JPH0793834A - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
光磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH0793834A JPH0793834A JP23641393A JP23641393A JPH0793834A JP H0793834 A JPH0793834 A JP H0793834A JP 23641393 A JP23641393 A JP 23641393A JP 23641393 A JP23641393 A JP 23641393A JP H0793834 A JPH0793834 A JP H0793834A
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- Japan
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- resin
- guide
- magneto
- optical recording
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Abstract
(57)【要約】
【目的】光変調によるダイレクトオーバーライトが可能
な光磁気記録媒体におけるエラー率の低減。 【構成】記録層を形成するための基板が、光によるトラ
ッキングサーボための凹凸形状のガイドをデータ用領域
に隣接して形成した面を有し、少なくともガイドを形成
する部分の基板材料は有機物樹脂からなり、そしてガイ
ドを形成した基板面上の少なくともガイド上には誘電体
膜を形成し、さらにその上に前記ガイドによる凹凸を埋
めて表面を平坦化させる平坦化層を、樹脂を塗布して硬
化させることにより形成したものであり、かつガイド上
に形成した誘電体膜の屈折率が、ガイドを形成する部分
の基板材料と平坦化層とよりも高い光磁気記録媒体を製
造する方法において、平坦化層を形成するための樹脂を
塗布後、表面が平坦な圧着体を塗布した樹脂の表面に圧
着させ、圧着体の圧着中および/または圧着後に樹脂を
硬化させて平坦化層を形成する。
な光磁気記録媒体におけるエラー率の低減。 【構成】記録層を形成するための基板が、光によるトラ
ッキングサーボための凹凸形状のガイドをデータ用領域
に隣接して形成した面を有し、少なくともガイドを形成
する部分の基板材料は有機物樹脂からなり、そしてガイ
ドを形成した基板面上の少なくともガイド上には誘電体
膜を形成し、さらにその上に前記ガイドによる凹凸を埋
めて表面を平坦化させる平坦化層を、樹脂を塗布して硬
化させることにより形成したものであり、かつガイド上
に形成した誘電体膜の屈折率が、ガイドを形成する部分
の基板材料と平坦化層とよりも高い光磁気記録媒体を製
造する方法において、平坦化層を形成するための樹脂を
塗布後、表面が平坦な圧着体を塗布した樹脂の表面に圧
着させ、圧着体の圧着中および/または圧着後に樹脂を
硬化させて平坦化層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ等の光により情
報の記録、再生、消去等を行う光磁気記録媒体の製造方
法、およびその製造方法によって製造された光磁気記録
媒体に関する。さらに詳細には、バイアス磁界の方向お
よび大きさを変えることなく、光パルスのパワーレベル
および/またはパルス幅の変調のみにより情報のダイレ
クトオーバーライトを行う光磁気記録媒体の製造方法に
関する。
報の記録、再生、消去等を行う光磁気記録媒体の製造方
法、およびその製造方法によって製造された光磁気記録
媒体に関する。さらに詳細には、バイアス磁界の方向お
よび大きさを変えることなく、光パルスのパワーレベル
および/またはパルス幅の変調のみにより情報のダイレ
クトオーバーライトを行う光磁気記録媒体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は、高密度、大容量の情報記
録媒体として種々の研究開発が行われている。特に、情
報の消去可能な光磁気記録媒体は応用分野が広く、種々
の材料、システムが発表されており、すでに実用化が始
まっている。
録媒体として種々の研究開発が行われている。特に、情
報の消去可能な光磁気記録媒体は応用分野が広く、種々
の材料、システムが発表されており、すでに実用化が始
まっている。
【0003】ところでフロッピーディスク、ハードディ
スク等と光磁気記録媒体とを特性面で比較したとき、光
磁気記録媒体の大きな欠点は、記録済の古い情報を消去
しつつ新しい情報の書き込み記録を行うダイレクトオー
バーライト(直接重ね書き)が難しいという点である。
スク等と光磁気記録媒体とを特性面で比較したとき、光
磁気記録媒体の大きな欠点は、記録済の古い情報を消去
しつつ新しい情報の書き込み記録を行うダイレクトオー
バーライト(直接重ね書き)が難しいという点である。
【0004】光磁気記録媒体のダイレクトオーバーライ
ト技術としては、これまでにも種々の方式が提案されて
いる。それらの中でも、特開平1-251357号公報、J. App
l. Phys. Vol.63 No.8 (1988) 3844、IEEE TRANS. Mag
n. Vol.23 No.1 (1987) 171、Appl. Phys. Lett. Vol.4
9 No.8 (1986) 473、IEEE TRANS. Magn. Vol.25 No.5(1
989) 3530 、J. Appl. Phys. Vol.69 No.8 (1991) 4967
等に記載のごとく、レーザ光照射により昇温された磁壁
境界領域の一部において、正味残留磁化の方向を自己反
転できる自己反転可能な光磁気記録層を用い、バイアス
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅を消去レベルと書
き込みレベルとに変調させることにより、ダイレクトオ
ーバーライトを行う方式は、現在市販が開始されている
光磁気記録装置に比べ、光学系、磁石等の構造の大幅な
変更がなく、将来技術として最も注目される方式であ
る。
ト技術としては、これまでにも種々の方式が提案されて
いる。それらの中でも、特開平1-251357号公報、J. App
l. Phys. Vol.63 No.8 (1988) 3844、IEEE TRANS. Mag
n. Vol.23 No.1 (1987) 171、Appl. Phys. Lett. Vol.4
9 No.8 (1986) 473、IEEE TRANS. Magn. Vol.25 No.5(1
989) 3530 、J. Appl. Phys. Vol.69 No.8 (1991) 4967
等に記載のごとく、レーザ光照射により昇温された磁壁
境界領域の一部において、正味残留磁化の方向を自己反
転できる自己反転可能な光磁気記録層を用い、バイアス
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅を消去レベルと書
き込みレベルとに変調させることにより、ダイレクトオ
ーバーライトを行う方式は、現在市販が開始されている
光磁気記録装置に比べ、光学系、磁石等の構造の大幅な
変更がなく、将来技術として最も注目される方式であ
る。
【0005】そして、記録層を形成するための基板が、
光によるトラッキングサーボための凹凸形状のガイドを
データ用領域に隣接して形成した面を有し、基板材料が
少なくとも前記ガイドを形成する部分において有機物樹
脂からなり、前記ガイドを形成した基板面上の少なくと
もガイド上に誘電体膜を形成し、さらにその上に前記ガ
イドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平坦化層
を、樹脂を塗布してさらに硬化させることで形成し、前
記誘電体膜の屈折率が前記ガイドを形成する部分の基板
材料と前記平坦化層とよりも高い光磁気記録媒体の検討
がなされた。
光によるトラッキングサーボための凹凸形状のガイドを
データ用領域に隣接して形成した面を有し、基板材料が
少なくとも前記ガイドを形成する部分において有機物樹
脂からなり、前記ガイドを形成した基板面上の少なくと
もガイド上に誘電体膜を形成し、さらにその上に前記ガ
イドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平坦化層
を、樹脂を塗布してさらに硬化させることで形成し、前
記誘電体膜の屈折率が前記ガイドを形成する部分の基板
材料と前記平坦化層とよりも高い光磁気記録媒体の検討
がなされた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来の方法に
よって平坦化層を形成した光磁気記録媒体においては、
樹脂を塗布硬化させる際に、微少な塵芥や基板の凹凸を
核として、塗筋や突起等の微小欠陥が発生することがあ
る。
よって平坦化層を形成した光磁気記録媒体においては、
樹脂を塗布硬化させる際に、微少な塵芥や基板の凹凸を
核として、塗筋や突起等の微小欠陥が発生することがあ
る。
【0007】ところで本発明にかかるダイレクトオーバ
ーライト方式では、磁壁境界領域の一部正味残留磁化が
自己反転し、消去動作が起こる。このため記録層を形成
する下地表面に微小欠陥による凹凸が有ると、それが原
因となって消去が良好に動作しなくなり、媒体のエラー
率上昇を引き起こしてしまう。そして従来の光磁気記録
媒体の製造方法においては、バイトエラー率が10のマ
イナス5乗代のオーダーになるものが発生していた。
ーライト方式では、磁壁境界領域の一部正味残留磁化が
自己反転し、消去動作が起こる。このため記録層を形成
する下地表面に微小欠陥による凹凸が有ると、それが原
因となって消去が良好に動作しなくなり、媒体のエラー
率上昇を引き起こしてしまう。そして従来の光磁気記録
媒体の製造方法においては、バイトエラー率が10のマ
イナス5乗代のオーダーになるものが発生していた。
【0008】本発明はかかるこれらの課題を解決するこ
とにより、バイアス磁界の方向および大きさを変えるこ
となく、光パルスのパワーレベルおよび/またはパルス
幅の変調によりダイレクトオーバーライトが可能な光磁
気記録媒体において、ガイドからトラッキングサーボの
ためのトラッキング信号が十分な強度で安定して得ら
れ、さらに記録膜が平坦面に設けられるために従来より
もエラー率が大幅に改善されて高い情報再生信号品質が
得られる光磁気記録媒体を得ることを目的とする。
とにより、バイアス磁界の方向および大きさを変えるこ
となく、光パルスのパワーレベルおよび/またはパルス
幅の変調によりダイレクトオーバーライトが可能な光磁
気記録媒体において、ガイドからトラッキングサーボの
ためのトラッキング信号が十分な強度で安定して得ら
れ、さらに記録膜が平坦面に設けられるために従来より
もエラー率が大幅に改善されて高い情報再生信号品質が
得られる光磁気記録媒体を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光磁気記
録媒体の製造方法は、光パルスのパワーレベルおよび/
またはパルス幅の変調のみによるダイレクトオーバーラ
イトが可能な光磁気記録媒体であって、記録層を形成す
るための基板が、光によるトラッキングサーボための凹
凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して形成した面を
有し、少なくともガイドを形成する部分の基板材料は有
機物樹脂からなり、そしてガイドを形成した基板面上の
少なくともガイド上には誘電体膜を形成し、さらにその
上に前記ガイドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる
平坦化層を、樹脂を塗布して硬化させることにより形成
したものであり、かつガイド上に形成した誘電体膜の屈
折率が、ガイドを形成する部分の基板材料と平坦化層と
よりも高い光磁気記録媒体を製造する方法において、平
坦化層を形成するための樹脂を塗布後、表面が平坦な圧
着体を塗布した樹脂の表面に圧着させ、圧着体の圧着中
および/または圧着後に樹脂を硬化させて平坦化層を形
成することを特徴としている。
録媒体の製造方法は、光パルスのパワーレベルおよび/
またはパルス幅の変調のみによるダイレクトオーバーラ
イトが可能な光磁気記録媒体であって、記録層を形成す
るための基板が、光によるトラッキングサーボための凹
凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して形成した面を
有し、少なくともガイドを形成する部分の基板材料は有
機物樹脂からなり、そしてガイドを形成した基板面上の
少なくともガイド上には誘電体膜を形成し、さらにその
上に前記ガイドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる
平坦化層を、樹脂を塗布して硬化させることにより形成
したものであり、かつガイド上に形成した誘電体膜の屈
折率が、ガイドを形成する部分の基板材料と平坦化層と
よりも高い光磁気記録媒体を製造する方法において、平
坦化層を形成するための樹脂を塗布後、表面が平坦な圧
着体を塗布した樹脂の表面に圧着させ、圧着体の圧着中
および/または圧着後に樹脂を硬化させて平坦化層を形
成することを特徴としている。
【0010】そして本発明において基板材料は、少なく
ともガイドを形成する部分においては、有機物樹脂を用
いることが生産性から好ましい。このとき、全体を有機
物樹脂で形成した基板、あるいは2P法によりガラス基
板上にガイドを形成する部分だけ硬化性樹脂の層を形成
した基板にすることもできる。
ともガイドを形成する部分においては、有機物樹脂を用
いることが生産性から好ましい。このとき、全体を有機
物樹脂で形成した基板、あるいは2P法によりガラス基
板上にガイドを形成する部分だけ硬化性樹脂の層を形成
した基板にすることもできる。
【0011】この基板材料に用いる有機物樹脂としは、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
2―メチルペンテン樹脂、ポリオレフィン樹脂、あるい
はそれらの共重合体等を用いることができる。中でも機
械強度、耐候性、耐熱性、透湿性、ならびに低価格であ
る点でポリカーボネート樹脂が好ましい。そしてこのポ
リカーボネード樹脂を用いて基板材料全体を形成するこ
とが、生産性からは好ましい。
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
2―メチルペンテン樹脂、ポリオレフィン樹脂、あるい
はそれらの共重合体等を用いることができる。中でも機
械強度、耐候性、耐熱性、透湿性、ならびに低価格であ
る点でポリカーボネート樹脂が好ましい。そしてこのポ
リカーボネード樹脂を用いて基板材料全体を形成するこ
とが、生産性からは好ましい。
【0012】ここで本発明において、トラッキングサー
ボの制御には、ガイド部からのトラッキングサーボ用光
の回折光が用いられる。その際には、ガイド部分からの
十分な反射光強度が得られることが、安定なトラッキン
グサーボ性能を得るためには必要である。具体的には、
そのガイドでのトラッキングサーボ用光の反射率が10%
以上であることが好ましい。このような条件を満足する
ためには、ガイドを形成する部分の基板材料と前記平坦
化層とよりも屈折率が高く、かつ透明性の高い材料であ
る誘電体膜を少なくともガイド上に設ければよい。そし
てこの誘電体膜は、十分な反射光強度を得るためには、
トラッキングサーボ用の光の波長において屈折率n≧1.
6 であることが好ましい。
ボの制御には、ガイド部からのトラッキングサーボ用光
の回折光が用いられる。その際には、ガイド部分からの
十分な反射光強度が得られることが、安定なトラッキン
グサーボ性能を得るためには必要である。具体的には、
そのガイドでのトラッキングサーボ用光の反射率が10%
以上であることが好ましい。このような条件を満足する
ためには、ガイドを形成する部分の基板材料と前記平坦
化層とよりも屈折率が高く、かつ透明性の高い材料であ
る誘電体膜を少なくともガイド上に設ければよい。そし
てこの誘電体膜は、十分な反射光強度を得るためには、
トラッキングサーボ用の光の波長において屈折率n≧1.
6 であることが好ましい。
【0013】このような材料としては、AlN、ZnS、Si
3 N4 、AlSiN、SiO、Zr2 O3 、In2 O3 、SnO2 、
Ta2 O5 、AlON、SiON、ZrON、InON、SnON、
TaONまたはこれらの混合体などが適用できる。
3 N4 、AlSiN、SiO、Zr2 O3 、In2 O3 、SnO2 、
Ta2 O5 、AlON、SiON、ZrON、InON、SnON、
TaONまたはこれらの混合体などが適用できる。
【0014】より安定したトラッキングサーボ性能を
得、かつ高い再生信号強度を得るためには、トラッキン
グサーボ用の光に対する反射率が15%以上であることが
好ましい。そのためにはトラッキングサーボ用の光の波
長において、屈折率n≧1.8 である材料が好ましい。
得、かつ高い再生信号強度を得るためには、トラッキン
グサーボ用の光に対する反射率が15%以上であることが
好ましい。そのためにはトラッキングサーボ用の光の波
長において、屈折率n≧1.8 である材料が好ましい。
【0015】この点ではAlSiN、Si3 N4 、Zr2 O3 、
Ta2 O5 、ZrON、TaON等の無機窒化物および/また
は無機酸化物が好ましく、特に耐候性の点ではAlSiNが
好ましい。
Ta2 O5 、ZrON、TaON等の無機窒化物および/また
は無機酸化物が好ましく、特に耐候性の点ではAlSiNが
好ましい。
【0016】誘電体膜の膜厚d(nm)に関しては周期
的に高反射率が得られるところがあらわれるため、その
高反射率が得られるいずれの膜厚を選択しても問題ない
が、生産性を考慮すると薄い方がよい。
的に高反射率が得られるところがあらわれるため、その
高反射率が得られるいずれの膜厚を選択しても問題ない
が、生産性を考慮すると薄い方がよい。
【0017】この膜厚d(nm)は、誘電体膜の屈折率
によって異なるが、上述の無機窒化物、酸化物等の場合
には、屈折率nは1.6 〜2.3 の範囲であるため、20≦d
≦160 の範囲にあることが好ましい。
によって異なるが、上述の無機窒化物、酸化物等の場合
には、屈折率nは1.6 〜2.3 の範囲であるため、20≦d
≦160 の範囲にあることが好ましい。
【0018】窒化物および/または酸化物の誘電体にお
いては、窒化度および/または酸化度を低くすると光の
吸収率が高くなり、記録再生特性に悪影響をおよぼす。
しかしこれと同時に屈折率が高くなり、必要な反射光量
を得るための誘電体膜の膜厚を薄くできることから、生
産性を向上させることができる。
いては、窒化度および/または酸化度を低くすると光の
吸収率が高くなり、記録再生特性に悪影響をおよぼす。
しかしこれと同時に屈折率が高くなり、必要な反射光量
を得るための誘電体膜の膜厚を薄くできることから、生
産性を向上させることができる。
【0019】また、誘電体膜としては、前述の各材料の
単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層膜
を設けてもよい。
単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層膜
を設けてもよい。
【0020】誘電体膜の製造方法としては、公知の真空
蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCV
D法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光デ
ィスクとしては、高温高湿の耐環境試験での剥離等を生
じさせないために、基板との密着性が大きい条件で作製
することが好ましい。このためにはスパッタリング法が
好ましい。
蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCV
D法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光デ
ィスクとしては、高温高湿の耐環境試験での剥離等を生
じさせないために、基板との密着性が大きい条件で作製
することが好ましい。このためにはスパッタリング法が
好ましい。
【0021】この誘電体膜は、少なくともガイド上に設
けることが必要である。また製造上の有利からは、ガイ
ドを有する基板表面全面に設けることが好ましい。
けることが必要である。また製造上の有利からは、ガイ
ドを有する基板表面全面に設けることが好ましい。
【0022】ところで、上述のように100 nm前後の膜
厚の誘電体膜を設けた場合、その表面形状は、ガイド形
状をそのまま残したものとなっている。この表面を平坦
化するためには、粘性の低い物質を塗布するなどしてガ
イドによる凹凸を埋める必要がある。この平坦化した面
に記録膜を形成すると、情報の記録ビット形状がガイド
形状に影響されず、良好なビット形状が得られ、高い再
生信号が得られる。
厚の誘電体膜を設けた場合、その表面形状は、ガイド形
状をそのまま残したものとなっている。この表面を平坦
化するためには、粘性の低い物質を塗布するなどしてガ
イドによる凹凸を埋める必要がある。この平坦化した面
に記録膜を形成すると、情報の記録ビット形状がガイド
形状に影響されず、良好なビット形状が得られ、高い再
生信号が得られる。
【0023】この平坦化層の膜厚t(nm)は、ガイド
上の部分において50≦t≦500 の範囲にあることが好ま
しい。すなわち、ガイドの深さは40nm以上であること
が好ましいことから、これを埋めるには平坦化層の膜厚
は50nm以上であることが好ましい。またトラッキング
サーボ用の光の反射率をかせぎつつ、生産性を考慮する
と、この膜厚は500 nm以下であることが好ましい。
上の部分において50≦t≦500 の範囲にあることが好ま
しい。すなわち、ガイドの深さは40nm以上であること
が好ましいことから、これを埋めるには平坦化層の膜厚
は50nm以上であることが好ましい。またトラッキング
サーボ用の光の反射率をかせぎつつ、生産性を考慮する
と、この膜厚は500 nm以下であることが好ましい。
【0024】一方、基板表面に設けられているガイドの
深さは、安定したトラッキング性能を得るためには40n
m以上の深さのガイドを設けることが好ましい。さらに
より安定したトラッキング性能を得るためには、70nm
以上の深さのガイドを設けることが好ましい。このと
き、ガイドの形状は特に限定するものではない。しか
し、ガイドおよびガイド上の誘電体膜からの反射の効果
を有利にするためにはV形状の溝が好ましい。
深さは、安定したトラッキング性能を得るためには40n
m以上の深さのガイドを設けることが好ましい。さらに
より安定したトラッキング性能を得るためには、70nm
以上の深さのガイドを設けることが好ましい。このと
き、ガイドの形状は特に限定するものではない。しか
し、ガイドおよびガイド上の誘電体膜からの反射の効果
を有利にするためにはV形状の溝が好ましい。
【0025】ここで現行の光ディスクに形成されている
トラッキングサーボのための凹凸形状のガイドは、約1.
6 μmピッチの同心円状もしくは渦巻状のものである
が、本発明はこの形状に限定されるものではない。また
このトラックピッチが1.6 μmより狭いものに対しても
適用可能であることは言うまでもない。
トラッキングサーボのための凹凸形状のガイドは、約1.
6 μmピッチの同心円状もしくは渦巻状のものである
が、本発明はこの形状に限定されるものではない。また
このトラックピッチが1.6 μmより狭いものに対しても
適用可能であることは言うまでもない。
【0026】そしてこうした平坦化層は次のようにして
形成される。まず平坦化層に用いる材料は、ガイドによ
る凹凸を埋めて平坦面が得られ、かつ製造上の容易さか
ら、樹脂が用いられる。このような樹脂としては、光デ
ィスクに使用可能な樹脂であれば特に制約はない。例え
ば、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、エポキシ樹
脂、シリケート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、熱可塑性樹脂などを使用することができる。ただ
し、希釈して粘性を低くした上で塗布することが作業性
上好ましいことから、樹脂としては一般的な有機溶剤に
可溶であることが好ましい。
形成される。まず平坦化層に用いる材料は、ガイドによ
る凹凸を埋めて平坦面が得られ、かつ製造上の容易さか
ら、樹脂が用いられる。このような樹脂としては、光デ
ィスクに使用可能な樹脂であれば特に制約はない。例え
ば、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、エポキシ樹
脂、シリケート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、熱可塑性樹脂などを使用することができる。ただ
し、希釈して粘性を低くした上で塗布することが作業性
上好ましいことから、樹脂としては一般的な有機溶剤に
可溶であることが好ましい。
【0027】そして光記録媒体の製造工程では、生産性
が高い、保護効果が大きい等の理由により紫外線硬化樹
脂や電子線硬化樹脂がしばしば使用される。電子線硬化
型樹脂より設備的に有利な紫外線硬化樹脂が最も良く利
用されている。このような紫外線硬化樹脂は通常例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ化合物(オリゴマー)
のアクリレートのように水酸基やエポキシ基等の官能基
を持つ化合物(オリゴマー)をアクリル化またはメタア
クリル化することによって得られる比較的分子量が大き
い、オリゴマーのアクリレートと称される化合物と単官
能((メタ)アクリロイルオキシ基)または2〜6個の
官能基((メタ)アクリロイルオキシ基)を持つ化合物
と光重合開始剤等の混合された組成物として市販されて
おり容易に手に入れることができる。
が高い、保護効果が大きい等の理由により紫外線硬化樹
脂や電子線硬化樹脂がしばしば使用される。電子線硬化
型樹脂より設備的に有利な紫外線硬化樹脂が最も良く利
用されている。このような紫外線硬化樹脂は通常例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ化合物(オリゴマー)
のアクリレートのように水酸基やエポキシ基等の官能基
を持つ化合物(オリゴマー)をアクリル化またはメタア
クリル化することによって得られる比較的分子量が大き
い、オリゴマーのアクリレートと称される化合物と単官
能((メタ)アクリロイルオキシ基)または2〜6個の
官能基((メタ)アクリロイルオキシ基)を持つ化合物
と光重合開始剤等の混合された組成物として市販されて
おり容易に手に入れることができる。
【0028】エポキシ樹脂としては、光ディスクに使用
可能なものであれば、特に制約はない。通常のビスフェ
ノールから誘導されたものを使用することができる。た
だし、この用途上透明性が要求されるので、硬化剤の選
択には充分注意する必要がある。効果速度、透明性の点
からペンタエリスリトールから誘導されるジアミンなど
が好ましく使用される。
可能なものであれば、特に制約はない。通常のビスフェ
ノールから誘導されたものを使用することができる。た
だし、この用途上透明性が要求されるので、硬化剤の選
択には充分注意する必要がある。効果速度、透明性の点
からペンタエリスリトールから誘導されるジアミンなど
が好ましく使用される。
【0029】シリケート樹脂としては多くのものが市販
されているが前述のエポキシ樹脂と同様に、光ディスク
に使用することができるものであれば使うことができ
る。例えばアルキルシロキサン等の熱硬化タイプとアク
リルシリコーン化合物等の紫外線硬化タイプなどがあ
る。
されているが前述のエポキシ樹脂と同様に、光ディスク
に使用することができるものであれば使うことができ
る。例えばアルキルシロキサン等の熱硬化タイプとアク
リルシリコーン化合物等の紫外線硬化タイプなどがあ
る。
【0030】熱可塑性樹脂としては、記録膜に影響を与
えず、適当な溶剤、特に有機溶剤に可溶であり、均一で
透明な塗布膜を与える有機重合体を使用することができ
る。例えばポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメ
タアクリレートのようなアクリレート樹脂、ポリアクリ
ロニトル、ポリメタアクリロニトルのようなアクリルニ
トリル樹脂、フッ化ビニル・ヘキサフルオロプロピレン
共重合体のようなフッ素樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル
等のビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂等の樹脂およびそれらの混合物、共重合体等が好まし
く用いられる。
えず、適当な溶剤、特に有機溶剤に可溶であり、均一で
透明な塗布膜を与える有機重合体を使用することができ
る。例えばポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメ
タアクリレートのようなアクリレート樹脂、ポリアクリ
ロニトル、ポリメタアクリロニトルのようなアクリルニ
トリル樹脂、フッ化ビニル・ヘキサフルオロプロピレン
共重合体のようなフッ素樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル
等のビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂等の樹脂およびそれらの混合物、共重合体等が好まし
く用いられる。
【0031】そしてこうした樹脂による平坦化層を形成
するために、まずはスピンコート、スクリーン印刷、ロ
ールコート、スプレーコート、ディッピング、スパッタ
コート等によって樹脂の層を形成する。ここで作業性か
らは、樹脂もしくはその希釈溶液を塗布して形成する方
法が好ましい。さらに生産性、コスト等をも考慮した場
合には、前述の方法の中でも、スピンコート法が好まし
い。
するために、まずはスピンコート、スクリーン印刷、ロ
ールコート、スプレーコート、ディッピング、スパッタ
コート等によって樹脂の層を形成する。ここで作業性か
らは、樹脂もしくはその希釈溶液を塗布して形成する方
法が好ましい。さらに生産性、コスト等をも考慮した場
合には、前述の方法の中でも、スピンコート法が好まし
い。
【0032】ここでスピンコート法による場合、必要な
膜厚で平坦化層を形成するには、塗布時の樹脂原料を溶
媒で希釈するなどして粘性率を低くする必要がある。そ
の際には温度20℃での硬化前の粘性率が、膜厚200 〜50
0 nmとするためには50cP以下、膜厚50〜200 nmと
するためには30cP以下であることが好ましい。
膜厚で平坦化層を形成するには、塗布時の樹脂原料を溶
媒で希釈するなどして粘性率を低くする必要がある。そ
の際には温度20℃での硬化前の粘性率が、膜厚200 〜50
0 nmとするためには50cP以下、膜厚50〜200 nmと
するためには30cP以下であることが好ましい。
【0033】またそうした際に希釈用の溶媒としては、
有機物樹脂基板を用いる場合、基板への化学的なダメー
ジを与えないものであり、かつ、樹脂硬化時には大部分
揮発するような物質であれば特に限定されないが、毒性
等も考慮した取扱い易さの点から、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、エチルアルコール等が好まし
い。
有機物樹脂基板を用いる場合、基板への化学的なダメー
ジを与えないものであり、かつ、樹脂硬化時には大部分
揮発するような物質であれば特に限定されないが、毒性
等も考慮した取扱い易さの点から、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、エチルアルコール等が好まし
い。
【0034】そして本発明においては、平坦化層表面の
微小欠陥を除去するために、樹脂もしくはその希釈溶液
を塗布した後に、スタンパーのような表面が平坦な圧着
体を、塗布した樹脂の表面に圧着させ、圧着体の圧着中
および/または圧着後に樹脂を硬化させて平坦化層を形
成する。これによって平坦化層表面の微小欠陥は解消さ
れ、理想的な平坦面が形成されて、消去動作が良好でエ
ラーレートも極めて低い媒体が得られる。
微小欠陥を除去するために、樹脂もしくはその希釈溶液
を塗布した後に、スタンパーのような表面が平坦な圧着
体を、塗布した樹脂の表面に圧着させ、圧着体の圧着中
および/または圧着後に樹脂を硬化させて平坦化層を形
成する。これによって平坦化層表面の微小欠陥は解消さ
れ、理想的な平坦面が形成されて、消去動作が良好でエ
ラーレートも極めて低い媒体が得られる。
【0035】その際により良好な消去動作と低エラー率
を実現するためには、平坦化層表面の中心線平均粗さが
10nm以下であることが好ましく、さらには2 nm以下
であることがより好ましく、そしてさらには0.5 nm以
下であることがより好ましい。そしてそのような表面粗
さを実現するためには、圧着体の表面粗さ、圧着体の圧
着時の圧力、圧着中および/または圧着後の樹脂の硬化
条件等を適宜選択する必要がある。
を実現するためには、平坦化層表面の中心線平均粗さが
10nm以下であることが好ましく、さらには2 nm以下
であることがより好ましく、そしてさらには0.5 nm以
下であることがより好ましい。そしてそのような表面粗
さを実現するためには、圧着体の表面粗さ、圧着体の圧
着時の圧力、圧着中および/または圧着後の樹脂の硬化
条件等を適宜選択する必要がある。
【0036】また樹脂の硬化は、圧着体の圧着中および
/または圧着後に実施すれば良い。圧着中に硬化させる
場合、紫外線硬化性の樹脂を用いるときには、圧着装置
の一部に紫外線を透過するような透明部分を設けておく
ことが好ましい。また熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂を
用いるときには、基板が接する部分を加熱できるような
機能を備えおく必要がある。製造コストの点からは、紫
外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。ところで最初
に塗布する樹脂液の量は、圧着硬化後に目的の平坦化層
の膜厚が得られるように選択しておくことが必要であ
る。
/または圧着後に実施すれば良い。圧着中に硬化させる
場合、紫外線硬化性の樹脂を用いるときには、圧着装置
の一部に紫外線を透過するような透明部分を設けておく
ことが好ましい。また熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂を
用いるときには、基板が接する部分を加熱できるような
機能を備えおく必要がある。製造コストの点からは、紫
外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。ところで最初
に塗布する樹脂液の量は、圧着硬化後に目的の平坦化層
の膜厚が得られるように選択しておくことが必要であ
る。
【0037】さらに本発明で用いる記録層としては、レ
ーザ光照射により加熱された磁壁境界領域の少なくとも
一部において、バイアス磁界の方向および大きさを変え
ることなく、正味残留磁化の方向を自己反転することが
できる垂直磁化膜であればよい。例えば、希土類遷移金
属非晶質合金系の、TbFe、GdFe、DyFe、TbFeCo、GdFeC
o、DyFeCo、DyTbFeCo、GdTbFeCo、GdDyFeCo、GdDyTbFeC
o、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の希土
類と遷移金属を主成分とする非晶質合金膜、ならびにガ
ーネット膜、Co/Pt 、Co/Pd 等の多層膜、CoPt合金膜、
CoPd合金膜等があげられる。
ーザ光照射により加熱された磁壁境界領域の少なくとも
一部において、バイアス磁界の方向および大きさを変え
ることなく、正味残留磁化の方向を自己反転することが
できる垂直磁化膜であればよい。例えば、希土類遷移金
属非晶質合金系の、TbFe、GdFe、DyFe、TbFeCo、GdFeC
o、DyFeCo、DyTbFeCo、GdTbFeCo、GdDyFeCo、GdDyTbFeC
o、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の希土
類と遷移金属を主成分とする非晶質合金膜、ならびにガ
ーネット膜、Co/Pt 、Co/Pd 等の多層膜、CoPt合金膜、
CoPd合金膜等があげられる。
【0038】なお前述の記録膜中には、その垂直磁気異
方性が失わない限り、他の元素が最大10atom%まで添加
されても問題はない。例えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、Si、Ge、Bi、Pd、A
u、Ag、Cu、Pt等の、希土類、Fe、Co、およびNi以外の
元素が1種もしくはそれ以上含まれても良い。特に記録
膜自身の酸化による腐食を防止するためには、Ti、Zr、
Hf、Ta、Cr、Reを添加することが好ましい。
方性が失わない限り、他の元素が最大10atom%まで添加
されても問題はない。例えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、Si、Ge、Bi、Pd、A
u、Ag、Cu、Pt等の、希土類、Fe、Co、およびNi以外の
元素が1種もしくはそれ以上含まれても良い。特に記録
膜自身の酸化による腐食を防止するためには、Ti、Zr、
Hf、Ta、Cr、Reを添加することが好ましい。
【0039】さらにより高い再生C/Nを得るために
は、記録層として、その補償温度Tcompが50〜250 ℃で
あり、かつキュリー温度Tcが100 〜350 ℃であること
が好ましい。さらにはTcompが80〜160 ℃であり、かつ
キュリー温度Tcが200 〜250℃であることがより好ま
しい。
は、記録層として、その補償温度Tcompが50〜250 ℃で
あり、かつキュリー温度Tcが100 〜350 ℃であること
が好ましい。さらにはTcompが80〜160 ℃であり、かつ
キュリー温度Tcが200 〜250℃であることがより好ま
しい。
【0040】また記録層の膜厚が10nmより薄くなる
と、膜の不連続性、不均一性等の膜構造の点で問題が多
い。一方それが200 nmよりも厚くなると、熱容量が大
きくなるため、記録・消去の際に高いレーザパワーが必
要となる。従って膜厚としては、10〜200 nmの範囲が
好ましい。
と、膜の不連続性、不均一性等の膜構造の点で問題が多
い。一方それが200 nmよりも厚くなると、熱容量が大
きくなるため、記録・消去の際に高いレーザパワーが必
要となる。従って膜厚としては、10〜200 nmの範囲が
好ましい。
【0041】本発明による基板と記録層との間に透明誘
電体層を設ける場合には、カー効果エンハンスメントを
高めるという点で、屈折率nの高い材料、すなわちn≧
1.6である材料、さらに好ましくはn≧1.8 である材料
が好ましい。
電体層を設ける場合には、カー効果エンハンスメントを
高めるという点で、屈折率nの高い材料、すなわちn≧
1.6である材料、さらに好ましくはn≧1.8 である材料
が好ましい。
【0042】このような透明誘電体材料としては、Al
N、ZnS、Si3 N4 、AlSiN、SiO、Zr2 O3 、In2 O
3 、SnO2 、Ta2 O5 、AlON、SiON、ZrON、InO
N、SnON、TaONまたはこれらの混合体などが適用で
きる。特に屈折率が1.8 以上とうい点では、Si3 N4 、
AlSiN、ZnS、Zr2 O3 、Ta2 O5 、ZrON、TaONが
好ましい。
N、ZnS、Si3 N4 、AlSiN、SiO、Zr2 O3 、In2 O
3 、SnO2 、Ta2 O5 、AlON、SiON、ZrON、InO
N、SnON、TaONまたはこれらの混合体などが適用で
きる。特に屈折率が1.8 以上とうい点では、Si3 N4 、
AlSiN、ZnS、Zr2 O3 、Ta2 O5 、ZrON、TaONが
好ましい。
【0043】また透明誘電体層としては、前述の各材料
の単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層
膜を設けても良い。
の単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層
膜を設けても良い。
【0044】さらに再生信号C/Nを高めるためには、
記録層全体の膜厚を15nm以上で100 nm以下、より好
ましくは60nm以下、さらにより好ましくは40nm以下
とし、記録層の基板と反対側に金属反射層を設ける構成
が有効である。
記録層全体の膜厚を15nm以上で100 nm以下、より好
ましくは60nm以下、さらにより好ましくは40nm以下
とし、記録層の基板と反対側に金属反射層を設ける構成
が有効である。
【0045】ここで用いる金属反射層としては、C/N
の評価に用いるドライブヘッドのレーザ光に対し、記録
層よりも反射率の高い材料であることがC/N向上のた
めに好ましい。具体的には、使用レーザ光波長における
光学定数である屈折率nと消衰係数kが、n≦3.5 かつ
k≧3.5 であるような材料を選択することが好ましい。
さらに好ましくはn≦2.5 かつ4.5 ≦k≦8.5 であり、
この条件で作成した媒体では、金属反射層の反射率向上
によりカー効果エンハンスメントが向上し、C/Nのよ
り一層の向上が実現できる。
の評価に用いるドライブヘッドのレーザ光に対し、記録
層よりも反射率の高い材料であることがC/N向上のた
めに好ましい。具体的には、使用レーザ光波長における
光学定数である屈折率nと消衰係数kが、n≦3.5 かつ
k≧3.5 であるような材料を選択することが好ましい。
さらに好ましくはn≦2.5 かつ4.5 ≦k≦8.5 であり、
この条件で作成した媒体では、金属反射層の反射率向上
によりカー効果エンハンスメントが向上し、C/Nのよ
り一層の向上が実現できる。
【0046】一方レーザ光による加熱で信号を記録する
際、金属反射層の熱伝導率が高過ぎると、熱の拡散が大
きく、強いレーザパワーを必要とする。このため現在多
用されているパワーが10mW以下の半導体レーザで信号
の記録を可能とするためには、金属反射層に用いる材料
の熱伝導率は100 W/(m・K)以下であることが好ま
しく、さらには80W/(m・K)以下、さらには50W/
(m・K)以下であることがより好ましい。
際、金属反射層の熱伝導率が高過ぎると、熱の拡散が大
きく、強いレーザパワーを必要とする。このため現在多
用されているパワーが10mW以下の半導体レーザで信号
の記録を可能とするためには、金属反射層に用いる材料
の熱伝導率は100 W/(m・K)以下であることが好ま
しく、さらには80W/(m・K)以下、さらには50W/
(m・K)以下であることがより好ましい。
【0047】このような条件を満足する材料として、Al
もしくはAgにAuを添加した合金、すなわちAlAu合金もし
くはAgAu合金が挙げられる。なお、これら合金において
Auの添加量が0.5atom %より少ないと前述の熱伝導低下
の効果は小さく、逆に20atom%より多いと前述の光反射
率の低下が大きくC/Nの面で不利である。従ってAuの
含有量は0.5 〜20atom%の範囲におさめることが好まし
い。
もしくはAgにAuを添加した合金、すなわちAlAu合金もし
くはAgAu合金が挙げられる。なお、これら合金において
Auの添加量が0.5atom %より少ないと前述の熱伝導低下
の効果は小さく、逆に20atom%より多いと前述の光反射
率の低下が大きくC/Nの面で不利である。従ってAuの
含有量は0.5 〜20atom%の範囲におさめることが好まし
い。
【0048】さらに、反射率の低下をAlもしくはAg単独
膜に比べ2 %以内に抑えC/N低下を防ぐためには、Au
含有量は0.5 〜15atom%、さらには0.5 〜10atom%であ
ることが好ましい。
膜に比べ2 %以内に抑えC/N低下を防ぐためには、Au
含有量は0.5 〜15atom%、さらには0.5 〜10atom%であ
ることが好ましい。
【0049】このようにAu含有量を少なくすることは、
ターゲットや媒体のコストを低減する意味からも重要で
ある。
ターゲットや媒体のコストを低減する意味からも重要で
ある。
【0050】さらにAu含有量を最小限にとどめるという
点からは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、
Re、Ru、Os、Ir等の1種以上の特定元素を補助的に添加
することが好ましい。特定元素の添加量は5.0atom %以
内にとどめるべきであり、これより多いと金属反射膜の
反射率が低下し、C/Nも低下してしまう。5.0atom%
以内では、光磁気記録再生装置で使用される半導体レー
ザの波長である830 nmでの反射率の低下は、2 %以内
の低下幅にとどまる。一方0.3atom %より少ないと、Au
を節約したことによる熱伝導率の上昇分を補うことがで
きない。従って、特定元素の添加量は0.3 〜5.0atom %
の範囲に設定する必要がある。この範囲の特定元素の添
加により、Auの添加量は0.5 〜10atom%の範囲であれ
ば、反射膜の反射率はAlもしくはAg単独膜に比べ、2 %
以内の低下に抑えることができ、Auのコストも低減でき
ると同時に、熱伝導率も20〜100 W/(m・K)の範囲
に設定することができる。
点からは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、
Re、Ru、Os、Ir等の1種以上の特定元素を補助的に添加
することが好ましい。特定元素の添加量は5.0atom %以
内にとどめるべきであり、これより多いと金属反射膜の
反射率が低下し、C/Nも低下してしまう。5.0atom%
以内では、光磁気記録再生装置で使用される半導体レー
ザの波長である830 nmでの反射率の低下は、2 %以内
の低下幅にとどまる。一方0.3atom %より少ないと、Au
を節約したことによる熱伝導率の上昇分を補うことがで
きない。従って、特定元素の添加量は0.3 〜5.0atom %
の範囲に設定する必要がある。この範囲の特定元素の添
加により、Auの添加量は0.5 〜10atom%の範囲であれ
ば、反射膜の反射率はAlもしくはAg単独膜に比べ、2 %
以内の低下に抑えることができ、Auのコストも低減でき
ると同時に、熱伝導率も20〜100 W/(m・K)の範囲
に設定することができる。
【0051】なお、特に金属反射層自身の耐久性を高め
るという点で、上記特定元素群の中ではTi、Zr、Nb、T
a、Cr、Reが好ましい。これら金属反射層の膜厚範囲は1
0〜500 nmであるが、反射率の低下によるC/N低下
を抑え、かつレーザパワーが10mWで記録可能とするた
めには、好ましくは30〜200 nm、特に好ましくは40〜
100 nmである。
るという点で、上記特定元素群の中ではTi、Zr、Nb、T
a、Cr、Reが好ましい。これら金属反射層の膜厚範囲は1
0〜500 nmであるが、反射率の低下によるC/N低下
を抑え、かつレーザパワーが10mWで記録可能とするた
めには、好ましくは30〜200 nm、特に好ましくは40〜
100 nmである。
【0052】また、Au組成および/または特定元素組成
を上述の組成範囲に設定することにより、前述のとおり
その熱伝導率を 100W/(m・K)以下にすることがで
き、レーザパワーが10mW以下の信号を記録することも
可能となる。
を上述の組成範囲に設定することにより、前述のとおり
その熱伝導率を 100W/(m・K)以下にすることがで
き、レーザパワーが10mW以下の信号を記録することも
可能となる。
【0053】金属反射層を設ける位置としは、光磁気記
録層の光入射面と反対側に掲載される点を除いて、特に
限定されない。すなわち、金属反射層を光磁気記録層上
に直接設けたもの、または透明誘電体層を介したものを
設けたもの、さらには金属反射層上に透明誘電体層等の
無機保護層および/または有機保護層を設けたもの等、
あらゆる構成に適用できる。
録層の光入射面と反対側に掲載される点を除いて、特に
限定されない。すなわち、金属反射層を光磁気記録層上
に直接設けたもの、または透明誘電体層を介したものを
設けたもの、さらには金属反射層上に透明誘電体層等の
無機保護層および/または有機保護層を設けたもの等、
あらゆる構成に適用できる。
【0054】上述の透明誘電体層、記録層、金属反射層
の無機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着法、ス
パッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種
々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体
としては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさ
せないために、特に高分子基板との密着性が大きい条件
で作製することが好ましい。このためにはスパッタリン
グ法が好ましい。
の無機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着法、ス
パッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種
々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体
としては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさ
せないために、特に高分子基板との密着性が大きい条件
で作製することが好ましい。このためにはスパッタリン
グ法が好ましい。
【0055】有機保護層としは、平坦化層の場合と同様
に、光および/または熱硬化型樹脂、あるいは熱可塑性
樹脂等が適用でき、コーティング法等により形成でき
る。なお、これら記録層の基板と反対側に設ける裏面保
護層は、少なくとも記録層の側面まで被覆するように設
けるのが好ましい。
に、光および/または熱硬化型樹脂、あるいは熱可塑性
樹脂等が適用でき、コーティング法等により形成でき
る。なお、これら記録層の基板と反対側に設ける裏面保
護層は、少なくとも記録層の側面まで被覆するように設
けるのが好ましい。
【0056】なお、本発明にかかる光磁気記録媒体の構
成に関しては、記録層を透明誘電体層でサンドイッチし
た構成、記録層のレーザ光入射側と反対側の面に金属反
射層を設けた構成、更には保護層として無機および/ま
たは有機保護層を設けた構成等、あらゆる構成が適用可
能である。
成に関しては、記録層を透明誘電体層でサンドイッチし
た構成、記録層のレーザ光入射側と反対側の面に金属反
射層を設けた構成、更には保護層として無機および/ま
たは有機保護層を設けた構成等、あらゆる構成が適用可
能である。
【0057】
【実施例、比較例1、2】以下のようにして図1と図2
に示す構成の光磁気記録媒体を作成し評価した。図にお
いて、1はガイドを表面に形成した基板、2はガイド上
の誘電体層、3は平坦化層、4は記録層下の誘電体層、
5は記録層、6は記録層上の誘電体層、7は金属反射
層、8は有機保護層である。
に示す構成の光磁気記録媒体を作成し評価した。図にお
いて、1はガイドを表面に形成した基板、2はガイド上
の誘電体層、3は平坦化層、4は記録層下の誘電体層、
5は記録層、6は記録層上の誘電体層、7は金属反射
層、8は有機保護層である。
【0058】まず、表面にサーボトラック用のガイドを
形成したポリカーボネート樹脂(PC)による基板1を
必要枚数用意した。この基板1は、外形が直径 130m
m、厚さ 1.2mmの円盤で、表面にサーボトラック用ガ
イドとして 1.6μmピッチで深さ70nmの溝が渦巻状に
形成してある。
形成したポリカーボネート樹脂(PC)による基板1を
必要枚数用意した。この基板1は、外形が直径 130m
m、厚さ 1.2mmの円盤で、表面にサーボトラック用ガ
イドとして 1.6μmピッチで深さ70nmの溝が渦巻状に
形成してある。
【0059】この基板1を用いて記録層を形成する際
に、ガイド上の誘電体層とさらに平坦化層を設け、その
際に平坦化層の表面にはスタンパーを圧着させたもの
(実施例)、また平坦化層の表面にはスタンパーを圧着
させなかったもの(比較例1)、ガイド上の誘電体層と
平坦化層の両方を設けなかったもの(比較例2)の3種
類を、次のようにして作成した。
に、ガイド上の誘電体層とさらに平坦化層を設け、その
際に平坦化層の表面にはスタンパーを圧着させたもの
(実施例)、また平坦化層の表面にはスタンパーを圧着
させなかったもの(比較例1)、ガイド上の誘電体層と
平坦化層の両方を設けなかったもの(比較例2)の3種
類を、次のようにして作成した。
【0060】まず2枚の基板1を3ターゲットの高周波
マグネトロンスパッタ装置(アネルバ製SPF―430
H型)の真空槽内に固定し、5.3 ×10-5Paになるまで排
気する。なお、膜形成において基板1は15rpm で回転さ
せた。そしてガイド上の誘電体層2として、AlSiN膜を
次のようにして形成した。すなわち、ターゲットとして
は直径 100mm、厚さ5 mmの円盤状のAlSi(50:50 )
の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 3
0vol%)を導入し、圧力0.4Pa になるようにガス流量を
調整した。そして放電電力 400W、放電周波数 13.56M
Hzで高周波スパッタリングを行い、ガイド上の誘電体層
2としてAlSiN膜を80nm堆積した。これらの基板をス
パッタリング装置から取り出し、スピンコーターに取り
つけた。そして基板を3000rpm で回転させながら、紫外
線硬化性のフェノールノボラックエポキシアクリレート
樹脂を塗布した。このとき、樹脂は塗布前にブチルアル
コールによって希釈し、温度20℃にて粘性率がおよそ40
cPとなるように調整した。
マグネトロンスパッタ装置(アネルバ製SPF―430
H型)の真空槽内に固定し、5.3 ×10-5Paになるまで排
気する。なお、膜形成において基板1は15rpm で回転さ
せた。そしてガイド上の誘電体層2として、AlSiN膜を
次のようにして形成した。すなわち、ターゲットとして
は直径 100mm、厚さ5 mmの円盤状のAlSi(50:50 )
の焼結体を用い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 3
0vol%)を導入し、圧力0.4Pa になるようにガス流量を
調整した。そして放電電力 400W、放電周波数 13.56M
Hzで高周波スパッタリングを行い、ガイド上の誘電体層
2としてAlSiN膜を80nm堆積した。これらの基板をス
パッタリング装置から取り出し、スピンコーターに取り
つけた。そして基板を3000rpm で回転させながら、紫外
線硬化性のフェノールノボラックエポキシアクリレート
樹脂を塗布した。このとき、樹脂は塗布前にブチルアル
コールによって希釈し、温度20℃にて粘性率がおよそ40
cPとなるように調整した。
【0061】そしてこれらのうち1枚の樹脂塗布表面に
は、塗布直後に表面が平坦なガラススタンパーを圧着
し、同時にスタンパーを通して紫外線を照射して樹脂を
硬化させ、その後ガラススタンパーを取り外した。これ
によって、ガイド上以外の領域で厚さが約150 nmの平
坦化層3を設けた(実施例)。
は、塗布直後に表面が平坦なガラススタンパーを圧着
し、同時にスタンパーを通して紫外線を照射して樹脂を
硬化させ、その後ガラススタンパーを取り外した。これ
によって、ガイド上以外の領域で厚さが約150 nmの平
坦化層3を設けた(実施例)。
【0062】またもう1枚は、スタンパーの圧着はせ
ず、塗布直後に紫外線照射装置内を通過させて樹脂を硬
化させ、ガイド上以外の領域で厚さが約150 nmの平坦
化層3を設けた(比較例1)。
ず、塗布直後に紫外線照射装置内を通過させて樹脂を硬
化させ、ガイド上以外の領域で厚さが約150 nmの平坦
化層3を設けた(比較例1)。
【0063】これらの基板と、ガイド上の誘電体層2と
平坦化層3を設けていない、直径130 mm、厚さ1.2 m
mの円盤で、1.6 μmピッチのグルーブを有するポリカ
ーボネート樹脂(PC)のディスク基板1(比較例2)
とを、再び3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ
装置(アネルバ製SPF―430H型)の真空槽内に固
定し、5.3 ×10-5Paになるまで排気する。なお、膜形成
において基板1は15rpm で回転させた。
平坦化層3を設けていない、直径130 mm、厚さ1.2 m
mの円盤で、1.6 μmピッチのグルーブを有するポリカ
ーボネート樹脂(PC)のディスク基板1(比較例2)
とを、再び3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ
装置(アネルバ製SPF―430H型)の真空槽内に固
定し、5.3 ×10-5Paになるまで排気する。なお、膜形成
において基板1は15rpm で回転させた。
【0064】これら3つの基板上に、以下の手順で全く
同じ構成からなる光磁気記録媒体用の多層膜を形成し
た。
同じ構成からなる光磁気記録媒体用の多層膜を形成し
た。
【0065】まず記録層下の誘電体層4としてAlSiN膜
を形成した。すなわち、ターゲットとしては直径 100m
m、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50 )の焼結体を用
い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導
入し、圧力 0.4Paになるようにガス流量を調整した。放
電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高周波スパッタ
リングを行い、誘電体層4としてAlSiN膜を110 nm堆
積した。
を形成した。すなわち、ターゲットとしては直径 100m
m、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50 )の焼結体を用
い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導
入し、圧力 0.4Paになるようにガス流量を調整した。放
電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高周波スパッタ
リングを行い、誘電体層4としてAlSiN膜を110 nm堆
積した。
【0066】次に光磁気記録層5として、ターゲットを
GdTbFeCo合金の円盤に変え、スパッタリングガスを純Ar
(純度99.999%)とし、圧力0.67Pa、放電電力 100Wで
(Gd 25Tb75)28(Fe80Co20)72合金膜を25nm堆積し
た。
GdTbFeCo合金の円盤に変え、スパッタリングガスを純Ar
(純度99.999%)とし、圧力0.67Pa、放電電力 100Wで
(Gd 25Tb75)28(Fe80Co20)72合金膜を25nm堆積し
た。
【0067】続いて、記録層上の誘電体層6としてター
ゲットを前記のAlSiの焼結体ターゲットに戻し、スパッ
タリングガスもAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)に戻
し、記録層下の誘電体層4と同様の放電条件で、AlSiN
膜を45nm堆積した。
ゲットを前記のAlSiの焼結体ターゲットに戻し、スパッ
タリングガスもAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)に戻
し、記録層下の誘電体層4と同様の放電条件で、AlSiN
膜を45nm堆積した。
【0068】さらに金属反射層7として、ターゲットを
AlAuTiの合金ターゲットとし、スパッタリングガスも純
Ar(純度99.999%)とし、圧力0.67Pa、放電電力100 W
で、Al92Au5 Ti3 合金膜を60nm堆積した。
AlAuTiの合金ターゲットとし、スパッタリングガスも純
Ar(純度99.999%)とし、圧力0.67Pa、放電電力100 W
で、Al92Au5 Ti3 合金膜を60nm堆積した。
【0069】このサンプルを再度スパッタリング装置か
ら取り出し、スピンコーターに取り付けた。ディスクを
3000rpm で回転させながら紫外線硬化性のフェノールノ
ボラックエポキシアクリレート樹脂を塗布した後、紫外
線照射装置を通過させて樹脂を硬化させ、約20μmの有
機保護層8を設けた。この際には、約20μmと厚い膜厚
で設定するため、ブチルアルコールで希釈を行い、粘性
率 500cP前後の状態で塗布した。
ら取り出し、スピンコーターに取り付けた。ディスクを
3000rpm で回転させながら紫外線硬化性のフェノールノ
ボラックエポキシアクリレート樹脂を塗布した後、紫外
線照射装置を通過させて樹脂を硬化させ、約20μmの有
機保護層8を設けた。この際には、約20μmと厚い膜厚
で設定するため、ブチルアルコールで希釈を行い、粘性
率 500cP前後の状態で塗布した。
【0070】以上の手順で、図1(実施例と比較例
1)、図2(比較例2)に示す構成の光磁気記録媒体を
得た。
1)、図2(比較例2)に示す構成の光磁気記録媒体を
得た。
【0071】これら各サンプルのダイレクトオーバーラ
イト時のC/Nを測定した。測定には、光磁気記録再生
装置(パルステック工業製DDU―1000型)を用
い、半径30mm位置のトラックにおいて、ディスク回転
速度3600rpm 、線速度11.3m/sec で、ビットの記録方
向にバイアス磁界350Oe を印加し、図3と4に示すよう
な変調をかけた光パルスを順に照射することにより、ダ
イレクトオーバーライトを行い、その時のC/Nを求め
た。すなわち、図3に示す信号によって記録した記録ビ
ットを、図4に示す信号によってダイレクトオーバーラ
イトした。
イト時のC/Nを測定した。測定には、光磁気記録再生
装置(パルステック工業製DDU―1000型)を用
い、半径30mm位置のトラックにおいて、ディスク回転
速度3600rpm 、線速度11.3m/sec で、ビットの記録方
向にバイアス磁界350Oe を印加し、図3と4に示すよう
な変調をかけた光パルスを順に照射することにより、ダ
イレクトオーバーライトを行い、その時のC/Nを求め
た。すなわち、図3に示す信号によって記録した記録ビ
ットを、図4に示す信号によってダイレクトオーバーラ
イトした。
【0072】その結果C/Nは、実施例と比較例1が41
dB、比較例2が37dBであった。さらにダイレクトオーバ
ーライト後のパイトエラー率を測定したところ、実施例
が5×10-6、比較例1が5×10-5であった。
dB、比較例2が37dBであった。さらにダイレクトオーバ
ーライト後のパイトエラー率を測定したところ、実施例
が5×10-6、比較例1が5×10-5であった。
【0073】
【発明の効果】本発明は以上詳述したごとく、バイアス
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅の変調によりダイ
レクトオーバーライトが可能な光磁気記録媒体におい
て、ガイドからトラッキングサーボのためのトラッキン
グ信号が十分な強度で安定して得られ、さらに記録膜が
平坦面に設けられるために従来よりもエラー率が大幅に
改善されて高い情報再生信号品質が得られる光磁気記録
媒体を得ることができる。
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅の変調によりダイ
レクトオーバーライトが可能な光磁気記録媒体におい
て、ガイドからトラッキングサーボのためのトラッキン
グ信号が十分な強度で安定して得られ、さらに記録膜が
平坦面に設けられるために従来よりもエラー率が大幅に
改善されて高い情報再生信号品質が得られる光磁気記録
媒体を得ることができる。
【図1】実施例と比較例1の積層構成
【図2】比較例2の積層構成
【図3】ダイレクトオーバーライト信号
【図4】ダイレクトオーバーライト信号
1 ガイドを表面に形成した基板 2 ガイド上の誘電体層 3 平坦化層 4 記録層下の誘電体層 5 記録層 6 記録層上の誘電体層 7 金属反射層 8 有機保護層
Claims (1)
- 【請求項1】 光パルスのパワーレベルおよび/または
パルス幅の変調のみによるダイレクトオーバーライトが
可能な光磁気記録媒体であって、記録層を形成するため
の基板が、光によるトラッキングサーボための凹凸形状
のガイドをデータ用領域に隣接して形成した面を有し、
少なくともガイドを形成する部分の基板材料は有機物樹
脂からなり、そしてガイドを形成した基板面上の少なく
ともガイド上には誘電体膜を形成し、さらにその上に前
記ガイドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平坦化
層を、樹脂を塗布して硬化させることにより形成したも
のであり、かつガイド上に形成した誘電体膜の屈折率
が、ガイドを形成する部分の基板材料と平坦化層とより
も高い光磁気記録媒体を製造する方法において、平坦化
層を形成するための樹脂を塗布後、表面が平坦な圧着体
を塗布した樹脂の表面に圧着させ、圧着体の圧着中およ
び/または圧着後に樹脂を硬化させて平坦化層を形成す
ることを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23641393A JPH0793834A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 光磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23641393A JPH0793834A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 光磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0793834A true JPH0793834A (ja) | 1995-04-07 |
Family
ID=17000394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23641393A Pending JPH0793834A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 光磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0793834A (ja) |
-
1993
- 1993-09-22 JP JP23641393A patent/JPH0793834A/ja active Pending
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