JPH10289423A - 垂直磁気記録用複合型ヘッドの製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録用複合型ヘッドの製造方法

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Publication number
JPH10289423A
JPH10289423A JP10810597A JP10810597A JPH10289423A JP H10289423 A JPH10289423 A JP H10289423A JP 10810597 A JP10810597 A JP 10810597A JP 10810597 A JP10810597 A JP 10810597A JP H10289423 A JPH10289423 A JP H10289423A
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recording
head
magnetic
film
insulating layer
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JP10810597A
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English (en)
Inventor
Akio Takayama
昭夫 高山
Shuichi Nishida
秀一 西田
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Minebea Co Ltd
Original Assignee
Minebea Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下部シールドとMR素子の電極との短絡防止
を確実に果たすことができる垂直磁気記録用複合型ヘッ
ドの製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁基板2a上に下部シールド1を構成
する軟磁性膜1A、絶縁層2b及び感磁部9からなる多
層膜40を形成し(ステップS1)、多層膜40の上に記
録ヘッドのトラック幅に相当するフォトレジストパター
ン41を形成し(ステップS2)、多層膜40に対してエ
ッチング処理し(ステップS3)、エッチング処理で残さ
れた多層膜40と同等高さになるように絶縁基板2a上
に絶縁層2cを形成し(ステップS4)、フォトレジスト
パターン41を除去した後に感磁部9の電極膜を形成す
る。下部シールド1と電極膜との間に略平坦状の絶縁層
2bが配置されると共に、下部シールド1及び電極膜の
外周側に絶縁層2b及び感磁部9に相当する厚さの絶縁
層2cが確保されるので、良好な絶縁性を維持して短絡
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録再生用の薄
膜磁気ヘッドの製造方法に関し、特に垂直記録に用いら
れる垂直磁気記録用複合型ヘッドの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気ヘッドの一例として長手(面
内)記録方式の薄膜ヘッドがある。この長手記録方式の
薄膜ヘッドは、磁気記録媒体(以下記録媒体という)の
磁性層をその面に対して平行に磁化させて記録する一
方、この面内の残留磁化により再生するものである。し
かし、この長手記録方式の薄膜ヘッドでは記録密度が高
くなるにつれて、記録媒体内の反磁界が大きくなり、再
生出力が低下するという問題点がある。この問題点の改
善を図るものとして垂直記録方式の薄膜ヘッドがある。
【0003】この垂直記録方式の薄膜ヘッドは、記録媒
体を、その面と垂直方向に磁化して情報を記録するもの
である。そして、この薄膜ヘッドでは記録された信号の
磁化の向きが対向しないので反磁界の影響による再生出
力の低下を招かず、長手記録方式に比べて記録密度を高
くすることができる。なお、垂直記録用単磁極ヘッドと
2層記録媒体の組み合わせは優れた記録分解能を示すこ
とが知られている(H.Muraoka and Y.Nakamura; IEEE T
rans. Mag., vo130, p3900, 1994)。
【0004】ところで、垂直記録方式、長手記録方式の
薄膜ヘッドは、ともに、従来、記録媒体に記録された信
号の再生には電磁誘導(インダクティブ)による再生方
法を用いていた。しかし、近年、高記録密度化、記録再
生の短波長化が進む中で電磁誘導による再生方法では、
高密度記録化について対応が難しくなってきた。このた
め、再生のために磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と
いう。)を用いた磁気抵抗効果型の再生ヘッド(以下、
MRヘッドと略す)が用いられるようになってきてい
る。
【0005】MRヘッドは、例えば、磁気ヘッドスライ
ダーとなる基板上に記録媒体対向面(以下、ABSとい
う。)に臨ませてそのABS側の端部(以下、前方端部
という)に再生ギャップを構成する2つの薄膜磁気コア
(上部シールド、下部シールド)を積層させて構成され
る長手記録方式の磁気ヘッドにおける前記再生ギャップ
内に配置して用いられる。そして、MRヘッドとして
は、MR素子を横向きに配置したタイプのもの(横型M
Rヘッド)と、MR素子を立てた状態で配置したタイプ
のもの(縦型MRヘッド)がある。
【0006】横型MRヘッドを用いた長手記録方式の磁
気ヘッドの一例を図12及び図13に示す。図12にお
いて、下部シールド(薄膜磁気コア)1上に形成された
絶縁層2中には上部シールド(薄膜磁気コア)3が積層
されている。上部シールド3上の絶縁層2中には記録用
磁極(コア)4が積層により設けられている。記録用磁
極4は一端側(ABS5から離間する側〔以下、適宜、
後部という。〕)が上部シールド3に接続し、他端側が
湾曲してABS5側に延びている。記録用磁極4の湾曲
部4a内の絶縁層2及び湾曲部4a外の絶縁層2中には
記録用磁極4の一端側(上部シールド3との接続側部
分)を巻回するようにしてコイル6が形成されている。
【0007】ABS5側に臨む部分における下部シール
ド1と上部シールド3との間に再生用ギャップ7が形成
されており、この再生用ギャップ7内の絶縁層2に、M
R素子8を有する感磁部9が介装されている。感磁部9
は、図13に示すように、MR素子8の高さ方向(図1
2に符号Mで示す。)に磁気的なバイアスを加えるSA
L膜(Soft Adjacent Layer 近接軟磁性層、NiFeR
h)10、電流分流膜(Ta)11、及び薄膜のMR素
子8(NiFe)が積層され、さらにMR素子8上に、
MR素子8の横方向に磁気的バイアスを加えるFeMn
製の反強磁性膜12及びMR素子8用のTa/W/Ta
製の電極(リード)13がトラック幅相当の空隙14を
空けて積層されている。なお感磁部9(MR素子8)
は、略長方形をなし、図12紙面表裏方向に延びたもの
(横型配置であり、横型MRヘッドを構成している。)
になっている。図13中、14aは光学的に求められる
トラック幅、14bは再生に実際上機能する実効的なト
ラック幅を示す。図12中、15は記録層16を備えた
記録媒体である。
【0008】図12の長手記録方式の磁気ヘッドでは、
前記下部シールド1、上部シールド3及び感磁部9から
再生ヘッド17が構成されている。そして、再生ヘッド
17に並ぶように(図12では再生ヘッド17の上側に
なるように)記録ヘッド18が設けられている。この記
録ヘッド18では、湾曲した形状の記録用磁極4、記録
媒体15及び上部シールド3から記録用閉磁路19を形
成し、記録用磁極4のABS5側の端部と上部シールド
3のABS5側の端部との間に記録用ギャップ20を形
成させている。
【0009】そして、この際、記録媒体15における記
録用ギャップ20に対応した部分を介してループ状の磁
路(記録用閉磁路19)が形成され、記録媒体15の面
方向に記録(符号Dで示す。)を行うようにしており、
このタイプをいわゆるリング型ヘッドと称している。こ
のリング型ヘッドに対し、記録媒体15を間にして図示
しない主磁極及び副磁極を配置して記録媒体15の面と
直交する方向の記録用ギャップ(図示省略)を形成し、
かつループ状の磁路を形成させずに記録媒体15への情
報記録を面と直交する方向に行うタイプや、ループ状の
磁路(記録用閉磁路)を形成するものの、記録媒体15
の面と直交する方向に記録用ギャップを形成し、かつ該
記録用ギャップから記録媒体15の面と平行に所定距
離、離れてリターン磁路を形成したりするタイプ(後述
する図1のタイプ)をいわゆる単磁極ヘッドと言い、前
記リング型ヘッドと区別するようにしている。
【0010】図12の横型MRヘッドを用いた長手記録
方式の磁気ヘッドでは、記録用磁極4、コイル6及び上
部シールド3から記録用ヘッド8が構成され、これによ
り記録媒体15への記録が行なわれる。そして、上部シ
ールド3はMR素子8のシールドの機能を果たすと共
に、記録用コアの役目をしている。このため、記録を効
率よく行うために上部シールド3の厚さは、比較的厚い
2μm以上の膜厚としている。このため、プロセスコス
トがかかるという欠点があった。
【0011】また、図12の磁気ヘッドは、記録ヘッド
18と再生ヘッド17とが並んで配置され、かつ図17
に示すように記録ヘッド18と再生ヘッド17とが上部
シールド3の厚さ(2μm以上)分だけ離れたものにな
っている。このため、スキュー角(スイングアーム方式
のハードドライブにおいて、ディスクの接線方向Jに対
する磁気ヘッドの中心線Cとのなす角度)αが変わった
とき、記録ヘッド18及び再生ヘッド17の双方のトラ
ックずれLsが生じるという問題がある。
【0012】図12の横形MRヘッドと異なる前記縦型
MRヘッドを用いた磁気ヘッドの一例を図14に示す。
図14において、下部シールド1上に形成された絶縁層
2中には上部シールド3が積層して設けられている。下
部シールド1と上部シールド3との間の絶縁層2におけ
るABS5側部分には感磁部9が介装されている。なお
感磁部9(MR素子8)は、略長方形をなし、図14紙
面左右方向に延びたもの(縦型配置であり、縦型MRヘ
ッドを構成している。)になっている。
【0013】感磁部9は、上、下のNiFe製のMR素
子8(上、下のMR素子をそれぞれ8a,8bとして図
示する。)間に非磁性材料(Al23 )製の絶縁層2
Aを介装した構造をなしている。絶縁層2中のABS5
側及びこのABS5から離間する側には、MR素子8用
の電極13(導電性薄膜)がそれぞれ設けられている
(電極13のそれぞれを、以下、前部電極13a、後部
電極13bという)。さらに、感磁部9と上部シールド
3との間の絶縁層2には、バイアス導体21が介装され
ており、MR素子8が線形特性及び良好な感度を持てる
ようにしている。
【0014】上部シールド3上には、図示しない記録用
磁極が積層されている。この記録用磁極と上部シールド
3とは一部で接続されていると共に、両者間には絶縁層
2が介装されている。前記記録用磁極と上部シールド3
が接続された部分を巻回するように絶縁層2中にコイル
(図示省略)が形成されている。
【0015】図14の縦型MRヘッドを用いた磁気ヘッ
ドでは、前記上部シールド3、下部シールド1、感磁部
9等から再生ヘッド17を構成している。この再生ヘッ
ド17に並んで(図14の上側)、前記記録用磁極、前
記コイル及び上部シールド3からなる記録ヘッド18が
設けられている。そして、上部シールド3はMR素子8
のシールドの機能を果たすと共に、記録用コアの役目を
している。このため、記録を効率よく行うために上部シ
ールド3の厚さは、比較的厚い2μm以上の膜厚として
いる。このため、プロセスコストがかかるという欠点が
あった。
【0016】また、この図14の磁気ヘッドも、前記図
12の磁気ヘッドと同様に、記録ヘッド18と再生ヘッ
ド17とが並んで配置され、かつ図17に示すように記
録ヘッド18と再生ヘッド17とが上部シールド3の厚
さ(2μm以上)分だけ離れたものになっている。この
ため、図12の磁気ヘッドと同様に、スキュー角αが変
わったとき、記録ヘッド18のトラック及び再生ヘッド
17のトラックにずれが生じるという問題がある。
【0017】前記図14の磁気ヘッドと同様に、上部シ
ールド3、下部シールド1を有した磁気ヘッドの他の例
を図15に示す。この磁気ヘッドは、MR素子8を有し
たタイプ、いわゆる複合型(MR/インタクティブタイ
プ)であり、かつ垂直記録に用いるものである。以下、
このタイプの磁気ヘッドを垂直記録用複合型ヘッドとい
う。また、上部シールド3、下部シールド1を有してい
ることにより、後述するヨーク方式と区別する際、この
タイプをシールド方式の垂直記録用複合型ヘッドとい
う。
【0018】図15において、磁気ヘッドスライダーと
なる基板22上に絶縁層2が設けられている。絶縁層2
におけるABS5側には、再生用ギャップ7を構成する
下部シールド1、上部シールド3が所定距離をあけて介
装されている。
【0019】下部シールド1と上部シールド3との間に
は薄膜のMR素子8及びバイアス導体21を含む感磁部
9が介装されている。上部シールド3上の絶縁層2には
記録用主磁極23及びこの記録用主磁極23に連接した
厚膜の補助ヨーク24が配置されており、補助ヨーク2
4を設けることにより、磁気回路の磁気抵抗を小さくす
るようにしている。補助ヨーク24にはリターンヨーク
(記録用リターンヨークという)25が接続されてい
る。記録用リターンヨーク25はABS5側に延びてい
る。記録用リターンヨーク25のABS5側部分と補助
ヨーク24との間の絶縁層2中には、記録用リターンヨ
ーク25の補助ヨーク24との接続部を巻回するように
コイル6が配置されている。
【0020】このシールド方式の垂直記録用複合型ヘッ
ドは厚膜の上部シールド3を有しており、上述した図1
2の長手記録の磁気ヘッドと同様にプロセスコストがか
かるものになっている。また、この図15の磁気ヘッド
も、前記図12または図14の磁気ヘッドと同様に、記
録ヘッド18と再生ヘッド17とが並んで配置され、か
つ図17に示すように記録ヘッド18と再生ヘッド17
とがシールド(上部シールド3)の厚さ分だけ離れたも
のになっている。このため、図12または図14の磁気
ヘッドと同様に、スキュー角αが変わったとき、記録ヘ
ッド18のトラック及び再生ヘッド17のトラックにず
れが生じるという問題がある。
【0021】図15のタイプ(シールド方式)と異なる
タイプ(ヨーク方式)の垂直記録用複合型ヘッドを図1
6に示す。図16において、基板22上にアルミナで形
成される下地層26が設けられている。下地層26の上
には絶縁層2が設けられている。絶縁層2には、記録用
主磁極23及びこの記録用主磁極23に連結した厚膜の
補助ヨーク24が配置されており、補助ヨーク24を設
けることにより、磁気回路の磁気抵抗を小さくするよう
にしている。補助ヨーク24には記録用リターンヨーク
25が接続されている。記録用リターンヨーク25はA
BS5側に延びている。記録用リターンヨーク25のA
BS5側部分と補助ヨーク24との間の絶縁層2中に
は、記録用リターンヨーク25の補助ヨーク24との接
続部を巻回するようにコイル6が配置されている。
【0022】記録用主磁極23と下地層26との間の絶
縁層2中には再生ヘッド17が配置されている。再生ヘ
ッド17は略コ字形に屈曲した形状の再生主磁極27
と、この再生主磁極27に接続した再生用リターンヨー
ク28と、前記再生主磁極27のコ字部27a内の絶縁
層2中に配置されたMR素子8を含む感磁部9とから大
略構成されている。
【0023】この図16のヨーク方式の垂直記録用複合
型ヘッドでは、スキュー角αが変わったとき、記録ヘッ
ド18のトラック及び再生ヘッド17のトラックにずれ
が生じるという問題はないが、MR素子8により記録媒
体15に記録されたデータを再生するときには、再生主
磁極27→MR素子8→再生用リターンヨーク28→記
録媒体15の軟磁性層(裏打ち層)(図1、裏打ち層2
9参照)からなる磁気回路で再生用閉磁路が構成され
る。このため、再生主磁極27、再生用リターンヨーク
28、記録媒体15の軟磁性層(裏打ち層)のそれぞれ
の磁性体の磁区の移動に起因するノイズがMR素子8の
再生波形に現れる。また、このヨーク方式の垂直記録用
複合型ヘッドでは、効率よく再生するためには再生主磁
極27の磁区構造をコントロールしなければならない等
の課題もある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】磁気ヘッドでは、垂直
記録、長手記録にかかわらず再生感度をあげることが望
まれるが、再生感度を上げるためにはMR素子をABS
側に極力近づける必要があり、また、再生分解能を上げ
る(記録密度を上げる)ためにはMR素子を磁気シール
ドするようにMR素子を挟んでシールド膜(図15で
は、MR素子8の上下に配置した上部シールド3及び下
部シールド1)を設ける必要がある。
【0025】ところで、図12に示すように長手記録用
の磁気ヘッドは上部シールド3を記録ヘッド18の一部
として用いているため厚いシールド膜が必要とされ、こ
れに伴い、プロセスコストがかかるという欠点がある。
【0026】また、図12、図14または図15に示す
磁気ヘッドは、上述したように、記録ヘッド18と再生
ヘッド17とが並んで配置され、かつ記録ヘッド18と
再生ヘッド17とがシールド(上部シールド3)の厚さ
分だけ離れたものになっているため、スキュー角αが変
わったとき、記録ヘッド18のトラック及び再生ヘッド
17のトラックにずれが生じる。この対策としてドライ
ブに使用されるスキュー角の範囲で記録ヘッドと再生ヘ
ッドのトラックずれが最小になるように記録ヘッドと再
生ヘッドをオフセットすることにより補正する方法や、
記録ヘッドのトラック幅を再生ヘッドのトラック幅より
大きくすることなどが考えられる。なお、この場合、ガ
ードバンド(磁気記録トラック間の無記録領域)が広く
必要であり、また、記録トラック幅を再生トラック幅よ
りも必要以上に多くとることになり、高トラック密度化
の障害になってしまうことになる。
【0027】図16のヨーク方式の垂直記録用複合型ヘ
ッドの場合、再生感度を上げるためには再生主磁極27
の長さを極力小さくしMR素子8をABS5に極力近づ
ける必要がある。しかし、この場合、MR素子8が隣接
ビット(再生したいビットの前後のビット)の磁化の影
響を受け再生分解能が悪くなる(高記録密度での再生出
力が小さくなり、高密度記録に適さなくなる。)という
問題がある。図18に従来タイプのMRヘッドの構造の
一例を示す。図18において、下部シールド1は、Ni
Fe等の軟磁性膜などの軟磁性膜で作製され、イオンミ
リングによりテーパー角θが小さくなくなるようにエッ
チングされる。そして、下部シールド1と膜状の電極
(MR電極)13との間には絶縁層2が介装されてお
り、両者を電気的に絶縁している。また、上部シールド
3と電極13との間の絶縁層2、電極13、及び電極1
3と下部シールド1との間の絶縁層2の合計の厚さがシ
ールド間隔であり、再生ギャップ長Lとなる。絶縁層2
はスパッタ法にて作成されるため図19に示すように、
テーパー部分2Tで膜厚が薄くなる。例えばθ=45°
とした場合、再生ギャップ長さ設定に用いられる厚さt
の0.7倍の厚さt2 になる。そして、再生ギャップが
狭くなればなるほど(tが薄くなれば薄くなるほど)、
電極13と下部シールド1の絶縁性が問題となってく
る。つまり、記録密度を上げるためには再生ギャップを
狭くしなければならず、MR素子(感磁部9)と下部シ
ールド1を絶縁しているAl23 等の絶縁膜(絶縁層
2)を薄くする必要がある。このため、従来タイプのM
Rヘッドの場合は下部シールド1とMR素子(感磁部
9)の電極13が短絡しやすくなるという問題点があっ
た。
【0028】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で下部シールドとMR素子の電極との短絡防止を確実に
果たすことができる垂直磁気記録用複合型ヘッドの製造
方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気抵抗効果
型再生ヘッドと軟磁性膜を主磁極とする誘導型記録ヘッ
ドとを積層構造で構成した垂直磁気記録用複合型ヘッド
の製造方法において、絶縁基板上に前記磁気抵抗効果型
再生ヘッドに対して磁気シールドする磁気シールド層、
ギャップ用絶縁層、前記磁気抵抗効果型再生ヘッドの一
部を成す積層構造の磁気抵抗効果感磁部の順に多層膜を
形成する工程と、前記多層膜の上に磁気ヘッドのトラッ
クを作るフォトレジストを設ける工程と、前記フォトレ
ジストが設けられた前記多層膜に対してエッチング処理
する工程と、前記エッチング処理工程で残された前記多
層膜と同等高さになるように前記絶縁基板上に絶縁層を
形成する工程と、前記フォトレジストを取り除く工程
と、前記フォトレジストが取り除かれた前記多層膜の上
に磁気抵抗効果感磁部用の電極膜を作製する工程とから
なることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
〜図6に基づいて説明する。
【0031】図1において、Al23 −TiC等の非
磁性材料製の基板22上にAl23 等の非磁性かつ絶
縁体材料からなる下地層26が設けられている。さら
に、機械研磨により平面平滑性を高めた基板22上にめ
っき法などによりNiFeなどの磁性材料製の記録用リ
ターンヨーク25が作成されている。記録用リターンヨ
ーク25は、断面視略L字形をなし、便宜上、一方側を
ヨーク本体部25a、このヨーク本体部25aに直交し
て連接する部分をヨーク副部25bという。ヨーク副部
25bは、ヨーク本体部25aから離間する方向に延び
ており、その端部に記録用主磁極(主磁極)23が接続
されている。
【0032】記録用主磁極23は、ヨーク副部25bに
接続した部分からABS5側に延びて形成されており、
端部がABS5に臨んだものになっている。記録用主磁
極23は、NiFe、CoZrNb、FeZrN等の軟
磁性膜を所定の形状にイオンミリングなどを用いて成形
されている。記録用主磁極23上には、記録用主磁極2
3に接続して厚膜状の補助ヨーク24が形成されてい
る。補助ヨーク24は、記録用主磁極23の磁気飽和を
防止するようにしている。なお、図1及び図2中2は、
Al23 などの非磁性絶縁材料を用いて形成された絶
縁層である。なお、絶縁層2のうち下部シールド(磁気
シールド層)1の下部側部分が本発明の基板を構成して
おり、当該部分を、以下、適宜、絶縁基板2aという。
【0033】ヨーク副部25bを巻回するようにして
(記録用リターンヨーク25及び記録用主磁極23で囲
まれる領域内の絶縁層2及び前記領域外の絶縁層2に挿
入されて)、コイル6が設けられている。コイル6は、
Cuめっきなどにより作製される。コイル6と記録用主
磁極23との間には、感磁部9と共に再生ヘッド17を
構成するNiFe等の軟磁性材料製の下部シールド1が
所定距離を空けて絶縁層2中に配置されている。下部シ
ールド1の幅は記録用主磁極23の幅と略同等に設定さ
れている。
【0034】記録用主磁極23及び下部シールド1の間
の絶縁層2中には、縦型に配置されるMR素子8を含む
感磁部9が設けられている。このときの記録用主磁極2
3と下部シールド1の距離が記録分解能を決める再生ギ
ャップ長となる。感磁部9は、図14に示すものと同様
に、上、下のMR素子8a,8b間に非磁性材料(Al
23 )製の絶縁層2Aを介装した構造をなしている。
【0035】なお、記録媒体15は、NiFe(パーマ
ロイ)等の軟磁性材料から形成される裏打ち層29と、
この裏打ち層29に重ねて形成されるCoCr系の垂直
配向された磁性材料からなる記録層16とで形成される
2層形状になっており、垂直記録に適したものになって
いる。
【0036】次に、この垂直磁気記録用複合型ヘッドの
記録ヘッド及び再生ヘッド部分の作製方法について、図
4ないし図6に基づいて、以下に説明する。まず、図4
に示すようにステップS1で、絶縁基板2a上に、NiF
e、CoZrNb、FeZrN等の軟磁性膜1Aをスパ
ッタ法等により作製する。この軟磁性膜の厚さは0.1
〜1μmとする。この軟磁性膜1Aは、下部シールド1
を構成することになる。この軟磁性膜1Aの上にAl2
3 の絶縁層2(当該部分の絶縁層2を以下、便宜上、
絶縁層2bという。)を作製する。この絶縁層2bの厚
さは再生分解能を決めるギャップ長となる。この絶縁層
2bの上に、60nm前後のAl23 膜(図13に示
す電流分流膜11)を挟んで200nm程度の厚さのN
iFeの層(図13に示すMR素子8及びSAL膜1
0)が形成された感磁部(2層MR膜)9を作製し、前
記軟磁性膜1A及び絶縁層2aと共に多層膜40を形成
させる。
【0037】次に、前記多層膜40の上に記録ヘッド1
8のトラック幅に相当するフォトレジストパターン41
を形成する(ステップS2)。このときのフォトレジスト
パターン41は、後述するリフトオフの工程に適したよ
うに逆テーパーパターンの形状にすることが望ましい。
続いて、前記多層膜40をイオンミリング等によりエッ
チングし下部シールド1及び感磁部9のパターンを形成
する(ステップS3)。次に、フォトレジストパターン4
1を残した状態でスパッタ法等によりAl23 の絶縁
層2cを、フォトレジストパターン41の高さ(エッチ
ング処理工程で残された前記多層膜40と同等高さ)ま
で形成する(ステップS4)。次のリフトオフ工程で、フ
ォトレジストパターン41を有機溶剤等により剥離する
ことによりフォトレジストパターン41及びフォトレジ
ストパターン41上の絶縁層2cを除去する(図5ステ
ップS5)。
【0038】次に、Ti/Taスパッタ膜等の感磁部9
の電極13用の膜13Aを形成し(ステップS6)、この
膜13Aの上に電極形状の加工を行えるようにフォトレ
ジストパターン42を形成する(ステップS7)。次に、
フォトレジストパターン42をマスクにして反応性イオ
ンエッチング等でエッチングして感磁部9の電極13を
形成する(ステップS8)。次に、記録用主磁極23を形
成するために、NiFe、CoZrNb、FeZrN等
の軟磁性膜23Aをスパッタ法等により作製する(図6
ステップS9)。次に、記録用主磁極23に沿う形状のフ
ォトレジストパターン43を形成し(ステップS10 )、
フォトレジストパターン43が載置された部分を除く前
記軟磁性膜23A及び及びフォトレジストパターン43
をイオンミリング等によりエッチングして記録用主磁極
23を形成する(ステップS11 )。
【0039】この第1の実施の形態では、絶縁基板2a
上に、軟磁性膜1A、絶縁層2b及び感磁部9(MR素
子8、電流分流膜11及びSAL膜10)からなる多層
膜40を形成し(ステップS1)、この多層膜40の上に
記録ヘッド18のトラック幅に相当するフォトレジスト
パターン41を形成し(ステップS2)、フォトレジスト
パターン41が設けられた多層膜40に対してエッチン
グ処理し(ステップS3)、このエッチング処理で残され
た多層膜40と同等高さになるように絶縁基板2a上に
絶縁層2cを形成し(ステップS4)、リフトオフ工程で
フォトレジストパターン41及びその上の絶縁層2cを
除去し(ステップS5)、感磁部9の電極13用の膜13
Aを形成する(ステップS6)。このため、下部シールド
1と感磁部9の電極13との間に絶縁層2bが略平坦状
に配置されると共に、下部シールド1及び感磁部9の外
周側に絶縁層2b及び感磁部9に相当する厚さ分の絶縁
層2cが確保(ステップS6)されるので、良好な絶縁性
を維持できる。上述した図18及び図19の従来技術で
は、再生ギャップの減少に際し、絶縁層の膜厚が薄くな
ることに伴い絶縁性が低下して短絡の発生の虞があった
が、これに比して、本実施の形態では、上述したように
良好な絶縁性を維持できるので、再生ギャップの狭小化
に確実に対処できることになる。
【0040】この第1の実施の形態では、記録用主磁極
23と、補助ヨーク24と、記録用リターンヨーク25
と、コイル6とにより記録ヘッド18が構成されてい
る。そして、この記録ヘッド18は、補助ヨーク24、
記録用主磁極23から記録媒体15を介して記録用リタ
ーンヨーク25に戻る記録用閉磁路19を形成する。そ
して、記録用閉磁路19の内側になるように再生ヘッド
17が配置されたものになっている。この場合、再生ヘ
ッド17は、感磁部9及び下部シールド1を有すると共
に、記録用主磁極23が感磁部9の磁気シールドのため
に用いられており、記録用主磁極23を記録ヘッド18
と兼用したものになっている。また、記録媒体15の面
と直交する方向に記録用ギャップ20(記録用主磁極2
3と裏打ち層29との間)が形成され、図1矢印Eで示
すように情報(ビットパターン)の記録を行うようにし
ており、本実施の形態は単磁極ヘッドタイプになってい
る。
【0041】この実施の形態では、記録用主磁極23が
記録ヘッド18及び再生ヘッド17に兼用されているの
で、従来技術で下部シールドに対応して設けられていた
上部シールドが不要となり、この分、簡易な構成にな
り、ひいては生産性の向上を図ることができる。
【0042】また、図3に示すように、記録用主磁極2
3と感磁部9の間の距離(Lh)が従来の複合型磁気ヘ
ッドに比べて短く、かつ記録用主磁極23の幅が感磁部
9の幅に比して概略同等の寸法になるように設定してお
り、更に記録用主磁極23の膜厚と下部シールド1の膜
厚を0.1μmから0.8μmの寸法に設定して従来構
造の複合型磁気ヘッドと比較して(例えば図14の磁気
ヘッドではシールドの膜厚は2μm以上である。)薄く
しているので、後述するように、スキュー角変化に伴う
記録ヘッド18と再生ヘッド17のトラックずれ(L
s)を抑制することができる。更に従来構造の複合型磁
気ヘッドと比較して記録用主磁極23の膜厚と下部シー
ルド1の膜厚を薄くしているので、その分、成膜時間も
短くできる等、容易に製造することが可能となって製造
コスト、ひいては製造設備の低廉化を図ることができ
る。
【0043】なお、記録用主磁極23の膜厚を変えてO
/W値(記録後の信号上に重ねて別の記録を行ったとき
の前信号の残り分の消去率)を求めた(なお、下部シー
ルド1の膜厚も同等に変えた)ところ、膜厚が0.1μ
m未満である場合にはO/W値が−25dBより悪くな
り、実用上十分な記録性能を保証できなくなる一方、
0.1μm以上の膜厚の場合良好な記録性能を確保でき
る結果が得られた(なお、この試験結果を示すグラフの
添付は省略する。)。上述したように記録用主磁極23
の膜厚と下部シールド1の膜厚を0.1μm以上に設定
したのは、この検証結果に基づくものである。
【0044】また、上述したように記録用主磁極23の
膜厚と下部シールド1の膜厚を0.8μm以下に設定し
たのは、次のような比較結果があることに基づくもので
ある。この比較結果について以下に説明する。
【0045】厚いシールドを持つタイプのMRヘッドと
図1の磁気ヘッドとを対象にして、スキュー角αが変わ
ったとき生ずるトラックずれ(Ls)を求めると、以下
のようになる。ここで記録ヘッド18(記録用主磁極2
3)及び再生ヘッド17(MR素子8)間の距離をLh
とすると Ls=Lh×tanα … (1) となる。
【0046】前記図1の磁気ヘッドに対し、長手記録用
MRヘッド(図17)の場合、再生用ギャップ7の長さ
Gr、上部シールド3の膜厚Ts、記録ギャップ長Gw
とすると、距離Lhは、 Lh=Gr/2+Gw+Ts … (2) となり、実際に用いられているMRヘッドでは、距離L
hは3μmである。このとき、スキュー角αを20°と
すると、式(2)のLsは1μmとなり、大きなトラッ
クずれLsを生ずることになる。
【0047】なお、図1の装置で下部シールド1及び記
録用主磁極23の膜厚を0.4μmとしたときは、十分
なシールド効果を持つと共に、良好な記録特性を有する
ことになる。また、本実施の形態(図1)の場合、記録
は記録用主磁極23のトレーリングエッジ(流出端;図
3のTE部)で行われるため記録用主磁極23の膜厚を
Tmとすると前記距離Lhは、 Lh=Gr/2+Tm … (3) であり、下部シールド1の膜厚を0.4μm、記録用主
磁極23の膜厚Tmを0.4μm、再生用ギャップ7の
長さGrを0.3μmとするとLh=0.55μmとな
る。このとき、スキュー角αを20°とすると式(2)
のLsは0.2μmであり、トラックずれLsは小さい
値となる。
【0048】一方、図1に示す構造で、記録用主磁極2
3及び下部シールド1の膜厚を1μmに設定した場合に
は、十分なシールド効果を持つとともに記録用主磁極2
3の記録特性が良好なものになるものの、このときのト
ラックずれLsは0.42μm以上、すなわち大きなト
ラックずれを発生するという結果が得られた。この結果
に基づき、記録用主磁極23の厚膜及び下部シールド1
の膜厚を1μm未満の値である0.8μm以下に設定し
た。また、本実施の形態では、記録用リターンヨーク2
5を設けており磁束のリターンパスを形成するので、記
録効率の向上を図ることができる。
【0049】ところで、一般に、隣接トラックの信号を
再生するとノイズの原因になるが、垂直磁気記録を行う
本実施の形態について、オフトラック特性の試験及び記
録したビットパターンについての磁気力間顕微鏡(MF
M)での観察を行ったところ、図7の特性データと、図
8に示す磁気力間顕微鏡写真に基づく図とが得られた。
これら図面から明らかなように、トラック幅方向の記録
分解能が優れているので、下部シールドの幅を記録用主
磁極の幅と同等にして十分であることを検証することが
できた。なお、図7のオフトラック特性は、オントラッ
クの状態、つまり記録されたトラック上を磁気ヘッドが
走行し記録されたデータを読んでいる状態を0(ゼロ)
位置とし、磁気ヘッドを左右にずらしていった時の再生
出力の測定値を示すものである。また、図8は、磁気力
間顕微鏡写真を図示化したもので、図中Kはデータが記
録された部分を示し、Pはデータが記録されていない部
分を示している。前記部分Kの幅が記録されたトラック
幅になる。そして、図8の部分Kの幅が、図7のオフト
ラック特性から求められたトラック幅3.5μm及び光
学的(顕微鏡で測定した)トラック幅3.5μmと一致
していることからトラック幅方向の記録分解能が良いと
判断でき、これにより、上述したように下部シールドの
幅を記録用主磁極の幅と同等にして十分であることを検
証することができた。
【0050】次に図9及び図10に基づいて本発明の第
2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態は前
記第1の実施の形態(図1、図2)に比して、記録用リ
ターンヨーク25を省略したことが異なっている。この
第2の実施の形態では、記録用主磁極23と、補助ヨー
ク24と、コイル6とにより記録ヘッド18を構成して
いる。そして、この場合、コイル6が磁界を発生する
と、記録用主磁極23、コイル6の中心部に相当する図
1のヨーク副部25bがあった部分、及びヨーク本体部
25aがあった部分からなる記録用閉磁路19が形成さ
れ、再生ヘッド17は記録用閉磁路19の内側になるよ
うに配置されている。そして、この第2の実施の形態
も、前記第1の実施の形態と同様に、記録用主磁極23
及び下部シールド1の膜厚が0.1μm〜0.8μmの
寸法で従来技術に比して薄く設定されたことと相まっ
て、スキュー角αが変わったときにも、記録ヘッド18
及び再生ヘッド17の双方のトラックにずれが生じるよ
うなことを抑制できる。
【0051】さらに、第2の実施の形態の磁気ヘッド1
8は、記録用主磁極23と、補助ヨーク24及びコイル
6から成り、比較的平坦な単純な構造をしている。この
ため厚い膜の積み上げや接続部が少ないことから作製工
数の減少、製造コスト削減、歩留まり向上が図れる。
【0052】第1、第2の実施の形態の磁気ヘッドの電
流飽和特性(横軸には記録電流とコイル6巻き数の積、
つまり起磁力をとる)を求めたところ、図11に示す結
果が得られた。第2の実施の形態(図9の磁気ヘッド)
の場合は、再生出力及びO/W値ともに飽和に至る起磁
力は第1の実施の形態(図1の磁気ヘッド)に比べ1.
5倍であり、またO/W値については第1の実施の形態
(図1の磁気ヘッド)の場合には−40dBであり、第
2の実施の形態(図9の磁気ヘッド)の場合には−36
dBであって記録能力は若干劣っているが、性能比較で
重要なものとなる磁気ヘッドの再生出力は第2の実施の
形態と第1の実施の形態でほぼ同等となっていることか
ら判断しても、第2の実施の形態の記録能力は実用上は
まったく問題とならないものである。
【0053】記録用主磁極23と下部シールド1とを同
等幅寸法に設定したことにより、記録時に記録用主磁極
23のみならず下部シールド1にも磁束が集中すること
になって、下部シールド1も記録ヘッドとして機能する
ようになる。このため、記録用主磁極23の膜厚がその
分厚くなったものに相当することとなり、O/W値が、
記録用主磁極23の膜厚と下部シールド1の膜厚を合わ
せた膜厚寸法の記録用主磁極23により得られるO/W
値と同等になり、O/W値の向上を図ることができる。
そして、この第2の実施の形態で、下部シールド1の膜
厚が0.2μm、記録用主磁極23の膜厚が0.2μm
のときのO/W値と、前記第1の実施の形態の場合に記
録用主磁極23の膜厚が0.4μm のときのO/W値と
を求めたところ、両者のO/W値がほぼ同等の値(−4
0dB)を示すという結果が得られ、記録用主磁極23
の幅と下部シールド1の幅とを同等寸法に設定したこと
によりO/W値の向上を図ることができることを検証で
きた。
【0054】上記各実施の形態では、補助ヨーク24を
設けた場合を例にしたが、補助ヨーク24の省略を図る
ことが可能であり、このように構成することにより、記
録ヘッドひいては装置全体の構成が簡略化されて作製工
数の減少、製造コスト削減、歩留まり向上を図ることが
できる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁基板上に前記磁気
抵抗効果型再生ヘッドに対して磁気シールドする磁気シ
ールド層、ギャップ用絶縁層、前記磁気抵抗効果型再生
ヘッドの一部を成す積層構造の磁気抵抗効果感磁部の順
に多層膜を形成する工程と、前記多層膜の上に磁気ヘッ
ドのトラックを作るフォトレジストを設ける工程と、前
記フォトレジストが設けられた前記多層膜に対してエッ
チング処理する工程と、前記エッチング処理工程で残さ
れた前記多層膜と同等高さになるように前記絶縁基板上
に絶縁層を形成する工程と、前記フォトレジストを取り
除く工程と、前記フォトレジストが取り除かれた前記多
層膜の上に磁気抵抗効果感磁部用の電極膜を作製する工
程とからなり、磁気シールド層と電極膜との間にギャッ
プ用絶縁層が略平坦状に配置されると共に、磁気シール
ド層及び電極膜の外周側にギャップ用絶縁層及び磁気抵
抗効果感磁部に相当する厚さの絶縁層が確保されるの
で、良好な絶縁性が維持され、ひいては再生ギャップの
狭小化に確実に対処できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の垂直記録用複合型
ヘッドを示す断面図である。
【図2】図1の複合型ヘッドを記録媒体対向面から見た
図である。
【図3】図1の複合型ヘッドでトラックずれが小さくな
ることを示す図である。
【図4】図1の垂直記録用複合型ヘッドの製造手順工程
を示す工程図である。
【図5】図4に続く工程図である。
【図6】図5に続く工程図である。
【図7】図1の装置のオフトラック特性を示す図であ
る。
【図8】図1の装置で記録したビットパターンを示す磁
気力間顕微鏡写真に基づいて作成した図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の垂直記録用複合型
ヘッドを示す断面図である。
【図10】図9の複合型ヘッドを記録媒体対向面から見
た図である。
【図11】第1、第2の実施の形態それぞれの起磁力−
再生出力、O/W値特性を示す図である。
【図12】従来の横型MRヘッドを用いた長手記録方式
の磁気ヘッドを示す断面図である。
【図13】図12の感磁部を示す断面図(図12の矢印
A方向から見た図)である。
【図14】横型MRヘッドを用いた磁気ヘッドを示す断
面図である。
【図15】シールド方式の磁気ヘッドの一例を示す断面
図である。
【図16】ヨーク方式の垂直記録用複合型ヘッドの一例
を示す断面図である。
【図17】磁気ヘッドのトラックずれの発生状況を示す
ための図である。
【図18】従来のMRヘッドの一例を示す断面図であ
る。
【図19】図18の絶縁層を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 下部シールド 1A 軟磁性膜 2a 絶縁基板 2c 絶縁層 9 感磁部 17 再生ヘッド 18 記録ヘッド 23 記録用主磁極 41 フォトレジストパターン 40 多層膜(軟磁性膜1A、絶縁基板2a、感磁部
9)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果型再生ヘッドと軟磁性膜を
    主磁極とする誘導型記録ヘッドとを積層構造で構成した
    垂直磁気記録用複合型ヘッドの製造方法において、絶縁
    基板上に前記磁気抵抗効果型再生ヘッドに対して磁気シ
    ールドする磁気シールド層、ギャップ用絶縁層、前記磁
    気抵抗効果型再生ヘッドの一部を成す積層構造の磁気抵
    抗効果感磁部の順に多層膜を形成する工程と、前記多層
    膜の上に磁気ヘッドのトラックを作るフォトレジストを
    設ける工程と、前記フォトレジストが設けられた前記多
    層膜に対してエッチング処理する工程と、前記エッチン
    グ処理工程で残された前記多層膜と同等高さになるよう
    に前記絶縁基板上に絶縁層を形成する工程と、前記フォ
    トレジストを取り除く工程と、前記フォトレジストが取
    り除かれた前記多層膜の上に磁気抵抗効果感磁部用の電
    極膜を作製する工程とからなることを特徴とする垂直磁
    気記録用複合型ヘッドの製造方法。
JP10810597A 1997-04-10 1997-04-10 垂直磁気記録用複合型ヘッドの製造方法 Pending JPH10289423A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6004588A (en) * 1995-12-25 1999-12-21 Torii; Kazuyuki Far-infrared radiation material
US6754051B2 (en) 1999-03-24 2004-06-22 Tdk Corporation Spin valve transducer having partly patterned magnetoresistance element

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