JP2001256617A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JP2001256617A
JP2001256617A JP2000070028A JP2000070028A JP2001256617A JP 2001256617 A JP2001256617 A JP 2001256617A JP 2000070028 A JP2000070028 A JP 2000070028A JP 2000070028 A JP2000070028 A JP 2000070028A JP 2001256617 A JP2001256617 A JP 2001256617A
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JP2000070028A
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Masaya Sakaguchi
昌也 坂口
Toshio Fukazawa
利雄 深澤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度化に伴う短波長の記録信号を再生
するために狭ギャップレングス化された再生ヘッドにお
いて、安定した縦バイアスを供給し、高感度で、且つ安
定した再生性能を有する薄膜磁気ヘッド及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果素子の最上部に形成された
フリー磁性層の上に膜厚差による段差を有するバイアス
反強磁性膜を成膜形成することによって、膜厚の大きな
部分のバイアス反強磁性膜に接しているフリー磁性層の
部分の結合磁界を非常に強くし、膜厚の小さい部分のバ
イアス反強磁性膜に接しているフリー磁性層の部分の結
合磁界を小さくできるため、ギャップレングスに関わら
ずバルクハウゼンノイズが安定して抑えられ、且つ、再
生感度を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
(HDD装置)等の磁気記録媒体に対して高密度の記録
・再生を行う装置に適用され、特に、磁気抵抗効果素子
のフリー磁性層に安定したバイアス磁界を与えて再生効
率の高い磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置(HDD装置)
等の磁気記録媒体に対する記録・再生において、処理速
度の向上と記録容量の大容量化の必要性が増してきてお
り、高記録密度化への取り組みが強化されつつある。
【0003】以下、従来の薄膜磁気ヘッドについて図面
を用いて説明する。
【0004】図21及び図22は、従来の薄膜磁気ヘッ
ドを示す図であり、図21は斜視概略図、図22は薄膜
磁気ヘッドの正面概略模式図である。
【0005】例えば、磁気ディスク装置における信号の
磁気記録媒体への記録再生に用いられる薄膜磁気ヘッド
は、図21に示すような所謂MR(GMR)インダクテ
ィブ複合ヘッドと呼ばれているものが多い。
【0006】図21において、パーマロイ、Co系アモ
ルファス磁性膜或いはFe系合金磁性膜等の軟磁性材料
で成膜された下部シールド層211の上にAl23、A
lN或いはSiO2等の非磁性絶縁材料を用いて下部ギ
ャップ絶縁層212が成膜され、更にその上面に磁気抵
抗効果素子(MR素子或いはGMR素子。以下、GMR
素子と言う)213が積層成膜形成され、GMR素子2
13の左右両側端部にCoPt合金等の材料で縦バイア
ス層214が成膜される。更に、GMR素子213の上
面とその両側面とのなす交線である稜線に接し、縦バイ
アス層214の上面に、Cu、Cr或いはTa等の材料
を用いて左右一対の電極リード層215が成膜される。
ここで、縦バイアス層214の上面及びGMR素子21
3の一部の上面にかかるようにして、電極リード層20
5を成膜しても良い。次に、電極リード層215とGM
R素子213の露出した部分の上に、下部ギャップ絶縁
層212と同様の非磁性絶縁材料を用いて上部ギャップ
絶縁層216を成膜する。更に、上部ギャップ絶縁層2
16の上に、下部シールド層211と同じような軟磁性
材料を用いて上部シールド層217を成膜形成し、再生
用磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド部218を構成する。
【0007】次に、上部シールド層217の上面に下部
ギャップ絶縁層212と同様の非磁性絶縁材料を用いて
記録ギャップ層221を成膜し、更に記録ギャップ層2
21を介して上部シールド層217に対向し、且つ、他
の部分で上部シールド層217に接している上部磁極2
22を軟磁性材料を用いて成膜形成し、記録ギャップ層
221を介して上部シールド層217と上部磁極222
が対向している部分と上部磁極222が上部シールド層
217に接している部分との間で、上部シールド層21
7と上部磁極222から絶縁材(図示せず)を介して絶
縁された巻線コイル223が設けられて、記録用の誘導
型薄膜磁気ヘッド部220を構成する。ここで、上部シ
ールド層217は再生用磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
部218のシールド機能と記録用誘導型薄膜磁気ヘッド
部220の下部磁極機能とを兼ね備えた機能を有してい
る。
【0008】巻線コイル223に記録電流が供給される
ことにより、記録用誘導型薄膜磁気ヘッド部220の上
部磁極222と上部シールド層217に記録磁界が発生
し、記録ギャップ層221を介して対向する上部磁極2
22と上部シールド層217との間に漏洩磁束が発生
し、磁気記録媒体に記録信号を記録する。また、信号が
記録された磁気記録媒体に記録された信号の磁界を再生
用磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド部218で再生し、G
MR素子213による抵抗変化に応じた再生信号を電極
リード層215の端子から検出する。
【0009】図22に、薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部
における磁気抵抗効果素子近傍の正面概略模式図を示す
ように、下部シールド層211の上面に成膜された下部
ギャップ絶縁層212の上に、FeMn系合金膜、Pt
Mn系合金膜等の材料である反強磁性層224、FeN
i系合金膜、パーマロイ、Co、FeCo合金膜等を材
料とする固定磁性層225、Cu等を材料とする非磁性
層226、固定磁性層225と同様の材料とするフリー
磁性層227及びTa等を材料とするキャップ層228
が順次積層成膜され、イオンミリング等のエッチング工
程で左右両側端部が傾斜した面を持つように削り取られ
てGMR素子213が形成されている。GMR素子21
3の左右両側端面に接して、左右一対の縦バイアス層2
14が形成され、その上に左右一対の電極リード層21
5が形成されている。更に、それらの上に、上部ギャッ
プ絶縁層216が成膜され、更にその上に、上部シール
ド層217が形成され、再生用磁気抵抗効果型薄膜ヘッ
ドを構成している。近年、高記録密度化に対応した短波
長の記録信号を再生するために、再生ヘッドギャップレ
ングス229が益々小さくなってきている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成の薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部において、磁
気記録媒体に短波長で記録された信号を再生するために
は、再生ヘッドギャップレングスを小さくする必要があ
る。再生ヘッドギャップレングスは下部シールド層の上
面から上部シールド層の下面までの距離即ち下部ギャッ
プ絶縁層、GMR素子及び上部ギャップ絶縁層の夫々の
膜厚の和であり、この距離を小さくすることはGMR素
子の両側にある左右一対の縦バイアス層が下部シールド
層或いは上部シールド層に接近することになり、縦バイ
アス層の磁界が下部シールド層或いは上部シールド層に
逃げ易くなり、GMR素子の縦バイアス層近傍のフリー
磁性層にはバイアス磁界がかかるが、フリー磁性層の中
央部分(トラック幅方向の中央部分)ではバイアス磁界
が弱まって、フリー磁性層の磁化の方向が不安定にな
り、ノイズが増加し、安定した再生信号が得られず、安
定した再生信号を得るために、縦バイアス磁界を強くす
る対策を行うと、フリー磁性層の磁化は安定し、バルク
ハウゼンノイズは抑えられるが、感度が低下し、固定磁
性層の磁化の方向も大きく傾き、対称性が悪化するとい
う課題があった。
【0011】本発明は、上記の課題を解決し、GMR素
子のフリー磁性層の上に形成された膜厚の異なる段差を
有する反強磁性膜と反強磁性的に結合した結合磁界によ
って、フリー磁性層に安定した縦バイアスを加え、フリ
ー磁性層の磁化の方向を安定させ、バルクハウゼンノイ
ズの発生を抑え、再生性能の良好な磁気抵抗効果型薄膜
磁気ヘッド及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の薄膜磁気ヘッドは、反強磁性層、固定磁性
層、非磁性導電層及びフリー磁性層からなる磁気抵抗効
果素子と、膜厚差による段差のある第1の平面と第2の
平面を有するバイアス反強磁性膜とからなるようにした
構成を有している。また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、
膜厚の小さい第1の平面を構成するバイアス反強磁性膜
の部分に接しているフリー磁性層の部分の反強磁性結合
による結合磁界が 8kA/m以下(100Oe 以
下) であるようにした構成を有している。
【0013】この構成によって、非常に強く磁化方向を
固定したい部分(フリー磁性層のトラック幅部分以外の
部分)に強いバイアス磁界をかけ、一方、バルクハウゼ
ンノイズを抑えるためにバイアス磁界はかけなければな
らないが、強い磁界をかけると再生感度が低下するため
あまり強い磁界をかけたくない部分(フリー磁性層のト
ラック幅部分)に最適なバイアス磁界をかけることが、
それぞれの部分の反強磁性膜の膜厚によって容易に制御
することが可能となる。つまり、膜厚の大きな第2の平
面の部分の反強磁性膜に接しているフリー磁性層には、
強い反強磁性結合による結合磁界が得られて、その磁化
の方向は非常に安定したものとなり、そのため、膜厚の
小さい第1の平面の部分の反強磁性膜に接しているフリ
ー磁性層の部分の反強磁性結合による結合磁界が小さく
ても、安定して膜厚の大きな第2の平面の部分の反強磁
性膜に接しているフリー磁性層の磁化の方向と同じ磁化
の方向に向き易くなり、また、膜厚の小さい第1の平面
の部分の反強磁性膜に接しているフリー磁性層の部分の
反強磁性結合磁界は小さいため、外部磁界即ち磁気記録
媒体からの磁界によって、その磁化の方向が変化し易く
なり、バルクハウゼンノイズの発生が少なく、再生感度
が高く、再生性能を安定化させることができる。また、
反強磁性膜との結合磁界によってバイアス磁界をかける
ため、ギャップレングスに関わらず同様の効果を有し、
かつ、このバイアス磁界が固定磁性層に与える影響はな
く、それによる固定磁性層の磁化の傾きも生じないた
め、出力波形の対称性の劣化が抑えられる。また、第一
の平面の部分の反強磁性膜の膜厚を最適に選ぶことによ
って、反強磁性膜とフリー磁性層との結合磁界を8kA
/m以下の強さに安定して与えることができ、再生性能
の向上を図ることができる。
【0014】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、下部ギャップ絶縁層の上に、反強磁性層、固定磁性
層、非磁性層及びフリー磁性層を順次積層成膜して、磁
気抵抗効果素子を形成する第1の工程と、磁気抵抗効果
素子の上を覆うように、バイアス反強磁性層膜を成膜し
た後、バイアス反強磁性層膜の一部を削除し、第1の平
面を有する膜厚の小さい部分と第2の平面を有する膜厚
の大きい部分とからなる段差のあるバイアス反強磁性膜
を形成する第2の工程と、バイアス反強磁性膜の上を覆
うように、電極リード層膜を成膜し、バイアス反強磁性
膜の第1の平面の少なくとも一部が露出するように、少
なくとも電極リード層膜の一部を削除して、左右一対の
電極リード層を形成する第3の工程とを有している。ま
た、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、バイアス反
強磁性膜の第1の平面上に茸型レジストを形成して、バ
イアス反強磁性膜の上に左右一対の電極リード層を形成
する第3の工程を有している。また、本発明の薄膜磁気
ヘッドの製造方法は、フリー磁性層の上を覆うように、
バイアス反強磁性層膜を成膜する第2の工程と、更に、
その上を覆うように、電極リード層膜を成膜した後、バ
イアス反強磁性層膜の一部が削り取られて露出するよう
に、電極リード層膜及びバイアス反強磁性層膜の夫々の
一部を削除して、削除されて露出したバイアス反強磁性
層膜の上面を第1の平面、成膜時のバイアス反強磁性層
膜の上面を第2の平面とする膜厚差による段差を有する
バイアス反強磁性膜及びバイアス反強磁性膜の第2の平
面上に左右一対の電極リード層を形成する第3の工程と
を有している。また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方
法は、下部ギャップ絶縁層の上に、反強磁性層、固定磁
性層、非磁性層及びフリー磁性層を順次積層成膜して、
磁気抵抗効果素子を形成する第1の工程と、磁気抵抗効
果素子を構成するフリー磁性層の上を覆うように、第1
のバイアス反強磁性膜を成膜し、第1のバイアス反強磁
性膜の上面に茸型レジストを形成して、左右一対の第2
のバイアス反強磁性膜を成膜形成し、第1のバイアス反
強磁性膜の露出している上面を第1の平面、第2のバイ
アス反強磁性膜の上面を第2の平面とし、且つ、第1の
平面の部分の膜厚は第1のバイアス反強磁性膜の膜厚で
あり、第2の平面の部分の膜厚は第1のバイアス反強磁
性膜の膜厚と第2のバイアス反強磁性膜の膜厚との和で
あり、それらの間に膜厚差を有する段差があるバイアス
反強磁性膜を形成する第2の工程と、第2のバイアス反
強磁性膜の上に、左右一対の電極リード層を成膜形成す
る第3の工程とを有している。また、本発明の薄膜磁気
ヘッドの製造方法は、磁気抵抗効果素子を構成する前記
フリー磁性層の上を覆うように、第1のバイアス反強磁
性膜を成膜し、第1のバイアス反強磁性膜の上面に茸型
レジストを形成して、第1のバイアス反強磁性膜の上面
をクリーニングした後、左右一対の第2のバイアス反強
磁性膜を成膜形成し、第1のバイアス反強磁性膜の露出
している上面を第1の平面、第2のバイアス反強磁性膜
の上面を第2の平面とし、第1の平面と第2の平面との
間に膜厚差による段差があるバイアス反強磁性膜を形成
する第2の工程を有している。また、本発明の薄膜磁気
ヘッドの製造方法は、前記第2の工程にて形成したレジ
ストを削除した後、第1のバイアス反強磁性膜の露出し
た部分及び左右一対の第2のバイアス反強磁性膜の上を
覆うように、電極リード層膜を成膜し、第1のバイアス
反強磁性膜の少なくとも一部が露出するように、少なく
とも電極リード層膜の一部を削除して、左右一対の電極
リード層を形成する第3の工程を有している。また、本
発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、第2の工程にて形
成したレジストを削除した後、第1のバイアス反強磁性
膜の第1の平面の上に、茸型レジストを形成して、左右
一対の電極リード層を形成する第3の工程を有してい
る。また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、段差
を有するバイアス反強磁性膜の上に形成された左右一対
の電極リード層及びバイアス反強磁性膜の第1の平面の
露出した部分の上を覆うように、キャップ層を形成する
第4の工程を有している。また、本発明の薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法は、下部ギャップ絶縁層の上に、反強磁性
層、固定磁性層、非磁性層及びフリー磁性層を順次積層
成膜して、磁気抵抗効果素子を形成する第1の工程と、
フリー磁性層の上を覆うように第1のバイアス反強磁性
膜を成膜し、更に、その上を覆うようにキャップ層を成
膜した後、キャップ層の上に茸型レジストを形成して、
第1のバイアス反強磁性膜が露出するように、少なくと
もキャップ層の一部を削り取り、その上に、左右一対の
第2のバイアス反強磁性膜を成膜形成して、キャップ層
に接した第1のバイアス反強磁性膜の上面を第1の平
面、第2のバイアス反強磁性膜の上面を第2の平面と
し、且つ、第1の平面の部分の膜厚は第1のバイアス反
強磁性膜の膜厚であり、第2の平面の部分の膜厚は第1
のバイアス反強磁性膜の膜厚と第2のバイアス反強磁性
膜の膜厚との和であり、それらの間に膜厚差を有する段
差があるバイアス反強磁性膜を形成する第2の工程と、
第2のバイアス反強磁性膜の上に、左右一対の電極リー
ド層を成膜形成する第3の工程とを有している。また、
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、第2の工程にて
形成されたレジストを削除した後、キャップ層の上に茸
型レジストを形成して、左右一対の電極リード層を成膜
形成する第3の工程を有している。また、本発明の薄膜
磁気ヘッドの製造方法は、第2の工程にて形成されたレ
ジストを削除した後、第2のバイアス反強磁性膜及びキ
ャップ層の上を覆うように、電極リード層膜を成膜し、
キャップ層の少なくとも一部が露出するように、少なく
とも電極リード層膜の一部を削除して、左右一対の電極
リード層を形成する第3の工程を有している。
【0015】この方法によって、膜厚差による段差を有
する反強磁性膜をフリー磁性層の上に形成することによ
り、非常に強く磁化方向を固定したい部分(フリー磁性
層のトラック幅部分以外の部分)に強いバイアス磁界を
かけ、一方、バルクハウゼンノイズを抑えるためにバイ
アス磁界はかけなければならないが、強い磁界をかける
と再生感度が低下するためあまり強い磁界をかけたくな
い部分(フリー磁性層のトラック幅方向中央部)に最適な
バイアス磁界をかけることが、それぞれの部分の反強磁
性膜の膜厚によって容易に制御することが可能な磁気抵
抗効果型薄膜磁気ヘッドを作製することができる。つま
り、左右の膜厚の大きな部分に接しているフリー磁性層
は非常に強い反強磁性結合による結合磁界で結合され、
一方ヘッドトラック部近傍においては、フリー磁性層は
膜厚の小さい反強磁性膜に接しており、比較的小さな反
強磁性結合磁界によって結合されるが、その磁化の方向
は、膜厚の大きな反強磁性膜と強い反強磁性結合による
結合磁界を有しているフリー磁性層の磁化の方向と同じ
方向に向くことになり、非常に安定した磁化の方向が得
られ、ノイズの少ない、再生感度の高い、高再生性能の
磁気抵抗効果型薄膜ヘッドを作製することができる。更
に、上面がクリーニングされた第1の反強磁性膜の上
に、第2の反強磁性膜が成膜形成されるため、第1の反
強磁性膜と第2の反強磁性膜の間で、非常に良好な密着
性および磁気的な結合が安定して得られ、フリー磁性層
の磁化の方向が非常に安定した磁気抵抗効果型薄膜磁気
ヘッドを作製することができる。また、キャップ層を形
成することにより、反強磁性膜上面の酸化が防止され、
耐食性も向上し、それらによる特性劣化が少ない、再生
性能の優れた磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを作製する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、下部シールド層と上部シールド層との間に絶縁材を
介して磁気抵抗効果素子を有し、前記磁気抵抗効果素子
に接して設けられた縦バイアス層と、信号電流を流すた
めの電極リード層からなる磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッ
ドにおいて、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及
びフリー磁性層からなる磁気抵抗効果素子と、膜厚差に
よる段差のある第1の平面と第2の平面を有するバイア
ス反強磁性膜とからなる構成を有することを特徴とした
ものであり、また、本発明の請求項2に記載の発明は、
膜厚の小さい第1の平面を構成するバイアス反強磁性膜
の部分に接しているフリー磁性層の部分の反強磁性結合
による結合磁界が 8kA/m 以下 (100Oe
以下) であることを特徴としたものであり、非常に強
く磁化方向を固定したい部分(フリー磁性層のトラック
幅部分以外の部分)に強いバイアス磁界をかけ、一方、
バルクハウゼンノイズを抑えるためにバイアス磁界はか
けなければならないが、強い磁界をかけると再生感度が
低下するためあまり強い磁界をかけたくない部分(フリ
ー磁性層のトラック幅方向中央部)に最適なバイアス磁
界をかけることが、それぞれの部分の反強磁性膜の膜厚
によって容易に制御することが可能となる。つまり、膜
厚の大きな第2の平面の部分の反強磁性膜に接している
フリー磁性層には、強い反強磁性結合による結合磁界が
得られて、その磁化の方向は非常に安定したものとな
り、そのため、膜厚の小さい第1の平面の部分の反強磁
性膜に接しているフリー磁性層の部分の反強磁性結合に
よる結合磁界が小さくても、安定して膜厚の大きな第2
の平面の部分の反強磁性膜に接しているフリー磁性層の
磁化の方向と同じ磁化の方向に向き易くなり、また、膜
厚の小さい第1の平面の部分の反強磁性膜に接している
フリー磁性層の部分の反強磁性結合磁界は小さいため、
外部磁界即ち磁気記録媒体からの磁界によって、その磁
化の方向が変化し易くなり、バルクハウゼンノイズの発
生が少なく、再生感度が高く、再生性能を安定化させる
ことができる。また、反強磁性膜との結合磁界によって
バイアス磁界をかけるため、ギャップレングスに関わら
ず同様の効果を有し、かつ、このバイアス磁界が固定磁
性層に与える影響はなく、それによる固定磁性層の磁化
の傾きも生じないため、出力波形の対称性の劣化が抑え
られる。また、第一の平面の部分の反強磁性膜の膜厚を
最適に選ぶことによって、反強磁性膜とフリー磁性層と
の結合磁界を8kA/m以下の強さに安定して与えるこ
とができ、再生性能の向上を図ることができるという作
用を有している。
【0017】また、本発明の請求項3に記載の発明は、
下部ギャップ絶縁層の上に、反強磁性層、固定磁性層、
非磁性層及びフリー磁性層を順次積層成膜して、磁気抵
抗効果素子を形成する第1の工程と、磁気抵抗効果素子
の上を覆うように、バイアス反強磁性層膜を成膜した
後、バイアス反強磁性層膜の一部を削除し、第1の平面
を有する膜厚の小さい部分と第2の平面を有する膜厚の
大きい部分とからなる段差のあるバイアス反強磁性膜を
形成する第2の工程と、バイアス反強磁性膜の上を覆う
ように、電極リード層膜を成膜し、バイアス反強磁性膜
の第1の平面の少なくとも一部が露出するように、少な
くとも電極リード層膜の一部を削除して、左右一対の電
極リード層を形成する第3の工程とを有することを特徴
としたものであり、また、本発明の請求項4に記載の発
明は、請求項3の第3の工程において、バイアス反強磁
性膜の第1の平面上に茸型レジストを形成して、バイア
ス反強磁性膜の上に左右一対の電極リード層を形成する
第3の工程を有することを特徴としたものであり、ま
た、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3の第2
の工程及び第3の工程において、フリー磁性層の上を覆
うように、バイアス反強磁性層膜を成膜する第2の工程
と、更に、その上を覆うように、電極リード層膜を成膜
した後、バイアス反強磁性層膜の一部が削り取られて露
出するように、電極リード層膜及びバイアス反強磁性層
膜の夫々の一部を削除して、削除されて露出したバイア
ス反強磁性層膜の上面を第1の平面、成膜時のバイアス
反強磁性層膜の上面を第2の平面とする膜厚差による段
差を有するバイアス反強磁性膜及びバイアス反強磁性膜
の第2の平面上に左右一対の電極リード層を形成する第
3の工程とを有することを特徴としたものであり、ま
た、本発明の請求項6に記載の発明は、下部ギャップ絶
縁層の上に、反強磁性層、固定磁性層、非磁性層及びフ
リー磁性層を順次積層成膜して、磁気抵抗効果素子を形
成する第1の工程と、磁気抵抗効果素子を構成するフリ
ー磁性層の上を覆うように、第1のバイアス反強磁性膜
を成膜し、第1のバイアス反強磁性膜の上面に茸型レジ
ストを形成して、左右一対の第2のバイアス反強磁性膜
を成膜形成し、第1のバイアス反強磁性膜の露出してい
る上面を第1の平面、第2のバイアス反強磁性膜の上面
を第2の平面とし、且つ、第1の平面の部分の膜厚は第
1のバイアス反強磁性膜の膜厚であり、第2の平面の部
分の膜厚は第1のバイアス反強磁性膜の膜厚と第2のバ
イアス反強磁性膜の膜厚との和であり、それらの間に膜
厚差を有する段差があるバイアス反強磁性膜を形成する
第2の工程と、第2のバイアス反強磁性膜の上に、左右
一対の電極リード層を成膜形成する第3の工程とを有す
ることを特徴としたものであり、また、本発明の請求項
8に記載の発明は、請求項6の第3の工程において、第
2の工程にて形成したレジストを削除した後、第1のバ
イアス反強磁性膜の露出した部分及び左右一対の第2の
バイアス反強磁性膜の上を覆うように、電極リード層膜
を成膜し、第1のバイアス反強磁性膜の少なくとも一部
が露出するように、少なくとも電極リード層膜の一部を
削除して、左右一対の電極リード層を形成する第3の工
程を有することを特徴としたものであり、また、本発明
の請求項9に記載の発明は、請求項6の第3の工程にお
いて、第2の工程にて形成したレジストを削除した後、
第1のバイアス反強磁性膜の第1の平面の上に、茸型レ
ジストを形成して、左右一対の電極リード層を形成する
第3の工程を有することを特徴としたものであり、非常
に強く磁化方向を固定したい部分(フリー磁性層のトラ
ック幅部分以外の部分)に強いバイアス磁界をかけ、一
方、バルクハウゼンノイズを抑えるためにバイアス磁界
はかけなければならないが、強い磁界をかけると再生感
度が低下するためあまり強い磁界をかけたくない部分
(フリー磁性層のトラック幅方向中央部)に最適なバイア
ス磁界をかけることが、それぞれの部分の反強磁性膜の
膜厚によって容易に制御することが可能な磁気抵抗効果
型薄膜磁気ヘッドを作製することができる。つまり、膜
厚差による段差を有する反強磁性膜をフリー磁性層の上
に形成することによって、左右の膜厚の大きな部分に接
しているフリー磁性層は非常に強い反強磁性結合による
結合磁界で結合され、一方ヘッドトラック部近傍におい
てはフリー磁性層は膜厚の小さい反強磁性膜に接してお
り、比較的小さな反強磁性結合磁界によって結合される
が、その磁化の方向は、膜厚の大きな反強磁性膜と強い
反強磁性結合による結合磁界を有しているフリー磁性層
の磁化の方向と同じ方向に向くことになり、非常に安定
した磁化の方向が得られ、ノイズの少ない、再生感度の
高い、高再生性能の磁気抵抗効果型薄膜ヘッドを作製す
ることができるという作用を有している。
【0018】また、本発明の請求項7に記載の発明は、
請求項6の第2の工程において、磁気抵抗効果素子を構
成するフリー磁性層の上を覆うように、第1のバイアス
反強磁性膜を成膜し、第1のバイアス反強磁性膜の上面
に茸型レジストを形成して、第1のバイアス反強磁性膜
の上面をクリーニングした後、左右一対の第2のバイア
ス反強磁性膜を成膜形成し、第1のバイアス反強磁性膜
の露出している上面を第1の平面、第2のバイアス反強
磁性膜の上面を第2の平面とし、第1の平面と第2の平
面との間に膜厚差による段差があるバイアス反強磁性膜
を形成する第2の工程を有することを特徴としたもので
あり、膜厚差による段差を有する反強磁性膜をフリー磁
性層の上に形成することによって、フリー磁性層には非
常に安定した磁化の方向が得られることになり、更に、
上面がクリーニングされた第1の反強磁性膜の上に、第
2の反強磁性膜が成膜形成されるため、第1の反強磁性
膜と第2の反強磁性膜の間で、非常に良好な密着性およ
び磁気的な結合が安定して得られ、フリー磁性層の磁化
の方向が非常に安定したものとなり、ノイズの少ない、
再生感度の高い、高再生性能の磁気抵抗効果型薄膜ヘッ
ドを作製することができるという作用を有している。
【0019】また、本発明の請求項10に記載の発明
は、段差を有するバイアス反強磁性膜の上に形成された
左右一対の電極リード層及びバイアス反強磁性膜の第1
の平面の露出した部分の上を覆うように、キャップ層を
形成する第4の工程を有することを特徴としたものであ
り、また、本発明の請求項11に記載の発明は、下部ギ
ャップ絶縁層の上に、反強磁性層、固定磁性層、非磁性
層及びフリー磁性層を順次積層成膜して、磁気抵抗効果
素子を形成する第1の工程と、フリー磁性層の上を覆う
ように第1のバイアス反強磁性膜を成膜し、更に、その
上を覆うようにキャップ層を成膜した後、キャップ層の
上に茸型レジストを形成して、第1のバイアス反強磁性
膜が露出するように、少なくともキャップ層の一部を削
り取り、その上に、左右一対の第2のバイアス反強磁性
膜を成膜形成して、キャップ層に接した第1のバイアス
反強磁性膜の上面を第1の平面、第2のバイアス反強磁
性膜の上面を第2の平面とし、且つ、第1の平面の部分
の膜厚は第1のバイアス反強磁性膜の膜厚であり、第2
の平面の部分の膜厚は第1のバイアス反強磁性膜の膜厚
と第2のバイアス反強磁性膜の膜厚との和であり、それ
らの間に膜厚差を有する段差があるバイアス反強磁性膜
を形成する第2の工程と、第2のバイアス反強磁性膜の
上に、左右一対の電極リード層を成膜形成する第3の工
程とを有することを特徴としたものであり、また、本発
明の請求項12に記載の発明は、請求項11の第3の工
程において、第2の工程にて形成されたレジストを削除
した後、キャップ層の上に茸型レジストを形成して、左
右一対の電極リード層を成膜形成する第3の工程を有す
ることを特徴としたものであり、また、本発明の請求項
13に記載の発明は、請求項11の第3の工程におい
て、第2の工程にて形成されたレジストを削除した後、
第2のバイアス反強磁性膜及びキャップ層の上を覆うよ
うに、電極リード層膜を成膜し、キャップ層の少なくと
も一部が露出するように、少なくとも電極リード層膜の
一部を削除して、左右一対の電極リード層を形成する第
3の工程を有することを特徴としたものであり、膜厚差
による段差を有する反強磁性膜をフリー磁性層の上に形
成することによって、フリー磁性層には非常に安定した
磁化の方向が得られることになり、更に、少なくともバ
イアス反強磁性膜の露出している部分の上に、キャップ
層を成膜することによって、バイアス反強磁性膜の露出
した部分の酸化を防止し、耐食性を向上させることがで
き、それらによる特性劣化が少なく、ノイズの少ない、
再生感度の高い、高再生性能の磁気抵抗効果型薄膜ヘッ
ドを作製することができるという作用を有している。
【0020】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。
【0021】(実施の形態1)図1及び図2は、本発明
の実施の形態1の概要を示す概略説明図で、図1は磁気
記録媒体に対向するヘッド摺動面側から見た正面概略模
式図、図2は磁気記録媒体に対向するヘッド摺動面側か
ら見た薄膜磁気ヘッドの一部の正面概略模式図である。
【0022】図1において、パーマロイ、Co系アモル
ファス磁性膜或いはFe系微粒子磁性膜等の軟磁性材料
を素材とする下部シールド層(図示せず)の上に成膜さ
れたAl23、AlN或いはSiO2等の非磁性絶縁材
料を用いた下部ギャップ絶縁層(図示せず)の上に、I
rMn、αFe24、NiO、FeMn系合金膜、Pt
Mn系合金膜等の材料である反強磁性層1、NiFe系
合金膜、Co、CoFe合金膜等を材料とする固定磁性
層2、Cu等を材料とする非磁性層3及び固定磁性層2
と同様の強磁性材料を材料とするフリー磁性層4で構成
された磁気抵抗効果素子5(MR素子或いはGMR素
子。以下、GMR素子と言う)が構成されている。更
に、GMR素子5を構成する最上部にあるフリー磁性層
4の上面に、膜厚が異なることによって第1の平面6及
び第2の平面7のある段差を有し、且つ、反強磁性層1
とは異種の反強磁性材料(場合によっては、酸化金属膜
を用いない方が良い)を用いてバイアス反強磁性膜8が
形成されている。更に、バイアス反強磁性膜8の上に、
左右一対の電極リード層9が形成されている。
【0023】尚、左右一対の電極リード層9及びバイア
ス反強磁性膜8の露出している部分の上に、Ta等の非
磁性材料を材料としてキャップ層10を成膜し、バイア
ス反強磁性膜8の露出した部分の酸化を防止し、耐食性
を向上させるのが好ましい。
【0024】固定磁性層2或いはフリー磁性層4の夫々
に磁化の方向を付加する反強磁性層1或いはバイアス反
強磁性膜8への夫々の熱処理(アニール処理)は、キャ
ップ層10が形成された後、且つキャップ層10、電極
リード層9及びバイアス反強磁性膜8が所定の形状にパ
ターニングされて削り取られる前に、実施するのが良
い。また、固定磁性層2に磁化の方向を設定するための
反強磁性層1の熱処理条件とフリー磁性層に磁化の方向
を付加するためのバイアス反強磁性膜8の熱処理条件と
は、磁界の強さ、熱処理温度及び熱処理時間の少なくと
も1つの条件が異なるように、反強磁性層1及びバイア
ス反強磁性膜8の夫々の材料を選定しなければならな
い。
【0025】固定磁性層2は、反強磁性層1と強く反強
磁性結合し、その結合磁界によって、その磁化の方向が
Y方向(紙面に直角の方向)に強く固定されている。他
方、フリー磁性層4は、その上面にある膜厚差による段
差を有するバイアス反強磁性膜8と反強磁性結合による
結合磁界によって結合され、その磁化の方向がX方向
(トラック幅方向)になるように磁化されているが、バ
イアス反強磁性膜8の膜厚によってその反強磁性結合に
よる結合磁界の強さが異なることになり、膜厚の小さい
第1の平面6の部分のバイアス反強磁性膜8に接してい
るフリー磁性層4の部分と、膜厚の大きい第2の平面7
の部分のバイアス反強磁性膜8に接しているフリー磁性
層4の部分では、その結合磁界の強さに差が生ずる。一
般的に、膜厚が大きくなるにしたがって、その結合磁界
も大きくなり、或る範囲以上になれば飽和するという特
性を有し、その変化特性はバイアス反強磁性膜8の材料
により異なる。
【0026】図3はフリー磁性層にかかる結合磁界の強
さと再生出力の関係をシミュレーションした図であり、
フリー磁性層に付加された磁界の強さが非常に強い場合
に比較して小さい時の方が再生出力は非常に高くなるこ
とが分かる。特に、8kA/m以下(100Oe以下)
で急激に出力が向上している。
【0027】従って、膜厚の小さい第1の平面6の部分
のバイアス反強磁性膜8に接しているフリー磁性層4の
部分において、バイアス反強磁性膜の第1の平面の部分
の膜厚及びフリー磁性層に磁化の方向を与える熱処理条
件(磁界の強さ、熱処理温度及び熱処理時間)を適当に
設定し、バイアス反強磁性膜と第1の平面の部分のフリ
ー磁性層との反強磁性結合による結合磁界が、8kA/
m以下(100Oe以下)になるようにすることによっ
て、高い再生出力を得ることができる。
【0028】また、GMR素子5を構成する固定磁性層
2が、図2(a)に示すように、反強磁性層1の上に、
第1の固定磁性層膜21、非磁性層膜22、第2の固定
磁性層膜23が積層成膜された構成を有している積層固
定磁性層24であっても良い。この時、第1の固定磁性
層膜21及び第2の固定磁性層膜23の間に介在する非
磁性層膜22の膜厚によって、その非磁性層膜22を介
して対向する第1の固定磁性層膜21及び第2の固定磁
性層膜23の磁化の方向が夫々同じ方向になったり、或
いはお互いに逆の方向になったりする。
【0029】また、GMR素子5を構成するフリー磁性
層4が、図2(b)に示すように、フリー磁性層4と同
様の材料を用いて、第1のフリー磁性層膜25、第2の
フリー磁性層膜26、………、第nのフリー磁性層膜2
7と順次積層成膜され、且つ、隣り合うフリー磁性層膜
の材料はお互いに異種の材料を用いて成膜されている積
層フリー磁性層28でも良いのは言うまでもない。
【0030】尚、本実施の形態1において、磁気抵抗効
果素子を構成する非磁性層としてCu等の非磁性導電材
を用いた所謂GMR素子について説明をしてきたが、非
磁性層としてAl23等の非磁性絶縁材を用いた所謂T
MR素子に対しても電極リード層等の構成を変えて本発
明を適用することができるのは言うまでもないことであ
る。
【0031】以上のように本実施の形態1によれば、非
常に強く磁化方向を固定したい部分(フリー磁性層のト
ラック幅部分以外の部分)に強いバイアス磁界をかけ、
一方、バルクハウゼンノイズを抑えるためにバイアス磁
界はかけなければならないが、強い磁界をかけると再生
感度が低下するためあまり強い磁界をかけたくない部分
(フリー磁性層のトラック幅部分)に最適なバイアス磁界
をかけることが、それぞれの部分の反強磁性膜の膜厚に
よって容易に制御することが可能となる。つまり、膜厚
の大きな第2の平面の部分の反強磁性膜に接しているフ
リー磁性層には、強い反強磁性結合による結合磁界が得
られて、その磁化の方向は非常に安定したものとなり、
そのため、膜厚の小さい第1の平面の部分の反強磁性膜
に接しているフリー磁性層の部分の反強磁性結合による
結合磁界が小さくても、安定して膜厚の大きな第2の平
面の部分の反強磁性膜に接しているフリー磁性層の磁化
の方向と同じ磁化の方向に向き易くなり、また、膜厚の
小さい第1の平面の部分の反強磁性膜に接しているフリ
ー磁性層の部分の反強磁性結合磁界は小さいため、外部
磁界即ち磁気記録媒体からの磁界によって、その磁化の
方向が変化し易くなり、バルクハウゼンノイズの発生が
少なく、再生感度が高く、再生性能を安定化させること
ができる。また、バイアス反強磁性膜との結合磁界によ
ってバイアス磁界をかけるため、ギャップレングスに関
わらず同様の効果を有し、かつ、このバイアス磁界が固
定磁性層に与える影響はなく、それによる固定磁性層の
磁化の傾きも生じないため、出力波形の対称性の劣化が
抑えられる。また、第一の平面の部分の反強磁性膜の膜
厚を最適に選ぶことによって、反強磁性膜とフリー磁性
層との結合磁界を8kA/m以下の強さに安定して与え
ることができ、再生性能の向上を図ることができる。
【0032】また、積層固定磁性層にすることによっ
て、反強磁性層との結合磁界による磁化の方向が非常に
安定し、且つ、非磁性層膜の膜厚を適当な範囲で選ぶこ
とによって、非磁性層膜を介して対向する2つの固定磁
性層膜の間で、反強磁性的に強く結合させることがで
き、磁化の方向が強く固定され、且つ、お互いの磁化の
方向が逆の方向になって端面磁荷による漏れ磁界が抑え
られ、端面における磁化の方向も非常に安定したものと
なる。
【0033】(実施の形態2)図4〜図11は本発明の
実施の形態2を示す概略説明図であり、再生用磁気抵抗
効果型薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明するための工程
概要説明図で、磁気記録媒体に対向するヘッド摺動面の
近傍をヘッド摺動面に平行な面で断面にした概略断面図
である。以下、図面を用いて再生用磁気抵抗効果型薄膜
磁気ヘッドの製造方法を各工程順に説明する。
【0034】図4に示すように、AlTiC等を材料と
した基板40の上に成膜され、パーマロイ、Co系アモ
ルファス磁性膜或いはFe系微粒子磁性膜等の軟磁性材
料を素材とする下部シールド層41の上にAl23、A
lN或いはSiO2等の非磁性絶縁材料を用いて下部ギ
ャップ絶縁層42を成膜する。
【0035】次に、第1の工程として、図5(a)に示
すように、下部ギャップ絶縁層42の上に、IrMn、
αFe23、NiO、FeMn系合金膜、NiMn系合
金膜或いはPtMn系合金膜等の材料を用いて反強磁性
層51を成膜し、更に、図5(b)に示すように、その
上に、NiFe系合金膜、Co或いはCoFe合金膜等
を材料として固定磁性層52を成膜する。次に、図5
(c)に示すように、固定磁性層52の上に、Cu等を
材料とする非磁性層53を成膜する。更に、図5(d)
に示すように、非磁性層53の上に、固定磁性層52と
同様の材料を用いてフリー磁性層54を成膜し、反強磁
性層51、固定磁性層52、非磁性層53及びフリー磁
性層54が薄膜で順次積層成膜されたGMR素子55を
形成する。
【0036】第2の工程として、図6(a)に示すよう
に、GMR素子55の上に、GMR素子55を構成する
反強磁性層51とは異種の反強磁性材料(但し、場合に
よっては、αFe23、NiO等の酸化金属材料は使わ
ないほうが良い)を用いてバイアス反強磁性層膜61を
成膜した後、図6(b)に示すように、GMR素子55
及びバイアス反強磁性層膜61の略中央部即ちヘッドト
ラック幅を形成する部分の近傍において、フォトレジス
トを塗布してバイアス反強磁性層膜61の一部をドライ
エッチング等の方法により削り取り、削り取られて膜厚
が小さくなっている第1の平面62及び左右の削り取ら
れていない膜厚の大きい第2の平面63を有する段差の
ある反強磁性膜64を形成する。
【0037】第3の工程として、図7(a)に示すよう
に、Cu、Cr或いはTa等の非磁性材料を用いて電極
リード層膜71を段差のあるバイアス反強磁性膜64の
上に成膜し、図7(b)に示すように、バイアス反強磁
性膜64の膜厚の小さい部分の第1の平面62の一部が
露出するように、フォトレジストを塗布してドライエッ
チング等の方法により、少なくとも電極リード層膜71
の一部を削り取って、左右一対の電極リード層72を形
成する。 第4の工程として、図8に示すように、左右
一対の電極リード層72及びバイアス反強磁性膜64の
第1の平面62の一部の露出した部分の上に、Ta等の
材料を用いてキャップ層81を成膜する。
【0038】次に、図示しないが、キャップ層81、左
右一対の電極リード層72及びバイアス反強磁性膜64
を所定の形状にパターニングして削り取り、更に、それ
らの上に、下部ギャップ絶縁層42と同様の絶縁材料を
用いて上部ギャップ絶縁層を成膜し、更に、その上に、
下部シールド層41と同様の軟磁性材料を用いて上部シ
ールド層を成膜形成して、再生用磁気抵抗効果型薄膜磁
気ヘッドを作製する。
【0039】また、前述の第1の工程として、図9
(a)に示すように、下部ギャップ絶縁層42の上に、
反強磁性層51を成膜し、更にその上に、NiFe系合
金膜、Co或いはCoFe合金膜等を材料とした第1の
固定磁性層膜901、Ru等の非磁性材料を用いた第1
の非磁性層膜902、第1の固定磁性層膜901と同様
の材料を用いた第2の固定磁性層膜903を順次積層成
膜して、積層固定磁性層91を形成し、その上に、Cu
等を材料とする非磁性層53及び第1の固定磁性層膜9
01等の材料と同様の材料を用いたフリー磁性層54を
順次成膜して、GMR素子92を形成しても良い。
【0040】また、前述の第1の工程として、図9
(b)に示すように、下部ギャップ絶縁層42の上に、
反強磁性層51、固定磁性層52及び非磁性層53を順
次成膜し、更に、その上に第1のフリー磁性層膜91
1、第2のフリー磁性層膜912、………、第nのフリ
ー磁性層膜913(nは2以上の正の整数)を順次積層
成膜して、積層フリー磁性層93を形成して、GMR素
子94を形成しても良い。
【0041】また、第1の工程にて積層成膜してGMR
素子55を形成する装置と第2の工程にてバイアス反強
磁性層膜61を成膜する装置が異なる場合には、第2の
工程として、フリー磁性層54の上面をAr等によるプ
リスパッタ或いはECR等の方法によってクリーニング
し、フリー磁性層54の上面の酸化膜、異物或いは汚れ
等を取り除いた後、図6に示すように、バイアス反強磁
性層膜61を成膜して、ドライエッチング等の方法によ
り、バイアス反強磁性層膜61の一部を削り取り、膜厚
差を有する段差のあるバイアス反強磁性膜64を形成し
た方が好ましい。この時、フリー磁性層54の上面をク
リーニングすることによって、フリー磁性層54とバイ
アス反強磁性膜64との間には異物の介在がなく、非常
に良好な密着性および磁気的な結合が安定して得られる
ため、バイアス反強磁性膜64とフリー磁性層54の結
合磁界の強さが低下することなく、より安定した結合磁
界を得ることができる。
【0042】また、前述の第3の工程において、図10
に示すように、バイアス反強磁性膜64の第1の平面6
2の上に、茸型レジスト101を形成して、バイアス反
強磁性膜64の上に左右一対の電極リード層102を成
膜形成しても良い。
【0043】また、第2の工程及び第3の工程におい
て、第2の工程として、前述の第2の工程と同様にして
図6(a)に示すように、フリー磁性層54の上を覆う
ように、バイアス反強磁性層膜61を成膜した後、第3
の工程として、図11(a)に示すように、更にその上
を覆うように、電極リード層膜111を成膜し、図11
(b)に示すように、フォトレジストを塗布して、電極
リード層膜111及びバイアス反強磁性層膜61の一部
をドライエッチング等の方法により削り取って、中央部
の膜厚が小さい第1の平面112を有し、左右に膜厚の
大きい第2の平面113を有する段差のあるバイアス反
強磁性膜114及びバイアス反強磁性膜114の第2の
平面113の上に左右一対の電極リード層115を形成
しても良い。尚、バイアス反強磁性層膜61を成膜する
前に、フリー磁性層54の上面をクリーニングしておい
ても良いのは言うまでもない。
【0044】以上のように本実施の形態2によれば、非
常に強く磁化方向を固定したい部分(フリー磁性層のト
ラック幅部分以外の部分)に強いバイアス磁界をかけ、
一方、バルクハウゼンノイズを抑えるためにバイアス磁
界はかけなければならないが、強い磁界をかけると再生
感度が低下するためあまり強い磁界をかけたくない部分
(フリー磁性層のトラック幅部分)に最適なバイアス磁界
をかけることが、それぞれの部分の反強磁性膜の膜厚に
よって容易に制御することが可能な磁気抵抗効果型薄膜
磁気ヘッドを作製することができる。つまり、バイアス
反強磁性膜とフリー磁性層との反強磁性結合した結合磁
界は、バイアス反強磁性膜の膜厚によって変化する。即
ち、バイアス反強磁性膜の膜厚が大きい程、結合磁界が
大きくなり、ある程度以上の膜厚になればその結合磁界
が飽和するという特性を利用して、膜厚差による段差を
有するバイアス反強磁性膜をフリー磁性層の上に形成す
ることによって、左右の膜厚の大きな部分に接している
フリー磁性層は非常に強い結合磁界で結合され、一方ヘ
ッドトラック部近傍においてはフリー磁性層は膜厚の小
さいバイアス反強磁性膜に接しており、比較的小さな結
合磁界によって結合されるが、その磁化の方向は、膜厚
の大きなバイアス反強磁性膜と強い結合磁界を有してい
るフリー磁性層の磁化の方向と同じ方向に向くことにな
り、非常に安定した磁化の方向が得られることになり、
ノイズの少ない、再生感度の高い、高再生性能の磁気抵
抗効果型薄膜ヘッドを作製することができる。また、バ
イアス反強磁性膜との結合磁界によってバイアス磁界を
かけるため、ギャップレングスに関わらず同様の効果を
有し、かつ、このバイアス磁界が固定磁性層に与える影
響はなく、それによる固定磁性層の磁化の傾きも生じな
いため、出力波形の対称性の劣化が抑えられた磁気抵抗
効果型薄膜ヘッドを作製することができる。
【0045】尚、キャップ層を成膜することにより、バ
イアス反強磁性膜の露出した部分の酸化を防止し、耐食
性を向上させることができる。
【0046】また、固定磁性層或いはフリー磁性層の夫
々に磁化の方向を付加する反強磁性層或いはバイアス反
強磁性膜への夫々の熱処理(アニール処理)は、キャッ
プ層が形成された後、且つキャップ層、電極リード層及
びバイアス反強磁性膜が所定の形状にパターニングされ
て削り取られる前に、実施するのが良い。また、固定磁
性層に磁化の方向を設定するための反強磁性層の熱処理
条件とフリー磁性層に磁化の方向を付加するためのバイ
アス反強磁性膜の熱処理条件とは、磁界の強さ、熱処理
温度及び熱処理時間の少なくとも1つの条件が異なるよ
うに、反強磁性層及びバイアス反強磁性膜の夫々の材料
を選定しなければならない。
【0047】尚、積層固定磁性層を形成することによっ
て、所定の方向に磁化の方向が強く固定された固定磁性
層の端面磁荷による漏れ磁界を、非磁性層膜を介して形
成された固定磁性層膜で打ち消すことになり、ノイズを
抑えることに効果がある。
【0048】(実施の形態3)図12〜図16は本発明
の実施の形態3を示す概略説明図であり、再生用磁気抵
抗効果型薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明するための工
程概要説明図で、磁気記録媒体に対向するヘッド摺動面
の近傍をヘッド摺動面に平行な面で断面にした概略断面
図である。以下、図面を用いて再生用磁気抵抗効果型薄
膜磁気ヘッドの製造方法を各工程順に説明する。
【0049】前述の実施の形態2と同様にして、第1の
工程として、図5(a)に示すように、下部ギャップ絶
縁層42の上に、IrMn、αFe23、NiO、Fe
Mn系合金膜、NiMn系合金膜或いはPtMn系合金
膜等の材料を用いて反強磁性層51を成膜し、更に、図
5(b)に示すように、その上に、NiFe系合金膜、
Co或いはCoFe合金膜等を材料として固定磁性層5
2を成膜する。次に、図5(c)に示すように、固定磁
性層52の上に、Cu等を材料とする非磁性層53を成
膜する。更に、図5(d)に示すように、非磁性層53
の上に、固定磁性層52と同様の材料を用いてフリー磁
性層54を成膜し、反強磁性層51、固定磁性層52、
非磁性層53及びフリー磁性層54が薄膜で順次積層成
膜されたGMR素子55を形成する。
【0050】第2の工程として、図12(a)に示すよ
うに、GMR素子55の上に、GMR素子55を構成す
る反強磁性層51とは異種の反強磁性材料(但し、場合
によっては、αFe23、NiO等の酸化金属材料は使
わないほうが良い)を用いて第1のバイアス反強磁性膜
121を成膜する。次に、図12(b)に示すように、
茸型レジスト122を形成して、第1のバイアス反強磁
性膜121の上に、第1のバイアス反強磁性膜121と
同様の反強磁性材料を用いて左右一対の第2のバイアス
反強磁性膜123を成膜形成し、第1のバイアス反強磁
性膜121の上面である第1の平面124とその第1の
バイアス反強磁性膜121の上に形成された第2のバイ
アス反強磁性膜123の上面である第2の平面125を
有し、第1の平面部ではその膜厚は第1のバイアス反強
磁性膜121の膜厚そのものであり、第2の平面部では
第1のバイアス反強磁性膜121と第2のバイアス反強
磁性膜123の夫々の膜厚の和であり、膜厚差による段
差を有するバイアス反強磁性膜126を形成することが
できる。ここで、第1のバイアス反強磁性膜121及び
第2のバイアス反強磁性膜123の材料は、フリー磁性
層54に磁化の方向を付加するための熱処理条件(加え
る磁界の強さ、熱処理温度及び熱処理時間)が固定磁性
層52に磁化の方向を付加するための反強磁性層51の
熱処理条件と少なくとも1つの条件において異なるよう
に選ばれなければならない。また、第1のバイアス反強
磁性膜121と第2のバイアス反強磁性膜123の材料
は、第2の反強磁性膜123を形成することによりフリ
ー磁性層との結合磁界が大きくなるのであれば異種の反
強磁性材料であっても良く、この時、第1のバイアス反
強磁性膜121と第2のバイアス反強磁性膜123に適
した条件で熱処理を実施することが必要になる。
【0051】第3の工程として、図13に示すように、
茸型レジスト122を利用して、左右一対の第2のバイ
アス反強磁性膜123の上に、Cu、Cr或いはTa等
の非磁性材料を用いて左右一対の電極リード層131を
成膜形成する。
【0052】第4の工程として、図14に示すように、
左右一対の電極リード層131及び第1のバイアス反強
磁性膜121の露出した部分の上に、Ta等の材料を用
いてキャップ層141を成膜する。
【0053】次に、図示しないが、キャップ層141、
左右一対の電極リード層131及びバイアス反強磁性膜
126を所定の形状にパターニングして削り取り、更
に、それらの上に、下部ギャップ絶縁層42と同様の絶
縁材料を用いて上部ギャップ絶縁層を成膜し、更に、そ
の上に、下部シールド層41と同様の軟磁性材料を用い
て上部シールド層を成膜形成して、再生用磁気抵抗効果
型薄膜磁気ヘッドを作製する。
【0054】尚、前述の実施の形態2の第1の工程の他
の例と同様にして、積層固定磁性層或いは積層フリー磁
性層を形成して、GMR素子を形成することができるの
は言うまでもない。
【0055】また、第2の工程の他の一例として、図1
2(b)に示すように、茸型レジスト122を形成し
て、第1のバイアス反強磁性膜121の上面をAr等に
よるプリスパッタ或いはECR等の方法によってクリー
ニングし、第1のバイアス反強磁性膜121の表面の酸
化膜、レジストの残滓、異物或いは汚れ等を取り除いた
後、第1のバイアス反強磁性膜121の上に、第1のバ
イアス反強磁性膜121と同様の反強磁性材料を用いて
左右一対の第2のバイアス反強磁性膜123を成膜形成
することにより、第1のバイアス反強磁性膜121と第
2のバイアス反強磁性膜123との間には異物の介在が
なく、非常に良好な密着性および磁気的な結合が安定し
て得られるため、バイアス反強磁性膜とフリー磁性層の
結合磁界の強さが低下することなく、より安定した結合
磁界を得ることができる。。
【0056】また、第2の工程の他の例として、前述の
実施の形態2の第2の工程の他の例と同じように、第2
の工程における第1のバイアス反強磁性層膜61を成膜
する装置が第1の工程におけるGMR素子55を形成す
る装置と異なるときは、フリー磁性層54の上面をAr
等によるプリスパッタ或いはECR等の方法によってク
リーニングし、フリー磁性層54の表面の酸化膜、レジ
ストの残滓、異物或いは汚れ等を取り除いた後、図12
に示す第2の工程と同じようにして、クリーニングされ
たフリー磁性層54の上を覆うように第1のバイアス反
強磁性膜121を成膜し、その上に茸型レジスト122
を形成して、左右一対の第2のバイアス反強磁性膜12
3を成膜形成した方が良い。前述の実施の形態2と同様
に、バイアス反強磁性膜とフリー磁性層の結合磁界の強
さが低下することなく、より安定した結合磁界を得るこ
とができる。
【0057】また、第3の工程の他の一例として、第2
の工程で形成した茸型レジストを削除した後、図15
(a)に示すように、左右一対の第2のバイアス反強磁
性膜123及び第1のバイアス反強磁性膜121の露出
した部分の上を覆うように、電極リード層膜151を成
膜し、図15(b)に示すように、第1のバイアス反強
磁性膜121の第1の平面124の一部が露出するよう
に、フォトレジストを塗布してドライエッチング等の方
法により、少なくとも電極リード層膜151の一部を削
除して、左右一対の電極リード層152を形成しても良
い。
【0058】また、第3の工程の他の例として、第2の
工程で形成した茸型レジストを削除した後、図16に示
すように、第1のバイアス反強磁性膜121の上に、別
の茸型レジスト161を形成して、左右一対の電極リー
ド層162を成膜形成しても良い。
【0059】以上のように本実施の形態3によれば、前
述の実施の形態2と同様に、膜厚の大きなバイアス反強
磁性膜に接しているフリー磁性層は非常に強い結合磁界
によりバイアス反強磁性膜と反強磁性結合し、膜厚の小
さいバイアス反強磁性膜に接しているフリー磁性層の磁
化の方向は、膜厚の大きなバイアス反強磁性膜に接して
いるフリー磁性層と同じ磁化の方向に安定して向くこと
になり、非常に安定した磁化の方向が得られ、また、上
面がクリーニングされた第1の反強磁性膜の上に、第2
の反強磁性膜を成膜形成することによって、第1の反強
磁性膜と第2の反強磁性膜の間で、非常に良好な密着性
および磁気的な結合が安定して得られ、膜厚の大きな反
強磁性膜と強い反強磁性結合による結合磁界を有してい
るフリー磁性層の磁化の方向が非常に安定したものとな
り、ノイズの少ない、再生感度の高い、高再生性能の磁
気抵抗効果型薄膜ヘッドを作製することができる。ま
た、バイアス反強磁性膜との結合磁界によってバイアス
磁界をかけるため、ギャップレングスに関わらず同様の
効果を有し、かつ、このバイアス磁界が固定磁性層に与
える影響はなく、それによる固定磁性層の磁化の傾きも
生じないため、出力波形の対称性の劣化が抑えられた磁
気抵抗効果型薄膜ヘッドを作製することができる。
【0060】尚、前述の実施の形態2〜実施の形態3に
おいて、固定磁性層及びフリー磁性層に夫々所定の方向
に磁化の方向を付加する熱処理は、第4の工程として、
キャップ層が成膜された後、且つ、キャップ層、電極リ
ード層、バイアス反強磁性膜及びGMR素子が所定の形
状にパターニングされて削り取られる前に、実施するの
が好ましい。ここで、固定磁性層に磁化の方向を付加す
る反強磁性層への熱処理条件(磁界の強さ、処理温度及
び処理時間)と、フリー磁性層に磁化の方向を付加する
バイアス反強磁性膜への熱処理条件は少なくとも1つの
条件項目が異なるように、夫々固定磁性層に接する反強
磁性層及びフリー磁性層に接するバイアス反強磁性膜の
材料を選ばねばならないのは言うまでもない。
【0061】(実施の形態4)図17〜図20は、本発
明の実施の形態4を示す概略説明図であり、再生用磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明するための
工程概要説明図で、磁気記録媒体に対向するヘッド摺動
面の近傍をヘッド摺動面に平行な面で断面にした概略断
面図である。以下、図面を用いて再生用磁気抵抗効果型
薄膜磁気ヘッドの製造方法を各工程順に説明する。
【0062】前述の実施の形態2の第1の工程と同じよ
うにして、図5に示されるように、反強磁性層51、固
定磁性層52、非磁性層53及びフリー磁性層54が順
次積層成膜されたGMR素子55を形成する。
【0063】第2の工程として、図17(a)に示すよ
うに、GMR素子55の最上部にあるフリー磁性層54
の上を覆うように、第1のバイアス反強磁性膜171を
成膜し、更にその上に、キャップ層172を成膜する。
次に、図17(b)に示すように、キャップ層172の
上に茸型レジスト173を形成して、第1のバイアス反
強磁性膜171の表面が左右に露出するように、キャッ
プ層172を削り取り、図17(c)に示すように、そ
の上に、左右一対の第2のバイアス反強磁性膜174を
成膜形成して、膜厚の異なる段差を有する反強磁性膜1
75を形成する。
【0064】第3の工程として、図18に示すように、
茸型レジスト173を利用して、左右一対の第2のバイ
アス反強磁性膜174の上に、Cu、Cr或いはTa等
の非磁性材料を用いて左右一対の電極リード層181を
成膜形成する。
【0065】それ以降の工程は、前述の実施の形態2と
同じである。
【0066】尚、前述の実施の形態2の第1の工程の他
の例と同様にして、積層固定磁性層或いは積層フリー磁
性層を形成しても良いことは言うまでもない。
【0067】また、第2の工程の他の一例として、前述
の実施の形態3の第2の工程の他の一例と同じように、
図17(b)に示すように、キャップ層172の上に茸
型レジスト173を形成して、第1のバイアス反強磁性
膜171の表面が左右に露出するように、キャップ層1
72を削り取り、別の装置を用いて第2のバイアス反狭
磁性膜を成膜形成する場合には、露出した第1のバイア
ス反強磁性膜171の上面をAr等によるプリスパッタ
或いはECR等の方法によってクリーニングし、第1の
バイアス反強磁性膜171の表面の酸化膜、レジストの
残滓、異物或いは汚れ等を取り除いた後、第1のバイア
ス反強磁性膜171の上に、左右一対の第2のバイアス
反強磁性膜174を成膜形成して、膜厚の異なる段差を
有する反強磁性膜175を形成した方が好ましい。上面
がクリーニングされた第1の反強磁性膜の上に、第2の
反強磁性膜を成膜形成することによって、第1の反強磁
性膜と第2の反強磁性膜の間で、非常に良好な密着性お
よび磁気的な結合が安定して得られ、膜厚の大きな反強
磁性膜と強い反強磁性結合による結合磁界を有している
フリー磁性層の磁化の方向が非常に安定したものとな
る。
【0068】また、第2の工程における第1のバイアス
反強磁性層膜171を成膜する装置が第1の工程におけ
るGMR素子55を形成する装置と異なる場合は、第2
の工程の他の一例として、前述の実施の形態3の第2の
工程の他の例と同じように、フリー磁性層54の上面を
Ar等によるプリスパッタ或いはECR等の方法によっ
てクリーニングし、フリー磁性層54の表面の酸化膜、
レジストの残滓、異物或いは汚れ等を取り除いた後、図
17に示す第2の工程と同じようにして、クリーニング
されたフリー磁性層54の上を覆うように第1のバイア
ス反強磁性膜171を成膜し、更にその上に、キャップ
層172を成膜して、その上に茸型レジスト173を形
成して、左右一対の第2のバイアス反強磁性膜174を
成膜形成した方が良い。この時、フリー磁性層54の上
面をクリーニングすることによって、フリー磁性層54
と第1のバイアス反強磁性膜171との間には異物の介
在がなく、非常に良好な密着性および磁気的な結合が安
定して得られるため、バイアス反強磁性膜とフリー磁性
層の結合磁界の強さが低下することなく、より安定した
結合磁界を得ることができる。
【0069】また、第3の工程の他の一例として、第2
の工程で形成された茸型レジストを削除した後、図19
に示すように、第2のバイアス反強磁性膜174及び露
出しているキャップ層172の上を覆うように、電極リ
ード層膜191を成膜し、その後、キャップ層172の
一部が露出するように、フォトレジストを塗布してドラ
イエッチング等の方法により電極リード層膜191を削
り取り、左右一対の電極リード層192を形成しても良
い。また、電極リード層を削り取った後、バイアス反強
磁性膜171を削らないようにキャップ層172の材料
を選択することも可能である。
【0070】また、第3の工程の他の例として、第2の
工程で形成された茸型レジストを削除した後、図20に
示すように、キャップ層172の上に、別の茸型レジス
ト201を形成して、左右一対の電極リード層202を
形成しても良い。
【0071】尚、固定磁性層及びフリー磁性層に夫々所
定の方向に磁化の方向を付加するための反強磁性層及び
バイアス反強磁性膜への夫々の熱処理は、キャップ層が
成膜された後、且つ、バイアス反強磁性膜及びGMR素
子が所定の形状にパターニングされて削り取られる前
に、実施するのが好ましい。ここで、固定磁性層に磁化
の方向を付加するための反強磁性層への熱処理条件(磁
界、処理温度及び処理時間)と、フリー磁性層に磁化の
方向を付加するためのバイアス反強磁性膜への熱処理条
件は少なくとも1つの条件項目が異なるように、夫々固
定磁性層に接する反強磁性層及びフリー磁性層に接する
バイアス反強磁性膜の材料を選ばねばならないのは言う
までもない。
【0072】以上のように本実施の形態4によれば、前
述の前述の実施の形態2及び実施の形態3と同様に、膜
厚の大きなバイアス反強磁性膜に接しているフリー磁性
層の非常に強い反強磁性結合により、膜厚の小さいバイ
アス反強磁性膜に接しているフリー磁性層の磁化の方向
は、膜厚の大きなバイアス反強磁性膜に接しているフリ
ー磁性層と同じ磁化の方向に向き易くなることになり、
非常に安定した磁化の方向が得られ、また、上面がクリ
ーニングされた第1の反強磁性膜の上に、第2の反強磁
性膜を成膜形成することによって、第1の反強磁性膜と
第2の反強磁性膜の間で、非常に良好な密着性および磁
気的な結合が安定して得られ、膜厚の大きな反強磁性膜
と強い反強磁性結合による結合磁界を有しているフリー
磁性層の磁化の方向が非常に安定したものとなり、ま
た、本製造方法によって第1の反強磁性膜の上にキャッ
プ層を設けることによって、バイアス反強磁性膜が露出
する時間を大幅に削減できるため、バイアス反強磁性膜
の特性劣化を抑えることができ、バルクハウゼンノイズ
の少ない、再生感度の高い、優れた再生性能の磁気抵抗
効果型薄膜ヘッドを作製することができる。
【0073】
【発明の効果】以上のように本発明は、反強磁性膜に接
している軟磁性膜の結合磁界は、反強磁性膜の膜厚が大
きければ大きくなり、ある範囲以上になれば略飽和する
という特性を利用して、GMR素子のフリー磁性層の上
に、ヘッドトラックを構成する部分の近傍では膜厚が小
さく、ヘッドトラック近傍以外は膜厚が大きくなるよう
に段差を有するバイアス反強磁性膜を設けることによっ
て、膜厚の大きな部分のバイアス反強磁性膜に接してい
るフリー磁性層の部分は、バイアス反強磁性膜と反強磁
性結合して非常に強い結合磁界で結合され、その磁化の
方向は非常に安定したものとなり、そのため膜厚の小さ
い部分のバイアス反強磁性膜に接している部分のフリー
磁性層は小さい結合磁界でも、安定して膜厚の大きいバ
イアス反強磁性膜に接しているフリー磁性層の部分の磁
化方向と同じ方向に向き易く安定した磁化の方向が得ら
れ、また、膜厚の小さい部分の反強磁性膜に接している
フリー磁性層の部分の反強磁性結合磁界が小さいため、
磁気記録媒体からの磁界によって磁化の方向が変化し易
くなり、バルクハウゼンノイズが小さく、再生感度が高
い等の再生性能を向上できるという効果が、再生ギャッ
プレングスに関わらず得らる。また、そのような優れた
再生性能を有する磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドが作製
できるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す薄膜磁気ヘッドの
正面概略模式図
【図2】本発明の実施の形態1の他の例を示す薄膜磁気
ヘッドの一部の正面概略模式図
【図3】本発明の実施の形態1を説明するためのフリー
磁性層に付加された層間結合磁界の強さと再生出力の関
係を示すグラフ
【図4】本発明の実施の形態2を説明する薄膜磁気ヘッ
ドの製造工程の一部の工程を示す概略説明図
【図5】本発明の実施の形態2における第1の工程を示
す概略説明図
【図6】本発明の実施の形態2における第2の工程を示
す概略説明図
【図7】本発明の実施の形態2における第3の工程を示
す概略説明図
【図8】本発明の実施の形態2における第4の工程を示
す概略説明図
【図9】本発明の実施の形態2における第1の工程の他
の例を示す概略説明図
【図10】本発明の実施の形態2における第3の工程の
他の一例を示す概略説明図
【図11】本発明の実施の形態2における第3の工程の
他の例を示す概略説明図
【図12】本発明の実施の形態3における第2の工程を
示す概略説明図
【図13】本発明の実施の形態3における第3の工程を
示す概略説明図
【図14】本発明の実施の形態3における第4の工程を
示す概略説明図
【図15】本発明の実施の形態3における第3の工程の
他の例を示す概略説明図
【図16】本発明の実施の形態3における第3の工程の
他の例を示す概略説明図
【図17】本発明の実施の形態4における第2の工程を
示す概略説明図
【図18】本発明の実施の形態4における第3の工程を
示す概略説明図
【図19】本発明の実施の形態4における第3の工程の
他の一例を示す概略説明図
【図20】本発明の実施の形態4における第3の工程の
他の例を示す概略説明図
【図21】従来の薄膜磁気ヘッドを示す斜視概略図
【図22】従来の薄膜磁気ヘッドを示す正面概略模式図
【符号の説明】
1、51、224 反強磁性層 2、52、225 固定磁性層 3、53、226 非磁性層 4、54、227 フリー磁性層 5、55、92、94、213 磁気抵抗効果素子(G
MR素子) 6、62、112、124 第1の平面 7、63、113、125 第2の平面 8、64、114、126、175 バイアス反強磁性
膜 9、72、102、115、131、152、162、
181、192、202、215 電極リード層 10、81、141、172、228 キャップ層 40 基板 41、211 下部シールド層 42、212 下部ギャップ絶縁層 61 バイアス反強磁性層膜 71、111、151、191 電極リード層膜 91 積層固定磁性層 93 積層フリー磁性層 101、122、161、163、201 茸型レジス
ト 121、171 第1のバイアス反強磁性膜 123、174 第2のバイアス反強磁性膜 214 縦バイアス層 216 上部ギャップ絶縁層 217 上部シールド層 218 再生用磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド 220 記録用誘導型薄膜磁気ヘッド 221 記録ギャップ層 222 上部磁極 223 巻線コイル 229 再生ヘッドギャップレングス 901 第1の固定磁性層膜 902 第1の非磁性層膜 903 第2の固定磁性層膜 911 第1のフリー磁性層膜 912 第2のフリー磁性層膜 913 第nのフリー磁性層膜

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部シールド層と上部シールド層との間
    に絶縁材を介して磁気抵抗効果素子を有し、前記磁気抵
    抗効果素子に接して設けられた縦バイアス層と、信号電
    流を流すための電極リード層からなる磁気抵抗効果型薄
    膜磁気ヘッドにおいて、 反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー磁性
    層からなる磁気抵抗効果素子と、 膜厚差による段差のある第1の平面と第2の平面を有す
    るバイアス反強磁性膜と、からなる構成を有することを
    特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 膜厚の小さい前記第1の平面を構成する
    前記バイアス反強磁性膜の部分に接している前記フリー
    磁性層の部分の反強磁性結合による結合磁界が 8kA/m 以下 (100Oe 以下) であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 下部ギャップ絶縁層の上に、反強磁性
    層、固定磁性層、非磁性層及びフリー磁性層を順次積層
    成膜して、磁気抵抗効果素子を形成する第1の工程と、 前記磁気抵抗効果素子の上を覆うように、バイアス反強
    磁性層膜を成膜した後、前記バイアス反強磁性層膜の一
    部を削除し、第1の平面を有する膜厚の小さい部分と第
    2の平面を有する膜厚の大きい部分とからなる段差のあ
    るバイアス反強磁性膜を形成する第2の工程と、 前記バイアス反強磁性膜の上を覆うように、電極リード
    層膜を成膜し、前記バイアス反強磁性膜の第1の平面の
    少なくとも一部が露出するように、少なくとも電極リー
    ド層膜の一部を削除して、左右一対の電極リード層を形
    成する第3の工程と、を有することを特徴とする薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の第3の工程において、前記バ
    イアス反強磁性膜の第1の平面上に茸型レジストを形成
    して、前記バイアス反強磁性膜の上に左右一対の電極リ
    ード層を形成する第3の工程を有することを特徴とする
    請求項3に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3の第2の工程及び第3の工程に
    おいて、前記フリー磁性層の上を覆うように、バイアス
    反強磁性層膜を成膜する第2の工程と、 更に、その上を覆うように、電極リード層膜を成膜した
    後、前記バイアス反強磁性層膜の一部が削り取られて露
    出するように、前記電極リード層膜及び前記バイアス反
    強磁性層膜の夫々の一部を削除して、削除されて露出し
    た前記バイアス反強磁性層膜の上面を第1の平面、成膜
    時の前記バイアス反強磁性層膜の上面を第2の平面とす
    る膜厚差による段差を有するバイアス反強磁性膜及び前
    記バイアス反強磁性膜の第2の平面上に左右一対の電極
    リード層を形成する第3の工程と、を有することを特徴
    とする請求項3に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 下部ギャップ絶縁層の上に、反強磁性
    層、固定磁性層、非磁性層及びフリー磁性層を順次積層
    成膜して、磁気抵抗効果素子を形成する第1の工程と、 前記磁気抵抗効果素子を構成する前記フリー磁性層の上
    を覆うように、第1のバイアス反強磁性膜を成膜し、前
    記第1のバイアス反強磁性膜の上面に茸型レジストを形
    成して、左右一対の第2のバイアス反強磁性膜を成膜形
    成し、前記第1のバイアス反強磁性膜の露出している上
    面を第1の平面、前記第2のバイアス反強磁性膜の上面
    を第2の平面とし、且つ、前記第1の平面の部分の膜厚
    は前記第1のバイアス反強磁性膜の膜厚であり、前記第
    2の平面の部分の膜厚は前記第1のバイアス反強磁性膜
    の膜厚と前記第2のバイアス反強磁性膜の膜厚との和で
    あり、それらの間に膜厚差を有する段差があるバイアス
    反強磁性膜を形成する第2の工程と、 前記第2のバイアス反強磁性膜の上に、左右一対の電極
    リード層を成膜形成する第3の工程と、を有することを
    特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6の第2の工程において、前記磁
    気抵抗効果素子を構成する前記フリー磁性層の上を覆う
    ように、第1のバイアス反強磁性膜を成膜し、前記第1
    のバイアス反強磁性膜の上面に茸型レジストを形成し
    て、前記第1のバイアス反強磁性膜の上面をクリーニン
    グした後、左右一対の第2のバイアス反強磁性膜を成膜
    形成し、前記第1のバイアス反強磁性膜の露出している
    上面を第1の平面、前記第2のバイアス反強磁性膜の上
    面を第2の平面とし、前記第1の平面と前記第2の平面
    との間に膜厚差による段差があるバイアス反強磁性膜を
    形成する第2の工程を有することを特徴とする請求項6
    に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6の第3の工程において、前記第
    2の工程にて形成したレジストを削除した後、前記第1
    のバイアス反強磁性膜の露出した部分及び左右一対の前
    記第2のバイアス反強磁性膜の上を覆うように、電極リ
    ード層膜を成膜し、前記第1のバイアス反強磁性膜の少
    なくとも一部が露出するように、少なくとも前記電極リ
    ード層膜の一部を削除して、左右一対の電極リード層を
    形成する第3の工程を有することを特徴とする請求項6
    或いは請求項7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6の第3の工程において、前記第
    2の工程にて形成したレジストを削除した後、前記第1
    のバイアス反強磁性膜の第1の平面の上に、茸型レジス
    トを形成して、左右一対の電極リード層を形成する第3
    の工程を有することを特徴とする請求項6或いは請求項
    7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 段差を有する前記バイアス反強磁性膜
    の上に形成された左右一対の前記電極リード層及び前記
    バイアス反強磁性膜の第1の平面の露出した部分の上を
    覆うように、キャップ層を形成する第4の工程を有する
    ことを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれかに記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 下部ギャップ絶縁層の上に、反強磁性
    層、固定磁性層、非磁性層及びフリー磁性層を順次積層
    成膜して、磁気抵抗効果素子を形成する第1の工程と、 前記フリー磁性層の上を覆うように第1のバイアス反強
    磁性膜を成膜し、更に、その上を覆うようにキャップ層
    を成膜した後、前記キャップ層の上に茸型レジストを形
    成して、前記第1のバイアス反強磁性膜が露出するよう
    に、少なくとも前記キャップ層の一部を削り取り、その
    上に、左右一対の第2のバイアス反強磁性膜を成膜形成
    して、前記キャップ層に接した前記第1のバイアス反強
    磁性膜の上面を第1の平面、前記第2のバイアス反強磁
    性膜の上面を第2の平面とし、且つ、前記第1の平面の
    部分の膜厚は前記第1のバイアス反強磁性膜の膜厚であ
    り、前記第2の平面の部分の膜厚は前記第1のバイアス
    反強磁性膜の膜厚と前記第2のバイアス反強磁性膜の膜
    厚との和であり、それらの間に膜厚差を有する段差があ
    るバイアス反強磁性膜を形成する第2の工程と、 前記第2のバイアス反強磁性膜の上に、左右一対の電極
    リード層を成膜形成する第3の工程と、を有することを
    特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11の第3の工程において、前
    記第2の工程にて形成されたレジストを削除した後、前
    記キャップ層の上に茸型レジストを形成して、左右一対
    の電極リード層を成膜形成する第3の工程を有すること
    を特徴とする請求項11に記載の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項11の第3の工程において、前
    記第2の工程にて形成されたレジストを削除した後、前
    記第2のバイアス反強磁性膜及び前記キャップ層の上を
    覆うように、電極リード層膜を成膜し、前記キャップ層
    の少なくとも一部が露出するように、少なくとも前記電
    極リード層膜の一部を削除して、左右一対の電極リード
    層を形成する第3の工程を有することを特徴とする請求
    項11或いは請求項12のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7045224B2 (en) 2002-10-07 2006-05-16 Alps Electric Co., Ltd. Magnetic detecting element having antiferromagnetic film having predetermined space in track width direction and method for manufacturing the same
US7092218B2 (en) 2002-06-19 2006-08-15 Alps Electric Co., Ltd. Magnetic head comprising magnetic domain control layer formed on ABS-side of magnetic flux guide for GMR element and method of manufacturing the magnetic head
US7132175B2 (en) 2002-06-25 2006-11-07 Alps Electric Co., Ltd. GMR magnetic detecting element comprising current limiting layer provided in free magnetic layer and method of manufacturing the detecting element

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