JPH0721610A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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Publication number
JPH0721610A
JPH0721610A JP16453693A JP16453693A JPH0721610A JP H0721610 A JPH0721610 A JP H0721610A JP 16453693 A JP16453693 A JP 16453693A JP 16453693 A JP16453693 A JP 16453693A JP H0721610 A JPH0721610 A JP H0721610A
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JP
Japan
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film
magneto
optical recording
guide
recording medium
Prior art date
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Application number
JP16453693A
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English (en)
Inventor
Masahiko Sekiya
昌彦 関谷
Toru Horiguchi
透 堀口
Kiyoshi Chiba
潔 千葉
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Priority to KR1019940015780A priority patent/KR950004150A/ko
Priority to US08/269,680 priority patent/US5665468A/en
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】光変調によるダイレクトオーバーライトが可能
な光磁気記録媒体におけるC/Nの向上。 【構成】基板部10/第1誘電体層20/記録層30/第2誘
電体層40/金属反射層50を、この順に備える。基板部10
は、基礎基板11とガイド上誘電体膜12と平坦化膜13をこ
の順に備える。ここで基礎基板11はトラッキングサーボ
ためのガイドを形成した面を有し、かつ基礎基板11の前
記ガイドを形成する部分は有機物樹脂からなる。また平
坦化膜13は、ガイド上誘電体膜12の上から前記ガイドに
よる凹凸を埋めて表面を平坦化させるよう形成する。さ
らにガイド上誘電体膜12の屈折率は、前記ガイドを形成
する部分の基礎基板11の材料と平坦化膜13のいずれより
も高いものを用いて構成する。そしてさらに記録層30
は、光磁気記録膜31と面内磁化膜32を隣接して形成した
2層膜により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ等の光により情
報の記録、再生、消去等を行う光磁気記録媒体および光
磁気記録装置に関する。さらに詳細には、バイアス磁界
の方向および大きさを変えることなく、光パルスのパワ
ーレベルおよび/またはパルス幅の変調のみにより情報
のダイレクトオーバーライトを行う光磁気記録媒体およ
び光磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は、高密度、大容量の情報記
録媒体として種々の研究開発が行われている。特に、情
報の消去可能な光磁気記録媒体は応用分野が広く、種々
の材料、システムが発表されており、すでに実用化が始
まっている。
【0003】ところでフロッピーディスク、ハードディ
スク等と光磁気記録媒体とを特性面で比較したとき、光
磁気記録媒体の大きな欠点は、記録済の古い情報を消去
しつつ新しい情報の書き込み記録を行うダイレクトオー
バーライト(直接重ね書き)が難しいという点である。
【0004】光磁気記録媒体のダイレクトオーバーライ
ト技術としては、これまでにも種々の方式が提案されて
いる。それらの中でも、特開平1-251357号公報、J. App
l. Phys. Vol.63 No.8 (1988) 3844、IEEE TRANS. Mag
n. Vol.23 No.1 (1987) 171、Appl. Phys. Lett. Vol.4
9 No.8 (1986) 473、IEEE TRANS. Magn. Vol.25 No.5(1
989) 3530 、J. Appl. Phys. Vol.69 No.8 (1991) 4967
等に記載のごとく、レーザ光照射により昇温された磁壁
境界領域の一部において、正味残留磁化の方向を自己反
転できる自己反転可能な光磁気記録膜を用い、バイアス
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅を消去レベルと書
き込みレベルとに変調させることにより、ダイレクトオ
ーバーライトを行う方式は、現在市販が開始されている
光磁気記録装置に比べ、光学系、磁石等の構造の大幅な
変更がなく、将来技術として最も注目される方式であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、実際に
前述の従来方式によるダイレクトオーバーライトの確認
試験を行った。その際に用いた媒体は、直径 130mm、
厚さ1.2mmで、1.6μmピッチのスパイラル状のグルー
ブを有するポリカーボネート樹脂(PC)基板上に、前
述の自己反転可能な光磁気記録膜として(Gd25Tb7526
(Fe80Co2074(添数字は原子%による組成を示す)の
希土類遷移金属非晶質合金磁性薄膜(膜厚150nm)
を、透明誘電体であるAlSiN膜(膜厚80nm)で挟んだ
構成のものである。
【0006】つづいて、上述の媒体のダイレクトオーバ
ーライト動作の試験を行った。評価用ドライブに設置し
た媒体の回転速度は、半径30mmの位置にて線速度11.3
m/secとした。記録と消去は、ビットの記録方向に350
Oeの大きさの外部バイアス磁界を印加した状態で、図2
に示す4MHzのパルス信号によって行った。その際、波
長830nmのレーザを用いてのレーザパワーは、記録時
には8.0mW、消去時には5.5mWとした。その後1.0m
WのDC光すなわち連続光を照射して、再生信号の測定
を行った。この時再生信号のC/Nは約37dBであった。
【0007】つづいてこの測定を行った同じトラック上
にて、ビットの記録方向に350Oeの大きさの外部バイア
ス磁界を印加した状態で、図3に示す3MHzのパルス信
号により記録と消去を行った。すなわち、図2による元
の信号を、図3の信号にてダイレクトオーバーライトし
た。その後1.0mWのDC光すなわち連続光を照射し
て、再生信号の測定を行った。すると初めに記録されて
いた4MHzの信号は完全に消去され、3MHzの信号のみが
記録されていた。この時再生信号のC/Nは約37dBであ
った。
【0008】以上のとおり、前述の光変調方式を用いる
ことによる基本的なダイレクトオーバーライト動作の確
認はできた。しかし、再生特性に関しては、C/N=37
dBと低く、実用化レベルに到達させるためには、大幅な
C/Nの改善が課題とされる。
【0009】また、本発明で対象とする光磁気記録媒体
は、基板上に、レーザ光照射により加熱された磁壁境界
領域の一部において、正味残留磁化の方向を自己反転で
きる自己反転可能な光磁気記録膜を形成した光磁気記録
媒体であり、前記光磁気記録媒体を移送しつつ、バイア
ス磁界の方向および大きさを変えることなく、パワーレ
ベルおよび/またはパルス幅が消去レベルと書き込みレ
ベルとの間で変調されたレーザ光の照射のみによりデー
タの直接重ね書きを行うものである。しかし前述のとお
り、従来構成の媒体で直接重ね書きを行ってみると、そ
の再生特性はC/N=37dBと低いことが確認された。
【0010】ところで、現在市販の光磁気記録装置にお
いては、情報の記録、再生、消去等を行う際に光による
トラッキングサーボの制御を精度良く、安定して行う必
要がある。このためのサーボ方式の一つには、トラック
1周内に複数個のサーボ領域を設定し、そこにサーボ用
のサンプルピットを形成したサンプルサーボ方式があ
る。この方式によれば、データ信号とサーボ信号とが空
間的、時間的に分離されるため、両者の信号の干渉を避
けることができる。しかしこの方式では、サンプル点が
小さな欠陥等でつぶれやすく、安定して十分なサーボを
行うことができない。
【0011】そこでトラッキングサーボを安定して十分
行うために、記録膜を形成する基板の表面には、凹凸形
状のガイドをデータ領域に隣接して形成する方法が用い
られる。すなわち、基板表面に渦巻状もしくは同心円状
に配列した溝をデータ領域に隣接して設ける。そしてト
ラッキングサーボの制御は、このガイドからの回折光を
用いて行われる。
【0012】しかし、こうした凹凸形状のガイドがデー
タ領域に隣接して設けられていることにより、データ信
号の品質が低下してしまうということが知られている。
すなわちガイドによる凹凸のために、光磁気記録膜にも
凹凸が形成され、トラッキングサーボ用のガイドに隣接
しているデータ領域においては、それによるビット形状
の崩れ等が生じて信号のC/N低下等が起こるものと考
えられる。
【0013】さらに本発明で用いるところのダイレクト
オーバーライト方式での消去過程は、消去レベルのパワ
ーを有するレーザ光が記録膜に照射された時に生じる温
度プルファイルが、既に記録されている記録ビットに接
近する過程で起こる。詳細には、プロファイルの最高温
度の部分が記録ビット内に進入する前に、磁壁境界領域
の一部が前述の最高温度よりも低い温度に到達した時
に、正味残留磁化が自己反転し、消去が起こるというも
のである。従って、記録層にトラッキングサーボ用ガイ
ドによって凹凸が形成されると、その形状が上述の温度
プロファイル、正味残留磁化の自己反転の動作に影響を
与えると考えられ、消去過程が良好に動作しない可能性
がある。
【0014】本発明者らは、上述の問題点を解決するた
めには、トラッキングサーボが安定して十分に可能で、
かつ記録膜が形成される基板の表面形状が平坦であるよ
うな基板を実現することが必要と考えた。この関連技術
としては特開平3-40248号公報等では、十分な強度のト
ラッキングサーボ信号を安定して得るために、トラッキ
ング用金属反射膜をガラス基板上に形成し、かつ、再生
信号品質を低下させないために、平坦化膜を設け、平坦
面上に形成された記録膜から十分な強度の再生信号を得
るという方式が提案されている。ところがこの方式は、
金属反射ガイドを形成する際に、エッチング等の煩雑な
方法を用いなければならないため、製造時の歩留り、コ
スト等の点で問題があり、大量生産には不向きである。
【0015】本発明はかかるこれらの課題を解決するこ
とにより、バイアス磁界の方向および大きさを変えるこ
となく、光パルスのパワーレベルおよび/またはパルス
幅の変調によりダイレクトオーバーライトが可能な光磁
気記録媒体において、ガイドからトラッキングサーボの
ためのトラッキング信号が十分な強度で安定して得ら
れ、さらに記録膜が平坦面に設けられるために従来より
もC/Nが大幅に改善された高い情報再生信号品質が得
られ、しかも製造時の歩留り、コスト等も、特開平3-40
248号公報記載の方式よりも大幅に改善できる光磁気記
録媒体を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光磁気記
録媒体は、基板部/第1誘電体層/記録層/第2誘電体
層/金属反射層をこの順に備え、光パルスのパワーレベ
ルおよび/またはパルス幅の変調のみによるダイレクト
オーバーライトが可能な光磁気記録媒体において、基板
部は基礎基板とガイド上誘電体膜と平坦化膜を備え、そ
の際に基礎基板は光によるトラッキングサーボための凹
凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して形成した面を
有し、かつ基礎基板の少なくとも前記ガイドを形成する
部分においては有機物樹脂からなるものであり、ガイド
上誘電体膜は基礎基板の少なくとも前記ガイドを形成し
た部分の上に形成したものであり、平坦化膜はガイド上
誘電体膜の上から前記ガイドによる凹凸を埋めて表面を
平坦化させるよう形成したものであり、さらにガイド上
誘電体膜の屈折率は前記ガイドを形成する部分の基礎基
板材料と平坦化膜のいずれよりも高いものを用いて構成
したものであり、さらに記録層は、光磁気記録膜と面内
磁化膜を隣接して形成した2層膜により構成したもので
あることを特徴としている。
【0017】本発明において、トラッキングサーボの制
御には、ガイド部からのトラッキングサーボ用光の回折
光が用いられる。その際には、ガイド部分からの十分な
反射光強度が得られることが、安定なトラッキングサー
ボ性能を得るためには必要である。具体的には、そのガ
イドでのトラッキングサーボ用光の反射率が10%以上で
あることが好ましい。このような条件を満足するために
は少なくともガイド上に、ガイドを形成する部分の基礎
基板材料と前記平坦化膜のいずれよりも屈折率が高く、
かつ透明性の高い誘電体材料からなるガイド上誘電体膜
を設ければよい。そしてこのガイド上誘電体膜は、十分
な反射光強度を得るためには、トラッキングサーボ用の
光の波長において屈折率n≧1.6であることが好まし
い。
【0018】このような材料としては、AlN、ZnS、Si
3 4 、AlSiN、SiO、SiO2 、Zr 2 3 、In2 3
SnO2 、Ta2 5 、AlON、SiON、ZrON、InON、
SnON、TaONまたはこれらの混合体などが適用でき
る。
【0019】より安定したトラッキングサーボ性能を
得、かつ高い再生信号強度を得るためには、トラッキン
グサーボ用の光に対する反射率が15%以上であることが
好ましい。そのためにはトラッキングサーボ用の光の波
長において、屈折率n≧1.8である材料が好ましい。
【0020】この点ではAlSiN、Si3 4 、Zr2 3
Ta2 5 、ZrON、TaON等の無機窒化物および/また
は無機酸化物が好ましく、特に耐候性の点ではAlSiNが
好ましい。
【0021】ガイド上誘電体膜の膜厚d(nm)に関し
ては周期的に高反射率が得られるところがあらわれるた
め、その高反射率が得られるいずれの膜厚を選択しても
問題ないが、生産性を考慮すると薄い方がよい。
【0022】この膜厚d(nm)は、誘電体膜の屈折率
によって異なるが、上述の無機窒化物、酸化物等の場合
には、屈折率nは1.6〜2.3の範囲であるため、20≦d≦
160の範囲にあることが好ましい。
【0023】窒化物および/または酸化物の誘電体にお
いては、窒化度および/または酸化度を低くすると光の
吸収率が高くなり、記録再生特性に悪影響をおよぼす。
しかしこれと同時に屈折率が高くなり、必要な反射光量
を得るための誘電体膜の膜厚を薄くできることから、生
産性を向上させることができる。
【0024】また、誘電体膜としては、前述の各材料の
単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層膜
を設けてもよい。
【0025】こうした誘電体膜の製造方法としては、公
知の真空蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、ある
いはCVD法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しか
し、光ディスクとしては、高温高湿の耐環境試験での剥
離等を生じさせないために、基板との密着性が大きい条
件で作製することが好ましい。このためにはスパッタリ
ング法が好ましい。
【0026】この誘電体膜は、少なくともガイド上に設
けることが必要である。また製造上の有利からは、ガイ
ドを有する基板表面全面に設けることが好ましい。
【0027】ところで、上述のように100nm前後の膜
厚のガイド上誘電体膜を設けた場合、その表面形状は、
ガイド形状をそのまま残したものとなっている。この表
面を平坦化するためには、粘性の低い物質を塗布するな
どしてガイドによる凹凸を埋める必要がある。この平坦
化した面に記録膜を形成すると、情報の記録ビット形状
がガイド形状に影響されず、良好なビット形状が得ら
れ、高い再生信号が得られる。
【0028】この平坦化膜の膜厚t(nm)は、ガイド
上の部分において50≦t≦500の範囲にあることが好ま
しい。すなわち、ガイドの深さは40nm以上であること
が好ましいことから、これを埋めるには平坦化膜の膜厚
は50nm以上であることが好ましい。またトラッキング
サーボ用の光の反射率をかせぎつつ、生産性を考慮する
と、この膜厚は500nm以下であることが好ましい。
【0029】この平坦化膜に用いる材料は、ガイドによ
る凹凸を埋めて平坦面が得られるものであれば特に限定
はない。しかし、製造上の容易さから、樹脂を用いるこ
とが好ましい。
【0030】このような樹脂としては、光ディスクに使
用可能な樹脂であれば特に制約はない。例えば、紫外線
硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、エポキシ樹脂、シリケ
ート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性
樹脂などを使用することができる。
【0031】ただし本発明の目的の被膜を得るために
は、希釈して粘性を低くした上で塗布することが作業性
上好ましいことから、樹脂としては一般的な有機溶剤に
可溶であることが好ましい。
【0032】光記録媒体の製造工程では、生産性が高
い、保護効果が大きい等の理由により紫外線硬化樹脂や
電子線硬化樹脂がしばしば使用される。電子線硬化型樹
脂より設備的に有利な紫外線硬化樹脂が最も良く利用さ
れている。このような紫外線硬化樹脂は通常例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ化合物(オリゴマー)のアク
リレートのように水酸基やエポキシ基等の官能基を持つ
化合物(オリゴマー)をアクリル化またはメタアクリル
化することによって得られる比較的分子量が大きい、オ
リゴマーのアクリレートと称される化合物と単官能
((メタ)アクリロイルオキシ基)または2〜6個の官
能基((メタ)アクリロイルオキシ基)を持つ化合物と
光重合開始剤等の混合された組成物として市販されてお
り容易に手に入れることができる。例えば大日本インキ
化学(株)より“SD―17”、“SD―301”、三
菱レイヨン(株)より“UR―4502”等の名称によ
り市販されている。また電子線硬化型の樹脂としては三
菱レイヨン(株)の“MH―7135”などがある。
【0033】エポキシ樹脂としては、光ディスクに使用
可能なものであれば、特に制約はない。通常のビスフェ
ノールから誘導されたものを使用することができる。た
だし、この用途上透明性が要求されるので、硬化剤の選
択には充分注意する必要がある。効果速度、透明性の点
からペンタエリスリトールから誘導されるジアミンなど
が好ましく使用される。例えば油化シエル(株)のエポ
メート“N―002”などを好ましい硬化剤として挙げ
ることができる。
【0034】シリケート樹脂としては多くのものが市販
されているが前述のエポキシ樹脂と同様に、光ディスク
に使用することができるものであれば使うことができ
る。例えばアルキルシロキサン等の熱硬化タイプとアク
リルシリコーン化合物等の紫外線硬化タイプなどがあ
る。例えば昭和電工(株)のガラスレジン“GR―65
0”や信越化学の“KP―85”、“KNS―530
0”などを使用することができる。
【0035】熱可塑性樹脂としては、記録膜に影響を与
えず、適当な溶剤、特に有機溶剤に可溶であり、均一で
透明な塗布膜を与える有機重合体を使用することができ
る。例えばポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメ
タアクリレートのようなアクリレート樹脂、ポリアクリ
ロニトル、ポリメタアクリロニトルのようなアクリルニ
トリル樹脂、フッ化ビニル・ヘキサフルオロプロピレン
共重合体のようなフッ素樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル
等のビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂等の樹脂およびそれらの混合物、共重合体等が好まし
く用いられる。
【0036】平坦化膜の形成方法としては、スピンコー
ト、スクリーン印刷、ロールコート、スプレーコート、
ディッピング、スパッタコート等が使用可能である。こ
こで樹脂を硬化させたものからなる平坦化膜を形成する
際、作業性からは樹脂もしくはその希釈溶液を塗布して
形成する方法が好ましい。さらに生産性、コスト等をも
考慮した場合には、前述の方法の中でも、スピンコート
法が好ましい。
【0037】ここでスピンコート法による場合、前述の
膜厚で平坦化膜を形成するには、塗布時の樹脂原料を溶
媒で希釈するなどして粘性率を低くする必要がある。そ
の際には温度20℃での硬化前の粘性率が、膜厚200〜500
nmとするためには50cP以下、膜厚50〜200nmとす
るためには30cP以下であることが好ましい。
【0038】希釈用の溶媒としては、有機物樹脂基板を
用いる場合、基板への化学的なダメージを与えないもの
であり、かつ、樹脂硬化時には大部分揮発するような物
質であれば特に限定されないが、毒性等も考慮した取扱
い易さの点から、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、エチルアルコール等が好ましい。
【0039】一方、基礎基板表面に設けられているガイ
ドの深さは、安定したトラッキング性能を得るためには
40nm以上の深さのガイドを設けることが好ましい。さ
らにより安定したトラッキング性能を得るためには、70
nm以上の深さのガイドを設けることが好ましい。この
とき、ガイドの形状は特に限定するものではない。しか
し、ガイドおよびガイド上の誘電体膜からの反射の効果
を有利にするためにはV形状の溝が好ましい。
【0040】基礎基板の材料は、少なくともガイドを形
成する部分においては、有機物樹脂を用いることが生産
性から好ましい。このとき、全体を有機物樹脂で形成し
た基板、あるいは2P法によりガラス基板上にガイドを
形成する部分だけ硬化性樹脂の層を形成した基板にする
こともできる。
【0041】この基礎基板材料に用いる有機物樹脂とし
は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、2―メチルペンテン樹脂、ポリオレフィン樹脂、あ
るいはそれらの共重合体等を用いることができる。中で
も機械強度、耐候性、耐熱性、透湿性、ならびに低価格
である点でポリカーボネート樹脂が好ましい。そしてこ
のポリカーボネード樹脂を用いて基板材料全体を形成す
ることが、生産性からは好ましい。
【0042】また、現行の光ディスクに形成されている
トラッキングサーボのための凹凸形状のガイドは、約1.
6μmピッチの同心円状もしくは渦巻状のものである
が、本発明はこの形状に限定されるものではない。また
このトラックピッチが1.6μmより狭いものに対しても
適用可能であることは言うまでもない。
【0043】本発明で用いる光磁気記録膜としては、レ
ーザ光照射により加熱された磁壁境界領域の少なくとも
一部において、バイアス磁界の方向および大きさを変え
ることなく、正味残留磁化の方向を自己反転することが
できる垂直磁化膜であればよい。例えば、希土類遷移金
属非晶質合金系の、TbFe、GdFe、DyFe、TbFeCo、GdFeC
o、DyFeCo、DyTbFeCo、GdTbFeCo、GdDyFeCo、GdDyTbFeC
o、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の希土
類と遷移金属を主成分とする非晶質合金膜、ならびにガ
ーネット膜、Co/Pt、Co/Pd等の多層膜、CoPt合金膜、Co
Pd合金膜等があげられる。
【0044】なお前述の光磁気記録膜中には、その垂直
磁気異方性が失わない限り、他の元素が最大10原子%ま
で添加されても問題はない。例えばTi、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、Si、Ge、B
i、Pd、Au、Ag、Cu、Pt等の、希土類、Fe、Co、およびN
i以外の元素が1種もしくはそれ以上含まれても良い。
特に記録膜自身の酸化による腐食を防止するためには、
Ti、Zr、Hf、Ta、Cr、Reを添加することが好ましい。
【0045】さらにより高い再生C/Nを得るために
は、光磁気記録膜として、その補償温度Tcompが50〜25
0℃であり、かつキュリー温度Tcが100〜350℃である
ことが好ましい。さらにはTcompが80〜160℃であり、
かつキュリー温度Tcが200〜250℃であることがより好
ましい。
【0046】また光磁気記録膜の膜厚が10nmより薄く
なると、膜の不連続性、不均一性等の膜構造の点で問題
が多い。一方それが200nmよりも厚くなると、熱容量
が大きくなるため、記録・消去の際に高いレーザパワー
が必要となる。従って膜厚としては、10〜200nmの範
囲が好ましい。
【0047】さらに、本発明で用いるところの金属反射
膜構成において、金属反射膜のカー効果エンハンスメン
トを高め、高い再生信号C/Nを得るためには、光磁気
記録膜全体の膜厚を15nm以下、より好ましくは60nm
以下、さらにより好ましくは40nm以下とするのが良
い。
【0048】本発明で用いる面内磁化膜としては、磁化
の向きが膜面に平行なものであればC/Nの向上が得ら
れ特に限定はない。従って、パーマロイ、Fe、FeCo、N
i、CoNi、PtCoや、希土類遷移金属等あらゆる面内磁化
膜材料が使用可能である。
【0049】また光磁気記録膜の表面に、Ar、H2 、N
2 、O2 、CO2 、CO、NOx 、もしくはこれらのう
ち1種以上の混合物等のガスによるプラズマ処理、逆ス
パッタ、イオン注入等を行って面内磁化膜を形成する方
法でも良い。
【0050】ダイレクトオーバーライト時に高いC/N
を得るためには、いずれの材料を用いた場合でも、面内
磁化膜の膜厚h(nm)は、0.1≦h≦10が好ましく、
さらに0.1≦h≦5がより好ましい。
【0051】また、これらの材料の中でも、特に良好な
記録を行い高いダイレクトオーバーライト時のC/Nを
得るためには、光磁気記録膜のキュリー温度TCWに近い
キュリー温度TCIを持つ面内磁化膜材料であることが好
ましい。具体的には、TCI≦TCW±200であることが好
ましく、さらにはTCI≦TCW±100であることがより好
ましい。この点から、光磁気記録膜として、キュリー温
度TC が150〜350℃の希土類遷移金属合金膜を使用する
場合に、合金はPt100-x Cox (添字は原子%による組成
比)の組成xを適当に選べば上記の範囲のキュリー温度
CIを実現でき、また、膜自身の化学的安定性、成膜方
法の容易さ等の点で好ましい材料である。以上のような
観点から、Pt100-x Cox の組成xは10≦x≦60が好まし
く、さらには、15≦x≦40が好ましい。
【0052】また面内磁化膜として、レーザ光の吸収が
起こる金属、合金等の材料を用いる場合には、本発明で
用いる金属反射膜によるカー効果エンハンスメントを高
める意味で、光磁気記録膜と面内磁化膜の合計膜厚を15
nm以上で100nm以下、より好ましくは60nm以下、
さらにより好ましくは40nm以下とするのが良い。
【0053】また面内磁化膜を設ける位置としては、光
磁気記録膜に接していれば制限はないが、より高いC/
Nを得るためには光磁気記録膜の基板側とは反対の側の
面に接して設けることが好ましい。
【0054】本発明の光磁気記録媒体を構成する第1お
よび第2誘電体層としては、カー効果エンハンスメント
を高めるという点で、屈折率nの高い材料、すなわちn
≧1.6である材料、さらに好ましくはn≧1.8である材料
が好ましい。また同じ理由から、第1誘電体層の膜厚
は、50nm以上で150nm以下が好ましく、さらには60
nm以上で120nm以下がより好ましい。また第2誘電
体層の膜厚は、10nm以上で80nm以下が好ましく、さ
らには30nm以上で60nm以下がより好ましい。
【0055】このような透明誘電体材料としては、Al
N、ZnS、Si3 4 、AlSiN、SiO、SiO2 、Zr
2 3 、In2 3 、SnO2 、Ta2 5 、AlON、SiO
N、ZrON、InON、SnON、TaONまたはこれらの混
合体などが適用できる。特に屈折率が1.8以上とうい点
では、Si3 4 、AlSiN、ZnS、Zr2 3 、Ta2 5
ZrON、TaONが好ましい。
【0056】また透明誘電体層としては、前述の各材料
の単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層
膜を設けても良い。
【0057】また本発明で用いる金属反射層としては、
C/Nの評価に用いるドライブヘッドのレーザ光に対
し、記録層よりも反射率の高い材料であることがC/N
向上のために好ましい。具体的には、使用レーザ光波長
における光学定数である屈折率nと消衰係数kが、n≦
3.5かつk≧3.5であるような材料を選択することが好ま
しい。さらに好ましくはn≦2.5かつ4.5≦k≦8.5であ
り、この条件で作成した媒体では、金属反射層の反射率
向上によりカー効果エンハンスメントが向上し、C/N
のより一層の向上が実現できる。
【0058】一方レーザ光による加熱で信号を記録する
際、金属反射層の熱伝導率が高過ぎると、熱の拡散が大
きく、強いレーザパワーを必要とする。このため現在多
用されているパワーが10mW以下の半導体レーザで信号
の記録を可能とするためには、金属反射層に用いる材料
の熱伝導率は100〔W/(m・K)〕以下であることが
好ましく、さらには80〔W/(m・K)〕以下、さらに
は50〔W/(m・K)〕以下であることがより好まし
い。
【0059】このような条件を満足する材料として、Al
もしくはAgにAuを添加した合金、すなわちAlAu合金もし
くはAgAu合金が挙げられる。なお、これら合金において
Auの添加量が0.5原子%より少ないと前述の熱伝導低下
の効果は小さく、逆に20原子%より多いと前述の光反射
率の低下が大きくC/Nの面で不利である。従ってAuの
含有量は0.5〜20原子%の範囲におさめることが好まし
い。
【0060】さらに、反射率の低下をAlもしくはAg単独
膜に比べ2%以内に抑えC/N低下を防ぐためには、Au
含有量は0.5〜15原子%、さらには0.5〜10原子%である
ことが好ましい。
【0061】このようにAu含有量を少なくすることは、
ターゲットや媒体のコストを低減する意味からも重要で
ある。
【0062】さらにAu含有量を最小限にとどめるという
点からは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、
Re、Ru、Os、Ir等の1種以上の特定元素を補助的に添加
することが好ましい。特定元素の添加量は5.0原子%以
内にとどめるべきであり、これより多いと金属反射膜の
反射率が低下し、C/Nも低下してしまう。5.0原子%
以内では、光磁気記録再生装置で使用される半導体レー
ザの波長である830nmでの反射率の低下は、2%以内の
低下幅にとどまる。一方0.3原子%より少ないと、Auを
節約したことによる熱伝導率の上昇分を補うことができ
ない。従って、特定元素の添加量は0.3〜5.0原子%の範
囲に設定する必要がある。この範囲の特定元素の添加に
より、Auの添加量は0.5〜10原子%の範囲であれば、反
射膜の反射率はAlもしくはAg単独膜に比べ、2%以内の
低下に抑えることができ、Auのコストも低減できると同
時に、熱伝導率も20〜100〔W/(m・K)〕の範囲に
設定することができる。
【0063】なお、特に金属反射層自身の耐久性を高め
るという点で、上記特定元素群の中ではTi、Zr、Nb、T
a、Cr、Reが好ましい。これら金属反射層の膜厚範囲は1
0〜500nmであるが、反射率の低下によるC/N低下を
抑え、かつレーザパワーが10mWで記録可能とするため
には、好ましくは30〜200nm、特に好ましくは40〜100
nmである。
【0064】また、Au組成および/または特定元素組成
を上述の組成範囲に設定することにより、前述のとおり
その熱伝導率を100〔W/(m・K)〕以下にすること
ができ、レーザパワーが10mW以下の信号を記録するこ
とも可能となる。
【0065】また金属反射層上に透明誘電体層等の無機
保護層および/または有機保護層を設けたもの等の構成
も使用できる。
【0066】上述の透明誘電体層、記録層、金属反射層
の無機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着法、ス
パッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種
々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体
としては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさ
せないために、特に高分子基板との密着性が大きい条件
で作製することが好ましい。このためにはスパッタリン
グ法が好ましい。
【0067】有機保護層としは、平坦化膜の場合と同様
に、光および/または熱硬化型樹脂、あるいは熱可塑性
樹脂等が適用でき、コーティング法等により形成でき
る。なお、これら記録層の基板と反対側に設ける裏面保
護層は、少なくとも記録層の側面まで被覆するように設
けるのが好ましい。
【0068】また記録層の下地表面、すなわち第1誘電
体層の表面に逆スパッタを行う方法も使用可能である。
【0069】なお本方式において、記録・消去すなわち
重ね書きの際に照射するレーザーパルスの波形は、図2
と図3のような形には限定されない。すなわち前述の特
開平1-251357号公報開示のように、図2と図3における
記録・消去パルスをさらにパルス幅が狭い至近間隔で連
なる至近間隔パルス列を連続的に照射する形てもよい。
さらにはこの至近間隔パルス列からなる光パルスと先に
述べた連続照射パルスとを組み合わせた波形でも良い。
【0070】但し、以上述べたところの光パルスのパワ
ーは、媒体の記録感度、すなわち記録層のキュリー温
度、および膜構成に応じて適宜設定する必要がある。
【0071】
【実施例および比較例】図1は本発明の一実施例を示す
光磁気記録媒体の断面構成図である。図中、10は基礎
基板11とガイド上誘電体膜12と平坦化膜13によっ
て構成された基板部、20は第1透明誘電体層、30は
光磁気記録膜31と面内磁化膜32とで構成された記録
層、40は第2透明誘電体層、50は金属反射層、60
は有機保護層である。そして図1に示す構成を備えた実
施例1〜7の光磁気記録媒体を、以下のようにして製作
した。
【0072】まず、表面にサーボトラック用のガイドを
形成したポリカーボネート樹脂(PC)による基礎基板
11を用意した。この基礎基板11は、外形が直径130
mm、厚さ1.2mmの円盤で、表面にサーボトラック用
ガイドとして1.6μmピッチで深さ70nmの溝が渦巻状
に形成してある。
【0073】そして基礎基板11上へのガイド上誘電体
膜12の形成は、次のようにして行った。まず基礎基板
11を、3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ装
置(アネルバ製SPF―430H型)の真空槽内に固定
し、53μPaになるまで排気する。なお、膜形成において
基礎基板11は15rpmで回転させた。またターゲットと
しては直径100mm、厚さ5mmの円盤状のAlSi(50:5
0)の焼結体を用いた。そして真空槽内にAr/N2 混合
ガス(N2 30vol%)を導入し、圧力0.4Paになるよう
にガス流量を調整した。その上で放電電力400W、放電
周波数13.56MHzによる高周波スパッタリングを行い、
ガイド上誘電体膜12としてのAlSiN膜を80nm堆積し
た上で、スパッタリング装置から取り出した。
【0074】続いて平坦化膜13の形成は、次のように
して行った。まず基礎基板11をスピンコーターに取り
つけた。そしてスピンコーターを3000rpmで回転させな
がら、紫外線硬化性のフェノールノボラックエポキシア
クリレート樹脂を塗布した。このとき、樹脂は塗布前に
ブチルアルコールによって希釈し、温度20℃にて粘性率
がおよそ40cPとなるように調整した。塗布後、スピン
コーターから取りはずし、紫外線照射装置を通過させて
樹脂を硬化させ、ガイド上以外の領域での厚さが約150
nmとなる平坦化膜13を設けた。
【0075】このようにして用意した試料に対して、第
1透明誘電体膜20を次のようにして形成した。まず試
料は、再び3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ
装置(アネルバ製SPF―430H型)の真空槽内に固
定し、53μPaになるまで排気する。なお、膜形成におい
て基板1は15rpmで回転させた。
【0076】そして第1透明誘電体層20として、AlSi
N膜を形成した。すなわち、ターゲットとしては直径10
0mm、厚さ5mmの円盤状のAlSi(50:50)の焼結体を
用い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を
導入し、圧力0.4Paになるようにガス流量を調整した。
放電電力400W、放電周波数13.56MHzで高周波スパッタ
リングを行い、第1透明誘電体層20としてAlSiN膜を
110nm堆積した。
【0077】次に光磁気記録膜31として、ターゲット
をGdTbFeCo合金の円盤に変え、スパッタリングガスを純
Ar(純度99.999%)とし、圧力0.67Pa、放電電力100W
で(Gd25Tb7528(Fe80Co2072合金膜(組成は原子
%)を25nm堆積した。
【0078】続いて面内磁化膜32として、ターゲット
をPtの金属ターゲット上にCoのチップ(10×10×1m
m)を適当数配置したものに変え、圧力0.67Pa、放電電
力100WでPt80Co20合金膜(組成は原子%)を堆積
した。このとき、実施例1〜7に関しては、合金の膜厚
を変化させたサンプルを7種類(表1参照)作成した。
【0079】続いて第2透明誘電体層40として、ター
ゲットを前記のAlSiの焼結体ターゲットに戻し、スパッ
タリングガスもAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)に戻
し、第1透明誘電体層20と同様の放電条件で、AlSiN
膜を45nm堆積した。
【0080】さらに金属反射層50として、ターゲット
をAlAuTiの合金ターゲットに変え、スパッタリングガス
も純Ar(純度99.999%)に戻し、圧力0.67Pa、放電電力
100Wで、Al92Au5 Ti3 合金膜を60nm堆積した。
【0081】こうして得られた試料をスパッタリング装
置から取り出し、スピンコーターに取り付けた。そして
ディスクを3000rpmで回転させながら、紫外線硬化性の
フェノールノボラックエポキシアクリレート樹脂を塗布
した後、紫外線照射装置を通過させて樹脂を硬化させ、
約20μmの有機保護層60を設けた。この際には、約20
μmと厚い膜厚で設定するため、ブチルアルコールで希
釈を行い、粘性率500cP前後の状態で塗布した。
【0082】以上の手順で、図1に示す構成の実施例1
〜7を得た。また比較例1としては、面内磁化膜32を
設けない以外は、実施例1〜7と同じ条件で光磁気記録
媒体を製作した。さらに比較例2としては、面内磁化膜
32とガイド上誘電体膜12を設けない以外は、実施例
1〜7と同じ条件で光磁気記録媒体を製作した。さらに
比較例3としては、面内磁化膜32とガイド上誘電体膜
12と平坦化膜13を設けない以外は、実施例1〜7と
同じ条件で光磁気記録媒体を製作した。
【0083】これら各試料のダイレクトオーバーライト
時のC/Nを測定した。測定には、光磁気記録再生装置
(パルステック工業製DDU―1000型)を用い、半
径30mm位置のトラックにおいて、ディスク回転速度36
00rpm、線速度11.3m/secで、ビットの記録方向にバイ
アス磁界350Oeを印加し、図2と3に示すような変調を
かけた光パルスを順に照射することにより、ダイレクト
オーバーライトを行い、その時のC/Nを求めた。すな
わち、図2に示す信号によって記録した記録ビットを、
図3に示す信号によってダイレクトオーバーライトし
た。
【0084】その結果、実施例1〜7と比較例1と3の
試料では、トラッキングサーボ状態は安定していた。し
かし比較例2の試料は、トラッキングサーボができず、
C/Nの測定も不能であった。そしてC/Nは、表1に
示したとおりであった。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】本発明は以上詳述したごとく、バイアス
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅の変調によりダイ
レクトオーバーライトが可能な光磁気記録媒体におい
て、ガイドからトラッキングサーボのためのトラッキン
グ信号が十分な強度で安定して得られ、さらに記録膜が
平坦面に設けら、かつ光磁気記録膜に接して面内磁化膜
を有し、かつ記録層の裏面に透明誘電体層を介して金属
反射層を設けた金属反射膜構成であるために、従来より
もC/Nが大幅に改善された高い情報再生信号品質が得
られ、しかも製造時の歩留り、コスト等も、特開平3-40
248号公報記載の方式よりも大幅に改善できる光磁気記
録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の媒体の断面構成
【図2】ダイレクトオーバーライト信号
【図3】ダイレクトオーバーライト信号
【符号の説明】
10 基板部 11 基礎基板 12 ガイド上誘電体膜 13 平坦化膜 20 第1透明誘電体層 30 記録層 31 光磁気記録膜 32 面内磁化膜 40 第2透明誘電体層 50 金属反射層 60 有機保護層

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板部/第1誘電体層/記録層/第2誘
    電体層/金属反射層をこの順に備え、光パルスのパワー
    レベルおよび/またはパルス幅の変調のみによるダイレ
    クトオーバーライトが可能な光磁気記録媒体において、
    基板部は基礎基板とガイド上誘電体膜と平坦化膜を備
    え、その際に基礎基板は光によるトラッキングサーボた
    めの凹凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して形成し
    た面を有し、かつ基礎基板の少なくとも前記ガイドを形
    成する部分においては有機物樹脂からなるものであり、
    ガイド上誘電体膜は基礎基板の少なくとも前記ガイドを
    形成した部分の上に形成したものであり、平坦化膜はガ
    イド上誘電体膜の上から前記ガイドによる凹凸を埋めて
    表面を平坦化させるよう形成したものであり、さらにガ
    イド上誘電体膜の屈折率は前記ガイドを形成する部分の
    基礎基板材料と平坦化膜のいずれよりも高いものを用い
    て構成したものであり、さらに記録層は、光磁気記録膜
    と面内磁化膜を隣接して形成した2層膜により構成した
    ものであることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 面内磁化膜が、光磁気記録膜の基板部側
    とは反対の側に形成されたことを特徴とする請求項1記
    載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 ガイド上誘電体膜が、少なくともガイド
    が形成された側の基礎基板面全面に渡って形成された請
    求項1〜2のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 基礎基板材料全体がポリカーボネート樹
    脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の光磁気記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 ガイドの深さが40nm以上である請求項
    1〜4のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 ガイドの深さが70nm以上である請求項
    5記載の光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 ガイド上誘電体膜の屈折率nが、トラッ
    キングサーボのために用いる光の波長において、n≧1.
    6 である請求項1〜6のいずれかに記載の光磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 ガイド上誘電体膜の屈折率nが、トラッ
    キングサーボのために用いる光の波長において、n≧1.
    8 である請求項7記載の光磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 ガイド上誘電体膜が無機窒化物および/
    または無機酸化物からなる請求項7〜8のいずれかに記
    載の光磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 ガイド上誘電体膜がAlSiNからなる請
    求項9記載の光磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 ガイド上誘電体膜の膜厚d(nm)
    が、20≦d≦160 である請求項9〜10のいずれかに記
    載の光磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 平坦化膜が樹脂を硬化させたものから
    なる請求項1〜11のいずれかに記載の光磁気記録媒
    体。
  13. 【請求項13】 平坦化膜の膜厚t(nm)が、ガイド
    上の部分において50≦t≦500 である請求項1〜12の
    いずれかに記載の光磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 光磁気記録膜が希土類遷移金属非晶質
    合金である請求項1〜13のいずれかに記載の光磁気記
    録媒体。
  15. 【請求項15】 面内磁化膜の膜厚h(nm)が、0.1
    ≦h≦10である請求項1〜14のいずれかに記載の光磁
    気記録媒体。
  16. 【請求項16】 面内磁化膜の膜厚h(nm)が、0.1
    ≦h≦5である請求項15に記載の光磁気記録媒体。
  17. 【請求項17】 面内磁化膜がPtCo合金である請求項1
    〜16のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
  18. 【請求項18】 PtCo合金の組成が、Pt100-x Cox 、10
    ≦x≦60(添字は原子%)である請求項17に記載の光
    磁気記録媒体。
  19. 【請求項19】 PtCo合金の組成が、Pt100-x Cox 、15
    ≦x≦40(添字は原子%)である請求項18に記載の光
    磁気記録媒体。
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