JP2953401B2 - 磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方法

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JP2953401B2 JP8264232A JP26423296A JP2953401B2 JP 2953401 B2 JP2953401 B2 JP 2953401B2 JP 8264232 A JP8264232 A JP 8264232A JP 26423296 A JP26423296 A JP 26423296A JP 2953401 B2 JP2953401 B2 JP 2953401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生用の磁気抵抗
効果型ヘッド(以下、「MRヘッド」という。)と記録
用のインダクティブヘッド(以下、「IDヘッド」とい
う。)とからなる磁気抵抗効果型複合ヘッド(以下、
「MR複合ヘッド」という。)を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の小型化及び大容量化にと
もなって、読み取り用磁気ヘッドと磁気記録媒体の相対
速度が小さくなってきている。そのため、再生出力が速
度に依存しないMRヘッドへの期待が高まっている。こ
のMRヘッドについては、「IEEE Trans.o
n Magn,.MAG7(1970) 150」にお
いて「A Magnetoresistivity R
eadout Transducer」として論じられ
ている。
【0003】最も実用的なMRヘッドは、IDヘッドと
ともに用いられるMR複合ヘッドである。MRヘッド
は、図示しないが、二枚の対向する磁気シールド膜S
1,S2と、磁気シールド膜S1,S2間にあって絶縁
体からなる磁気的分離層を介して存在する磁気抵抗効果
素子とからなる。IDヘッドは、図示しないが、磁気シ
ールド膜S2からなる磁極P1と、磁極P1の磁気抵抗
効果素子と反対側に設けられた磁極P2と、磁極P1,
P2によって絶縁体を介して挟まれたコイルと、磁極P
1,P2間に設けられた磁気ギャップGとからなる。
【0004】しかしながら、このMR複合ヘッドでは、
記録中にかなり大きいサイドフリンジ磁界が生じる。こ
のサイドフリンジ磁界は、磁極P1が磁極P2に比べて
幅広なため、磁極P2の幅で規定される幅を超えた磁極
P1の部分への磁束の漏れによって生じる。そして、こ
のサイドフリンジ磁界は、達成できる最小トラック幅を
制限するために、トラック密度の上限を制限する。よっ
て、上記のMR複合ヘッドを用いて高密度記録を達成す
るためには、このサイドフリンジ磁界を小さくすること
が必要である。従来の記録再生用のIDヘッドでは、磁
極P1,P2の、媒体と対向する面(エアベアリング
面、以下「ABS面」という。)におけるトラック幅を
規定するおのおのの側面が、実質的に一致するように形
成されていたため、サイドフリンジ磁界が最小に抑えら
れていた。しかしながら、MR複合ヘッドでは、トラッ
ク幅を規定する磁極P2の幅に対して、磁極P1の幅は
MR素子をシールドするための機能を必要とするために
P2に比べて非常に広い幅を有する。この幅の相違が磁
極P2の幅を越えて横方向にのびるサイドフリンジ磁界
をもたらす。
【0005】このサイドフリンジ磁界を従来の記録再生
用のIDヘッドのように低減する方法が特開平7−26
2519号公報に開示されている。この方法では、図6
に示すように、MR複合ヘッドにおいて、IDヘッドの
第一の磁極80と磁気ギャップ膜82との間に、第二の
磁極84の側面と一致し磁気的に磁極80と連続な第三
の磁極86を設ける。これによって、記録磁界が磁極8
4,86間に発生するため、サイドフリンジが従来の記
録再生用のIDヘッド並みに抑制される。
【0006】第三の磁極86を形成する方法は図7の通
りである。MRヘッドの一方の磁気シールド膜を兼ねる
第一の磁性層80’上に非磁性層82’を形成し、フォ
トレジストからなるフレーム88a,88bで規定され
たフレームメッキ処理により所定の幅を持つ第二の磁性
層84’を形成し、磁性層84’をマスクとしてイオン
ビームミリングにより磁性層80’を所望の深さエッチ
ングし、磁極80,86,84及び磁気ギャップ膜82
を形成する。このとき、イオンビームの入射角度を最適
に設定することによって、磁極86,84の側面を、磁
極80と垂直とすることができる。そして、磁極86を
所望の高さとすることによって、実質的に記録磁束は第
二の磁極84と第三の磁極86間で規定され、サイドフ
リンジが従来のIDヘッド並みに抑制される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示されて
いるMR複合ヘッドの製造方法では、磁極86を形成す
るためにイオンビームミリングを駆使している。このと
き、磁性層84’がマスクとしての機能を果たすため、
イオンビームミリングの進行に伴って磁性層84’の膜
厚が減少する。すなわち、所望の磁極86を形成すると
同時に所望の磁極84を得るためには、イオンビームミ
リングによる磁性層84’の膜厚減少を見込んで磁性層
84’を形成する必要がある。上記公報に開示されてい
るMR複合ヘッドの製造方法では、フレームメッキ処理
による磁性層84’の形成のために、フレーム88a,
88bの高さを従来に比べて大幅に高くする必要があっ
た。すなわち、イオンビームミリング後の磁極84はミ
リング前の磁性層84’に比べ大幅に膜厚が減少するた
め、記録特性を十分に確保するためには、イオンビーム
ミリング前の磁性層84’を相当分厚くしなければなら
ない。このときに十分な磁性層84’厚を確保するため
にフレーム88a,88bを高くすると、フレーム88
a,88bの間隔を狭くすることが困難となる。上記公
報ではこの限界を2μmとしている。すなわち、上記公
報に開示された方法では、トラック幅2μm以下の高密
度記録を実現するMR複合ヘッドの実現が困難であっ
た。
【0008】
【発明の目的】本発明は、以上に述べたトラック幅の下
限をさらに改善し、さらなる高密度記録を実現するMR
複合ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図7に示した従来の製造
方法では、磁性層84’をマスクとしての磁極86をイ
オンミリングにより形成する際に、磁気ギャップ膜82
をもイオンビームミリングでパタン化している。磁気ギ
ャップ膜82となる非磁性層82’は通常アルミナで形
成されている。このアルミナのミリング速度は磁性層8
4’よりも遅く、磁極86を形成するためのイオンビー
ムミリングを行う前に、非磁性層82’を除去するため
に多大なイオンビームミング時間を費やしていた。すな
わち、この非磁性層82’を除去するためのミリング時
間を無くすることができれば、磁性層84’の膜厚を大
幅に薄くすることができ、よって、フレーム88a,8
8bの高さを低くすることができる。このことは、フレ
ーム88a,88bの間隔をさらに狭くできることに直
結しており、すなわち、より高密度記録のMR複合ヘッ
ドの実現を可能とする。
【0010】本発明では、以上述べた、磁気ギャップ膜
をパタン化する方法として反応性イオンエッチング(以
下、「RIE」という。)を導入する。この方法を実現
するために、第二の磁極(磁極84)の材料をエッチン
グせずに磁気ギャップ膜の材料のみをエッチングするR
IEを適用する。例えば、第二の磁極をNiFe合金に
よって形成する場合、ギャップ膜をSiO2 とすること
によって、CF4 ガスによるRIEでSiO2 を選択的
にエッチングすることができる。この方法はまた、磁気
ギャップ膜に隣接して飽和磁化の大きい磁極材料を適用
し、記録効率の高いIDヘッドを実現する場合にも適用
できる。
【0011】以上のMR複合ヘッドの第二の磁極の幅
は、従来の下限である2μmを下回る1μm程度に狭く
できるので、さらなる高密度記録を実現するMR複合ヘ
ッドを提供できる。これは、第三の磁極を形成するイオ
ンビームミリング工程において、多大な時間を要してい
た磁気ギャップ膜のミリング時間が無くなったことか
ら、第二の磁極となる磁性層の膜厚を薄くすることが可
能となったので、第二の磁極を形成するためのフレーム
高さを低くすることが可能となったことによる。
【0012】
【発明の実施の形態】[実施例1]図1及び図2を用い
て実施例1を説明する。図1はMR複合ヘッドを媒体と
対向するABS面から見た断面図である。
【0013】本実施例のMR複合ヘッドは、MRヘッド
10の一方の磁気シールド膜を兼ねる平面状の第一の磁
極12上に、第三の磁極14、磁気ギャップ膜16及び
第二の磁極18がこの順に凸状に積層されてIDヘッド
20が形成されたものであり、磁気ギャンプ膜16がS
iO2 からなるものである。
【0014】MRヘッド10は、磁極12、他方の磁気
シールド膜101、アルミナ膜102,103、中央領
域104、端部領域105,106等から構成されてい
る。磁極12及び磁気シールド膜101は、NiFe合
金(パーマロイ)により形成され、膜厚は磁気シールド
膜101が2μm、磁極12が3μmである。これらの
磁極12、磁気シールド膜101間に、感磁部である中
央領域104と、中央領域104に電流と縦バイアス磁
界とを供給する端部領域105,106が形成されてい
る。中央領域104は、MR効果を有する膜厚10nm
のNiFe膜、NiFe膜に横バイアス磁界をかけるた
めの膜厚15nmのCoZrMo膜、及びNiFe膜と
CoZrMo膜とを磁気的に分離するための膜厚7nm
のTa膜を、磁気シールド膜101側からCoZrM
o、Ta、NiFeの順に積層したものである。中央領
域104の幅は0.8μmである。端部領域105,1
06は、中央領域104と電気的に接合しており、中央
領域104のNiFe膜に縦バイアス磁界を供給するC
oPtCr膜105c,106cと、中央領域104に
電流を供給するAu膜105d,106dとからなる。
CoPtCr膜105c,106cの膜厚は25nmで
ある。以上の中央領域104及び端部領域105,10
6からなるMR素子は、アルミナ膜102,103で絶
縁されている。アルミナ膜103の膜厚は90nm、ア
ルミナ膜102の膜厚は65nmである。
【0015】磁極12上には、MR素子の中央領域10
4と良く目合わせされ、磁極12と磁気的に連続したN
iFeによる磁極14を形成する。磁極14と磁極12
とでIDヘッド20の一方の磁極を形成し、SiO2
磁気ギャップ膜16を介してNiFeの磁極18により
他方の磁極を形成する。このとき、磁極18及び磁極1
4の幅はともに1.1μm、厚さは3.5μm及び0.
5μm、磁気ギャップ膜16の膜厚は0.25μmであ
る。また、ABS面から約2μm奥にはフォトレジスト
材料によって絶縁されたCuコイルが形成され、このコ
イルに電流を流すことによって、ギャップ間に記録磁界
を発生させる。
【0016】以上の複合型ヘッドの磁極12より上の部
分の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は
製造プロセスをABS面から見た断面図である。
【0017】図2(a)は、磁極12,14となるNi
Fe膜12’上に磁気ギャップ膜16となるSiO2
16’をスパッタ成膜し、さらにフォトレジストからな
るフレーム20a,20bを形成した図である。フレー
ム20a,20bは、磁極18となるNiFe膜18’
を、フレームメッキ処理により形成するためのものであ
る。図2(a)には示されていないが、このフレーム2
0a,20bを形成する前に、ABS面から約2μm奥
に、フォトレジスト材料によって絶縁したCuコイルを
形成する。図2(b)はフレームメッキにより磁極18
となるNiFe層18’を形成した図である。図2
(c)はフレーム20a,20bを除去し、NiFe層
18’をマスクとして、SiO2 層16’をNiFe層
18’と同じ幅にパタン化した図である。このパタン化
の際に、SiO2 とNiFeのエッチングレートに大き
な差を生じさせるCF4 によるRIEを用いた。CF4
を30sccm流し、エッチング室内の真空度を6Pa
とし、高周波プラズマ出力100W、直流バイアス電圧
−500Vとすると、SiO2 層16’のエッチング速
度は35nm/分であった。このときNiFe層18’
のエッチング速度は1nm/分であり、250nmのS
iO2 層16’をエッチングする際のNiFe層18’
の膜厚減少はわずか7nmであった。図2(d)(e)
は、さらにNiFe層18’をマスクとしてNiFe層
12’をイオンビームミリングによりエッチングするこ
とにより、磁極12と、NiFe層18’の膜厚が減少
してなる磁極18と、磁極18と同じ幅を持った磁極1
4とを形成した図である。
【0018】イオンビームミリングでは、磁極18のト
ラック幅方向の幅を規定する側面と同一面の側面を持つ
磁極14を形成する。このとき、イオンビームの入射角
度を30度として磁極14の側壁を形成した後に、入射
角度を70度として磁極18の側壁の再付着物を除去し
た。磁極14の側壁は500nmとし、これだけのミリ
ングを行うために、磁性層18’は1μm膜厚が減少
し、磁極18の膜厚は3.5μmとなった。すなわち、
膜厚3.5μmの磁極18を得るための磁性層18’の
膜厚は4.5μmであり、この磁性層18’を形成する
ためのフレーム20a,20bの高さは6μmであり、
このフレーム高さが6μmと薄くて済むことから、フレ
ーム20a,20b間の幅は1.1μm程度に狭くでき
るようになった。
【0019】[実施例2]図3及び図4を用いて実施例
2を説明する。ただし、図1又は図2と同一部分は同一
符号を付すことにより重複説明を省略する。図3はMR
複合ヘッドを媒体と対向するABS面から見た断面図で
ある。
【0020】本実施例のMR複合ヘッドは、MRヘッド
10の磁気シールド膜を兼ねる平面状の第一の磁極12
上に、第三の磁極14、磁気ギャップ膜16、第四の磁
極30及び第二の磁極18がこの順に凸状に積層されて
インダクティブヘッド20が形成され、磁極30が磁極
18よりも大きな飽和磁化を有し、磁気ギャンプ膜16
がSiO2 からなるものである。
【0021】磁極12上にはMR素子の中央領域104
と良く目合わせされ、磁極12と磁気的に連続したNi
Feによる磁極14を形成する。磁極14と磁極12と
で記録IDヘッド20の一方の磁極を形成し、SiO2
による磁気ギャップ膜16を介して磁極30及び磁極1
8の積層構造からなる他方の磁極を形成する。磁極30
は飽和磁化が15KG、比抵抗が100μΩcm、膜厚
0.5μmのCoTaZr膜であり、磁極18は膜厚3
μmのNiFe膜である。このとき磁極18、磁極14
及び磁極30の幅はともに1.1μm、磁極14の厚さ
は0.5μm、磁気ギャップ膜16の膜厚は0.25μ
mである。また、ABS面から約2μm奥にはフォトレ
ジスト材料によって絶縁されたCuコイルが形成され、
このコイルに電流を流すことによって、ギャップ間に記
録磁界を発生させる。
【0022】以上のMR複合ヘッドの磁極14より上の
部分の製造方法について、図4を用いて説明する。図4
は製造プロセスをABS面から見た断面図である。
【0023】図4(a)は、磁極12,14となるNi
Fe層12’上に、磁気ギャップ膜16となる膜厚0.
25μmのSiO2 層16’、及び磁極30となる膜厚
0.5μmのCoTaZr層30’をスパッタ成膜し、
フォトレジストによるフレーム32a,32bを形成し
た図である。フレーム32a,32bは、磁極18とな
るNiFe層18’をフレームメッキ処理により形成す
るためのものである。図4(a)に示されていないが、
フレーム32a,32bを形成する前に、ABS面から
約2μm奥に、フォトレジスト材料によって絶縁したC
uコイルを形成する。図4(b)はフレームメッキによ
りNiFe層18’を形成した図である。図4(c)
は、フレーム32a,32bを除去し、NiFe層1
8’をマスクとしてイオンビームミリングによってCo
TaZr層30’をNiFe層18’と同じ幅にパタン
化することにより、磁極30を形成した図である。この
とき、イオンビームの入射角度を30度として磁極30
の側壁を形成した後に、入射角度を70度としてNiF
e層18’の側壁の再付着物を除去した。磁極30の側
壁はCoTaZr層30’の膜厚0.5μmであり、こ
れだけのミリングを行うために、NiFe層18’は1
μm膜厚が減少した。図4(d)は、SiO2 層16’
をNiFe層18’の幅にパタン化することにより、磁
気ギャップ膜16を形成した図である。このパタン化の
際に、SiO2 とNiFeのエッチングレートに大きな
差を生じさせるCF4 を用いてRIEを行った。CF4
を30sccm流し、エッチング室内の真空度を6Pa
とし、高周波プラズマ出力100W、直流バイアス電圧
−500Vとしたとき、SiO2 層16’のエッチング
速度は35nm/分であった。このときのNiFe層1
8’のエッチング速度は1nm/分であり、250nm
のSiO2 層16’をエッチングする際のNiFe層1
8’の膜厚減少はわずか7nmであった。図4(e)
(f)は、さらにNiFe層18’をマスクとしてNi
Fe層12’をイオンビームミリングによりエッチング
することにより、NiFe層18’の膜厚が減少してな
る磁極18と、磁極18と同じ幅を持った磁極14とを
形成した図である。
【0024】イオンビームミリングでは、磁極18のト
ラック幅方向の幅を規定する側面と同一面の側面を持つ
磁極30を形成し、このとき、イオンビームの入射角度
を30度として磁極30の側壁を形成した後に、入射角
度を70度として磁極18の側壁の再付着物を除去し
た。磁極14の側壁は500nmとし、これだけのミリ
ングを行うために、磁極18は1μm膜厚が減少し、磁
極18の膜厚は3μmとなった。すなわち、膜厚3μm
の磁極18を得るためのNiFe層18’の膜厚は5μ
mであり、このNiFe層18’を形成するためのフレ
ーム32a,32bの高さは6μmであり、このフレー
ム高さが6μmと薄くて済むことから、フレーム32
a,32b間の幅は1.1μm程度に狭く形成できるよ
うになった。
【0025】[実施例3]図4における第三の磁極14
の代わりに、高Bs高比抵抗材料であるCoTaZr層
34’を用いて第三の磁極34を形成した場合の製造方
法を図5を用いて説明する。図5は製造プロセスをAB
S面からの見た断面図である。
【0026】図5(a)は、NiFe層12’上に、C
oTaZr層34’、膜厚0.25μmのSiO2 層1
6’、膜厚0.5μmのCoTaZr層30’をスパッ
タ成膜し、さらにフォトレジストによるフレーム32
a,32bを形成した図である。図5(a)には示され
ていないが、フレーム32a,32bを形成する前に、
ABS面から約2μm奥に、フォトレジスト材料によっ
て絶縁したCuコイルを形成する。図5(b)はフレー
ムメッキによりNiFe層18’を形成した図である。
図5(c)はフレーム32a,32bを除去し、NiF
e層18’をマスクとして、イオンビームミリングによ
ってCoTaZr層30’をNiFe層18’と同じ幅
にパタン化することにより磁極30を形成した図であ
る。このとき、イオンビームの入射角度を30度として
NiFe層30’の側壁を形成した後に、入射角度を7
0度としてNiFe層18’の側壁の再付着物を除去し
た。磁極30の膜厚は0.5μmであり、これだけのミ
リングを行うために、NiFe層18’は1μm膜厚が
減少した。図5(d)はSiO2 層16’をNiFe層
18’の幅にパタン化することにより、磁気ギャップ膜
16を形成した図である。このパタン化の際に、SiO
2 とNiFeのエッチングレートに大きな差を生じさせ
るCF4 によるRIEを用いた。CF4 を30sccm
流し、エッチング室内の真空度を6Paとし、高周波プ
ラズマ出力100W、直流バイアス電圧−500Vとす
ると、SiO2 のエッチング速度は35nm/分であっ
た。このときのNiFeのエッチング速度は1nm/分
であり、250nmのSiO2 をエッチングする際のN
iFeの膜厚減少はわずか7nmであった。図5(e)
(f)は、さらにNiFe層18’をマスクとしてCo
TaZr層34’をイオンビームミリングによりエッチ
ングすることにより、NiFe層18’の膜厚が減少し
てなる磁極18と、磁極18と同じ幅を持った磁極34
とを形成した図である。
【0027】イオンビームミリングでは、磁極18のト
ラック幅方向の幅を規定する側面と同一面の側面を持つ
磁極34を形成し、かつ、イオンビームの入射角度を3
0度として磁極34の側壁形成した後に、入射角度を7
0度として磁極18の側壁の再付着物を除去した。磁極
34の側壁は500nmとし、これだけのミリングを行
うために、NiFe層18’は1μm膜厚が減少し、磁
極18の膜厚は3μmとなった。すなわち、膜厚3μm
の磁極18を得るためのNiFe層18’の膜厚は5μ
mであり、NiFe層18’を形成するためのフレーム
32a,32bの高さは6μmであり、このフレーム高
さが6μmと薄くて済むことから、フレーム32a,3
2b間の幅は1.1μm程度に狭く形成できるようにな
った。
【0028】なお、本発明の実施例1〜3の中で、記録
ギャップ膜近傍に形成する高Bs膜はCoTaZr膜の
みならず、FeN系膜、FeML系膜(MはTa,Z
r,Nb,Hf,Mo,Tiから選択される少なくとも
一種類の元素、Lは窒素、炭素、ホウ素、酸素から選択
される少なくとも一種類の元素)を主たる成分とする高
Bs膜でも良い。
【0029】
【発明の効果】本発明に係るMR複合ヘッドの製造方法
によれば、ギャップ膜をSiO2 とすることによって、
第二の磁極の膜厚の減少をほとんど伴うことなくギャッ
プ膜を形成できるので、第二の磁極を形成する際のフレ
ームの高さを低くできる。その結果、フレームの間隔を
狭くできるので、より微細に第二の磁極等を加工でき
る。したがって、サイドフリンジ磁束を抑制できるとと
もに、例えば2μm以下で1μm程度までの狭トラック
記録を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMR複合ヘッドの実施例1を示す
断面図である。
【図2】図1のMR複合ヘッドの製造方法を示す断面図
であり、図2(a)から図2(e)の順に工程が進行す
る。
【図3】本発明に係るMR複合ヘッドの実施例2を示す
断面図である。
【図4】図3のMR複合ヘッドの製造方法を示す断面図
であり、図4(a)から図4(f)の順に工程が進行す
る。
【図5】本発明に係るMR複合ヘッドの実施例3の製造
方法を示す断面図であり、図5(a)から図5(f)の
順に工程が進行する。
【図6】従来のMR複合ヘッドを示す一部を省略した断
面図である。
【図7】図6のMR複合ヘッドの製造方法を示す断面図
であり、図7(a)から図7(d)の順に工程が進行す
る。
【符号の説明】
10 MRヘッド 12 第一の磁極 14,34 第三の磁極 16 磁気ギャップ膜 18 第二の磁極 20 IDヘッド 20a,20b,32a,32b フレーム 30 第四の磁極
フロントページの続き (72)発明者 熊谷 一正 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−129715(JP,A) 特開 平9−161226(JP,A) 特開 昭63−55711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/31 G11B 5/39

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果型ヘッドの磁気シールド膜
    を兼ねる平面状の第一の磁極上に、第三の磁極、磁気ギ
    ャップ膜及び第二の磁極がこの順に凸状に積層されてイ
    ンダクティブヘッドが形成された、磁気抵抗効果型複合
    ヘッドにおいて、 第一の磁性層に非磁性層を積層し、この非磁性層に所定
    幅の第二の磁性層を形成し、この第二の磁性層をマスク
    として反応性イオンエッチングを用いて前記非磁性層を
    前記所定幅とすることにより前記磁気ギャップ膜を形成
    し、イオンビームミリングを用いて前記第一の磁性層か
    ら前記第一及び第三の磁極を形成するとともに前記第二
    の磁性層から前記第二の磁極を形成する、 ことを特徴とする磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記非磁性層がSiO2 である、請求項
    記載の磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反応性イオンエッチングの反応ガス
    にCF4 を用いる、請求項記載の磁気抵抗効果型複合
    ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗効果型ヘッドの磁気シールド膜
    を兼ねる平面状の第一の磁極上に、第三の磁極、磁気ギ
    ャップ膜、第四の磁極及び第二の磁極がこの順に凸状に
    積層されてインダクティブヘッドが形成され、前記第四
    の磁極が前記第二の磁極よりも大きな飽和磁化を有す
    る、磁気抵抗効果型複合ヘッドにおいて、 第一の磁性層に非磁性層及び第二の磁性層をこの順に積
    層し、この第二の磁性層上に所定幅の第三の磁性層を形
    成し、この第三の磁性層をマスクとしてイオンビームミ
    リングを用いて前記第二の磁性層を前記所定幅とするこ
    とにより前記第四の磁極を形成し、前記第三の磁性層を
    マスクとして反応性イオンエッチングを用いて前記非磁
    性層を前記所定幅とすることにより前記磁気ギャップ膜
    を形成し、イオンビームミリングを用いて前記第一の磁
    性層から前記第一及び第三の磁極を形成するとともに前
    記第三の磁性層から前記第二の磁極を形成する、 ことを特徴とする磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記非磁性層がSiO2 である、請求項
    記載の磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記反応性イオンエッチングの反応ガス
    にCF4 を用いる、請求項記載の磁気抵抗効果型複合
    ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 磁気抵抗効果型ヘッドの磁気シールド膜
    を兼ねる平面状の第一の磁極上に、第三の磁極、磁気ギ
    ャップ膜、第四の磁極及び第二の磁極がこの順に凸状に
    積層されてインダクティブヘッドが形成され、前記第三
    の磁極が前記第一の磁極よりも大きな飽和磁化を有し、
    前記第四の磁極が前記第二の磁極よりも大きな飽和磁化
    を有する、磁気抵抗効果型複合ヘッドにおいて、 第一の磁性層に第二の磁性層、非磁性層及び第三の磁性
    層をこの順に積層し、この第三の磁性層上に所定幅の
    四の磁性層を形成し、この第四の磁性層をマスクとして
    イオンビームミリングを用いて前記第三の磁性層を前記
    所定幅とすることにより前記第四の磁極を形成し、前記
    第四の磁性層をマスクとして反応性イオンエッチングを
    用いて前記非磁性層を前記所定幅とすることにより前記
    磁気ギャップ膜を形成し、イオンビームミリングを用い
    て前記第一の磁性層及び第二の磁性層から前記第一及び
    第三の磁極を形成するとともに前記第四の磁性層から前
    記第二の磁極を形成する、 ことを特徴とする磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記非磁性層がSiO2 である、請求項
    記載の磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記反応性イオンエッチングの反応ガス
    にCF4 を用いる、請求項記載の磁気抵抗効果型複合
    ヘッドの製造方法。
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