JPH0869645A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH0869645A
JPH0869645A JP7103686A JP10368695A JPH0869645A JP H0869645 A JPH0869645 A JP H0869645A JP 7103686 A JP7103686 A JP 7103686A JP 10368695 A JP10368695 A JP 10368695A JP H0869645 A JPH0869645 A JP H0869645A
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JP
Japan
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magneto
optical recording
layer
recording medium
dielectric layer
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JP7103686A
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Toru Horiguchi
透 堀口
Kenji Nakatani
健司 中谷
Hiroshi Hara
寛 原
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小さな外部磁界でも良好な光磁気記録特性が得
られる光磁気記録媒体を得る。 【構成】透明基板上に、第1誘電体層、非晶質希土類遷
移金属合金からなる光磁気記録層、第2誘電体層、金属
反射層をこの順に積層し、磁界を変調させて記録を行う
光磁気記録媒体において、第2誘電体層がC、Al、およ
びSiを含有する非晶質窒酸化物からなる。より好ましく
は、第2誘電体層がその組成を原子百分率比で表わした
ときに、Cx (Ala Si100-a y z 100-x-y-z 、0
<x≦30、20≦y、0 <z≦55、0 <(100 −x−y−
z)≦50、かつ0 <a≦50である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー等の光により
情報の記録、再生、消去等を行なう光磁気記録媒体に関
する。さらに詳細には、バイアス磁界を変調させること
により情報のダイレクトオーバーライトを行なう光磁気
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は、高密度大容量の情報記録
媒体として種々の研究開発が行なわれている。特に、情
報の書き換えが可能な光磁気記録媒体は応用分野が広
く、種々の材料、システムが発表されており、すでに実
用化が始まっている。
【0003】ところでフロッピーディスク、ハードディ
スク等の記録媒体と光磁気記録媒体とを特性面で比較し
たとき、光磁気記録媒体の大きな欠点は、記録済の古い
情報を消去しつつ新しい情報の書き込み記録を行うダイ
レクトオーバーライト(直接重ね書き)が難しいという
点である。
【0004】光磁気記録媒体のダイレクトオーバーライ
ト技術としては、情報の有無によりレーザ光の強度を変
調させて情報の記録・消去を行なう光変調記録方式、ま
た磁界強度を変調させて情報の記録・消去を行なう磁界
変調記録方式がある。後者の磁界変調記録方式は、光変
調記録方式に比べて装置がやや複雑になるもののハード
ディスク並の記録速度を得ることができる点で有利な方
法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、実際に
磁界変調記録方式によるダイレクトオーバーライトの確
認試験を行なった。その際用いた媒体は、直径130 m
m、厚さ1.2 mmで、1.6μmピッチのスパイラル状の
グルーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)基板上
に、まず透明誘電体であるAlSiN膜(膜厚120 nm)を
形成する。そして、光磁気記録層として、Tb21Fe70Co2
(添数字は原子%による組成を示す)の非晶質希土類遷
移金属合金磁性薄膜(膜厚25nm)を形成し、その上に
透明誘電体であるAlSiN膜(膜厚40nm)を設け、反射
膜としてAl合金膜(膜厚60nm)用いた構成のものであ
る。
【0006】続いて、上述の媒体の磁界変調記録の試験
を行った。評価用ドライブに設置した媒体の回転速度
は、半径30mmの位置にて線速度7.5 m/秒とした。情
報の記録には6.0 mWのDC光すなわち連続光を照射し
ながら周波数4.9 MHzで変調させた磁界強度100Oe の外
部磁界を印加して行ない、その後レーザ光強度1.5 mW
の再生光により再生信号の測定を行なった。この時再生
信号のC/Nは43.0dBであった。
【0007】以上のとおり、弱い外部磁界の下における
光磁気記録特性が不十分であるために実用に耐えられな
い。また、今後の高密度化を鑑みると、磁界を高周波数
で変調しなくてはならずますます外部磁界の低下が考え
られる。
【0008】ところで光磁気記録媒体に用いる誘電体
は、カー効果のエンハンス、磁性層の保護、熱効率の向
上等の役目を担っており、材料としてはSiN、AlN、B
N等の窒化物、SiO2 、Al2 3 、Ta2 5 等の酸化
物、ZnS等の硫化物、あるいはこれらの混合物などが用
いられることが多い。しかしながら、酸化物や硫化物に
は記録層の酸化、低屈折率等の問題もあり主として窒化
物が用いられる。
【0009】さらに誘電体としては、カー効果エンハン
スメントを高めるためにも屈折率n≧1.6 であることが
必要であり、さらにn≧1.8 であることが好ましい。そ
してAl、Siを主たる構成元素とする窒化物系誘電体(以
下AlSiNと称する)は、屈折率においてn≧2.0 を得る
ことができ、カー効果エンハンスメントに優れる。ま
た、AlSiNは耐食性にも優れ、AlとSiの組成比を適当に
調整することによりAlN単体またはSiN単体でのひび割
れ等の強度特性の弱点を相補し、所望する機械的強度特
性を得られるため、光磁気記録媒体用の誘電体として特
に有効な物質である。したがって、これらの特性を維持
しながら、小さな外部磁界での光磁気記録特性を向上さ
せなければならない。
【0010】そこで本発明は、これらの課題を解決し小
さな外部磁界でも良好な光磁気記録特性が得られるよう
な光磁気記録媒体の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光磁気記
録媒体は、透明基板上に、第1誘電体層、非晶質希土類
遷移金属合金からなる光磁気記録層、第2誘電体層、金
属反射層をこの順に積層し、磁界を変調させて記録を行
う光磁気記録媒体において、第2誘電体層がC、Al、お
よびSiを含有する非晶質窒酸化物からなる誘電体である
ことを特徴としている。
【0012】本発明の誘電体層は、公知のスパッタリン
グ法において、AlSi合金ターゲットまたはSiターゲット
上に、Alチップを載せた複合ターゲットを用いて、酸化
炭素ガス、不活性ガス、窒素ガスの混合雰囲気中で成膜
することで得られる。または、これらの雰囲気中でSiと
Alターゲットを同時スパッタしてもよい。あるいは、Al
SiC合金ターゲットを用いて窒素酸化物ガスと不活性ガ
スの混合雰囲気中でスパッタしてもよい。
【0013】その際に、誘電体膜の屈折率の調整あるい
は光磁気記録媒体の記録感度の調整のため、それらの希
望値に合わせてスパッタ時のガス組成、流量、圧力、投
入パワーを選択することができる。
【0014】上述の方法で誘電体を形成すると、その屈
折率は1.6 〜2.5 にすることができる。しかしながら耐
久性に関連する膜密度や光学的特性を考慮すると、屈折
率は1.8 〜2.5 であることが好ましい。また、透過率測
定からこれらの誘電体の吸収係数は0.04以下であり、光
磁気記録媒体としてはさらに0.02以下であることが好ま
しい。
【0015】そこで屈折率を上記の好ましい範囲内にす
るためには、AlSiの比率が20原子%以上、かつCの比率
は30原子%以下であることが好ましい。すなわち誘電体
の組成を原子百分率比でCx (Ala Si100-a y z
100-x-y-z と表した場合に、0 <x≦30かつ20≦yであ
ることが好ましい。
【0016】さらに、NおよびOと金属の結合により透
明性を維持し、吸収係数を0.02以下に抑え、窒酸化物と
しての膜の緻密さを保持することが好ましい。そのため
にNは55原子%以下、およびOは50原子%以下であるこ
とが好ましい。すなわち前述の組成式においては、0 <
z≦55かつ0 <(100 −x−y−z)≦50であることが
好ましい。
【0017】そして本発明の効果をより得るためには、
上述の組成式におけるAlとSiの比率は、Alが50原子%以
下であることが好ましい。すなわち前述の組成式におい
ては、 0<a≦50であることが好ましい。
【0018】ところで低外部磁界での光磁気記録特性を
向上させる技術としては、光磁気記録層を2層化し磁界
感度をあげる方法や、光磁気記録層製膜後に酸素雰囲気
に保持する方法等が提案されている。
【0019】しかしながら、本発明のように第2誘電体
に特定な誘電体を用いることにより低外部磁界での光磁
気記録特性向上を行う技術は、製造コスト、生産効率を
考えても特に優れている方法である。これに関連した技
術としては、第2誘電体としてSiCONを用いる方法が
あるが、先に挙げた機械的強度特性や媒体としての耐候
性の特性を鑑みた場合、低磁界記録に適した媒体を作製
するためには本発明の誘電体を用いることが好ましい。
【0020】また、本発明において低外部磁界での光磁
気記録特性を向上させるには、記録層と誘電体との界面
酸素量が重要であり、これをコントロールするために
は、使用酸素源の選択、スパッタ雰囲気の酸素量制御、
記録層の希土類(Tb)酸化量制御をする必要がある。
【0021】その際に使用酸素源としては、O2
3 、CO2 、CO、NO、NO2 などが挙げられる
が、スパッタ雰囲気での酸素量を制御するためには酸素
の解離エネルギーの大きなガスを用いることにより記録
層と誘電体との界面酸素量を制御することができる。そ
こで本発明では、酸素源としてCOガスを用いることに
より、最も適切な希土類(Tb)酸化量を持つ界面が形成
できた。その際に界面での希土類(Tb)酸化量の指標と
しては、M.Hirasaka et.al. (J.Vac.Sci. Technol.A1
1,503(1993))による方法を用いた。すなわち、Tbによ
るオージェ電子分光のビーク(AESピーク)の強度比
(I134 eV/I115 eV)を界面での記録膜の表面酸
化の指標としている。
【0022】本発明の第2誘電体層を用いることによっ
て、図2のAESスペクトルのTb強度比に示されるが如
く、界面酸素量が制御でき、望ましい磁界感度特性が得
られる。界面酸素量としてTbの(I134 eV/I115 e
V)が0.8 以上かつ2.0 以下が好ましい。なお第2誘電
体膜中の酸素量が増加すると、前述した透明性、緻密性
への問題の他に記録層の酸化を生じ、C/Nの低下を生
じる問題があり、前述したように酸素量は50原子%以下
が好ましく、界面酸素量の指標であるTbの(I134 eV
/I115 eV)も2.0 以下が好ましい。
【0023】また、本発明の誘電体を用いることにより
実施例に示すように光磁気記録媒体の記録感度を向上さ
せることができることが分かった。これは、C、O原子
の添加によって原子間の熱伝導が妨げられ、熱伝導率が
低下したことによるものである。したがって、本発明の
誘電体を用いることにより記録レーザパワーに対する感
度の良い、低出力さらには短波長のレーザの使用を可能
とし、またエッジ記録等を用いた高記録密度に適した光
磁気記録媒体を提供できる。
【0024】ところで、こうした誘電体を用いた光磁気
記録媒体を作製する際には、以下に挙げる材料が各層に
好ましい。まず基板材料に用いる有機物樹脂としては、
ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
2−メチルペンテン樹脂、ポリオレフィン樹脂、あるい
はそれらの共重合体等を用いることができる。中でも機
械強度、耐候性、耐熱性、透湿性、ならびに低価格であ
る点でポリカーボネイト樹脂が好ましい。そしてこのポ
リカーボネイト樹脂を用いて基板材料全体を形成するこ
とが、生産性からは好ましい。
【0025】第1誘電体層としては屈折率nが高い材
料、すなわちn≧1.6 である材料、さらに好ましくはn
≧1.8 である材料であることが好ましい。このような誘
電体材料としては、AlN、ZnS、Si3 4 、AlSiN、Si
O、Zr2 3 、In2 3 、SnO 2 、Ta2 5 、AlON、
SiON、ZrON、InON、SnON、TaONまたはこれら
の混合体などが適用できる。特に屈折率が1.8 以上とい
う点では、Si3 4 、AlSiN、Zr2 3 、Ta2 5 、Zr
ON、TaONが好ましく、特に耐候性の点ではAlSiNが
好ましい。また、もちろん本発明の誘電体を用いること
もできる。
【0026】光磁気記録層の材料としては、光磁気効果
により記録、再生、消去できるものであればよい。より
詳しくは膜面に垂直な方向に磁化容易方向を有し、任意
の反転磁区を作ることにより光磁気効果により情報の記
録、再生、消去が可能な磁性薄膜であればよい。例え
ば、TbFe、TbFeCo、GdTbFe、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、Nd
Fe、PrFe、CeFe等の希土類元素と遷移金属元素との非晶
質合金薄膜、交換結合を利用したそれらの二層膜等を用
いることができる。
【0027】しかしながら、今後の更なる高密度化、す
なわち記録マークの微少化に対応するためには光磁気記
録膜の垂直磁気異方性が大きくなければならない。その
ためにはTb元素は有効であり、本発明でも光磁気記録膜
としてTb元素を含んだ非晶質希土類遷移金属合金を用い
ている。
【0028】さらに、こうした構成の記録層中には、そ
の垂直磁気異方性が失われないかぎり、他の元素が最大
10原子%まで添加することができる。例えばTi、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、S
i、Ge、Bi、Pd、Au、Ag、Cu、Pt等の、希土類、Fe、Co
以外の元素が1 種類もしくはそれ以上含まれていても良
い。特に記録層自身の酸化による腐食を防止するために
は、Ti、Zr、Hf、Ta、Cr、Reを添加することが好まし
い。
【0029】光磁気記録層の膜厚が10nmより薄くなる
と、膜の不連続性、不均一性等の膜構造の点で問題が多
い。また、レーザ照射時の媒体中の温度分布および記録
・消去時のレーザパワーマージン、再生・記録・消去耐
久性を考慮すると媒体は金属反射層を用いる構成で、ま
た第1磁性層の膜厚としては、50nm以下が必要で、特
に10〜30nmの範囲が望ましい。 ここで用いる金属反
射層としては、C/Nの評価に用いるドライブヘッドの
レーザ光に対し、記録層よりも反射率の高い材料である
ことがC/N向上のために好ましい。具体的には、使用
レーザ光波長における光学定数である屈折率nと消衰係
数kが、n≦3.5 、かつk≧3.5 であるような材料を選
択することが好ましい。さらに好ましくはn≦2.5 かつ
4.5 ≦k≦8.5 であり、この条件で作製した媒体では、
金属反射層の反射率向上によりカー効果エンハンスメン
トが向上し、C/Nのより一層の向上が実現できる。
【0030】このような条件を満足する材料として、Al
もしくはAg単独膜や、AlもしくはAgにAuを添加した合
金、すなわちAlAu合金もしくはAgAu合金が挙げられる。
反射率の低下をAlもしくはAg単独膜に比べ2 %以内に抑
えC/N低下を防ぐためには、Au含有量は0.5 〜15原子
%、さらには0.5 〜10原子%であることが好ましい。
【0031】ところでAu含有量を少なくすることは、タ
ーゲットや媒体のコストを低減する意味からも重要であ
る。そしてAu含有量を最小限にとどめるという点から
は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、R
u、Os、Ir等の1種類以上の特定元素を補助的に添加す
ることが好ましい。
【0032】こうした特定元素の添加量は、5.0 原子%
以内にとどめるべきであり、これより多いと金属反射膜
の反射率が低下し、C/Nも低下してしまう。5.0 原子
%以内では、光磁気記録再生装置で使用される半導体レ
ーザの波長である830 nmでの反射率の低下は、2 %以
内の低下幅にとどまる。一方0.3 原子%より少ないと、
Auを節約したことによる熱伝導率の上昇分を補うことは
できない。従って、特定元素の添加により、Auの添加量
は0.5 〜10原子%の範囲であれば、反射膜の反射率はAl
もしくはAg単独膜に比べ、2 %以内の低下に抑えること
ができ、Auのコスト低下も低減できる。
【0033】なお、特に金属反射膜自身の耐久性を高め
るという点で、上記特定元素郡の中ではTi、Zr、Hf、T
a、Cr、Reが好ましい。これらの金属反射層の膜厚範囲
は10〜500 nmであるが、反射率の低下によるC/N低
下を抑え、かつレーザパワーが10mWで記録可能とする
ためには、好ましくは30〜200 nm、特に好ましくは40
〜100 nmである。
【0034】有機保護層としては、光および/または熱
硬化型樹脂、あるいは熱可塑性樹脂等が適用でき、コー
ティング法等により形成できる。なお、これら記録層の
基板と反対側に設ける裏面保護層は、少なくとも記録層
の側面まで被覆するように設けるのが好ましい。
【0035】上記の透明誘電体層、記録層、金属反射層
の無機薄膜の製造法としては、公知の真空蒸着法、スパ
ッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々
の薄膜形成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体と
しては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさせ
ないために、特に高分子基板との密着性が大きい条件で
作製することが好ましい。このためにはスパッタリング
法が好ましい。
【0036】
【実施例、比較例】本発明の一実施例による光磁気記録
媒体の構成を図1に示す。図中の1はガイドを表面に形
成した基板、2は第1誘電体層、3は記録層、4は第2
誘電体層、5は金属反射層、6は有機保護層である。特
に第2誘電体層は光磁気記録層の表面酸化による磁界感
度の向上の役目を担っている。よって、第2誘電体膜層
をAlSiCON膜とした媒体を本発明の実施例に、AlSiN
膜とした媒体を比較例として以下のようにして作製し、
特性比較を行った。
【0037】まず、直径130 mm、厚さ1.2 mmの円盤
で1.6 μmピッチのスパイラル状のグルーブを有するポ
リカーボネイト樹脂(PC)の基板1を、3ターゲット
の高周波マグネトロンスパッタ装置(アネルバ製SPF
−430H型)の真空槽内に固定し、53μPaになるまで
排気する。なお、膜形成において基板1は15rpm で回転
させた。
【0038】そして第1誘電体層2としてAlSiN膜を形
成した。すなわち、ターゲットとしては直径100 mm、
厚さ5 mmの円盤状のAlSi(30:70)の燒結体を用い、
真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導入
し、圧力0.6Pa になるようにガス流量を調節した。放電
電力400 W、放電周波数13.56 MHzで高周波スパッタリ
ングを行ない、第1誘電体層2としてAlSiN膜を110 n
m堆積した。
【0039】次に記録層3を形成した。ターゲットを光
磁気型の記録膜であるTbFeCo合金の円盤に変えスパッタ
リングガスを純Ar(純度99.999%)とし、ガス圧0.2Pa
、放電電力200 Wで希土類・遷移金属合金であるTbFeC
o膜からなる記録層3をDCスパッタリングによって25
nm堆積した。
【0040】続いて、記録層上に第2誘電体層4を形成
した。そのためにまず、ターゲットを前述のAlSiの燒結
体ターゲットに戻した。そしてAlSiCONを製膜すると
きには、Arガス、Ar/N2 混合ガス(N2 30vol%)、
およびCOガスを、各試料で流量比を変えながら導入
し、ガス圧0.6Pa 、放電電力400 Wで高周波スパッタリ
ングを行なった。また比較例であるAlSiNを製膜すると
きには、スパッタリングガスもAr/N2 混合ガス(N2
30vol%)に戻し、第1誘電体層2と同様の放電条件で
行なった。こうして膜厚40nmの第2誘電体層4を形成
した。
【0041】さらに、金属反射層5としてターゲットを
AlAuTiの合金ターゲットに変え、スパッタリングガスも
純Ar(純度99.999%)に戻し、圧力0.2Pa 、放電電力10
0 WでAl合金膜を60nm堆積した。
【0042】こうして得られた試料をスパッタリング装
置から取り出し、スピンコーターに取付けた。そしてデ
ィスクを3000rpm で回転させながら、紫外線硬化性のフ
ェノールノボラックエポキシアクリレート樹脂を塗布し
た後、紫外線照射装置を通過させて樹脂を硬化させ、約
20μmの有機保護層6を設けた。この際には、約20μm
と厚い膜厚で設定するため、ブチルアルコールで希釈を
行ない、粘性率500 cP前後の状態で塗布した。
【0043】こうして得られた図1に示す構成の光磁気
記録媒体について、磁界変調記録の試験を行なった。そ
の際に、評価用ドライブに設置した媒体の回転速度は、
半径30mmの位置にて線速度7.5 m/秒とした。情報の
記録には6.0 mWのDC光すなわち連続光を照射しなが
ら、周波数4.9 MHzで変調させた磁界強度100Oe の外部
磁界を印加することで行なった。その後レーザ光強度1.
5 mWの再生光により、再生信号の測定を行なった。
【0044】また、光変調記録における記録感度をC/
N値10dBを得るために必要な書き込みレーザーパワー
(以下、Pthと称する)と定義し、線速度11.3m/秒、
記録周波数7.4 MHz、外部磁界250Oe のもとで測定を行
なった。なお、光磁気記録媒体の記録再生にはパルステ
ック工業製のDDU−700を用いた。また、各層の組
成分析、特に界面での組成分析にはオージェ電子分光装
置(PHI社製SAM610)を用いた。
【0045】このようにして得られた各媒体試料につい
て、第2誘電体層スパッタ時の各ガス流量(但しArガス
で校正済)、AES測定より求めたCとAlとSiの組成比
(但しC/(C+Al+Si)、Al/(C+Al+Si)、およ
び Si /(C+Al+Si)としての比率)、およびN、O
の組成比(原子%)、記録層と第2誘電体層の界面にお
けるTbによるピークの強度比(I134 eV/I115 e
V)、磁界強度100Oe の外部磁界によるC/N、さらに
書き込みレーザーパワーPthを示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明は以上詳述したごとく、C 、Al、
Siを含有する非晶質窒酸化物を誘電体を第2誘電体に用
い、光磁気記録膜の界面での表面酸化度を特定すること
により、低外部磁界での光磁気記録特性が良好な磁界変
調記録に適した光磁気記録媒を得ることができる。すな
わち本発明の第2誘電体層を用いることで、100Oe 程度
の弱い外部磁界でも十分な光磁気記録特性を得ることが
でき、優れた磁界変調特性を持つ光磁気記録媒体を提供
することが可能となる。また、本発明の誘電体を用いる
ことにより記録レーザの利用効率を高め、記録感度を向
上させた光磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の積層構成
【符号の説明】
1 ガイドを表面に形成した基板 2 第1誘電体層 3 記録層 4 第2誘電体層 5 金属反射層 6 有機保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、第1誘電体層、非晶質希
    土類遷移金属合金からなる光磁気記録層、第2誘電体
    層、金属反射層をこの順に積層し、磁界を変調させて記
    録を行う光磁気記録媒体において、第2誘電体層がC、
    Al、およびSiを含有する非晶質窒酸化物からなる誘電体
    であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 第2誘電体層がその組成を原子百分率比
    で表わしたときに、Cx (Ala Si100-a y z
    100-x-y-z 、0 <x≦30、20≦y、0 <z≦55、0 <
    (100 −x−y−z)≦50、かつ0 <a≦50であること
    を特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 光磁気記録層がTbを含み、かつ光磁気記
    録層と第2誘電体層の界面におけるオージェ電子分光に
    よるTbのピーク強度比(I134 eV/I115eV)が0.8
    以上かつ2.0 以下であることを特徴とする請求項1〜
    2のいずれかに記載の光磁気記録媒体。
JP7103686A 1994-06-24 1995-04-27 光磁気記録媒体 Pending JPH0869645A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7103686A JPH0869645A (ja) 1994-06-24 1995-04-27 光磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-143043 1994-06-24
JP14304394 1994-06-24
JP7103686A JPH0869645A (ja) 1994-06-24 1995-04-27 光磁気記録媒体

Publications (1)

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