロヒドロ
ールがより効果的であるので、アルミニウムクロロヒド
ロールの添加後、必要ならば酸溶液の助けによって調整
して、pHを2.0〜6.5の範囲に保持する。得られた懸濁液
を噴霧乾燥し、それによりゲルになる。
熱によりアルミニウム水和物を分解することによって
アルミナが形成され、これは種々の触媒構成成分のため
のバインダーとして働き、かくして稠密な耐摩耗性粒子
の形成をもたらす。
ここで開示し、特許請求した触媒組成物の存在下で処
理されるべき原料は、慣用的に工業プラントで使用され
る炭化水素供給原料、例えば、最初に水素化処理を受け
ることができる221〜600℃の沸点範囲の初留出油または
ガス油である。
(実施例) 以下に示す実施例を参照して、本発明を説明する。
実施例で使用したカオリンは、コーリム アマゾニア
(Caulim Amazonia)S.A.(CADAM)により供給されたAM
AZON−88である。
その粒子は0.23μmの平均直径を有し、すべての粒子
が直径2.0μmより小さい。これらの粒子は、約0.01〜
0.02μmの大変薄い六面体形状の板である。
シリカまたはシリカ−アルミナゾルが使用される実施
例については、上述したように調製されたゾルは、供給
物が球状の小滴として噴出するディスクが備えられた、
遠心力利用の噴霧器を有する噴霧乾燥機で乾燥する。こ
れらはゆっくりと乾燥されて、堅い丈夫な粒子になり、
原触媒となる。乾燥機からの流出物は、所望の粒子サイ
ズが回収されるサイクロンへ進む。乾燥機へ入る空気の
温度は350〜450℃で、出ていく温度は110〜150℃であ
り、回転数は約25,000rpmである。段階b)では、入っ
てくる空気が比較的高温−ほぼ400℃−であるため、シ
リカまたはシリカ−アルミナゾルはゲルとなる。適した
触媒粒子の平均等価直径は約50〜60μmである。水で洗
浄した後、触媒をオーブンで110〜115℃で15〜18時間乾
燥する。
アルミナヒドロゾルを用いるならば、ヒドロゾルは示
したように調製し、水で希釈する。次いでこれに、他の
成分を添加するが、添加の順序は重要でない。
形成した物質の構造は、窒素吸着分析により試験す
る。また、ファースト サウス アメリカン ケッチェ
ン キャタリスツ セミナー(First South American K
etjen Catalysts Seminar)、ブラジルのリオ デ ジ
ャネイロで開催、1985年、9月22−24日の記録の第8−
9頁に示された手順にしたがって、微小活性試験(micr
oactivity test MAT)を用いて750℃で失活性の後、触
媒の活性および選択性について試験した。
これらの試験においては、最初に水素化処理された、
221〜600℃の沸点範囲を有する初留出油を用いた。さら
に慣用の転化条件、すなわち430〜600℃の温度、2〜3
気圧の圧力、およびクラッキングゾーンにおける1時間
ごとの空間速度5〜250が使用され、触媒粒子における
最終的なコークスの沈澱は2%ほどであった。
なお、特に指定してある場合以外は、%はすべて重量
%である。また、REは希土類元素を表す。
実施例1 流動触媒クラッキングの目的のための触媒を、以下の
双方にしたがって調製した: RENH4Yゼオライト 15% 硫酸で6時間脱アルミ化したカオリン 20% このために25重量%硫酸溶液600gを、撹拌しながらカ
オリン200gに、100〜103℃および大気圧下で添加した。
懸濁液を均一に保持するため、反応はロータリーエバポ
レータ中で行った。得られた生成物を濾過し、脱イオン
水2で洗浄して可溶性の塩を除去し、そしてオーブン
で、110〜115℃で16〜18時間乾燥した。
カオリン 43% 合成マトリックスとしてのシリカ 22%、 シリカは前述したようなヒドロゾル法により調製し
た。
構成成分をシリカヒドロゾルに添加した。触媒は前述
したように段階a〜dにより調製した。以下に示したよ
うに、調製した触媒の物理的および化学的分析データは
触媒Aのもとに表1に示した。MAT試験の結果は表2に
示した。
実施例2 カオリンを、25重量%の酢酸溶液と64時間反応させた
こと以外は実施例1と同様に触媒組成物を調製した。か
くして触媒Bが得られ、その試験の結果を表1および2
に示した。
実施例3 カオリン100gをリン酸溶液600g(H3PO4の過剰160重量
%)で20時間処理したこと以外は実施例1にしたがって
触媒を調製した。物理的分析および活性試験の結果は触
媒Cのもとに表1および2に示した。
実施例4〜8では、酸で脱アルミ化する前に、カオリ
ン粘土を700℃で5時間最初に熱処理して、メタカオリ
ンを得た。試験結果を表1および2に示した。
実施例4および5 メタカオリンが、硫酸浸出処理を30時間受けたこと以
外は実施例1に述べたように、触媒Dを調製した。触媒
Eは、メタカオリンについての浸出処理が64時間であっ
たこと以外は同様にして調製した。
実施例6 触媒Fは、実施例2に述べたようにして、メタカオリ
ンを用いて調製した。
実施例7 メタカオリンの反応について、その230gを21.25重量
%のリン酸溶液575gを用いて64時間処理したこと以外
は、実施例3に述べたように触媒Gの調製のために構成
成分を用いた。
実施例8 触媒調製についてこの実施例では、メタカオリンが、
1時間硫酸浸出されたものであること以外は、実施例1
に述べられたような方法を用いた。触媒Hの処方は、以
下に示したようである: RENH4Yゼオライト 15% 脱アルミ化メタカオリン 40% カオリン 23% ヒドロゾル法により調製したSiO2からなる合成マトリッ
クス 22%。
すべての触媒は、カオリンを酸処理した結果として、
改善された性能を示す。適切な酸および処理時間を選択
することにより、最適な触媒を調製することができる。
触媒K〜Rについての試験結果は、表3および表4に
示した。
実施例9 触媒Kの調製については、水性懸濁液中のシリカ−ア
ルミナゾルに下記のものを添加した:RENH4Yゼオライ
ト、カオリン200g(700℃で5時間加熱し、25重量%の
酢酸溶液600gと30時間反応させたもの)、カオリン、お
よびアルミナ粉末からなる活性マトリックス。次いで、
上記したように調製を続けた。かくして得られた触媒
は、以下の処方であった: RENH4Yゼオライト 15% 酸と反応させたメタカオリン 10% Al2O3 20% カオリン 33% 合成マトリックス(SiO297%およびAl2O33%) 22%。
実施例10 メタカオリンを酢酸と反応させる代わりに、(加熱処
理していない)カオリンを25重量%の硫酸溶液と20時間
反応させたこと以外は、実施例9に述べたように、触媒
Lの調製をおこなった。
実施例11 触媒Mは、以下のようにして調製した:シリカ−アル
ミナのゾルに、RENH4Yゼオライト、カオリン、25重量%
の硫酸溶液で40時間浸出させたカオリンからなる水性懸
濁液を、上述のように添加した。さらに乾燥、洗浄およ
び乾燥は前記したように行った。
実施例12および13 触媒組成物は、以下に記載したように調製した:上述
したように調製したメタカオリン2864gを21.25重量%の
リン酸溶液と96℃で70時間反応させ、希土類溶液(La2O
34.3%,CeO20.7%,Nd2O31.5%,Pr6O110.5%)43に再
懸濁させた。得られた懸濁液を3時間撹拌し、その後生
成物を濾過し、約10の水で洗浄した。次いで、得られ
た濾過ケーキを110℃で17時間乾燥した。
かくして得られた浸出したメタカオリン、カオリンお
よびRENH4Yゼオライトを、以下の量でシリカゾルに添加
した: RENH4Yゼオライト 15% 酸と反応させたカオリン 触媒Nについては40% 触媒Pについては20% カオリン 触媒Nについては23% 触媒Pについては43% シリカ 22%。
形成した懸濁液を均一化し、噴霧乾燥機で乾燥した。
得られた触媒の分析の結果は、表3および表4に、触
媒NおよびPのもとに示した。
実施例14 この実施例の触媒組成物Qは、次のようにして得られ
た: カオリンを、酸溶液/カオリンの比が6であり、H3PO4
過剰が約30重量%であるように、リン酸で50時間処理
し、得られた浸出カオリン、アルミナ、カオリンおよび
RENH4Yゼオライトを、以下の量で、アルミニウムクロロ
ヒドロール溶液に添加した: RENH4Yゼオライト 15% 酸と反応させたカオリン 10% カオリン 35% アルミナ 20% アルミナ粉末 20%。
懸濁液は均一化した後、噴霧乾燥機で乾燥した。得ら
れた触媒についての試験結果を以下の表に載せた。
実施例15 25重量%の硫酸溶液で30時間浸出させたメタカオリン
の懸濁液に、RENH4Yゼオライトおよび50%のアルミニウ
ムクロロヒドロール溶液を添加した。懸濁液のpHは酸溶
液を用いて4.5にセットし、次いで全体を噴霧乾燥機で
乾燥した。次に、触媒組成物をカ焼し、最終生成物を形
成した。得られた触媒Rは、以下の量を用いて調製し
た: RENH4Yゼオライト 15% 硫酸で脱アルミ化したカオリン 63% 合成マトリックス(Al2O3100%) 22% 本発明によるすべての触媒は、触媒CAおよびCBに比較
して、ガソリン収率および残油転化率において向上した
結果を示す。また、水素およびコークス生成物の減少が
みられた。
比較例1 比較例1については、RENH4Yゼオライトおよびカオリ
ンを以下の量でシリカ−アルミナのゾルに添加すること
により、標準の触媒組成物を調製した: RENH4Yゼオライト 20% カオリン 58% SiO297%およびAl2O33%よりなる合成マトリックス 22
% 組成物をコロイドミルに送り、そして噴霧乾燥機で乾
燥した。
得られた触媒についての試験結果を比較例触媒A(C
A)のもとに、以下の表5に載せた。
比較例2 触媒を比較例1に述べたように調製したが、ここでは
アルミナ粉末もまた加えた。量は以下のようであった: RENH4Yゼオライト 15% カオリン 43% アルミナ粉末 20% SiO297%およびAl2O33%よりなる合成マトリックス 22
% 組成物をコロイドミルに送り、そして噴霧乾燥機で乾
燥した。
得られた触媒についての試験結果を比較例触媒B(C
B)のもとに、以下の表に載せた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C10G 11/05 C10G 11/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.結晶アルミノシリケート 5〜50重量
    %; b.リン酸、硫酸および酢酸よりなる群から選ばれた酸と
    混合し、得られたスラリーを大気圧下または大気圧より
    高い圧力下で、25〜110℃に1〜100時間加熱し、あらか
    じめ中和することなしに洗浄し、そして乾燥して又は乾
    燥せずに得られる、酸処理したカオリンまたはメタカオ
    リン 5〜80重量%; c.カオリン又は他の粘土 0〜65重量%; d.活性マトリックス 0〜50重量%; および e.シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナ又は他の合成マ
    トリックスからなる残余; を含む流動クラッキングのための触媒組成物。
  2. 【請求項2】酸処理したカオリンまたはメタカオリンが
    カオリン又はメタカオリンに対する酸溶液の重量比が3
    〜6であるように6〜45%の酸溶液と混合し、得られた
    混濁液を80〜105℃の温度に加熱し、最終pHが0.1と4の
    間にあるようにし、次いで濾過し、洗浄し、かつ105〜1
    15℃で15〜18時間乾燥することによって得られる、請求
    項1記載の触媒組成物。
  3. 【請求項3】成分bが、硫酸溶液で処理したメタカオリ
    ンである請求項1または2記載の触媒組成物。
  4. 【請求項4】成分bが、リン酸溶液で処理したカオリン
    である請求項1または2記載の触媒組成物。
  5. 【請求項5】リン酸処理したカオリンが続いて希土類の
    溶液で処理され、得られたスラリーが大気圧下または大
    気圧より高い圧力下で、25〜110℃に60〜80時間加熱さ
    れ、洗浄され、そして乾燥され又は乾燥されずに得られ
    た請求項4記載の触媒組成物。
  6. 【請求項6】成分bが、酢酸溶液で処理したメタカオリ
    ンである請求項1または2記載の触媒組成物。
  7. 【請求項7】XもしくはYタイプまたは超安定化された
    XもしくはYタイプの結晶アルミノシリケート15〜30重
    量%、酸処理したカオリンまたはメタカオリン10〜50重
    量%、カオリン10〜45重量%、活性マトリックス0〜20
    重量%、および残余としてシリカ、シリカ−アルミナお
    よびアルミナからなる群から選ばれた合成マトリックス
    を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の触媒組成
    物。
  8. 【請求項8】触媒組成物の成分a〜dをシリカまたはシ
    リカ−アルミナのヒドロゾル懸濁液に添加し、次いで粒
    子を形成し、乾燥し、そして洗浄し、乾燥し、そして該
    触媒をカ焼する又はカ焼しないことによる、請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の触媒組成物の製造法。
  9. 【請求項9】アルミニウムクロロヒドロールを他の触媒
    成分と混合し、それによってpHを2と6.5の間に調整
    し、次いで懸濁液を噴霧乾燥することによる、請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の触媒組成物の製造法。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれか1項に記載の触
    媒組成物を用いた、炭化水素供給原料の触媒的流動クラ
    ッキングのための方法。
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