JPH05210885A - 光磁気記録媒体および光磁気記録装置 - Google Patents

光磁気記録媒体および光磁気記録装置

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JPH05210885A
JPH05210885A JP2523092A JP2523092A JPH05210885A JP H05210885 A JPH05210885 A JP H05210885A JP 2523092 A JP2523092 A JP 2523092A JP 2523092 A JP2523092 A JP 2523092A JP H05210885 A JPH05210885 A JP H05210885A
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JP
Japan
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magneto
optical recording
recording medium
guide
layer
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JP2523092A
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Masahiko Sekiya
昌彦 関谷
Aritami Yonemura
有民 米村
Kiyoshi Chiba
潔 千葉
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】トラッキング信号を十分な強度で安定して得る
とともに、情報再生信号のC/N向上、および生産性向
上を行う。 【構成】光磁気記録媒体としては、記録層が光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅の変調のみによる
ダイレクトオーバーライトが可能なものであって、記録
層を形成するための基板が、光によるトラッキングサー
ボのための凹凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して
形成した面を有し、基板材料が少なくとも前記ガイドを
形成する部分において有機物樹脂からなり、前記ガイド
を形成した基板面上の少なくともガイド上に誘電体膜を
形成し、さらにその上に前記ガイドによる凹凸を埋めて
表面を平坦化させる平坦化層を形成する。また光磁気記
録装置としては、上述の媒体を用いて情報のダイレクト
オーバーライトを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ等の光により情
報の記録、再生、消去等を行う光磁気記録媒体および光
磁気記録装置に関する。さらに詳細には、バイアス磁界
の方向および大きさを変えることなく、光パルスのパワ
ーレベルおよび/またはパルス幅の変調のみにより情報
のダイレクトオーバーライトを行う光磁気記録媒体およ
び光磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は、高密度、大容量の情報記
録媒体として種々の研究開発が行われている。特に、情
報の消去可能な光磁気記録媒体は応用分野が広く、種々
の材料、システムが発表されており、すでに実用化が始
まっている。
【0003】ところでフロッピーディスク、ハードディ
スク等と光磁気記録媒体とを特性面で比較したとき、光
磁気記録媒体の大きな欠点は、記録済の古い情報を消去
しつつ新しい情報の書き込み記録を行うダイレクトオー
バーライト(直接重ね書き)が難しいという点である。
【0004】光磁気記録媒体のダイレクトオーバーライ
ト技術としては、これまでにも種々の方式が提案されて
いる。それらの中でも、特開平1-251357号公報、J. App
l. Phys. Vol.63 No.8 (1988) 3844、IEEE TRANS. Mag
n. Vol.23 No.1 (1987) 171、Appl. Phys. Lett. Vol.4
9 No.8 (1986) 473、IEEE TRANS. Magn. Vol.25 No.5(1
989) 3530 、J. Appl. Phys. Vol.69 No.8 (1991) 4967
等に記載のごとく、レーザ光照射により昇温された磁壁
境界領域の一部において、正味残留磁化の方向を自己反
転できる自己反転可能な光磁気記録層を用い、バイアス
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅を消去レベルと書
き込みレベルとに変調させることにより、ダイレクトオ
ーバーライトを行う方式は、現在市販が開始されている
光磁気記録装置に比べ、光学系、磁石等の構造の大幅な
変更がなく、将来技術として最も注目される方式であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、実際に
前述の従来方式によるダイレクトオーバーライトの確認
試験を行った。その際に用いた媒体は、直径 130mm、
厚さ 1.2mmで、 1.6μmピッチのスパイラル状のグル
ーブを有するポリカーボネート樹脂(PC)基板上に、
前述の自己反転可能な光磁気記録層として(Gd25Tb75
28(Fe80Co2072(添数字はatom%による組成を示す)
の希土類遷移金属非晶質合金磁性薄膜(膜厚 150nm)
を、透明誘電体であるAlSiN膜(膜厚80nm)で挟んだ
構成のものである。
【0006】つづいて、上述の媒体のダイレクトオーバ
ーライト動作の試験を行った。評価用ドライブに設置し
た媒体の回転速度は、半径30mmの位置にて線速度11.3
m/sec とした。記録と消去は、ビットの記録方向に 3
50Oeの大きさの外部バイアス磁界を印加した状態で、図
4に示す 4MHzのパルス信号によって行った。その際、
波長 830nmのレーザを用いてのレーザパワーは、記録
時には15.0mW、消去時には 9.0mWとした。その後
1.0mWのDC光すなわち連続光を照射して、再生信号
の測定を行った。この時再生信号のC/Nは約37dBであ
った。
【0007】つづいてこの測定を行った同じトラック上
にて、外部バイアス磁界不存在下で図5に示す3 MHzの
パルス信号により記録と消去を行った。すなわち、図4
による元の信号を、図5の信号にてダイレクトオーバー
ライトした。その後 1.0mWのDC光すなわち連続光を
照射して、再生信号の測定を行った。すると初めに記録
されていた4 MHzの信号は完全に消去され、3 MHzの信
号のみが記録されていた。この時再生信号のC/Nは約
37dBであった。
【0008】以上のとおり、前述の光変調方式を用いる
ことによる基本的なダイレクトオーバーライト動作の確
認はできた。しかし、再生特性に関しては、C/N=37
dBと低く、実用化レベルに到達させるためには、大幅な
C/Nの改善が課題とされる。
【0009】また、本発明の光磁気記録媒体は、基板上
に、レーザ光照射により加熱された磁壁境界領域の一部
において、正味残留磁化の方向を自己反転できる自己反
転可能な記録層を形成した光磁気記録媒体であり、前記
光磁気記録媒体を移送しつつ、バイアス磁界の方向およ
び大きさを変えることなく、パワーレベルおよび/また
はパルス幅が消去レベルと書き込みレベルとの間で変調
されたレーザ光の照射のみによりデータの直接重ね書き
を行うものである。しかし前述のとおり、従来構成の媒
体で直接重ね書きを行ってみると、その再生特性はC/
N=37dBと低いことが確認された。
【0010】ところで、現在市販の光磁気記録装置にお
いては、情報の記録、再生、消去等を行う際に光による
トラッキングサーボの制御を精度良く、安定して行う必
要がある。このためのサーボ方式の一つには、トラック
1周内に複数個のサーボ領域を設定し、そこにサーボ用
のサンプルピットを形成したサンプルサーボ方式があ
る。この方式によれば、データ信号とサーボ信号とが空
間的、時間的に分離されるため、両者の信号の干渉を避
けることができる。しかしこの方式では、サンプル点が
小さな欠陥等でつぶれやすく、安定して十分なサーボを
行うことができない。
【0011】そこでトラッキングサーボを安定して十分
行うために、記録膜を形成する基板表面に凹凸形状のガ
イドをデータ領域に隣接して形成する方法が用いられ
る。すなわち、基板表面に渦巻状もしくは同心円状に配
列した溝をデータ領域に隣接して設ける。そしてトラッ
キングサーボの制御は、このガイドからの回折光を用い
て行われる。
【0012】しかし、こうした凹凸形状のガイドがデー
タ領域に隣接して設けられていることにより、データ信
号の品質が低下してしまうということが知られている。
すなわちガイドによる凹凸のために、記録層にも凹凸が
形成され、トラッキングサーボ用のガイドに隣接してい
るデータ領域においては、それによるビット形状の崩れ
等が生じて信号のC/N低下等が起こるものと考えられ
る。
【0013】さらに本発明で用いるところのダイレクト
オーバーライト方式での消去過程は、消去レベルのパワ
ーを有するレーザ光が記録膜に照射された時に生じる温
度プルファイルが、既に記録されている記録ビットに接
近する過程で起こる。詳細には、プロファイルの最高温
度の部分が記録ビット内に進入する前に、磁壁境界領域
の一部が前述の最高温度よりも低い温度に到達した時
に、正味残留磁化が自己反転し、消去が起こるというも
のである。従って、記録層にトラッキングサーボ用ガイ
ドによって凹凸が形成されると、その形状が上述の温度
プロファイル、正味残留磁化の自己反転の動作に影響を
与えると考えられ、消去過程が良好に動作しない可能性
がある。
【0014】本発明者らは、上述の問題点を解決するた
めには、トラッキングサーボが安定して十分に可能で、
かつ記録膜が形成される基板の表面形状が平坦であるよ
うな基板を実現することが必要と考えた。この関連技術
としては特開平3-40248 号公報等では、十分な強度のト
ラッキングサーボ信号を安定して得るために、トラッキ
ング用金属反射膜をガラス基板上に形成し、かつ、再生
信号品質を低下させないために、平坦化層を設け、平坦
面上に形成された記録層から十分な強度の再生信号を得
るという方式が提案されている。ところがこの方式は、
金属反射ガイドを形成する際に、エッチング等の煩雑な
方法を用いなければならないため、製造時の歩留り、コ
スト等の点で問題があり、大量生産には不向きである。
【0015】本発明はかかるこれらの課題を解決するこ
とにより、バイアス磁界の方向および大きさを変えるこ
となく、光パルスのパワーレベルおよび/またはパルス
幅の変調によりダイレクトオーバーライトが可能な光磁
気記録媒体および光磁気記録装置において、ガイドから
トラッキングサーボのためのトラッキング信号が十分な
強度で安定して得られ、さらに記録膜が平坦面に設けら
れるために従来よりもC/Nが大幅に改善された高い情
報再生信号品質が得られ、しかも製造時の歩留り、コス
ト等も、特開平3-40248 号公報記載の方式よりも大幅に
改善できる光磁気記録媒体、およびこの光磁気記録媒体
を用いることで記録装置としての性能を大幅に向上させ
た光磁気記録装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光磁気記
録媒体は、光パルスのパワーレベルおよび/またはパル
ス幅の変調のみによるダイレクトオーバーライトが可能
な光磁気記録媒体において、記録層を形成するための基
板が、光によるトラッキングサーボための凹凸形状のガ
イドをデータ用領域に隣接して形成した面を有し、基板
材料が少なくとも前記ガイドを形成する部分において有
機物樹脂からなり、前記ガイドを形成した基板面上の少
なくともガイド上に誘電体膜を形成し、さらにその上に
前記ガイドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平坦
化層を形成し、前記誘電体膜の屈折率が前記ガイドを形
成する部分の基板材料と前記平坦化層とよりも高いこと
を特徴としている。
【0017】また本発明にかかる光磁気記録装置は、本
発明による光磁気記録媒体を用いて、光パルスのパワー
レベルおよび/またはパルス幅の変調のみによる情報の
ダイレクトオーバーライトを行うことを特徴としてい
る。
【0018】本発明において、トラッキングサーボの制
御には、ガイド部からのトラッキングサーボ用光の回折
光が用いられる。その際には、ガイド部分からの十分な
反射光強度が得られることが、安定なトラッキングサー
ボ性能を得るためには必要である。具体的には、そのガ
イドでのトラッキングサーボ用光の反射率が10%以上で
あることが好ましい。このような条件を満足するために
は、ガイドを形成する部分の基板材料と前記平坦化層と
よりも屈折率が高く、かつ透明性の高い材料である誘電
体膜を少なくともガイド上に設ければよい。そしてこの
誘電体膜は、十分な反射光強度を得るためには、トラッ
キングサーボ用の光の波長において屈折率n≧1.6 であ
ることが好ましい。
【0019】このような材料としては、AlN、ZnS、Si
3 4 、AlSiN、SiO、SiO2 、Zr 2 3 、In2 3
SnO2 、Ta2 5 、AlON、SiON、ZrON、InON、
SnON、TaONまたはこれらの混合体などが適用でき
る。
【0020】より安定したトラッキングサーボ性能を
得、かつ高い再生信号強度を得るためには、トラッキン
グサーボ用の光に対する反射率が15%以上であることが
好ましい。そのためにはトラッキングサーボ用の光の波
長において、屈折率n≧1.8 である材料が好ましい。
【0021】この点ではAlSiN、Si3 4 、Zr2 3
Ta2 5 、ZrON、TaON等の無機窒化物および/また
は無機酸化物が好ましく、特に耐候性の点ではAlSiNが
好ましい。
【0022】誘電体膜の膜厚d(nm)に関しては周期
的に高反射率が得られるところがあらわれるため、その
高反射率が得られるいずれの膜厚を選択しても問題ない
が、生産性を考慮すると薄い方がよい。
【0023】この膜厚d(nm)は、誘電体膜の屈折率
によって異なるが、上述の無機窒化物、酸化物等の場合
には、屈折率nは 1.6〜2.3 の範囲であるため、20≦d
≦160 の範囲にあることが好ましい。
【0024】窒化物および/または酸化物の誘電体にお
いては、窒化度および/または酸化度を低くすると光の
吸収率が高くなり、記録再生特性に悪影響をおよぼす。
しかしこれと同時に屈折率が高くなり、必要な反射光量
を得るための誘電体膜の膜厚を薄くできることから、生
産性を向上させることができる。
【0025】また、誘電体膜としては、前述の各材料の
単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層膜
を設けてもよい。
【0026】誘電体膜の製造方法としては、公知の真空
蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCV
D法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光デ
ィスクとしては、高温高湿の耐環境試験での剥離等を生
じさせないために、基板との密着性が大きい条件で作製
することが好ましい。このためにはスパッタリング法が
好ましい。
【0027】この誘電体膜は、少なくともガイド上に設
けることが必要である。また製造上の有利からは、ガイ
ドを有する基板表面全面に設けることが好ましい。
【0028】ところで、上述のように100 nm前後の膜
厚の誘電体膜を設けた場合、その表面形状は、ガイド形
状をそのまま残したものとなっている。この表面を平坦
化するためには、粘性の低い物質を塗布するなどしてガ
イドによる凹凸を埋める必要がある。この平坦化した面
に記録膜を形成すると、情報の記録ビット形状がガイド
形状に影響されず、良好なビット形状が得られ、高い再
生信号が得られる。
【0029】この平坦化層の膜厚t(nm)は、ガイド
上の部分において50≦t≦500 の範囲にあることが好ま
しい。すなわち、ガイドの深さは40nm以上であること
が好ましいことから、これを埋めるには平坦化層の膜厚
が50nm以上であることが好ましい。またトラッキング
サーボ用の光の反射率をかせぎつつ、生産性を考慮する
と、この膜厚は500 nm以下であることが好ましい。
【0030】この平坦化層に用いる材料は、ガイドによ
る凹凸を埋めて平坦面が得られるものであれば特に限定
はない。しかし、製造上の容易さから、樹脂を用いるこ
とが好ましい。
【0031】このような樹脂としては、光ディスクに使
用可能な樹脂であれば特に制約はない。例えば、紫外線
硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、エポキシ樹脂、シリケ
ート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性
樹脂などを使用することができる。
【0032】ただし本発明の目的の被膜を得るために
は、希釈して粘性を低くした上で塗布することが作業性
上好ましいことから、樹脂としては一般的な有機溶剤に
可溶であることが好ましい。
【0033】光記録媒体の製造工程では、生産性が高
い、保護効果が大きい等の理由により紫外線硬化樹脂や
電子線硬化樹脂がしばしば使用される。電子線硬化型樹
脂より設備的に有利な紫外線硬化樹脂が最も良く利用さ
れている。このような紫外線硬化樹脂は通常例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ化合物(オリゴマー)のアク
リレートのように水酸基やエポキシ基等の官能基を持つ
化合物(オリゴマー)をアクリル化またはメタアクリル
化することによって得られる比較的分子量が大きい、オ
リゴマーのアクリレートと称される化合物と単官能
((メタ)アクリロイルオキシ基)または2〜6個の官
能基((メタ)アクリロイルオキシ基)を持つ化合物と
光重合開始剤等の混合された組成物として市販されてお
り容易に手に入れることができる。例えば大日本インキ
化学(株)より“SD―17”、“SD―301”、三
菱レイヨン(株)より“UR―4502”等の名称によ
り市販されている。また電子線硬化型の樹脂としては三
菱レイヨン(株)の“MH―7135”などがある。
【0034】エポキシ樹脂としては、光ディスクに使用
可能なものであれば、特に制約はない。通常のビスフェ
ノールから誘導されたものを使用することができる。た
だし、この用途上透明性が要求されるので、硬化剤の選
択には充分注意する必要がある。効果速度、透明性の点
からペンタエリスリトールから誘導されるジアミンなど
が好ましく使用される。例えば油化シエル(株)のエポ
メート“N―002”などを好ましい硬化剤として挙げ
ることができる。
【0035】シリケート樹脂としては多くのものが市販
されているが前述のエポキシ樹脂と同様に、光ディスク
に使用することができるものであれば使うことができ
る。例えばアルキルシロキサン等の熱硬化タイプとアク
リルシリコーン化合物等の紫外線硬化タイプなどがあ
る。例えば昭和電工(株)のガラスレジン“GR―65
0”や信越化学の“KP―85”、“KNS―530
0”などを使用することができる。
【0036】熱可塑性樹脂としては、記録膜に影響を与
えず、適当な溶剤、特に有機溶剤に可溶であり、均一で
透明な塗布膜を与える有機重合体を使用することができ
る。例えばポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメ
タアクリレートのようなアクリレート樹脂、ポリアクリ
ロニトル、ポリメタアクリロニトルのようなアクリルニ
トリル樹脂、フッ化ビニル・ヘキサフルオロプロピレン
共重合体のようなフッ素樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル
等のビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂等の樹脂およびそれらの混合物、共重合体等が好まし
く用いられる。
【0037】平坦化層の形成方法としては、スピンコー
ト、スクリーン印刷、ロールコート、スプレーコート、
ディッピング、スパッタコート等が使用可能である。こ
こで樹脂を硬化させたものからなる平坦化層を形成する
際、作業性からは樹脂もしくはその希釈溶液を塗布して
形成する方法が好ましい。さらに生産性、コスト等をも
考慮した場合には、前述の方法の中でも、スピンコート
法が好ましい。
【0038】ここでスピンコート法による場合、前述の
膜厚で平坦化層を形成するには、塗布時の樹脂原料を溶
媒で希釈するなどして粘性率を低くする必要がある。そ
の際には温度20℃での硬化前の粘性率が、膜厚 200〜50
0 nmとするためには50cP以下、膜厚50〜200 nmと
するためには30cP以下であることが好ましい。
【0039】希釈用の溶媒としては、有機物樹脂基板を
用いる場合、基板への化学的なダメージを与えないもの
であり、かつ、樹脂硬化時には大部分揮発するような物
質であれば特に限定されないが、毒性等も考慮した取扱
い易さの点から、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、エチルアルコール等が好ましい。
【0040】一方、基板表面に設けられているガイドの
深さは、安定したトラッキング性能を得るためには40n
m以上の深さのガイドを設けることが好ましい。さらに
より安定したトラッキング性能を得るためには、70nm
以上の深さのガイドを設けることが好ましい。このと
き、ガイドの形状は特に限定するものではない。しか
し、ガイドおよびガイド上の誘電体膜からの反射の効果
を有利にするためにはV形状の溝が好ましい。
【0041】基板材料は、少なくともガイドを形成する
部分においては、有機物樹脂を用いることが生産性から
好ましい。このとき、全体を有機物樹脂で形成した基
板、あるいは2P法によりガラス基板上にガイドを形成
する部分だけ硬化性樹脂の層を形成した基板にすること
もできる。
【0042】この基板材料に用いる有機物樹脂としは、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
2―メチルペンテン樹脂、ポリオレフィン樹脂、あるい
はそれらの共重合体等を用いることができる。中でも機
械強度、耐候性、耐熱性、透湿性、ならびに低価格であ
る点でポリカーボネート樹脂が好ましい。そしてこのポ
リカーボネード樹脂を用いて基板材料全体を形成するこ
とが、生産性からは好ましい。
【0043】また、現行の光ディスクに形成されている
トラッキングサーボのための凹凸形状のガイドは、約1.
6 μmピッチの同心円状もしくは渦巻状のものである
が、本発明はこの形状に限定されるものではない。また
このトラックピッチが1.6 μmより狭いものに対しても
適用可能であることは言うまでもない。
【0044】本発明で用いる記録層としては、レーザ光
照射により加熱された磁壁境界領域の少なくとも一部に
おいて、バイアス磁界の方向および大きさを変えること
なく、正味残留磁化の方向を自己反転することができる
垂直磁化膜であればよい。例えば、希土類遷移金属非晶
質合金系の、TbFe、GdFe、DyFe、TbFeCo、GdFeCo、DyFe
Co、DyTbFeCo、GdTbFeCo、GdDyFeCo、GdDyTbFeCo、NdDy
FeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の希土類と遷移
金属を主成分とする非晶質合金膜、ならびにガーネット
膜、Co/Pt 、Co/Pd 等の多層膜、CoPt合金膜、CoPd合金
膜等があげられる。
【0045】なお前述の記録膜中には、その垂直磁気異
方性が失わない限り、他の元素が最大10atom%まで添加
されても問題はない。例えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir、Si、Ge、Bi、Pd、A
u、Ag、Cu、Pt等の、希土類、Fe、Co、およびNi以外の
元素が1種もしくはそれ以上含まれても良い。特に記録
膜自身の酸化による腐食を防止するためには、Ti、Zr、
Hf、Ta、Cr、Reを添加することが好ましい。
【0046】さらにより高い再生C/Nを得るために
は、記録層として、その補償温度Tcompが50〜250 ℃で
あり、かつキュリー温度Tcが 100〜350 ℃であること
が好ましい。さらにはTcompが80〜160 ℃であり、かつ
キュリー温度Tcが 200〜250℃であることがより好ま
しい。
【0047】また記録層の膜厚が10nmより薄くなる
と、膜の不連続性、不均一性等の膜構造の点で問題が多
い。一方それが 200nmよりも厚くなると、熱容量が大
きくなるため、記録・消去の際に高いレーザパワーが必
要となる。従って膜厚としては、10〜 200nmの範囲が
好ましい。
【0048】本発明による基板と記録層との間に透明誘
電体層を設ける場合には、カー効果エンハンスメントを
高めるという点で、屈折率nの高い材料、すなわちn≧
1.6である材料、さらに好ましくはn≧1.8 である材料
が好ましい。
【0049】このような透明誘電体材料としては、Al
N、ZnS、Si3 4 、AlSiN、SiO、SiO2 、Zr
2 3 、In2 3 、SnO2 、Ta2 5 、AlON、SiO
N、ZrON、InON、SnON、TaONまたはこれらの混
合体などが適用できる。特に屈折率が1.8 以上とうい点
では、Si3 4 、AlSiN、ZnS、Zr2 3 、Ta2 5
ZrON、TaONが好ましい。
【0050】また透明誘電体層としては、前述の各材料
の単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層
膜を設けても良い。
【0051】さらに再生信号C/Nを高めるためには、
記録層全体の膜厚を15nm以上で100 nm以下、より好
ましくは60nm以下、さらにより好ましくは40nm以下
とし、記録層の基板と反対側に金属反射層を設ける構成
が有効である。
【0052】ここで用いる金属反射層としては、C/N
の評価に用いるドライブヘッドのレーザ光に対し、記録
層よりも反射率の高い材料であることがC/N向上のた
めに好ましい。具体的には、使用レーザ光波長における
光学定数である屈折率nと消衰係数kが、n≦3.5 かつ
k≧3.5 であるような材料を選択することが好ましい。
さらに好ましくはn≦2.5 かつ 4.5≦k≦8.5 であり、
この条件で作成した媒体では、金属反射層の反射率向上
によりカー効果エンハンスメントが向上し、C/Nのよ
り一層の向上が実現できる。
【0053】一方レーザ光による加熱で信号を記録する
際、金属反射層の熱伝導率が高過ぎると、熱の拡散が大
きく、強いレーザパワーを必要とする。このため現在多
用されているパワーが10mW以下の半導体レーザで信号
の記録を可能とするためには、金属反射層に用いる材料
の熱伝導率は 100〔W/(m・K)〕以下であることが
好ましく、さらには80〔W/(m・K)〕以下、さらに
は50〔W/(m・K)〕以下であることがより好まし
い。
【0054】このような条件を満足する材料として、Al
もしくはAgにAuを添加した合金、すなわちAlAu合金もし
くはAgAu合金が挙げられる。なお、これら合金において
Auの添加量が 0.5atom%より少ないと前述の熱伝導低下
の効果は小さく、逆に20atom%より多いと前述の光反射
率の低下が大きくC/Nの面で不利である。従ってAuの
含有量は 0.5〜20atom%の範囲におさめることが好まし
い。
【0055】さらに、反射率の低下をAlもしくはAg単独
膜に比べ 2%以内に抑えC/N低下を防ぐためには、Au
含有量は 0.5〜15atom%、さらには 0.5〜10atom%であ
ることが好ましい。
【0056】このようにAu含有量を少なくすることは、
ターゲットや媒体のコストを低減する意味からも重要で
ある。
【0057】さらにAu含有量を最小限にとどめるという
点からは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、
Re、Ru、Os、Ir等の1種以上の特定元素を補助的に添加
することが好ましい。特定元素の添加量は 5.0atom%以
内にとどめるべきであり、これより多いと金属反射膜の
反射率が低下し、C/Nも低下してしまう。 5.0atom%
以内では、光磁気記録再生装置で使用される半導体レー
ザの波長である 830nmでの反射率の低下は、 2%以内
の低下幅にとどまる。一方 0.3atom%より少ないと、Au
を節約したことによる熱伝導率の上昇分を補うことがで
きない。従って、特定元素の添加量は 0.3〜5.0 atom%
の範囲に設定する必要がある。この範囲の特定元素の添
加により、Auの添加量は 0.5〜10atom%の範囲であれ
ば、反射膜の反射率はAlもしくはAg単独膜に比べ、 2%
以内の低下に抑えることができ、Auのコストも低減でき
ると同時に、熱伝導率も20〜100 〔W/(m・K)〕の
範囲に設定することができる。
【0058】なお、特に金属反射層自身の耐久性を高め
るという点で、上記特定元素群の中ではTi、Zr、Nb、T
a、Cr、Reが好ましい。これら金属反射層の膜厚範囲は1
0〜500 nmであるが、反射率の低下によるC/N低下
を抑え、かつレーザパワーが10mWで記録可能とするた
めには、好ましくは30〜200 nm、特に好ましくは40〜
100 nmである。
【0059】また、Au組成および/または特定元素組成
を上述の組成範囲に設定することにより、前述のとおり
その熱伝導率を 100〔W/(m・K)〕以下にすること
ができ、レーザパワーが10mW以下の信号を記録するこ
とも可能となる。
【0060】金属反射層を設ける位置としは、光磁気記
録層の光入射面と反対側に掲載される点を除いて、特に
限定されない。すなわち、金属反射層を光磁気記録層上
に直接設けたもの、または透明誘電体層を介したものを
設けたもの、さらには金属反射層上に透明誘電体層等の
無機保護層および/または有機保護層を設けたもの等、
あらゆる構成に適用できる。
【0061】上述の透明誘電体層、記録層、金属反射層
の無機薄膜の製造方法としては、公知の真空蒸着法、ス
パッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種
々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光磁気記録媒体
としては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさ
せないために、特に高分子基板との密着性が大きい条件
で作製することが好ましい。このためにはスパッタリン
グ法が好ましい。
【0062】有機保護層としは、平坦化層の場合と同様
に、光および/または熱硬化型樹脂、あるいは熱可塑性
樹脂等が適用でき、コーティング法等により形成でき
る。なお、これら記録層の基板と反対側に設ける裏面保
護層は、少なくとも記録層の側面まで被覆するように設
けるのが好ましい。
【0063】なお本方式において、記録・消去すなわち
重ね書きの際に照射するレーザーパルスの波形は、図4
と図5のような形には限定されない。すなわち前述の特
開平1-251357号公報開示のように、図4と図5における
記録・消去パルスをさらにパルス幅が狭い至近間隔で連
なる至近間隔パルス列を連続的に照射する形てもよい。
さらにはこの至近間隔パルス列からなる光パルスと先に
述べた連続照射パルスとを組み合わせた波形でも良い。
【0064】但し、以上述べたところの光パルスのパワ
ーは、媒体の記録感度、すなわち記録層のキュリー温
度、および膜構成に応じて適宜設定する必要がある。
【0065】なお、本発明の光磁気記録媒体の構成に関
しては、記録層を透明誘電体層でサンドイッチした構
成、記録層のレーザ光入射側と反対側の面に金属反射層
を設けた構成、更には保護層として無機および/または
有機保護層を設けた構成等、あらゆる構成が適用可能で
ある。
【0066】さらに光磁気記録装置としは、本発明の光
磁気記録媒体を用いて、光パルスのパワーレベルおよび
/またはパルス幅の変調のみによる情報のダイレクトオ
ーバーライトを行うことにより、良好なオーバーライト
特性を得ることができる。
【0067】
【実施例、比較例1、2】以下のようにして図1、図
2、図3に示す構成の光磁気記録媒体を作成し評価し
た。図において、1はガイドを表面に形成した基板、2
はガイド上の誘電体層、3は平坦化層、4は記録層下の
誘電体層、5は記録層、6は記録層上の誘電体層、7は
有機保護層である。
【0068】まず、表面にサーボトラック用のガイドを
形成したポリカーボネート樹脂(PC)による基板1を
用意した。この基板1は、外形が直径 130mm、厚さ
1.2mmの円盤で、表面にサーボトラック用ガイドとし
て 1.6μmピッチで深さ70nmの溝が渦巻状に形成して
ある。
【0069】この基板1を用いて記録層を形成する際
に、ガイド上の誘電体層とさらに平坦化層を設けたもの
(実施例)、ガイド上の誘電体層を設けずに平坦化層の
みを設けたもの(比較例1)、ガイド上の誘電体層と平
坦化層の両方を設けなかったもの(比較例2)の3種類
を、次のようにして作成した。
【0070】まず基板1を3ターゲットの高周波マグネ
トロンスパッタ装置(アネルバ製SPF―430H型)
の真空槽内に固定し、 5.3×10-5Paになるまで排気す
る。なお、膜形成において基板1は15rpm で回転させ
た。そしてガイド上の誘電体層2として、AlSiN膜を次
のようにして形成した。すなわち、ターゲットとしては
直径 100mm、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50 )の
焼結体を用い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30v
ol%)を導入し、圧力 0.4Paになるようにガス流量を調
整した。そして放電電力 400W、放電周波数 13.56MHz
で高周波スパッタリングを行い、ガイド上の誘電体層2
としてAlSiN膜を80nm堆積した。
【0071】この基板をスパッタリング装置から取り出
し、スピンコーターに取りつけた。そして基板を3000rp
m で回転させながら、紫外線硬化性のフェノールノボラ
ックエポキシアクリレート樹脂を塗布した。このとき、
樹脂は塗布前にブチルアルコールによって希釈し、温度
20℃にて粘性率がおよそ40cPとなるように調整した。
塗布後、スピンコーターから取りはずし、紫外線照射装
置を通過させて樹脂を硬化させ、ガイド上以外の領域で
の厚さが約 250nmとなる平坦化層3を設けた(実施
例)。
【0072】また基板1に対して、ガイド上の誘電体層
2を設けずに、直接実施例と同様の方法で平坦化層3を
約 250nmとなるように設けた(比較例1)。
【0073】これらの基板と、ガイド上の誘電体層2と
平坦化層3を設けていない、直径 130mm、厚さ 1.2m
mの円盤で、 1.6μmピッチのグルーブを有するポリカ
ーボネート樹脂(PC)のディスク基板1(比較例2)
とを、再び3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ
装置(アネルバ製SPF―430H型)の真空槽内に固
定し、 5.3×10-5Paになるまで排気する。なお、膜形成
において基板1は15rpm で回転させた。
【0074】これら3つの基板上に、以下の手順で全く
同じ構成からなる光磁気記録媒体用の多層膜を形成し
た。
【0075】まず記録層下の誘電体層4としてAlSiN膜
を形成した。すなわち、ターゲットとしては直径 100m
m、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50 )の焼結体を用
い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導
入し、圧力 0.4Paになるようにガス流量を調整した。放
電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高周波スパッタ
リングを行い、誘電体層4としてAlSiN膜を80nm堆積
した。
【0076】次に光磁気記録層5として、ターゲットを
GdTbFeCo合金の円盤に変え、スパッタリングガスを純Ar
(純度99.999%)とし、圧力0.67Pa、放電電力 100Wで
(Gd 25Tb7528(Fe80Co2072合金膜を150 nm堆積し
た。
【0077】続いて、記録層上の誘電体層6としてター
ゲットを前記のAlSiの焼結体ターゲットに戻し、スパッ
タリングガスもAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)に戻
し、記録層下の誘電体層4と同様の放電条件で、AlSiN
膜を80nm堆積した。
【0078】このサンプルを再度スパッタリング装置か
ら取り出し、スピンコーターに取り付けた。ディスクを
3000rpm で回転させながら紫外線硬化性のフェノールノ
ボラックエポキシアクリレート樹脂を塗布した後、紫外
線照射装置を通過させて樹脂を硬化させ、約20μmの有
機保護層7を設けた。この際には、約20μmと厚い膜厚
で設定するため、ブチルアルコールで希釈を行い、粘性
率 500cP前後の状態で塗布した。
【0079】以上の手順で、図1(実施例)、図2(比
較例1)、図3(比較例2)に示す構成の光磁気記録媒
体を得た。
【0080】これら各サンプルのダイレクトオーバーラ
イト時のC/Nを測定した。測定には、光磁気記録再生
装置(パルステック工業製DDU―1000型)を用
い、半径30mm位置のトラックにおいて、ディスク回転
速度3600rpm 、線速度11.3m/sec で、ビットの記録方
向にバイアス磁界350 Oeを印加し、図4と5に示すよう
な変調をかけた光パルスを順に照射することにより、ダ
イレクトオーバーライトを行い、その時のC/Nを求め
た。すなわち、図4に示す信号によって記録した記録ビ
ットを、図5に示す信号によってダイレクトオーバーラ
イトした。
【0081】その結果実施例と比較例2のサンプルで
は、安定したトラッキングサーボ状態が得られた。しか
し比較例1のサンプルは、トラッキングサーボができ
ず、C/Nの測定も不能であった。そしてC/Nは、実
施例が41dB、比較例2が37dBであった。
【0082】
【発明の効果】本発明は以上詳述したごとく、バイアス
磁界の方向および大きさを変えることなく、光パルスの
パワーレベルおよび/またはパルス幅の変調によりダイ
レクトオーバーライトが可能な光磁気記録媒体および光
磁気記録装置において、ガイドからトラッキングサーボ
のためのトラッキング信号が十分な強度で安定して得ら
れ、さらに記録膜が平坦面に設けられるために従来より
もC/Nが大幅に改善された高い情報再生信号品質が得
られ、しかも製造時の歩留り、コスト等も、特開平3-40
248 号公報記載の方式よりも大幅に改善できる光磁気記
録媒体、およびこの光磁気記録媒体を用いることで記録
装置としての性能を大幅に向上させた光磁気記録装置を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の積層構成
【図2】比較例1の積層構成
【図3】比較例2の積層構成
【図4】ダイレクトオーバーライト信号
【図5】ダイレクトオーバーライト信号
【符号の説明】
1 ガイドを表面に形成した基板 2 ガイド上の誘電体層 3 平坦化層 4 記録層下の誘電体層 5 記録層 6 記録層上の誘電体層 7 有機保護層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】つづいてこの測定を行った同じトラック上
にて、ビットの記録方向に 350Oeの大きさの外部バイア
ス磁界を印加した状態で、図5に示す3 MHzのパルス信
号により記録と消去を行った。すなわち、図4による元
の信号を、図5の信号にてダイレクトオーバーライトし
た。その後 1.0mWのDC光すなわち連続光を照射し
て、再生信号の測定を行った。すると初めに記録されて
いた4 MHzの信号は完全に消去され、3 MHzの信号のみ
が記録されていた。この時再生信号のC/Nは約37dBで
あった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光パルスのパワーレベルおよび/またはパ
    ルス幅の変調のみによるダイレクトオーバーライトが可
    能な光磁気記録媒体において、記録層を形成するための
    基板が、光によるトラッキングサーボための凹凸形状の
    ガイドをデータ用領域に隣接して形成した面を有し、基
    板材料が少なくとも前記ガイドを形成する部分において
    有機物樹脂からなり、前記ガイドを形成した基板面上の
    少なくともガイド上に誘電体膜を形成し、さらにその上
    に前記ガイドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平
    坦化層を形成し、前記誘電体膜の屈折率が前記ガイドを
    形成する部分の基板材料と前記平坦化層とよりも高いこ
    とを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】誘電体膜が少なくともガイド側の基板面全
    面に形成された請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】基板材料全体がポリカーボネート樹脂から
    なる請求項1〜2記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】ガイドの深さが40nm以上である請求項1
    〜3記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】ガイドの深さが70nm以上である請求項4
    記載の光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】誘電体膜の屈折率nが、トラッキングサー
    ボのために用いる光の波長において、n≧1.6 である請
    求項1〜5記載の光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】誘電体膜の屈折率nが、トラッキングサー
    ボのために用いる光の波長において、n≧1.8 である請
    求項6記載の光磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】誘電体膜が無機窒化物および/または無機
    酸化物からなる請求項6〜7記載の光磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】誘電体膜がAlSiNからなる請求項1〜8記
    載の光磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】誘電体膜の膜厚d(nm)が、20≦d≦
    160 の範囲にある請求項8〜9のいずれかに記載の光デ
    ィスク用基板。
  11. 【請求項11】平坦化層が樹脂を硬化させたものからな
    る請求項1〜10記載の光磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】平坦化層の膜厚t(nm)が、ガイド上
    の部分において50≦t≦500 の範囲にある請求項1〜1
    1のいずれかに記載の光ディスク用基板。
  13. 【請求項13】記録層として希土類遷移金属非晶質合金
    を用いた請求項1〜12記載の光磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】請求項1〜13記載の光磁気記録媒体を
    用いて、光パルスのパワーレベルおよび/またはパルス
    幅の変調のみによる情報のダイレクトオーバーライトを
    行うことを特徴とする光磁気記録装置。
JP2523092A 1991-12-04 1992-02-12 光磁気記録媒体および光磁気記録装置 Pending JPH05210885A (ja)

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TW81109550A TW278180B (ja) 1991-12-04 1992-11-28
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