JP2955395B2 - 抗真菌性物質Mer−WF5027及びその製造法 - Google Patents

抗真菌性物質Mer−WF5027及びその製造法

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玲 金戸
裕之 千葉
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弘 刀根
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は新規な抗真菌性物質に関し、さら
に詳しくは、下記式
【0002】
【化2】
【0003】で示される抗真菌性物質Mer‐WF50
27及びその塩並びにその製造法に関する。
【0004】抗真菌性物質として、従来、アンホテリシ
ンB、グリセオフルビン、ポリオキシン、バリダマイシ
ン等の物質が知られているが、これら既知の抗真菌性物
質は毒性、薬効、薬剤耐性等において未だ充分であると
は言えない。
【0005】本発明者らは今回、神奈川県平塚市の土壌
から分離したアスペルギルス属に属する或る種の菌株が
抗真菌活性を有し、しかも毒性の低い上記式(I)また
は(II)で示される新規な抗真菌性物質Mer‐WF
5027を生産することを見い出し本発明を完成するに
至った。
【0006】上記式(I)の化合物と式(II)の化合
物とは互に互変異性体であり、本発明の抗真菌性物質M
er‐WF5027は遊離体の溶液状態では、式(I)
の化合物と式(II)の化合物のほぼ1:1(モル比)
の混合物として存在しうる。本発明の抗真菌性物質Me
r‐WF5027及びその塩は、例えば、アスペルギル
ス属に属する抗真菌性物質Mer‐WF5027生産菌
を培地で培養し、培養物から抗真菌性物質Mer‐WF
5027をその塩の形で採取し、そして必要に応じて該
塩を遊離の抗真菌性物質Mer‐WF5027または他
の塩に変えることにより製造することができる。
【0007】上記抗真菌性物質Mer‐WF5027生
産菌としては、例えば、本発明者らが神奈川県平塚市の
土壌から分離したアスペルギルス・エスピーMe 120
7(Aspergillus sp.Me 1207)を挙げることが
できる。この菌の菌学的性質は次のとおりである。
【0008】(1)各種培地における生育形態 培養はすべて26℃で実施し、寒天平板培地での生育形
態を観察した。
【0009】a)ツアペック寒天培地 生育は大変速く、ビロード状に生育するが、成熟すると
中心部が綿毛状となり多くの分生子柄を生じ、その先端
に分生子を着生する。コロニー表面の色調は初期、うす
黄色〜にぶ黄色であるが、成熟するとにぶ黄緑色〜暗い
黄緑色となる。コロニー裏面の色はうす黄色〜にぶ黄色
である。無色の浸出液滴が認められ、菌核の形成はな
い。閉子器(子のう胞子形成器官)の形成は認められな
い。
【0010】b)麦芽エキス寒天培地 生育は大変速く、ビロード状に生育したコロニーは成熟
すると中心部が綿毛状に丈の高い分生子柄を生じ、多く
の分生子を着生する。コロニー表面の色は黄緑色〜にぶ
黄緑色を呈し、成熟するとにぶ黄緑色〜暗黄緑色とな
る。無色の浸出液滴が認められ、菌核及び閉子器の形成
は認められない。
【0011】(2)形態的性状 ツアペック寒天培地での培養で、分生子柄の長さは2.
0〜2.5mmに達することもあり、その先端に分生子を
着生する。分生子柄の表面は粗面で多くの小突起を持
ち、先端部は球形〜長球形の頂のうがあり、その外側に
梗子を(5.0×8.5μ〜3.0×5.0μ)を付ける。
分生子(3.0〜4.5μ×4.0〜5.0μ)は梗子の先
端から発生し、放射状に広がり多くの分生子の連鎖を形
成する。成熟した頂頭の分生子魂は断裂して数個の放散
カラム状となる。
【0012】以上の性状から、本菌はアスペルギルス
(Aspergillus)属の菌であり、その形態からレーパー
とフェネルの「ザ・ジーナス・アスペルギルス」(19
65)(Reper&Fennell“TheGenus Aspergillu
s”)を参考に検討したところ麹菌類の一種と判定さ
れ、それに村上英也らの「麹学」日本醸造協会(198
6)も参考にして調査したが、種を特定することはでき
なかった。従って、本菌をアスペルギルス・エスピーM
e1207(Aspergillus sp.Me1207)と命名
し、平成2年11月9日工業技術院微生物工業研究所に
寄託し、微工研菌寄第11848号(FERM P-1
1848)なる番号が付された。
【0013】しかし、抗真菌性物質Mer‐WF502
7生産菌は上記アスペルギルス・エスピーMe1207
に限られるものではなく、例えば、次のようにして見つ
けることができる他の生産菌も同様に使用することがで
きる。
【0014】キャンディダ・アルビカンスを検定菌とす
るバイオアッセイ寒天平板とバチルス・ズブチルスを検
定板とするバイオアッセイ寒天平板とを用い、穿孔法に
て土壌分離菌の培養濾液を検定し、前者の寒天平板に阻
止円を与え、更に後者の寒天平板において阻止円がほと
んど見えない培養濾液を与える土壌分離菌を検索する。
次に土壌分離菌の上記活性を有する培養濾液をミリポア
フィルター(DISMIC-25cs;日本ミリポア・リ
ミテッド)で濾過し、高速液体クロマトグラフィーによ
り抗真菌性物質Mer‐WF5027の標準サンプルと
同一保持時間に検出され、また上記培養濾液をセップパ
ック(日本ミリポア・リミテッド)に吸着し、そのメタ
ノール溶出液を薄層クロマトグラフィーで展開後、キャ
ンディダ・アルビカンスを検定菌とするバイオートグラ
フィーで検出することができれば、その菌は本発明の方
法に用いることができる抗真菌性物質Mer‐WF50
27生産菌であるということができる。
【0015】抗真菌性物質Mer‐WF5027の培養
のための培地としては、特に制限はなく、従来からかび
の培養に際して通常使用されている培地を用いることが
できるが、例えば炭水化物、窒素源、無機塩などの同化
できる栄養源を含む培地を使用することができる。例え
ばぶどう糖、グリセリン、麦芽糖、しょ糖、糖蜜、デキ
ストリン、澱粉などの炭水化物や大豆油、落花生油、ラ
ードなどの油脂、脂肪類のごとき炭素源;ペプトン、肉
エキス、大豆粉、綿実粉、乾燥酵母、コーンスチープリ
カー、酵母エキス、脱脂乳、カゼイン、硝酸ナトリウ
ム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの窒素
源;燐酸2カリウム、食塩、炭酸カルシウム、硫酸マグ
ネシウムなどの無機塩を含む培地が使用でき、必要によ
り微量金属例えばコバルト、マンガンなどを添加するこ
とができる。栄養源としては、その他、抗真菌性物質M
er‐WF5027生産菌が利用して抗真菌性物質Me
r‐WF5027を生産するものであれば、いずれも使
用でき、公知のかびの培養材料はいずれも使用できる。
また、加熱殺菌時及び培養中における発泡を抑えるた
め、シリコン、植物油などの消泡剤を添加することもで
きる。
【0016】かかる培地での該生産菌の培養は、通常、
約20〜約37℃の温度でpH4〜8において通気撹拌
下に好気的に行なうことができる。培養時間は大体48
〜100時間程度とすることができる。
【0017】かくして、培養物中に蓄積された抗真菌性
物質Mer‐WF5027は水溶性であり、主として菌
体外に存在するので、有利には、培養後、濾過、遠心分
離、抽出などのそれ自体既知の分離法によって菌体を除
去し、その濾液、上澄液、抽出液などにより回収するこ
とができる。
【0018】回収はそれ自体既知の種々の方法で行うこ
とができ、とくに弱酸型抗生物質の回収のためにしばし
ば利用される方法が有利に適用される。例えば、低pH
における酢酸エチル、n-ブタノールでの溶媒抽出及び
その溶媒層から高pH水層への転溶;塩化ザルコニウ
ム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム等の脂溶性第四
級アンモニウム塩またはニッソー・クラウン・エーテル
・ジシクロヘキシル-18-クラウン-6、同-15-クラ
ウン-5[日本曹達(株)製]などのクラウン化合物の
存在下、中性pHにおける塩化メチレン、クロロホルム
等での溶媒抽出及びその溶媒層からのヨウ化ナトリウ
ム、ヨウ化カリ等を含有する中性水層への転溶;活性
炭、アンバーライトXAD(ローム・アンド・ハース社
製)、ダイアイオンHP-20(三菱化成社製)等によ
る吸着とメタノール水、アセトン水等に溶出;ダウエッ
クス 1×2(ダウエックス社製)、QAE-セフアデ
ックスA-25(ファルマシア社製)のイオン交換樹脂
による吸着及び溶出;セフアデックスG-10(ファル
マシア社製)バイオ・ゲルP-2(バイオ・ラッド社
製)等によるゲル濾過;セルローズ、アビセルSF(ア
メリカン・ビスコース社製)DEAEセルローズ ワッ
トマンDE-32(ワットマン社製)、DEAE-セファ
デックスA-25(ファルマシア社製)、シリカゲル、
アルミナ、等によるカラム法または薄層クロマトグラフ
ィー;アセトンなどの有機溶剤添加による強制沈澱法;
凍結乾燥法、などをそれぞれ単独であるいは適宜組合
せ、さらには場合によっては反復使用することによって
分離、精製することができる。
【0019】これにより、本発明の抗真菌性物質Mer
‐WF5027は、その分離、精製の方法に応じて一般
に前記式(I)の化合物の塩の形で得られる。しかし
て、該塩は、例えば、水性媒体中で塩酸、硫酸、酢酸、
リン酸等の酸で処理すること、またはEDTAなどのキ
レート剤による処理、弱酸性イオン交換処理などにより
遊離の抗真菌性物質Mer‐WF5027に変えること
ができ、また、この遊離の抗真菌性物質Mer‐WF5
027は常法に従い例えば、水溶液中での各種塩基によ
る中和;イオン交換樹脂に吸着後望まれる塩、塩基での
溶出;低pHでの有機溶媒抽出後、その溶媒層の望まれ
る塩基による高pH化後水への転溶等の処理をすること
により塩に変えることができる。かかる塩の例として
は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシ
ウム塩、アルミニウム塩などの金属塩;アンモニウム
塩;トリメチルアンモニウム塩などの置換アンモニウム
塩;ベンザチン塩、プロカイン塩などの有機塩基による
塩などが含まれる。
【0020】本発明により提供される抗真菌性物質Me
r‐WF5027及びその塩は、下記第1表に示す寒天
培地希釈法によるin vitro試験結果から明らかなとお
り、抗菌活性を示す。
【0021】
【表1】
【0022】また、本発明の抗真菌性物質Mer‐WF
5027及びその塩は毒性が低く、例えばMer‐WF
5027ナトリウム塩のマウスに対する急性毒性は静脈
投与でLD50値が500mg/kg以上であった。
【0023】以上述べたとおり、本発明のMer‐WF
5027物質は優れた抗真菌活性を有しており且つ毒性
が低く、抗菌剤として医薬、動物薬、農薬等の分野で使
用することが期待される。また、医薬、農薬等の製造中
間体としても利用することができる。 次に実施例によ
り本発明をさらに具体的に説明する。
【0024】
【実施例1】 アスペルギルス・エスピーMe1207
(FERM P-11848)の斜面培地(ポテトデキ
ストロース寒天培地)から一白金耳を50mlの種培地
(ジャガイモデンプン2%、グルコース1%、大豆粉2
%、リン酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.0
5%、pH無調整)を入れた500ml容の三角フラスコ
に接種し、28℃で3日振盪培養して種培養液を得た。
この種培養液の100mlを生産培地(ジャガイモ汁:ジ
ャガイモ200g/Lの煮だし汁、ジャガイモデンプン2
0g/L)5Lを含む10L容ジャーファーメンター(5
基)に接種した。28℃、88時間通気撹拌培養(通気
量5L/min.,撹拌300r.p.m.)を行なった。培養終
了後、約25Lの培養液を濾過し、培養濾液23Lを得
た。
【0025】この濾液をダイアイオンHP-20(三菱
化成工業製)を充填したカラム(8×60cm)に付し、
3Lのイオン交換水で洗浄後、50%アセトン水5Lで溶
出し、300mlずつ分画した。溶出画分中のMer‐W
F5027物質をペーパーディスク法による抗菌活性測
定(検定菌キャンディダ・アルビカンス)で検出した。
フラクション3〜7を集め、約1/2に濃縮し、含まれ
るアセトンを除去した。これ以降の操作は特に断わらな
いかぎり、10℃の低温下で行なった。次に、上記濃縮
全量(約1L)をQAE-セファデックスカラム(ファル
マシア社製;A-25、Cl型、3.5×60cm)に付し
た。400mlのイオン交換水で洗浄後、塩化ナトリウム
濃度0〜0.5Mのグラディエント溶出を行なった(全
量4L)。20gずつ分画し、分画中のMer‐WF50
27物質を上記と同様にして検出した。フラクション3
7〜63を集め(約400ml)、ダイアイオンCHP-
20カラム(三菱化成工業製、2.5×60cm)に付し
た。50%アセトン水で溶出し、8gずつ画分した。フ
ラクション23〜30を集め、減圧濃縮によりアセトン
を除去後、凍結乾燥し、約200mgの凍結乾燥標品を得
た。この標品を2mlの水に溶解し、バイオゲルP-2カ
ラム(バイオラッドラボラトリー社製、1.2×90c
m)に付した。イオン交換水で展開し、3gずつ分画し
た。活性フラクション中のMer‐WF5027物質は
その特有紫外部吸収(λMAX284nm)により検出し
た。フラクション16〜21を集め(約20ml)、再度
QAE-セファデックスカラム(1.1×30cm)に付し
た。塩化ナトリウム濃度0〜0.4M(全量約400m
l)のグラディエント溶出を行ない、5gずつ分画し、活
性フラクション41〜47を集めた(約35ml)。これ
を再びダイアイオンCHP-20カラム(1.1×30c
m)に付し、アセトン0〜20%(全量約400ml)で
グラディエント溶出した。活性フラクションを集め、ア
セトン除去後凍結乾燥し、白色凍結乾燥標品(Na塩)
100mgを得た。
【0026】かくして得られる抗真菌性物質Mer‐W
F5027のナトリウム塩[前記式(I)の化合物のナ
トリウム塩]は以下に示す理化学的性質を有する。
【0027】 (1)色及び形状:白色粉末 (2)分子式:C16255Na (3)マススペクトル(FAB-MS):Positive;m/z343(M+2Na-H)+、 321(M+Na)+、299(M+H)+ Negative;m/z297(M−H)- 21 (4)比旋光度:[α] =+122.23゜(c 0.74、H2O) D H2O (5)紫外部吸収スペクトル 図5:λ (nm)=283.8(ε16200) MAX (6)赤外部吸収スペクトル(KBr)図6 主要な吸収ピーク(cm-1):3470、2815、2690、1575、1490、1430、 1415、1310、1190、1080、1045、960、865、 715、620 (7)1H−NMRスペクトル(400MHz、DMSO−d6)図7 δTMS(ppm):0.86(t,3H)、1.26(brs,8H)、1.45(m,3H)、 1.68(dd,1H)、2.00(m,1H)、2.05−2.18(m,3H)、 3.13(td,1H)、3.66(dd,1H)、3.72(brs,1H)、 4.58(brs,1H)、4.96(dd,1H)、7.38(brd,1H) (8)13C−NMRスペクトル(100MHz、DMSO-d6)図8 δTMS(ppm):189.48s、189.00s、107.95s、81.80d、72.02d、70.11d、 69.31d、39.72t、35.00t、31.38t、29.99t、29.17t、 28.77t、26.02t、22.07t、13.97q δTMS=39.50ppmに定めたヘキサ‐ジューテロ‐ジメチルスルホキシドの 中心ピークを内部標準として用いて化学シフトをTMS=0.00ppm(δTMS) に関連させた。 (9)溶解性:水、ジメチルスルホキシド、メタノールに溶ける。酢酸エチル、 アセトンにほとんど溶けない。クロロホルムに溶けない。
【0028】(10)Rf値:シリカゲル薄層クロマト
グラフィー(メルク社製)で クロロホルム/メタノール(5:1) 0.38 酢酸エチル/メタノール(2:1) 0.66であった。
【0029】
【実施例2】実施例1で得られたMer‐WF5027
物質Na塩22.4mgを水4mlに溶解後、酢酸-n-ブチ
ル4mlを加えて氷冷下で撹拌した。これに1N HCl
140μlを加え、15分間撹拌した。室温にて静置後
分液して得た水層についてさらに酢酸-n-ブチルで2回
抽出した。先の酢酸-n-ブチル層と合わせて無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮
し、白色粉末のMer‐WF5027物質遊離体21.
3mgを得た。
【0030】この遊離体の理化学的性質を以下に示す。
【0031】 (1)色及び形状:白色粉末 (2)分子式:C16265 (3)融点:84−86℃ MeOH (4)紫外部吸収スペクトル 図1:λ (nm)=271.4(br)(ε9700) MAX (5)赤外部吸収スペクトル(KBr)図2 主要な吸収ピーク(cm-1):3420、2925、2850、1720、1620、1360、 1285、1080、955、865、600 (6)1H−NMRスペクトル(400MHz、CDCl3)図3 δTMS(ppm):0.89(t,3H)、1.21−1.55(m,8H)、1.55−1.81 (m,4H)、1.86(dd,1/2H)、1.90(dd,1/2H)、2.33 (m,1H)、2.41−2.57(m,1H)、2.59-2.68(m,2H)、 3.64(td,1/2H)、3.81(brs,1/2H)、3.87(brs,1/2H)、 3.95-4.06(m,3/2H)、4.31(dd,1/2H)、4.34(t,1/2H) 、5.17(dd,1/2H)、5.23(ddd,1/2H)、10.51 (brs,1/2H)、11.21(s,1/2H) (7)13C−NMRスペクトル(100MHz、CDCl3)図4 δTMS(ppm):197.50s、197.16s、175.29s、174.61s、111.54s、 110.57s、84.16d、83.98d、77.65d、74.73d、72.00d、 71.69d、70.96d、 44.07d、42.47t、31.71t、29.33t、 29.22t、28.84t、28.40t、28.27t、28.18t、27.96t、 26.32t、26.23t、22.57t、14.03q 信号の多重性に関するデータはDEPT試験によって
得た。
【0032】(8)溶解性:酢酸エチル、クロロホル
ム、アセトン、メタノール、ピリジンに溶ける。トルエ
ンにやや溶ける。水に溶けない。
【0033】
【実施例3】実施例1で得られたMer‐WF5027
物質Na塩1mgを水15μlに溶解後、0.1N HCl
110μlを加え、5℃で2時間静置して結晶を析出さ
せた。結晶を瀘取、水洗後、減圧乾燥して無色針状晶
0.2mgを得た。融点101〜105℃。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はMer‐WF5027物質遊離体のメタ
ノール中での紫外部吸収スペクトルを示す。
【図2】図2はMer‐WF5027物質遊離体の臭化
カリウム錠での赤外吸収スペクトルを示す。
【図3】図3はMer‐WF5027物質遊離体の重ク
ロロホルム中での400MHz1HNMRスペクトルを示
す。
【図4】図4はMer‐WF5027物質遊離体の重ク
ロロホルム中での100MHz13CNMRスペクトルを
示す。
【図5】図5はMer‐WF5027物質Na塩の水中
での紫外部吸収スペクトルを示す。
【図6】図6はMer‐WF5027物質Na塩の臭化
カリウム錠での赤外部吸収スペクトルを示す。
【図7】図7はMer‐WF5027物質Na塩の重D
MSO中での400MHz 1HNMRスペクトルを示
す。
【図8】図8はMer‐WF5027物質Na塩の重D
MSO中での100MHz 13CNMRスペクトルを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:66) (72)発明者 千葉 裕之 神奈川県大和市深見西4−7−26オギハ イツ102号 (72)発明者 熊本 俊彦 神奈川県藤沢市鵠沼桜が岡1−9−12 (72)発明者 刀根 弘 神奈川県横浜市金沢区並木3−7−4− 1003 (72)発明者 岡本 六郎 神奈川県藤沢市花の木2−18 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 17/04 C07D 307/20 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 で示される抗真菌性物質Mer‐WF5027及びその
    塩。
  2. 【請求項2】 アスペルギルス属に属する抗真菌性物質
    Mer−WF5027生産菌を培地で培養し、培養物か
    ら抗真菌性物質Mer−WF5027をその塩の形で採
    取し、そして必要に応じて該塩を遊離の抗真菌性物質M
    er−WF5027または他の塩に変えることを特徴と
    する請求項1記載の抗真菌性物質Mer−WF5027
    またはその塩の製造法。
JP13172891A 1990-12-14 1991-02-21 抗真菌性物質Mer−WF5027及びその製造法 Expired - Lifetime JP2955395B2 (ja)

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