JP2962784B2 - ポリイミド硬化樹脂複合体及びその製法 - Google Patents

ポリイミド硬化樹脂複合体及びその製法

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JP2962784B2 JP20417190A JP20417190A JP2962784B2 JP 2962784 B2 JP2962784 B2 JP 2962784B2 JP 20417190 A JP20417190 A JP 20417190A JP 20417190 A JP20417190 A JP 20417190A JP 2962784 B2 JP2962784 B2 JP 2962784B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、耐熱性に優れ、エレクトロニクス、輸送機
器、航空・宇宙分野等に広く使用されているポリイミド
と、既存の硬化樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は
硬化樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂と
の混合物との複合体に関するものである。詳しくは、ポ
リイミドの前駆体であるポリアミック酸の三次元網目構
造に、既存の未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を
除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を
除く)とエポキシ樹脂との混合物のモノマー又はオリゴ
マーを複合させ、特異な相互侵入網目高分子構造の複合
体を与えた後、ポリアミック酸成分は脱水・閉環反応に
よりイミド化を完結させ、未硬化の硬化性樹脂成分は、
熱、光又は電子線等の手段により高分子量化させて得ら
れる新規なポリイミド/硬化樹脂複合体、及びその製法
に関するものである。
〔従来技術〕
テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを有機溶
媒中で重縮合させて得られたポリアミック酸を前駆体と
し、加熱脱水又は脱水剤よる化学的反応により脱水・閉
環させ、ポリイミド樹脂を得る方法は公知である。
ポリイミド樹脂は、その優れた耐熱性、耐摩耗性、耐
薬品性、電気絶縁性、機械的特性から、電気・電子材
料、接着剤、塗料、複合材料、繊維又はフィルム材料等
に広く使用されている。
一般に、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック
酸の重合は、ポリマー濃度が5〜20重量%となるように
有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミ
ンを重付加反応させる方法で行われ、有機溶媒に均一に
溶解した高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。こ
のポリアミック酸溶液から溶媒を除去させて、フィルム
あるいは成形物が作られる。更に、この成形体を高温処
理又は化学的処理により脱水・閉環反応を進め、ポリイ
ミド成形体を得るのが通常の方法である。
ポリイミドに硬化性樹脂成分を混合させたブレンド物
に関しては、特開昭62−30122号、特開昭63−86746号、
特開昭63−175854号等の公報に示されており、その技術
は公知である。その技術の目的は、主に耐熱性の改善、
成形性の改良等である。
しかしながら、特定のモノマー組成により達成された
三次元網目構造のポリアミック酸の分子鎖の中に未硬化
の硬化性樹脂成分である反応性モノマーあるいは反応性
オリゴマーを混在させ、ポリアミック酸と未硬化の硬化
性樹脂成分の相互侵入網目高分子構造(IPN構造)を形
成させた後、ポリアミック酸成分は加熱あるいは化学的
処理により脱水・閉環反応させてポリイミド化を完結さ
せ、未硬化の硬化性樹脂成分は熱、光又は電子線等の手
段で、硬化反応により高分子量化させて得られたポリイ
ミド/硬化樹脂複合体に関しては、報告がなされていな
い。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、テトラカルボン酸二無水物、芳香族
ジアミン及び多価アミンを主成分としたポリアミック酸
と未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又
は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエ
ポキシ樹脂との混合物を複合させて得られる、新規なポ
リアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体の高分子ゲル
を前駆体として、ポリアミック酸成分の脱水・閉環反応
と未硬化の硬化性樹脂成分の硬化反応を行わせることに
よって、フィルム等を含む強靭な成形体を与え、且つ、
耐熱性に優れた新しい相互侵入網目構造のポリイミド/
硬化樹脂複合体、及び、その製法を提供することにあ
る。
〔発明の構成及び効果〕
本発明は、テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミ
ン及び多価アミンを主成分とした第I成分としてのポリ
アミック酸と、エポキシ樹脂を含まない第II成分として
の未硬化の硬化性樹脂成分、又はエポキシ樹脂を含まな
い未硬化の硬化性樹脂成分と未硬化のエポキシ樹脂成分
とからなる第II成分としての未硬化の硬化性樹脂成分と
により、該第I成分と該第II成分が複合してなる相互侵
入網目高分子構造のポリアミック酸/未硬化の硬化性樹
脂複合体を前駆体として、ポリアミック酸成分の脱水・
閉環反応と未硬化の硬化性樹脂成分の硬化反応により得
られる相互侵入網目高分子構造のポリイミド/硬化樹脂
複合体であることを特徴とする。
また本発明は、上記ポリイミド/硬化樹脂複合体にお
いて、多価アミンが、ひとつの分子構造中に三個以上の
アミン基及び/又はアンモニウム塩基を有する多価アミ
ンであり、テトラカルボン酸二無水物100モルに対し2
〜25モル用いられていることを特徴とする。
また本発明は、上記ポリイミド/硬化樹脂複合体にお
いて、ポリイミド/硬化樹脂複合体に用いられた未硬化
の硬化性樹脂成分が、熱、光、電子線によって硬化する
反応性モノマー及び/又は反応性オリゴマーを主成分と
した樹脂又は樹脂組成物であることを特徴とする。
また本発明の相互侵入網目高分子構造のポリイミド/
硬化樹脂複合体の製造方法は、テトラカルボン酸二無水
物、芳香族ジアミン及び多価アミンを主に反応させたポ
リアミック酸溶液を、0〜100℃に保つことでポリアミ
ック酸の架橋反応を溶液中で進めて得られる三次元網目
構造のポリアミック酸成分中に、未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物が
相互侵入してなる相互侵入網目高分子構造のポリアミッ
ク酸/未硬化の硬化性樹脂複合体を処理し、ポリアミッ
ク酸の脱水・閉環反応と未硬化の硬化性樹脂成分の硬化
反応とを行わせることを特徴とする。
この新規なポリイミド/硬化樹脂複合体の前駆体であ
るポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体は、全体
の97重量%を超えない量の有機溶媒を含んだ高分子ゲル
の状態でも流動を起こさず、形状を保持できるような自
己支持性のある三次元網目構造体の高分子ゲルを与える
ものであり、これより溶媒を除去しポリアミック酸成分
の脱水・閉環反応と未硬化の硬化性樹脂の硬化反応によ
り高分子量化して得られたポリイミド/硬化樹脂複合体
は、ポリイミドの優れた耐熱性等の特性と、既存の硬化
性樹脂成分の特性とを兼備した特異な性質の複合体を与
える。
本発明のポリイミド/硬化樹脂複合体は、以下のよう
な手法により調製される。
(1)有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物、芳香
族ジアミン及び多価アミンを混合し、重付加反応させる
ことにより、有機溶媒に均一に溶解したポリアミック酸
溶液を得る。
(2)未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除
く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除
く)とエポキシ樹脂との混合物である反応性モノマー及
び/又は反応性オリゴマーを主成分とした樹脂又は樹脂
組成物を、前述のポリアミック酸溶液に複合させる。こ
の場合、予め有機溶媒中に未硬化の硬化性樹脂成分を含
ませた溶液中でポリアミック酸の重付加反応を行わせる
か、重付加反応により得られたゲル化に至っていないポ
リアミック酸溶液に、未硬化の硬化性樹脂成分(エポキ
シ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキ
シ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物を添加する等
の方法により、未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂
を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂
を除く)とエポキシ樹脂との混合物とポリアミック酸の
複合化を行わせる。
(3)ポリアミック酸溶液と未硬化の硬化性樹脂成分
(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分
(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物を複
合した混合溶液が、ゲル化を起こす前にフィルム等の形
状に賦形させるために、混合溶液を基材上等に流延又は
成形型に流入させる。
(4)上記溶液を、0〜100℃の間の温度条件で少なく
とも1分間以上静置し、複合体の一成分であるポリアミ
ック酸の官能基による架橋反応を有機溶媒中で進行させ
ることで三次元網目構造を形成させ、有機溶媒と未硬化
の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化
の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹
脂との混合物を含んだポリアミック酸の高分子ゲルを得
る。
(5)有機溶媒と未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹
脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹
脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物を含んだポリアミ
ック酸の高分子ゲルより、有機溶媒を除去し、成形体を
得る。
(6)成形体を構成しているポリアミック酸成分の脱水
・閉環反応と、未硬化の硬化性樹脂成分の硬化反応とを
完結させ、ポリイミド/硬化樹脂複合体を得る。
以下、調製方法の詳細を述べる。
まず最初に、有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水
物、芳香族ジアミン及び多価アミンを混合し、重付加反
応させることにより、有機溶媒に均一に溶解したポリア
ミック酸溶液を調製する。
本発明において、テトラカルボン酸二無水物、芳香族
ジアミン及び多価アミンを重付加反応させることによ
り、最初は有機溶媒に均一に溶解したポリアミック酸溶
液が得られる。しかし、このポリアミック酸溶液の状態
は中間的なものであり、ポリアミック酸に含まれる官能
基による架橋反応が有機溶媒中で徐々に進行することに
より、ポリアミック酸成分の三次元網目構造が形成さ
れ、最終的には有機溶媒を含んだポリアミック酸の高分
子ゲルとなるものである。
テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価
アミンの重付加反応において、この反応は、結局のとこ
ろ、テトラカルボン酸二無水物とアミン類との反応であ
り、調製方法としては、窒素ガスのような不活性雰囲気
下、芳香族ジアミンと多価アミンを有機溶媒で溶解させ
た溶液中にテトラカルボン酸二無水物を加えればよい。
テトラカルボン酸二無水物は、固形で加えても、溶媒で
溶解させた液状で加えてもよい。テトラカルボン酸二無
水物に、芳香族ジアミンと多価アミンを加える方法でも
よい。
本発明で用いられるテトラカルボン酸二無水物の代表
例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
3′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,6,
6′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、ジフェニルス
ルホン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタ
レン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレ
ン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコ
ールビス(アンヒドロトリメリテート)などであり、単
独又は二種以上の混合物で用いることができる。
この中でも、テトラカルボン酸二無水物として、ピロ
メリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の単独
又は二種以上の混合物で用いることが、耐熱性が高く、
機械的特性に優れたポリイミド複合体を得る上で好まし
い。
テトラカルボン酸二無水物と反応させる芳香族ジアミ
ンの代表例としては、メタフェニレンジアミン、パラフ
ェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−
ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、2,2′−ビス(4
−アミノフェニル)プロパン、ベンジジン、3,3′−ジ
アミノビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジア
ミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
ーテル、2,2′−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4′−ビス(4−
アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2′−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕ヘキサフロロプロパン、1,5−ジ
アミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン及びこれ
らの誘導体等が挙げられる。また、イソフタル酸ジヒド
ラジド等のジヒドラジド化合物も使用できる。これら
は、単独又は二種以上の混合物で用いることができる。
この中でも、芳香族ジアミンとして、メタフェニレン
ジアミン、パラフェニレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルエーテルの単独又は二種
以上の混合物で用いることが、耐熱性が高く、機械的特
性に優れたポリイミド複合体を得る上で好ましい。
多価アミンとは、ひとつの分子構造中に三個以上のア
ミン基及び/又はアンモニウム塩基を有する化合物を示
す。
多価アミンの代表例としては、3,3′,4,4′−テトラ
アミノジフェニルエーテル、3,3′,4,4′−テトラアミ
ノジフェニルメタン、3,3′,4,4′−テトラアミノベン
ゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラアミノジフェニルス
ルホン、3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル、1,2,
4,5−テトラアミノベンゼン、3,3′,4−トリアミノジフ
ェニルエーテル、3,3′,4−トリアミノジフェニルメタ
ン、3,3′,4−トリアミノベンゾフェノン、3,3′,4−ト
リアミノジフェニルスルホン、3,3′,4−トリアミノビ
フェニル、トリアミノベンゼン及びこれらの化合物の官
能基を第四級アンモニウム塩の形に変えた化合物類、例
えば3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩
等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては塩酸塩
の他に、硫酸塩、硝酸塩の形で用いることもできる。こ
れらの化合物の中には、多価アミンの官能基の全てが第
四級アンモニウム塩の形でないものも含まれる。
また、上記物質の中には水和物として存在しているも
のもあり、これらの多価アミン類は単独又は二種以上の
混合物で用いることもできる。脂肪族類の多価アミンを
使用することも可能である。
テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価
アミンを主成分としたポリアミック酸を得る反応におい
て用いられる有機溶媒は、反応に対して不活性であると
同時に、使用するモノマー類及び重合された高分子量物
を溶解させることが必要で、代表的なものとしては、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ヘキサ
メチルホスホアミド、ピリジン、ジメチルスルホン、テ
トラメチレンスルホン、クレゾール、フェノール、キシ
レノール等のフェノール類や、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ベンゾニトリム、ジオキサン、シクロヘキサン
等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独又は二種以上混合して使用され
る。
テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価
アミンを主成分としたポリアミック酸を得るには、有機
溶媒中、−10〜30℃の温度条件下、特に好ましくは−5
〜20℃の温度範囲で反応させる。反応時間は5時間以
内、好ましくは2時間以内である。
反応温度が−10℃より低い場合は、取扱性や反応法の
難しさに加え、温度が低過ぎるため反応自身が充分に進
まない場合があり、好ましくない。反応温度が30℃を超
える場合は、架橋反応が有機溶媒中で進行する速度が大
で、ポリアミック酸成分の三次元網目構造が形成され
る。所謂ゲル化に至るまでの反応が速すぎて、未硬化の
硬化性樹脂成分複合化させる以前のゲル化現象が起こ
り、ポリアミック酸と未硬化の硬化性樹脂成分との均一
な複合体が得られない場合がある。従って、ポリアミッ
ク酸成分は、−10〜30℃の温度条件下、特に好ましくは
−5〜20℃の温度条件で反応させる。
一般に、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン
からポリアミック酸を調製する場合、分子量を上げるた
めに両成分を、できる限り等モルで反応させることが好
ましい。本発明でもポリアミック酸成分の架橋点間分子
量と架橋度を最適化するため、テトラカルボン酸二無水
物/芳香族ジアミンのモル比を(100)/(50〜100)、
テトラカルボン酸二無水物/芳香族ジアミン/多価アミ
ンのモル比を(100)/(50〜100)/(2〜25)の範囲
内にとどめ、且つ、テトラカルボン酸二無水物とアミン
類(芳香族ジアミンと多価アミン)の反応基の当量比
(酸価/アミン価の比)を0.95〜1.05の範囲内に合わせ
ることが、自己支持性のあるポリアミック酸の高分子ゲ
ルを得る上で好ましいが、アミン過剰の状態でも組成に
よっては強靭な複合体が得られる。
一般にこの範囲を外れた組成でもモノマーを配合し反
応させた場合、ポリアミック酸の重合度が上がらず、得
られる複合体の性質、例えば機械的性質等も著しく低い
ものとなる。
反応させるテトラカルボン酸二無水物/多価アミンの
モル比は、(100)/(2〜25)であることが好まし
く、特に好ましくは、(100)/(4〜15)の範囲であ
るが、用いるモノマーの種類により、その好適な組成範
囲が若干ずれる場合もありうる。
多価アミンは、ポリアミック酸成分の架橋点として働
き、その配合比によりポリアミック酸の高分子ゲルに存
在する網目濃度(架橋密度)を変化させる。多価アミン
の配合モル数が、テトラカルボン酸二無水物100モルに
対し、2モルより小さいと、溶液中でのポリアミック酸
成分の架橋点が少なくなり、三次元網目構造が不完全に
なり、自己支持性のなる高分子ゲルとなりにくい。多価
アミンの配合モル数が25モルより大きいと、三次元網目
構造の架橋点の増加と架橋点間分子量の低下を招き、ポ
リアミック酸複合体の性能を変化させ、最終的に得られ
るポリイミド/硬化樹脂複合体をむしろ脆性的にし、強
度と耐熱性低下させる傾向が出てくる。従って、多価ア
ミンの配合モル数は、テトラカルボン酸二無水物100モ
ルに対し、2〜25モルの範囲内がよい。
これらのテトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン
及び多価アミン成分は、単独又は二種以上の混合物で用
いられるため、得られるポリマーは共重合体のものを含
む。また、特定の成分から成るポリアミック酸と、この
ポリアミック酸の構成成分の少なくとも一種類が異なる
ポリアミック酸混合した、ポリアミック酸のブレンドも
含まれる。
この様にして得られたポリアミック酸溶液は、前述の
ようにポリアック酸の高分子ゲルに至るまでの中間的な
ものであり、ポリアミック酸に含まれる官能基による架
橋反応が有機溶媒中で徐々に進行することにより、ポリ
アミック酸成分の三次元網目構造が形成されゲル化を起
こし、最終的には有機溶媒を含んだポリアミック酸の高
分子ゲルを与える。また、テトラカルボン酸二無水物、
芳香族ジアミン及び多価アミン成分を主とする重付加反
応により生成された重合物の中には、三次元網目構造に
関与しない線状の高分子量物も含まれる。これらは、有
機溶媒で抽出されることで存在が確認される。
次に、未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除
く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除
く)とエポキシ樹脂との混合物として、硬化する前の反
応性モノマー及び/又は反応性オリゴマーを主成分とし
た樹脂又は樹脂組成物(エポキシ樹脂を除く)をポリア
ミック酸成分に混合し、複合化させる。
未硬化の硬化性樹脂成分をポリアミック酸成分と複合
させる方法については、未硬化の硬化性樹脂成分である
反応性モノマー又はオリゴマーを主成分とした樹脂又は
樹脂組成物を、主に有機溶媒に溶解させ、前述のゲル化
前のポリアミック酸溶液に加え、混合するのがよい。ま
た、予め有機溶媒中に未硬化の硬化性樹脂成分を含ませ
た溶液中で、ポリアミック酸成分の重付加反応を行わせ
て複合させてもよい。しかし、この場合、未硬化の硬化
性樹脂成分である反応性モノマーあるいはオリゴマー
が、ポリアミック酸のモノマー成分であるテトラカルボ
ン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価アミンと反応し
て、副生成物を形成しないように条件を選択する配慮が
必要である。
ポリアミック酸成分に複合される未硬化の硬化性樹脂
成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂
成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物
は、少なくとも有機溶媒に可溶な反応性モノマー及び/
又は反応性オリゴマーを主成分とした樹脂又は樹脂組成
物であり、最終的には硬化反応により三次元的な架橋物
を与える。
硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)の種類として
は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等
があり、これらを単独又は二種以上の混合物として使用
することができる。硬化性樹脂には、ビスマレイミド樹
脂、多官能マレイミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ジシクロペ
ンタジエン樹脂、シアネート樹脂、アセチレン末端化合
物、縮合多環多核芳香族系(コプナ)樹脂、オリゴアク
リレート樹脂、ユリヤ樹脂、フラン樹脂、メラミン樹
脂、グアナミン樹脂、キシレン樹脂、ビニルスチリルピ
リジン樹脂等が挙げられ、これらは主に硬化前の反応性
モノマー及び/又は反応性オリゴマーを主成分とした樹
脂あるいは樹脂組成物としてポリアミック酸に複合させ
られる。これらは、樹脂組成物として樹脂成分以外に、
反応開始剤としての硬化剤や硬化促進剤を含むことも多
い。
ビスマレイミド樹脂は、マレイミド末端化合物を主成
分としたものであるが、ナジック酸末端化合物との反応
性オリゴマーやトリアジン樹脂とのプレポリマー等も含
み、三菱瓦斯化学社製BTレジン、シェル化学社製コンピ
マイド、チバ・ガイギー社製のマトリミドやXU292、ロ
ーヌ・プーラン社製ケルイミド、TRW社製PMR−15等が代
表例として挙げられる。また、多官能マレイミド樹脂と
して、三菱油化社製MP−2000等がある。
フェノール樹脂には、レゾール型フェノール樹脂〔例
えば、住友デュレズ社製PR−9480や昭和ユニオン合成
(株)社製BLSD−3135〕、ノボラック型フェノール樹脂
〔例えば、三井東圧(株)社製XL−210A〕等がある。
その他、不飽和ポリエステルとしては武田薬品工業社
製ポリマールが、ジアリルフタレート樹脂としてはダイ
ソー社製ダイソーダップが、ジシクロペンタジエン系樹
脂としては帝人ハーキュレス社製メトンが、オリゴアク
リレート樹脂としては日本ユピカ社製ネオポールが、フ
ラン樹脂としては日立化成社製ヒタフランが、キシレン
樹脂としては三菱瓦斯化学社製ニカノール等がある。
これらの未硬化の硬化性樹脂成分は、熱可塑性樹脂の
ような異種の樹脂あるいは充填剤や添加剤等を含んだ樹
脂組成物としてポリアミック酸に混合させ、複合体とす
る場合もある。
その他、アスペクト比(繊維長/繊維径)が2以上の
炭素質繊維や、アルミナ繊維等のセラミックス繊維や金
属繊維や、有機繊維等の繊維物質もポリアミック酸/未
硬化性樹脂複合体つまりはポリイミド/硬化樹脂複合体
に含ませることができる。
また、複合体の中には他の物質、例えば、各種金属化
合物、低分子有機化合物、無機充填剤、着色剤等が含ま
れてもよい。
これらの物質は、単独又は二種以上を混合して用いる
ことも可能である。
混合の際に未硬化の硬化性樹脂(エポキシ樹脂を除
く)を溶解させる溶媒としては、代表的なものとして、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド等のアミド系溶媒、クレゾール、フェノール、キシレ
ノール等のフェノール類、ジメチルスルホン、テトラメ
チレンスルホン、ジメチルスルホキシド等のスルホン系
溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン
等の炭化水素類、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩
素系溶媒、ケトン類、アルコール類、N−メチル−2−
ピロリドン、ベンゾニトリル、ピリジン、ジオキサン、
ポリリン酸、N,N−ジエチルアニリン等が挙げられる。
これら溶媒は、単独又は二種以上混合して使用される。
テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価
アミン成分からなるポリアミック酸と未硬化の硬化性樹
脂成分との混合時に使用する有機溶媒の量は、得られる
ポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体が有機溶媒
中に3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%含まれるよ
うに調製することが取扱性の面で好ましい。ポリアミッ
ク酸/未硬化の硬化性樹脂複合体の濃度が3重量%未満
では、得られたゲルの自己支持性が悪く、40重量%超で
はポリアミック酸成分の固形分濃度が高過ぎるため、ポ
リアミック酸成分と未硬化の硬化性樹脂成分の混合が難
しい傾向にある。
以上のような操作によって、有機溶媒に均一に溶解し
たポリアミック酸と未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ
樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ
樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物の複合された混
合溶液が得られる。
ポリアミック酸と未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ
樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ
樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物の混合溶液は、
0〜100℃の温度範囲で少なくとも1分間以上静置する
ことにより、ポリアミック酸成分に含まれる官能基によ
る三次元架橋反応が有機溶媒中で進み、ゲル化現象が起
こり、有機溶媒を含んだポリアミック酸/未硬化の硬化
性樹脂複合体の高分子ゲルが生成される。
ポリアミック酸溶液と未硬化の硬化性樹脂成分(エポ
キシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポ
キシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物が複合され
た混合溶液より、フィルム等を賦形するために、混合溶
液を基材上等に流延又は成形型に流入させた後、ゲル化
を起こさせることにより、均一なゲル状のフィルム等が
得られる。
混合溶液を流延させる基材としては、表面の平滑なフ
ィルム状の素材が用いられ、ステンレス等の金属フィル
ム、ポリエステル等の高分子フィルム等が主として用い
られる。また、基材としてガラス板等も使用できる。
お互いの分子鎖が相互に侵入されたポリイミド/硬化
樹脂複合体を得るためには、前駆体であるポリアミック
酸/未硬化の硬化性樹脂複合体において、テトラカルボ
ン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価アミンの重合物
であるポリアミック酸が三次元網目構造を形成する、所
謂ゲル化を起こす前に未硬化の硬化性樹脂成分(エポキ
シ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキ
シ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物を混合させて
おくことが望まれる。ポリアミック酸と未硬化の硬化性
樹脂成分を複合させる他の方法として、予め調製されゲ
ル化を起こしたポリアミック酸の高分子に、未硬化の硬
化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬
化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂と
の混合物を溶解あるいは分散させられた溶液を接触さ
せ、ポリアミック酸高分子ゲルの三次元網目構造中に未
硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未
硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキ
シ樹脂との混合物を含む溶液を侵入させる方法により、
両者を複合した高分子ゲルを得る方法もある。有機溶媒
を含んだポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体の
高分子ゲルより、有機溶媒を除去することにより、フィ
ルム等の成形体を得ることができ、ポリイミド/硬化樹
脂複合体の前駆体として用いられる。
脱溶媒は、常圧又は真空下で溶媒を蒸発させるか、有
機溶媒の溶媒置換等の方法により行わせることができ
る。
ポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体の高分子
ゲルより、有機溶媒を蒸発させ除去するためには、第一
段階として常圧又は真空下で100℃以下の温度で処理す
ることが好ましい。最初から100℃以上の温度で処理し
た場合、急激な溶媒の蒸発による成形体の発泡、あるい
はポリアミック酸成分の脱水・閉環反応によるイミド化
の進行等の不都合が起こり好ましくない。脱溶媒によ
り、ポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体中に含
まれる溶媒の含有率を50重量%以下、好ましくは40重量
%以下に調製した後、基材上より離脱させ、ポリアミッ
ク酸/未硬化の硬化性樹脂複合体の成形体が得られる。
また、基材上で、引き続き更に加熱温度を上げ、ポリア
ミック酸成分の脱水・閉環反応と未硬化の硬化性樹脂成
分の硬化反応を進めてもよく、このような処理により、
均質で良好な成形体が得られる。
溶媒を含んだポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複
合体の高分子ゲルを、ポリアミック酸複合体の貧溶媒を
凝固浴として浴中に浸漬せしめ、複合体中に残存する有
機溶媒の溶媒置換を行わせ、続いて乾燥させることによ
りポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体の成形体
を得ることもできる。
この場合、凝固液としては、水、メタノールやエタノ
ール等のアルコール類、アセトン等のようなケトン類の
単独又は混合系が考えられる。少量であれば、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,2−ジクロロ
エタンのような塩素系溶媒等を凝固液の中に含んでもよ
いが、前駆体であるポリアミック酸/未硬化の硬化性樹
脂複合体を溶解あるいは膨潤させて、その形状を著しく
損ねるような凝固液は使用できない。
以上のような操作によって、ポリアミック酸成分と未
硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未
硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキ
シ樹脂との混合物の複合された成形体が得られ、ポリイ
ミド/硬化樹脂複合体の前駆体として用いられる。
ポリイミド/硬化樹脂複合体は、前駆体であるポリア
ミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体に含まれるポリア
ミック酸成分の脱水・閉環反応と未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物の
硬化反応を完結させることにより得られる。
ポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体中に含ま
れるポリアミック酸成分の脱水・閉環反応を行わせ、イ
ミド化を完結させる方法としては、一般のポリイミド樹
脂で用いられているイミド化の方法と同様の方法を採用
することができる。
例えば、高温処理によりイミド化を完結させる場合
は、ポリアミック酸の複合体を50〜200℃の温度で少な
くとも10秒以上乾燥させ、更に150〜500℃、好ましくは
200〜450℃の高温で熱処理する。複合フィルムの場合、
フィルムの一対の両端を固定枠、チャックあるいはピン
ガイド等で固定させて処理すると、寸法安定性や機械的
特性に優れたフィルムが得られやすい。
また、ポリアミック酸複合体を脱水剤に浸漬あるいは
複合体中に脱水剤を含ませるような化学的処理によりポ
リアミック酸成分を脱水・閉環反応させる方法がある。
化学的処理による脱水・閉環反応においては、アミン
類を触媒として、酸無水物を脱水剤として用いるのが効
果的である。酸無水物の例としては、無水酢酸、無水プ
ロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族酸無水物、無水安息
香酸などの芳香族酸無水物がある。これらは、単独又は
二種以上の混合物として用いることができる。
触媒としてのアミン類の例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリブ
チルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソキノリン、ルチ
ジン等の第三級アミンの中から選ばれる少なくとも一種
のアミンが挙げられる。
化学的脱水反応において添加する酸無水物の量は、ポ
リアミック酸に存在するカルボキシル基1当量に対して
1〜5当量、好ましくは1〜3当量である。触媒の量
は、ポリアミック酸に存在するカルボキシル基1当量に
対して0.01〜1.5当量、好ましくは0.2〜1当量である。
化学的処理による脱水・閉環反応においては、ポリイ
ミド/硬化樹脂複合体の前駆体であるポリアミック酸複
合体に含まれる未硬化の硬化性樹脂成分が、その種類に
よっては酸無水物やアミン類などの脱水剤に溶解あるい
は膨潤する場合がある。このような場合は、予め脱水剤
を含ませた複合体の高分子ゲルから成形体を調製する
か、化学的脱水処理する前に未硬化の硬化性樹脂成分の
硬化反応だけを進める等の処置をしておくとよい。
未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又
は未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエ
ポキシ樹脂との混合物は、熱、光、電子線によって硬化
する反応性モノマー及び/又は反応性オリゴマーを主成
分とした樹脂又は樹脂組成物であり、これらはポリアミ
ック酸成分をポリイミドにするための加熱処理時に、同
時に硬化反応を進めるか、あるいは予めポリアミック酸
との複合体の段階で光や電子線を照射し、硬化を完結さ
せてもよい。
以上のような手順により、ポリイミド/硬化樹脂複合
体が得られる。
ポリイミド/硬化樹脂複合体に含まれる硬化樹脂成分
は、複合体全量の1〜80重量%であることが好ましい。
本発明のポリイミド/硬化樹脂複合体に用いられる未
硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未
硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキ
シ樹脂との混合物が1重量%より少ない領域では、未硬
化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬
化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ
樹脂との混合物を入れることによる性能の改善、例えば
成形性の改善あるいは可撓性の付与等のような性質の改
善が顕著でない。また、未硬化の硬化性樹脂成分が80重
量%以上の場合、前駆体であるポリアミック酸/未硬化
の硬化性樹脂複合体の三次元網目構造が不完全なものと
なり、自己支持性のある高分子ゲルの形成が難しいた
め、相互侵入網目高分子構造を形成することによる性能
の改善効果が薄れる傾向にある。
本発明での調製方法により得られたポリアミック酸/
未硬化の硬化性樹脂複合体の高分子ゲルは、有機溶媒中
で2〜50倍の体積膨潤度〔膨潤前後の体積比〕を示す新
しい構造の高分子ゲルであり、溶媒の出入りにより可逆
的に収縮・膨潤を繰返す構造体である。ポリアミック酸
/未硬化の硬化性樹脂複合体の高分子ゲルの体積膨潤度
は、ポリアミック酸を形成するモノマー成分の種類や配
合比による架橋密度の変化、高分子ゲル中に含まれる有
機溶媒の種類により、2〜50倍の範囲内で変化し、架橋
密度をコントロールすることにより、ポリアミック酸/
未硬化の硬化性樹脂複合体の高分子ゲルの体積膨潤度を
設定することも可能である。
ポリアミック酸と未硬化の硬化性樹脂成分との相溶性
の悪さから、溶媒に溶解させた各成分を混合させた後あ
るいは溶媒を除去させる過程で相分離を起こし、不均質
な複合体を与えることもあるが、このような場合でも自
己支持性のあるポリアミック酸の高分子ゲルを経由する
ため、少なくともポリアミック酸を含む成分は三次元的
につながった連続相を形成しているものである。
本発明のポリイミド/硬化樹脂複合体の前駆体である
ポリアミック酸複合体の高分子ゲルにおいて、ポリアミ
ック酸成分は主に共有結合及び水素結合的な三次元網目
構造から成る構造体と推定され、室温において自己支持
性のあるゲル状の構造体を与え、未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物は
ポリアミック酸の三次元網目構造の中に分子状に混合し
ていると考えられる。これを高温処理あるいは化学的脱
水処理することでポリアミック酸成分のイミド化が完結
し、ポリイミドと異種の硬化性樹脂成分との間で相互侵
入網目構造(IPN構造)を形成させた分子構造になる。
従って、ポリイミド/硬化樹脂複合体はポリイミドの
優れた耐熱性等の特性や既存の硬化性樹脂成分の特性が
付与された特異な性質を与えるものである。ポリイミド
の前駆体であるポリアミック酸と未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹脂成
分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合物と
の混合溶液中でゲル化反応が起こり、両成分の分子鎖が
ランダムに溶液中に広がった状態で高分子ゲルを生成さ
せる。更に、ポリアミック酸成分は加熱あるいは化学的
処理により脱水・閉環反応させてポリイミド化を完結さ
せ、未硬化の硬化性樹脂成分は熱、光又は電子線等の手
段により高分子量化させてポリイミド/硬化樹脂複合体
を得ている。従って、このポリイミド/硬化樹脂複合体
は、特異な相互侵入網目高分子構造を与える。この構造
は、ポリアミック酸と未硬化の硬化性樹脂を機械的混合
あるいは溶融・溶解させて両者を混ぜ込む等の単純な物
理的混合で得られたものとは明らかに異なるものであ
る。これは、複合に際しポリアミック酸/未硬化の硬化
性樹脂複合体の高分子ゲルを経由させるという化学的な
手法を用いているからであり、この系は、物理的に単純
混合した系では達成されないような新しい分子鎖凝集構
造の複合体であり、耐熱性、靭性の発現があるなど、特
異な性質を有する相互侵入網目構造の複合体である。
ポリイミド/硬化樹脂複合体の形状は、繊維、フィル
ム状のものを含む。
このような調製法によるポリイミド/硬化樹脂成分複
合体の作製は、他に例がなく新規なものである。
ポリアミック酸成分の三次元網目構造を保持させたま
まイミド化を進めたポリイミド/硬化樹脂複合体は、ミ
クロレベルでは特異な分子構造を有するものと思われ、
フィルムの場合は延伸等の機械的な処理あるいは凝固浴
中での溶媒置換による多孔質な凝固フィルムの調製等に
より、特異性能を有するポリイミド/硬化樹脂複合体の
調製が可能である。
また、ポリイミドのモノマー成分に関し、テトラカル
ボン酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物を選び、芳香族ジアミンとして、
パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,
4−ジアミノジフェニルエーテルを選んで、これらを組
合せた系より作られたポリイミド複合体は、耐熱性の高
い複合体を与える。
本発明のポリイミド/硬化樹脂複合体は、ポリイミド
の前駆体であるポリアミック酸成分と未硬化の硬化性樹
脂成分(エポキシ樹脂を除く)、又は未硬化の硬化性樹
脂成分(エポキシ樹脂を除く)とエポキシ樹脂との混合
物の混合溶液の中で高分子ゲルを形成させるという新規
な手法を用いて得られた新しい構造の相互侵入網目高分
子構造を前駆体として、これを脱水・閉環反応含む硬化
反応により得られるものである。このものは、従来のポ
リマー混合系では得られない新しい構造の相互侵入網目
高分子構造を有し、ポリイミドの持つ耐熱性や機械的特
性等の優れた特性と既存の硬化性樹脂成分の特性とが付
与された強靭な複合体である。
本発明の複合体は、硬化性樹脂成分の種類や配合組成
比により、耐熱性と成形性を兼備した多用途に有用な複
合体を与えるものであり、各種成形材料、特殊フィル
ム、特殊繊維の原料として好適に使用できる。また、多
孔性の材料を成形品として作製することもでき、この多
孔性材料は、物質分離作用のある機能性高分子材料とな
る。
更に、ポリイミド/硬化樹脂複合体を調製後、高温処
理等により複合体の性質を改良し、通電性等のような電
気的性質等を付与させ、導電性フィルム、電極材料等に
応用できる。
〔実施例及び比較例〕 実施例1 300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、1.513gの精
製したパラフェニレンジアミンと0.721gの4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル(略称:4,4′−DPE)及び0.475
gの3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩・
二水和物を採取し、50gの蒸留されたN−ジメチルホル
ムアミド(略称:DMF)を加え、撹拌し溶解させた。
窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコントロー
ルし、上記溶液を撹拌しながら4.366gの精製した無水の
ピロメリット酸二無水物を固形のまま、溶液の温度が上
らないように注意しながら徐々に添加した。
一方、市販のビスマレイミド樹脂であるBTレジン(BT
−2160:三菱瓦斯化学社製)を4.955gとエポキシ樹脂で
あるエピコート1001(シェル化学社製)を2.120g採取
し、300mlのビーカー中で20gの蒸留されたDMFに溶解さ
せた。ビスマレイミド樹脂及びエポキシ樹脂が完全に溶
解した後、この溶液を前述のポリアミック酸溶液に加
え、均一なポリアミック酸/ビスマレイミド樹脂/エポ
キシ樹脂混合溶液を得た。
この混合溶液をガラス板上に流延した。溶液の塗布量
は、スペーサーによりコントロールし、約0.4mmの厚さ
になるようにした。しばらく静置すると流延された混合
溶液がゲル化を起こし、ポリアミック酸/ビスマレイミ
ド樹脂複合体のゲルフィルムが得られた。
得られたポリアミック酸複合体のゲルフィルムは、自
重による形状変化を起こさず、自己支持性のものであっ
た。
このポリアミック酸複合体のゲルフィルムを30℃で真
空乾燥させ、フィルム中の溶媒の含有量を、全重量の5
重量%に調整した後、ガラス板より剥離させ、80℃で60
分、120℃で60分乾燥機内で乾燥させた後、鉄枠に固定
し、150℃で1時間、200℃で1時間、300℃で1時間の
条件で連続的に処理して、ポリアミック酸成分の脱水・
閉環反応とビスマレイミド樹脂の硬化を行い、均一なポ
リイミド複合体フィルムを得た。得られたフィルムは、
厚さは約30μmであった。
このポリイミド複合体フィルムの赤外吸収スペクトル
をとったところ、1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性
吸収帯が観測され、イミド基の存在が確認された。
このフィルムの特性に関しては、熱重量分析によるフ
ィルムの5%重量減少温度、熱機械分析(TMA)による
ガラス転移温度及び材料試験機によるフィルムの引張り
特性を評価した。引張り特性は、得られたポリイミドフ
ィルムを5mm幅の短冊状に切り出し、チャック間距離30m
m、引張り速度5mm/分の試験条件で測定した。測定は、2
3℃で行った。その結果を第1表に示す。
第1表に示すように、このフィルムは、耐熱性に優
れ、機械的特性も良好であった。
実施例2 300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、2.480gの精
製した4,4′−ジアミノジフェニルエーテルと0.396gの
3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩・二
水和物を採取し、40gの蒸留されたN,N−ジメチルアセト
アミド(略称:DMAc)を加え、撹拌し溶解させた。
窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコントロー
ルし、上記溶液を撹拌しながら3.056gの精製した無水の
ピロメリット酸二無水物を固形のまま、溶液の温度が上
らないように注意しながら徐々に添加した。
別の300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、今度は
1.168gの精製した1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン(略称:DPE−Q)と0.396gの3,3′,4,4′−テ
トラアミノビフェニル・四塩酸塩・二水和物を採取し、
30gの蒸留されたN,N−ジメチルホルムアミド(略称:DM
F)を加え、撹拌し溶解させた。
同様に、窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコ
ントロールし、上記溶液を撹拌しながら2.148gの精製し
たビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物(略称:DSTA)を固形のまま、溶液の温度が上らない
ように注意しながら徐々に添加した。
この二種の反応液を、温度を5℃にコントロールした
まま混合、撹拌し、均一な混合溶液を調製した。
更に、市販のビニルエステル樹脂(昭和高分子社製リ
ポキシSP−1506)を5.93g及びベンゾフェノン0.12gとジ
メチルアミノエタノール0.12gを採取し、300mlのビーカ
ー中で30gの蒸留されたDMFに溶解させた。
ビニルエステル樹脂類が完全に溶解した後、この溶液
を前述のポリアミック酸溶液に加え、均一なポリアミッ
ク酸/ビニルエステル樹脂混合溶液を得た。実施例1と
同様の方法によりポリアミック酸/ビニルエステル樹脂
複合体のゲルフィルムを調製した後、溶媒を除去させ均
一なポリアミック酸複合体フィルムを得た。得られたフ
ィルムを80w/cmの出力の高圧水銀ランプを用いて、フィ
ルムの上部より15cmの高さから10秒間ランプを照射させ
てビニルエステル樹脂の硬化を行わせた。
後は、実施例1と同様の方法でフィルムの高温処理を
行い、ポリアミック酸成分のイミド化を完結させた。特
性の評価は、実施例1と同様に行いその結果は、第1表
に示すとおりである。
実施例3〜6 300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、第1表に示
す種類と量の各種モノマーと溶媒を仕込み、実施例1と
同様の方法でポリイミド/硬化樹脂複合体の調製を行
い、性質の評価を行った。
実施例3〜6においては、調製されたポリマー混合溶
液(ポリマー濃度:10〜20重量%)をガラス板上に流延
し静置した後、ポリアミック酸複合体フィルムのゲル化
が確認された。特性の評価は、実施例1と同様に行いそ
の結果は、第1表に示すとおりである。
第1表に示すように、実施例で得られた高温処理後の
ポリイミド複合体フィルムは比較的均一なものであり、
機械的特性も高いものであった。フィルムに関する種々
の特性は、20〜50μm厚のフィルムを用いて評価した。
なお、上記実施例1〜6で使用した各成分の配合量比
(重量比)、配合化合物の名称及び化学構造式について
第1表に示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミ
    ン及び多価アミンを主成分とした第I成分としてのポリ
    アミック酸と、 エポキシ樹脂を含まない第II成分としての未硬化の硬化
    性樹脂成分、又はエポキシ樹脂を含まない未硬化の硬化
    性樹脂成分と未硬化のエポキシ樹脂成分とからなる第II
    成分としての未硬化の硬化性樹脂成分とにより、 該第I成分と該第II成分が複合してなる相互侵入網目高
    分子構造のポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体
    を前駆体として、ポリアミック酸成分の脱水・閉環反応
    と未硬化の硬化性樹脂成分の硬化反応により得られる相
    互侵入網目高分子構造のポリイミド/硬化樹脂複合体。
  2. 【請求項2】前記多価アミンが、ひとつの分子構造中に
    三個以上のアミノ基及び/又はアンモニウム塩基を有す
    る多価アミンであり、テトラカルボン酸二無水物100モ
    ルに対し2〜25モル用いた請求項(1)記載のポリイミ
    ド/硬化樹脂複合体。
  3. 【請求項3】前記ポリイミド/硬化樹脂複合体に用いら
    れた未硬化の硬化性樹脂成分が、熱、光、電子線によっ
    て硬化する反応性モノマー及び/又は反応性オリゴマー
    を主成分とした樹脂又は樹脂組成物である請求項(1)
    記載のポリイミド/硬化樹脂複合体。
  4. 【請求項4】テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミ
    ン及び多価アミンを主に反応させたポリアミック酸溶液
    を、0〜100℃に保つことでポリアミック酸の架橋反応
    を溶液中で進めて得られる三次元網目構造のポリアミッ
    ク酸成分中に、未硬化の硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂
    を除く)が相互侵入してなる相互侵入網目高分子構造の
    ポリアミック酸/未硬化の硬化性樹脂複合体を処理し、
    ポリアミック酸の脱水・閉環反応と未硬化の硬化性樹脂
    成分の硬化反応とを行わせることを特徴とする相互侵入
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