JPH05114180A - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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- JPH05114180A JPH05114180A JP30117591A JP30117591A JPH05114180A JP H05114180 A JPH05114180 A JP H05114180A JP 30117591 A JP30117591 A JP 30117591A JP 30117591 A JP30117591 A JP 30117591A JP H05114180 A JPH05114180 A JP H05114180A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】記録感度を劣化させることなく、繰り返しの記
録・消去耐久性もしくは連続消去耐久性が十分な光磁気
記録媒体を得る。 【構成】光磁気記録層の背後に金属反射層を有する光磁
気記録媒体において、前記光磁気記録層はキュリー温度
Tc(℃)が 100≦Tc≦200 、膜厚t(nm)が15≦t≦
60の光磁気記録層であり、前記金属反射層は膜厚d(n
m)がd≧60、熱伝導率λと膜厚dの積λd(μW/
K)(ここでμ:10-6、W:ワット、K:絶対温度)が
2.5≦λd≦20の金属反射層であり、かつTc≦−10×λ
d+300 であるもの。あるいは光磁気記録層が2層構成
であり、保磁力をHcとすれば、 Tc1>Tc2 、 Hc1>Hc2
、 100≦Tc2 ≦180 、15≦t1+t2≦60、t1<t2、d≧6
0、 2.5≦λd≦20、 Tc2≦−10×λd+300 であるも
の。
録・消去耐久性もしくは連続消去耐久性が十分な光磁気
記録媒体を得る。 【構成】光磁気記録層の背後に金属反射層を有する光磁
気記録媒体において、前記光磁気記録層はキュリー温度
Tc(℃)が 100≦Tc≦200 、膜厚t(nm)が15≦t≦
60の光磁気記録層であり、前記金属反射層は膜厚d(n
m)がd≧60、熱伝導率λと膜厚dの積λd(μW/
K)(ここでμ:10-6、W:ワット、K:絶対温度)が
2.5≦λd≦20の金属反射層であり、かつTc≦−10×λ
d+300 であるもの。あるいは光磁気記録層が2層構成
であり、保磁力をHcとすれば、 Tc1>Tc2 、 Hc1>Hc2
、 100≦Tc2 ≦180 、15≦t1+t2≦60、t1<t2、d≧6
0、 2.5≦λd≦20、 Tc2≦−10×λd+300 であるも
の。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ等の光により情報
の記録・再生・消去等を行う光磁気記録媒体に関する。
更に詳細には、キュリー温度の低い希土類遷移金属合金
等よりなる光磁気記録層と、高熱伝導率および/または
膜厚の厚い金属反射層とを有し、高感度で、特に繰り返
し記録・消去耐久性、および連続消去耐久性に優れた光
磁気記録媒体に関する。
の記録・再生・消去等を行う光磁気記録媒体に関する。
更に詳細には、キュリー温度の低い希土類遷移金属合金
等よりなる光磁気記録層と、高熱伝導率および/または
膜厚の厚い金属反射層とを有し、高感度で、特に繰り返
し記録・消去耐久性、および連続消去耐久性に優れた光
磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は、高密度・大容量の情報記
録媒体として既に実用化が始まっており、特に情報の消
去可能な光磁気記録媒体は応用分野が広く種々の材料・
システムが発表されている。
録媒体として既に実用化が始まっており、特に情報の消
去可能な光磁気記録媒体は応用分野が広く種々の材料・
システムが発表されている。
【0003】そして従来発表されている光磁気記録媒体
の一つは、ほぼ次のような構成のものである。すなわ
ち、記録層としてキュリー温度Tc=210 ℃のTbFeCoを
用い、ポリカーボネート樹脂(PC)基板(1.2 mm)
/第1の透明誘電体層AlSiN(110nm)/光磁気記録
層TbFeCo(22.5nm)/第2の透明誘電体層AlSiN(25
nm)/金属反射層AlTi(40nm)/紫外線硬化型樹脂
による有機物保護層(20μm)からなる、反射膜付構成
の直径 130mmのディスクである。
の一つは、ほぼ次のような構成のものである。すなわ
ち、記録層としてキュリー温度Tc=210 ℃のTbFeCoを
用い、ポリカーボネート樹脂(PC)基板(1.2 mm)
/第1の透明誘電体層AlSiN(110nm)/光磁気記録
層TbFeCo(22.5nm)/第2の透明誘電体層AlSiN(25
nm)/金属反射層AlTi(40nm)/紫外線硬化型樹脂
による有機物保護層(20μm)からなる、反射膜付構成
の直径 130mmのディスクである。
【0004】上述の従来構成の光磁気記録媒体に対し
て、本発明者らは次のような試験を行った。まず、半径
30mm位置のトラックにおいて、ディスク回転速度1800
rpm 、記録周波数3.7 MHz(pulse duty33%)、外部磁
場 300Oe、記録レーザパワー 5.5mW(C/Nが最大と
なる時の値)で記録し、再生レーザパワー 1.5mWで再
生し、C/Nの初期値を測定した。その後、 9.0mWの
レーザパワーで所定回転数までの間同一トラックを連続
的に照射する連続消去耐久性試験を行った。所定回転数
の上限としては、現在一般に必要と言われているところ
の、10の7乗回回転後にC/N≧45dBを確保するという
条件を考慮して、10の7乗回とした。連続消去耐久性試
験の間、上述のC/N初期値測定と同条件で記録、再生
を行い、C/Nを測定した。その結果、初期のC/N=
48dBであったものが、10の3乗回回転の連続消去後には
2dB低下して46dBとなり、10の7乗回回転の連続消去後
には8dB低下して40dBとなり、10の7乗回回転後にC/
N≧45dBという条件を満足しないことが判明した。
て、本発明者らは次のような試験を行った。まず、半径
30mm位置のトラックにおいて、ディスク回転速度1800
rpm 、記録周波数3.7 MHz(pulse duty33%)、外部磁
場 300Oe、記録レーザパワー 5.5mW(C/Nが最大と
なる時の値)で記録し、再生レーザパワー 1.5mWで再
生し、C/Nの初期値を測定した。その後、 9.0mWの
レーザパワーで所定回転数までの間同一トラックを連続
的に照射する連続消去耐久性試験を行った。所定回転数
の上限としては、現在一般に必要と言われているところ
の、10の7乗回回転後にC/N≧45dBを確保するという
条件を考慮して、10の7乗回とした。連続消去耐久性試
験の間、上述のC/N初期値測定と同条件で記録、再生
を行い、C/Nを測定した。その結果、初期のC/N=
48dBであったものが、10の3乗回回転の連続消去後には
2dB低下して46dBとなり、10の7乗回回転の連続消去後
には8dB低下して40dBとなり、10の7乗回回転後にC/
N≧45dBという条件を満足しないことが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、光磁気記
録媒体の記録・消去はレーザ光加熱によって行われるた
め、繰り返しの記録・消去による記録膜の加熱劣化の問
題が生じる。特に消去の場合には、高パワーのレーザ光
を照射するために、記録膜の温度は 500℃以上にまで昇
温すると言われており、1つのトラックを連続的に消去
するような動作を行うと、著しく記録膜が劣化してしま
う。書換え可能であることが特徴である光磁気記録媒体
としては、上述の繰り返し記録・消去、連続消去等の動
作による特性の劣化という課題を解決する必要がある。
録媒体の記録・消去はレーザ光加熱によって行われるた
め、繰り返しの記録・消去による記録膜の加熱劣化の問
題が生じる。特に消去の場合には、高パワーのレーザ光
を照射するために、記録膜の温度は 500℃以上にまで昇
温すると言われており、1つのトラックを連続的に消去
するような動作を行うと、著しく記録膜が劣化してしま
う。書換え可能であることが特徴である光磁気記録媒体
としては、上述の繰り返し記録・消去、連続消去等の動
作による特性の劣化という課題を解決する必要がある。
【0006】本発明は、かかる現状に鑑みなされたもの
で、記録感度を劣化させることなく、繰り返しの記録・
消去耐久性もしくは連続消去耐久性が十分な光磁気記録
媒体を提供することを目的とするものである。
で、記録感度を劣化させることなく、繰り返しの記録・
消去耐久性もしくは連続消去耐久性が十分な光磁気記録
媒体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光磁気記
録媒体は、透明基板上に第1の透明誘電体層、光磁気記
録層、第2の透明誘電体層、金属反射層を少なくとも備
えた光磁気記録媒体において、前記光磁気記録層はキュ
リー温度Tc(℃)が 100≦Tc≦200 、膜厚t(n
m)が15≦t≦60の光磁気記録層であり、前記金属反射
層は膜厚d(nm)がd≧60、熱伝導率λと膜厚dの積
λd(μW/K)(ここでμ:10-6、W:ワット、K:
絶対温度)が 2.5≦λd≦20の金属反射層であり、かつ
Tc≦−10×λd+300 であることを特徴としている。
録媒体は、透明基板上に第1の透明誘電体層、光磁気記
録層、第2の透明誘電体層、金属反射層を少なくとも備
えた光磁気記録媒体において、前記光磁気記録層はキュ
リー温度Tc(℃)が 100≦Tc≦200 、膜厚t(n
m)が15≦t≦60の光磁気記録層であり、前記金属反射
層は膜厚d(nm)がd≧60、熱伝導率λと膜厚dの積
λd(μW/K)(ここでμ:10-6、W:ワット、K:
絶対温度)が 2.5≦λd≦20の金属反射層であり、かつ
Tc≦−10×λd+300 であることを特徴としている。
【0008】あるいは透明基板上に第1の透明誘電体
層、光磁気記録層、第2の透明誘電体層、金属反射層を
少なくとも備えた光磁気記録媒体において、前記光磁気
記録層は、キュリー温度がTc1 (℃)、室温での保磁
力がHc1(Oe)、膜厚がt1(nm)である第1磁性層
と、キュリー温度がTc2 (℃)、室温での保磁力がH
c2 (Oe)、膜厚がt2 (nm)である第2磁性層の2
層を順次積層した積層体であり、Tc1 >Tc2 、Hc
2 >Hc1 、 100≦Tc2 ≦180 、15≦t1 +t2 ≦6
0、t1 <t2 、かつ前記金属反射層は膜厚d(nm)
がd≧60、熱伝導率λと膜厚dの積λd(μW/K)
(ここでμ:10-6、W:ワット、K:絶対温度)が 2.5
≦λd≦20の金属反射層であり、さらにTc2 ≦−10×
λd+300 であることを特徴としている。
層、光磁気記録層、第2の透明誘電体層、金属反射層を
少なくとも備えた光磁気記録媒体において、前記光磁気
記録層は、キュリー温度がTc1 (℃)、室温での保磁
力がHc1(Oe)、膜厚がt1(nm)である第1磁性層
と、キュリー温度がTc2 (℃)、室温での保磁力がH
c2 (Oe)、膜厚がt2 (nm)である第2磁性層の2
層を順次積層した積層体であり、Tc1 >Tc2 、Hc
2 >Hc1 、 100≦Tc2 ≦180 、15≦t1 +t2 ≦6
0、t1 <t2 、かつ前記金属反射層は膜厚d(nm)
がd≧60、熱伝導率λと膜厚dの積λd(μW/K)
(ここでμ:10-6、W:ワット、K:絶対温度)が 2.5
≦λd≦20の金属反射層であり、さらにTc2 ≦−10×
λd+300 であることを特徴としている。
【0009】
【作用】前述のとおり、従来発表されているものと同等
の構成からなる媒体に関し、連続消去耐久性試験を行っ
たところ、回転数10の7乗回の試験でC/Nの大幅な低
下が認められた。この原因としては、連続消去時のレー
ザ照射による記録膜の温度上昇のために記録膜の熱的劣
化が起ったためと考えられる。すなわち、前述の例では
光磁気記録層の希土類・遷移金属非晶質合金が、消去時
には500 ℃以上にまで温度が上昇し、非晶質の構造緩
和、結晶化、酸化、窒化等の現象が起こり、磁気光学特
性の劣化が生じ、C/Nが低下したものと考えられる。
の構成からなる媒体に関し、連続消去耐久性試験を行っ
たところ、回転数10の7乗回の試験でC/Nの大幅な低
下が認められた。この原因としては、連続消去時のレー
ザ照射による記録膜の温度上昇のために記録膜の熱的劣
化が起ったためと考えられる。すなわち、前述の例では
光磁気記録層の希土類・遷移金属非晶質合金が、消去時
には500 ℃以上にまで温度が上昇し、非晶質の構造緩
和、結晶化、酸化、窒化等の現象が起こり、磁気光学特
性の劣化が生じ、C/Nが低下したものと考えられる。
【0010】そこで、記録膜の温度上昇を抑える構成に
ついて検討を進めた結果、記録膜に対してその背後に設
ける金属反射膜として熱伝導率λの高い材料を選択する
か、および/または金属反射膜の膜厚dを厚くするかに
より、金属反射層のλdを大きくする方法が最も有効で
あることがわかった。ところが、この方法をとると、記
録膜の温度上昇は抑えられるが、媒体としての記録感度
が低下し、記録時に高いレーザパワーが必要となってし
まう問題があることがわかった。
ついて検討を進めた結果、記録膜に対してその背後に設
ける金属反射膜として熱伝導率λの高い材料を選択する
か、および/または金属反射膜の膜厚dを厚くするかに
より、金属反射層のλdを大きくする方法が最も有効で
あることがわかった。ところが、この方法をとると、記
録膜の温度上昇は抑えられるが、媒体としての記録感度
が低下し、記録時に高いレーザパワーが必要となってし
まう問題があることがわかった。
【0011】これに対して、記録感度を、すでに市販さ
れている光磁気ディスクと同等、すなわちそれと同じレ
ーザパワーで記録できるようにするためには、光磁気記
録層のキュリー温度Tcを下げることが効果的と考え、
次のような構成の光磁気ディスクを作製し検討を行っ
た。すなわちディスクは、PC基板(1.2 mm)/AlSi
N( 110nm)/TbFeCo(22.5nm)/AlSiN(25n
m)/AlTi(80nm)/紫外線硬化型樹脂による有機保
護層(20μm)からなる、金属反射膜付構成の直径130
mmのディスクで、反射膜を従来のものの倍の膜厚の80
nmとすると共に、記録層はTbFeCoのキュリー温度Tc
を約 190℃にまで低下させたものである。このディスク
に関し、消去レーザパワー 9.0mWで前述の連続消去耐
久性試験を行ったところ、驚くべきことに、10の7乗回
回転の試験後にもC/N≧45dBという良好な結果が得ら
れた。記録感度もレーザパワー 5.5mWでC/N最大と
なり、現在市販されている光磁気ディスクと同等である
ことがわかった。これはAlTi金属反射膜の膜厚を、従来
の40nmから80nmに厚くしたことにより、レーザによ
り加熱されるスポットからのヒートシンク的特性に相当
するλdが増加し記録膜の温度上昇が大幅に抑えられた
ためと考えられる。
れている光磁気ディスクと同等、すなわちそれと同じレ
ーザパワーで記録できるようにするためには、光磁気記
録層のキュリー温度Tcを下げることが効果的と考え、
次のような構成の光磁気ディスクを作製し検討を行っ
た。すなわちディスクは、PC基板(1.2 mm)/AlSi
N( 110nm)/TbFeCo(22.5nm)/AlSiN(25n
m)/AlTi(80nm)/紫外線硬化型樹脂による有機保
護層(20μm)からなる、金属反射膜付構成の直径130
mmのディスクで、反射膜を従来のものの倍の膜厚の80
nmとすると共に、記録層はTbFeCoのキュリー温度Tc
を約 190℃にまで低下させたものである。このディスク
に関し、消去レーザパワー 9.0mWで前述の連続消去耐
久性試験を行ったところ、驚くべきことに、10の7乗回
回転の試験後にもC/N≧45dBという良好な結果が得ら
れた。記録感度もレーザパワー 5.5mWでC/N最大と
なり、現在市販されている光磁気ディスクと同等である
ことがわかった。これはAlTi金属反射膜の膜厚を、従来
の40nmから80nmに厚くしたことにより、レーザによ
り加熱されるスポットからのヒートシンク的特性に相当
するλdが増加し記録膜の温度上昇が大幅に抑えられた
ためと考えられる。
【0012】さらに、次のような構成の光磁気ディスク
を作製した。すなわち、PC基板(1.2 mm)/AlSiN
( 110nm)/NdDyTbFeCo(22.5nm)/AlSiN(25n
m)/AlTi( 100nm)/紫外線硬化型樹脂による有機
物保護層(20μm)からなる、金属反射膜付構成の直径
130mmのディスクで、反射膜を従来のものの倍以上の
膜厚の 100nmとすると共に、記録層はNdDyTbFeCoのキ
ュリー温度Tcを約 150℃にまで低下させたものであ
る。このディスクに関し、消去レーザパワー 8.5mWで
前述の連続消去耐久性試験を行ったところ、驚くべきこ
とに、回転数10の6乗回の試験後にもC/Nの低下は 1
dB以内であり、回転数10の7乗回の試験後のC/Nの低
下は 1.5dB程度でその値も45.5dBであった。また記録感
度もレーザパワー 5.0mWでC/N最大となり、現在市
販されている光磁気ディスク以上の感度であった。
を作製した。すなわち、PC基板(1.2 mm)/AlSiN
( 110nm)/NdDyTbFeCo(22.5nm)/AlSiN(25n
m)/AlTi( 100nm)/紫外線硬化型樹脂による有機
物保護層(20μm)からなる、金属反射膜付構成の直径
130mmのディスクで、反射膜を従来のものの倍以上の
膜厚の 100nmとすると共に、記録層はNdDyTbFeCoのキ
ュリー温度Tcを約 150℃にまで低下させたものであ
る。このディスクに関し、消去レーザパワー 8.5mWで
前述の連続消去耐久性試験を行ったところ、驚くべきこ
とに、回転数10の6乗回の試験後にもC/Nの低下は 1
dB以内であり、回転数10の7乗回の試験後のC/Nの低
下は 1.5dB程度でその値も45.5dBであった。また記録感
度もレーザパワー 5.0mWでC/N最大となり、現在市
販されている光磁気ディスク以上の感度であった。
【0013】このような高感度ディスクは2400rpm や36
00rpm 以上の高速回転ドライブ用として好ましい。高速
回転時には低速回転の時より、同じレーザパワーでも記
録膜の温度上昇は小さく、耐久性にとっても好ましい。
ゆえに、現在標準より高感度なディスクは 9.0mWの消
去レーザパワーよりゆるやかな条件、すなわち高速回転
で評価するか、またはより小さい消去パワーで評価すれ
ば良い。本発明者らは後者の方法を採用し、記録感度が
レーザパワー 5.5mWでC/Nが最大となるディスクは
消去レーザパワー 9.0mWで評価する一方、記録感度が
レーザパワー 5.0mWでC/Nが最大となるディスクは
消去レーザパワー 8.5mWで評価することとした。また
同じ理由により、記録感度がレーザパワー 4.5mWでC
/Nが最大となるディスクは消去レーザパワー 8.0mW
で評価することとした。
00rpm 以上の高速回転ドライブ用として好ましい。高速
回転時には低速回転の時より、同じレーザパワーでも記
録膜の温度上昇は小さく、耐久性にとっても好ましい。
ゆえに、現在標準より高感度なディスクは 9.0mWの消
去レーザパワーよりゆるやかな条件、すなわち高速回転
で評価するか、またはより小さい消去パワーで評価すれ
ば良い。本発明者らは後者の方法を採用し、記録感度が
レーザパワー 5.5mWでC/Nが最大となるディスクは
消去レーザパワー 9.0mWで評価する一方、記録感度が
レーザパワー 5.0mWでC/Nが最大となるディスクは
消去レーザパワー 8.5mWで評価することとした。また
同じ理由により、記録感度がレーザパワー 4.5mWでC
/Nが最大となるディスクは消去レーザパワー 8.0mW
で評価することとした。
【0014】この効果を発現させるためには、金属反射
層の熱伝導率および/または膜厚を調整し、前述のλd
を適切に選択する必要がある。基本的には、記録膜の温
度上昇を抑える方向、具体的には金属反射層のλdが大
きくなる方向に設定すればよい。すなわち、金属反射膜
として熱伝導率の低い材料を用いる場合には、金属反射
層のλdを大きくするために、金属反射層の膜厚を厚く
する。反対に熱伝導率の高い材料を用いる場合には、熱
伝導率の低い材料を用いる場合よりも膜厚は薄くでき
る。
層の熱伝導率および/または膜厚を調整し、前述のλd
を適切に選択する必要がある。基本的には、記録膜の温
度上昇を抑える方向、具体的には金属反射層のλdが大
きくなる方向に設定すればよい。すなわち、金属反射膜
として熱伝導率の低い材料を用いる場合には、金属反射
層のλdを大きくするために、金属反射層の膜厚を厚く
する。反対に熱伝導率の高い材料を用いる場合には、熱
伝導率の低い材料を用いる場合よりも膜厚は薄くでき
る。
【0015】ただし、反射率および耐久性面から金属反
射層の膜厚d(nm)は、d≧60に設定する必要があ
る。ところで、金属反射層のλdを大きくすると、レー
ザ照射の記録膜の温度上昇が抑えられるため、用いる光
磁気記録層のキュリー温度Tcを下げ、記録感度を上げ
る必要がある。
射層の膜厚d(nm)は、d≧60に設定する必要があ
る。ところで、金属反射層のλdを大きくすると、レー
ザ照射の記録膜の温度上昇が抑えられるため、用いる光
磁気記録層のキュリー温度Tcを下げ、記録感度を上げ
る必要がある。
【0016】この光磁気記録層のキュリー温度Tcは、
金属反射層のλdとの関係で選定する必要がある。その
関係は実施例等の検討から、金属反射層のλd(μW/
K)が 2.5≦λd≦20の範囲にあり、光磁気記録層のキ
ュリー温度Tc(℃)がTc≦200 であれば、光磁気ド
ライブ装置に使用されるレーザの記録パワーで充分記録
でき、かつ目的である回転数10の7乗回以上の消去耐久
性が実現できることがわかった。
金属反射層のλdとの関係で選定する必要がある。その
関係は実施例等の検討から、金属反射層のλd(μW/
K)が 2.5≦λd≦20の範囲にあり、光磁気記録層のキ
ュリー温度Tc(℃)がTc≦200 であれば、光磁気ド
ライブ装置に使用されるレーザの記録パワーで充分記録
でき、かつ目的である回転数10の7乗回以上の消去耐久
性が実現できることがわかった。
【0017】膜厚、媒体構成が同じ場合には、光磁気記
録層のTcと金属反射層のλdとの組み合わせで記録感
度が概ね決定される。より小さいTcとより小さいλd
との組み合わせで高感度媒体が得られ、高速回転ドライ
ブに対応できる。また、誘電体層や記録層の膜厚によっ
ても、記録感度を調整できる。媒体反射率やC/N値な
どのドライブ側よりの要求より判断して、Tcとλdが
前記の範囲であれば、現状と将来の光磁気ドライブに適
合させた記録感度と消去耐久性を持つ媒体を得ることが
できる。
録層のTcと金属反射層のλdとの組み合わせで記録感
度が概ね決定される。より小さいTcとより小さいλd
との組み合わせで高感度媒体が得られ、高速回転ドライ
ブに対応できる。また、誘電体層や記録層の膜厚によっ
ても、記録感度を調整できる。媒体反射率やC/N値な
どのドライブ側よりの要求より判断して、Tcとλdが
前記の範囲であれば、現状と将来の光磁気ドライブに適
合させた記録感度と消去耐久性を持つ媒体を得ることが
できる。
【0018】ところで、光磁気記録媒体は80℃、85%RH
の高温高湿中での耐久性試験が行われるところから、実
用上そのキュリー温度Tc(℃)はTc≧100 とする必
要がある。一方前述したところよりTc≦200 、さらに
本発明の効果を顕著に発現させるためには、10の7乗回
の連続消去試験後のC/N値が45dB以上であるのみでな
く初期値よりの低下幅が小さいことにより、Tc≦180
とすることが好ましい。さらには 110≦Tc≦160 の範
囲で選択することが特に好ましい。
の高温高湿中での耐久性試験が行われるところから、実
用上そのキュリー温度Tc(℃)はTc≧100 とする必
要がある。一方前述したところよりTc≦200 、さらに
本発明の効果を顕著に発現させるためには、10の7乗回
の連続消去試験後のC/N値が45dB以上であるのみでな
く初期値よりの低下幅が小さいことにより、Tc≦180
とすることが好ましい。さらには 110≦Tc≦160 の範
囲で選択することが特に好ましい。
【0019】ここで光磁気記録層の膜厚は、その背後の
金属反射層の効果、および前面の透明誘電体層による光
干渉効果を最大限に引き出すためには、前述の15〜60n
mの範囲内におさめることが必要である。なお、合計膜
厚を60nm以上と厚くすると、金層反射層の効果は低減
し、C/Nは低下してしまう。
金属反射層の効果、および前面の透明誘電体層による光
干渉効果を最大限に引き出すためには、前述の15〜60n
mの範囲内におさめることが必要である。なお、合計膜
厚を60nm以上と厚くすると、金層反射層の効果は低減
し、C/Nは低下してしまう。
【0020】一方、本発明のごとく記録層のキュリー温
度Tcを下げると、それに伴いC/Nに直接関わるKerr
回転角θk が低下し、C/Nも低下してしまうという欠
点がある。この問題を解決するには、記録層に基板側よ
り第1磁性層と第2磁性層という2つの層を設ける。そ
の際第1磁性層としては第2磁性層に比べ、キュリー温
度が高く、Kerr回転角が大きく、保磁力Hcの小さい材
料を用いる。そして第2磁性層としては、本発明の効果
をより発現させるために、そのキュリー温度Tc2
(℃)が 100≦Tc2≦180 の材料を用いる。これによ
り再生の際には、レーザ光はキュリー温度の高い、すな
わちKerr回転角の大きい第1磁性層に入射するため、高
いC/Nが得られるようになる。記録の際には、まず、
キュリー温度の低い第2磁性層にビットが記録され、続
いて交換結合により第1磁性層にビットが転写されると
いう過程をとるため、記録感度は第2磁性層のキュリー
温度により決定される。
度Tcを下げると、それに伴いC/Nに直接関わるKerr
回転角θk が低下し、C/Nも低下してしまうという欠
点がある。この問題を解決するには、記録層に基板側よ
り第1磁性層と第2磁性層という2つの層を設ける。そ
の際第1磁性層としては第2磁性層に比べ、キュリー温
度が高く、Kerr回転角が大きく、保磁力Hcの小さい材
料を用いる。そして第2磁性層としては、本発明の効果
をより発現させるために、そのキュリー温度Tc2
(℃)が 100≦Tc2≦180 の材料を用いる。これによ
り再生の際には、レーザ光はキュリー温度の高い、すな
わちKerr回転角の大きい第1磁性層に入射するため、高
いC/Nが得られるようになる。記録の際には、まず、
キュリー温度の低い第2磁性層にビットが記録され、続
いて交換結合により第1磁性層にビットが転写されると
いう過程をとるため、記録感度は第2磁性層のキュリー
温度により決定される。
【0021】第1磁性層と第2磁性層の合計膜厚は、前
述と同じ理由で、15〜60nmの範囲内におさめることが
必要である。合計膜厚15〜60nmのうち、第1磁性層と
第2磁性層の膜厚をt1 (nm)、t2 (nm)とした
時その配分は、少なくともt1 <t2 であることが好ま
しい。t1 ≧t2 では、第2磁性層に保磁力の高い材料
を用い、交換結合によって第1磁性層の磁化を保持して
いるものの、第2磁性層が薄くなると第1磁性層の磁化
を保持しきれなくなってしまい、逆に単一の磁性層を記
録層として用いた媒体よりもC/Nが低下してしまうと
いう場合が生ずる恐れがある。但し、第1磁性層を薄く
しすぎると、製膜上磁気特性を良好に発現させることが
難しく、また耐久性の面で安定性に欠けるため第1磁性
層の膜厚は10nm以上が好ましく、よって、第1磁性層
の膜厚の範囲としては、10≦t1<(t1 +t2 )/2
であることが好ましい。
述と同じ理由で、15〜60nmの範囲内におさめることが
必要である。合計膜厚15〜60nmのうち、第1磁性層と
第2磁性層の膜厚をt1 (nm)、t2 (nm)とした
時その配分は、少なくともt1 <t2 であることが好ま
しい。t1 ≧t2 では、第2磁性層に保磁力の高い材料
を用い、交換結合によって第1磁性層の磁化を保持して
いるものの、第2磁性層が薄くなると第1磁性層の磁化
を保持しきれなくなってしまい、逆に単一の磁性層を記
録層として用いた媒体よりもC/Nが低下してしまうと
いう場合が生ずる恐れがある。但し、第1磁性層を薄く
しすぎると、製膜上磁気特性を良好に発現させることが
難しく、また耐久性の面で安定性に欠けるため第1磁性
層の膜厚は10nm以上が好ましく、よって、第1磁性層
の膜厚の範囲としては、10≦t1<(t1 +t2 )/2
であることが好ましい。
【0022】さらに前述と同様、膜厚や媒体構成が同じ
場合には、第2磁性層のキュリー温度Tc2 と金属反射
層のλdとの組み合わせで、記録感度が概ね決定され
る。より小さいTc2 とより小さいλdとの組み合わせ
で高感度媒体が得られ、高速回転ドライブに対応でき
る。また、誘電体層や記録層の膜厚によっても、記録感
度を調整できる。媒体反射率やC/N値などのドライブ
側よりの要求より判断して、Tc2 とλdが前記の範囲
であれば、現状と将来の光磁気ドライブに適合させた記
録感度と消去耐久性を持つ媒体を得ることができる。
場合には、第2磁性層のキュリー温度Tc2 と金属反射
層のλdとの組み合わせで、記録感度が概ね決定され
る。より小さいTc2 とより小さいλdとの組み合わせ
で高感度媒体が得られ、高速回転ドライブに対応でき
る。また、誘電体層や記録層の膜厚によっても、記録感
度を調整できる。媒体反射率やC/N値などのドライブ
側よりの要求より判断して、Tc2 とλdが前記の範囲
であれば、現状と将来の光磁気ドライブに適合させた記
録感度と消去耐久性を持つ媒体を得ることができる。
【0023】また第1の磁性層の室温での保持力Hc1
(Oe)が大き過ぎると、記録時に交換結合によるビット
の転写が行えない。それを防ぐためには、Hc1 ≦2000
であることが好ましい。
(Oe)が大き過ぎると、記録時に交換結合によるビット
の転写が行えない。それを防ぐためには、Hc1 ≦2000
であることが好ましい。
【0024】尚、本発明は、記録層をレーザ光が通過す
る際のファラデー効果をも利用することを特徴とするた
め、交換結合複層膜としては通常前述の通り第2磁性層
を第1磁性層よりも保磁力が大きく、キュリー温度が低
いものとするが、この積層順序を逆にした構成に対して
も適用できる。また第1磁性層と第2磁性層との間に、
交換結合力を調整する層が有っても良い。
る際のファラデー効果をも利用することを特徴とするた
め、交換結合複層膜としては通常前述の通り第2磁性層
を第1磁性層よりも保磁力が大きく、キュリー温度が低
いものとするが、この積層順序を逆にした構成に対して
も適用できる。また第1磁性層と第2磁性層との間に、
交換結合力を調整する層が有っても良い。
【0025】上述の記録層に用いる材料としては、光磁
気効果により記録・再生できるもの、具体的には膜面に
垂直な方向に磁化容易軸を有し、任意の反転磁区を作る
ことにより光磁気効果に基いて情報の記録・再生が可能
な磁性薄膜、例えば希土類・遷移金属合金系のTbFeCo、
TbDyFeCo、GdFeCo、GdTbFe、GdTbFeCo、GdDyFeCo、GdTb
DyFeCo、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の
希土類と遷移金属との非晶質合金膜、あるいはガーネッ
ト膜、CoCr膜、Baフェライト膜、等公知のものが全て適
用できる。
気効果により記録・再生できるもの、具体的には膜面に
垂直な方向に磁化容易軸を有し、任意の反転磁区を作る
ことにより光磁気効果に基いて情報の記録・再生が可能
な磁性薄膜、例えば希土類・遷移金属合金系のTbFeCo、
TbDyFeCo、GdFeCo、GdTbFe、GdTbFeCo、GdDyFeCo、GdTb
DyFeCo、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の
希土類と遷移金属との非晶質合金膜、あるいはガーネッ
ト膜、CoCr膜、Baフェライト膜、等公知のものが全て適
用できる。
【0026】本発明において用いる金属反射膜として
は、前述したところよりその膜厚d(nm)がd≧60
で、熱伝導率λと膜厚dとの積λd(μW/K)が 2.5
≦λd≦20の範囲にあるものであれば、材料等特に制限
はない。なお、具体的な材料の選定としては、上記λd
の範囲で、熱伝導率λ(W/m・K)(ここでm:メー
トル)が 5≦λ≦100 の範囲にある材料を用いる場合に
は、膜厚d(nm)は80≦d≦300 の範囲が、 100≦λ
≦200 の材料の場合には、60≦d≦200 の範囲が実用的
である。
は、前述したところよりその膜厚d(nm)がd≧60
で、熱伝導率λと膜厚dとの積λd(μW/K)が 2.5
≦λd≦20の範囲にあるものであれば、材料等特に制限
はない。なお、具体的な材料の選定としては、上記λd
の範囲で、熱伝導率λ(W/m・K)(ここでm:メー
トル)が 5≦λ≦100 の範囲にある材料を用いる場合に
は、膜厚d(nm)は80≦d≦300 の範囲が、 100≦λ
≦200 の材料の場合には、60≦d≦200 の範囲が実用的
である。
【0027】一方本発明において、キュリー温度Tcを
比較的高い値に設定した場合、前述の試験で用いた媒体
と同等、もしくは高速回転での使用を考慮してより高い
記録感度を実現するためには、高いλd値を持つ金属反
射膜を用いることは不可能である。この点を考慮する
と、Tcおよびλd値はある範囲に設定する必要があ
る。そして鋭意検討した結果、次の範囲に設定すること
が必要であると判明した。すなわち、Tc≦−10×λd
+300 である。この条件は、より高感度の光磁気記録媒
体に関しては、Tc≦−10×λd+240 であることが好
ましい。
比較的高い値に設定した場合、前述の試験で用いた媒体
と同等、もしくは高速回転での使用を考慮してより高い
記録感度を実現するためには、高いλd値を持つ金属反
射膜を用いることは不可能である。この点を考慮する
と、Tcおよびλd値はある範囲に設定する必要があ
る。そして鋭意検討した結果、次の範囲に設定すること
が必要であると判明した。すなわち、Tc≦−10×λd
+300 である。この条件は、より高感度の光磁気記録媒
体に関しては、Tc≦−10×λd+240 であることが好
ましい。
【0028】さらに、媒体のC/N向上をはかるために
は、金属反射層の光学定数である屈折率nと消衰係数k
が、波長 830nmの光に対して、n≦3.5 かつk≧3.5 、
さらに好ましくはn≦2.5 かつ 4.5≦k≦8.5 であるよ
うな材料を選択する必要がある。このような条件を満足
する材料は、安価な材料としてはAl、Agが代表的である
が、この2種の材料は、耐腐食性が低いという欠点があ
る。この欠点を補う材料としては、AlAu、AgAu合金が上
げられる。耐腐食性改善の効果は、Au添加量 0.5atom%
以上であらわれるが、20atom%以上とすると、AlAu、Ag
Au合金膜の反射率の低下が大きく、媒体のC/Nの低下
を招く。従って、Auの含有量は 0.5〜20atom%の範囲に
おさめる必要がある。さらに、反射率の低下をAlもしく
はAg単独膜に比べ 2%以内に抑えるためには、Au含有量
は 0.5〜15atom%、さらには 0.5〜10atom%であること
が好ましい。
は、金属反射層の光学定数である屈折率nと消衰係数k
が、波長 830nmの光に対して、n≦3.5 かつk≧3.5 、
さらに好ましくはn≦2.5 かつ 4.5≦k≦8.5 であるよ
うな材料を選択する必要がある。このような条件を満足
する材料は、安価な材料としてはAl、Agが代表的である
が、この2種の材料は、耐腐食性が低いという欠点があ
る。この欠点を補う材料としては、AlAu、AgAu合金が上
げられる。耐腐食性改善の効果は、Au添加量 0.5atom%
以上であらわれるが、20atom%以上とすると、AlAu、Ag
Au合金膜の反射率の低下が大きく、媒体のC/Nの低下
を招く。従って、Auの含有量は 0.5〜20atom%の範囲に
おさめる必要がある。さらに、反射率の低下をAlもしく
はAg単独膜に比べ 2%以内に抑えるためには、Au含有量
は 0.5〜15atom%、さらには 0.5〜10atom%であること
が好ましい。
【0029】また、ターゲットや媒体のコストを低減す
る意味からAuの含有量は少ないことが好ましい。このよ
うにAuの添加量を低減するという目的からは、Ti、Zr、
Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、
Pt、Pdの群の1 種以上の特定元素を補助的に添加すると
効果がある。特に、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Reが好まし
い。これら特定元素の添加量は5.0 atom%以内にとどめ
るべきであり、これより多いと金属反射膜の反射率が低
下してしまう。 5.0atom%以内では光磁気記録再生装置
で使用される半導体レーザの波長である 830nmでの反
射率の低下は 2%以内の低下幅にとどまる。一方、 0.3
atom%より少ないとAuを節約したことによる耐食性の低
下を補うことができない。したがって、特定元素の添加
量は 0.3〜5.0atom%の範囲に設定する必要がある。こ
の特定元素の添加により、Auの添加量は 0.5〜10atom%
の範囲であれば、反射膜の反射率はAlもしくはAg単独膜
に比べ、 2%以内の低下に抑えることができAuも低減で
きると同時に、前述の熱伝導特性、光学特性および耐食
性も満足することができる。
る意味からAuの含有量は少ないことが好ましい。このよ
うにAuの添加量を低減するという目的からは、Ti、Zr、
Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、
Pt、Pdの群の1 種以上の特定元素を補助的に添加すると
効果がある。特に、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Reが好まし
い。これら特定元素の添加量は5.0 atom%以内にとどめ
るべきであり、これより多いと金属反射膜の反射率が低
下してしまう。 5.0atom%以内では光磁気記録再生装置
で使用される半導体レーザの波長である 830nmでの反
射率の低下は 2%以内の低下幅にとどまる。一方、 0.3
atom%より少ないとAuを節約したことによる耐食性の低
下を補うことができない。したがって、特定元素の添加
量は 0.3〜5.0atom%の範囲に設定する必要がある。こ
の特定元素の添加により、Auの添加量は 0.5〜10atom%
の範囲であれば、反射膜の反射率はAlもしくはAg単独膜
に比べ、 2%以内の低下に抑えることができAuも低減で
きると同時に、前述の熱伝導特性、光学特性および耐食
性も満足することができる。
【0030】ところで金属反射層が光磁気記録層の背
後、具体的には光入射面に対して反対側に形成されたも
のであれば、本発明における光磁気記録媒体の積層構成
を適用できる。すなわち、金属反射層を光磁気記録層上
に直接設けたもの、または透明誘電体層を介して設けた
もの、更には金属反射層上に透明誘電体層等の無機保護
層および/または光硬化性樹脂等の有機保護層を設けた
もの等あらゆる構成に適用できるが、本発明の効果を十
分に発揮させるためには、基本構成として透明基板/第
1の透明誘電体層/光磁気記録層/第2の透明誘電体層
/金属反射層の構成が最も好ましい。
後、具体的には光入射面に対して反対側に形成されたも
のであれば、本発明における光磁気記録媒体の積層構成
を適用できる。すなわち、金属反射層を光磁気記録層上
に直接設けたもの、または透明誘電体層を介して設けた
もの、更には金属反射層上に透明誘電体層等の無機保護
層および/または光硬化性樹脂等の有機保護層を設けた
もの等あらゆる構成に適用できるが、本発明の効果を十
分に発揮させるためには、基本構成として透明基板/第
1の透明誘電体層/光磁気記録層/第2の透明誘電体層
/金属反射層の構成が最も好ましい。
【0031】その際、これら各層が積層される透明基板
の材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、2−メチル−ペンテン樹脂など、ま
たそれらの共重合体等の高分子樹脂、もしくはガラスな
どが適用できる。中でも機械強度、耐候性、耐熱性、透
湿性の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。
の材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、2−メチル−ペンテン樹脂など、ま
たそれらの共重合体等の高分子樹脂、もしくはガラスな
どが適用できる。中でも機械強度、耐候性、耐熱性、透
湿性の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0032】また、前述の有機保護層としては、光硬化
型および/または熱硬化型樹脂、あるいは熱可塑性樹脂
等が適用でき、スピンコーティング法等により形成でき
る。なお、これら保護層は少なくとも記録層の側面まで
被覆するように設けるのが好ましい。
型および/または熱硬化型樹脂、あるいは熱可塑性樹脂
等が適用でき、スピンコーティング法等により形成でき
る。なお、これら保護層は少なくとも記録層の側面まで
被覆するように設けるのが好ましい。
【0033】透明誘電体層としては、Kerr効果エンハン
スメントを高めるという点で屈折率の高い材料、すなわ
ち1.8 以上の屈折率を有する材料、更に好ましくは2.0
以上である材料が望ましい。
スメントを高めるという点で屈折率の高い材料、すなわ
ち1.8 以上の屈折率を有する材料、更に好ましくは2.0
以上である材料が望ましい。
【0034】このような材料としては、AlN、MgF2 、
ZnS、CeF3 、Si3 N4 、AlSiN、SiO、SiO2 、Zr2
O3 、In2 O3 、SnO2 、Ta2 O5 、AlON、SiON、
ZrON、InON、SnON、TaONまたはこれらの混合体
などが適用できる。特に屈折率が2.0 以上という点およ
び透湿性、ガスバリアー性、耐腐食性等の観点より、Al
SiN、ZnS、Zr2 O3 、Ta2 O5 、ZrON、TaONが好
ましい。
ZnS、CeF3 、Si3 N4 、AlSiN、SiO、SiO2 、Zr2
O3 、In2 O3 、SnO2 、Ta2 O5 、AlON、SiON、
ZrON、InON、SnON、TaONまたはこれらの混合体
などが適用できる。特に屈折率が2.0 以上という点およ
び透湿性、ガスバリアー性、耐腐食性等の観点より、Al
SiN、ZnS、Zr2 O3 、Ta2 O5 、ZrON、TaONが好
ましい。
【0035】そして第1の透明誘電体層は、Kerr効果の
エンハンスメントを高めるために、その膜厚が30〜160
nmの範囲であることが好ましい。
エンハンスメントを高めるために、その膜厚が30〜160
nmの範囲であることが好ましい。
【0036】また第2の透明誘電体層は、前述の金属反
射層の熱特性を生かしつつ、光磁気記録媒体の反射率と
C/Nを向上させるという観点から、その膜厚が15〜40
nmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、
膜厚が20〜35nmの範囲であることが好ましい。
射層の熱特性を生かしつつ、光磁気記録媒体の反射率と
C/Nを向上させるという観点から、その膜厚が15〜40
nmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、
膜厚が20〜35nmの範囲であることが好ましい。
【0037】以上で述べた透明誘電体層、記録層、金属
反射層の無機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着
法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法
等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光磁気記
録媒体としては、耐久性試験で生じる剥離を生じさせな
いために、特に高分子基板との密着性が大きい条件で作
製することが好ましい。このためにはスパッタリング法
が好ましい。
反射層の無機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着
法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法
等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光磁気記
録媒体としては、耐久性試験で生じる剥離を生じさせな
いために、特に高分子基板との密着性が大きい条件で作
製することが好ましい。このためにはスパッタリング法
が好ましい。
【0038】また、ディスクの形態として、単板構造、
両面貼合せ構造、片面フラット基板の貼合せ構造等いず
れに対しても適用可能で、ディスクのサイズも2インチ
φ、3.5インチφ、5.25インチφ、 8インチφ、12イン
チφ等、公知の全ての形態について使用可能である。ま
た、サーボ方式についても、連続サーボ、サンプルサー
ボ等に関わりなく、あらゆる方式に適用可能である。
両面貼合せ構造、片面フラット基板の貼合せ構造等いず
れに対しても適用可能で、ディスクのサイズも2インチ
φ、3.5インチφ、5.25インチφ、 8インチφ、12イン
チφ等、公知の全ての形態について使用可能である。ま
た、サーボ方式についても、連続サーボ、サンプルサー
ボ等に関わりなく、あらゆる方式に適用可能である。
【0039】以上の通り、本発明は、特定のヒートシン
ク的特性を有する金属反射膜と、特定のキュリー温度を
有する光磁気記録膜とを組み合わせて、繰り返し記録・
消去耐久性、連続消去耐久性を大幅に改善した光磁気記
録媒体を実現したもので、実用化レベルでの信頼性の高
い光磁気記録媒体が得られるものである。
ク的特性を有する金属反射膜と、特定のキュリー温度を
有する光磁気記録膜とを組み合わせて、繰り返し記録・
消去耐久性、連続消去耐久性を大幅に改善した光磁気記
録媒体を実現したもので、実用化レベルでの信頼性の高
い光磁気記録媒体が得られるものである。
【0040】なお、本発明でいう金属反射膜の熱伝導率
は、以下のようにして基板上に金属反射膜を作製し、そ
の特性を評価することにより求めた。
は、以下のようにして基板上に金属反射膜を作製し、そ
の特性を評価することにより求めた。
【0041】まず基板として、20×20× 1mmのサイズ
の石英基板を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッ
タ装置(アネルバ製SPF-430H型)の真空槽内に固定し、
5.3×10-5Pa( 4×10-7Torr)になるまで排気する。
の石英基板を3ターゲットの高周波マグネトロンスパッ
タ装置(アネルバ製SPF-430H型)の真空槽内に固定し、
5.3×10-5Pa( 4×10-7Torr)になるまで排気する。
【0042】次にArガス(濃度99.999%)を真空槽内に
導入し、圧力0.67Pa( 5mTorr)になるようにArガス流
量を調整した。ターゲットとしては、直径 100mm、厚
さ 5mmのAl、またはAgの円盤上に、必要に応じてAu、
Tiのチップ( 5× 5× 1mm)を適宜適当数配置した。
放電電力 100W、放電周波数 13.56MHzで高周波スパッ
タリングを行い、必要な膜組成をもつ合金膜を 100nm
堆積した。
導入し、圧力0.67Pa( 5mTorr)になるようにArガス流
量を調整した。ターゲットとしては、直径 100mm、厚
さ 5mmのAl、またはAgの円盤上に、必要に応じてAu、
Tiのチップ( 5× 5× 1mm)を適宜適当数配置した。
放電電力 100W、放電周波数 13.56MHzで高周波スパッ
タリングを行い、必要な膜組成をもつ合金膜を 100nm
堆積した。
【0043】このサンプルを用いて、薄膜の熱伝導率λ
(W/m・K)を求めた。熱伝導率λの測定は、4端子
法で電気伝導率を測定し、ヴィーデマン−フランツの法
則により電気伝導率から換算して熱伝導率を求める方法
を用いた。
(W/m・K)を求めた。熱伝導率λの測定は、4端子
法で電気伝導率を測定し、ヴィーデマン−フランツの法
則により電気伝導率から換算して熱伝導率を求める方法
を用いた。
【0044】その結果、純Alはλ= 140W/m・K、Al
Ti(98:2)はλ=80W/m・K、AlAuTi(91:7:2)はλ=20
W/m・K、AgTi(98:2)はλ= 150W/m・K、AgAuTi
(93:5:2)はλ=51W/m・Kという値が得られた。なお
組成に付記した括弧内の数字は、その構成元素順に対応
した組成比(atom%)を示す。
Ti(98:2)はλ=80W/m・K、AlAuTi(91:7:2)はλ=20
W/m・K、AgTi(98:2)はλ= 150W/m・K、AgAuTi
(93:5:2)はλ=51W/m・Kという値が得られた。なお
組成に付記した括弧内の数字は、その構成元素順に対応
した組成比(atom%)を示す。
【0045】また記録層のキュリー温度は、以下のよう
にして、ガラス基板上に両側をAlSiN透明誘電体で保護
したNdDyTbFeCo、またはTbFeCo合金膜をそれぞれ作製
し、その特性を評価することにより求めた。
にして、ガラス基板上に両側をAlSiN透明誘電体で保護
したNdDyTbFeCo、またはTbFeCo合金膜をそれぞれ作製
し、その特性を評価することにより求めた。
【0046】基板として、26×76×1 mmのサイズのス
ライドガラスを用い、前述の熱伝導率測定のときと同じ
装置内に固定し、 5.3×10-5Pa( 4×10-7Torr)になる
まで排気する。
ライドガラスを用い、前述の熱伝導率測定のときと同じ
装置内に固定し、 5.3×10-5Pa( 4×10-7Torr)になる
まで排気する。
【0047】まず、ターゲットとしては直径 100mm、
厚さ 5mmの円盤のAlSi(50:50) の焼結体を用い、真空
槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導入し、圧
力0.40Pa( 3mTorr)になるようにガス流量を調整し
た。放電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高周波ス
パッタリングを行い、第1の透明誘電体層としてAlSiN
膜を 110nm堆積した。
厚さ 5mmの円盤のAlSi(50:50) の焼結体を用い、真空
槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導入し、圧
力0.40Pa( 3mTorr)になるようにガス流量を調整し
た。放電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高周波ス
パッタリングを行い、第1の透明誘電体層としてAlSiN
膜を 110nm堆積した。
【0048】次にターゲットをNdDyTbFeCo(6.9:17.4:5.
7:60.0:10.0)合金、TbFeCo(22:68:10)合金、もしくはTb
FeCo(22:71:7) 合金の円盤を適宣用い、スパッタリング
ガスを純Ar(濃度99.999%)とし、圧力0.67Pa( 5mTo
rr)、放電電力 100Wで、上記3種の合金膜をAlSiN膜
上に20nm堆積した。
7:60.0:10.0)合金、TbFeCo(22:68:10)合金、もしくはTb
FeCo(22:71:7) 合金の円盤を適宣用い、スパッタリング
ガスを純Ar(濃度99.999%)とし、圧力0.67Pa( 5mTo
rr)、放電電力 100Wで、上記3種の合金膜をAlSiN膜
上に20nm堆積した。
【0049】続いて、再びターゲットを前述のAlSiの焼
結体ターゲットに戻し、スパッタリングガスをAr/N2
混合ガス(N2 30vol%)に変え、先に設けた第1の透
明誘電体層と同様の放電条件で、第2の透明誘電体層と
してAlSiNを25nm堆積した。
結体ターゲットに戻し、スパッタリングガスをAr/N2
混合ガス(N2 30vol%)に変え、先に設けた第1の透
明誘電体層と同様の放電条件で、第2の透明誘電体層と
してAlSiNを25nm堆積した。
【0050】各合金膜のキュリー温度Tcを振動試料型
磁力計(VSM)により求めたところ、NdDyTbFeCo膜が
150℃、TbFeCo膜がそれぞれ 210℃(ターゲットのCoが
10atom%組成のとき)と 190℃(ターゲットのCoが 7at
om%組成のとき)であった。
磁力計(VSM)により求めたところ、NdDyTbFeCo膜が
150℃、TbFeCo膜がそれぞれ 210℃(ターゲットのCoが
10atom%組成のとき)と 190℃(ターゲットのCoが 7at
om%組成のとき)であった。
【0051】
【実施例1、2】以下のようにして基板上に図1に示す
構成の光磁気記録媒体を作製した。図において1は基
板、2は第1の透明誘電体層、3は光磁気記録層、4は
第2の透明誘電体層、5は金属反射層、6は有機保護層
である。
構成の光磁気記録媒体を作製した。図において1は基
板、2は第1の透明誘電体層、3は光磁気記録層、4は
第2の透明誘電体層、5は金属反射層、6は有機保護層
である。
【0052】直径 130mm、厚さ 1.2mmの円盤で、
1.6μmピッチのグルーブを有するポリカーボネート樹
脂(PC)のディスク基板1を3ターゲットの高周波マ
グネトロンスパッタ装置(アネルバ製SPF-430H型)の真
空槽内に固定し、 5.3×10-5Pa( 4×10-7Torr)になる
まで排気する。なお、膜形成において基板1は15rpm で
回転させた。
1.6μmピッチのグルーブを有するポリカーボネート樹
脂(PC)のディスク基板1を3ターゲットの高周波マ
グネトロンスパッタ装置(アネルバ製SPF-430H型)の真
空槽内に固定し、 5.3×10-5Pa( 4×10-7Torr)になる
まで排気する。なお、膜形成において基板1は15rpm で
回転させた。
【0053】まず第1の透明誘電体層2としてAlSiN膜
を形成した。すなわち、ターゲットとしては直径 100m
m、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50) の焼結体を用
い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導
入し、圧力 0.4Pa( 3mTorr)になるようにガス流量を
調整した。放電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高
周波スパッタリングを行い、誘電体層2としてAlSiN膜
を 110nm堆積した。
を形成した。すなわち、ターゲットとしては直径 100m
m、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50) の焼結体を用
い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導
入し、圧力 0.4Pa( 3mTorr)になるようにガス流量を
調整した。放電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高
周波スパッタリングを行い、誘電体層2としてAlSiN膜
を 110nm堆積した。
【0054】次に光磁気記録層3として、ターゲットを
TbFeCo(22:71:7) 合金の円盤に変え、スパッタリングガ
スを純Ar(濃度99.999%)とし、圧力0.67Pa( 5mTor
r)、放電電力 100WでTbFeCo合金膜(Tc=190 ℃)
を20nm堆積した。
TbFeCo(22:71:7) 合金の円盤に変え、スパッタリングガ
スを純Ar(濃度99.999%)とし、圧力0.67Pa( 5mTor
r)、放電電力 100WでTbFeCo合金膜(Tc=190 ℃)
を20nm堆積した。
【0055】続いて、第2の透明誘電体層4としてター
ゲットを前記のAlSiの焼結体ターゲットに戻し、スパッ
タリングガスもAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)に戻
し、第1の透明誘電体層2と同様の放電条件で、AlSiN
膜を25nm堆積した。
ゲットを前記のAlSiの焼結体ターゲットに戻し、スパッ
タリングガスもAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)に戻
し、第1の透明誘電体層2と同様の放電条件で、AlSiN
膜を25nm堆積した。
【0056】最後に、金属反射膜5を形成した。ターゲ
ットとしては、直径 100mm、厚さ5mmのAl、もしく
はAgの円盤上にTiのチップ(5 ×5 ×1 mm)を適当数
配置したものを用い、スパッタリングガスを純Ar(濃度
99.999%)に変え、記録層3と同様の放電条件で金属反
射層5としてAlTi(98:2)を80nm堆積したλd= 6.4μ
W/Kのサンプル(実施例1)、もしくはAgTi(98:2)を
60nm堆積したλd=9.0μW/Kのサンプル(実施例
2)を得た。
ットとしては、直径 100mm、厚さ5mmのAl、もしく
はAgの円盤上にTiのチップ(5 ×5 ×1 mm)を適当数
配置したものを用い、スパッタリングガスを純Ar(濃度
99.999%)に変え、記録層3と同様の放電条件で金属反
射層5としてAlTi(98:2)を80nm堆積したλd= 6.4μ
W/Kのサンプル(実施例1)、もしくはAgTi(98:2)を
60nm堆積したλd=9.0μW/Kのサンプル(実施例
2)を得た。
【0057】このサンプルをスパッタンリング装置から
取り出し、スピンコーターに取り付けた。ディスクを回
転させながら紫外線硬化性のフェノールノボラックエポ
キシアクリレート樹脂を塗布した後、紫外線照射装置を
通過させて樹脂を硬化させ、約20μmの有機保護層6を
設けた。
取り出し、スピンコーターに取り付けた。ディスクを回
転させながら紫外線硬化性のフェノールノボラックエポ
キシアクリレート樹脂を塗布した後、紫外線照射装置を
通過させて樹脂を硬化させ、約20μmの有機保護層6を
設けた。
【0058】
【実施例3、4】金属反射層5として、ターゲットには
直径 100mm、厚さ 5mmのAlもしくはAgの円盤上に、
Au、Tiのチップ(5 ×5 ×1 mm)を適当数配置したも
のを用い、純Arガス(濃度99.999%)で圧力0.67Pa( 5
mTorr)、放電電力 100W、放電周波数13.56 MHzで高
周波スパッタリングを行い、AlAuTi(91:7:2)を150nm
(実施例3)、AgAuTi(93:5:2)を 100nm(実施例4)
設ける以外は、実施例1、2と同じ条件で製膜を行っ
た。そしてλd=3.0 μW/K(実施例3)、λd=5.
1 μW/K(実施例4)の各サンプルを得た。
直径 100mm、厚さ 5mmのAlもしくはAgの円盤上に、
Au、Tiのチップ(5 ×5 ×1 mm)を適当数配置したも
のを用い、純Arガス(濃度99.999%)で圧力0.67Pa( 5
mTorr)、放電電力 100W、放電周波数13.56 MHzで高
周波スパッタリングを行い、AlAuTi(91:7:2)を150nm
(実施例3)、AgAuTi(93:5:2)を 100nm(実施例4)
設ける以外は、実施例1、2と同じ条件で製膜を行っ
た。そしてλd=3.0 μW/K(実施例3)、λd=5.
1 μW/K(実施例4)の各サンプルを得た。
【0059】
【実施例5、6】実施例1、2と同様の操作で、ただし
記録層3をTc= 150℃の前述のNdDyTbFeCo膜とし、Al
Ti合金(実施例5)とAgTi合金(実施例6)の金属反射
膜の膜厚をそれぞれ100 nm、80nmとしたサンプルを
作製した。記録層3と金属反射層5の製膜条件を以下に
示す。
記録層3をTc= 150℃の前述のNdDyTbFeCo膜とし、Al
Ti合金(実施例5)とAgTi合金(実施例6)の金属反射
膜の膜厚をそれぞれ100 nm、80nmとしたサンプルを
作製した。記録層3と金属反射層5の製膜条件を以下に
示す。
【0060】光磁気記録層3としてはターゲットをNdDy
TbFeCo(6.9:17.4:5.7:60.0:10.0)合金の円盤とし、スパ
ッタリングガスを純Ar(濃度99.999%)とし、圧力0.67
Pa(5mTorr)、放電電力 100WでNdDyTbFeCo合金膜
(Tc=150 ℃)を20nm堆積した。
TbFeCo(6.9:17.4:5.7:60.0:10.0)合金の円盤とし、スパ
ッタリングガスを純Ar(濃度99.999%)とし、圧力0.67
Pa(5mTorr)、放電電力 100WでNdDyTbFeCo合金膜
(Tc=150 ℃)を20nm堆積した。
【0061】金属反射膜5としては、ターゲットを直径
100mm、厚さ 5mmのAl、もしくはAgの円盤上にTiの
チップ(5×5 ×1 mm)を適当数配置したものとし、
スパッタリングガスを純Ar(濃度99.999%)に変え、記
録層3と同様の放電条件で金属反射層5としてAlTi(98:
2)を 100nm堆積したλd= 8.0μW/Kのサンプル
(実施例5)、もしくはAgTi(98:2)を80nm堆積したλ
d=12.0μW/Kのサンプル(実施例6)を得た。
100mm、厚さ 5mmのAl、もしくはAgの円盤上にTiの
チップ(5×5 ×1 mm)を適当数配置したものとし、
スパッタリングガスを純Ar(濃度99.999%)に変え、記
録層3と同様の放電条件で金属反射層5としてAlTi(98:
2)を 100nm堆積したλd= 8.0μW/Kのサンプル
(実施例5)、もしくはAgTi(98:2)を80nm堆積したλ
d=12.0μW/Kのサンプル(実施例6)を得た。
【0062】
【実施例7、8】金属反射層5としてターゲットを、直
径 100mm、厚さ 5mmのAlもしくはAgの円盤上に、A
u、Tiのチップ(5 ×5 ×1 mm)を適当数配置したも
のを用い、純Arガス(濃度99.999%)で圧力0.67Pa( 5
mTorr)、放電電力 100W、放電周波数 13.56MHzで高
周波スパッタリングを用い、金属反射層5として、AlAu
Ti(91:7:2)を 200nm(実施例7)、AgAuTi(93:5:2)を
120nm(実施例8)設ける以外は、実施例5、6と全
く同じ材料、製膜条件、膜厚で、図1に示すところの光
磁気ディスクのλd=4.0μW/K(実施例7)、λd
= 6.1μW/K(実施例8)の各サンプルを得た。
径 100mm、厚さ 5mmのAlもしくはAgの円盤上に、A
u、Tiのチップ(5 ×5 ×1 mm)を適当数配置したも
のを用い、純Arガス(濃度99.999%)で圧力0.67Pa( 5
mTorr)、放電電力 100W、放電周波数 13.56MHzで高
周波スパッタリングを用い、金属反射層5として、AlAu
Ti(91:7:2)を 200nm(実施例7)、AgAuTi(93:5:2)を
120nm(実施例8)設ける以外は、実施例5、6と全
く同じ材料、製膜条件、膜厚で、図1に示すところの光
磁気ディスクのλd=4.0μW/K(実施例7)、λd
= 6.1μW/K(実施例8)の各サンプルを得た。
【0063】
【実施例9、10】実施例7、8の記録層を、GdFeCoと
NdDyTbFeCoからなる交換結合した2層の記録層3a、3
bとする以外は、実施例7、8と材料、製膜条件、膜厚
は全く同じに設定した。第2図に示すところの光磁気デ
ィスクを作製した。記録層3aと3bの製膜条件を以下
に示す。
NdDyTbFeCoからなる交換結合した2層の記録層3a、3
bとする以外は、実施例7、8と材料、製膜条件、膜厚
は全く同じに設定した。第2図に示すところの光磁気デ
ィスクを作製した。記録層3aと3bの製膜条件を以下
に示す。
【0064】まず、PC基板側に近い第1の記録層3a
として、ターゲットはGdFeCo(21:55:24)の合金の円盤を
用い、純Ar(濃度99.999%)をスパッタリングガスとし
て、圧力0.67Pa( 5mTorr)、放電電力100 W、放電周
波数13.56 MHz で高周波スパッタリングを行い、記録
層3aとして、GdFeCo合金膜を12.5nm堆積する。
として、ターゲットはGdFeCo(21:55:24)の合金の円盤を
用い、純Ar(濃度99.999%)をスパッタリングガスとし
て、圧力0.67Pa( 5mTorr)、放電電力100 W、放電周
波数13.56 MHz で高周波スパッタリングを行い、記録
層3aとして、GdFeCo合金膜を12.5nm堆積する。
【0065】次に、第1の記録層3aと交換結合した第
2の記録層3bとして、ターゲットをNdDyTbFeCo(6.9:1
7.4:5.7:60.0:10.0)合金の円盤に変え、上述と同様の放
電条件でNdDyTbFeCo合金膜(Tc=150 ℃)を17.5nm
堆積する。
2の記録層3bとして、ターゲットをNdDyTbFeCo(6.9:1
7.4:5.7:60.0:10.0)合金の円盤に変え、上述と同様の放
電条件でNdDyTbFeCo合金膜(Tc=150 ℃)を17.5nm
堆積する。
【0066】記録層3a、3bは上述のように製膜し、
図2に示すところの光磁気ディスクのサンプルを得た。
すなわち、金属反射層がAlAuTiでλd=4.0 μW/Kの
サンプルが実施例9、AgAuTiでλd=6.1 μW/Kのサ
ンプルが実施例10である。
図2に示すところの光磁気ディスクのサンプルを得た。
すなわち、金属反射層がAlAuTiでλd=4.0 μW/Kの
サンプルが実施例9、AgAuTiでλd=6.1 μW/Kのサ
ンプルが実施例10である。
【0067】
【比較例1、2】実施例1、2の記録層3を、Tc=21
0 ℃のTbFeCo(22:68:10)合金膜とし、金属反射膜の膜厚
をAlTi(98:2)は40nm(比較例1)、AgTi(98:2)は30n
m(比較例2)とする以外は、実施例1、2と材料、製
膜条件、膜厚は全く同じに設定した、図1に示すところ
の光磁気ディスクを作製した。記録層3の製膜条件を以
下に示す。
0 ℃のTbFeCo(22:68:10)合金膜とし、金属反射膜の膜厚
をAlTi(98:2)は40nm(比較例1)、AgTi(98:2)は30n
m(比較例2)とする以外は、実施例1、2と材料、製
膜条件、膜厚は全く同じに設定した、図1に示すところ
の光磁気ディスクを作製した。記録層3の製膜条件を以
下に示す。
【0068】ターゲットはTbFeCo(22:68:10)の合金の円
盤を用い、純Ar(濃度99.999%)をスパッタリングガス
として、圧力0.67Pa( 5mTorr)、放電電力100 W、放
電周波数13.56 MHz で高周波スパッタリングを行い、
記録層3としてTbFeCo合金膜(Tc=210 ℃)を20nm
堆積し、図1に示すところの光磁気ディスクのサンプル
を得た。
盤を用い、純Ar(濃度99.999%)をスパッタリングガス
として、圧力0.67Pa( 5mTorr)、放電電力100 W、放
電周波数13.56 MHz で高周波スパッタリングを行い、
記録層3としてTbFeCo合金膜(Tc=210 ℃)を20nm
堆積し、図1に示すところの光磁気ディスクのサンプル
を得た。
【0069】
【比較例3】比較例1、2の金属反射膜をAgAuTi(93:5:
2)の合金膜60nmとする点以外は、比較例1、2と材
料、製膜条件、膜厚は全く同じとした図1に示す構成の
光磁気ディスクのサンプルを作製した。
2)の合金膜60nmとする点以外は、比較例1、2と材
料、製膜条件、膜厚は全く同じとした図1に示す構成の
光磁気ディスクのサンプルを作製した。
【0070】
【比較例4】光磁気記録層3として、ターゲットをTbFe
Co(22:71:7) の合金の円盤を用い、純Ar(濃度99.999
%)をスパッタリングガスとして、圧力0.67Pa( 5mTo
rr)、放電電力100 W、放電周波数13.56 MHzで高周波
スパッタリングを行い、記録層3としてTbFeCo合金膜
(Tc=190 ℃)を20nm堆積する点、金属反射層5を
AlAuTi(91:7:2)の合金膜60nmとする点以外は、比較例
3と材料、製膜条件、膜厚は全く同じとした図1に示す
ところの光磁気ディスク(λd=1.2 μW/K)のサン
プルを作製した。
Co(22:71:7) の合金の円盤を用い、純Ar(濃度99.999
%)をスパッタリングガスとして、圧力0.67Pa( 5mTo
rr)、放電電力100 W、放電周波数13.56 MHzで高周波
スパッタリングを行い、記録層3としてTbFeCo合金膜
(Tc=190 ℃)を20nm堆積する点、金属反射層5を
AlAuTi(91:7:2)の合金膜60nmとする点以外は、比較例
3と材料、製膜条件、膜厚は全く同じとした図1に示す
ところの光磁気ディスク(λd=1.2 μW/K)のサン
プルを作製した。
【0071】
【比較例5、6】金属反射層5として、ターゲットを直
径100 mm、厚さ5 mmのAlの円盤を用い、純Arガス
(純度99.999%)で圧力0.67Pa( 5mTorr)、放電電力
100W、放電周波数13.56 MHzで高周波スパッタリング
を行い、金属反射層としてAl膜を120 nm設ける以外
は、実施例2、6と材料、製膜条件、膜厚等は
径100 mm、厚さ5 mmのAlの円盤を用い、純Arガス
(純度99.999%)で圧力0.67Pa( 5mTorr)、放電電力
100W、放電周波数13.56 MHzで高周波スパッタリング
を行い、金属反射層としてAl膜を120 nm設ける以外
は、実施例2、6と材料、製膜条件、膜厚等は
【0072】
【評価試験】以上のようにして得られた各サンプルに対
して、次のようにして評価試験を行った。
して、次のようにして評価試験を行った。
【0073】まずは、これら各サンプルのC/Nの記録
パワー依存性を測定した。測定には、光磁気記録再生装
置(パルステック工業製DDU-1000型)を用い、半径30m
m位置のトラックにおいて、ディスク回転速度1800rpm
、信号周波数 3.7MHz(pulse duty33%)、外部磁場
300Oe、再生パワー 1.5mWとし、記録パワーを変化さ
せてC/Nを測定した。そしてC/Nが最大となる記録
パワーPwと、その時のC/N値を求めた。
パワー依存性を測定した。測定には、光磁気記録再生装
置(パルステック工業製DDU-1000型)を用い、半径30m
m位置のトラックにおいて、ディスク回転速度1800rpm
、信号周波数 3.7MHz(pulse duty33%)、外部磁場
300Oe、再生パワー 1.5mWとし、記録パワーを変化さ
せてC/Nを測定した。そしてC/Nが最大となる記録
パワーPwと、その時のC/N値を求めた。
【0074】続いて、この初期のC/N測定を行った同
じトラックで、連続消去耐久性試験を行った。すなわち
ディスク回転速度1800rpm 、前述の記録感度に応じた
8.0〜9.0mWの消去パワーで、同一トラック上の消去動
作を所定回数繰り返した。その後、初期のC/N測定を
行ったときと同様の条件で、ただし初期にC/Nの最大
値が得られた記録パワーを用いて記録し、C/Nを測定
した。
じトラックで、連続消去耐久性試験を行った。すなわち
ディスク回転速度1800rpm 、前述の記録感度に応じた
8.0〜9.0mWの消去パワーで、同一トラック上の消去動
作を所定回数繰り返した。その後、初期のC/N測定を
行ったときと同様の条件で、ただし初期にC/Nの最大
値が得られた記録パワーを用いて記録し、C/Nを測定
した。
【0075】さらに、各サンプルの膜面を観察してピン
ホール等の欠陥がないことを確認した後、80℃、85%RH
の高温高湿雰囲気中で2000時間保存する環境試験を行
い、膜面における腐食によるピンホール発生数を目視で
観察した。
ホール等の欠陥がないことを確認した後、80℃、85%RH
の高温高湿雰囲気中で2000時間保存する環境試験を行
い、膜面における腐食によるピンホール発生数を目視で
観察した。
【0076】その結果実施例1では、初期のC/Nが最
大となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC
/Nが48.5dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回
消去後のC/Nは45.5dBであった。また環境試験の結果
は、膜面に約10個のピンホールが発生していた。
大となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC
/Nが48.5dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回
消去後のC/Nは45.5dBであった。また環境試験の結果
は、膜面に約10個のピンホールが発生していた。
【0077】そして実施例2では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが49.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消
去後のC/Nは46.0dBであった。また環境試験の結果
は、膜面に約20個のピンホールが発生していた。
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが49.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消
去後のC/Nは46.0dBであった。また環境試験の結果
は、膜面に約20個のピンホールが発生していた。
【0078】そして実施例3では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが49.5dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の7乗回消
去後のC/Nは46.5dBであった。また環境試験の結果
は、膜面にピンホールは発生していなかった。
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが49.5dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の7乗回消
去後のC/Nは46.5dBであった。また環境試験の結果
は、膜面にピンホールは発生していなかった。
【0079】そして実施例4では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが50.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消
去後のC/Nは47.0dBであった。また環境試験の結果
は、膜面にピンホールは発生していなかった。
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが50.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消
去後のC/Nは47.0dBであった。また環境試験の結果
は、膜面にピンホールは発生していなかった。
【0080】そして実施例5では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが47.0dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは46.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは45.5dBであった。また環境試験の結果は、膜面に約
10個のピンホールが発生していた。
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが47.0dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは46.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは45.5dBであった。また環境試験の結果は、膜面に約
10個のピンホールが発生していた。
【0081】そして実施例6では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の6乗回消
去後のC/Nは47.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは47.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面に約
20個のピンホールが発生していた。
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の6乗回消
去後のC/Nは47.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは47.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面に約
20個のピンホールが発生していた。
【0082】そして実施例7では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは4.5 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 8.0mWで10の6乗回消
去後のC/Nは47.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは46.5dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
となる記録パワーPwは4.5 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 8.0mWで10の6乗回消
去後のC/Nは47.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは46.5dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
【0083】そして実施例8では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが49.0dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは48.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは47.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが49.0dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは48.5dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは47.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
【0084】そして実施例9では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが48.5dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは48.0dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは47.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが48.5dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは48.0dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは47.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
【0085】そして実施例10では、初期のC/Nが最
大となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC
/Nが49.5dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の6乗回
消去後のC/Nは49.0dBであり、10の7乗回消去後のC
/Nは48.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面に
ピンホールは発生していなかった。
大となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC
/Nが49.5dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の6乗回
消去後のC/Nは49.0dBであり、10の7乗回消去後のC
/Nは48.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面に
ピンホールは発生していなかった。
【0086】一方比較例1では、初期のC/Nが最大と
なる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/N
が48.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消去
後のC/Nは40.0dBであった。また環境試験の結果は、
膜面に約10個のピンホールが発生していた。
なる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/N
が48.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消去
後のC/Nは40.0dBであった。また環境試験の結果は、
膜面に約10個のピンホールが発生していた。
【0087】そして比較例2では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが49.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消
去後のC/Nは41.0dBであった。また環境試験の結果
は、膜面に約20個のピンホールが発生していた。
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが49.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の7乗回消
去後のC/Nは41.0dBであった。また環境試験の結果
は、膜面に約20個のピンホールが発生していた。
【0088】そして比較例3では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の6乗回消
去後のC/Nは43.0dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは38.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
となる記録パワーPwは5.5 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 9.0mWで10の6乗回消
去後のC/Nは43.0dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは38.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
【0089】そして比較例4では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは45.0dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは43.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
となる記録パワーPwは5.0 mWであり、その時のC/
Nが48.0dB、さらに消去パワー 8.5mWで10の6乗回消
去後のC/Nは45.0dBであり、10の7乗回消去後のC/
Nは43.0dBであった。また環境試験の結果は、膜面にピ
ンホールは発生していなかった。
【0090】そして比較例5では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは6.0 mWであり、その時のC/
Nが46.5dBであった。この時点で記録感度に関しては本
発明の目的を満足しないため、連続消去試験は実施しな
かった。また環境試験の結果は、膜面に数100 個のピン
ホールが発生していた。
となる記録パワーPwは6.0 mWであり、その時のC/
Nが46.5dBであった。この時点で記録感度に関しては本
発明の目的を満足しないため、連続消去試験は実施しな
かった。また環境試験の結果は、膜面に数100 個のピン
ホールが発生していた。
【0091】そして比較例6では、初期のC/Nが最大
となる記録パワーPwは6.0 mWであり、その時のC/
Nが46.0dBであった。この時点で記録感度に関しては本
発明の目的を満足しないため、連続消去試験は実施しな
かった。また環境試験の結果は、膜面に数100 個のピン
ホールが発生していた。
となる記録パワーPwは6.0 mWであり、その時のC/
Nが46.0dBであった。この時点で記録感度に関しては本
発明の目的を満足しないため、連続消去試験は実施しな
かった。また環境試験の結果は、膜面に数100 個のピン
ホールが発生していた。
【0092】以上の結果を表にまとめたのが、表1であ
る。
る。
【0093】
【表1】
【0094】
【発明の効果】本発明は以上詳述したごとく、記録感度
を劣化させることなく、繰り返しの記録・消去耐久性も
しくは連続消去耐久性が十分な光磁気記録媒体を得るこ
とができる。
を劣化させることなく、繰り返しの記録・消去耐久性も
しくは連続消去耐久性が十分な光磁気記録媒体を得るこ
とができる。
【図1】実施例1〜8、比較例1〜4の積層構成の説明
図
図
【図2】実施例9、10の積層構成の説明図
1 基板 2 第1の透明誘電体層 3 光磁気記録層 4 第2の透明誘電体層 5 金属反射層 6 有機保護層
Claims (8)
- 【請求項1】透明基板上に第1の透明誘電体層、光磁気
記録層、第2の透明誘電体層、金属反射層を少なくとも
備えた光磁気記録媒体において、前記光磁気記録層はキ
ュリー温度Tc(℃)が 100≦Tc≦200 、膜厚t(n
m)が15≦t≦60の光磁気記録層であり、前記金属反射
層は膜厚d(nm)がd≧60、熱伝導率λと膜厚dの積
λd(μW/K)(ここでμ:10-6、W:ワット、K:
絶対温度)が 2.5≦λd≦20の金属反射層であり、かつ
Tc≦−10×λd+300 であることを特徴とする光磁気
記録媒体。 - 【請求項2】キュリー温度Tc(℃)の温度範囲が 100
≦Tc≦180 である請求項1記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】透明基板上に第1の透明誘電体層、光磁気
記録層、第2の透明誘電体層、金属反射層を少なくとも
備えた光磁気記録媒体において、前記光磁気記録層は、
キュリー温度がTc1 (℃)、室温での保磁力がHc1
(Oe)、膜厚がt1 (nm)である第1磁性層と、キュ
リー温度がTc2 (℃)、室温での保磁力がHc2 (O
e)、膜厚がt2 (nm)である第2磁性層の2層を順
次積層した積層体であり、Tc1 >Tc2 、Hc2 >H
c1 、 100≦Tc2 ≦180 、15≦t1 +t2 ≦60、t1
<t2 、かつ前記金属反射層は膜厚d(nm)がd≧6
0、熱伝導率λと膜厚dの積λd(μW/K)(ここで
μ:10-6、W:ワット、K:絶対温度)が 2.5≦λd≦
20の金属反射層であり、さらにTc2 ≦−10×λd+30
0 であることを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項4】第1磁性層の室温での保磁力Hc1 (Oe)
が、Hc1 ≦2000である請求項3記載の光磁気記録媒
体。 - 【請求項5】第2の透明誘電体層の膜厚が、15〜40nm
の範囲にある請求項1、請求項2、請求項3、あるいは
請求項4記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項6】光磁気記録層が希土類元素と遷移金属元素
との非晶質合金薄膜である請求項1、請求項2、請求項
3、請求項4、あるいは請求項5記載の光磁気記録媒
体。 - 【請求項7】金属反射膜が少なくともAlAuもしくはAgAu
を含む合金である請求項1、請求項2、請求項3、請求
項4、請求項5、あるいは請求項6記載の光磁気記録媒
体。 - 【請求項8】金属反射膜が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、Pt、Pdの群から選ば
れた1種以上の特定元素を含有したAlAu合金もしくはAg
Au合金からなる請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4、請求項5、請求項6、あるいは請求項7記載の光磁
気記録媒体。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-287345 | 1990-10-26 | ||
JP28734590 | 1990-10-26 | ||
JP24021891 | 1991-08-28 | ||
JP3-240218 | 1991-08-28 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05114180A true JPH05114180A (ja) | 1993-05-07 |
Family
ID=26534625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30117591A Pending JPH05114180A (ja) | 1990-10-26 | 1991-10-22 | 光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05114180A (ja) |
-
1991
- 1991-10-22 JP JP30117591A patent/JPH05114180A/ja active Pending
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