JPH06176411A - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
- Publication number
- JPH06176411A JPH06176411A JP23127992A JP23127992A JPH06176411A JP H06176411 A JPH06176411 A JP H06176411A JP 23127992 A JP23127992 A JP 23127992A JP 23127992 A JP23127992 A JP 23127992A JP H06176411 A JPH06176411 A JP H06176411A
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- JP
- Japan
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- protective layer
- magneto
- substrate
- optical recording
- layer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 プラスチックス基板と各層との間の密着性を
向上させることによって、苛酷な環境条件下においても
クラックや剥離のない高寿命、高信頼性の光磁気記録媒
体を提供すること。 【構成】 基板上に少なくとも保護層と、該保護層上に
形成される記録層を具備して構成される光磁気記録媒体
において、保護層が複数の層で構成され、かつ、基板上
に直接形成される保護層がCeO2であることを特徴と
する光磁気記録媒体。また、光磁気記層側の保護層がS
i、B、O、Nよりなる群から選ばれる原子で構成さ
れ、かつ、該原子としてSiとNを必ず含む化合物で形
成された光磁気記録媒体。
向上させることによって、苛酷な環境条件下においても
クラックや剥離のない高寿命、高信頼性の光磁気記録媒
体を提供すること。 【構成】 基板上に少なくとも保護層と、該保護層上に
形成される記録層を具備して構成される光磁気記録媒体
において、保護層が複数の層で構成され、かつ、基板上
に直接形成される保護層がCeO2であることを特徴と
する光磁気記録媒体。また、光磁気記層側の保護層がS
i、B、O、Nよりなる群から選ばれる原子で構成さ
れ、かつ、該原子としてSiとNを必ず含む化合物で形
成された光磁気記録媒体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を用いて情報
の記録、再生、消去を行う光磁気ディスク等の光磁気記
録媒体に関し、特に寿命の向上を目的とした光磁気記録
媒体に関する。
の記録、再生、消去を行う光磁気ディスク等の光磁気記
録媒体に関し、特に寿命の向上を目的とした光磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクはレーザ光を用いて情報
の記録、再生及び消去を行うため、従来からの光ディス
クと同様に記憶容量が大きく、しかも記録層に磁性体を
用いているため書き換えが可能である。又非接触で記録
及び再生ができ、塵埃の影響も受けないことから信頼性
にも優れている。又、数年前に商品化されて以来、光フ
ァイルシステム等への展開が急速に進んでいるととも
に、より高い性能への向上を目指して光磁気媒体の研究
開発が活発に行われているのが現状である。
の記録、再生及び消去を行うため、従来からの光ディス
クと同様に記憶容量が大きく、しかも記録層に磁性体を
用いているため書き換えが可能である。又非接触で記録
及び再生ができ、塵埃の影響も受けないことから信頼性
にも優れている。又、数年前に商品化されて以来、光フ
ァイルシステム等への展開が急速に進んでいるととも
に、より高い性能への向上を目指して光磁気媒体の研究
開発が活発に行われているのが現状である。
【0003】この光磁気記録媒体の基板がガラスの場
合、破損し易くかつ高価であることやプリグルーブの形
成が容易でないため、射出成形によって得られるポリカ
ーボネート(PC)、アモルファスポリオレフィン(A
PO)等のプラスチックス基板が一般に用いられてい
る。
合、破損し易くかつ高価であることやプリグルーブの形
成が容易でないため、射出成形によって得られるポリカ
ーボネート(PC)、アモルファスポリオレフィン(A
PO)等のプラスチックス基板が一般に用いられてい
る。
【0004】また、光磁気記録層(以下、記録層と略
す)の材料としては、例えばTbFeCo,NdDyF
eCo,TbDyFeCo等の希土類−遷移金属(以
下、RE−TMと略す)非晶質合金が、粒界ノイズが無
く、スパッタリングを用いることによって容易に垂直磁
化膜が得られることから現在最も多く用いられている。
しかしこのRE−TM非晶質合金の特に希土類(以下、
REと略す)成分は酸化腐食を受け易く、経時と共に膜
の保磁力や垂直磁気異方性等の磁気特性が劣化するとい
う大きな欠点がある。
す)の材料としては、例えばTbFeCo,NdDyF
eCo,TbDyFeCo等の希土類−遷移金属(以
下、RE−TMと略す)非晶質合金が、粒界ノイズが無
く、スパッタリングを用いることによって容易に垂直磁
化膜が得られることから現在最も多く用いられている。
しかしこのRE−TM非晶質合金の特に希土類(以下、
REと略す)成分は酸化腐食を受け易く、経時と共に膜
の保磁力や垂直磁気異方性等の磁気特性が劣化するとい
う大きな欠点がある。
【0005】この酸化腐食は記録層の形成時に真空槽内
に残存する酸素、プラスチックス基板の表面に吸着した
酸素や水、真空槽内のターゲット材中に含有している酸
素、大気中の酸素や水等によるものであるが、特に大き
な影響を及ぼすのは基板及び大気からの酸素や水の侵入
である。そこで酸素や水の侵入を防止する手段としてS
iN膜等の誘電体膜で記録層を両面から被覆する方法が
採用されている。
に残存する酸素、プラスチックス基板の表面に吸着した
酸素や水、真空槽内のターゲット材中に含有している酸
素、大気中の酸素や水等によるものであるが、特に大き
な影響を及ぼすのは基板及び大気からの酸素や水の侵入
である。そこで酸素や水の侵入を防止する手段としてS
iN膜等の誘電体膜で記録層を両面から被覆する方法が
採用されている。
【0006】一方、高温高湿あるいは急激な温度変化等
の苛酷な環境条件に対しては、プラスチックス基板を用
いた光磁気記録媒体は、基板と各層との線膨張係数の違
いによって局部的に膜にクラックや剥離が生じ、これを
核として膜全体に腐食が進行し、寿命が低下するといっ
た問題点が存在する。
の苛酷な環境条件に対しては、プラスチックス基板を用
いた光磁気記録媒体は、基板と各層との線膨張係数の違
いによって局部的に膜にクラックや剥離が生じ、これを
核として膜全体に腐食が進行し、寿命が低下するといっ
た問題点が存在する。
【0007】この問題に対して、例えばプラスチックス
基板の成膜面に逆スパッタリングを施し、基板表面を改
変させることによって基板と各層間の密着性向上を図
り、クラックや剥離の発生を防止するといった手段が提
案されている。しかしながら、逆スパッタリングは弱す
ぎると効果が無く、又強く行うと基板温度が上昇して基
板の機械特性(反り、面振れ)が悪化したり、基板表面
の凹凸が大きくなって再生信号のノイズレベルが高くな
ってしまうといった不具合が生じる。
基板の成膜面に逆スパッタリングを施し、基板表面を改
変させることによって基板と各層間の密着性向上を図
り、クラックや剥離の発生を防止するといった手段が提
案されている。しかしながら、逆スパッタリングは弱す
ぎると効果が無く、又強く行うと基板温度が上昇して基
板の機械特性(反り、面振れ)が悪化したり、基板表面
の凹凸が大きくなって再生信号のノイズレベルが高くな
ってしまうといった不具合が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
スチックス基板と各層との間の密着性を向上させること
によって、苛酷な環境条件下においてもクラックや剥離
のない、高寿命、高信頼性の光磁気記録媒体を提供する
ことにある。
スチックス基板と各層との間の密着性を向上させること
によって、苛酷な環境条件下においてもクラックや剥離
のない、高寿命、高信頼性の光磁気記録媒体を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため基板上に少なくとも保護層と、該保護層上に
形成される記録層を具備して構成される光磁気記録媒体
において、保護層が複数の層で構成され、かつ基板上に
直接形成される第1の保護層がCeO2であることを特
徴とする光磁気記録媒体を提供する。
成するため基板上に少なくとも保護層と、該保護層上に
形成される記録層を具備して構成される光磁気記録媒体
において、保護層が複数の層で構成され、かつ基板上に
直接形成される第1の保護層がCeO2であることを特
徴とする光磁気記録媒体を提供する。
【0010】また、前記複数層の内、光磁気記録層側の
保護層がSi、B、O、Nよりなる群から選ばれる原子
で構成され、かつ、該原子としてSiとNを必ず含む化
合物で形成されたものである光磁気記録媒体が提案され
る。
保護層がSi、B、O、Nよりなる群から選ばれる原子
で構成され、かつ、該原子としてSiとNを必ず含む化
合物で形成されたものである光磁気記録媒体が提案され
る。
【0011】また、基板上に少なくとも保護層と、該保
護層上に形成される光磁気記録層を具備して構成される
光磁気記録媒体において、前記保護層が2層で構成され
ており、基板上に直接形成される第1の保護層がCeO
2で、その上に形成される光磁気記録層側の第2の保護
層がSiNであることを特徴とする光磁気記録媒体が提
案される。
護層上に形成される光磁気記録層を具備して構成される
光磁気記録媒体において、前記保護層が2層で構成され
ており、基板上に直接形成される第1の保護層がCeO
2で、その上に形成される光磁気記録層側の第2の保護
層がSiNであることを特徴とする光磁気記録媒体が提
案される。
【0012】次に、本発明の光磁気記録媒体の構成につ
いて具体的に説明する。本発明の光磁気記録媒体に用い
るプラスチックス基板としては、ポリカーボネート(P
C)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アモル
ファスポリオレフィン(APO)等の樹脂から成るプリ
グルーブ付成形基板等が挙げられる。これらの基板はデ
ィスク形状をしており、厚みは0.6〜1.2mm程度で
ある。
いて具体的に説明する。本発明の光磁気記録媒体に用い
るプラスチックス基板としては、ポリカーボネート(P
C)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アモル
ファスポリオレフィン(APO)等の樹脂から成るプリ
グルーブ付成形基板等が挙げられる。これらの基板はデ
ィスク形状をしており、厚みは0.6〜1.2mm程度で
ある。
【0013】保護層としては、屈折率の高い(通常1.
8以上)誘電体膜を用いる。この保護層での再生光の多
重反射を利用して、みかけのカー回転角(θk)を増大
させ、それによってC(キャリア)レベルを上げ、又反
射率を小さくすることでN(ノイズ)レベルを下げて、
トータルでC/Nを向上させることを目的としている。
又、RE−TM非晶質合金のように酸化等による腐食を
起こしやすい材料を記録層に用いた場合、この保護層は
記録層の腐食を防止する役割りも兼ね備えていなければ
ならない。それには基板からの水や酸素の侵入を防ぎ、
それ自身の耐食性が高く、かつ記録層との反応性が小さ
いことが必要である。具体的な材料としては一般にSi
O,SiO2,Al2O3,Ta2O5等の金属酸化物、S
i,Al,Zr,Ge等との金属窒化物、ZnS等の金
属硫化物が挙げられる。
8以上)誘電体膜を用いる。この保護層での再生光の多
重反射を利用して、みかけのカー回転角(θk)を増大
させ、それによってC(キャリア)レベルを上げ、又反
射率を小さくすることでN(ノイズ)レベルを下げて、
トータルでC/Nを向上させることを目的としている。
又、RE−TM非晶質合金のように酸化等による腐食を
起こしやすい材料を記録層に用いた場合、この保護層は
記録層の腐食を防止する役割りも兼ね備えていなければ
ならない。それには基板からの水や酸素の侵入を防ぎ、
それ自身の耐食性が高く、かつ記録層との反応性が小さ
いことが必要である。具体的な材料としては一般にSi
O,SiO2,Al2O3,Ta2O5等の金属酸化物、S
i,Al,Zr,Ge等との金属窒化物、ZnS等の金
属硫化物が挙げられる。
【0014】本発明においては、この保護層は少なくと
も2層以上の複数の層で構成されており、最も基板側の
第1の保護層にはCeO2を用いている。CeO2膜はプ
ラスチックス基板との密着力が他の材料に比べて強く、
膜にクラックや剥離が生じることがない。
も2層以上の複数の層で構成されており、最も基板側の
第1の保護層にはCeO2を用いている。CeO2膜はプ
ラスチックス基板との密着力が他の材料に比べて強く、
膜にクラックや剥離が生じることがない。
【0015】また、最も記録層側に設ける保護層は、前
記のように、基板から水や酸素の侵入を防ぎ、それ自身
の耐食性が高く、かつ記録層との反応性が小さいことが
必要である。よって前記したような金属酸化物、金属窒
化物あるいは金属硫化物等の材料で構成されるが、その
中でも、Si,B,O,Nよりなる群から選ばれる原子
で構成され、かつ該原子としてSiとNを必ず含む化合
物であることが好ましい。具体的には、SiN,SiB
N,SiBONである。第1の保護層の膜厚は50〜2
00Å、複数の層から成る保護層トータルの膜厚は70
0〜1300Åが適している。
記のように、基板から水や酸素の侵入を防ぎ、それ自身
の耐食性が高く、かつ記録層との反応性が小さいことが
必要である。よって前記したような金属酸化物、金属窒
化物あるいは金属硫化物等の材料で構成されるが、その
中でも、Si,B,O,Nよりなる群から選ばれる原子
で構成され、かつ該原子としてSiとNを必ず含む化合
物であることが好ましい。具体的には、SiN,SiB
N,SiBONである。第1の保護層の膜厚は50〜2
00Å、複数の層から成る保護層トータルの膜厚は70
0〜1300Åが適している。
【0016】さらに、保護層は記録層上にも設けるのが
好ましい。この場合に、該保護層は、光磁気記録媒体が
片面仕様の場合は空気中、またはそれが両面仕様の場合
は接着剤からの、水分や酸素又はハロゲン元素のように
記録層に有害な物質の侵入を防止し、記録層を保護する
目的で設けられるから、前記の記録層側に設ける保護層
と同様にそれ自身の耐食性が高く、記録層との反応性が
小さいことが必要であり、それと同様の材料が使用でき
る。この保護層の膜厚はC/Nや記録感度にも大きな影
響を及ぼすが、通常0〜600Å程度が好ましい。
好ましい。この場合に、該保護層は、光磁気記録媒体が
片面仕様の場合は空気中、またはそれが両面仕様の場合
は接着剤からの、水分や酸素又はハロゲン元素のように
記録層に有害な物質の侵入を防止し、記録層を保護する
目的で設けられるから、前記の記録層側に設ける保護層
と同様にそれ自身の耐食性が高く、記録層との反応性が
小さいことが必要であり、それと同様の材料が使用でき
る。この保護層の膜厚はC/Nや記録感度にも大きな影
響を及ぼすが、通常0〜600Å程度が好ましい。
【0017】記録層にはTb,Gd,Dy,Nd等のR
Eを少なくとも1種以上と、Fe,Co等のTMの少な
くとも1種以上とを組合せたRE−TM非晶質合金薄膜
(例えばTbFeCo,NdDyFeCo等)、BaF
e12O19,CoFe2O4,(Bi,Y)3Fe5O12等の酸
化物薄膜、MnBi,CoPt等の多結晶合金薄膜が挙
げられ、これらはいずれも膜面に垂直な方向に磁化容易
軸を有している。記録層の厚みは合金薄膜の場合、15
0〜1000Å、酸化物薄膜の場合、多くは記録再生光
に対して透光性が大きいので特に厚みに制約はないが、
1000〜5000Åが好ましい。さらに記録層の構成
は単層膜に限らず多層膜でもよい。
Eを少なくとも1種以上と、Fe,Co等のTMの少な
くとも1種以上とを組合せたRE−TM非晶質合金薄膜
(例えばTbFeCo,NdDyFeCo等)、BaF
e12O19,CoFe2O4,(Bi,Y)3Fe5O12等の酸
化物薄膜、MnBi,CoPt等の多結晶合金薄膜が挙
げられ、これらはいずれも膜面に垂直な方向に磁化容易
軸を有している。記録層の厚みは合金薄膜の場合、15
0〜1000Å、酸化物薄膜の場合、多くは記録再生光
に対して透光性が大きいので特に厚みに制約はないが、
1000〜5000Åが好ましい。さらに記録層の構成
は単層膜に限らず多層膜でもよい。
【0018】反射層は記録層上に直接もしくは保護層を
介して設けても良い。媒体の高C/N、高感度化のため
にこの反射層はレーザ光に対して反射率が高く、熱伝導
率が小さい方が良い。又、当然ながら耐食性も必要であ
る。具体的な材料としてはSi,Ti,Cr,Zr,M
o,Pd,Ta,Ptの1種以上を含むAl合金が好ま
しい。厚膜は薄すぎるとC/Nが低下し、厚すぎると記
録感度が悪くなるため、300〜600Åが適当であ
る。
介して設けても良い。媒体の高C/N、高感度化のため
にこの反射層はレーザ光に対して反射率が高く、熱伝導
率が小さい方が良い。又、当然ながら耐食性も必要であ
る。具体的な材料としてはSi,Ti,Cr,Zr,M
o,Pd,Ta,Ptの1種以上を含むAl合金が好ま
しい。厚膜は薄すぎるとC/Nが低下し、厚すぎると記
録感度が悪くなるため、300〜600Åが適当であ
る。
【0019】前記の各層はスパッタリング、イオンプレ
ーティング等の物理蒸着法、プラズマCVDのような化
学蒸着法等の方法によって形成することができる。但
し、本発明の光磁気記録媒体は、前記で説明したような
各種の層を有するものに限定されるものではなく、例え
ば反射層等の上に有機保護膜(カバー層)として合成樹
脂フィルムを設けてもよく、またそれらを接着剤によっ
て貼り合わせてもよい。
ーティング等の物理蒸着法、プラズマCVDのような化
学蒸着法等の方法によって形成することができる。但
し、本発明の光磁気記録媒体は、前記で説明したような
各種の層を有するものに限定されるものではなく、例え
ば反射層等の上に有機保護膜(カバー層)として合成樹
脂フィルムを設けてもよく、またそれらを接着剤によっ
て貼り合わせてもよい。
【0020】本発明の光磁気記録媒体の1つの構成例を
図1について説明する。図1に示したようにプリグルー
プ付プラスチックス基板1上にCeO2から成る第1の
保護層2、第2の保護層3、記録層4が順次形成されて
おり、さらにその上に第3の保護層5及び反射層6が形
成された構成をとる。この構成は記録層のカー効果とフ
ァラデー効果の両方が利用出来るため、C/Nやジッタ
ーマージンが大きくとれるという点で優れている。
図1について説明する。図1に示したようにプリグルー
プ付プラスチックス基板1上にCeO2から成る第1の
保護層2、第2の保護層3、記録層4が順次形成されて
おり、さらにその上に第3の保護層5及び反射層6が形
成された構成をとる。この構成は記録層のカー効果とフ
ァラデー効果の両方が利用出来るため、C/Nやジッタ
ーマージンが大きくとれるという点で優れている。
【0021】
〔実施例1〕直径130mm、厚さ1.2mmのプリグ
ループ付PC成形基板を予め大気中90℃、2時間でプ
リペークした後、スパッタ装置の真空槽内にセットし、
真空圧が5×10- 7Torr以下になるまで真空排気
した。その後、真空槽内にArとO2の混合ガスを導入
し、圧力を5×10- 2に調節し、金属Ceをターゲッ
トとしてRFマグネトロンスパッタリングによってCe
O2膜を70Å形成した。続いて同様な方法によって、
第2の保護層であるSiN膜を900Å、記録層として
TbDyFeCo膜を200Å、第3の保護層としてS
iN膜を250Å、反射層としてAlTi膜を500Å
形成した後、真空槽から大気中へ搬出し、本発明の実施
に沿った光磁気記録媒体を得た。
ループ付PC成形基板を予め大気中90℃、2時間でプ
リペークした後、スパッタ装置の真空槽内にセットし、
真空圧が5×10- 7Torr以下になるまで真空排気
した。その後、真空槽内にArとO2の混合ガスを導入
し、圧力を5×10- 2に調節し、金属Ceをターゲッ
トとしてRFマグネトロンスパッタリングによってCe
O2膜を70Å形成した。続いて同様な方法によって、
第2の保護層であるSiN膜を900Å、記録層として
TbDyFeCo膜を200Å、第3の保護層としてS
iN膜を250Å、反射層としてAlTi膜を500Å
形成した後、真空槽から大気中へ搬出し、本発明の実施
に沿った光磁気記録媒体を得た。
【0022】〔実施例2〜6〕第1の保護層と第2の保
護層の材料及び膜厚を表1に示す通りとし、その他は実
施例1と同様にして、実施例2〜6の光磁気記録媒体を
得た。但し第3の保護層はいずれも第2の保護層と同じ
材料とした。
護層の材料及び膜厚を表1に示す通りとし、その他は実
施例1と同様にして、実施例2〜6の光磁気記録媒体を
得た。但し第3の保護層はいずれも第2の保護層と同じ
材料とした。
【0023】〔比較例1〜3〕第1の保護層が無く、第
2の保護層の材料及び膜厚を表1に示す通りとし、その
他は実施例1と同様にして、比較例1〜3の光磁気記録
媒体を得た。
2の保護層の材料及び膜厚を表1に示す通りとし、その
他は実施例1と同様にして、比較例1〜3の光磁気記録
媒体を得た。
【0024】実施例1〜6、及び比較例1〜3の光磁気
記録媒体の反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂から成
るカバー層をスピナーによって5〜10μm塗布した
後、各々同じ条件で作製した媒体を貼り合せ、Z/AD
試験(温湿度サイクル試験)を図2の条件で10サイク
ル実施した。偏光顕微鏡を用いて、試験後のディスクの
クラックや剥離の有無を観察した結果を表1に示す。
又、試験前と後のBER(ビットエラーレート)も表1
に示した。
記録媒体の反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂から成
るカバー層をスピナーによって5〜10μm塗布した
後、各々同じ条件で作製した媒体を貼り合せ、Z/AD
試験(温湿度サイクル試験)を図2の条件で10サイク
ル実施した。偏光顕微鏡を用いて、試験後のディスクの
クラックや剥離の有無を観察した結果を表1に示す。
又、試験前と後のBER(ビットエラーレート)も表1
に示した。
【0025】
【表1】 表1 *1:( )内は膜厚Å *2: ○…なし、△…一部あり、×……あり *3: ビットエラーレート
【0026】表1より、比較例の光磁気記録媒体はZ/
AD試験後、いずれもBERが約1桁以上増加し、又、
クラックや剥離があることが分かる。また一方、本発明
に沿った実施例の方は、ほとんどBERの増加はなく、
又、クラックや剥離も全くないことが分かる。
AD試験後、いずれもBERが約1桁以上増加し、又、
クラックや剥離があることが分かる。また一方、本発明
に沿った実施例の方は、ほとんどBERの増加はなく、
又、クラックや剥離も全くないことが分かる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、プラスチックス基板と記録層
との間の保護層を複数層とし、基板側の保護層にCeO
2膜を用いることによって、プラスチックス基板と各層
との密着性が向上し、経時的にクラックや剥離のない、
高寿命、高信頼性の光磁気記録媒体が実現される。
との間の保護層を複数層とし、基板側の保護層にCeO
2膜を用いることによって、プラスチックス基板と各層
との密着性が向上し、経時的にクラックや剥離のない、
高寿命、高信頼性の光磁気記録媒体が実現される。
【図1】図1は、本発明の光磁気記録媒体の構成例を示
す図である。
す図である。
【図2】図2は、Z/AD試験(温湿度サイクル試験)
のプログラムである。
のプログラムである。
1 プラスチックス基板 2 第1の保護層 3 第2の保護層 4 記録層 5 第3の保護層 6 反射層
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも保護層と、該保護層
上に形成される光磁気記録層を具備して構成される光磁
気記録媒体において、前記保護層が複数の層で構成さ
れ、かつ、基板上に直接形成される第1の保護層がCe
O2であることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記複数層の内、光磁気記録層側の保護
層がSi、B、O、Nよりなる群から選ばれる原子で構
成され、かつ、該原子としてSiとNを必ず含む化合物
で形成されたものである請求項1に記載の光磁気記録媒
体。 - 【請求項3】 基板上に少なくとも保護層と、該保護層
上に形成される光磁気記録層を具備して構成される光磁
気記録媒体において、前記保護層が2層で構成されてお
り、基板上に直接形成される第1の保護層がCeO
2で、その上に形成される光磁気記録層側の第2の保護
層がSiNであることを特徴とする光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23127992A JPH06176411A (ja) | 1992-08-06 | 1992-08-06 | 光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23127992A JPH06176411A (ja) | 1992-08-06 | 1992-08-06 | 光磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06176411A true JPH06176411A (ja) | 1994-06-24 |
Family
ID=16921117
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23127992A Pending JPH06176411A (ja) | 1992-08-06 | 1992-08-06 | 光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06176411A (ja) |
-
1992
- 1992-08-06 JP JP23127992A patent/JPH06176411A/ja active Pending
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