JP3554179B2 - 金属薄板の両面焼付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属薄板の両主面に形成された感光性を有するレジスト膜に所定のパターンをそれぞれ焼き付ける金属薄板の両面焼付け装置に関し、特に、カラー受像管用のシャドウマスク、トリニトロン(登録商標)管用等のアパーチャグリル、半導体素子用のリードフレームなどを、長尺の金属薄板からフォトエッチング法を利用して製造する場合に好適に使用される両面焼付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばシャドウマスクは、一般に、長尺の金属薄板をその長手方向へ搬送しながら、フォトエッチング法を利用して金属薄板に対し各種の処理を施すことにより製造される。そして、焼付け工程においても、図5に示すように、両主面にそれぞれレジスト膜が形成された長尺の金属薄板1を、巻出し側コイル2から間欠的に繰り出し、その長手方向へ間欠的に搬送しながら、金属薄板1の搬送路の途中に配設された両面焼付け装置3により、金属薄板1の両主面上のレジスト膜にそれぞれ所定のパターンを焼き付けるようにする。レジスト膜へのパターンの焼付けが終わった部分の金属薄板1は、巻取りコイル4に巻き取られていく。
【0003】
両面焼付け装置3は、長手方向へ間欠的に搬送される金属薄板1を挾んでその上側および下側に、金属薄板1の両主面にそれぞれ対向して配設された一対のランプ5a、5bを備えており、金属薄板1の上面側および下面側に第1の原板6aおよび第2の原板6bがそれぞれ配置される。第1の原板6aおよび第2の原板6bは、矩形状の枠体7にそれぞれ第1のゴムパッキン8aおよび第2のゴムパッキン8bを介在させて支持されている。そして、図示しない真空排気ポンプにより、枠体7の上面、第1の原板6aの下面、第2の原板6bの上面、第1のゴムパッキン8aおよび第2のゴムパッキン8bで囲まれた空間を真空排気して減圧することにより、停止した状態の金属薄板1の両主面に形成されたレジスト膜に第1の原板6aおよび第2の原板6bがそれぞれ真空密着させられる。この状態において、各ランプ5a、5bから第1の原板6aおよび第2の原板6bを介してそれぞれ金属薄板1の両主面上のレジスト膜へ光を照射することにより、各レジスト膜にそれぞれ所定のパターンが同時に焼き付けられる。
【0004】
ここで、シャドウマスクには、電子ビーム通過孔となる多数の微細透孔が形成されており、それぞれの微細透孔は、シャドウマスクの一方の面側における開口面積と他方の面側における開口面積とが相違するように形成されている(以下、開口面積の大きい面側を「大孔側」、開口面積の小さい面側を「小孔側」という)。そして、例えば、第1の原板6aには、遮光部(ネガ型レジストの場合)または透光部(ポジ型レジストの場合)となる大孔側用の微小単位画像が多数形成されており、第2の原板6bには、第1の原板6aの微小単位画像にそれぞれ対応する位置に遮光部(ネガ型レジストの場合)または透光部(ポジ型レジストの場合)となる小孔側用の微小単位画像が多数形成されている。また、図5に示したように、1つの枠体7上に第1の原板6aおよび第2の原板6bを支持するような構成では、第1の原板6aの大きさと第2の原板6bの大きさとが相違するようにされ、その場合には通常、大孔側パターンの焼付け用原板である第1の原板6aの大きさを、小孔側パターンの焼付け用原板である第2の原板6bより大きくする。
【0005】
図6は、従来の両面焼付け装置における焼付け部の構成を示す縦断面図である。この焼付け部には、金属薄板1の下方側にそれと近接して矩形状の枠体40が配設されている。枠体40には、図示しない一方側のランプから照射された光を通過させるための開口部42が形成されている。また、枠体40の上面は、段付き面に形成されており、外側の第1の取付け面44aの方が内側の第2の取付け面44bより高くなるようにされている。そして、第1の取付け面44aの上面に、弾性材料で形成され平面形状が矩形無端状であるゴムパッキン46aが固定され、第2の取付け面44bの上面に、弾性材料で形成され平面形状がゴムパッキン46aより小形の矩形無端状であるゴムパッキン46bが固定されている。ゴムパッキン46a、46bは、断面形状が逆U字型をなしている。そして、第1のゴムパッキン46aの上端部が、大孔側パターンの焼付け用の第1の原板48aの下面側周縁部および金属薄板1に気密に当接して、第1のゴムパッキン46aにより第1の原板48aが支持されるとともに、第2のゴムパッキン46bの上端部が、小孔側パターンの焼付け用の第2の原板48bの下面側周縁部に気密に当接して、第2のゴムパッキン46bにより第2の原板48bが支持される。この際には、第1の原板48aを下降させて(あるいは第2の原板48bを上昇させて)、両原板48a、48bのうちの一方側に設けられたピンと他方側に設けられたピン孔とを嵌合させることにより、第1の原板48aと第2の原板48bとの相互の位置決めを行うようにする。そして、図6に示したような状態で、第1の原板48aの下面、第2の原板48bの上面、第1のゴムパッキン46aの内側面、第2のゴムパッキン46bの外側面および枠体40の上面で囲まれた空間を、図示しない真空排気ポンプにより真空排気して減圧することにより、第1の原板48aおよび第2の原板48bが停止状態の金属薄板1の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着させられる。また、レジスト膜へのパターンの焼付けが終了すると、前記空間へ圧縮空気を吹き込んで、第1の原板48aおよび第2の原板48bと金属薄板1の両主面上のレジスト膜との密着状態を解除させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の両面焼付け装置では、原板48a、48bとゴムパッキン46a、46bとは、ゴムパッキン46a、46bの上端部で線状に接触しているだけであるので、原板48a、48bと金属薄板1の両主面上のレジスト膜との密着状態を解除した時などの振動により、下側の第2の原板48bが枠体40および第2のゴムパッキン46bに対し移動して位置ずれを起こし易い。このため、第2の原板48bの画像の位置変動を予測し、金属薄板1のサイズに比して全体画像の比較的小さいパターンしかレジスト膜に焼き付けることができない、といった問題点がある。また、原板48a、48bと金属薄板1の両主面上のレジスト膜との密着状態を解除する操作を行っても、下側の第2の原板48bが金属薄板1の主面上のレジスト膜に密着したままで、第2の原板48bが金属薄板1と一緒に大きく動いてしまうことがあり、このような場合には焼付け工程の生産ラインが停止してしまう、といった問題点がある。
【0007】
また、ゴムパッキン46a、46bは、枠体40の上面の取付け面44a、44bに接着剤で接着して固定するようにしていた。そして、ゴムパッキン46a、46bが紫外線や熱などによって劣化した場合には、カッター等を使用してゴムパッキン46a、46bをその下端面の接合部分で枠体40の取付け面44a、44bから切り離し、新しいゴムパッキン46a、46bを再び接着剤で枠体40の取付け面44a、44bに接着して固定するようにしていた。このため、カッター等を使用してゴムパッキン46a、46bを切り取った際に、枠体40の取付け面44a、44bにゴムパッキン46a、46bの一部のゴムが残ったり、枠体40の一部まで削り取られたりして、枠体40の取付け面44a、44bに凹凸を生じ、その取付け面44a、44bに新しいゴムパッキン46a、46bを再び接着剤で接着すると、ゴムパッキン46a、46bの上端部が波打つ、といったことが起こる。また、枠体40の取付け面44a、44bに塗布する接着剤の量の多少やゴムパッキン46a、46bの位置(特にコーナー部分)により、ゴムパッキン46a、46bの上端部の波打ちが大きくなる、といったこともある。この結果、真空密着の操作時において、原板48a、48bと金属薄板1の両主面上のレジスト膜との密着不良を起こしたり、原板48a、48bが変形して大孔側パターンと小孔側パターンとのアライメントにずれを生じたりして、焼付け品質が低下する、といった問題点がある。
【0008】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、金属薄板の下方側に配設された枠体の上面に固定された一対のパッキンの上端部が上・下の原板の下面側周縁部にそれぞれ気密に当接して、パッキンにより原板を支持し、上・下の原板、一対のパッキンおよび枠体で囲まれる空間を減圧して、上・下の原板を金属薄板の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着させ、各レジスト膜に所定のパターンをそれぞれ焼き付ける場合において、原板と金属薄板の主面上のレジスト膜との密着状態の解除時などの振動により原板が移動して位置ずれを起こす、といったことを防止し、金属薄板のサイズに対して可及的に全体画像の大きいパターンをレジスト膜に焼き付けることができ、また、原板と金属薄板の主面上のレジスト膜との密着状態を解除する操作を行っても原板がレジスト膜に密着したままになって、原板が金属薄板と一緒に大きく動いて焼付け工程の生産ラインが停止する、といったことが起こらないようにすることができる金属薄板の両面焼付け装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、上記事項に加えて、パッキンを取り替えた際に、新しく枠体に固定されたパッキンの上端部が波打つ、といったことを無くし、真空密着の操作時において原板と金属薄板の主面上のレジスト膜との密着不良を起こしたり原板が変形してパターンのアライメントにずれを生じたりする、といったことを防止して、焼付け品質を保持することができる金属薄板の両面焼付け装置を提供することを目的とする。
【0011】
請求項1に係る発明は、それぞれレジスト膜が形成された金属薄板の両主面に対向して配設された光照射手段と、前記金属薄板の下方側に、金属薄板に近接して配設された枠体と、弾性材料で形成され、前記枠体の上面に固定され、上端部が、前記金属薄板の上側の主面上のレジスト膜に密着させられる所定パターンの第1の原板の下面側周縁部および金属薄板に気密に当接し、その上端部全周にわたり、長手方向と直交する方向において上方に向かって次第に薄肉となりかつ上端面が外向きに上方へ傾斜した形状に形成され、第1の原板を支持する無端状の第1のパッキンと、弾性材料で形成され、前記枠体の上面に、前記第1のパッキンの内側に配置されて固定され、上端部が全周にわたって長手方向と直交する方向において中央部が凹んだ上向き凹面形状に形成され、その上端部が、前記第1の原板より面積が小さくて前記金属薄板の下側の主面上のレジスト膜に密着させられる所定パターンの第2の原板の下面側周縁部に気密に当接し、前記上向き凹面形状が平面状に変形して第2の原板の下面に面状に接触し吸着して、第2の原板を支持する無端状の第2のパッキンと、前記第1の原板、第2の原板、第1のパッキン、第2のパッキンおよび枠体で囲まれる空間を減圧して、第1の原板および第2の原板を金属薄板の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着させる減圧手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の両面焼付け装置において、枠体の上面に、無端状の第1の周回溝、および、この第1の周回溝の内側に配置された無端状の第2の周回溝をそれぞれ形成するとともに、第1のパッキンの下端面および第2のパッキンの下端面に、長手方向に沿って前記第1の周回溝および第2の周回溝に嵌入する無端状の周回凸部をそれぞれ形設し、前記第1のパッキンの下端面の周回凸部および第2のパッキンの下端面の周回凸部を前記枠体の上面の第1の周回溝および第2の周回溝にそれぞれ嵌脱自在に嵌着して、第1のパッキンおよび第2のパッキンをそれぞれ枠体に固定したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の両面焼付け装置において、第1のパッキンの下端面の周回凸部および第2のパッキンの下端面の周回凸部を枠体の上面の第1の周回溝および第2の周回溝にそれぞれ圧入したことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の両面焼付け装置において、枠体の上面を、外側の第1の取付け面およびこの第1の取付け面より低くされた内側の第2の取付け面からなる段付き面に形成し、前記第1の取付け面に第1のパッキンを固定するとともに前記第2の取付け面に第2のパッキンを固定したことを特徴とする。
【0015】
請求項1に係る発明の両面焼付け装置においては、枠体の上面に固定され第2の原板の下面側周縁部に気密に当接して第2の原板を支持する第2のパッキンの上端部が、その全周にわたり、長手方向と直交する方向において中央部が凹んだ上向き凹面形状に形成されており、第2のパッキンは弾性材料で形成されているので、第2のパッキンの上端部が第2の原板の下面側周縁部に当接して、第2のパッキンに第2の原板の荷重がかかると、第2のパッキンの上端部は、上向き凹面形状が平面状に変形して、第2の原板の下面に面状に接触するとともに真空吸着する。このため、原板と金属薄板の両主面上のレジスト膜との密着状態を解除した時などの振動によっても、第2の原板が枠体および第2のパッキンに対し移動して位置ずれを起こすことが無くなる。また、原板と金属薄板の両主面上のレジスト膜との密着状態を解除する操作を行った際に、第2の原板は、第2のパッキンに強い力で吸着されているので、金属薄板の主面上のレジスト膜に密着したままで金属薄板と一緒に大きく動いてしまう、といったことが防止される。
【0016】
さらに、請求項1に係る発明の両面焼付け装置では、枠体の上面に固定され第1の原板の下面側周縁部に気密に当接して第1の原板を支持する第1のパッキンの上端部が、その全周にわたり、長手方向と直交する方向において上方に向かって次第に薄肉となりかつ上端面が外向きに上方へ傾斜した形状に形成されており、第1のパッキンは弾性材料で形成されているので、第1の原板、第2の原板、第1のパッキン、第2のパッキンおよび枠体で囲まれる空間を簡易に密閉し、減圧手段によって減圧すると、第1のパッキンの上端部は、前記空間の内圧の低下に従ってより一層強い力で第1の原板の下面および金属薄板の下面に密着することになる。このため、第1のパッキンの上端部と第1の原板の下面および金属薄板の下面との密着部分を通って外部から前記空間内へ外気が侵入する可能性が無く、第1の原板および第2の原板を金属薄板の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着させる操作が良好に行われる。また、第1のパッキンの上端部が、長手方向と直交する方向において上方に向かって次第に薄肉となりかつ上端面が外向きに上方へ傾斜した形状に形成されているので、レジスト膜へのパターンの焼付け終了後において、前記空間へ圧縮空気を吹き込むなどして減圧状態を解除した際に、第1のパッキンの上端部と第1の原板の下面および金属薄板の下面との接触部分を通って前記空間から外部へ空気が抜け易くなり、また、第1の原板の下面および金属薄板の下面が第1のパッキンから離脱し易い。このため、第1の原板と金属薄板の主面上のレジスト膜との密着状態の解除が速やかに行われる。
【0017】
請求項2に係る発明の両面焼付け装置においては、紫外線や熱などによって劣化したパッキンを新しいパッキンと取り替える場合、劣化したパッキンは、その下端面の周回凸部を枠体の上面の周回溝から抜き出すことにより、枠体の上面から取り外され、また、新しいパッキンは、その下端面の周回凸部を枠体の上面の周回溝に嵌入することにより、枠体の上面に固定される。したがって、従来のように、枠体の上面にパッキンの一部が残ったり枠体の一部まで削り取られたりして、枠体の上面に凹凸を生じる、といったことが無くなる。したがって、枠体の上面に固定された新しいパッキンの上端部が波打つ、といったことは起こらない。また、枠体の上面に塗布する接着剤の量の多少やパッキンの位置によってパッキンの上端部の波打ちが大きくなる、といったことも無い。このため、真空密着の操作時において、原板と金属薄板の両主面上のレジスト膜との密着不良を起こしたり原板が変形してパターンのアライメントにずれを生じたりして焼付け品質が低下する、といった心配が無くなる。
【0018】
請求項3に係る発明の両面焼付け装置では、パッキンの下端面の周回凸部を枠体の上面の周回溝に圧入することにより、パッキンが枠体の上面に確実に固定される。
【0019】
請求項4に係る発明の両面焼付け装置では、金属薄板の下面側に配置される第2の原板を支持する第2のパッキンが、枠体の段付き面のうちの第2の取付け面に固定され、金属薄板の上面側に配置される第1の原板を支持する第1のパッキンが、枠体の段付き面のうちの、第2の取付け面より高くされた第1の取付け面に固定されるので、第1のパッキンの高さ寸法を第2のパッキンの高さ寸法に比べて大きくしなくてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。
【0021】
図1および図2は、この発明の1実施形態を示し、金属薄板の両面焼付け装置における焼付け部の構成を示す部分拡大縦断面図であって、図1は、原板と金属薄板の両主面上のレジスト膜とが密着していない状態を、図2は、原板が金属薄板の両主面上のレジスト膜に真空密着した状態をそれぞれ示す。この両面焼付け装置が従来の両面焼付け装置と大きく異なるのは、原板に気密に当接して原板を支持するパッキンの構成であり、それ以外の構成については、上述した従来の両面焼付け装置とほぼ同様であるので、重複するような説明を省略する。
【0022】
この両面焼付け装置における焼付け部には、従来の装置と同様に、金属薄板1の下方側にそれと近接して矩形状の枠体10が配設されており、枠体10には、図示しない下方側のランプから照射された光を通過させるための開口部12が形成されている。また、枠体10の上面は、段付き面に形成されていて、外側の第1の取付け面14aの方が内側の第2の取付け面14bより高くなるようにされている。第1の取付け面14aの上面に固定されるパッキンは、弾性材料、例えばゴム材で形成されたゴムパッキン16aであり、平面形状が矩形無端状をなしている。また、第2の取付け面14bの上面に固定されるパッキンは、弾性材料、例えばゴム材で形成されたゴムパッキン16bであり、平面形状がゴムパッキン16aより小形の矩形無端状をなしている。
【0023】
第1のゴムパッキン16aの上端部は、その全周にわたり、長手方向と直交する方向において上方に向かって次第に薄肉となりかつ上端面が外向きに上方へ傾斜した形状に形成されている。一方、第2のゴムパッキン16bの上端部は、その全周にわたり、長手方向と直交する方向において中央部が凹んだ上向き凹面形状に形成されている。また、それぞれのゴムパッキン16a、16bの下端面には、長手方向に沿って無端状の周回凸部18a、18bが形設されている。一方、枠体10の上面の第1の取付け面14aおよび第2の取付け面14bには、ゴムパッキン16a、16bの下端面の周回凸部18a、18bが嵌入する無端状の第1の周回溝20aおよび第2の周回溝20bがそれぞれ形成されている。そして、第1のゴムパッキン16aの周回凸部18aおよび第2のゴムパッキン16bの周回凸部18bが、枠体10の第1の取付け面14aの第1の周回溝20aおよび第2の取付け面14bの第2の周回溝20bにそれぞれ嵌着されることにより、第1のゴムパッキン16aおよび第2のゴムパッキン16bがそれぞれ枠体10に固定されるようになっている。
【0024】
第1のゴムパッキン16aおよび第2のゴムパッキン16bは、それぞれの下端面の周回凸部18a、18bが枠体10の第1の周回溝20aおよび第2の周回溝20bに嵌入および抜脱可能となっていることにより、紫外線や熱などによって劣化したゴムパッキンを新しいものと容易に取り替えることができるようにされている。新しいゴムパッキン16a、16bを枠体10に固定する際には、その下端面の周回凸部18a、18bを枠体10の上面の周回溝20a、20bに圧入するようにし、これにより、ゴムパッキン16a、16bは枠体10の上面に確実に固定されることになる。
【0025】
上記したような構成のゴムパッキン16a、16bが枠体10に固定された両面焼付け装置においては、図1に示すように、第1のゴムパッキン16aの上端部が第1の原板22aの下面側周縁部および金属薄板1に気密に当接して、第1のゴムパッキン16aにより第1の原板22aが支持されるとともに、第2のゴムパッキン16bの上端部が第2の原板22bの下面側周縁部に気密に当接して、第2のゴムパッキン16bにより第2の原板22bが支持される。この際、第2のゴムパッキン16bに第2の原板22bの荷重がかかると、図2に示すように、第2のゴムパッキン16bの上端部は、上向き凹面形状が平面状に変形して、第2の原板22bの下面に面状に接触するとともに真空吸着する。この状態で、第1の原板22aの下面、第2の原板22bの上面、第1のゴムパッキン16aの内側面、第2のゴムパッキン16bの外側面および枠体10の上面で囲まれた空間を、図示しない真空排気ポンプにより真空排気して減圧すると、第1の原板22aおよび第2の原板22bが金属薄板1の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着する。この際、第1のゴムパッキン16aの上端部は、長手方向と直交する方向において上方に向かって次第に薄肉となりかつ上端面が外向きに上方へ傾斜した形状に形成されているため、前記空間の内圧の低下に従ってより一層強い力で第1の原板22aの下面および金属薄板1の下面に密着することになり、第1の原板22aおよび第2の原板22bを金属薄板1の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着させる操作が良好に行われることとなる。
【0026】
レジスト膜へのパターンの焼付けが終了すると、前記空間へ圧縮空気を吹き込んで、第1の原板22aおよび第2の原板22bと金属薄板1の両主面上のレジスト膜との密着状態を解除させる。この密着状態の解除時に振動を生じることがあっても、上記したように第2のゴムパッキン16bの上端部は第2の原板22bの下面に面状に接触するとともに真空吸着しているので、第2の原板22bが枠体10および第2のゴムパッキン16bに対し移動して位置ずれを起こす心配が無い。また、第1のゴムパッキン16aの上端部は、上記したような形状であるため、前記空間へ圧縮空気を吹き込んで減圧状態を解除した際に、第1のゴムパッキン16aの上端部と第1の原板22aの下面および金属薄板1の下面との接触部分を通って前記空間から外部へ空気が抜け易くなり、また、第1の原板22aの下面および金属薄板1の下面が第1のゴムパッキン16aから離脱し易い。このため、第1の原板22aと金属薄板1の主面上のレジスト膜との密着状態の
解除が速やかに行われることとなる。また、第2の原板22bは、第2のゴムパッキン16bに強い力で吸着されているので、金属薄板1がその長手方向へ搬送された際に、第2の原板22bが金属薄板1の主面上のレジスト膜に密着したままで金属薄板1と一緒に大きく動いてしまう、といった心配が無い。
【0027】
なお、上記した実施形態では、枠体10の上面を段付き面に形成したが、図3に示したように、枠体24の上面を単なる平面に形成して、枠体24の上面の外側に第1のゴムパッキン26aを固定し、その第1のゴムパッキン26aの内側に第2のゴムパッキン26bを固定するようにしてもよい。この場合には、第1のゴムパッキン26aの高さ寸法を第2のゴムパッキン26bの高さ寸法より大きくする必要がある。
【0028】
また、上記した実施形態では、ゴムパッキン16a、16bの周回凸部18a、18bを、枠体10の上面の周回溝20a、20bに嵌着されることにより、ゴムパッキン16a、16bを枠体10に固定するようにしたが、それほど問題にならなければ、図4に示すように、枠体28の上面に第1のゴムパッキン30aおよび第2のゴムパッキン30bを接着剤などで接着して固定するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の金属薄板の両面焼付け装置を使用したときは、金属薄板の下方側に配設された枠体の上面に固定された一対のパッキンにより上・下の原板を支持し、パッキンの上端部が上・下の原板の下面側周縁部にそれぞれ気密に当接した状態で、上・下の原板、一対のパッキンおよび枠体で囲まれる空間を減圧して、上・下の原板を金属薄板の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着させ、各レジスト膜に所定のパターンをそれぞれ焼き付けると、原板と金属薄板の両主面上のレジスト膜との密着状態の解除時などの振動によっても、原板が移動して位置ずれを起こすことが無くなるので、金属薄板のサイズに対して可及的に全体画像の大きいパターンをレジスト膜に焼き付けることができることとなる。また、原板と金属薄板の両主面上のレジスト膜との密着状態を解除する操作を行った際に、原板が金属薄板の主面上のレジスト膜に密着したままで金属薄板と一緒に大きく動いてしまう、といったことが防止されるので、焼付け工程の生産ラインが停止して生産効率が悪くなる、といったことが無くなる。
【0030】
さらに、請求項1に係る発明の両面焼付け装置を使用したときは、原板を金属薄板の主面上のレジスト膜に真空密着させる操作を良好に行うことができ、また、レジスト膜へのパターンの焼付け終了後において減圧状態を解除した際に、原板と金属薄板の主面上のレジスト膜との密着状態の解除を速やかに行うことができる。
【0031】
請求項2に係る発明の両面焼付け装置においては、パッキンを取り替えた際に、新しく枠体に固定されたパッキンの上端部が波打つ、といったことを無くなるので、真空密着の操作時において原板と金属薄板の主面上のレジスト膜との密着不良を起こしたり原板が変形してパターンのアライメントにずれを生じたりする、といったことを防止して、焼付け品質を保持することができる。
【0032】
請求項3に係る発明の両面焼付け装置では、パッキンの下端面の周回凸部を枠体の上面の周回溝に圧入することにより、パッキンを枠体の上面に確実に固定させることができる。
【0033】
請求項4に係る発明の両面焼付け装置では、第1のパッキンの高さ寸法を第2のパッキンの高さ寸法に比べて大きくしなくてもよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施形態を示し、金属薄板の両面焼付け装置における焼付け部の構成を示す部分拡大縦断面図であって、原板と金属薄板の両主面上のレジスト膜とが密着していない状態を示す図である。
【図2】同じく、原板が金属薄板の両主面上のレジスト膜に真空密着した状態を示す図である。
【図3】この発明の別の実施形態を示し、金属薄板の両面焼付け装置における焼付け部の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図4】この発明のさらに別の実施形態を示し、金属薄板の両面焼付け装置における焼付け部の構成を示す部分拡大縦断面図である。
【図5】金属薄板の両面焼付け装置の概略構成を示す模式図である。
【図6】従来の金属薄板の両面焼付け装置における焼付け部の概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 金属薄板
10、24、28 枠体
12 枠体の開口部
14a 枠体の第1の取付け面
14b 枠体の第2の取付け面
16a、26a、30a 第1のゴムパッキン
16b、26b、30b 第2のゴムパッキン
18a 第1のゴムパッキンの周回凸部
18b 第2のゴムパッキンの周回凸部
20a 第1の周回溝
20b 第2の周回溝
22a 第1の原板
22b 第2の原板
Claims (4)
- それぞれレジスト膜が形成された金属薄板の両主面に対向して配設された光照射手段と、
前記金属薄板の下方側に、金属薄板に近接して配設された枠体と、
弾性材料で形成され、前記枠体の上面に固定され、上端部が、前記金属薄板の上側の主面上のレジスト膜に密着させられる所定パターンの第1の原板の下面側周縁部および金属薄板に気密に当接し、その上端部全周にわたり、長手方向と直交する方向において上方に向かって次第に薄肉となりかつ上端面が外向きに上方へ傾斜した形状に形成され、第1の原板を支持する無端状の第1のパッキンと、
弾性材料で形成され、前記枠体の上面に、前記第1のパッキンの内側に配置されて固定され、上端部が全周にわたって長手方向と直交する方向において中央部が凹んだ上向き凹面形状に形成され、その上端部が、前記第1の原板より面積が小さくて前記金属薄板の下側の主面上のレジスト膜に密着させられる所定パターンの第2の原板の下面側周縁部に気密に当接し、前記上向き凹面形状が平面状に変形して第2の原板の下面に面状に接触し吸着して、第2の原板を支持する無端状の第2のパッキンと、
前記第1の原板、第2の原板、第1のパッキン、第2のパッキンおよび枠体で囲まれる空間を減圧して、第1の原板および第2の原板を金属薄板の両主面上のレジスト膜にそれぞれ真空密着させる減圧手段と、
を備えたことを特徴とする金属薄板の両面焼付け装置。 - 枠体の上面に、無端状の第1の周回溝、および、この第1の周回溝の内側に配置された無端状の第2の周回溝がそれぞれ形成されるとともに、第1のパッキンの下端面および第2のパッキンの下端面に、長手方向に沿って前記第1の周回溝および第2の周回溝に嵌入する無端状の周回凸部がそれぞれ形設され、前記第1のパッキンの下端面の周回凸部および第2のパッキンの下端面の周回凸部が前記枠体の上面の第1の周回溝および第2の周回溝にそれぞれ嵌脱自在に嵌着されて、第1のパッキンおよび第2のパッキンがそれぞれ枠体に固定された請求項1記載の金属薄板の両面焼付け装置。
- 第1のパッキンの下端面の周回凸部および第2のパッキンの下端面の周回凸部が枠体の上面の第1の周回溝および第2の周回溝にそれぞれ圧入された請求項2記載の金属薄板の両面焼付け装置。
- 枠体の上面が、外側の第1の取付け面およびこの第1の取付け面より低くされた内側の第2の取付け面からなる段付き面に形成され、前記第1の取付け面に第1のパッキンが固定されるとともに前記第2の取付け面に第2のパッキンが固定された請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の金属薄板の両面焼付け装置。
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