JP2002355833A - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムの製造方法

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JP2002355833A
JP2002355833A JP2001165791A JP2001165791A JP2002355833A JP 2002355833 A JP2002355833 A JP 2002355833A JP 2001165791 A JP2001165791 A JP 2001165791A JP 2001165791 A JP2001165791 A JP 2001165791A JP 2002355833 A JP2002355833 A JP 2002355833A
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polyamic acid
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polyimide film
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Nagayasu Kaneshiro
永泰 金城
Toshinao Ito
利尚 伊藤
Katsunori Yabuta
勝典 藪田
Renichi Akahori
廉一 赤堀
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度低下をきたすことなく、高い生産性を有
するポリイミドフィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリアミド酸の有機溶剤溶液に化学的転
化剤と触媒を混合後、支持体上に流延、加熱した後支持
体から剥離して残留揮発分の50部以上が触媒であり、
30部以下が溶媒であり、かつ20部以下が化学的転化
剤及び/または化学的転化剤由来成分である部分的に硬
化及び/または部分的に乾燥されたポリアミド酸フィル
ムを得、引き続き残ったアミド酸をイミド化し、かつこ
のフィルムを乾燥する事により、生産性良く高い機械的
強度を有したポリイミドフィルムを製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性良く高い強
度を有するポリイミドフィルムの製造方法を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドフィルムは、耐熱性、絶縁
性、耐溶剤性および耐低温性等を備えており、コンピュ
ータ並びにIC制御の電気・電子機器部品材料として広
く用いられている。
【0003】近年、携帯電話などの小型汎用機器にポリ
イミドフィルムが多く使用されるようになり、ポリイミ
ドフィルムに対する需要も益々増大してきており、さら
なる高生産性を有するポリイミドフィルムの製造方法の
開発が急がれている。
【0004】通常ポリイミドフィルムは、熱キュア法ま
たは化学キュア法のいずれかの方法により製造されてい
る。たとえば熱キュア法の場合、ポリイミド前駆体であ
るポリアミック酸ワニスから溶媒を除去してポリアミッ
ク酸フィルムを形成した後、加熱することによりポリイ
ミドフィルムに変換する。この方法において加熱時間を
短縮しようとすると十分な物性を発現しない、フィルム
が割れてしまう等の問題が出てくる。
【0005】また、化学キュア法の場合、ポリアミック
酸ワニスに化学イミド化剤を混合した後、乾燥させてポ
リイミドフィルムを得るが、生産性を向上するために部
分的に硬化及び/または部分的に乾燥されたポリアミド
酸フィルム(ゲルフィルム)の製造時間を短くしようと
すると、化学イミド化が不十分になり、引裂伝搬強度、
引張強度など基本的な機械的強度や接着強度の低下をき
たすという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本発
明者らは鋭意検討を行った結果、強度低下を防ぎつつ高
い生産性でポリイミドフィルムを製造する方法に関し、
本発明に至ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるポリイミ
ドフィルムの製造方法は、ポリアミド酸の有機溶剤溶液
に化学的転化剤と触媒を混合後、支持体上に流延、加熱
した後、揮発分が残留する状態で支持体から剥離して、
残留揮発分を100重量部としたときに、50重量部以
上が触媒であり、30重量部以下が溶媒であり、かつ2
0重量部以下が化学的転化剤及び/または化学的転化剤
由来成分である部分的に硬化及び/または部分的に乾燥
されたポリアミド酸フィルムを得、引き続き残ったアミ
ド酸をイミド化し、かつこのフィルムを乾燥する事を内
容とする。
【0008】また、本発明は部分的に硬化及び/または
部分的に乾燥されたポリアミド酸フィルムの残留揮発分
率が、該ポリアミド酸フィルムを450℃で20分間加
熱した後の重量を基準として、100重量%以下である
前記ポリイミドフィルムの製造方法を内容とする。
【0009】また本発明は触媒として第3級アミンを用
いる前記ポリイミドフィルムの製造方法を内容とする。
【0010】またさらに本発明は前記方法により製造さ
れたポリイミドフィルムを内容とする。
【0011】またさらに本発明は下記式(1)に定める
加熱減量率が0.2〜2.5重量%であり、かつ、この
加熱減量のうち、フィルムの総重量に対して0.01重
量%以上が触媒である前記ポリイミドフィルムを内容と
する。
【0012】 (加熱減量率)=(X−Y)/Y 式(1) X:150℃ 10分加熱後のフィルム質量 Y:450℃ 20分加熱後のフィルム質量
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリイミドフィル
ムの製造方法についてその実施の形態の一例に基づき説
明する。
【0014】本発明に用いられるポリイミドの前駆体で
あるポリアミド酸は、基本的には、公知のあらゆるポリ
アミド酸を適用することができる。
【0015】本発明に用いられるポリアミド酸は、通
常、芳香族酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少
なくとも1種を、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解さ
せて、得られたポリアミド酸有機溶媒溶液を、制御され
た温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンの重合が完
了するまで攪拌することによって製造される。これらの
ポリアミド酸溶液は通常5〜35重量%、好ましくは1
0〜30重量%の濃度で得られる。この範囲の濃度であ
る場合に適当な分子量と溶液粘度を得る。
【0016】また、ポリイミドはポリアミド酸をイミド
化して得られるが、本発明におけるイミド化には、化学
キュア法を用いる。化学キュア法は、ポリアミド酸有機
溶媒溶液に、無水酢酸等の酸無水物に代表される化学的
転化剤と、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等の
第三級アミン類等に代表される触媒とを作用させる方法
である。化学キュア法に熱キュア法を併用してもよい。
イミド化の反応条件は、ポリアミド酸の種類、フィルム
の厚さ等により、変動し得る。
【0017】前記ポリアミド酸有機溶剤溶液に化学的転
化剤と触媒を混合後、支持体上に流延、加熱した後、揮
発分が残留する状態で支持体から剥離して、残留揮発分
を100重量部としたときに、50重量部以上が触媒で
あり、30重量部以下が溶媒であり、かつ20重量部以
下が化学的転化剤及び/または化学的転化剤由来成分で
ある部分的に硬化及び/または部分的に乾燥されたポリ
アミド酸フィルムを得、引き続き残ったアミド酸をイミ
ド化し、かつこのフィルムを乾燥する事により本発明の
ポリイミドフィルムの製造方法が構成される。
【0018】ここで、本発明にかかるポリイミド前駆体
ポリアミド酸組成物に用いられる材料について説明す
る。
【0019】本ポリイミドにおける使用のための適当な
酸無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリ
レンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ
タン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フ
ェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水
物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無
水物 )、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノ
エステル酸無水物)及びそれらの類似物を含み、これら
を単独または、任意の割合の混合物が好ましく用い得
る。
【0020】これらのうち、本発明において用いられる
ポリイミド前駆体ポリアミド酸組成物において最も適当
な酸二無水物はピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステ
ル酸無水物)であり、これらを単独または、任意の割合
の混合物が好ましく用い得る。
【0021】本発明にかかるポリイミド前駆体ポリアミ
ド酸組成物において使用し得る適当なジアミンは、4,
4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3′−ジクロロ
ベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエー
テル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,5
−ジアミノナフタレン、4,4′−ジアミノジフェニル
ジエチルシラン、4,4′−ジアミノジフェニルシラ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオ
キシド、4,4′−ジアミノジフェニルN−メチルアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニル N−フェニルアミ
ン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミ
ン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベ
ンゼン、及びそれらの類似物を含み、これらを単独また
は、任意の割合の混合物が好ましく用い得る。
【0022】これらジアミンにおいて、4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル及びp−フェニレンジアミンが
特に好ましく、また、これらをモル比で100:0から
0:100、好ましくは100:0から10:90の割
合で混合した混合物が好ましく用い得る。
【0023】ポリアミド酸を合成するための好ましい溶
媒は、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルム
アミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドを単独また
は、任意の割合の混合物を用いるのが好ましい。
【0024】また、イミド化を化学キュア法により行な
う場合、本発明にかかるポリアミド酸組成物に添加する
化学的転化剤は、例えば脂肪族酸無水物、芳香族酸無水
物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族
ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族ハロゲン化物、ハ
ロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロ
ゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種以上
の混合物が挙げられる。それらのうち、無水酢酸、無水
プロピオン酸、無水ラク酸等の脂肪族無水物またはそれ
らの2種以上の混合物が、好ましく用い得る。ポリアミ
ド酸溶液に対する化学的転化剤の添加量は、溶液中にお
けるポリアミド酸の濃度や、ポリアミド酸分子中におけ
るアミド酸結合部位の密度によって適宜決定すれば良い
が、例えば無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテルからなる濃度が18.5重量%のポリ
アミド酸の場合、、ポリアミド酸溶液100部に対して
1〜80部、好ましくは5〜70部、さらに好ましくは
10〜50部の割合で化学的添加剤を用い得る。この量
が多すぎると混合不良がおきやすく、少なすぎると化学
イミド化の進行(硬化)が遅くなる傾向がある。
【0025】また、イミド化を効果的に行うためには、
化学的転化剤に触媒を同時に用いることが好ましい。触
媒としては脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、
複素環式第三級アミン等が用いられる。それらのうち複
素環式第三級アミンから選択されるものが特に好ましく
用い得る。具体的にはキノリン、イソキノリン、β−ピ
コリン、ピリジン等が好ましく用いられる。ポリアミド
酸溶液に対する触媒の添加量は、溶液中におけるポリア
ミド酸の濃度や、ポリアミド酸分子中におけるアミド酸
結合部位の密度によって適宜決定すれば良いが、例えば
無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテルからなる濃度が18.5重量%のポリアミド酸の
場合、ポリアミド酸溶液100部に対して0.1〜30
部、好ましくは0.5〜20部、さらに好ましくは1〜
15部の割合で触媒を用い得る。少なすぎると化学イミ
ド化が進行(硬化)しにくくなる傾向があり、多すぎる
と化学イミド化の進行(硬化)が速くなり、支持体上に
流延するのが困難となる。
【0026】具体的に、本発明を説明する。化学的転化
剤及び触媒を低温でポリアミド酸溶液中に混合し、引き
続いてこのポリアミド酸溶液をガラス板、アルミ箔、エ
ンドレスステンレスベルト、ステンレスドラムなどの支
持体上にフィルム状にキャストし、支持体上で80℃〜
200℃、好ましくは100℃〜180℃の温度領域で
加熱することで化学的転化剤及び触媒を活性化すること
によって部分的に硬化及び/または乾燥した後支持体か
ら剥離してポリアミド酸フィルム(以下、ゲルフィルム
という)を得る。
【0027】なお、本明細書中における用語「部分的に
硬化」或いは「部分的に乾燥」とは、初期のポリアミド
酸溶液中に含まれるアミド結合の一部がイミド化してい
る、或いは初期のポリアミド酸溶液中に含まれる揮発分
の一部が蒸発乾燥しているという意味で用いられる。フ
ィルム全面に対して、部分的に硬化或いは乾燥している
という意味で用いられる用語とは異なる。
【0028】ゲルフィルムは、ポリアミド酸からポリイ
ミドへの硬化の中間段階にあり、自己支持性を有し、残
留揮発分率は5〜500重量%の範囲、好ましくは10
〜200重量%、より好ましくは10〜80重量%、最
も好ましくは30〜60重量%の範囲にある。この範囲
のフィルムを用いることが好適であり、現実的には10
0重量%以下を目安に製造することが好ましい。外れる
と所定の効果が発現しにくい。なお、残留揮発分率は、
下記式(2)から算出される。 (A−B)×100/B・・・・式(2) 式(2)中 A,Bは以下のものを表す。 A:ゲルフィルムの重量 B:ゲルフィルムを450℃で20分間加熱した後の重
【0029】またさらにここでの加熱条件は、上記で得
たゲルフィルムをN−メチル−2−ピロリドンに48時
間震盪しながら浸漬した後、ガスクロマトグラフィー測
定により定量したゲルフィルム中に残存する触媒及び主
たる溶媒の含有量は、ゲルフィルム中の総残存揮発分を
100重量部(但し水分含有量は考慮していない)とし
たときに触媒量が50重量部以上、好ましくは60重量
部以上、さらに好ましくは70重量部以上、溶媒量が3
0重量部以下、好ましくは25重量部以下、さらに好ま
しくは20重量部以下、かつ化学的転化剤及び/または
化学的転化剤由来成分が20重量部以下、好ましくは1
5重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下となる
ような条件を用いる。具体的には主たる溶媒と触媒の重
量比の変更、乾燥温度の変更、熱風量の変更、熱風の風
速の変更、加熱時間の変更、支持体温度の変更などが挙
げられる。これらの条件は、触媒及び主たる溶媒の沸
点、触媒の添加量、フィルムの厚み、ポリアミド酸の種
類、生産速度などにより変動し得る。
【0030】触媒、溶媒、化学的転化剤及び/または化
学的転化剤由来成分の含有量が前記範囲を外れたとき、
本発明の目的である生産性の向上と強度低下抑制を同時
に達成することが困難となる。
【0031】前記ゲルフィルムの端部を固定して硬化時
の収縮を回避して乾燥し、水、残留溶媒、残存転化剤及
び触媒を除去し、そして残ったアミド酸を完全にイミド
化して、本発明の製造方法による生産性を改善し、引裂
伝搬強度及び接着強度の低下を防ぎ、引張強度の向上し
たポリイミドフィルムが得られる。
【0032】この時、最終的に500〜580℃の温度
で15〜400秒加熱するのが好ましい。この温度より
高い及び/または時間が長いと、フィルムの熱劣化が起
こり問題が生じやすくなる。逆にこの温度より低い及び
/または時間が短いと所定の効果が発現しにくくなる。
【0033】また、このようにして得られるポリイミド
フィルムの式(1); (加熱減量率)=(X−Y)/Y 式(1) X:150℃ 10分加熱後のフィルム質量 Y:450℃ 20分加熱後のフィルム質量 により計算される加熱減量率が、0.5〜2.5重量
%、好ましくは0.3〜2.0重量%、より好ましくは
0.3〜1.5重量%、最も好ましくは0.5〜1.5
重量%で、かつこの加熱減量分のうち、フィルムの総重
量に対して0.01重量%以上、好ましくは0.05重
量%以上、より好ましくは0.1重量%以上が触媒とな
るように、本製造方法におけるすべての加熱段階におい
て、加熱温度および加熱時間を調節することが望まし
い。加熱減量率および加熱減量成分が上記範囲を外れる
と所定の効果が発現しない事がある。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の効果を具体
的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定される
ものではなく、当業者は本発明の範囲を逸脱することな
く、種々の変更、修正、及び改変を行い得る。なお、ポ
リイミドフィルムの引裂伝播強度はASTM D−19
38、引張強度はJIS C−2318、接着強度はナ
イロン・エポキシ系接着剤を用いて電解銅箔(三井金属
鉱業社製、商品名3ECVLP、厚み35μm)とポリ
イミドフィルムとを張り合わせ、3層銅張積層板を作製
し、JIS C−6481に従って銅パターン幅3mm
で90度ピールで評価した。
【0035】また、ゲルフィルム中の残留触媒量および
主たる溶媒量は、ゲルフィルムを48時間N−メチル−
2−ピロリドンに浸漬し、この液をガスクロマトグラフ
ィーにより分析することで決定した。ただし残留揮発分
中の水分に関しては計算から除外し、無水酢酸はN−メ
チル−2−ピロリドン浸漬中に加水分解して生成する酢
酸として定量した。
【0036】(比較例1)ピロメリット酸二無水物/
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル/p−フェニレ
ンジアミンをモル比で4/3/1の割合で合成したポリ
アミド酸の18.5wt%のDMF溶液100gに無水
酢酸38g、イソキノリン4.5g、DMF15gから
なる転化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、
アルミ箔上に流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に
冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液
の積層体を120℃で150秒間加熱し、自己支持性を
有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発
分含量は40wt%であり、残留揮発分中のDMF39
wt%、イソキノリンは51wt%、酢酸は10wt%
であった。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フ
レームに固定した。このゲルフィルムを300℃、40
0℃、500℃で各30秒間加熱して厚さ25μmのポ
リイミドフィルムを製造した。このポリイミドフィルム
の基本的な機械特性を表1に示す。
【0037】(比較例2)アルミ箔とポリアミド酸溶液
の積層体を160℃で75秒間加熱した以外は比較例1
と全く同様にして厚さ25μmのポリイミドフィルムを
製造した。中間段階で経由したゲルフィルムの残揮発分
含量は39wt%であり、残留揮発分中のDMFは38
wt%、イソキノリンは45wt%、酢酸は17wt%
であった。このポリイミドフィルムの基本的な機械特性
を表1に示す。
【0038】(実施例1)無水酢酸20g、イソキノリ
ン10gおよびDMF30gからなる添加剤を用い、ア
ルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を160℃で75秒
間加熱した以外は比較例1と全く同様にして厚さ25μ
mのポリイミドフィルムを製造した。中間段階で経由し
たゲルフィルムのゲル残揮は44wt%であり、残留揮
発分中のDMFは17wt%、イソキノリンは75wt
%、酢酸は8wt%であった。このポリイミドフィルム
の基本的な機械特性を表1に示す。
【0039】(比較例3)ピロメリット酸二無水物/
4,4′−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で1/
1の割合で合成したポリアミド酸を用いた以外は、比較
例1と全く同様にしてポリイミドフィルムを得た。中間
段階で経由したゲルフィルムの残揮発分含量は35wt
%であり、残留揮発分中のDMFは37wt%、イソキ
ノリンは56wt%、酢酸は7wt%であった。このポ
リイミドフィルムの基本的な機械特性を表1に示す。
【0040】(比較例4)アルミ箔とポリアミド酸溶液
の積層体を160℃で75秒間加熱した以外は比較例1
と全く同様にして厚さ25μmのポリイミドフィルムを
製造した。中間段階で経由したゲルフィルムの残揮発分
含量は38wt%であり、残留揮発分中のDMFは36
wt%、イソキノリンは43wt%、酢酸は21wt%
であった。このポリイミドフィルムの基本的な機械特性
を表1に示す。
【0041】(実施例2)無水酢酸20g、イソキノリ
ン10gおよびDMF30gからなる添加剤を用い、ア
ルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を160℃で75秒
間加熱した以外は比較例3と全く同様にして厚さ25μ
mのポリイミドフィルムを製造した。中間段階で経由し
たゲルフィルムのゲル残揮は50wt%であり、残留揮
発分中のDMFは18wt%、イソキノリンは72wt
%、酢酸は10wt%であった。このポリイミドフィル
ムの基本的な機械特性を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明のポリイミドフィルムの製造方法
により、生産性よく高い機械的特性を有するポリイミド
フィルムを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藪田 勝典 滋賀県大津市衣川1−26−25 (72)発明者 赤堀 廉一 滋賀県大津市雄琴北2丁目23−6 Fターム(参考) 4F071 AA60 AC12 AE03 AF15 AF16 AF21 AG28 AH16 BA02 BB02 BC01 4F205 AA40 AB01 AC05 GA07 GB02 GC02 GC06 GE21 GF02 GN21 GW05 GW31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド酸の有機溶剤溶液に化学的転
    化剤と触媒を混合後、支持体上に流延、加熱した後、揮
    発分が残留する状態で支持体から剥離して、残留揮発分
    を100重量部としたときに、50重量部以上が触媒で
    あり、30重量部以下が溶媒であり、かつ20重量部以
    下が化学的転化剤及び/または化学的転化剤由来成分で
    ある部分的に硬化及び/または部分的に乾燥されたポリ
    アミド酸フィルムを得、引き続き残ったアミド酸をイミ
    ド化し、かつこのフィルムを乾燥する事を特徴とするポ
    リイミドフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 部分的に硬化及び/または部分的に乾燥
    されたポリアミド酸フィルムの残留揮発分率が、該ポリ
    アミド酸フィルムを450℃で20分間加熱した後の重
    量を基準として、100重量%以下であることを特徴と
    する請求項1記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒が第3級アミンであることを特徴と
    する請求項1及び請求項2記載のポリイミドフィルムの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1及至請求項3記載の方法により
    製造されたポリイミドフィルム。
  5. 【請求項5】 下記式(1)に定める加熱減量率が0.
    2〜2.5重量%であり、かつ、この加熱減量のうち、
    フィルムの総重量に対して0.01重量%以上が触媒で
    あることを特徴とする請求項3記載のポリイミドフィル
    ム。 (加熱減量率)=(X−Y)/Y 式(1) X:150℃ 10分加熱後のフィルム質量 Y:450℃ 20分加熱後のフィルム質量
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