JP2956610B2 - 電流乗算・割算回路 - Google Patents

電流乗算・割算回路

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JP2956610B2
JP2956610B2 JP8248919A JP24891996A JP2956610B2 JP 2956610 B2 JP2956610 B2 JP 2956610B2 JP 8248919 A JP8248919 A JP 8248919A JP 24891996 A JP24891996 A JP 24891996A JP 2956610 B2 JP2956610 B2 JP 2956610B2
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克治 木村
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Nippon Electric Co Ltd
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    • G06G7/00Devices in which the computing operation is performed by varying electric or magnetic quantities
    • G06G7/12Arrangements for performing computing operations, e.g. operational amplifiers
    • G06G7/16Arrangements for performing computing operations, e.g. operational amplifiers for multiplication or division
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電流値を乗
算あるいは割算する電流乗算・割算回路に関し、特に、
バイポーラ半導体集積回路上に好適に形成される、電流
乗算・割算回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電圧信号による乗算・割算(除
算)回路はよく知られているが、複数の電流値を電流モ
ードで乗算あるいは割算する乗算・割算回路は未だ提案
されていない、というのが実情である。なお、例えば、
図3に示すように、特開平5−54158号公報には、
電流ミラー回路(Q11、Q12)と差動回路(Q1
3、Q14)を用いて電流モードでの乗算または除算回
路を実現する構成が提案されているが、乗算回路と除算
回路においてその回路構成が相違しており、また複数の
任意の電流値を乗算あるいは除算すること(例えば高次
演算)はできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アナログ信号処理にお
いては、複数の電流値を乗算あるいは割算できると便利
である。特に、最近では、こうした電流モードでの信号
処理が注目されてきている。しかしながら、低次から高
次までの複数の電流値を電流モードで乗算あるいは割算
する乗算・割算回路は未だ提案されていない。
【0004】したがって、本発明は、上記事情に鑑みて
なされたものであって、その目的は、複数の電流値を乗
算あるいは割算する電流乗算・割算回路を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の電流乗算・割算回路は、トランジスタ数の
等しいトランジスタ列を2系列備え前記2系列の各々
において、前段のトランジスタのエミッタは次段のトラ
ンジスタのベースに接続され、初段のトランジスタのベ
ース電圧を前記2系列間で共通とし、終段のトランジ
スタエミッタが接地され、前記終段を除く各段の
ランジスタのコレクタ電流はそれぞれ可変電流源を介し
て接地に流れ、前記2系列をなす複数のトランジスタ
のうち、乗算又は割算の入力電流出力電流とするトラ
ンジスタのコレクタ電流が選択され、前記入力電流と前
記出力電流との間で電流モードによる乗算又は割算が行
われる。
【0006】本発明は、トランジスタ数の等しいトラン
ジスタ列を2系列備え前記2系列の各々において、前
段のトランジスタのエミッタは次段のトランジスタのベ
ースに接続され(すなわち順次エミッタフォロワ接続さ
れ)前記各系列の最終段のトランジスタはエミッタが
接地され前記最終段を除く各段のトランジスタの流れ
る電流はそれぞれ可変電流源を介して接地側に流れ
各系列におけるトランジスタのベース・エミッタ間電
圧の総和が前記2系列で互いに等しくなるように設定
し、前記トランジスタ列のうち選択されたトラジスタに
流れる電流をそれぞれ入力電流、及び出力電流とし、非
選択のトランジスタに定電流を流すことにより、前記出
力電流と入力電流との間で、電流モードでの乗算あるい
除算が行われるようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。本発明は、その好ましい実施の形態におい
て、順次エミッタフォロワ接続される2系列のトランジ
スタ対(図1のQ1〜QN、Q1′〜QN′)を有し、
初段のトランジスタ(図1のQN、QN′)のベース電
圧を等しくし、終段のトランジスタ(図1のQ1、Q
1′)をエミッタ接地とし、終段を除く各トランジスタ
のコレクタ電流(IN〜I2、IN′〜I2′)は、エミッ
タフォロワ付きカレントソースを介して接地電位に流
れ、それぞれのトランジスタのコレクタ電流を入力電流
または出力電流として電流乗算・割算回路が構成され
る。
【0008】このように、本発明の実施の形態において
は、順次エミッタフォロワ接続される2系列のトランジ
スタ対において、ベース・エミッタ間電圧VBEの和を等
しくすることで、コレクタ電流の積が等しくなり、それ
ぞれのトランジスタのコレクタ電流を入力電流または出
力電流とすることで、電流値の乗算あるいは割算を実現
できるようにしたものである。
【0009】
【実施例】はじめに、バイポーラトランジスタ・モデル
について説明する。
【0010】トランジスタのコレクタ電流とベース−エ
ミッタ間電圧の関係は指数則に従うものとすれば、次式
(1)で与えられる。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、ISは飽和電流、VTは熱電圧であ
り、VT=kT/qと表される。ただし、qは単位電子
電荷、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
【0013】上式(1)において、ベース−エミッタ間
電圧VBE1が600mV前後のトランジスタが通常動作
時には指数部exp(VBE1/VT)は10乗程度の値に
なり、上式(1)の「−1」は無視できる。したがっ
て、次式(2)で表される。
【0014】
【数2】
【0015】したがって、ベース・エミッタ間電圧VBE
はコレクタ電流Iiにて、次式(3)と表される。
【0016】
【数3】
【0017】図1は、本発明の一実施例に係る電流乗算
・割算回路の構成を示す図である。図1を参照して、そ
れぞれのトランジスタに流れる電流は可変電流源を介し
てグランドに流れている。すなわち順次エミッタフォロ
ワ接続される2系列のトランジスタ対Q1〜QN、Q
1′〜QN′を有し、トランジスタQN、QN′のベー
ス電圧を等しくし(=VB)、最終段のトランジスタQ
1、Q1′をエミッタ接地とし、最終段を除く各トラン
ジスタのコレクタ電流(IN〜I2、IN′〜I2′)は、
可変電流源を介して接地電位に流れる。
【0018】図1におけるトランジスタQ1からQNの
各ベース・エミッタ間電圧VBEiの和をとると、次式
(4)が成り立つ。
【0019】
【数4】
【0020】図1に示すように、2系列の順次エミッタ
フォロワ接続されたトランジスタ列(Q1〜QN及びQ
1′〜QN′)において、それぞれのベース・エミッタ
間電圧の和を等しくすると、次式(5)が成り立つ。
【0021】
【数5】
【0022】したがって、各トランジスタに流れる電流
を入力電流あるいは出力電流に選び、それ以外のトラン
ジスタには定電流を流すと電流値の乗算あるいは割算が
可能となる。
【0023】例えば、i=2とすると、 I1・I2=I1′・I2′ …(6)
【0024】上式(6)において、I1=Ix、I2
y、I2′=Iz、I1′=I0(一定)とおくと、次式
(7)と求まり、Izとして2つの電流値Ix、Iyの乗
算結果が得られる。
【0025】
【数6】
【0026】また、I1=I2=Ix、I2′=Iy、I1
=I0(一定)とおくと、次式(8)と求まり、Iyとし
て電流値Ixの2乗の値が得られる。
【0027】
【数7】
【0028】一方、I1=I01(一定)、I2=I02(一
定)、I1′=Ix、I2′=Iyとおくと、次式(9)と
求まり、2つの電流値の割算がなされる。
【0029】
【数8】
【0030】エミッタフォロワ接続されるトランジスタ
の数を増やすことにより、演算できる電流値を増やすこ
とができる。また、このことにより、高次の電流値の演
算が可能となる。
【0031】本実施例に係る電流乗算・割算回路を実現
する回路構成の一例として、可変電流源をエミッタフォ
ロワ付きカレントソースで実現した回路構成を、図2に
示す。例えば図1の可変電流源I2は、トランジスタQ
2−1及びトランジスタQ2−2を含んで構成される。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特性の優れた電流乗算・割算回路を実現できるという効
果を奏する。その理由は、バイポーラトランジスタの指
数特性を用いている、ことによる。
【0033】また、本発明によれば、簡易な構成によ
り、低次から高次まで任意の複数の電流モードでの乗算
及び割算を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電流乗算・割算回路の
構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る電流乗算・割算回路を実
現する回路構成の一例を示す図である。
【図3】特開平5−54158号公報に記載の電流ミラ
ー回路と差動回路を用いて電流モードの乗算または除算
回路の方法を示す図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランジスタ数の等しいトランジスタ列を
    2系列備え前記2系列の各々において、前段のトランジスタのエミ
    ッタは次段のトランジスタのベースに接続され 、初段の
    トランジスタのベース電圧を前記2系列間で共通とし、
    終段のトランジスタエミッタが接地され、前記
    段を除く各段のトランジスタのコレクタ電流はそれぞれ
    可変電流源を介して接地に流れ、前記2系列をなす複数のトランジスタのうち、乗算又は
    割算の 入力電流出力電流とするトランジスタのコレク
    タ電流が選択され、前記入力電流と前記出力電流との間
    電流モードによる乗算又は割算が行われる、ことを特
    徴とする電流乗算・割算回路。
  2. 【請求項2】前記2系列をなす複数のトランジスタのう
    ち、前記入力電流と前記出力電流として選択されたトラ
    ンジスタ以外のトランジスタには定電流を流すことによ
    り、電流値での乗算あるいは割算を得るようにした、こ
    とを特徴とする、請求項1記載の電流乗算・割算回路。
  3. 【請求項3】前記可変電流源がエミッタフォロワ付きの
    カレントソースからなることを特徴とする、請求項1記
    載の電流乗算・割算回路。
  4. 【請求項4】トランジスタ数の等しいトランジスタ列を
    2系列備え前記2系列の各々において、前段のトランジスタのエミ
    ッタは次段のトランジスタのベースに接続され前記各系列の最終段のトランジスタはエミッタが接地さ
    前記最終段を除く各段のトランジスタの流れる電流はそ
    れぞれ可変電流源を介して接地側に流れ前記 各系列におけるトランジスタのベース・エミッタ間
    電圧の総和が前記2系列で互いに等しくなるように設定
    し、前記2系列をなす複数のトランジスタのうち、 選択され
    たトラジスタに流れる電流をそれぞれ入力電流、及び出
    力電流とし、非選択のトランジスタに定電流を流すこと
    により、前記出力電流と入力電流との間で、電流モード
    での乗算あるいは除算が行われるようにしたことを特徴
    とする電流乗算・割算回路。
  5. 【請求項5】前記最終段を除く各段のトランジスタのそ
    れぞれに対して前記可変電流源を備え前記可変電流源が、エミッタが接地され、コレクタが前
    記トランジスタのエミッタに接続された電流源トランジ
    スタと前記トランジスタのコレクタにベースが接続され、エミ
    ッタが前記電流源トランジスタのベースに接続され、コ
    レクタが電源に接続されたエミッタフォロワトランジス
    タとを備えたとを特徴とする、請求項1又は4記載の電流乗
    算・割算回路。
JP8248919A 1996-08-30 1996-08-30 電流乗算・割算回路 Expired - Lifetime JP2956610B2 (ja)

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US08/916,159 US5796243A (en) 1996-08-30 1997-08-21 Current multiplier/divider circuit
AU36749/97A AU3674997A (en) 1996-08-30 1997-09-01 Current muliplier/divider circuit
GB9718515A GB2316786B (en) 1996-08-30 1997-09-01 Current multiplier/divider circuit

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JPH1074230A JPH1074230A (ja) 1998-03-17
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GB9718515D0 (en) 1997-11-05
JPH1074230A (ja) 1998-03-17
US5796243A (en) 1998-08-18
GB2316786A (en) 1998-03-04
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