JP3346683B2 - シート材剥離装置 - Google Patents

シート材剥離装置

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JP3346683B2
JP3346683B2 JP16836595A JP16836595A JP3346683B2 JP 3346683 B2 JP3346683 B2 JP 3346683B2 JP 16836595 A JP16836595 A JP 16836595A JP 16836595 A JP16836595 A JP 16836595A JP 3346683 B2 JP3346683 B2 JP 3346683B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアー吸引を介してシ
ート材を吸着する吸着具を用いてシート材載置体のシー
ト材を剥離するシート材剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種のシート材剥離装置
は、シート材載置体からシート材を剥離して搬送装置に
受け渡したり、或いは搬送装置自体に組み込まれてシー
ト材の剥離・搬送を行なうものとして用いられている。
そして、シート材を剥離するに当たっては、皿状,椀
状,ベローズ状等の種々の形状のいわゆる吸着パッドを
シート材載置体のシート材にその真上から押し付けて吸
引し、この吸着パッドにシート材を吸着させる。次い
で、この状態で吸着パッドを上昇させてシート材載置体
から引き離し、シート材を剥離する。この場合、シート
材がその周縁で僅かにでもシート材載置体から離れると
その後の剥離が容易であるので、通常、吸着パッドの押
し付けはシート材の周縁領域で行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たシート材剥離装置では、シート材への密着が不可欠な
シート材載置体からシート材を剥離する際に、剥離対象
となるシート材が剥離できないことがあった。これは、
次のような理由による。
【0004】例えば、カラー受像管用のシャドウマスク
やアパーチャグリル,半導体用のリードフレームなどの
製造の過程では、その原材料たる金属薄板を対向プレー
トで密着挟持しこの金属薄板の主面に所定のパターンを
焼き付けることが行なわれる。このような場合には、パ
ターンの焼き付け品質を確保するために、比較的高い度
合いで対向プレート間が真空吸引されるので、金属薄板
がその主面の全域に亘ってプレートに密着している。し
かも、このプレートと金属薄板は、高い精度で滑らかに
整面されているので、その密着の度合いも高い。このた
め、金属薄板をその周縁領域において吸着パッドで吸引
して剥離する際には、金属薄板の内部領域側での密着が
抵抗となる。よって、金属薄板の真空密着力に勝る吸引
力が必要であると共に、金属薄板の大きさに応じて比較
的頻繁に吸引力を調整する必要があとなり、吸引力が不
足すると剥離ができなくなる。また、金属薄板の大きさ
が変わると、それまで良好に吸引・剥離できていたにも
拘らず、吸引力の調整不備により吸引・剥離ができない
ことがあった。
【0005】また、通常は、金属薄板の各コーナーの4
箇所で吸着パッドにより吸着を行なうが、その一箇所或
いは二箇所で吸着力が弱いと、金属薄板を剥離して持ち
上げることができなくなる。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であり、シート材載置体からシート材を確実且つ簡単に
剥離することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明のシート材剥離装置で採用した手段
は、エアー吸引を介してシート材を吸着する吸着具と、
該吸着具を保持し、シート材載置体に載置されたシート
材の周縁領域への前記吸着具の押し付けと前記シート材
載置体からの前記吸着具の引き離しとを行なう吸着具保
持手段と、を有し、前記シート材載置体のシート材を該
シート材載置体から剥離するシート材剥離装置であっ
て、前記吸着具は、前記シート材で塞がれる開口を包囲
して該開口周囲にエアー吸引空間を形成し、前記シート
材に当接して弾性変形する吸引口包囲体を備え、前記吸
着具保持手段は、前記シート材載置体に載置されたシー
ト材の内部領域側から前記周縁領域側に向けて、前記吸
着具を傾斜して保持する傾斜保持手段を備えることをそ
の要旨とする。
【0008】こうした本発明のシート材剥離装置におい
て、 前記吸引口包囲体は、前記シート材載置体に載置さ
れたシート材の内側に当たる領域に比べて前記シート材
の周縁側に当たる領域の方が容易に弾性変形する変形性
を備えるものとすることができる。
【0009】上記した本発明のシート剥離装置では、更
に、前記シート材載置体に載置されたシート材の周縁端
に向けて配置されたエアーノズルと、前記吸着具保持手
段による前記吸着具の引き離しの際に、前記エアーノズ
ルからエアーを送風する送風手段と、を有する。
【0010】
【作用】上記した本発明のシート材剥離装置では、吸着
具保持手段によりシート材の周縁領域に押し付けられる
吸着具は、傾斜保持手段によりシート材載置体のシート
材に対して、その内部領域側から周縁領域側に向けて傾
斜して保持されている。従って、この吸着具がシート材
の周縁領域に押し付けられると、吸着具の吸引口包囲体
は、シート材の内部領域側に当初当接し、その後はこの
当初の当接箇所において弾性変形を起こして、やがて周
縁領域側でも当接する。このため、吸引口包囲体は、シ
ート材の内部領域側では大きく弾性変形し周縁領域側で
は比較的弾性変形することなくシート材に当接し、この
状態で開口がシート材で塞がれてその周囲のエアー吸引
空間は気密とされる。つまり、吸引口包囲体は、その弾
性変形の変位量がシート材の周縁領域側では内部領域側
に比べて少ない状態で、シート材に当接する。そして、
このエアー吸引空間のエアーが吸引されるので、シート
材はその周縁領域で吸着具に吸着される。この際、シー
ト材には吸引口包囲体に向けて吸引力が作用するので、
シート材は吸引口包囲体に引き付けられることになる。
【0011】ところで、シート材の周縁領域側では内部
領域側に比べて吸引口包囲体の弾性変形の変位量が少な
いことから、吸引口包囲体へのシート材の引き付けによ
り、吸引口包囲体は、弾性変形の変位量が少ない周縁領
域側で更に弾性変形する。このため、シート材載置体の
シート材は、周縁領域側での吸引口包囲体の更なる弾性
変形に伴ってその周縁端側がシート材載置体からめくり
剥され、この際に、シート材の内部領域側でのシート材
載置体に対する密着による抵抗を受けることは少ない。
【0012】また、シート材の周縁領域に押し付けられ
る吸着具の吸引口包囲体を、シート材載置体に載置され
たシート材の内側に当たる領域に比べてシート材の周縁
側に当たる領域の方が容易に弾性変形する変形性を備え
るものとした。よって、吸引口包囲体におけるシート材
の周縁側に当たる領域では、シート材の内側に当たる領
域に比べて吸引口包囲体の更なる弾性変形の余地が残さ
れていることになる。
【0013】そして、吸着具のシート材の周縁領域への
押し付けを通して吸引口包囲体の開口がシート材で塞が
れてその周囲のエアー吸引空間が気密とされ、この状態
で、エアー吸引空間のエアーが吸引されるので、シート
材はその周縁領域で吸着具に吸着される。この際、シー
ト材には吸引口包囲体に向けて吸引力が作用するので、
シート材は吸引口包囲体に引き付けられることになる。
【0014】ところで、吸引口包囲体の更なる弾性変形
の余地はシート材の周縁側に当たる領域でシート材の内
側に当たる領域に比べて残されていることから、吸引口
包囲体へのシート材の引き付けにより、吸引口包囲体
は、更なる弾性変形の余地が残されているシート材の周
縁側に当たる領域で更に弾性変形する。このため、シー
ト材載置体のシート材は、周縁領域側での吸引口包囲体
の更なる弾性変形に伴ってその周縁端側がシート材載置
体からめくり剥され、この際に、シート材の内部領域側
でのシート材載置体に対する密着による抵抗を受けるこ
とはない。
【0015】また、吸着具保持手段による吸着具の引き
離しの際に、送風手段によりエアーノズルからエアーを
送風するので、このエアーはシート材の周縁端に向けて
吹き付けられる。このため、周縁領域側での吸引口包囲
体の更なる弾性変形に伴ってめくり剥されたシート材の
周縁端側から、シート材とシート材載置体との間にエア
ーが入り込み、シート材がその内側領域においてもシー
ト材載置体から離れる。
【0016】
【実施例】次に、本発明にかかるシート材剥離装置の実
施例について、当該シート材剥離装置を露光装置におけ
る搬送装置に組み込んだ場合を例に採り説明する。ま
ず、実施例の露光装置の全体構成および動作の概況につ
いて説明する。
【0017】この露光装置30は、カラー受像管用のシ
ャドウマスクの原材料である金属薄板の表裏の主面に透
孔の配列パターンを同時に焼き付け・露光するための装
置であり、次のような構成を備える。露光装置30は、
その概略正面図である図1に示すように、その中央に露
光部32を備え、その左右には、露光部32に金属薄板
Kを搬入するための供給部34と、露光部32から搬出
された金属薄板Kを受け取る排出部36を備える。供給
部34は、その上面に外部から搬入・載置された金属薄
板Kを当該上面で予備的に位置合わせする。排出部36
は、露光済みの金属薄板Kを露光部32から受け取り、
後工程であるエッチング装置に金属薄板Kを排出する。
【0018】露光部32は、上下に露光光源38,40
を備え、両光源の間に、金属薄板Kを密着挟持し金属薄
板Kの表裏の主面に焼き付けパターンを密着するための
マスク部42を有する。マスク部42は、上マスク部4
4と下マスク部46とを近接離間可能に対向して有し、
この上下のマスク部を平行に備える。上マスク部44
は、その下面側に上マスクプレート48を上プレート吸
着枠50と一体に吸着保持し、下マスク部46は、その
上面側に下マスクプレート52を下プレート吸着枠54
と一体に吸着保持する。上マスクプレート48,下マス
クプレート52は、紫外領域の波長の光の透過効率が高
い透光性を有し、上マスクプレート48の下面および下
マスクプレート52の上面には、それぞれ所定の焼き付
けパターンが予め設けられている。
【0019】そして、下プレート吸着枠54下方の2台
のCCDカメラ20,22を用いて両マスクプレートの
位置合わせを行ない、その後、両マスクプレートの間に
金属薄板Kを挟持してその周囲をシール体55により気
密とし、真空吸引を経てこれらを真空密着する。次い
で、この状態で露光光源38,40を点灯制御して、金
属薄板Kの表裏の主面に、各マスクプレートのパターン
を焼き付ける。
【0020】なお、上マスク部44および下マスク部4
6は、それぞれのプレート吸着枠を介在させて、各マス
クプレートを上マスクプレート支持台56,下マスクプ
レート支持台60で支持しており、各支持台は上保持枠
58,下保持枠62でその三方で取り囲まれて保持され
ている。
【0021】供給部34と露光部32との間には、搬送
装置70が設置されており、この搬送装置70は、供給
部34の載置台に載置された金属薄板Kを吸着してこれ
を保持し、当該金属薄板Kを供給部34から持ち上げた
後に露光部32まで搬送する。そして、搬送した金属薄
板Kを下マスク部46における下マスクプレート52の
所定位置に載置する。一方、露光部32と供給部34と
の間にも、この搬送装置70と同一構成の搬送装置70
aが設けられており、この搬送装置70aは、下マスク
プレート52の露光済み金属薄板Kの吸着・保持および
搬送を行ない、露光済み金属薄板Kを排出部36の載置
台の所定位置に載置するなお、供給部34から或いは排
出部36への金属薄板Kの搬送の際には、シャッター3
2a,32bが開閉制御される。
【0022】次に、搬送装置70と搬送装置70aの構
成について、搬送装置70を例に採り説明する。搬送装
置70は、その概略斜視図である図2に示すように、シ
ート材剥離装置71を中心に備え、このシート材剥離装
置71は、両端に吸着パッド72を有する吸着パッド保
持板74を4枚有する。この図2や図3に示すように、
各吸着パッド保持板74は、搬送板76の下面に位置
し、固定螺子ハンドル78の図示しない雄螺子部が搬送
板76の長孔76aを貫通し吸着パッド保持板74の雌
螺子孔に螺合している。よって、この固定螺子ハンドル
78により、吸着パッド保持板74は長孔76aの任意
の位置に固定される。
【0023】図示するように、吸着パッド72は、ベロ
ーズ状の外観をなし、弾性に富んだ材料であるシリコー
ンゴムやシリコーン樹脂等の合成ゴムや合成樹脂から成
形されている。
【0024】また、吸着パッド保持板74には、長孔7
4aが設けられており、この長孔74aには、次のよう
にして吸着パッド72が組み込まれている。図3とその
4−4線断面図に示すように、長孔74aには、その上
下から断面がT字状のスライド駒80,82が摺動可能
に嵌め込まれており、この両スライド駒80,82は図
示しないボルトにて固定されいる。スライド駒80,8
2には、外側に傾斜して吸着パッド連通管84が嵌合固
定されており、その先端に吸着パッド72が設けられて
いる。従って、吸着パッド72は、その下方の供給部3
4に載置された供給部34の金属薄板Kに対して、スラ
イド駒80,82を介して、金属薄板Kの内部領域側か
ら周縁領域側に向けて傾斜して保持されることになる。
そして、吸着パッド72は、スライド駒80,82が長
孔74aに沿って図中矢印Aに示すように摺動すること
で、長孔74aの任意の位置に保持される。なお、吸着
パッド連通管84は、図示しない吸引機器と接続されて
いる。
【0025】また、搬送装置70は、搬送板76のスラ
イドブロック86を図2における矢印Bに示すように水
平に案内する水平スライドシャフト88a,88bと、
当該シャフトが固定される端部ブロック90と、この端
部ブロック90を図中矢印Cに示すように垂直に案内す
る垂直リニアガイド92とを備える。水平スライドシャ
フト88a,88bは、供給部34と露光部32との間
に亘って架設されているので、図示しないシリンダによ
るスライドブロック86の水平スライドを通して、搬送
装置70は、シート材剥離装置71を供給部34と露光
部32との間を往復動する。一方、垂直リニアガイド9
2は、供給部34の金属薄板K載置面および露光部32
における下マスク部46の下マスクプレート52上面か
ら所定高さまで架設されているので、図示しないシリン
ダによる端部ブロック90の垂直スライドを通して、搬
送装置70は、シート材剥離装置71を供給部34およ
び露光部32において昇降する。従って、搬送装置70
は、供給部34の金属薄板K載置面から露光部32の下
マスクプレート52上面まで、金属薄板Kを搬送する。
【0026】更に、シート材剥離装置71は、図示しな
いエアー送風器に接続されたエアーノズル94を、その
吹き出し端が吸着パッド72の先端に向くよう吸着パッ
ド保持板74に固定して備える。
【0027】次に、この搬送装置70による金属薄板K
の吸着の様子と金属薄板Kの剥離の様子について説明す
る。まず、図3に示す吸着開始位置にあるシート材剥離
装置71を、端部ブロック90の垂直スライド降下を通
して金属薄板Kに近づけ、吸着パッド72を金属薄板K
の周縁領域に押し付ける。すると、上記したように傾斜
して保持されている吸着パッド72は、図5に示すよう
に、その開口72a(図3参照)の周壁を金属薄板Kの
内部領域側73aでこの金属薄板Kに当初当接させる
(図5(a))。そして、引き続き押し付けられると、
吸着パッド72は、この当初の当接側である内部領域側
73aでそのベローズ形状を弾性変形(圧縮変形)を起
こして、やがては金属薄板Kの周縁領域側73bでも弾
性変形を起こして、開口72aの周壁をその全域に亘っ
て金属薄板Kに当接させる(図5(b))。この状態で
は、吸着パッド72は、周縁領域側73bでは比較的弾
性変形することなく、内部領域側73aがより大きく弾
性変形して金属薄板Kに当接し、開口72aが金属薄板
Kで塞がれその周囲のエアー吸引空間72b(図3参
照)は気密とされる。つまり、吸着パッド72は、その
弾性変形の変位量が周縁領域側73bでは内部領域側7
3aに比べて少ない状態で、金属薄板Kに当接する。
【0028】このようにエアー吸引空間72bが気密と
されると、このエアー吸引空間72bのエアー吸引が開
始され、当該空間のエアーは吸着パッド連通管84を経
て吸引機器に継続して吸引される。すると、金属薄板K
は、このエアー吸引によりその周縁領域で吸着パッド7
2に吸着され、吸着パッド72に向けた吸引力を受けて
吸着パッド72に引き付けられることになる。この場
合、吸着パッド72の周縁領域側73bではその弾性変
形の変位量が内部領域側73aに比べて少ないので、吸
着パッド72への金属薄板Kの引き付けにより、吸着パ
ッド72は、周縁領域側73bが、内部領域側73aと
同程度の変位量となるように更に弾性変形する(図5
(c))。このため、供給部34に載置された金属薄板
Kは、吸着パッド72の周縁領域側73bでの更なる弾
性変形に伴ってその周縁端側が供給部34からめくり剥
される。
【0029】こうして金属薄板Kの周縁端側が剥される
と、搬送装置70は、端部ブロック90の垂直スライド
上昇を通してシート材剥離装置71を供給部34から図
3の吸着開始位置まで持ち上げ、吸着パッド72を供給
部34から引き離す。そして、この引き離しと共に、或
いはこの引き離しに先立つ前述の周縁端部のめくり剥し
時において、エアーノズル94から、吸着パッド72の
先端、即ち金属薄板Kの剥離箇所に向けてエアーを吹き
付ける。その後、搬送装置70は、スライドブロック8
6の水平スライドを通して、シート材剥離装置71を供
給部34から露光部32に搬送し、露光部32では、シ
ート材剥離装置71の降下,エアー吸引の停止,シート
材剥離装置71の上昇を行ない、露光部32の下マスク
プレート52に金属薄板Kを載置する。そして、搬送装
置70は、シート材剥離装置71と共に、供給部34上
方の吸着開始位置に復帰する。
【0030】以上説明したように、本実施例のシート材
剥離装置71では、吸着パッド72の周縁領域側73b
での更なる弾性変形に伴って金属薄板Kの周縁端側を供
給部34からめくり剥すので、この際に、金属薄板Kの
内部領域側での供給部34に対する密着による抵抗を受
けることはない。このため、本実施例のシート材剥離装
置71によれば、金属薄板Kの内部領域側での密着抵抗
に勝る吸引力の発揮や当該吸引力の調整を必要としない
ので、金属薄板Kを供給部34から確実且つ簡単に剥離
することができる。
【0031】また、本実施例のシート材剥離装置71で
は、金属薄板Kの剥離の際に、吸着パッド72の周縁領
域側73bでの更なる弾性変形に伴ってその周縁端側で
めくり剥された金属薄板Kにエアーを吹き付ける。よっ
て、金属薄板Kは、金属薄板Kと供給部34との間への
エアーの吹き込みを通して、金属薄板Kの内側領域にお
いても供給部34から離される。よって、本実施例のシ
ート材剥離装置71によれば、供給部34からの金属薄
板Kの剥離を速やかに行なうことができる。
【0032】また、シート材剥離装置71では、吸着パ
ッド72をスライド駒80,82により上記したように
傾斜して保持するだけで金属薄板Kの剥離を確実且つ簡
単に行なうことができる。よって、吸着パッド72を金
属薄板Kに真上から押し付ける既存のシート材剥離装置
を、簡単な改造で金属薄板Kの剥離が確実且つ簡単なも
のとすることができ、既存設備の有効理由を図ることが
できる。
【0033】更に、本実施例では、シート材剥離装置7
1を露光装置30の搬送装置70に組み込むことで、金
属薄板Kの速やかな剥離を通して、金属薄板Kの搬送時
間の短縮化と露光処理の効率向上を図ることができる。
【0034】次に、その他の実施例について説明する。
第2実施例では、上記の第1実施例における吸着パッド
72に替わって、図6に示す吸着パッド96を用いた。
この吸着パッド96は、吸着パッド72と同様に、弾性
に富んだ材料であるシリコーンゴムやシリコーン樹脂等
の合成ゴムや合成樹脂から成形されているものの、深底
のカップ状をなす。そして、金属薄板Kの内部領域側9
6aでは吸着パッド96の周壁の肉厚が厚く、周縁領域
側96bでは周壁の肉厚が薄くされている。そして、吸
着パッド連通管84およびスライド駒80,82(図示
せず)を介して、金属薄板Kに対してほぼ垂直に保持さ
れており、この姿勢で金属薄板Kに押し付けられる。
【0035】従って、この吸着パッド96を用いた第2
実施例では、金属薄板Kの周縁領域に吸着パッド96が
押し付けられると、吸着パッド96の周壁の肉厚の相違
により、周縁領域側96bの方が内部領域側96aに比
べて容易に弾性変形することになる。このため、周縁領
域側96bでは、金属薄板Kへの押し付けにより弾性変
形する際の変形変位の程度に余裕ができ、内部領域側9
6aに比べて更なる弾性変形の余地が残される。
【0036】そして、吸着パッド96の開口が金属薄板
Kで塞がれてその周囲のエアー吸引空間が気密とされ、
この状態で、エアー吸引空間からエアーを吸引する。す
ると、金属薄板Kはエアー吸引による吸引力を受けて吸
着パッド96に引き付けられ、更なる弾性変形の余地が
残っている周縁領域側96bで、図中二点鎖線に示すよ
うに吸着パッド96が更に弾性変形する。このため、供
給部34に載置されている金属薄板Kは、上記の第1実
施例の場合と同様、周縁端側が供給部34からめくり剥
される。よって、吸着パッド96を用いた第2実施例に
よっても、金属薄板Kを供給部34から確実且つ簡単に
剥離することができる。
【0037】また、この第2実施例では、吸着パッドを
金属薄板Kに押し付ける際の向きは従来のものと同じ真
上からであり、吸着パッドの構成のみ異なるに過ぎな
い。よって、この第2実施例によれば、吸着パッドの交
換のみで、既存のシート材剥離装置を金属薄板Kの剥離
が確実且つ簡単なものに改造することができる。
【0038】第3実施例では、上記の第2実施例におけ
る吸着パッド96に替わって、図7に示す吸着パッド9
8を用いた。この吸着パッド98は、吸着パッド96と
同様に、深底のカップ状をなすが、以下の点でその構成
が異なる。即ち、吸着パッド98は、異なる弾性を有す
る二種類の合成ゴム,合成樹脂等の弾性材料を、いわゆ
る二色成形して形成されている。具体的に説明すると、
吸着パッド98の製造金型の左半分には弾性の比較的少
ない弾性材料を、右半分には弾性の大きい弾性材料を、
それぞれ同時に射出等して送り込んで吸着パッド98を
製造する。こうして製造された吸着パッド98は、その
周壁の肉厚は同じではあるものの、左半分の範囲に当た
る金属薄板Kの内部領域側98aでは弾性が小さく、右
半分の範囲に当たる周縁領域側98bでは弾性が大きく
なる。
【0039】よって、この吸着パッド98が第2実施例
の吸着パッド96と同様に金属薄板Kの周縁領域に押し
付けられると、吸着パッド98の周壁の弾性の相違によ
り、周縁領域側98bの方が内部領域側98aに比べて
容易に弾性変形することになる。このため、この吸着パ
ッド98であっても、吸着パッド96と同様に周縁領域
側98bでは弾性変形する際の変形変位の程度に余裕が
できて、内部領域側98aに比べて更なる弾性変形の余
地が残される。従って、吸着パッド98を用いた第3実
施例によっても、第2実施例と同様に、金属薄板Kを供
給部34から確実且つ簡単に剥離することができると共
に、既存のシート材剥離装置を金属薄板Kの剥離が確実
且つ簡単なものに容易に改造することができる。
【0040】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこの様な実施例になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。例えば、露光装置3
0に限らず、シート材の剥離やその後のシート材の搬送
を必要とする装置であれば、本実施例のシート材剥離装
置71を適用することができることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシート材
剥離装置では、シート材をその周縁領域で吸着具に吸着
する際に、吸着具の吸引口包囲体を、シート材の周縁領
域側で更に弾性変形させる。このため、シート材載置体
のシート材の周縁端側を、その周縁領域側での吸引口包
囲体の更なる弾性変形に伴ってシート材載置体からめく
り剥すことができ、この際に、シート材の内部領域側で
のシート材載置体に対する密着による抵抗を受けること
はない。よって、本発明のシート材剥離装置によれば、
シート材の内部領域側での密着抵抗に勝る吸引力の発揮
や当該吸引力の調整を必要としないので、シート材をシ
ート材載置体から確実且つ簡単に剥離することができ
る。
【0042】また、周縁領域側での吸引口包囲体の更な
る弾性変形に伴ってその周縁端側でめくり剥されたシー
ト材を、シート材とシート材載置体との間へのエアーの
吹き込みを通して、その内側領域においてもシート材載
置体から離す。こうすれば、シート材載置体からのシー
ト材の剥離を速やかに行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のシート材剥離装置71を
適用した露光装置30の概略正面図。
【図2】シート材剥離装置71が組み込まれた搬送装置
70の概略斜視図。
【図3】シート材剥離装置71の要部を説明する説明
図。
【図4】図3の4−4線断面図。
【図5】シート材剥離装置71による金属薄板Kの吸着
の様子と供給部34からの剥離の様子を説明する説明
図。
【図6】第2実施例のシート材剥離装置における吸着パ
ッド96の断面図。
【図7】第3実施例のシート材剥離装置における吸着パ
ッド98の断面図。
【符号の説明】
30…露光装置 32…露光部 34…供給部 36…排出部 38,40…露光光源 42…マスク部 44…上マスク部 46…下マスク部 52…下マスクプレート 54…下プレート吸着枠 60…下マスクプレート支持台 62…下保持枠 70…搬送装置 70a…搬送装置 71…シート材剥離装置 72…吸着パッド 72a…開口 72b…エアー吸引空間 73a…内部領域側 73b…周縁領域側 74…吸着パッド保持板 76…搬送板 80,82…スライド駒 84…吸着パッド連通管 86…スライドブロック 88a,88b…水平スライドシャフト 90…端部ブロック 92…垂直リニアガイド 94…エアーノズル 96…吸着パッド 96a…内部領域側 96b…周縁領域側 98…吸着パッド 98a…内部領域側 98b…周縁領域側 K…金属薄板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−78563(JP,A) 特開 昭64−22745(JP,A) 実開 平4−89680(JP,U) 実開 昭61−171744(JP,U) 実開 昭60−173533(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 5/22 B65H 3/08 360 B65H 3/48 310

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアー吸引を介してシート材を吸着する
    吸着具と、 該吸着具を保持し、シート材載置体に載置されたシート
    材の周縁領域への前記吸着具の押し付けと前記シート材
    載置体からの前記吸着具の引き離しとを行なう吸着具保
    持手段と、を有し、 前記シート材載置体のシート材を該シート材載置体から
    剥離するシート材剥離装置であって、 前記吸着具は、前記シート材で塞がれる開口を包囲して
    該開口周囲にエアー吸引空間を形成し、前記シート材に
    当接して弾性変形する吸引口包囲体を備え、 前記吸着具保持手段は、前記シート材載置体に載置され
    たシート材の内部領域側から前記周縁領域側に向けて、
    前記吸着具を傾斜して保持する傾斜保持手段を備えるこ
    とを特徴とするシート材剥離装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシート材剥離装置であっ
    て、前記吸 引口包囲体は、前記シート材載置体に載置された
    シート材の内側に当たる領域に比べて前記シート材の周
    縁側に当たる領域の方が容易に弾性変形する変形性を備
    るシート材剥離装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のシート剥離
    装置であって、 更に、 前記シート材載置体に載置されたシート材の周縁端に向
    けて配置されたエアーノズルと、 前記吸着具保持手段による前記吸着具の引き離しの際
    に、前記エアーノズルからエアーを送風する送風手段
    と、を有するシート材剥離装置。
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