JP2528184B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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- JP2528184B2 JP2528184B2 JP1184776A JP18477689A JP2528184B2 JP 2528184 B2 JP2528184 B2 JP 2528184B2 JP 1184776 A JP1184776 A JP 1184776A JP 18477689 A JP18477689 A JP 18477689A JP 2528184 B2 JP2528184 B2 JP 2528184B2
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- Japan
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- magneto
- optical recording
- layer
- film
- magnetic layer
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Description
【発明の詳細な説明】 [利用分野] 本発明はレーザー等の光により情報の記録・再生・消
去等を行う光磁気記録媒体に関する。更に詳細には、交
換結合した、組成の異なる2層以上の希土類元素と遷移
金属元素との合金磁性薄膜からなる光磁気記録層を有す
る光磁気記録媒体の改良に関する。
去等を行う光磁気記録媒体に関する。更に詳細には、交
換結合した、組成の異なる2層以上の希土類元素と遷移
金属元素との合金磁性薄膜からなる光磁気記録層を有す
る光磁気記録媒体の改良に関する。
[従来技術] 光記録媒体は、高密度・大容量の情報記録媒体として
種々の研究開発が行われている。特に情報の消去可能な
光磁気記録媒体は応用分野が広く種々の材料・システム
が発表されており、その実用化が待望されている。
種々の研究開発が行われている。特に情報の消去可能な
光磁気記録媒体は応用分野が広く種々の材料・システム
が発表されており、その実用化が待望されている。
上述の光磁気記録層としては、例えば特開昭52−3170
3号公報記載のTbFe、特開昭56−126907号公報記載のGdT
bFe、特開昭58−73746号公報記載のTbFeCo,DyFeCo、特
開昭61−165846号公報記載のNdFe等、既に多くの提案が
ある。しかし、これらの情報の消去可能な光磁気記録媒
体の実用化には、記録・再生特性のより一層の向上が必
要と言われている。
3号公報記載のTbFe、特開昭56−126907号公報記載のGdT
bFe、特開昭58−73746号公報記載のTbFeCo,DyFeCo、特
開昭61−165846号公報記載のNdFe等、既に多くの提案が
ある。しかし、これらの情報の消去可能な光磁気記録媒
体の実用化には、記録・再生特性のより一層の向上が必
要と言われている。
この解決策として、特開昭57−78652号公報記載のご
とく、組成の異なる2層の磁性層を交換結合させて積層
した記録層を用いる方法が提案されている。この方法
は、2層の磁性層としては光入射側、具体的には基板に
近い側から第1磁性層、第2磁性層と呼ぶことにする
と、第2磁性層に第1の磁性層よりも保磁力が大きく、
キュリー温度の低い磁性材料を用いる。記録の際には、
まずキュリー温度の低い第2磁性層にビットが記録さ
れ、続いて交換結合によって第1磁性層にビットが転写
されるという過程をとる。再生の際には、レーザー光は
キュリー温度の高い、即ちカー(Kerr)回転角の大きい
第1磁性層に入射するため、第2磁性層で用いたものと
同じ材料からなる単層膜を記録層とした媒体に比べ、高
いCN比が得られるとされている。
とく、組成の異なる2層の磁性層を交換結合させて積層
した記録層を用いる方法が提案されている。この方法
は、2層の磁性層としては光入射側、具体的には基板に
近い側から第1磁性層、第2磁性層と呼ぶことにする
と、第2磁性層に第1の磁性層よりも保磁力が大きく、
キュリー温度の低い磁性材料を用いる。記録の際には、
まずキュリー温度の低い第2磁性層にビットが記録さ
れ、続いて交換結合によって第1磁性層にビットが転写
されるという過程をとる。再生の際には、レーザー光は
キュリー温度の高い、即ちカー(Kerr)回転角の大きい
第1磁性層に入射するため、第2磁性層で用いたものと
同じ材料からなる単層膜を記録層とした媒体に比べ、高
いCN比が得られるとされている。
そこで、本発明者らは、実際にこの方法を検討するた
め、第1磁性層としてGdFeCo、第2磁性層としてTbFeCo
を用い、記録層の両面をAlSiNの透明誘電体層で挟んだ
構成からなる光磁気記録媒体について、その再生信号の
CN比を測定したところ、0.76μmのビット長に対し、49
dB程度であった。これは記録層としてTbFeCo単層膜を用
い、AlSiNの透明誘電体層で挟んだ構成からなる媒体の
再生CN比が47dB程度であることに比べれば改善はなされ
ているが、光磁気ディスクをより高度なレベルでの使
用、例えばアナログ式画像記録等に用いるためには、よ
り一層のCN比向上が必要である。
め、第1磁性層としてGdFeCo、第2磁性層としてTbFeCo
を用い、記録層の両面をAlSiNの透明誘電体層で挟んだ
構成からなる光磁気記録媒体について、その再生信号の
CN比を測定したところ、0.76μmのビット長に対し、49
dB程度であった。これは記録層としてTbFeCo単層膜を用
い、AlSiNの透明誘電体層で挟んだ構成からなる媒体の
再生CN比が47dB程度であることに比べれば改善はなされ
ているが、光磁気ディスクをより高度なレベルでの使
用、例えばアナログ式画像記録等に用いるためには、よ
り一層のCN比向上が必要である。
[発明の目的] 本発明は、かかる現状に鑑みなされたもので、前述の
交換結合した組成の異なる磁性層を積層した光磁気記録
層を有する光磁気記録媒体の更に一層の性能、特にC/N
の向上を目的とするものである。
交換結合した組成の異なる磁性層を積層した光磁気記録
層を有する光磁気記録媒体の更に一層の性能、特にC/N
の向上を目的とするものである。
[発明の構成及び作用] 上述の目的は以下の本発明により達成される。すなわ
ち、本発明は、光磁気記録層が交換結合した組成の異な
る2層以上の希土類元素と遷移金属元素との合金磁性薄
膜の積層体からなる光磁気記録媒体において、前記光磁
気記録層の膜厚が250Å以上600Å以下であり、その光入
射側と反対側の面に接して屈折率NがN≦3.5で光吸収
係数KがK≧3.5で膜厚が500Å以上の金属反射膜を設け
たものであり、かつ金属反射膜は熱伝導率が20W/(m・
K)以上100W/(m・K)以下であることを特徴とする
光磁気記録媒体である。
ち、本発明は、光磁気記録層が交換結合した組成の異な
る2層以上の希土類元素と遷移金属元素との合金磁性薄
膜の積層体からなる光磁気記録媒体において、前記光磁
気記録層の膜厚が250Å以上600Å以下であり、その光入
射側と反対側の面に接して屈折率NがN≦3.5で光吸収
係数KがK≧3.5で膜厚が500Å以上の金属反射膜を設け
たものであり、かつ金属反射膜は熱伝導率が20W/(m・
K)以上100W/(m・K)以下であることを特徴とする
光磁気記録媒体である。
上述の発明は以下のようにしてなされたものである。
その効果確認のために、まず初めに光磁気記録媒体の記
録層として、下記の組成の異なる2層の希土類・遷移金
属合金磁性薄膜を交換結合させて積層させた交換結合膜
を用い、その両面をAlSiNの透明誘電体層ではさんだ構
成の媒体を透明基板上に作製し評価した。2層の記録層
としては、基板に近い側から第1磁性層、第2磁性層と
すれば、第2磁性層を第1磁性層よりも保磁力が大き
く、キュリー温度の低い材料を用いた。具体的には第1
磁性層としてはGd21Fe55Co24(添数字は原子%、以下同
様)を300Å、第2磁性層としてはTb22Fe66Co12を600Å
堆積した。この媒体のCN比を測定したところ、0.76μm
のビット長に対し、最高49dBであった。これは、第2磁
性層と同じ組成のTb22Fe66Co12単層膜からなる膜厚900
Åの記録層をAlSiN透明誘電体で挟んだ構成の媒体のCN
比47dBに比べ2dBの改善であり、交換結合膜を記録層と
することの効果が確認された。なお、その理由として
は、その第1磁性層をキュリー温度の高い材料、すなわ
ちKerr回転角の大きいGdFeCoを用いているため、これに
比べるとKerr回転角の小さいTbFeCo単一層から信号再生
を行うよりもCN比が向上されているものと考えられる。
しかし、光磁気ディスクをより高度なレベルでの使用、
例えばアナログ式画像記録等に用いるためには、より一
層のCN比向上が必要である。
その効果確認のために、まず初めに光磁気記録媒体の記
録層として、下記の組成の異なる2層の希土類・遷移金
属合金磁性薄膜を交換結合させて積層させた交換結合膜
を用い、その両面をAlSiNの透明誘電体層ではさんだ構
成の媒体を透明基板上に作製し評価した。2層の記録層
としては、基板に近い側から第1磁性層、第2磁性層と
すれば、第2磁性層を第1磁性層よりも保磁力が大き
く、キュリー温度の低い材料を用いた。具体的には第1
磁性層としてはGd21Fe55Co24(添数字は原子%、以下同
様)を300Å、第2磁性層としてはTb22Fe66Co12を600Å
堆積した。この媒体のCN比を測定したところ、0.76μm
のビット長に対し、最高49dBであった。これは、第2磁
性層と同じ組成のTb22Fe66Co12単層膜からなる膜厚900
Åの記録層をAlSiN透明誘電体で挟んだ構成の媒体のCN
比47dBに比べ2dBの改善であり、交換結合膜を記録層と
することの効果が確認された。なお、その理由として
は、その第1磁性層をキュリー温度の高い材料、すなわ
ちKerr回転角の大きいGdFeCoを用いているため、これに
比べるとKerr回転角の小さいTbFeCo単一層から信号再生
を行うよりもCN比が向上されているものと考えられる。
しかし、光磁気ディスクをより高度なレベルでの使用、
例えばアナログ式画像記録等に用いるためには、より一
層のCN比向上が必要である。
これに対して、本発明者らは、カー効果に加えファラ
ディー効果の利用に着目し、前述の構成において記録層
の第1、第2磁性層の膜厚を光がある程度通過する膜厚
以下とし、かつ記録層の基板側と反対側の面の透明誘電
体層に替えて金属反射層を設けた構成について検討し
た。その結果、上述の記録層の第1、第2磁性層の合計
膜厚が250〜600Åで、金属反射層が光学定数がN≦3.5
かつK≧3.5であり、更に好ましくは熱伝導率が20W/m・
K以上、100W/m・K以下であるような光学的及び熱的性
質を調節した金属反射層である構成において、0.76μm
のビット長に対するCN比は51.5dBという高い値が得られ
ることが見出された。すなわち金属反射層を設けない従
来の透明誘電体層で挟んだ構成の媒体では、キュリー温
度の高い第1磁性層を用いたこと、すなわちカー回転角
が向上したことのみによりCN比の向上が成されているの
に対し、前述の特定の金属反射層を設けた上述の本発明
による光磁気記録媒体では微少ビットが性能よく、また
安定に記録され、さらに本発明者らの期待通りレーザー
光が記録層を通過し、金属反射層で反射されて戻ってく
るときのファラディー効果が複層の交換結合膜において
も上乗せすることができ、一層のCN比向上が実現された
ものであると考えられる。上述の第1磁性層と第2磁性
層の合計膜厚は、その裏面の金属反射層の効果、及び前
面の透明誘電体層による光干渉効果を最大限に引き出す
ためには、前述の250〜600Åの範囲内におさめることが
必要である。なお、合計膜厚を600Å以上と厚くする
と、金属反射層の効果は低減し、従来用いられていると
ころの裏面を透明誘電体層とした構成の媒体並のCN比に
低下してしまう。
ディー効果の利用に着目し、前述の構成において記録層
の第1、第2磁性層の膜厚を光がある程度通過する膜厚
以下とし、かつ記録層の基板側と反対側の面の透明誘電
体層に替えて金属反射層を設けた構成について検討し
た。その結果、上述の記録層の第1、第2磁性層の合計
膜厚が250〜600Åで、金属反射層が光学定数がN≦3.5
かつK≧3.5であり、更に好ましくは熱伝導率が20W/m・
K以上、100W/m・K以下であるような光学的及び熱的性
質を調節した金属反射層である構成において、0.76μm
のビット長に対するCN比は51.5dBという高い値が得られ
ることが見出された。すなわち金属反射層を設けない従
来の透明誘電体層で挟んだ構成の媒体では、キュリー温
度の高い第1磁性層を用いたこと、すなわちカー回転角
が向上したことのみによりCN比の向上が成されているの
に対し、前述の特定の金属反射層を設けた上述の本発明
による光磁気記録媒体では微少ビットが性能よく、また
安定に記録され、さらに本発明者らの期待通りレーザー
光が記録層を通過し、金属反射層で反射されて戻ってく
るときのファラディー効果が複層の交換結合膜において
も上乗せすることができ、一層のCN比向上が実現された
ものであると考えられる。上述の第1磁性層と第2磁性
層の合計膜厚は、その裏面の金属反射層の効果、及び前
面の透明誘電体層による光干渉効果を最大限に引き出す
ためには、前述の250〜600Åの範囲内におさめることが
必要である。なお、合計膜厚を600Å以上と厚くする
と、金属反射層の効果は低減し、従来用いられていると
ころの裏面を透明誘電体層とした構成の媒体並のCN比に
低下してしまう。
また、合計膜厚250〜600Åのうち、第1磁性層と第2
磁性層の膜厚d1,d2の配分は、少なくともd1<d2である
ことが好ましい。d1d2では、第2磁性層を保磁力の高
い材料を用い、交換結合によって第1磁性層の磁化を保
持しているものの、第2磁性層が薄くなると、第1磁性
層の磁化を保持し切れなくなってしまい、逆に単一の磁
性層を記録層として用いた媒体よりもCN比が低下してし
まうという場合が生ずる恐れがある。但し、第1磁性層
の膜厚を薄くしすぎると、製膜上磁気特性を良好に発現
させることが難しく、また耐久性の面で安定性に欠ける
ため第1磁性層の膜厚は100Å以上が好ましく、よっ
て、第1磁性層の膜厚の範囲としては 100≦d1<(d1+d2)/2(単位Å)であることが好まし
い。尚、本発明は、記録層をレーザー光が通過する際の
ファラディー効果をも利用することを特徴とするため、
前例で述べた第1、第2磁性層の積層順序を逆にした構
成に対しても適用できる。さらに同様の理由により、上
述のように記録層の層数を2層に限定せず、2種以上の
組成の異なる材料を用い、2層以上の交換結合させて積
層した記録層に対しても適用できる。但し、これらの場
合においても、記録層の合計膜厚は、250〜600Åとする
必要がある。
磁性層の膜厚d1,d2の配分は、少なくともd1<d2である
ことが好ましい。d1d2では、第2磁性層を保磁力の高
い材料を用い、交換結合によって第1磁性層の磁化を保
持しているものの、第2磁性層が薄くなると、第1磁性
層の磁化を保持し切れなくなってしまい、逆に単一の磁
性層を記録層として用いた媒体よりもCN比が低下してし
まうという場合が生ずる恐れがある。但し、第1磁性層
の膜厚を薄くしすぎると、製膜上磁気特性を良好に発現
させることが難しく、また耐久性の面で安定性に欠ける
ため第1磁性層の膜厚は100Å以上が好ましく、よっ
て、第1磁性層の膜厚の範囲としては 100≦d1<(d1+d2)/2(単位Å)であることが好まし
い。尚、本発明は、記録層をレーザー光が通過する際の
ファラディー効果をも利用することを特徴とするため、
前例で述べた第1、第2磁性層の積層順序を逆にした構
成に対しても適用できる。さらに同様の理由により、上
述のように記録層の層数を2層に限定せず、2種以上の
組成の異なる材料を用い、2層以上の交換結合させて積
層した記録層に対しても適用できる。但し、これらの場
合においても、記録層の合計膜厚は、250〜600Åとする
必要がある。
上述の記録層に用いる材料としては、光磁気効果によ
り記録・再生できるもの、具体的には膜面に垂直な方向
に磁化容易軸を有し、任意の反転磁区を作ることにより
光磁気効果に基いて情報の記録・再生が可能な磁性薄
膜、例えば希土類・遷移金属合金系のTbFeCo,GdFeCo,Gd
TbFe,GdTbFeCo,GdDyFeCo,NdDyFeCo,NdDyTbFeCo,NdFe,Pr
Fe,CeFe等の希土類と遷移金属との非晶質合金膜、ある
いはガーネット膜、CoCr膜、Baフェライト膜、等公知の
ものが適用できる。
り記録・再生できるもの、具体的には膜面に垂直な方向
に磁化容易軸を有し、任意の反転磁区を作ることにより
光磁気効果に基いて情報の記録・再生が可能な磁性薄
膜、例えば希土類・遷移金属合金系のTbFeCo,GdFeCo,Gd
TbFe,GdTbFeCo,GdDyFeCo,NdDyFeCo,NdDyTbFeCo,NdFe,Pr
Fe,CeFe等の希土類と遷移金属との非晶質合金膜、ある
いはガーネット膜、CoCr膜、Baフェライト膜、等公知の
ものが適用できる。
本発明において用いる金属反射膜としては、CN比の評
価に用いるドライブヘッドのレーザー光に対し、記録層
よりも反射率の高い材料であることがCN比向上のために
必要である。具体的には用いるレーザー光の波長に対す
る光学定数N,K(N:屈折率、K:吸収係数)において、N
≦3.5かつK≧3.5であるような材料を選択する必要があ
る。また、更に好ましくはN≦2.5かつ4.5≦K≦8.5で
あり、この条件で作成した媒体では、金属反射膜の反射
率向上によりカー効果エンハンスメントが向上し、媒体
CN比のより一層の向上が実現できる。
価に用いるドライブヘッドのレーザー光に対し、記録層
よりも反射率の高い材料であることがCN比向上のために
必要である。具体的には用いるレーザー光の波長に対す
る光学定数N,K(N:屈折率、K:吸収係数)において、N
≦3.5かつK≧3.5であるような材料を選択する必要があ
る。また、更に好ましくはN≦2.5かつ4.5≦K≦8.5で
あり、この条件で作成した媒体では、金属反射膜の反射
率向上によりカー効果エンハンスメントが向上し、媒体
CN比のより一層の向上が実現できる。
一方、レーザー光による加熱で信号を記録する際、金
属反射層の熱伝導率が高すぎると熱の拡散が大きく、記
録にようするレーザーパワーが大きくなり、微少ビット
が安定に記録できず、また記録感度が低下してしまう。
金属反射層に用いる材料の熱伝導率は、パワーが10mW以
下のレーザーで信号の記録を可能とするためには100(W
/m・K)(W:ワット、m:メートル、K:絶対温度)以下、
さらにレーザーパワー8mW以下で記録可能とするために
は50(W/m・K)以下であることが好ましい。
属反射層の熱伝導率が高すぎると熱の拡散が大きく、記
録にようするレーザーパワーが大きくなり、微少ビット
が安定に記録できず、また記録感度が低下してしまう。
金属反射層に用いる材料の熱伝導率は、パワーが10mW以
下のレーザーで信号の記録を可能とするためには100(W
/m・K)(W:ワット、m:メートル、K:絶対温度)以下、
さらにレーザーパワー8mW以下で記録可能とするために
は50(W/m・K)以下であることが好ましい。
ところが、金属反射層として上述のような条件を満足
する理想的な材料は、単独の元素からなる金属では存在
しない。そのため、2種以上の元素を混合して材料を設
計する必要がある。一般に600〜850nmの波長域の光に対
して高い反射率を有する材料、すなわち光学定数でN≦
3.5かつK≧3.5、さらに好ましくはN≦2.5かつ4.5≦K
≦8.5を満たす金属としては、Al,Cu,Ag,Auが代表的であ
る。ところが、これらはすべて熱伝導率が100(W/m・
K)以上であるために、10mW以下のレーザーパワーでは
信号記録が不可能である。これに対しては、これらの金
属に熱伝導率の低い元素を、反射率が低下しすぎない程
度に添加する方法が有効である。このような元素として
は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Irがあげ
られ、特に金属反射膜自身の耐久性を高めるという点で
Ti,Zr,Nb,Ta,Cr,Reが好ましい。これらの元素の添加量
を増すことにより、熱伝導率を50(W/m・K)にするこ
とも可能であり、すなわち、8mW以下のレーザーパワー
で信号を記録することも可能となる。
する理想的な材料は、単独の元素からなる金属では存在
しない。そのため、2種以上の元素を混合して材料を設
計する必要がある。一般に600〜850nmの波長域の光に対
して高い反射率を有する材料、すなわち光学定数でN≦
3.5かつK≧3.5、さらに好ましくはN≦2.5かつ4.5≦K
≦8.5を満たす金属としては、Al,Cu,Ag,Auが代表的であ
る。ところが、これらはすべて熱伝導率が100(W/m・
K)以上であるために、10mW以下のレーザーパワーでは
信号記録が不可能である。これに対しては、これらの金
属に熱伝導率の低い元素を、反射率が低下しすぎない程
度に添加する方法が有効である。このような元素として
は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Irがあげ
られ、特に金属反射膜自身の耐久性を高めるという点で
Ti,Zr,Nb,Ta,Cr,Reが好ましい。これらの元素の添加量
を増すことにより、熱伝導率を50(W/m・K)にするこ
とも可能であり、すなわち、8mW以下のレーザーパワー
で信号を記録することも可能となる。
さらに減少ビットを高性能、かつ安定して記録すべく
鋭意検討した結果、記録層及び金属反射層の熱伝導率の
値が、おおよそ同じオーダーである場合にレーザー光加
熱による温度上昇が高性能ビットを形成する上で有効な
レベルに到達することを見出した。さらに好ましくは誘
電体の熱伝導率も同イオーダーであることはビットの安
定化に有効である。これは、媒体の記録感度及びCN比に
大きく反映する。
鋭意検討した結果、記録層及び金属反射層の熱伝導率の
値が、おおよそ同じオーダーである場合にレーザー光加
熱による温度上昇が高性能ビットを形成する上で有効な
レベルに到達することを見出した。さらに好ましくは誘
電体の熱伝導率も同イオーダーであることはビットの安
定化に有効である。これは、媒体の記録感度及びCN比に
大きく反映する。
透明基板の材料としては、ポリカーボネート樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、2−メチル−ペンテン樹脂
など、またそれらの共重合体等の高分子樹脂、もしくは
ガラスなどが適用できる。中でも機構強度、耐候性、耐
熱性、透湿性の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。
クリル樹脂、エポキシ樹脂、2−メチル−ペンテン樹脂
など、またそれらの共重合体等の高分子樹脂、もしくは
ガラスなどが適用できる。中でも機構強度、耐候性、耐
熱性、透湿性の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。
透明誘電体層としては、カー効果エンスハンスメント
を高めるという点で、屈折率の高い材料、すなわち2.0
以上の屈折率を有する材料、さらに好ましくは2.05以上
である材料が望ましい。
を高めるという点で、屈折率の高い材料、すなわち2.0
以上の屈折率を有する材料、さらに好ましくは2.05以上
である材料が望ましい。
このような材料としては、AlN,MgF2,ZnS,CeF3,AlF3・
3NaF,Si3N4,AlSiN,SiO,SiO2,Zr2O3,In2O3,SnO2,Ta2O5,A
lON,SiON,ZrON,InON,SnON,TaONまたはこれらの混合体な
どが適用できる。特に屈折率が2.05以上という点ではAl
SiN,ZnS,Zr2O3,Ta2O5,ZrON,TaONが好ましい。
3NaF,Si3N4,AlSiN,SiO,SiO2,Zr2O3,In2O3,SnO2,Ta2O5,A
lON,SiON,ZrON,InON,SnON,TaONまたはこれらの混合体な
どが適用できる。特に屈折率が2.05以上という点ではAl
SiN,ZnS,Zr2O3,Ta2O5,ZrON,TaONが好ましい。
以上で述べた透明誘電体層、記録層、金属反射層の無
機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着法、スパッ
タリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々の薄膜形
成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体としては、
高温高湿耐環境性試験で生じる剥離を生じさせないため
に、特に高分子基板との密着性が大きい条件で作製する
ことが好ましい。このためにはスパッタリング法が好ま
しい。
機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着法、スパッ
タリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々の薄膜形
成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体としては、
高温高湿耐環境性試験で生じる剥離を生じさせないため
に、特に高分子基板との密着性が大きい条件で作製する
ことが好ましい。このためにはスパッタリング法が好ま
しい。
上述の本発明の効果は以下の通りである。
透明プラスチック基板を用い、膜面反射によるカー回
転角を大きくするため、基板と記録層との間に屈折率2.
1のAlSiN透明誘電体層約700Åを設け、次に記録層とし
て、基板に近い側からGd21Fe55Co24合金(添数字は原子
%)を300Å、Tb22Fe66Co12合金を600Å、最後に保護膜
として再びAlSiNを700Å設けた媒体に関し、ナカミチ
(株)製OMS−1000(type III)を用いてCN比を測定し
たところ、半径30mm、回転数1800rpm、周波数3.7MHz、d
uty33.3%(ビット長0.76μm)、再生パワー1.5mWにお
いて、49.0dBであった。
転角を大きくするため、基板と記録層との間に屈折率2.
1のAlSiN透明誘電体層約700Åを設け、次に記録層とし
て、基板に近い側からGd21Fe55Co24合金(添数字は原子
%)を300Å、Tb22Fe66Co12合金を600Å、最後に保護膜
として再びAlSiNを700Å設けた媒体に関し、ナカミチ
(株)製OMS−1000(type III)を用いてCN比を測定し
たところ、半径30mm、回転数1800rpm、周波数3.7MHz、d
uty33.3%(ビット長0.76μm)、再生パワー1.5mWにお
いて、49.0dBであった。
これに対し、本発明の透明基板上に、AlSiN透明誘電
体層に続いて、記録層を基板に近い側からGd21Fe55Co24
を150Å、Tb22Fe66Co12を250Å堆積し、最後に金属反射
膜としてCu80Ti20合金を500Å堆積したディスクでは、
前述と同様の条件でCN比を測定したところ、51.5dBであ
った。これは本発明においては金属反射膜として用いる
Cu80Ti20合金等の特定の合金の反射率及び熱的性質が好
適範囲にあること、この反射膜でレーザー光が反射を受
ける前後のファラディー効果が利用できること及び交換
結合2層膜を用いたことによるカー回転角向上の3つの
効果が組合されたことによりCN比が向上したものと考え
られる。
体層に続いて、記録層を基板に近い側からGd21Fe55Co24
を150Å、Tb22Fe66Co12を250Å堆積し、最後に金属反射
膜としてCu80Ti20合金を500Å堆積したディスクでは、
前述と同様の条件でCN比を測定したところ、51.5dBであ
った。これは本発明においては金属反射膜として用いる
Cu80Ti20合金等の特定の合金の反射率及び熱的性質が好
適範囲にあること、この反射膜でレーザー光が反射を受
ける前後のファラディー効果が利用できること及び交換
結合2層膜を用いたことによるカー回転角向上の3つの
効果が組合されたことによりCN比が向上したものと考え
られる。
以下、本発明を実験例及び実施例を用いて説明する。
[実験例1〜18] 以下のようにして基板上に金属反射膜を作成し、その
特性を評価した。
特性を評価した。
基板として、5×5×1mmのサイズのNaCl結晶、10×1
0×0.5mmのサイズのSiウェハーを3ターゲットの高周波
マグネトロンスパッタ装置(アネルバ(株)製SPF−430
H型)真空槽内に固定し、4×10-7Torrになるまで排気
する。
0×0.5mmのサイズのSiウェハーを3ターゲットの高周波
マグネトロンスパッタ装置(アネルバ(株)製SPF−430
H型)真空槽内に固定し、4×10-7Torrになるまで排気
する。
次にArガス(5N)を真空槽内に導入し、圧力5m Torr
になるようにArガス流量を調整した。ターゲットとして
は、直径100mm、厚さ5mmのCu100,Al100,Ag85Cu15(添数
字は組成(原子%)を示す)の円盤上に、必要に応じて
Ti,Re,Taのチップ(5×5×1mm)を適宜適当数配置し
た。放電電力100W、放電周波数13.56MHzで高周波スパッ
タリングを行い、表1の膜組成の欄に示すところの組成
をもつ金属膜もしくは合金膜を約1μm堆積した。
になるようにArガス流量を調整した。ターゲットとして
は、直径100mm、厚さ5mmのCu100,Al100,Ag85Cu15(添数
字は組成(原子%)を示す)の円盤上に、必要に応じて
Ti,Re,Taのチップ(5×5×1mm)を適宜適当数配置し
た。放電電力100W、放電周波数13.56MHzで高周波スパッ
タリングを行い、表1の膜組成の欄に示すところの組成
をもつ金属膜もしくは合金膜を約1μm堆積した。
まず、Siウェハー上に堆積したサンプルを用いて、波
長830nmの光に対する薄膜の屈折率N及び吸収係数Kを
求めた。測定装置としては、(株)溝尻光学工業所製、
自動エリプソメーターDHA−OLWを用いた。結果を表1の
N,Kの欄に示す。
長830nmの光に対する薄膜の屈折率N及び吸収係数Kを
求めた。測定装置としては、(株)溝尻光学工業所製、
自動エリプソメーターDHA−OLWを用いた。結果を表1の
N,Kの欄に示す。
次に、NaCl結晶上に堆積したサンプルを用いて、薄膜
の熱伝導率を求めた。サンプルを純水に浸することによ
りNaClのみを溶解させ金属膜もしくは合金膜だけを取り
出した。この薄膜を、真空理工(株)製、薄膜用光交流
法熱定数測定装置PIT−1により熱伝導率を測定した。
結果を表1の熱伝導率の欄に示す。
の熱伝導率を求めた。サンプルを純水に浸することによ
りNaClのみを溶解させ金属膜もしくは合金膜だけを取り
出した。この薄膜を、真空理工(株)製、薄膜用光交流
法熱定数測定装置PIT−1により熱伝導率を測定した。
結果を表1の熱伝導率の欄に示す。
[実験例19] 以下のようにして基板上にAlSiN透明誘電体膜を作成
し、その特性を評価した。
し、その特性を評価した。
基板として5×5×1mmのサイズのNaCl結晶を、実験
例1〜18と全く同じ装置内に固定し、4×10-7Torrにな
るまで排気する。
例1〜18と全く同じ装置内に固定し、4×10-7Torrにな
るまで排気する。
次にAr/N2混合ガス(N230vol%)を真空槽内に導入
し、圧力5m TorrになるようにAr/N2混合ガス流量を調節
した。ターゲットとしては直径100mm、厚さ5mmのAl50Si
50(添数字は組成(原子%)を示す)の焼結体を用い、
実験例1〜18と同条件でスパッタリングを行い、Al40Si
40N20透明誘電体膜を約1μm堆積した。
し、圧力5m TorrになるようにAr/N2混合ガス流量を調節
した。ターゲットとしては直径100mm、厚さ5mmのAl50Si
50(添数字は組成(原子%)を示す)の焼結体を用い、
実験例1〜18と同条件でスパッタリングを行い、Al40Si
40N20透明誘電体膜を約1μm堆積した。
実験例1〜18と同様の装置で、薄膜の熱伝導率を測定
した。結果を表1の熱伝導率の欄に示す。
した。結果を表1の熱伝導率の欄に示す。
[実験例20,21] 以上のようにして基板上にTbFeCo,GdFeCo合金膜を作
成し、その特性を評価した。
成し、その特性を評価した。
基板として5×5×1mmのサイズのNaCl結晶を、実験
例1〜19と全く同じ装置内に固定し、4×10-7Torrにな
るまで排気する。
例1〜19と全く同じ装置内に固定し、4×10-7Torrにな
るまで排気する。
次に純Ar(5N)を真空槽内に導入し、圧力5m Torrに
なるようにArガス流量を調整した。ターゲットとしては
直径100mm、厚さ5mmのGd21Fe栄55 Co24合金、及びTb22Fe66Co12合金(添数字は組成(原
子%)を示す)の円盤を用い、実験例1〜19と同条件で
スパッタリングを行い、Gd21Fe55Co24,Tb22Fe66Co12合
金膜を約1μm堆積した。実験例1〜19と同様の装置
で、薄膜の熱伝導率を測定した。結果を表1の熱伝導率
の欄に示す。
なるようにArガス流量を調整した。ターゲットとしては
直径100mm、厚さ5mmのGd21Fe栄55 Co24合金、及びTb22Fe66Co12合金(添数字は組成(原
子%)を示す)の円盤を用い、実験例1〜19と同条件で
スパッタリングを行い、Gd21Fe55Co24,Tb22Fe66Co12合
金膜を約1μm堆積した。実験例1〜19と同様の装置
で、薄膜の熱伝導率を測定した。結果を表1の熱伝導率
の欄に示す。
[実施例1〜15、比較例1〜3] 以下のようにして基板上に第1図に示す構成の光磁気
記録媒体を作成し評価した。図において1は基板、2は
透明誘電体層、3a,3bは記録層、4は金属反射層であ
る。
記録媒体を作成し評価した。図において1は基板、2は
透明誘電体層、3a,3bは記録層、4は金属反射層であ
る。
直径130mm、厚さ1.2mmの円盤で、1.6μmピッチのグ
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固定
し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成に
おいて基板1は15rpmで回転させた。
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板1を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ(株)製SPF−430H型)の真空槽内に固定
し、4×10-7Torrになるまで排気する。なお、膜形成に
おいて基板1は15rpmで回転させた。
まず透明誘電体層2として、ターゲットとしては直径
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230vol%)を導入し、圧力5m Torrになるように
Ar/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周
波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層
2としてAl40Si40N20透明誘電体層700Åを堆積した。
100mm、厚さ5mmの円盤で、Al50Si50(添数字は組成(原
子%)を示す)の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2混合
ガス(N230vol%)を導入し、圧力5m Torrになるように
Ar/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周
波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層
2としてAl40Si40N20透明誘電体層700Åを堆積した。
次に光磁気記録層3aとして、ターゲットをGd21Fe55Co
24合金の円盤に変えスパッタリングガスを純Ar(5N)と
する以外は上述と同様の放電条件でGd21Fe55Co24合金膜
を約150Å堆積した。
24合金の円盤に変えスパッタリングガスを純Ar(5N)と
する以外は上述と同様の放電条件でGd21Fe55Co24合金膜
を約150Å堆積した。
さらに、光磁気記録層3bとして、ターゲットTb22Fe66
Co12合金の円盤に変え、上述と同様の放電条件でTb22Fe
66Co12合金膜を約250Å堆積した。
Co12合金の円盤に変え、上述と同様の放電条件でTb22Fe
66Co12合金膜を約250Å堆積した。
最後に、前述の実験例1〜18と同様に、種々の組成か
らなる金属反射膜4を形成した。すなわち、ターゲット
としては直径100mm、厚さ5mmのCu100,Al100,Ag85Cu15の
円盤上にTi,Re,Taのチップ(5×5×1mm)を適宜適当
数配置し、上述と同様の放電条件で、金属反射層4とし
て表2に示すところの組成の金属膜もしくは合金膜を約
500Å堆積した。
らなる金属反射膜4を形成した。すなわち、ターゲット
としては直径100mm、厚さ5mmのCu100,Al100,Ag85Cu15の
円盤上にTi,Re,Taのチップ(5×5×1mm)を適宜適当
数配置し、上述と同様の放電条件で、金属反射層4とし
て表2に示すところの組成の金属膜もしくは合金膜を約
500Å堆積した。
以上の順序で、第1図に示すところの積層体、すなわ
ち光磁気記録媒体を得た。
ち光磁気記録媒体を得た。
この光磁気ディスクの最適記録レーザーパワー及びCN
比を測定した。測定には光磁気記録再生装置(ナカミチ
OMS−100Type III)を用い、ディスクを1800rpmで回転
させ、半径30mmの位置で記録・再生・消去を行った。信
号の再生は1.5mWのレーザーパワーで行った。記録時の
最適レーザーパワーは、信号再生時の1次高周波と2次
高周波の差が最大となる値に決定した。信号周波数は3.
7MHz、duty33.3%とし、0.76μmのビットが記録される
条件で行った。尚、記録・消去の際の印加磁界は500Oe
(エルステッド)である。各媒体の最適記録レーザーパ
ワー及びCN比を表2の各欄に示す。
比を測定した。測定には光磁気記録再生装置(ナカミチ
OMS−100Type III)を用い、ディスクを1800rpmで回転
させ、半径30mmの位置で記録・再生・消去を行った。信
号の再生は1.5mWのレーザーパワーで行った。記録時の
最適レーザーパワーは、信号再生時の1次高周波と2次
高周波の差が最大となる値に決定した。信号周波数は3.
7MHz、duty33.3%とし、0.76μmのビットが記録される
条件で行った。尚、記録・消去の際の印加磁界は500Oe
(エルステッド)である。各媒体の最適記録レーザーパ
ワー及びCN比を表2の各欄に示す。
[比較例4] 以下のようにして、比較のため、従来例の透明誘電体
層AlSiNを記録層の両面に設けたところの、第2図に示
す構成の光磁気記録媒体を作成し評価した。
層AlSiNを記録層の両面に設けたところの、第2図に示
す構成の光磁気記録媒体を作成し評価した。
直径130mm、厚さ1.2mmの円盤で、1.6μmピッチのグ
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板を、実施例1〜15で用いたものと全く同じスパッタ
装置内に全く同じ条件で固定した。
ルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)のディスク
基板を、実施例1〜15で用いたものと全く同じスパッタ
装置内に全く同じ条件で固定した。
まず透明誘電体層2として、ターゲットとしては直径
100mm、厚さ5mmの円盤上のAl50Si50焼結体(添数字は組
成(原子%)を示す)を用い、真空槽内にAr/N2混合ガ
ス(N230vol%)を導入し、圧力5m TorrになるようにAr
/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周波
数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層2
としてAl40Si40N20透明誘電体層を約700Å堆積した。
100mm、厚さ5mmの円盤上のAl50Si50焼結体(添数字は組
成(原子%)を示す)を用い、真空槽内にAr/N2混合ガ
ス(N230vol%)を導入し、圧力5m TorrになるようにAr
/N2混合ガス流量を調整した。放電電力100W、放電周波
数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、誘電体層2
としてAl40Si40N20透明誘電体層を約700Å堆積した。
次に、光時期記録層3aとして、ターゲットをGd21Fe55
Co24合金の円盤に変え、スパッタリングガスを純Ar(5
N)とする以外は上述と同様の放電条件でGd21Fe55Co24
合金膜を約150Å堆積した。
Co24合金の円盤に変え、スパッタリングガスを純Ar(5
N)とする以外は上述と同様の放電条件でGd21Fe55Co24
合金膜を約150Å堆積した。
さらに光磁気記録層3bとして、ターゲットをTb22Fe66
Co12合金の円盤に変え、上述と同様の放電条件でTb22Fe
66Co12合金膜を約600Å堆積した。
Co12合金の円盤に変え、上述と同様の放電条件でTb22Fe
66Co12合金膜を約600Å堆積した。
最後にターゲットをAl50Si50焼結体に戻し、スパッタ
リングガスをAr/N2混合ガス(N230vol%)として、上述
と同様の放電条件で、透明誘電体保護層5としてAl40Si
40N20膜を約700Å堆積した。
リングガスをAr/N2混合ガス(N230vol%)として、上述
と同様の放電条件で、透明誘電体保護層5としてAl40Si
40N20膜を約700Å堆積した。
以上の順序で、第2図に示すところの積層体、すなわ
ち光磁気記録媒体を得た。
ち光磁気記録媒体を得た。
実施例1〜15と同様に、最適記録パワー、及びCN比の
測定を行った。結果を表2の比較例4に示す。
測定を行った。結果を表2の比較例4に示す。
以上、実施例及び比較例より、本発明における金属反
射層を有し、かつ交換係合させた複数の光磁気記録層の
合計膜厚を250〜600Åとした光磁気記録媒体では、従来
のごとく記録層の両面を透明誘電体層で挟んだ構成の媒
体に比べ、CN比の向上が実現できることがわかった。
射層を有し、かつ交換係合させた複数の光磁気記録層の
合計膜厚を250〜600Åとした光磁気記録媒体では、従来
のごとく記録層の両面を透明誘電体層で挟んだ構成の媒
体に比べ、CN比の向上が実現できることがわかった。
さらに、金属反射層の熱伝導率を、記録層とほぼ同等
レベルに調整することにより、CN比は最も向上すること
がわかった。
レベルに調整することにより、CN比は最も向上すること
がわかった。
以上の通り本発明は、光磁気記録媒体の記録再生特
性、具体的にはC/Nの向上に大きな効果を奏するもので
ある。
性、具体的にはC/Nの向上に大きな効果を奏するもので
ある。
第1図は実施例1〜15、比較例1〜3の、第2図は比較
例4の積層構成の説明図である。 1:基板、2:透明誘電体層、3a,3b:記録層、4:金属反射
層、5:透明誘電体保護層
例4の積層構成の説明図である。 1:基板、2:透明誘電体層、3a,3b:記録層、4:金属反射
層、5:透明誘電体保護層
Claims (4)
- 【請求項1】光磁気記録層が交換結合した組成の異なる
2層以上の希土類元素と遷移金属元素との合金磁性薄膜
の積層体からなる光磁気記録媒体において、前記光磁気
記録層の膜厚が250Å以上600Å以下であり、その光入射
側と反対側の面に接して屈折率NがN≦3.5で光吸収係
数KがK≧3.5で膜厚が500Å以上の金属反射膜を設けた
ものであり、かつ金属反射膜は熱伝導率が20W/(m・
K)以上100W/(m・K)以下であることを特徴とする
光磁気記録媒体。 - 【請求項2】前記金属反射膜の屈折率NがN≦2.5で、
その光吸収係数Kが4.5≦K≦8.5である請求項1記載の
光磁気記録媒体。 - 【請求項3】前記金属反射膜が、Al,Cu,Ag,Auの群から
選ばれた1種以上の金属または合金に、Ti,Zr,Hf,V,Nb,
Ta,Cr,Mo,W,Tc,Re,Ru,Os,Irの群から選ばれた1種以上
の元素を含有した合金からなる請求項1または2記載の
いずれかの光磁気記録媒体。 - 【請求項4】前記光磁気記録層が、第1磁性層、第2磁
性層の2層を順次積層した積層体であり、第2磁性層は
第1磁性層より保磁力が高く、キュリー温度が低い磁性
層であり、第1磁性層、第2磁性層それぞれの膜厚d1,d
2が、250Å≦d1+d2≦600Å、かつd1<d2を満足する請
求項1,2または3記載のいずれかの光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1184776A JP2528184B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1184776A JP2528184B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 光磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0352144A JPH0352144A (ja) | 1991-03-06 |
JP2528184B2 true JP2528184B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=16159109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1184776A Expired - Lifetime JP2528184B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | 光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528184B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2778761B2 (ja) * | 1989-11-13 | 1998-07-23 | 株式会社日立製作所 | 光磁気記録媒体 |
-
1989
- 1989-07-19 JP JP1184776A patent/JP2528184B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0352144A (ja) | 1991-03-06 |
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