JP2951335B2 - 光ディスクおよびその製造方法 - Google Patents

光ディスクおよびその製造方法

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JP2951335B2 JP1070682A JP7068289A JP2951335B2 JP 2951335 B2 JP2951335 B2 JP 2951335B2 JP 1070682 A JP1070682 A JP 1070682A JP 7068289 A JP7068289 A JP 7068289A JP 2951335 B2 JP2951335 B2 JP 2951335B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はレーザ光を用いて記録、再生、あるいは消去
を行う光記録媒体において、光ディスク用基板として生
産性に優れ、かつ経済性に富む樹脂基板を用いた安価で
信頼性の高い光ディスクおよびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、高度情報化社会の進展により高密度・大容量を
有するファイルメモリとして光メモリが注目されてお
り、中でも光磁気記録は最も実用化に近い段階にあると
いわれている。これら光ディスク用基板として、ガラス
円板上にホトポリマー法(2P法)により案内溝を形成し
た、いわゆるガラス/2P基板、あるいはガラス円板上に
直接案内溝を形成した光ディスク用基板等が主に用いら
れており、この上に記録媒体層が構成されている。とこ
ろで、光記録、中でもとりわけ光磁気記録においては、
光磁気記録媒体の種々の性能、特に記録消去の感度、再
生出力、欠陥レートあるいはエラーレイト等は充分に実
用的レベルにある。そして、次の段階として、光ディス
クの低価格化の問題がとりあげられている。現在、光デ
ィスク価格の大半を占めているのは光ディスク用基板で
あり、上述のガラス系の光ディスク用基板では量産性、
経済性共に問題があった。これに対して、射出成型法に
よって製造されるプラスチック製の基板は、低価格で、
かつ量産性に富んでいる。しかしながら、射出成型によ
り作製した光ディスク用基板上に記録媒体層を形成させ
ると、記録膜と基板との密着性が悪く、長期間使用する
と記録膜などの膜が剥離する等の問題があった。なお、
記録媒体層の密着性の問題を解決するための手段につい
ては、特開昭62−241154号公報、特開昭62−114141号公
報などにおいて提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来技術において、プラスチック製の光ディ
スク用基板上に、下地層として、例えば誘電体膜などを
積層する場合、プロセス条件を制御することにより記録
膜などの接着性の向上がはかられることはよく知られて
いるが、光ディスクの生産性の容易さ、量産性、さらに
は信頼性の向上といった点に関しては十分な配慮がなさ
れておらず、特に低価格で生産性の良い光ディスクの製
造方法あるいは製造条件などについては確立されていな
かった。例えば、膜形成方法として、スパッタリング法
ではなく真空蒸着法を導入したり、スパッタリングプロ
セスにおいては雰囲気ガスの種類やスパッタリング時の
圧力、あるいは投入RF電力等を制御するなどの手法によ
り、プラスチック製の基板への密着性を向上させること
が試みられているが量産性に劣るという問題があった。
本発明の目的は、光ディスクの量産性を低下させるこ
となく、簡易な手法で膜形成が行なえ、かつ密着性の良
い誘電体材料を情報記録膜の下地層とすると共に、密着
性に優れた光ディスク構造となし、高性能で信頼性が高
く、かつ安価な光ディスクおよびその製造方法を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
レーザ光により記録、再生あるいは消去を行う光ディ
スクにおいて、従来から記録−再生特性、記録や消去感
度、さらに信頼性といった点に関する検討は十分に行わ
れてきているが、残された課題の一つに光ディスクの量
産化および低価格化の問題がある。現在、光ディスクに
用いられている材料の中で、最も価格的に高いのは基板
材料で、通常用いられているものはガラス円板上にホト
ポリマ法(2P法)により凹凸の案内溝やピットを形成し
た、いわゆるガラス/2P基板や、ガラス円板上に直接凹
凸の案内溝を形成した基板などが挙げられる。これら、
ガラスを主体とした基板は機械的特性には優れている
が、破損する場合があったり、著しく価格が高く、しか
も基板の生産性が低いなどの欠点があった。これらの問
題を解決するために、ポリカーボネート樹脂に代表され
る射出成型法により作製される樹脂基板が注目されてい
る。しかしながら、これらの樹脂基板上に光記録媒体層
を成膜すると、樹脂基板と光記録媒体との密着性が悪い
ために、使用中に記録媒体層が剥れてしまい信頼性が確
保できないという問題があった。これを解決する手法が
幾つか提案されているが、これらの手法ではプロセスが
複雑になり量産性および経済性が共に低下してしまい、
樹脂基板を用いるメリットが喪失されてしまう結果にな
った。そこで、本発明の目的とするところは、光ディス
クの諸特性を低下させずに、記録媒体層と基板との密着
性を向上させて、量産性および経済性を確保するところ
にある。この目的を達成するために、プラスチック基板
上に記録媒体層を形成する際に、基板と接する下地層を
形成し、該下地層のストレスをフリーとすることにより
基板との接着性を向上させることができる。具体的に
は、その材料として安定化ジルコニアを用いることによ
り実現される。なお、下地層としてはジルコニアのみで
基板との密着性はかなり改善されるが、ジルコニア単体
では化学的安定性に欠け、かつ遊離の酸素が存在するの
で、これと光記録膜とが反応して、光ディスクの性能が
低下するといった問題が生じる。これを解決するため
に、ジルコニアに安定化剤としてイットリアもしくはマ
グネシアを2〜20at%添加すると効果的であることが分
かった。イットリアの添加不足(2at%未満)ではジル
コニアの安定化には効果がみられず、また添加量が多く
なり過ぎる(20at%を超える量)と密着性および屈折率
が小さくなり、下地層としての光学的特性が失われるな
どの逆効果が生じるので好ましくない。このことから、
ジルコニア中へのイットリアの添加量は、2〜20at%の
範囲が好ましい。また、この安定化ジルコニア膜の屈折
率は、光ディスク用基板の屈折率との差が0.4以上ある
ことが望ましい。これは、光ディスク基板表面の凹凸の
案内溝を、光学的に検出するために必要で、上記の屈折
率の差が小さいと、案内溝が埋まったように見え、情報
の正確な位置決めができなくなるので、下地層の屈折率
は重要なパラメータとなる。また、形成した下地層であ
る安定化ジルコニア膜の光の吸収率が大きいと、光の利
用率が悪くなり、光ディスクの性能が低下してしまう。
すなわち、カー(Kerr)回転角(θ)は大きく変らな
いで反射率(R)のみが小さくなり、光ディスクの性能
指数 は低下することになる。ところで、安定化ジルコニアが
他の無機化合物の誘電体に比べて、基板との密接性が良
い原因の1つには、内部応力が著しく小さく、ストレス
フリーに近い下地層を形成できるところにある。そし
て、さらに接着力を向上させる手段として、基板表面の
活性化度合を上げるために基板表面の状態を改質し、さ
らに効果的には基板表面をプラズマエッチングしたり、
基板を樹脂基板の軟化点以下の温度に加熱した状態で安
定化ジルコニア膜を形成させたりする方法がより有効で
ある。また、プラスチック製の基板上に安定化ジルコニ
ア膜を形成させる場合に、通常のスパッタリング法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法の他に、イオンミキ
シング法によって、安定化ジルコニア膜と基板との間
に、安定化ジルコニアと基板材料よりなる混合層を設け
ることにより、基板と安定化ジルコニア膜との接着力を
いっそう増大させることができる。また、安定化ジルコ
ニア膜の形成と同時に、基板表面をミリングガンにより
イオンミリングを行っても、成膜速度はやや低下するが
接着力を向上できることが分った。これらの手法は、単
独で用いる以外に、接着性向上効果をいっそう高めるた
めに組合せて用いても良い。
この他、安定化ジルコニア膜の接着性と、シリコンあ
るいはアルミニウムの窒化物や酸化ケイ素、酸化タンタ
ル、硫化亜鉛、サイアロン(SiAlON)などの無機化合物
よりなる誘電体膜の良好な光学特性の両方を生かすため
に、プラスチック製の基板上に、安定化ジルコニア層が
基板表面をほぼ覆う程度の薄い膜厚に形成し、その上に
上記の無機化合物の誘電体膜を形成させてもよい。この
場合、有効な安定化ジルコニア層の膜厚は20〜200Åの
間が好ましい。さらに、安定化ジルコニア層の形成に
は、上記プラスチック基板の表面改質、特にその表面に
プラズマエッチングを施すことにより、さらに接着性と
光学特性向上の効果を高めることができる。その際に、
安定化ジルコニアの屈折率と、その上に形成させる酸化
ケイ素、窒化ケイ素あるいは窒化アルミニウム、酸化タ
ンタル、硫化亜鉛、サイアロン(SiAlON)等の無機誘電
体材料の屈折率とをほぼ等しくすることが重要で、屈折
率の差による層界面からの反射光が小さくなり、カー
(Kerr)エンハンスメント効果が増大し、光ディスクの
性能を向上させることができる。
このように、プラスチック製の基板上に無機化合物よ
りなる誘電体膜を形成させる場合には、膜の内部応力を
108dyn/cm2以下、さらにはストレスフリーとすることが
重要で、大半の無機誘電体材料はその内部応力が5×10
8dyn/cm2〜1010dyn/cm2と大きく、これはスパッタ条件
を選択しても、その値はせいぜい1/2程度に減少するの
みで、ストレスフリーの誘電体膜は得られなかった。と
ころが、安定化ジルコニア膜のストレスは、ほぼゼロで
あり、これが安定化ジルコニアの密着性が高い第1の原
因であると考えられる。この他、ジルコニア中の酸素が
プラスチック製の基板中の炭素と弱い化学結合を形成す
ることも密着性向上の一つの要因となっている。この効
果は、安定化ジルコニア膜の形成を、窒素含有雰囲気中
で行うと、通常の不活性ガス雰囲気中で成膜した場合と
比べて接着強度が高くなることからも分かる。すなわ
ち、この場合安定化ジルコニア膜中の窒素とプラスチッ
ク基板中の炭素との間に弱い化学結合が生じるものと思
われる。
以上述べた本発明の効果は、プラスチック製の基板上
に誘電体膜を形成させるのに有効で、特に量産性および
低価格化が要求される光ディスクの分野においてその効
果が高い。本発明は、光ディスク用のプラスチック製の
基板全般に適用できるが、特にポリカーボネート系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ
スルホン系樹脂、あるいはアクリル系およびその誘導体
よりなる樹脂基板上に形成させる場合に有効である。そ
して、これらのプラスチック製の基板上に安定化ジルコ
ニア膜〔n(屈折率)=2.05、t(厚さ)=850Å〕、
垂直磁化膜〔TbFeCoNb膜、t=300Å、Tc(キュリー温
度)=200℃、Tconp(補償温度)=80℃、θ(カー回
転角)0.34゜、Hc(保磁力)=12kOe〕、窒化シリコン
膜(n=2.15、t=200Å)、そしてAl−Ti金属保護膜
(t=500Å)あるいは、プラスチック基板上に形成さ
せる第1層目の膜として安定化ジルコニア下地層(n=
2.05、t=100Å)、第2層目の膜として窒化シリコン
層(n=2.05、t=750Å)の二層とした場合において
も、光ディスクの特性、例えばC/N=50dB(ディスク位
置φ=30mm、周期1.5T、記録周波数4.9MHz)と従来技術
との相違はほとんど無かった。そして、60℃−95%RH中
に1000時間放置しても、剥離などは全く発生せず、かつ
曲げ試験や引張り試験においても、十分な強度が得られ
ており、信頼性の高い光ディスクを作製することができ
た。比較のために、安定化ジルコニア層を設けず、窒化
シリコン/垂直磁化膜/窒化シリコン/金属反射膜の4
層からなる光ディスクでは、60℃−95%RH中に400時間
放置しただけで、記録媒体層が剥離し、曲げ試験におい
ても、筋状の剥離が生じ、引張り試験においても、安定
化ジルコニアを用いたものでは4kg/cm2の力で剥離が生
じたのに対し、比較例の光ディスクでは、1.3kg/cm2
小さな力で剥離が生じ、本発明の光ディスクにおいては
著しく密着性が向上していることを示している。
なお、本発明の光記録媒体は、光磁気記録媒体に限ら
ず、相転移を利用した方式、穴あけタイプの方式の光記
録媒体などの種類に制約されず、本発明は有効に適用す
ることができる。
〔作用〕
安定化ジルコニア膜は、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法のいずれの
薄膜形成法を用いた場合においても、膜の内部応力はほ
とんど存在せず、ストレスフリーであり、かつ化学的に
も基板とその上に形成した膜との間に弱い化学結合が生
じていることにより、基板とその表面に形成した膜との
間の接着性が向上する。安定化ジルコニア膜自身を光学
効果膜あるいは保護膜として用いても良いが、20〜200
Å程度の厚さの下地層として形成し、その上に光学的特
性に優れた窒化シリコン膜や窒化アルミニウム膜あるい
は酸化シリコン膜などを形成しても、記録媒体層の接着
性を向上させることができる。これは、下地層が内部応
力の干渉層として作用するので接着性が著しく改善され
ることになる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を挙げ、図面を参照しなが
ら、さらに詳細に説明する。
(実施例 1) 光ディスクの作製に先立ち、まず安定化ジルコニア膜
の内部応力のスパッタリング条件依存性について調べ
た。厚さ0.25mmの両面を鏡面研摩したシリコンウェハ上
に、スパッタリング法により、安定化ジルコニア膜
〔(ZrO20.9(Y2O30.1〕を形成し、膜形成前後での
ニュートリングの干渉縞の変化から内部応力を求めた。
なお、成膜の条件は、以下に示すとおりで、安定化ジル
コニア膜の厚さは1000Åとした。
放電ガス:Ar(純度99.999%) 圧 力:3×10-3〜3×10-2Torr 投入RF電力密度:4.5W/cm2 なお、スパッタ時の圧力を種々変えて形成した膜の内
部応力σ(N/m2)と放電ガス圧力(Torr)の関係を第2
図に示す。図において、圧力を3×10-3Torrから3×10
-2Torrまで変えたが、その圧力に依存せず内部応力の変
化はほとんど見られず一定で、ほぼストレスフリーであ
った。
次に、上記の安定化ジルコニア膜を下地層として光デ
ィスクを作製した。その光ディスクの断面構造を第1図
に示す。
図に示すごとく、まずポリカーボネートよりなる基板
1上に、スパッタリング法により安定化ジルコニア膜2
(n=2.05)を850Åの厚さに形成した。スパッタ条件
は、放電ガス圧力を1×102Torrとした以外、上記の内
部応力測定のために形成した安定化ジルコニア膜と同一
とした。そして、引き続き、情報記録膜3として、Tb24
Fe61Co12Nb3膜をスパッタリング法により形成した。成
膜条件は、放電ガス圧力を5×10-3Torrとした以外、上
記安定化ジルコニア膜2形成時と同様にし、その膜厚を
300Åとした。続いて、窒化シリコン膜4をスパッタリ
ング法にて形成した。成膜条件は以下に示すとおりで、
膜厚は200Å、屈折率n=2.20であった。
ターゲット:Si 放電ガス :Ar/N2(=90/10)混合ガス ガス圧力 :2×10-2Torr 投入RF電力:4.2W/cm2 そして最後に、Al−Ti膜よりなる金属保護膜5をスパッ
タリング法により形成した。その時のスパッタ条件は、
ターゲットにAl−Ti合金(Al90−Ti10)、放電ガスにAr
(純度99.999%)をそれぞれ使用し、放電ガス圧力1×
10-2Torr、投入RF電力4.2W/cm2にて、500Åの膜厚に形
成した。比較例1として、安定化ジルコニア膜2の変わ
りに、窒化シリコン(n=2.05)を850Åの厚さに形成
した光ディスクを作製した。
このようにして作製した光ディスクを、まず60℃−95
%RHの雰囲気中に放置したときの変化を調べた。その結
果、比較例1の光ディスクでは、200時間上記雰囲気中
に放置したところ、光ディスクの径方向に筋状の剥離が
発生した。これに対して、本実施例において作製した光
ディスクは、上記の環境中に1000時間以上放置しても、
剥離やクラックは全然発生しなかった。
次に、膜と基板の接着性を調べるための引き剥がしテ
ストを行った。試験装置の概略の構成を第3図に示す。
プラスチック(ポリカーボネート)基板1上に、4層か
らなる光記録媒体層7を設けた本実施例による光ディス
クを用い、その上に接着剤で幅(W)10mmのポリイミド
系樹脂よりなるフィルム6を貼り付け、基板1を固定し
て上記フィルム6を基板1に対して垂直上向きの力
(F)によって引き上げる。そして、引き剥がし距離
(x)と力(F)の関係を調べた。その結果を第4図
(a)、(b)に示す。比較例1〔第4図(a)〕で
は、フィルム6を引き上げるとパルス的な力がかかって
おり、これは膜が基板1から剥がれる時に、「力をかけ
ると膜が剥がれる」というサイクルを繰返していること
が分かる。これに対して、実施例1の光ディスクでは、
2.2kgW/cm程度の力がほぼコンスタントにかかってお
り、これは接着剤とフィルム6の界面から剥がれている
ことを示しており、基板1と膜および膜同志の接着性が
著しく強いことが分かる。最後に、カッターナイフで3m
m角の傷を付け、粘着テープを貼り付け、これに力を加
えて引き剥がすピールテストを試みた。3mm角の傷を9
個設け、その内の剥がれた枚数をカウントした結果、本
実施例では9個の内、剥がれたものは1枚もなかった。
一方、比較例1では9個の内7〜8枚が剥がれてしま
い、膜の接着性が著しく劣ることが分かった。本実施例
においては基板材料にポリカーボネートを用いた場合を
例示したが、この効果は、基板材料に依存せず、その他
のいずれのプラスチック製の基板に対しても得られるこ
とを確認している。
(実施例 2) 本実施例において作製した光ディスクの構造は、第1
図に示すごとく、実施例1と同様である。光ディスクの
作製において、まずプラスチック製の基板1の表面を、
5分間プラズマエッチング処理を施した。なお、プラズ
マエッチング処理の条件は以下に示すとおりである。
投入RF電力密度:0.6W/cm2 放電ガス :Ar(純度99.999%以上) 放電ガス圧力:1×10-2Torr そして、基板1の表面をプラズマエッチング処理した後
に、実施例1と同様の手順により、各々の膜を積層して
光ディスクを作製した。
次に、このようにして作製した光ディスクの接着性テ
ストを行った。なお、接着性テストに用いた装置の構造
の概略を第5図(a)、(b)、(c)に示す。この接
着性テストの手法は、長方形に切出した試験片9の一方
を、試験片固定用ねじ10で固定しておき、押上げ板11を
回転させることにより、試験片9の他方の端に力を徐々
にかけてゆき、その曲げ角(θ)と生じた筋状の剥離12
の本数を調べた。その結果を第6図に示す。図におい
て、まず、比較例1において作製した第1層目に窒化シ
リコン膜を設けた光ディスクは、曲げ角(θ)が6゜付
近より筋状の剥離12が発生しはじめ、θが10゜では20本
の筋状の剥離が発生した。これに対して、実施例1にお
いて作製した第1層目に安定化ジルコニア膜2を設けた
本発明の光ディスクは、曲げ角(θ)と発生した筋状の
剥離の本数との間の直線で示される勾配が、安定化ジル
コニア膜を用いることにより小さくなっており、剥離が
発生しにくいことを示している。そして、本実施例にお
いて成膜前にプラズマエッチング処理を行った光ディス
クは、第6図に示すごとく、筋状の剥離が発生する曲げ
角(θ)は、ほぼ上記実施例1と同じであるが、その後
さらに曲げ角を上げていっても、筋状の剥離の本数の増
加の割合が少なく、5分間プラズマエッチング処理を施
すことによって、かなり剥離を抑制することができる効
果のあることが分かった。このように、プラスチック製
の基板上に安定化ジルコニア膜を形成することで、情報
記録膜の密着性が改善され、そしてさらに、膜形成前に
基板表面をプラズマエッチングすることにより、さらに
密着効果を向上させることができた。本実施例において
は、基板材料としてポリカーボネートを用いた場合であ
るが、この効果はプラスチック製の基板全体に見られる
効果であることは言うまでもない。
この他、基板表面のプラズマ処理は、基板表面の水や
吸着酸素あるいは酸化物層の存在による光ディスク特性
の低下を防止することができる効果もある。
(実施例 3) 本実施例においては、安定化ジルコニア膜の形成に、
ダイナミックミキシング装置を用いて行った場合の一例
を示す。作製した光ディスクの断面構造は、第1図に示
す実施例1の場合と同様である。
ポリオレフィン系樹脂よりなる基板1上にダイナミッ
クミキシング装置によって安定化ジルコニア膜2を形成
した。その後に、情報記録膜3、窒化シリコン膜4そし
て金属保護膜5を実施例1と同様の手法および条件にて
連続積層し、光ディスクを作製した。
本実施例において、光ディスクの接着性試験は、上述
の実施例2において示した装置を用い、曲げ試験法によ
り調べた。その結果を第7図に示す。図において、比較
例1は、実施例1における安定化ジルコニア膜2の代わ
りに窒化シリコン膜を用いた光ディスクである。そし
て、これらに比べて、本実施例のダイレクトミキシング
装置を用いて形成した安定化ジルコニア膜2を下地層と
して設けた光ディスクは、曲げ角(θ)を30゜まで曲げ
ても筋状の剥離が発生せず、非常に強固に接着した膜が
形成されていることが分かる。この原因を調べるため
に、オージェ電子分光法によりデプスプロファイル〔De
pth profile(膜の深さ方向の元素分布の測定)〕を測
定した。その結果を第8図に示す。図において、点線で
示す曲線は、通常のスパッタリング法(例えば、実施例
1)により安定化ジルコニア膜2を形成した場合のプロ
ファイルを示す。これと、ダイナミックミキシング法に
より安定化ジルコニア膜2を形成させた場合を比較する
と、本実施例の場合には、実線で示されるごとく、安定
化ジルコニアと基板材料との混合層が基板上に形成さ
れ、これが安定化ジルコニア膜の接着性の向上に大きく
寄与しているものと考えられる。本実施例においては、
基板材料としてポリオレフィン樹脂を用いた場合を例に
挙げたが、本実施例の効果は樹脂材料の種類によって制
約されず、プラスチック基板であれば、いずれの基板に
対しても有効に適用することができる。
(実施例 4) 本実施例においては、安定化ジルコニア膜の形成と同
時に基板表面をイオンミリングした場合の一例である。
作製した光ディスクの断面構造は、第1図に示した実施
例1における場合と同様で、第9図に、用いたイオンビ
ームスパッタリング装置の構造の概要を示す。図に示す
ごとく、ポリスルホン系樹脂よりなる基板1上に、ター
ゲット19としてZrO2−Y2O3を用い、イオンビームスパッ
タリングにより安定化ジルコニア膜2を成膜すると同時
に、基板1表面を、ミリングガン17によりArイオンのビ
ームでミリングをかけて下地層を形成した。その後に、
情報記録膜3、窒化シリコン膜4、そして金属保護膜5
を実施例1と同様の手法および条件で連続して積層し、
光ディスクを作製した。
この光ディスクの接着性試験として、上記実施例2に
おいて示した装置を用い、曲げ試験を行った。その結
果、上記実施例3の光ディスクと同様に、30゜まで曲げ
ても筋状の剥離は発生せず、非常に強固に密着した情報
記録膜2が得られた。そして、オージェ電子分光法によ
り基板と安定化ジルコニア膜との界面の状況を調べたと
ころ、基板中に安定化ジルコニアが打込まれていた。こ
の釘打ち効果により、基板1と安定化ジルコニア膜2と
の密着性が向上したものと考えられる。
(実施例 5) 本実施例において作製した光ディスクの断面構造を第
10図に示す。まず、ポリカーボネート樹脂よりなる基板
1上に、安定化ジルコニア膜2を100Åの厚さに形成し
た。その成膜条件は以下に示すとおりである。なお、こ
の膜の屈折率n=2.05であった。
投入RF電力 :4.5W/cm2 放電ガス :Ar(純度99.999%以上) 放電ガス圧力:1×10-2Torr 引き続き、窒化シリコン膜4を、上記と同じ条件でスパ
ッタを行い成膜した。膜厚は750Å、屈折率n=2.05で
あった。次に、情報記録膜3をスパッタ法により形成し
た。ターゲットとして、(Gd0.6Tb0.423.5Fe61.5
12.0Ta3組成の合金を使用し、放電ガス圧力を5×10-3T
orrとした以外は、上記の成膜条件と同じにした。そし
て再び窒化シリコン膜4を上記と同一条件にて200Åの
膜厚に形成し、最後にAl90−Ti10の金属保護膜5を形成
した。膜厚は500Å、スパッタ条件は安定化ジルコニア
膜の場合と同一である。
このようにして作製した光ディスクの接着性試験とし
て、60℃−95%RH中に放置した時の剥離の発生の有無、
および曲げ試験を行った。ここで、比較例2として、安
定化ジルコニア膜2を設けず窒化シリコン膜4のみを85
0Å(屈折率n=2.05)の膜厚に形成し、それより上層
の情報記録膜3、窒化シリコン膜4、金属保護膜5を実
施例1と同様の構成とした光ディスクを作製した。ま
ず、60℃−95%RH雰囲気中に放置した場合に、本実施例
における光ディスクは、2000時間放置しても剥離の発生
はなかった。これに対して、上記比較例2の光ディスク
では上記の雰囲気中で200時間放置後、光ディスクの径
方向に筋状の剥離が発生した。次に、これらの光ディス
クに対し、曲げ試験を行った。その結果を第11図に示
す。図において、比較例2の光ディスクを5゜ほど曲げ
たところで、筋状の剥離が生じ、さらに曲げ角(θ)を
大きくしてゆくと筋状の剥離は急激に増加したのに対
し、本実施例において作製した光ディスクでは、曲げ角
が20゜付近から筋状の剥離が生じはじめ、さらに曲げる
と比較例2よりも、緩やかに筋状の剥離が増大する傾向
を示し、接着性が一段と向上していることが分かる。こ
れは、ポリカーボネート基板に限らず、他の種類のプラ
スチック基板に対しても同様の効果があった。
(実施例 6) 本実施例においては、安定化ジルコニア膜の形成を、
窒素含有雰囲気中にて行った場合で、作製した光ディス
クの断面構造は実施例1の場合と同様とした。
光ディスクの作製は、ポリエーテル系樹脂製の基板1
を用い、その上に安定化ジルコニア膜2をスパッタ法に
より形成させた。なお、成膜条件は、以下に示すとおり
である。
放電ガス :Ar/N2=90/10 放電ガス圧力:1×10-2(Torr) 投入RF電力密度:4.5(W/cm2) ターゲット :(ZrO20.9(Y2O30.1 そして、情報記録膜3として Tb24Fe55Co15Nb3Pt3合金膜をスパッタリング法により形
成した。成膜の条件は、上記実施例1と同様である。引
き続き、窒化シリコン膜4および金属保護膜5を実施例
1と同様の条件で形成した。
このようにして作製した、光ディスクの接着性テスト
を上記実施例5と同様に、60℃−95%RH雰囲気中に放置
したときの剥離やクラック等の発生を調べる手法および
曲げ試験を行った。まず、60℃−95%RH雰囲気中にディ
スクを放置したときの光ディスクの変形について調べ
た。そして、実施例1にて作製したArのみでスパッタし
て形成させた安定化ジルコニア膜を第1層目の膜として
用いた光ディスクおよび安定化ジルコニア膜を用いず窒
化シリコン膜のみを第1層目の膜として用いた比較例1
の光ディスクと比較した。その結果、比較例1の窒化シ
リコン膜のみを用いた光ディスクは、60℃−95%RH雰囲
気中に200時間放置したところ、光ディスクの径方向に
筋状の剥離が生じた。一方、実施例1で示したArのみで
スパッタして形成した安定化ジルコニア膜を用いた光デ
ィスクおよび本実施例において作製した光ディスクにつ
いては、特に上記雰囲気中に放置する手法では差異が見
られず、剥離もクラックも発生しなかった。また曲げ試
験は、上述した第5図に示す装置を用いて行った。その
結果を第12図に示す。窒化シリコン膜のみを用いた比較
例1の光ディスクにおいては、曲げ角θ=5゜で筋状の
クラックが発生しはじめ、その後、曲げ角θの増加と共
に、その数が急激に増大した。これに対し、Arのみでス
パッタして形成した安定化ジルコニア膜を有する光ディ
スクでは、20゜付近から筋状の剥離が発生しはじめ、さ
らにθを大きくしてゆくと窒化シリコンのみを用いた比
較例1の光ディスクよりも、緩やかに筋状の剥離が増加
した。これに対し、本実施例のディスクでは、実施例1
とほぼ同じ曲げ角(θ=22゜)から筋状の剥離が発生し
はじめ、さらに曲げ角を増加してゆくと、筋状の剥離は
Arのみにより形成した安定化ジルコニア膜の場合より
も、さらに緩やかに増加し、接着性が著しく強固になっ
ていることが分かる。この効果は、基板にポリエーテル
を用いた場合のみに限られず、その他のポリカーボネー
トをはじめとする他のプラスチック製の基板全体にわた
って得られることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したごとく、本発明の光ディスクは、
膜形成において如何なる手法、条件により作製しても、
常に内部応力がほぼフリーの極めて安定した安定化ジル
コニア膜を、プラスチック製の基板上に形成させること
が可能で、光ディスク用基板から情報記録媒体層の剥離
をほぼ完全に防止することができ、安価で高性能、かつ
信頼性の高い光ディスクが得られる。また、本発明の光
ディスクは、その記録などの特性が低下することがほと
んどないので、これにより従来信頼性の点で用いること
が困難であった各種のプラスチック製の基板を用いるこ
とが容易となり、経済性の向上、特に低廉な光ディスク
を量産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1において作製した光ディスク
の断面構造を示す模式図、第2図は実施例1における光
ディスクの安定化ジルコニア膜の内部応力とスパッタ
(放電)ガス圧力との関係を示すグラフ、第3図は実施
例で作製した光ディスクの記録媒体層の引き剥がし試験
を示す説明図、第4図(a)、(b)は実施例1および
比較例1で作製した光ディスクの引き剥がし試験結果を
示すグラフ、第5図(a)は実施例で作製した光ディス
クの記録媒体層の接着性試験機の構成を示す模式図、第
5図(b)は第5図(a)の要部拡大図、第5図(c)
は第5図(b)に示す試験片の筋状の剥離状態を示す説
明図、第6図は実施例1、2および比較例1の光ディス
クの記録媒体層の接着性試験結果を示すグラフ、第7図
は実施例1、3および比較例1の光ディスクの記録媒体
層の接着性試験結果を示すグラフ、第8図は実施例3で
作製した光ディスクのオージェ電子分光法によるデプス
プロファイルを示すグラフ、第9図は実施例4において
用いたイオンビームスパッタリング装置の構造の概要を
示す模式図、第10図は実施例5において作製した光ディ
スクの断面構造を示す模式図、第11図は実施例5および
比較例2の光ディスクの記録媒体層の接着性試験結果を
示すグラフ、第12図は実施例1、6および比較例1の光
ディスクの記録媒体層の接着性試験結果を示すグラフで
ある。 1……基板、2……安定化ジルコニア膜 3……情報記録膜、4……窒化シリコン膜 5……金属保護膜、6……フィルム 7……光記録媒体層、9……試験片 10……試験片固定用ねじ、11……押し上げ板 12……筋状剥離、13……マイクロメータ 14……押えガラス、15……スライドガラス 16……膜面、17……ミリングガン 18……スパッタガン 19……ターゲット(ZrO2−Y2O3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡峯 成範 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 太田 憲雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平2−173956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 G11B 7/24

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なプラスチック製の基板上に、下地層
    を介して情報記録膜を形成し、さらに保護膜または反射
    膜もしくはその両方を設けて光記録媒体を構成し、レー
    ザ光を用いて情報の記録、再生もしくは消去を行う光デ
    ィスクにおいて、上記プラスチック製の基板上に、下地
    層としてストレスフリーの、もしくは内部応力が108dyn
    /cm2以下の安定化ジルコニアを主成分として、ジルコニ
    アに対して化学的に安定化作用のあるマグネシアを、原
    子%で2%以上、20%以下の範囲に含有することを特徴
    とする光ディスク。
  2. 【請求項2】透明なプラスチック製の基板上に、下地層
    を介して情報記録膜を形成し、さらに保護膜または反射
    膜もしくはその両方を設けて光記録媒体を構成し、レー
    ザ光を用いて情報の記録、再生もしくは消去を行う光デ
    ィスクにおいて、上記プラスチック製の基板上に、下地
    層としてストレスフリーの無機質誘電体の薄膜層もしく
    は内部応力が108dyn/cm2以下の無機質誘電体の薄膜層を
    形成し、さらに上記無機誘電体の薄膜層の上に、酸化ケ
    イ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化タンタル、
    硫化亜鉛、サイアロン(SiAlON)のうちより選択される
    少なくとも1種の無機質化合物よりなる誘電体膜を設定
    の膜厚に積層した二層構造の下地層を有することを特徴
    とする光ディスク。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の光ディスクにおいて、無
    機質誘電体の薄膜層の屈折率と、その上に積層される無
    機化合物よりなる誘電体膜の屈折率とがほぼ等しくなる
    ように構成したことを特徴とする光ディスク。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    記載の光ディスクにおいて、プラスチック製の基板は、
    ポリカーボネート系樹脂材料、ポリオレフィン系樹脂材
    料、ポリエーテル系樹脂材料、ポリスルホン系樹脂材
    料、アクリル系樹脂材料またはその誘導体よりなる樹脂
    材料のうちより選択される少なくとも1種の樹脂材料か
    らなることを特徴とする光ディスク。
  5. 【請求項5】透明なプラスチック製の基板上に、下地層
    を介して情報記録膜、および保護膜または反射膜もしく
    はその両方を有し、レーザ光を用いて情報の記録、再生
    もしくは消去を行う光ディスクの製造方法において、上
    記プラスチック製の基板表面を活性化処理した後、物理
    蒸着法によって、ストレスフリーの無機質誘電体の薄膜
    層もしくは内部応力が108dyn/cm2以下の無機質誘電体の
    薄膜層を形成し、さらに上記薄膜層の上に、無機化合物
    よりなる誘電体膜を積層して二層構造の下地層を形成
    し、該二層構造の下地層の上に、情報記録膜、および保
    護膜または反射膜もしくはその両方を積層して光記録媒
    体を構成することを特徴とする光ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の光ディスクの製造方法に
    おいて、物理蒸着法によって形成させる無機質誘電体の
    薄膜層は、安定化ジルコニアを主成分とする誘電体薄膜
    となし、上記薄膜層の上に積層させる無機化合物からな
    る誘電体膜は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニ
    ウム、酸化タンタル、硫化亜鉛、サイアロン(SiAlON)
    のうちより選択される少なくとも1種の無機化合物より
    なる誘電体膜とすることを特徴とする光ディスクの製造
    方法。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6に記載の光ディス
    クの製造方法において、無機質誘電体膜の形成もしくは
    無機化合物よりなる誘電体膜の形成は、スパッタリング
    法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンミキ
    シング法のうちより選択される少なくとも1種の成膜手
    段によることを特徴とする光ディスクの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項5、請求項6または請求項7に記載
    の光ディスクの製造方法において、プラスチック製の基
    板上に、安定化ジルコニアを主成分とする誘電体膜を形
    成する場合に、上記基板の温度を、プラスチックの軟化
    温度以下の温度に加熱して成膜することを特徴とする光
    ディスクの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項5、請求項6、請求項7または請求
    項8に記載の光ディスクの製造方法において、プラスチ
    ック製の基板上に、下地層である安定化ジルコニアを主
    成分とする無機質誘電体膜を形成する場合に、上記安定
    化ジルコニアの下地層の形成と同時に、上記基板表面を
    イオンミリングしながら成膜することを特徴とする光デ
    ィスクの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項5、請求項6、請求項7、請求項
    8または請求項9に記載の光ディスクの製造方法におい
    て、プラスチック製の基板上に安定化ジルコニアを主成
    分とする下地層を形成する場合に、窒素を含む雰囲気中
    で成膜することを特徴とする光ディスクの製造方法。
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