JP2959855B2 - 真空密着焼付方法及び真空密着焼付装置 - Google Patents

真空密着焼付方法及び真空密着焼付装置

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JP2959855B2
JP2959855B2 JP3030855A JP3085591A JP2959855B2 JP 2959855 B2 JP2959855 B2 JP 2959855B2 JP 3030855 A JP3030855 A JP 3030855A JP 3085591 A JP3085591 A JP 3085591A JP 2959855 B2 JP2959855 B2 JP 2959855B2
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佐藤敏行
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ICのリードフレーム
やカラーTVのブラウン管に用いるシャドウマスク等を
製作するための真空密着焼付方法及び真空密着焼付装置
に関し、特に、真空密着に要する時間を短縮して原版を
速やかに感光基材に密着させることができる真空密着焼
付方法及び真空密着焼付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にフィルムやガラス板等からなる透
過性の原版にかかれた絵柄を感光基材に密着焼付法で複
写する場合、高品位複写法として真空密着法が用いられ
ている (例えば、特開昭58−136026号)。
【0003】このような真空密着法を利用した密着焼付
装置の1例として、図4に示したようなものがある。こ
の密着焼付装置は、感光基材1の両側にそれぞれガラス
等からなる原版2、2を配置させるために、真空チャッ
ク等(図示せず)により原版2、2を固定した一対の枠
3、3と、各枠3、3の対向する面に取付られたパッキ
ング4、4と、一方の枠3に形成された排気口5に接続
された真空ポンプ(図示せず)と、各枠3、3を互いに
接近及び離間するように往復動可能に保持したベッド6
と、基材1の両側に配置された光源7、7等とを備えて
いる。
【0004】この密着焼付装置による焼付動作は次のよ
うに行われる。すなわち、まず、感光基材1を原版2、
2間の所定位置に位置決めした後、一対の枠3、3を感
光基材1に接近する方向に移動させて、感光基材1を両
面の原版2、2で挟み、パッキング4、4により枠3、
3間をシールして、両面の原版2、2、枠3、3及びパ
ッキング4、4によって密閉された密閉室8が形成され
る。次に、密閉室8に連通した排気口5から内部の空気
を真空ポンプで吸引して、密閉室8内を真空にする。そ
の結果、両面の原版2、2が大気により押圧され、感光
基材1に密着する。その後、光源7、7を点灯させるこ
とにより、原版2、2の絵柄が感光基材1に焼き付けら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような真
空密着焼付装置においては、ベッド6上で一対の枠3、
3を感光基材1に接近する方向に移動させて感光基材1
を両面から原版2、2で挟み、パッキング4、4により
枠3、3間をシールして密閉室8を形成し、その後に原
版2、2を感光基材1に真空密着させるために、枠3に
設けられた排気口5に通じる真空ポンプにより与えられ
る高真空度(例えば、−760mmHg)で一気に減圧
されて、密閉室8内の空気が吸引排気されるが、排気口
5が原版2、2の外側にあるため、図4に示したよう
に、原版2、2の外周部が先に減圧され密着してしま
い、原版2、2の中心部に残された空気がぬけにくくな
ってしまう。このように、外周がシールされるため、中
心部の空気が完全にぬけるまでに、例えば800×60
0mm角の原版2、2の場合、3分以上の時間を要す
る。
【0006】このように真空排気時間が長いと、その分
生産性が落ちてしまうため、従来は、例えば原版の表面
に凹凸を付けてこの時間の短縮を若干図っているが、そ
の時間短縮は不十分である。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、原版を感光基材に真空密着
させるための真空度を低い真空度から徐々に高めるよう
にすることにより、原版の中心部に空気が残らないよう
にして、原版中心部から外周まで均一にかつ高速に真空
密着させることができる真空密着焼付方法及び真空密着
焼付装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の真空密着焼付方法は、感光材料を塗布してなる基材
の両面に絵柄が描かれた原版を真空排気により密着さ
せ、その原版上に光を照射することにより基材に絵柄を
露光焼付けする真空密着焼付方法において、両側の原版
間にそれら周囲で密閉された密閉室を構成し、その密閉
室内の原版間に基材に配置して、その密閉室の真空排気
を、排気当初において原版の中心部が最初に密着する低
真空度において行い、その後段階的もしくは連続的に高
真空度まで排気の真空度を上げることを特徴とする方法
である。
【0009】本発明の真空密着焼付装置は、感光材料を
塗布した基材の両側に、絵柄が描かれた原版を配置させ
るための、それぞれ原版を固定した一対の枠と、各枠の
対向する面に取り付けられたパッキングと、枠に形成さ
れた排気口に接続された真空ポンプと、各枠を互いに接
近及び離間するように往復動可能に保持したベッドと、
基材の両側に配置された光源とを備えた真空密着焼付装
置において、前記排気口と前記真空ポンプの間に圧力調
整バルブを設け、真空排気を、排気当初において低真空
度で行い、その後段階的もしくは連続的に高真空度まで
真空度を上げられるように構成したことを特徴とするも
のである。
【0010】
【作用】本発明においては、両側の原版間にそれら周囲
で密閉された密閉室を構成し、その密閉室内の原版間に
基材に配置して、その密閉室の真空排気を、排気当初に
おいて原版の中心部が最初に密着する低真空度において
行い、その後段階的もしくは連続的に高真空度まで排気
の真空度を上げるように構成しているので、最初の低真
空度と大気圧との差により、原版の中心部が最も内側に
撓み、最初に基材に密着する。したがって、原版の外周
部が先に減圧され密着することが防止され、原版の中心
部に空気が残ることはなくなり、原版中心部から外周ま
で均一にかつ高速に真空密着させることができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明による真空密着焼付方法及び真
空密着焼付装置を実施例に基づいて説明する。図1は本
発明の真空密着焼付方法を実施する真空密着焼付装置の
1実施例の構成を示す概略断面図であり、図4の従来の
ものと同様な構成要素は同じ符号で示す。すなわち、感
光基材1の両側にそれぞれガラス等からなる原版2、2
を配置させるために、真空チャック等(図示せず)によ
り原版2、2を固定した一対の枠3、3と、各枠3、3
の対向する面に取付られたパッキング4、4と、一方の
枠3に形成された排気口5に接続された真空ポンプ10
と、真空ポンプ10と排気口5の間に設けられた圧力調
整バルブ11と、真空ポンプ10及び圧力調整11とを
制御する制御装置12と、各枠3、3を互いに接近及び
離間するように往復動可能に保持したベッド6と、基材
1の両側に配置された光源7、7等とを備えている。
【0012】以上、概略の構成について説明したよう
に、本発明の真空密着焼付装置は、真空ポンプ10と排
気口5の間に制御装置12により制御される圧力調整バ
ルブ11を設けた点以外は、従来のものと同様である。
【0013】ところで、密閉室8内の真空度は、制御装
置12によって圧力調整バルブ11を経時的に調節する
ことにより、例えば図2に示したように制御される。す
なわち、本発明による真空密着焼付装置においては、真
空排気のために、従来のように真空ポンプの起動と共に
いきなり高真空とせず、圧力調整バルブ11を介して、
排気当初は例えば−50mmHgの低真空度で排気す
る。こうすると、この真空度と大気圧との差により、図
1に示したように、原版2、2の中心部が最も内側に撓
み、最初に感光基材1に密着する。この点が本発明の最
も重要なポイントであり、最初に低真空度で排気するこ
とにより、原版2、2の外周部が先に減圧され密着する
ことを防止し、最初にその中心部を密着させるようにす
るものである。したがって、原版2、2の中心部に空気
が残ることはなくなる。中心部が密着するまでに要する
時間(800×600mm角の原版で約5秒)を経た後
(図2の)、圧力調整バルブ11をより開き(電磁弁
を使用する場合、駆動電圧を変更すればよい。)、排気
のための真空度を例えば−150〜−200mmHgの
圧力に上げる。この状態で原版2、2の外周まで完全に
密着した後(15〜20秒、図2の)、圧力調整バル
ブ11を全開にし、高真空度で感光基材1を原版2、2
に密着させる(図2の)。
【0014】なお、図2のように段階的に真空度を上げ
る代わりに、図3に示すように、低真空度(例えば−5
0mmHg)で原版2、2の中心部が密着してから後は
連続的に高真空度にするようにしてもよい。しかし、低
真空度にて原版2、2の中心部を密着させた後、直ぐに
高真空とすると、外周部が一気に密着し、一部空気が原
版2、2間に密閉されて残るため、せっかく密着してい
た中心部が剥がれてしまうので、上記図2又は図3のよ
うに中間の真空度を経て徐々に高真空度にする必要があ
る。また、中間の−150〜−200mmHgで原版
2、2外周まで密着しただけでは、ニュートンリングで
見ると明らかであるが、高真空度で吸引した場合よりも
密着性が悪い。
【0015】以上のように、図1の本発明の真空密着焼
付装置の場合の真空密着に要する時間は、図4の従来の
ものの約半分となり、良好な結果が得られた。
【0016】以上、実施例について本発明の真空密着焼
付装置を説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定
されず種々の変形が可能である。例えば、圧力調整バル
ブ11の開閉により真空度を変える代わりに、真空ポン
プとしてその真空排気度を任意に変更できるものを用い
てもよい。また、感光基材の片面にのみ1枚の原版を真
空密着させる焼付装置においても、同様に適用できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空密着
焼付方法及び真空密着焼付装置によれば、両側の原版間
にそれら周囲で密閉された密閉室を構成し、その密閉室
内の原版間に基材に配置して、その密閉室の真空排気
を、排気当初において原版の中心部が最初に密着する低
真空度において行い、その後段階的もしくは連続的に高
真空度まで排気の真空度を上げるように構成しているの
で、最初の低真空度と大気圧との差により、原版の中心
部が最も内側に撓み、最初に基材に密着する。したがっ
て、原版の外周部が先に減圧され密着することが防止さ
れ、原版の中心部に空気が残ることはなくなり、原版中
心部から外周まで均一にかつ高速に真空密着させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空密着焼付装置の1実施例の構成を
示す概略断面図である。
【図2】経時的に制御される密閉室内の真空度の推移の
1例を示す図である。
【図3】他の例の真空度の推移を示す図である。
【図4】従来の真空密着焼付装置の構成を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
1…感光基材 2…原版 3…枠 4…パッキング 5…排気口 6…ベッド 7…光源 8…密閉室 10…真空ポンプ 11…圧力調整バルブ 12…制御装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料を塗布してなる基材の両面に
    柄が描かれた原版を真空排気により密着させ、その原版
    上に光を照射することにより基材に絵柄を露光焼付けす
    る真空密着焼付方法において、両側の原版間にそれら周囲で密閉された密閉室を構成
    し、その密閉室内の原版間に基材に配置して、その密閉
    室の 真空排気を、排気当初において原版の中心部が最初
    に密着する低真空度において行い、その後段階的もしく
    は連続的に高真空度まで排気の真空度を上げることを特
    徴とする真空密着焼付方法。
  2. 【請求項2】 感光材料を塗布した基材の両側に、絵柄
    が描かれた原版を配置させるための、それぞれ原版を固
    定した一対の枠と、各枠の対向する面に取り付けられた
    パッキングと、枠に形成された排気口に接続された真空
    ポンプと、各枠を互いに接近及び離間するように往復動
    可能に保持したベッドと、基材の両側に配置された光源
    とを備えた真空密着焼付装置において、前記排気口と前
    記真空ポンプの間に圧力調整バルブを設け、真空排気
    を、排気当初において低真空度で行い、その後段階的も
    しくは連続的に高真空度まで真空度を上げられるように
    構成したことを特徴とする真空密着焼付装置。
JP3030855A 1991-02-26 1991-02-26 真空密着焼付方法及び真空密着焼付装置 Expired - Lifetime JP2959855B2 (ja)

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