JPH10149513A - 磁気抵抗効果型複合ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型複合ヘッド

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JPH10149513A
JPH10149513A JP8304435A JP30443596A JPH10149513A JP H10149513 A JPH10149513 A JP H10149513A JP 8304435 A JP8304435 A JP 8304435A JP 30443596 A JP30443596 A JP 30443596A JP H10149513 A JPH10149513 A JP H10149513A
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magnetic
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magnetoresistive
films
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Nobuyuki Ishiwata
延行 石綿
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスク装置の高密度化に伴う、高周波
での記録特性の劣化、及び製造歩留まりの低下を防止す
る。 【解決手段】 本発明に係るMR複合ヘッドは、二つの
磁気シールド膜10,12間にMR素子14が形成され
てなる再生用のMRヘッド16と、二つの磁極膜20,
22間に磁気ギャップ24が形成されてなる記録用のI
Dヘッド26とが積層され、かつ磁気シールド膜12が
磁極膜20を兼ねた構造となっている。そして、ABS
面及び磁極膜20,22の面に平行な一方向磁化を有す
る磁性体膜30が、磁気分離膜32を介して磁極膜22
に積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生用の磁気抵抗
効果型ヘッド(以下、「MRヘッド」という。)と記録
用のインダクティブヘッド(以下、「IDヘッド」とい
う。)とが積層された構造の磁気抵抗効果型複合ヘッド
(以下、「MR複合ヘッド」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の小型化及び大容量化に伴
って、再生用の磁気ヘッドと磁気記録媒体との相対速度
が小さくなってきている。そこで、再生出力が速度に依
存しないMRヘッドへの期待が高まっている。このMR
ヘッドについては、例えば「IEEE Trans.o
n Magn,.MAG7(1970) 150」にお
いて「A Magnetoresistivity R
eadout Transducer」として論じられ
ている。
【0003】図4は、従来のMR複合ヘッドを示す正面
図である。以下、この図面に基づき説明する。なお、図
4は、磁気記録媒体と対向する面(エアーベアリング
面。以下、「ABS面」という。)からMR複合ヘッド
を見たものである。
【0004】従来のMR複合ヘッドは、二つの磁気シー
ルド膜50,52間にMR素子54が形成されてなる再
生用のMRヘッド56と、二つの磁極膜60,62間に
磁気ギャップ64が形成されてなる記録用のIDヘッド
66とが積層され、かつ磁気シールド膜52が磁極膜6
0を兼ねた構造となっている。
【0005】MR素子54は、感磁部としての中央領域
541と、中央領域541に電流及び縦バイアス磁界を
供給する端部領域542,543とから構成されてい
る。磁気シールド膜50,52とMR素子54との間に
は、それぞれ絶縁体からなる磁気分離膜581,582
が介挿されている。また、磁極膜60,62は、図示し
ない薄膜コイルを有しており、これにより磁気ギャップ
64に磁界を発生させる。
【0006】磁極膜60,62の磁気異方性は、高周波
での記録特性を高めるために、矢印68に示す方向に形
成する必要がある。すなわち、磁極膜60,62の面及
びABS面に平行な方向が磁化容易軸となる。この結
果、記録磁界が磁化困難軸方向の磁化回転により発生す
るため、高周波でも大きな発生磁界が得られる。
【0007】高周波での記録特性を改善する方法として
は、例えば、特開平5−182145号公報に開示され
ているように、磁極膜を磁性材料と絶縁膜との積層構造
とすることによって渦電流の発生を抑制し、高周波での
損失を減少させる方法が挙げられる。しかしながら、こ
の方法では、前述したような磁化困難軸方向の磁化回転
による記録磁界の発生は保証されない。その結果、渦電
流損は抑制されても、記録に必要な磁界強度が高周波で
は得られないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以前は、磁極膜62の
高さLyに対して、磁気記録トラック幅を決めている磁
極膜62の幅Lxが広かった。そのため、磁極膜62と
して例えば電着法によりNiFe膜を形成する場合、矢
印68方向に磁界を印加しながらNiFe膜を形成する
ことによって、所望の磁気異方性を形成することができ
た。ところが、近年の磁気ディスク装置の高密度化に伴
って、高さLyに対して幅Lxが狭くなってきた。その
結果、同じように矢印68方向に磁界を印加しながらN
iFe膜を形成しても、形状異方性の影響によって、磁
気異方性が図5〔1〕の矢印70に示すようにABS面
に垂直方向となったり、図5〔2〕の矢印72に示すよ
うに磁極膜62の高さ方向となったりしていた。このこ
とが、高周波での記録特性の劣化、及び製造歩留まりの
低下の原因となっていた。
【0009】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、磁気ディスク
装置の高密度化に伴う、高周波での記録特性の劣化、及
び製造歩留まりの低下を防止できる、MR複合ヘッドを
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、他方の磁極
膜の高さLyに比べて幅Lxが狭くなった場合に、他方
の磁極膜の磁気異方性をABS面及び磁極膜の面に平行
な方向に安定化させる技術について研究を重ねた結果、
他方の磁極膜に強制的に磁界を印加すればよいことを見
い出した。つまり、他方の磁極膜上に磁気分離膜を介し
て、ABS面及び磁極膜の面に平行な一方向磁化を有す
る磁性体膜を積層することにより、他方の磁極膜の磁気
異方性をABS面及び磁極膜の面に平行な方向に安定化
させるのである。
【0011】磁気分離膜は、他方の磁極膜と磁性体膜と
の間の交換結合の発生を抑制する。このような構造によ
って、矢印301(図1)方向の磁化による静磁結合に
より他方の磁性膜が矢印221(図1)方向にバイアス
されるので、記録磁界を磁化困難軸方向の磁化回転によ
り発生させることが可能となる。この結果、記録密度の
向上に伴い、他方の磁性膜の高さLyに比べて幅Lxが
狭くなっても、高周波での記録特性を大幅に改善するこ
とができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るMR複合ヘ
ッドの第一実施形態を示す正面図である。以下、この図
面に基づき説明する。なお、図1は、ABS面からMR
複合ヘッドを見たものである。
【0013】本実施形態のMR複合ヘッドは、二つの磁
気シールド膜10,12間にMR素子14が形成されて
なる再生用のMRヘッド16と、二つの磁極膜20,2
2間に磁気ギャップ24が形成されてなる記録用のID
ヘッド26とが積層され、かつ磁気シールド膜12が磁
極膜20を兼ねた構造となっている。そして、ABS面
及び磁極膜20,22の面に平行な一方向磁化を有する
磁性体膜30が、磁気分離膜32を介して磁極膜22に
積層されている。
【0014】磁気シールド膜10,12の材質は、Ni
Fe合金(パーマロイ)である。下シールドとしての磁
気シールド膜10の膜厚は2μmであり、上シールドと
しての磁気シールド膜12の膜厚は3μmである。
【0015】MR素子14は、感磁部である中央領域1
41と、中央領域141に電流及び縦バイアス磁界を供
給する端部領域142,143とから構成されている。
中央領域141は、図示しないが、MR効果を有する膜
厚10nmのNiFe膜と、NiFe膜に横バイアス磁
界をかける膜厚15nmのCoZrMo膜と、NiFe
膜及びCoZrMo膜を磁気的に分離する膜厚7nmの
Ta膜とが、磁気シールド膜10側からCoZrMo、
Ta、NiFeの順に積層されたものである。中央領域
141の幅は0.8μmである。端部領域142,14
3は、図示しないが、中央領域141のNiFe膜に縦
バイアス磁界を供給するCoPtCr膜と、中央領域1
41に電流を供給するAu膜との積層膜からなり、中央
領域141と電気的に接合している。CoPtCr膜の
膜厚は25nmである。
【0016】アルミナ膜181,182は、MR素子1
4を磁気シールド膜10,12から絶縁している。アル
ミナ膜181の膜厚は65nm、アルミナ膜182の膜
厚は90nmである。
【0017】磁気シールド膜12上には、アルミナから
なる磁気ギャップ24を介してMR素子14の中央領域
141と目合わせされた、NiFeからなる磁極膜22
が形成されている。磁極膜22は幅が1.1μm、厚さ
が3.5μm、磁気ギャップ24の磁気ギャップ長は
0.25μmである。また、磁極膜20,22のABS
面から約2μm奥には、図示しないが、フォトレジスト
材料によって絶縁されたCuコイルが形成され、このC
uコイルに電流を流すことによって磁気ギャップ24に
記録磁界を発生させる。
【0018】磁極膜22上には、磁気分離膜32を介し
て磁性体膜30が形成されている。磁性体膜30は、C
oPtCrからなり、矢印301に示される方向の磁化
を有する。磁気分離膜32は、Crからなり、磁極膜2
2と磁性体膜30との間の交換結合の発生を抑制する。
その結果、矢印301方向の磁化による静磁結合により
磁極膜22が221方向にバイアスされるので、磁化困
難軸方向の磁化回転により記録磁界を発生させることが
可能となる。
【0019】図2は、本実施形態のMR複合ヘッドと従
来のMR複合ヘッドとの記録特性を評価したグラフであ
る。以下、図1及び図2に基づき説明する。
【0020】磁気記録媒体の保磁力は2200エルステ
ッド(Oe)、膜厚δと残留磁化Brの積は90ガウス
・μmであり、MR複合ヘッドと磁気記録媒体との磁気
スペーシングは60nm、MR複合ヘッドと磁気記録媒
体との相対速度は10/m秒である。図2は、規格化出
力の周波数特性を示している。100MHzを越える高
周波領域において、本実施形態のMR複合ヘッドの高出
力特性が顕著である。これは、本実施形態でのIDヘッ
ドの構造によって、磁化困難軸方向の磁化回転による記
録磁界を発生できることにより、高周波でも十分に狭い
磁化遷移幅で良好な記録が可能になったためと考えられ
る。それに対して、従来のMR複合ヘッドでは、高周波
での特性が著しく低下すると共に、図中には表現されて
いないが、そのばらつきも増す。これは、磁化困難軸の
磁化回転による記録磁界を発生できないので、高周波で
の記録が不十分であるためと考えられる。
【0021】なお、磁性体膜30は、CoPtCr膜の
みならず、CoPt、CoPtCr、CoTaCr、C
oPtTaCr等でも同様の効果が得られる。
【0022】図3は、本発明に係るMR複合ヘッドの第
二実施形態を示す正面図である。以下、この図面に基づ
き説明する。ただし、図1と同一部分は同一符号を付す
ことにより重複説明を省略する。
【0023】本実施形態では、磁性体膜40として、軟
磁性膜401と反強磁性膜402との積層膜を用いてい
る。軟磁性膜401としては、NiFe膜又はCo膜ア
モルファス膜が好適である。反強磁性膜402として
は、Mn−X膜(XはFe、Ni、Co、Cr、Pt、
Pd及びIrの中から選択される少なくとも1種類の元
素)や、Ni−O、Fe−O及びCo−Oの中から選択
される少なくとも1種類の酸化物からなる膜が好適であ
る。本実施形態のMR複合ヘッドも第一実施形態と同様
の作用・効果を奏する。
【0024】
【発明の効果】本発明に係るMR複合ヘッドによれば、
ABS面及び磁極膜の面に平行な一方向磁化を有する磁
性体膜を磁気分離膜を介して他方の磁極膜に積層したこ
とにより、他方の磁極膜の高さに比べて幅が狭くなって
も、磁化困難軸方向の磁化回転により記録磁界を発生さ
せることができる。したがって、記録密度の向上に伴い
他方の磁極膜の高さに比べて幅が狭くなっても、高周波
での記録特性の劣化、及び製造歩留まりの低下を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMR複合ヘッドの第一実施形態を
示す正面図である。
【図2】本発明及び従来のMR複合ヘッドの規格化出力
の周波数特性を示すグラフである。
【図3】本発明に係るMR複合ヘッドの第二実施形態を
示す正面図である。
【図4】従来のMR複合ヘッドを示す正面図である。
【図5】従来のMR複合ヘッドを示す部分正面図であ
り、図5〔1〕が第一例、図5〔2〕が第二例である。
【符号の説明】
10,12 磁気シールド膜 14 MR素子 16 MRヘッド 24 磁気ギャップ 26 IDヘッド 30,40 磁性体膜 32 磁気分離膜 401 軟磁性膜 402 反強磁性膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの磁気シールド膜間に磁気抵抗効果
    素子が形成されてなる再生用の磁気抵抗効果型ヘッド
    と、二つの磁極膜間に磁気ギャップが形成されてなる記
    録用のインダクティブヘッドとが積層され、かつ前記磁
    気シールド膜の一方が前記磁極膜の一方を兼ねた構造の
    磁気抵抗効果型複合ヘッドにおいて、 当該磁気抵抗効果型複合ヘッドの磁気記録媒体と対向す
    る面及び前記磁極膜の面に平行な一方向磁化を有する磁
    性体膜が、磁気分離膜を介して前記磁極膜の他方に積層
    されている、ことを特徴とする磁気抵抗効果型複合ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記磁性体膜が永久磁石膜である、請求
    項1記載の磁気抵抗効果型複合ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石膜がCoを主成分とする、
    請求項2記載の磁気抵抗効果型複合ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石膜が、CoPt、CoPt
    Cr、CoTaCr、又はCoPtTaCrである、請
    求項2記載の磁気抵抗効果型複合ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記磁性体膜が軟磁性膜と反強磁性膜と
    の積層膜である、請求項1記載の磁気抵抗効果型複合ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 前記軟磁性膜がNiFe膜又はCo基ア
    モルファス膜である、請求項5記載の磁気抵抗効果型複
    合ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記反強磁性膜がMn−X(XはFe、
    Ni、Co、Cr、Pt、Pd及びIrの中から選択さ
    れる少なくとも1種類の元素)である、請求項5記載の
    磁気抵抗効果型複合ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記反強磁性膜がNi−O、Fe−O及
    びCo−Oの中から選択される少なくとも1種類の酸化
    物である、請求項5記載の磁気抵抗効果型複合ヘッド。
JP8304435A 1996-11-15 1996-11-15 磁気抵抗効果型複合ヘッド Pending JPH10149513A (ja)

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