JP2960470B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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Description
去等を行う光磁気記録媒体に関する。更に詳細には、交
換結合した、組成の異なる2層以上の希土類元素と遷移
金属元素との合金磁性薄膜からなる光磁気記録層を有し
高感度で耐久性に優れ、特に高速データ転送に好適な光
磁気記録媒体に関する。
種々の研究開発が行われている。特に情報の消去可能な
光磁気記録媒体は応用分野が広く種々の材料・システム
が発表されており、この実用化が待望されている。
モリーとして現在多用されているハード磁気ディスクと
比較されることが多い。
記録媒体の方が優位にあるが、オーバーライト技術,デ
ータ転送速度等の点においては、ハード磁気ディスクの
方が優れていると言われている。
のうち計算機の補助メモリー用途で特にその解決が要請
されているデーター転送速度が遅いという問題点を解決
するために次のような検討を行った。先ず、現状を把握
すべく、現状(ISO規格)の2倍速度、即ちディスク回
転数3600rpm,記録周波数7.4MHz(duty33%),半導体レ
ーザーの最大記録パワー10mW,データ転送速度約1.5MB/s
ecの記録条件で現状の媒体の評価を行った。用いた媒体
はISO規格用として作成した、記録層としてキュリー温
度Tcが200〜210℃のTbFeCo膜を用いた、樹脂基板(ポリ
カーボネート(PC))/AlSiN/TbFeCo/AlSiN/Al/有機保
護層からなる反射膜付構成の直径130mmφのディスクで
ある。上述の条件で記録・再生し、再生信号の1次高周
波と2次高周波の差が最大となる記録レーザーパワー即
ち最適記録パワーPw、及びそこでのキャリア信号と雑音
との比であるC/Nを測定したところ、最内周半径30mmRで
は、Pw=9.0mW,C/N=49.0dBであったが、最外周半径60m
mRでは、線速度が速いために現在多用されている半導体
レーザーの最大出力10mW以下では最適記録パワーに到達
していないこと、換言すればPwは現用半導体レーザーの
最大出力10mW以上になることがわかった。一方この媒体
は現在実用化されている前述のISO規格の記録媒体、具
体的にはディスク回転数1800rpm,記録周波数3.7MHz(du
ty33%),データ転送速度約0.7MB/secでの測定では、
半径30mmRで、Pw=4.5mW,C/N=49.0dBであり、半径60mm
RでPw=9.0mW,C/N=55.0dBと良好な特性を有している。
媒体でも、より高レベルの応用のためディスク回転数を
上げ、記録周波数をあげることにより、データ転送速度
を高めた場合、媒体の記録感度低いために最外周の線速
度が速いところでは良好な記録が行えないという問題が
生じることがわかった。
効として特開昭57−78652号公報,特開平1−178151号
公報に提案されている組成の異なる2層の磁性層を交換
結合させて積層した記録層を用いた媒体を評価した。
には基板に近い側から第1磁性層、第2磁性層と呼ぶこ
とにすると、第2磁性層に第1磁性層よりも保磁力が大
きく、キュリー温度の低い磁性材料を用いる。記録の際
には、まずキュリー温度の低い第2磁性層にビットが記
録され、続いて交換結合によって第1磁性層にビットが
転写されるという過程をとる。再生の際には、レーザー
光はキュリー温度の高い、即ちカー(Kerr)回転角の大
きい第1磁性層に入射するため、第2磁性層で用いたも
のと同じ材料からなる単層膜を記録層とした媒体に比
べ、低記録パワーにおいても高いC/Nが得られるとされ
ている。
め、第1磁性層としてGdFeCo、第2磁性層としてキュリ
ー温度Tcが120〜130℃のTbFeCoを用い、媒体構成とし
て、PC基板/AlSiN/GdFeCo/TbFeCo/AlSiN/Al/有機保護層
の構成からなる直径130mmφサイズのディスク媒体につ
いて前述のディスク回転数3600rpmでの評価を行ったと
ころ、半径30mmRではRw=7mW,C/N=48.0dBであり、前述
のISOの規格対応媒体に比べれば感度の向上が実現され
ているものの、最外周半径60mmRではまだ目標の10mW以
下では最適記録パワーに到達しないことがわかった。
転数3600rpmで、データ転送速度1.5MB/secのような転送
速度での使用に対してもC/N,記録感度等の点でまだまだ
不十分である。さらに現在のハード磁気ディスクは、転
送速度2〜4MB/secが実現されており、上述のディスク
回転数3600rpm,データ転送速度1.5MB/secでもまだハー
ド磁気ディスクのレベルには到達していない。
必要といわれるアナログ式画像記録等に用いるために
は、C/Nにおいても更に一層の向上が必要である。
雰囲気中での加速劣化試験を500時間行ったところ、媒
体面に腐食によると思われる多数の白ぬけ(膜が透明
化)が発生した。これは金属反射膜のAl膜自体の耐腐食
性が低いことが主因と考えられる。したがって、記録再
生特性のみでなく、耐久性の面でも改善が必要であるこ
とがわかった。
度及びC/Nの向上が期待できる前述の交換結合した組成
の異なる磁性層を積層した交換結合複層磁性膜を光磁気
記録層に用い、現用の最大出力10mW程度の半導体レーザ
ーにより前述の現状の2倍の速度でも充分記録でき、且
つC/Nも大きく耐久性も充分な光磁気記録媒体を提供す
ることを目的とするものである。
ち、本発明は、光磁気記録層が交換結合した組成の異な
る2層以上の希土類元素と遷移金属元素との合金磁性薄
膜の積層体からなる光磁気記録媒体において、前記光磁
気記録層の膜厚が150Å以上600Å以下であり、その光入
射側の反対側にAlAu合金もしくはAgAu合金からなり、屈
折率NがN≦3.5で光吸収係数KがK≧3.5,熱伝導率が2
0〜100W/(m・K)(W:ワット,m:メートル,K:絶対温
度)の金属反射膜を設けたことを特徴とする光磁気記録
媒体である。
即ち、前述の交換結合複層膜を用い、その特性を発現さ
せて前記目的を達成するには、記録感度面では不利であ
るがC/N面で有利な前述の特開平1−178151号公報等で
公知の金属反射層との組合せが耐久性面も含めると有利
と考えた。そしてその改良のポイントは、媒体のC/Nに
大きな影響を与える金属反射層の光学特性と、その記録
感度に大きな影響を与える金属反射層の熱伝導特性にあ
ると考え、この面から金属反射層の改良を検討した。そ
の結果上述の記録層の交換結合複層膜の合計膜厚が150
〜600Åで、金属反射層を光学定数がN≦3.5かつK≧3.
5であり、更に熱伝導率が20W/(m・K)以上、100W/
(m・K)以下であるような光学的及び熱的性質を調節
したAlAu合金もしくはAgAu合金からなる金属反射層とし
た構成において、前述のディスク回転数3600rpm,記録周
波数7.4MHz(duty33%),データ転送速度約1.5MB/sec
の条件で全記録領域において、最大記録パワー10mW以下
が実現できることを見出し、本発明に想到したものであ
る。上述の構成において磁性層全体の合計膜厚は、その
裏面の金属反射層の効果、及び前面の透明誘電体層によ
る光干渉効果を最大限に引き出すためには、前述の150
〜600Åの範囲内におさめることが必要である。なお、
合計膜厚を600Å以上と厚くすると、金層反射層の効果
は低減し、C/Nは低下してしまう。
を基板側より第1磁性層と第2磁性層とし、その膜厚
d1,d2とした時その配分は、少なくともd1<d2であるこ
とが好ましい。d1<d2では、第2磁性層に保磁力の高い
材料を用い、交換結合によって第1磁性層の磁化を保持
しているものの、第2磁性層が薄くなると、第1磁性層
の磁化を保持し切れなくなってしまい、逆に単一の磁性
層を記録層として用いた媒体よりもC/Nが低下してしま
うという場合が生ずる恐れがある。但し、第1磁性層の
膜厚を薄くしすぎると、製膜上磁気特性を良好に発現さ
せることが難しく、また耐久性の面で安定性に欠けるた
め第1磁性層の膜厚は100Å以上が好ましく、よって、
第1磁性層の膜厚の範囲としては 100≦d1<(d1+d2)/2(単位Å)であること好まし
い。尚、本発明は、記録層をレーザー光が通過する際の
ファラディー効果をも利用することを特徴とするため、
交換結合複層膜としては通常前述の通り第2磁性層を第
1磁性層よりも保磁力が大きく、キュリー温度が低いも
のとするが、この積層順序を逆にした構成に対しても適
用できる。さらに同様の理由により、上述のように記録
層の層数を2層に限定せず、2種以上の組成の異なる材
料を用い、2層以上の交換結合させて積層した記録層に
対しても適用できる。但し、これらの場合においても、
記録層の合計膜厚は、150〜600Åとする必要がある。
り記録・再生できるもの、具体的には膜面に垂直な方向
に磁化容易軸を有し、任意の反転磁区を作ることにより
光磁気効果に基いて情報の記録・再生が可能な磁性薄
膜、例えば希土類・遷移金属合金系のTbFeCo,GdFeCo,Gd
TbFe,GdTbFeCo,GdDyFeCo,NdDyFeCo,NdDyTbFeCo,NdFe,Pr
Fe,CeFe等の希土類と遷移金属との非晶質合金膜、ある
いはガーネット膜、CoCr膜、Baフェライト膜、等公知の
ものが全て適用できる。
ーザー光の波長に対する光学定数N,K(N:屈折率、K:吸
収係数)が、N≦3.5かつK≧3.5であり、かつ熱伝導率
が20〜100W/(m・K)である材料を選択する必要があ
る。また、更に好ましくはn≦2.5かつ4.5≦K≦8.5で
あり、この条件で作成した媒体では、金属反射膜の反射
率向上によりカー効果エンハンスメントが向上し、媒体
CN比のより一層の向上が実現できる。
する際、熱伝導率が高すぎると熱の拡散が大きく、記録
感度の低下を引き落こす。したがって、本発明者ら解決
しようとしているところのディスク回転数が高い場合で
の線速の速い最外周で10mW以下のレーザーパワー最適記
録を行うことが不可能となってしまう。金属反射層に用
いる材料の熱伝導率は、目的の記録条件でパワーが10mW
以下のレーザーで信号の記録を可能とするためには100W
/(m・K)以下が必要である。さらに80W/(m・K)
以下が好ましい。一方C/N面から、20W/(m・K)以上
が必要である。
Au合金又はAgAu合金を用いる。反射率が高く、熱伝導率
が大きいAl又はAgに熱伝導率の大きいAuを添加すること
により、驚くべきことに熱伝導率が大巾に低下し、金属
反射層に好適な上記特性を満足する合金が得られること
が見出された。そしてこの合金、具体的にはAlAu合金又
はAgAu合金の膜は膜自体の耐久性も優れている。
(原子%)より少ないと、かかる熱伝導低下の効果は小
さく、逆に20at%より多いとAlAu合金膜もしくはAgAu合
金膜の反射率の低下が大きく不都合である。したがって
Auの含有量は0.5〜20at%の範囲内におさめる必要があ
る。さらに、反射率の低下をAlもしくはAg単独膜に比べ
2%以内に抑えるためにはAu含有量は0.5〜15at%,さ
らには0.5〜10at%であることが好ましい。
Auの含有量は少ないことが好ましい。このようにAuの添
加量を低減するという目的からは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,C
r,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Irの群の1種以上の特定元素を補
助的に添加すると効果がある。これら特定元素の添加量
は5.0at%以内にとどめるべきであり、これより多いと
金属反射膜の反射率が低下してしまう。5.0at%以内で
は光磁気記録再生装置で使用される半導体レーザーの波
長である830nmでの反射率の低下は2%以内の低下幅に
とどまる。一方、0.3at%より少ないとAuを節約したこ
とによる熱伝導率の上昇分を補うことできない。したが
って、特定元素の添加量は0.3〜5.0at%の範囲に設定す
る必要がある。この特定元素の添加により、Auの添加量
は0.5〜10at%の範囲であれば、反射膜の反射率はAlも
しくはAg単独膜に比べ、2%以内の低下に抑えることが
できAuも低減できると同時に、前述の光学性及び熱伝導
率も満足することができる。
記特定元素群の中ではTi,Zr,Nb,Ta,Cr,Reが好ましい。
なるが、反射率の低下によるCN比低下を抑え、かつ10mW
以下のレーザーパワーで記録を可能とするために、好ま
しくは300〜2000Å、特に好ましくは400〜1000Åであ
る。
合金又はAgAu合金を金属反射層とすることにより、ISO
規格の倍速の記録条件で、ディスクの記録領域全面に10
mW以下のレーザーパワーで信号を最適記録にすることが
できる。
鋭意検討した結果、記録層及び金属反射層の熱伝導率の
値が、おおよそ同じオーダーである場合にレーザー光加
熱による温度上昇が高性能ビットを形成する上で有効な
レベルに到達することを見出した。さらに好ましくは誘
電体の熱伝導率も同じオーダーであることはビットの安
定化に有効である。これは、媒体の記録感度及びC/Nに
大きく反映する。
は、その金属反射層が光磁気記録層の光入射面と反対側
に形成される点を除いて、その構成は特に限定されな
い。すなわち、金属反射層を光磁気記録層上に直接設け
たもの、または透明誘電体層を介して設けたもの、更に
は金属反射層上に透明誘電体層等の無機保護層及び/又
は光硬化性樹脂等の有機保護層を設けたもの等あらゆる
構成に適用できる。
ては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、2−メチル−ペンテン樹脂など、またそれらの共
重合体等の高分子樹脂、もしくはガラスなどが適用でき
る。中でも機械強度、耐候性、耐熱性、透湿性の点でポ
リカーボネート樹脂が好ましい。
化型樹脂、あるいは熱可塑性樹脂等が適用でき、コーテ
ィング法等により形成できる。なお、これら裏面保護層
は少なくとも記録層の側面まで被覆するように設けるの
が好ましい。
高めるという点で屈折率の高い材料、すなわち1.8以上
の屈折率を有する材料、更に好ましくはましくは2.0以
上である材料が望ましい。
NaF,Si3N4,AlSiN,SiO,SiO2,Zr2O3,In2O3,SnO2,Ta2O5,Al
ON,SiON,ZrON,InON,SnON,TaONまたはそれらの混合体な
どが適用できる。特に屈折率が2.0以上という点ではAlS
iN,ZnS,Zr2O3,Ta2O5,ZrON,TaONが好ましい。
機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着法、スパッ
タリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々の薄膜形
成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体としては、
高温高湿耐環境性試験で生じる剥離を生じさせないため
に、特に高分子基板との密着性が大きい条件で作製する
ことが好ましい。このためにはスパッタリング法が好ま
しい。
ィスク高速回転時に記録領域の最外周でも現用の半導体
レーザーの最大出力10mW以下で最適記録できるようにし
たものであるが、当然のことながら、従来のディスク回
転数1800rpm,2400rpm等の場合についても使用可能であ
ることはいうまでもなく、かかる場合は特性上に余裕が
生じ、それだけシステム信頼性が向上するという効果が
得られる。また出力の大きい半導体レーザーが利用でき
るようになれば、更に高速転送あるいはシステム信頼性
の向上が期待できる。
構造,片面ダミー基板の貼合せ構造等いずれに対しても
適用可能で、ディスクのサイズも2インチφ,3.5インチ
φ,5.25インチφ,8インチφ,12インチφ等、公知の全て
の形態について使用可能である。また、サーボ方式につ
いても、連続サーボ,サンプルサーボ等に関わりなく、
あらゆる方式に適用可能である。
金属反射膜と交換結合複層膜を組み合わせて高感度でC/
N及び耐久性の優れた光磁気記録媒体を実現したもの
で、現在の倍速以上の高速データ転送を可能とし、その
適用分野を拡大すると共に現用システムで用いた場合に
は、性能に余裕が生じそれだけシステム信頼性が向上す
るという効果を奏するものである。
特性を評価した。
0×0.5mmのサイズのSiウェハーを3ターゲットの高周波
マグネトロンスパッタ装置(アネルバ(株)製SPF−430
H型)真空槽内に固定し、4×10-7Torrになるまで排気
する。
なるようにArガス流量を調整した。ターゲットとして
は、直径100mm、厚さ5mmのAl,Agの円盤上に、必要に応
じてAu,Tiのチップ(5×5×1mm)を適宜適当数配置し
た。放電電力100W、放電周波数13.56MHzで高周波スパッ
タリングを行い、表1の膜組成の欄に示すところの組成
をもつ金属性もしくは合金膜を約1μm推積した。
長830nmの光に対する薄膜の屈折率N及び吸収係数Kを
求めた。測定装置としては、(株)溝尻光学工業所製、
自動エリプソメーターDHA−OLWを用いた。結果を表1の
N,Kの欄に示す。
の熱伝導率を求めた。サンプルを純水に浸すことにより
NaClのみを溶解させ金属膜もしくは合金膜だけを取り出
した。この薄膜を、真空理工(株)製、薄膜用交流法熱
定数測定装置PIT−1により熱伝導率を測定した。結果
を表1の熱伝導率の欄に示す。
し、その特性を評価した。
例1〜16と全く同じ装置内に固定し、4×10-7Torrにな
るまで排気する。
し、圧力5mTorrになるようにAr/N2混合ガス流量を調節
した。ターゲットとしては直径100mm、厚さ5mmのAl50Si
50(添数字は組成(原子%)を示す)の燃結体を用い、
実験例1〜16と同条件でスパッタリングを行い、Sl40Si
40N20透明誘電体膜を約1μm推積した。
した。結果を表1の熱伝導率の欄に示す。
金膜を作成し、その特性を評価した。
例1〜17と全く同じ装置内に固定し、4×10-7Torrにな
るまで排気する。
るようにArガス流量を調整した。ターゲットとしては直
径100mm、厚さ5mmのGd21Fe55Co6合金、Tb22Fe72Co6合金
及びNd9Dy29Fe45Co17合金(添数字は組成(原子%)を
示す)の円盤を用い、実験例1〜16と同条件でスパッタ
リングを行い、Gd21Fe55Co24,Tb22Fe72Co6,Nd9Dy29Fe45
Co17の各合金膜を約1μm推積した。実験例1〜16と同
様の装置で、薄膜の熱伝導率を測定した。結果を表1の
熱伝導率の欄に示す。
添加したAlAu合金,AgAu合金の合金膜はAl,Agの金属に比
し、熱伝導率が大巾に低下し、光学特性はそれほど低下
しないことがわかる。そして実験例2〜5と6〜7、並
びに実験例10〜13と14〜15との比較から、Tiの添加によ
り光学特性及び熱伝導特性をそれほど低下させることな
く、Au量を大巾に減少させることがわかる。
金は、本発明の光学特性N.K及び熱伝導率の条件を満足
していることがわかる。
記録媒体を作成し評価した。図において1は基板、2は
透明誘電体層、3a,3bは、交換結合した第1,第2の記録
層、4は金属反射層、6は有機保護層である。
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固定
し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成に
おいて基板1は15rpmで回転させた。
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の熱結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230vol%)を導入し、圧力5mTorrになるようにA
r/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周波
数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層2
としてAl40Si40N20透明誘電体層700Åを推積した。
24合金の円盤に変えスパッタリングガスを純Ar(5N)と
する以外は上述と同様の放電条件でGd21Fe55Co24合金膜
を約150Å推積した。
として、ターゲットTb22Fe72Co6合金の円盤に変え、上
述と同様の放電条件でTb22Fe72Co6合金膜を約250Å推積
した。
らなる金属反射膜4を形成した。すなわち、ターゲット
としては直径100mm、厚さ5mmのAl,Agの円盤上にAu,Tiの
チップ(5×5×1mm)を適宜適当数配置し、上述と同
様の放電条件で、金属反射層4として表2に示すところ
の実施例1〜14,比較例1,2の組成の金属膜もしくは合金
膜を約500Å推積した。
ンコーターに取り付けた。ディスクを回転させながら紫
外線硬化性のフェノールノボラックエポキシアクリレー
ト樹脂を塗布した後、紫外線照射装置を通過させて樹脂
を硬化させた。約20μmの有機保護層6を設けた。
合複層膜の光磁気ディスクを得た。
定した。測定には光磁気記録再生装置(パルステック工
業製DDU−1000)を用い、ディスクを3600rpmで回転さ
せ、半径30mm及び60mmの位置で記録・再生・消去を行っ
た。信号の再生は1.5mWのレーザーパワーで行った。記
録時の最適記録パワーPwは、信号再生時の1次高周波と
2次高周波の差が最大となる記録レーザーパワーの値と
した。信号周波数は7.4MHz、duty33.3%とし、半径30mm
で0.76μm,半径60mmで1.52μmのビットが記録される条
件で行った。尚、記録・消去の際の印加磁界は250 Oe
(エルステッド)である。各媒体の最適記録パワーPw及
びその時のC/Nを表2の各欄に示す。
が単層の光磁気記録媒体を作成し評価した。図において
1は基板、2は透明誘電体層、3は、単層の記録層、4
は金属反射層、6は有機保護層である。
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固定
し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成に
おいて基板1は15rpmで回転させた。
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230vol%)を導入し、圧力5mTorrになるようにA
r/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周波
数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層2
としてAl40Si40N20透明誘電体層700Åを推積した。
6合金の円盤に変え、スパッタリングガスを純Arとする
以外は上述と同様の放電条件でTb22Fe72Co6合金膜を約4
00Åを推積した。
のチップ(5×5×1mmt)を適当数配置したものとし、
上述と同様の放電条件でAl91Au7Ti2合金膜を約500Å推
積した。この積層体をスパッタリング装置から取出し、
実施例1〜14と全く同様の方法で、約20μmの有機保護
層6を設けた。
光磁気ディスクを得た。
定を行った。結果を表2の比較例3に示す。
感度が向上し、ISO規格の倍速度においても充分使用で
きる媒体が実現できることがわかる。そして、ハイエン
ド用途に必要48dB以上のC/Nが全記録領域で実現されて
おり、この面でも優れた媒体が実現できることがわか
る。
属反射層の熱伝導率が近い良好なC/Nが得られることが
わかる。
明誘電体層を有する交換結合複層膜の光磁気記録媒体を
作成し評価した。図において1は基板、2は透明誘電体
層、3a,3bは、交換結合した第1,第2の記録層、5は裏
面透明誘電体層、4は金属反射層、6は有機保護層であ
る。
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固定
し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成に
おいて基板1は15rpmで回転させた。
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230vol%)を導入し、圧力5mTorrになるようにA
r/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周波
数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層2
としてAl40Si40N20透明誘電体層1200Åを推積した。
24合金の円盤に変えスパッタリングガスを純Ar(5N)と
する以外は上述と同様の放電条件でGd21Fe55Co24合金膜
を約100Å推積した。
として、ターゲットTb22Fe72Co6合金の円盤に変え、上
述と同様の放電条件でTb22Fe72Co6合金膜を約150Å推積
した。
Siに戻し、スッタリングガスをAr/N2混合ガス(N230 vo
l%)に変え、透明誘電体層2と同様の放電条件でAl40S
i40N20透明誘電体層を350Å推積した。
らなる金属反射膜4を形成した。すなわち、ターゲット
としては直径100mm、厚さ5mmのAl,Agの円盤上にAu,Tiの
チップ(5×5×1mm)を適宜適当数配置し、スパッタ
リングガスを純Arとする以外は上述と同様の放電条件
で、金属反射層4として表3に示すところの実施例15〜
28,比較例4,5の組成の合金膜もしくは金属膜を約500Å
推積した。
1〜14と全く同様の方法で、約20μmの有機保護層6を
設けた。
層を有する交換結合複層膜と光磁気ディスクを得た。
及びC/Nの測定を行った。結果を表3の各欄に示す。
明誘電体層を有する単層記録膜の光磁気記録媒体を作成
し評価した。図において1は基板、2は透明誘電体層、
3は記録層、5は裏面透明誘電体層、4は金属反射層、
6は有機保護層である。
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固定
し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成に
おいて基板1は15rpmで回転させた。
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230 vol%)を導入し、圧力5mTorrになるように
Ar/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周
波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層
2としてAl40Si40N20透明誘電体層1200Åを推積した。
6合金の円盤に変えスパッタリングガスを純Ar(5N)と
する以外は上述と同様の放電条件でTb22Fe72Co6合金膜
を約250Å推積した。
Siにもどし、スパッタリングガスをAr/N2混合ガス(N23
0 vol%)に変え、透明誘電体層2と同様の放電条件でA
l40Si40N20透明誘電体層を350Å推積した。
(5×5×1mm)を適宜適当数配置したものとし、スパ
ッタリングガスを純Arとする以外は上述の同様の放電条
件で、金属反射層4としてAl91Au7Ti2合金膜を約500Å
推積した。
1〜14と全く同様の方法で約20μmの有機保護層6を設
けた。
層を有する単層記録層の光磁気ディスクを得た。
及びC/Nの測定を行った。結果を表3の比較例6に示
す。
電体層を設けた場合にも、感度向上及びC/N向上の本発
明の効果が発現されることがわかる。
け他本例は、それだけ積層構成が増加しコスト上不利で
あるが、C/Nが約0.5dB増加し、ハイエンド用途に必要な
C/Nを充分クリアできるものとなることがわかる。
合の第2の記録層に感度のよいNdDyFeCo合金を用いた光
磁気記録媒体を作成し評価した。図において1は基板、
2は透明誘電体層、3a,3bは交換結合した第1,第2の記
録層、5は裏面透明誘電体層、4は金属反射層、6は有
機保護層である。
ループを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固定
し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成に
おいて基板1は15rpmで回転させた。
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230 vol%)を導入し、圧力5mTorrになるように
Ar/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周
波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層
2としてAl40Si40N20透明誘電体層1200Åを推積した。
同じGd21Fe55Co24合金の円盤に変えスパッタリングガス
を純Ar(5N)とする以外は上述と同様の放電条件でGd21
Fe55Co24合金膜を約100Å推積した。
として、ターゲットNd9Dy29Fe45Co17合金の円盤に変
え、上述と同様の放電条件で前の例とは異なるNd9Dy29F
e45Co17合金膜を約150Å推積した。
Siに戻し、スパッタリングガスをAr/N2混合ガス(N230
vol%)に変え、透明誘電体層2と同様の放電条件でAl
40Si40N20透明誘電体層を350Å推積した。
らなる金属反射膜4を形成した。すなわち、ターゲット
としては直径100mm、厚さ5mmのAl,Agの円盤上にAu,Tiの
チップ(5×5×1mm)を適宜適当数配置し、スパッタ
リングガスを純Arとする以外は上述と同様の放電条件
で、金属反射層4として表4に示すところの実施例29〜
42,比較例7,8の組成の金属膜もしくは合金膜を約500Å
推積した。
1〜14と全く同じ方法で約20μmの有機保護層6を設け
た。
の記録層とした光磁気ディスクを得た。
w,及びC/Nの測定を行った。結果を表4の各欄に示す。
に高密度のNdDyFeCo合金単層膜を用いた光磁気記録媒体
を作成し評価した。図において1は基板、2は透明誘電
体層、3は記録層、5は裏面透明誘電体層、4は金属反
射層、6は有機保護層である。
グルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディス
ク基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ
装置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固
定し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成
において基板1は15rpmで回転させた。
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230 vol%)を導入し、圧力5mTorrになるように
Ar/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周
波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層
2としてAl40Si40N20透明誘電体層1200Åを推積した。
合金の円盤に変えスパッタリングガスを純Ar(5N)とす
る以外は上述と同様の放電条件でNd9Dy29Fe45Co17合金
膜を約250Å推積した。
Siに戻し、スパッタリングガスをAr/N2混合ガス(N230
vol%)に変え、透明誘電体層2と同様の放電条件でAl
40Si40N20透明誘電体層を350Å推積した。
(5×5×1mm)を適当数配置したものとし、スパッタ
リングガスを純Arとする以外は上述と同様の放電条件
で、金属反射層4としてAl91Au7Ti2合金膜を約500Å推
積した。
1〜14と全く同じ方法で、約20μmの有機保護層6を設
けた。
ち光磁気記録媒体を得た。
w,及びC/Nの測定を行った。結果を表4の比較例9に示
す。
プルについて、80℃,85%RHの高温高湿雰囲気中に500時
間放置する加速劣化試験を行ったところ、比較例1〜9
のサンプルでは、膜の腐食によると思われる白ぬけ部分
(膜が透明化)やピンホールが多数発生していた。これ
に対し実施例1〜42では、このような白ぬけやピンホー
ルは全く発生していなかった。すなわち本発明により耐
久性も向上することが確認された。
及び熱伝達特性を有する金属反射層、具体的にはAlAu合
金,AgAu合金あるいはこれらにTi等の特定元素を添加し
た金属反射層を設け、かつ交換結合させた複層の光磁気
記録層の合計膜厚を150〜600Åとした光磁気記録媒体で
は、従来の構成の媒体に比べ、高感度でCN比及び耐久性
の向上が実現できることがわかった。
3、第3図は実施例15〜42,比較例4,5,7,8、第4図は比
較例6,9の積層構成の説明図である。 1:基板、2:透明誘電体層、3,3a,3b:記録層、4:金属反射
層、5:裏面透明誘電体層、6:有機保護層
Claims (7)
- 【請求項1】光磁気記録層が交換結合した組成の異なる
2層以上の希土類元素と遷移金属元素との合金磁性薄膜
の積層体からなる光磁気記録媒体において、前記光磁気
記録層の膜厚150Å以上600Å以下であり、その光入射側
の反対側にAlAu合金もしくはAgAu合金からなり、屈折率
NがN≦3.5、光吸収係数KがK≧3.5、熱伝導率が20〜
100W/(m・K)(W:ワット、m:メートル、K:絶対温
度)の金属反射膜を設けたことを特徴とする光磁気記録
媒体。 - 【請求項2】前記金属反射膜の屈折率NがN≦2.5で、
その光吸収係数Kが4.5≦K≦8.5である請求項1記載の
光磁気記録媒体。 - 【請求項3】前記金属反射膜中のAuの含有量が0.5〜20a
t%(原子%)である請求項1または2記載の光磁気記
録媒体。 - 【請求項4】前記金属反射膜が、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Irの群から選ばれた1種以上の特定
元素を含有したAlAu合金もしくはAgAu合金からなる請求
項1〜3記載のいずれかの光磁気記録媒体。 - 【請求項5】前記AlAu合金もしくはAgAU合金のAu含有量
が0.5〜10at%で、前記特定元素の含有量が0.3〜5.0at
%である請求項4記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項6】前記光磁気記録層が、第1磁性層、第2磁
性層の2層を順次積層した積層体であり、第2磁性層は
第1磁性層より保磁力が高く、キュリー温度が低い磁性
層であり、第1磁性層、第2磁性層それぞれの膜厚d1,d
2が、150Å≦d1+d2≦600Å、かつd1<d2を満足する請
求項1〜5記載のいずれかの光磁気記録媒体。 - 【請求項7】前記第1磁性層の保磁力が2000エルステッ
ド以下で、そのキュリー温度が100℃以上である請求項
6記載の光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
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JP2067194A JP2960470B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 光磁気記録媒体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2067194A JP2960470B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 光磁気記録媒体 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03269848A JPH03269848A (ja) | 1991-12-02 |
JP2960470B2 true JP2960470B2 (ja) | 1999-10-06 |
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CN114012512B (zh) * | 2021-10-29 | 2022-08-16 | 哈尔滨工业大学 | 一种基于激光加热、水浴加热、化学作用共同辅助的小球头磁流变抛光方法 |
-
1990
- 1990-03-19 JP JP2067194A patent/JP2960470B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH03269848A (ja) | 1991-12-02 |
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