JP2895113B2 - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、耐熱性に優れ、エレクトロニクス、輸送機
器、航空・宇宙分野等に広く使用されるポリイミドフィ
ルムの製造方法に関するものであり、詳しくは、ポリイ
ミドの前駆体であるポリアミック酸の状態で三次元的網
目構造、所謂ゲル状の構造を与える新規なポリアミック
酸を調製し、これを脱水・環化させることにより、耐熱
性に優れ、且つ、機械的特性に優れた新規なポリイミド
フィルムを得る方法に関するものである。
〔従来の技術〕
テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを有機溶
媒中で重縮合させて得られたポリアミック酸を前駆体と
し、加熱脱水又は脱水剤による化学的脱水反応により脱
水・環化を進め、ポリイミド樹脂を得る方法は公知であ
り、数多くの特許出願がなされている。
一般には、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミッ
ク酸のポリマー濃度が5〜20重量%となるように有機溶
媒中で重縮合反応を進め、有機溶媒に均一に溶解した高
分子量のポリアミック酸溶液を脱溶媒させてフィルム又
は成形物を得、更に、高温処理又は化学的処理により脱
水・環化反応を進め、ポリイミド成形体を得ている。
ポリイミド樹脂は、その優れた耐熱性、耐摩耗性、耐
薬品、電気絶縁性、機械的特性から、電気・電子材料、
接着剤、塗料、複合材料、繊維又はフィルム材料等の素
材として広く使用されている。
ポリイミド樹脂のフィルムも、その優れた特性から、
電線、ケーブル、ワイヤ等の被覆材、トランス、プリン
ト配線基盤等の絶縁材料として多岐の用途に使用されて
いる。
ポリイミドフィルムの製造方法については、ポリアミ
ック酸の有機極性溶液を基盤(支持体)上に流延させた
後、加熱又は化学的な処理によってポリアミック酸の脱
脂閉環反応を促進させ、ポリイミドフィルムを得る方法
が一般的である。
また、ポリアミック酸の有機極性溶液を流延させた
後、乾燥による脱溶媒化又は凝固浴中に基盤と共に浸漬
せしめ、ポリマー溶液を凝固させることによりフィルム
を得る方法も可能である。ここに得られたフィルムをゲ
ルフィルと呼ぶ場合があるが、このものは、本発明で得
られる三次元網目構造を与えるゲルフィルムと異なり、
化学的な結合による三次元網目構造を形成していない。
以下では、本発明で得られる三次元的網目構造のフィル
ムをゲルフィルムと呼ぶ。
これらのポリイミドフィルムは、重縮合させるテトラ
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの組み合せ種類に
よっては、機械的特性の高いフィルムを得ることも可能
であり、代表的なポリイミドとしてピロメリット酸二無
水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルの組み合せ
から得られるフィルムは、耐熱性も高く引張り特性にも
優れるタイプである。
しかしながら、一般に耐熱性が高くなるとフィルムが
脆性化する傾向があり、耐熱性と機械的特性は相反する
傾向にある。特に、ピロメリット酸二無水物とパラフェ
ニレンジアミンを組み合せたポリイミドは、物理化学的
な耐熱性において、最高レベルの性能を示すものである
が、フィルム性に乏しく脆性的で機械的特性に極度に劣
るものである。このタイプのポリイミドにおいては、共
重合化の技術によって、ポリイミドフィルムの機械的特
性を改善させることも可能である。耐熱性を低下させる
ことなく機械的特性を改善する一つの試みとして、特開
昭63−254131号公報に示すように、ピロメリット酸二無
水物とパラフェニレンジアミンの組み合せ系において、
芳香族ジアミンのもう一つの成分として4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテルを用いて共重合させている例もあ
るが、フィルム形成能を改善させるためには4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル成分の添加量が多くなり、結
果的には耐熱性を低下させるに留まっている。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンを主成分とするポリイミドフィルムにおいて、
その構成単位が本来有する優れた耐熱性を損ねることな
く、フィルム形成能を改善し、機械的特性に優れたポリ
イミドフィルムを再現性良く製造する方法を提供するも
のである。
即ち、本発明は、ポリイミドの前駆体であるポリアミ
ック酸において、少量の特定モノマー成分を構成単位の
中に組み込むことにより、分子鎖の三次元網目構造を形
成させ、多量の溶媒を含んでも自己支持性のある、所謂
高分子ゲルフィルムを調製し、更に、脱水・環化反応を
進め、ポリイミドフィルムの三次元網目構造を形成させ
ることにより、ポリイミドの耐熱性を損ねることなく、
機械的特性に優れたポリイミドフィルムを得ようとする
ものである。
〔発明の構成及び効果〕
本発明のポリイミドフィルムの製造方法の基本的特徴
は、下記〔A〕〔B〕〔C〕成分を含み〔A〕/〔B〕
/〔C〕のモル比が(100)/(80〜100)/(2〜20)
且つ0.95x〔(Bのモル数)+2x(Cのモル数)〕<
(Aのモル数)<1.05x〔(Bのモル数)+2x(Cのモ
ル数)〕であるポリアミック酸の有機極性溶媒溶液を基
盤上に流延又は塗布し、自己支持性のある三次元網目構
造を与えるポリアミック酸のゲルフィルムを作製した
後、基盤上から剥離させ、該フィルムを脱水・環化反応
させることである。
〔A〕テトラカルボン酸二無水物 〔B〕芳香族ジアミン 〔C〕下式で表わされる化合物 の単独又は2種以上の組み合せ。
〔式中Aは を表わし、Rは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−を表
わす〕 上記本発明のポリイミドフィルムの製造方法におい
て、有機溶媒中、−10〜+30℃の温度範囲で〔A〕成分
と〔B〕〔C〕成分を重縮合させて得られるポリアミッ
ク酸溶液を、基盤上に流延又は塗布し、均一なポリアミ
ック酸のゲルフィルムを作製し、基盤上から剥離させ、
該フィルムを脱水・環化反応させることができる。
また、上記本発明のポリイミドフィルムの製造方法に
おいて、全量の60〜97重量%の有機極性溶媒を含んだポ
リアミック酸のゲルフィルムを、脱溶媒により溶媒の含
有率を50重量%以下に調製した後、該フィルムを、脱
水、環化反応させることができる。
また、上記本発明のポリイミドフィルムの製造方法に
おいて、全量の50重量%以下の有機極性溶媒を含んだポ
リアミック酸のゲルフィルムを、少なくともフィルムの
一対の両端を固定させ50〜200℃の温度で乾燥させた
後、150℃以上の温度で熱処理することができる。
また、上記本発明のポリイミドフィルムの製造方法に
おいて、全量の50重量%以下の有機極性溶媒を含んだポ
リアミック酸のゲルフィルムを、有機酸無水物等の脱水
剤及び第三級アミン等の触媒による化学的脱水処理によ
りフィルムのイミド化を進めた後、乾燥及び加熱による
熱処理を行なうことができる。
また、上記本発明のポリイミドフィルムの製造方法に
おいて、全量の50重量%以下の有機極性溶媒を含んだポ
リアミック酸のゲルフィルムを、少なくとも水を含む凝
固浴中に浸漬し、フィルムを凝固させ基盤上から剥離さ
せた後、乾燥及び加熱による熱処理を行なうことができ
る。
また、上記本発明のポリイミドフィルムの製造方法に
おいて、〔A〕成分のテトラカルボン酸無水物が、ピロ
メリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の単独
又は2種以上の混合物であるから選択することができ
る。
また、上記本発明のポリイミドフィルムの製造方法に
おいて、〔B〕成分の芳香族ジアミンが、パラフェニレ
ンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテルの単独又は混合物であるから選択
することができる。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における〔A〕成分のテトラカルボン酸二無水
物の代表例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,6,6′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無
水物)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水
物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水
物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水
物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、
エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)
などであり、これらを単独又は2種以上の混合物で用い
ることがてきる。
この中でも、テトラカルボン酸二無水物として、ピロ
メリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の単独
又は2種以上の混合物を用いることが、耐熱性が高く、
機械的特性に優れたポリイミドフィルムを得る上で好ま
しい。
〔B〕成分の芳香族ジアミンの代表例としては、メタ
フェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′
−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスル
ホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾ
フェノン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、ベンジジン、3,3′−ジアミノビフェニル、2,6−ジ
アミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジアミ
ノピリジン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エーテル、2,2′−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2′−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフ
ロロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミ
ノナフタレン及びこれらの誘導体等が挙げられる。これ
らを単独又は2種以上の混合物で用いることができる。
この中でも、芳香族ジアミンとして、パラフェニレン
ジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテルの単独又は2種以上の混合物を用い
ることが、耐熱性が高く、機械的特性に優れたポリイミ
ドフィルムを得る上で好ましい。
〔C〕成分は、下式で表わされるものである。
〔式中Aは を表わし、Rは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−を表
わす〕 代表例としては、3,3′,4,4′−テトラアミノジフェ
ニルエーテル・四塩酸塩、3,3′,4,4′−テトラアミノ
ジフェニルメタン・四塩酸塩、3,3′,4,4′−テトラア
ミノベンゾフェノン・四塩酸塩、3,3′,4,4′−テトラ
アミノジフェニルスルホン・四塩酸塩、3,3′,4,4′−
テトラアミノビフェニル・四塩酸塩、1,2,4,5−テトラ
アミノベンゼン・四塩酸塩、3,3′,4−トリアミノジフ
ェニルエーテル・三塩酸塩、3,3′,4−トリアミノジフ
ェニルメタン・三塩酸塩、3,3′,4−トリアミノベンゾ
フェノン・三塩酸塩、3,3′,4−トリアミノジフェニル
スルホン・三塩酸塩、3,3′,4−トリアミノビフェニル
・三塩酸塩、1,2,4−トリアミノベンゼン・三塩酸塩で
あり、これらのトリアミノ化合物は二塩酸塩の形で用い
てもよい。上記物質は水和物として存在しているもので
あり、これらは単独又は2種以上の混合物で用いること
ができる。
また、これらの化合物が塩酸塩以外の塩、例えば、硫
酸塩等でもかまわない。上記のテトラアミノ化合物及び
トリアミノ化合物は、塩を形成していない場合、例え
ば、3,3′,4,4′−テトラアミノジフェニルエーテル、
3,3′,4,4′−テトラアミノベンゾフェノン等もポリア
ミック酸の三次元網目構造を形成させる能力を有してい
るが、それらを使用すると、ゲル化に至る時間がかなり
短くなるため上記の塩酸化合物として併用して用いるこ
とが好ましい。
これら〔A〕〔B〕〔C〕成分は、それぞれ単独又は
2種以上の混合物で用いられるため、得られるポリマー
は共重合体のものを含む。また、特定の成分からなる
〔A〕〔B〕〔C〕のポリアミック酸溶液と、前記
〔A〕〔B〕〔C〕成分の中の少なくとも1種類が前記
のものと異なるポリアミック酸溶液とを混合した後、ゲ
ル化を行なわせ、ポリアミック酸のゲルフィルムを得る
こともできる。
〔A〕〔B〕〔C〕成分からなるポリアミック酸の構
造体は、有機極性溶媒中、−10〜+30℃、特に−5〜+
20℃の温度範囲で反応させることが好ましい。反応時間
は5時間以内、好ましくは2時間以内である。反応温度
が−10℃より低い場合は、取扱性や反応方法の難しさに
加え、反応自身の温度が低すぎて充分に進まない場合が
あり、好ましくない。反応温度が30℃を超える場合は、
ゲル化に至るまでの反応が速すぎて、製膜させる以前に
ゲル化現象が起こり、均一なフィルムが得られない場合
がある。従って、〔A〕成分と〔B〕〔C〕成分を重縮
合させて得られるポリアミック酸溶液からフィルムを作
製する場合は、ポリアミック酸溶液及びフィルム製造の
ための基盤等を、フィルム作製前に−10〜+30℃の温度
にコントロールした後、ポリアミック酸溶液を基盤上に
流延又は塗布し、フィルムを作製することが好ましい。
反応時に使用する有機溶媒の量は、得られるポリアミ
ック酸が有機溶媒中に3〜40重量%、好ましくは5〜30
重量%含まれるように調整することが取扱性の面で好ま
しい。ポリアミック酸の濃度が3重量%未満では、得ら
れたゲルの自己支持性が悪く、40重量%超では固形分濃
度が高すぎるため、重合途中で溶液粘度が上昇し、重合
反応が思うように進まない傾向がある。
従って、反応により得られたポリアミック酸のゲル
は、全量の60〜97重量%の有機極性溶媒を含んだゲルで
ある。
用いる有機溶媒は、反応に対して不活性であると同時
に、反応させる〔A〕〔B〕〔C〕成分を溶解させるこ
とが必要で、代表的なものとして、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルメトキシアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミ
ド、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスル
ホン、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェ
ノール類や、ベンゼン、トルエン、キシレン、ベンゾニ
トリル、ジオキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独又2種以上混合して使用される。
反応させる〔A〕/〔B〕/〔C〕のモル比は、(10
0)/(80〜100)/(2〜20)である。
一般に、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン
からポリアミック酸を調製する場合、分子量を上げるた
めに両成分を可能な限り等モルで反応させることが好ま
しく、本発明でも重合度を高めるため、〔A〕/〔B〕
成分のモル比を(100)/(80〜100)、〔A〕/〔B〕
/〔C〕のモル比を、(100)/(80〜100)/(2〜2
0)の範囲内に留め、且つ、テトラカルボン酸二無水物
とアミン酸の反応基の当量比を±5%以内に合わせるた
めに、0.95x〔(Bのモル数)+2x(Cのモル数)〕<
(Aのモル数)<1.05x〔(Bのモル数)+2x(Cのモ
ル数)〕にすることが必要である。
この範囲を外れた組成でモノマーを配合し反応させた
場合、即ち(Aのモル数)<0.95x〔(Bのモル数)+2
x(Cのモル数)〕の場合は、重合度が上がらず、得ら
れるポリマーの性質、例えば、機械的性質等も著しく低
いものとなる。また、(Aのモル数)>1.05x〔(Bの
モル数)+2x(Cのモル数)〕の場合は、未反応のモノ
マー類が重合溶液中に残存することになりポリマー溶液
の蒸発・乾燥により得られたフィルムの特性に悪影響を
及ぼすことになる。例えば、最終的に得られるポリイミ
ドフィルムの熱的特性、吸湿特性等を低下させる傾向が
現われる。
〔A〕/〔B〕/〔C〕成分のモル比は、(100)/
(80〜100)/(2〜20)の範囲がとられる。〔A〕/
〔B〕成分のモル比が(100)/(80〜100)の範囲を外
れると、ポリマーの重合度が上がらず、得られる構造体
も不完全なものである。更に、これに対する〔C〕成分
のモル比が2より小さいと三次元的網目構造を生成せ
ず、所謂ゲル化を起こさない。三次元的網目構造を形成
させる上で好ましい〔C〕成分のモル比は、2以上であ
る。しかしながら、〔C〕成分のモル比が2未満の場合
でも、ポリマー溶液の見掛の粘度を上昇させ、ポリアミ
ック酸のフィルム形成能を著しく向上させる効果が現わ
れる場合もある。
〔C〕成分のモル比が20より大きいと、三次元的網目
構造の架橋点が多くなり、ゲル構造体のフィルム性を低
下させ、フィルムが脆くなる傾向が現われてくる。従っ
て、〔C〕成分のモル比は2〜20の範囲内がよい。
また、〔C〕成分の配合割合が多くなってくると、脱
水・環化反応によって得られるポリイミド樹脂の耐熱性
が低下してくるので、好ましくは〔C〕成分のモル比は
10以下である。
〔A〕〔B〕〔C〕成分の反応は、〔A〕成分と
〔B〕〔C〕成分の反応であり、調製方法としては、窒
素ガスのような不活性雰囲気下、〔B〕〔C〕成分を有
機溶媒で溶解させた溶液中に〔A〕成分を加えればよ
い。〔A〕成分は、固形で加えてもよく、溶媒で溶解さ
せた液状で加えてもかまわない。〔A〕成分を有機溶媒
で溶解させた溶液中に〔B〕〔C〕成分を加えていく方
法でもかまわない。また、〔A〕成分と〔B〕成分を反
応させている途中で〔C〕成分を加えてもかまわない。
但し、予め所定量の〔A〕成分と〔C〕成分を反応させ
た系に〔B〕成分を加えた場合、調製条件によっては反
応が進まず、ゲル化しない場合もあるので注意する必要
がある。
〔A〕〔B〕〔C〕成分の他に、少量のトリメリット
酸等の多価カルボン酸、カルボン酸無水物又はその誘導
体が含まれてもかまわない。また、ポリアミック酸の三
次元網目構造中には溶媒以外の他の物質、例えば、各種
金属化合物、低分子有機化合物、高分子化合物、無機充
填剤、着色剤、強化組織等が含まれてもかまわない。
ポリアミック酸を脱水・環化反応させてポリイミド樹
脂を得る方法に関しては、一般に知られているように、
高温処理又は脱水剤等による化学的な脱水処理によりイ
ミド化を完結させる。
本発明で得られたポリアミック酸のゲルは、主に共有
結合的な三次元網目構造からなる構造体であって、室温
においては自己支持性のあるゲル状の構造体を与える。
このものを高温処理すると均一なポリイミドフィルムを
形成させることができ、結果的に特異的な性能を有する
フィルムが得られる。
即ち、ポリアミック酸の三次元網目構造(ゲル)を或
る程度保持させたままイミド化を進めたフィルムは、ミ
クロレベルでは特異な分子構造を有するものと思われ、
フィルムの延伸等の機械的な処理又は凝固浴中での溶媒
置換による多孔質な凝固フィルムの調製等により特異な
性能を有するポリイミドフィルムの調製が可能である。
本発明の〔A〕〔B〕〔C〕成分から調製されたポリ
アミック酸フィルムに関しては、ポリアミック酸溶液を
基盤上に流延させた後にゲル化が起こり、全量の60〜97
重量%の有機極性溶媒を含んだ形で自己支持性のポリア
ミック酸のゲルフィルムが得られる。このポリアミック
酸のゲルフィルムを前駆体として、このものよりポリイ
ミドフィルムを作製させる場合は、100℃以下の温度
で、常圧又は真空下で脱溶媒させ、溶媒の含有率を50重
量%以下、好ましくは40重量%以下に調製した後、該フ
ィルムを脱水・環化反応させてポリイミドフィルムを得
ると、欠陥の少ない物理的性質の優れたフィルムが得ら
れるので好ましい。
また、溶媒を含んだポリアミック酸のゲル状フィルム
を、ポリアミック酸の貧溶媒を凝固浴とした浴中に浸漬
せしめ、フィルム中に残存する有機極性溶媒の溶媒置換
による除去又はフィルムの洗浄を実施することができ
る。この後、フィルムを基盤をから離脱させ、高温処理
あるいは化学的な処理を施してポリイミドフィルムが得
られる。この場合、凝固液としては、主に水を使用する
が、メタノールやエタノール等のアルコール類を凝固液
全体の50重量%以下なら含んでもかまわない。また、凝
固液全体の20重量%以下なら、アセトン等のようなケト
ン類、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、
1,2−ジクロロエタンのような塩素系溶媒等を含んでも
かまわない。上記のようなフィルムの洗浄を強化するこ
とにより、フィルム中に含まれる塩素等の不純物を除去
させることも可能である。
三次元的網目構造(ゲル)を保持させたままイミド化
を進める方法としては、一般のポリイミド樹脂で用いら
れているイミド化の方法と同様の方法で行なうことがで
きる。
例えば、高温処理によりイミド化を完結させる場合
は、自己支持性のある上記ポリアミック酸のゲルフィル
ムを50〜200℃の温度で少なくとも10秒以上乾燥させ、
更に、150〜500℃、好ましくは200〜450℃の高温で熱処
理させる。この場合、フィルムの一対の両端を固定枠、
チャックあるいはピンガイド等で固定させて処理する
と、寸法安定性や機械的特性に優れたフィルムが得られ
る。ポリアミック酸のゲルフィルムは、特に乾燥や熱処
理による収縮が大きいため、この方法は有効である。
また、ポリアミック酸の三次元網目構造(ゲル)のフ
ィルムを脱水剤に浸漬又は脱水剤を含ませることにより
化学的に脱水・環化させる方法がある。
化学的な脱水反応においては、アミン類を触媒として
酸無水物を用いるのが効果的である。酸無水物の例とし
ては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂
肪族酸無水物や無水安息香酸無水物がある。これは、単
独又は2種以上の混合物として用いることができる。
触媒としてのアミン類の例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリブ
チルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピリコン、イソキノリン、ルチ
ジン等の第三級アミンの中から選ばれ、これらの少なく
とも1種のアミン類である。
化学的脱水反応において添加する酸無水物の量は、ポ
リアミック酸に存在するカルボキシル基1当量に対して
1〜5当量、好ましくは1〜3当量である。触媒の量
は、ポリアミック酸に存在するカルボキシ基1当量に対
して0.01〜1.5当量、好ましくは0.2〜1当量である。
以上のように、〔A〕〔B〕〔C〕成分の成分の重合
反応液よりポリアミック酸のゲルフィルムが調製され、
ポリイミドフィルムの前駆体であるところの、このフィ
ルムを脱水・環化反応させることにより、ミクロ的に特
異な分子構造を有するポリイミドフィルムが調製され
る。本発明における新規なポリアミック酸のゲルフィル
ムより得られたポリイミドフィルムは、三次元的網目構
造であるため、フィルム自身の機械的特性を改善し、耐
熱性と強靭さを兼備した機械的強度に優れた性能を与え
るものである。特に、耐熱性の高いポリイミド、例え
ば、テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸
二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、これに芳
香族ジアミンとして、パラフェニレンジアミン、メタフ
ェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ルを組み合せた単独又は2種以上の混合系では、〔C〕
成分の添加によるポリアミック酸の三次元的ゲル構造体
の形成に伴なうフィルム性能の改善は顕著である。
また、特異な分子構造のため製膜条件によっては、溶
媒の出入りにより膨潤、収縮を繰り返したり、又は、温
度等の外的刺激により状態を変化させるような機能性の
発現も考えられ、ポリイミド樹脂の優れた耐熱性も兼ね
備えるため、物質分離能、刺激−応答作用又は触媒的作
用等を有する機能性高分子としての応用も期待される。
〔実施例及び比較例〕
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1 300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、0.0168モル
(1.816g)の精製したパラフェニレンジアミン(略称:P
PD)と0.0016モル(0.6336g)の3,3′,4,4′−テトラア
ミノビフェニル・四塩酸塩・二水和物(略称:TABT)を
採取し、50gの蒸溜されたN,N−ジメチルアセトアミド
(略称:DMAc)を加え、撹拌し溶解させた。
窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコントロー
ルし、上記溶液を撹拌しながら0.02モル(4.366g)の精
製した無水のピロメリット酸二無水物(略称:PMDA)を
固形のまま、溶液の温度が上がらないように注意しなが
ら徐々に添加した。
PMDAを全て添加し終った後、撹拌を続け均一なポリア
ミック酸溶液が得られた後、ポリマー溶液をガラス板上
に流延した。溶液の塗布量は、スペーサーによりコント
ロールした。しばらく静置すると流延されたポリマー溶
液がゲル化を起こし、ポリアミック酸のゲルフィルムが
得られた。
得られたポリアミック酸のゲルフィルムは寒天状であ
り、自己支持性のものであった。
このポリアミック酸のゲルフィルムを30℃で真空乾燥
させ、フィルム中の溶媒の含有量を、全重量の20重量%
に調製した後、ガラス板より剥離させ、80℃で60分、12
0℃で60分乾燥機内で乾燥させた後、鉄枠に固定し、150
℃で1時間、200℃で1時間、300℃で1時間、400℃で
1時間の条件で連続的に処理し、均一なポリイミドフィ
ルムを得た。得られたフィルムは赤褐色で、厚さは50μ
mであった。
このポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを採
ったところ、1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収
帯が観測され、イミド化が確認された。
このフィルムの特性に関しては、熱重量分析によるフ
ィルムの5%重量減少温度、熱機械分析(TMA)による
ガラス転移温度及び材料試験機によるフィルムの引張り
特性を評価した。引張り特性は、得られたポリイミドフ
ィルムを5mm幅の短冊状に切り出し、チャック間距離30m
m、引張り速度5mm/分の試験条件で測定した。測定は、2
3℃で行なった。結果は、第1表に示すように、このフ
ィルムは耐熱性に優れ、機械的特性も良好であった。
比較例1 300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、0.02モル
(2.162g)の精製したパラフェニレンジアミン(略称:P
PD)を採取し、50gの蒸留されたN,N−ジメチルアセトア
ミド(略称:DMAc)を加え、撹拌し溶解させた。
窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコントロー
ルし、上記溶液を撹拌しながら0.02モル(4.366g)の精
製した無水のピロメリット酸二無水物(略称:PDMA)を
固形のまま、溶液の温度が上がらないように注意しなが
ら除去に添加した。
得られたポリマー溶液は粘稠な液体であり、30℃での
固有粘度は、1.6dl/gであった。このポリマー溶液は、
室温で5時間静置しても、ゲル化を起こさなかった。
このポリマーを、実施例1と同様な条件でフィルムを
調製し、乾燥及び加熱処理を試みたが、120℃で60分乾
燥機内で乾燥させた後のフィルム脆くなっており、鉄枠
に固定させて処理することはできなかった。また、自由
端で実施例1と同様な温度条件で高温加熱処理した後の
フィルムも非常に脆性的で、熱機械分析によるガラス転
移温度及び材料試験機によるフィルムの引張り特性の評
価はできなかった。
実施例2 300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、0.014モル
(1.513g)の精製したパラフェニレンジアミン(略称:P
PD)と0.0038モル(0.7207g)の4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル及び0.0012モル(0.4752g)の3,3′,4,4′
−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩・二水和物(略
称:TABT)を採取し、50gの蒸溜されたN,N−ジメチルア
セトアミド(略称:DMAc)を加え、撹拌し溶解させた。
窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコントロー
ルし、上記溶液を撹拌しながら0.02モル(4.366g)の精
製した無水のピロメリット酸二無水物(略称:PMDA)を
固形のまま、溶液の温度が上がらないように注意しなが
ら徐々に添加した。
後は、実施例1と同様の方法でポリマー溶液及びポリ
イミドフィルムの調製を行ない、実施例1と同様に各種
特性の評価を行なった。結果は、第1表に示す通りであ
る。
実施例3 300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、0.0124モル
(1.340g)の精製したパラフェニレンジアミン(略称:P
PD)と0.0014モル(0.5544g)の3,3′,4,4′−テトラア
ミノビフェニル・四塩酸塩・二水和物(略称:TABT)を
採取し、30gの蒸溜されたN,N−ジメチルアセトアミド
(略称:DMAc)を加え、撹拌し溶解させた。
窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコントロー
ルし、上記溶液を撹拌しながら0.0152モル(3.318g)の
精製した無水のピロメリット酸二無水物(略称:PMDA)
を固形のまま、溶液の温度が上がらないように注意しな
がら徐々に添加した。
別の300mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、今度は
0.004モル(10.4324g)の精製したメタフェニレンジア
ミン(略称:MPD)と0.0006モル(0.2376g)の3,3′,4,
4′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩・二水和物
(略称:TABT)を採取し、20gの蒸溜されたN,N−ジメチ
ルアセトアミド(略称:DMAc)を加え、撹拌し溶解させ
た。
同様に、窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を5℃にコ
ントロールし、上記溶液を撹拌しながら0.0048モル(1.
048g)の精製した無水のピロメリット酸二無水物(略
称:PMDA)を固形のまま、溶液の温度が上がらないよう
に注意しながら徐々に添加した。
この2種の反応を、温度を5℃にコントロールしたま
ま混合、攪拌し、均一な溶液が得られた後、ゲル化が起
こる前にこの溶液をガラス板上に流延し、後は、実施例
1と同様の方法でポリイミドフィルムの調製を行ない、
各種特性の評価を行なった。結果は第1表に示す通りで
あった。
実施例4〜8及び比較例2〜6 500mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、第1表に示
す種類と量の各種モノマーと溶媒を仕込み、実施例1、
比較例1と同様の方法でポリマー溶液及びポリイミドフ
ィルムの調製を行ない、各種特性の評価を行なった。
尚、ポリイミドフィルムの調製において実施した最終の
高温加熱処理温度は、第1表に示す通りであった。実施
例3〜8においては、調製されたポリマー溶液をガラス
板上に流延し静置の後、ポイアミック酸フィルムのゲル
化が確認された。また、加熱処理後のポリイミドフィル
ムに関しては、比較例に比べ熱的特性に大きな差は認め
られないものの、フィルムの機械的特性、特に引張り強
度及び伸度が改善された。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記〔A〕〔B〕〔C〕成分を含み〔A〕
    /〔B〕/〔C〕のモル比が(100)/(80〜100)/
    (2〜20)且つ 0.95x〔(Bのモル数)+2x(Cのモル数)〕<(Aの
    モル数) <1.05x〔(Bのモル数)+2x(Cのモル数)〕である
    ポリアミック酸の有機極性溶媒溶液を基盤上に流延又は
    塗布し、自己支持性のある三次元的網目構造を与えるポ
    リアミック酸のゲルフィルムを作製した後、基盤上から
    剥離させ、該フィルムを脱水・環化反応させることを特
    徴とするポリイミドフィルムの製造方法。 〔A〕テトラカルボン酸二無水物 〔B〕芳香族ジアミン 〔C〕下式で表される化合物の単独又は2種以上の組み
    合わせ 〔式中Aは を表わし、Rは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−を表
    わす〕
  2. 【請求項2】前記ポリアミック酸のゲルフィルムを脱水
    ・環化反応させる方法は、有機溶媒中、−10〜+30℃の
    温度範囲で〔A〕成分と〔B〕〔C〕成分を重縮合させ
    て得られるポリアミック酸溶液を、基盤上に流延又は塗
    布し、均一なポリアミック酸のゲルフィルムを作製し、
    基盤上から剥離させ、該フィルムを脱水・環化反応させ
    る方法である請求項(1)記載のポリイミドフィルムの
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記ポリアミック酸のゲルフィルムを脱水
    ・環化反応させる方法は、全量の60〜97重量%の有機極
    性溶媒を含んだポリアミック酸のゲルフィルムを、脱溶
    媒により溶媒の含有率を50重量%以下に調製した後、該
    フィルムを、脱水・環化反応させる方法である請求項
    (1)記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記ポリアミック酸のゲルフィルムを脱水
    ・環化反応させる方法は、全量の50重量%以下の有機極
    性溶媒を含んだポリアミック酸のゲルフィルムを少なく
    ともフィルムの一対の両端を固定させ50〜200℃の温度
    で乾燥させた後、150℃以上の温度で熱処理する方法で
    ある請求項(1)記載のポリイミドフィルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記ポリアミック酸のゲルフィルムを脱水
    ・環化反応させる方法は、全量の50重量%以下の有機極
    性溶媒を含んだポリアミック酸のゲルフィルムを、有機
    酸無水物からなる脱水剤及び第三級アミンからなる触媒
    による化学的脱水処理によりフィルムのイミド化を進め
    た後、乾燥及び加熱による熱処理する方法である請求項
    (1)記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】前記ポリアミック酸のゲルフィルムを脱水
    ・環化反応させる方法は、全量の50重量%以下の有機極
    性溶媒を含んだポリアミック酸のゲルフィルムを、少な
    くとも水を含む凝固浴中に浸漬し、フィルムを凝固させ
    基盤上から剥離させた後、乾燥及び加熱による熱処理す
    る方法である請求項(1)記載のポリイミドフィルムの
    製造方法。
  7. 【請求項7】前記〔A〕成分のテトラカルボン酸二無水
    物が、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラ
    カルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無
    水物の単独又は2種以上の混合物である請求項(1)記
    載のポリイミドフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】前記〔B〕成分の芳香族ジアミンが、パラ
    フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4′
    −ジアミノジフェニルエーテルの単独又は混合物である
    請求項(1)記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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